昔から「沈黙は金」という諺を信じて、「余計な事は喋らない方がいい」と勘違いしていらっしゃる人が多いようです。
実はあの諺は「沈黙は金、有言は銀」と続き、本来は「ただ黙っているよりも胸の内は語った方がいい」という事なのだそうです。この諺が出来た頃は、銀の精製技術が難しく金よりも価値があったためとも言われています。
さて、それが分かったところでお喋りがいいかどうかはともかくとして、日常生活では口は閉じておいた方がいいでしょう。なぜなら、風邪を引きやすくなるからです。
医療関係者の間では、もうずいぶんと前から“口呼吸”の人が増えた事に対して注意を促してきました。しかし、残念ながらあまり浸透していません。
街中で、口が半開きになってる人を捜してみると、途中で数えるのを諦めたくらいいました。おそらく本人は気づいていませんが鼻で自然に呼吸をする事ができないからでしょう。
では、どうして口呼吸をしていると風邪を引きやすくなるのでしょうか。その秘密は鼻毛にあります。
私も女性とのデートの時には鼻毛の手入れをしますが、あくまで鼻の穴の入り口だけです(笑)
それは、鼻毛がフィルターとなって埃や雑菌を防いでくれるからです。
それこそ昔は、青っ洟を垂らしている子どもがいたものですが、あの色は雑菌が固まったものなのです。痰がからんで吐き出した時にも同じ色をしている事があると思いますが、それも同じです。
青っ洟を垂らしている子どもを見かけなくなったという事は、日本の栄養事情が良くなった事もあると思いますが、鼻に雑菌が溜まらなくなったからとも言えます。
では、雑菌はどこに行ったのかと言うと、口の中へと入って行ってるのです。それはすなわち、雑菌がなんのフィルターも通ることなく直接体内に入っている事を意味します。
口の中に雑菌が入れば、咽喉は炎症を起しますし、さらに奥へと入っていって風邪を引き起こしたり、胃腸の調子を悪くします。
よくエヘンエヘンと咽喉が詰まった感じになる人は、雑菌のせいで咽喉が炎症を起してるためです。
それを防ぐためには、まずはマスクをする事ですが、マスクをするのは煩わしいものです。
そこで簡単にできる事、それが「口を閉じる」事なのです。
歯を噛み合わせてグッと奥歯に力を入れて、鼻でゆっくりと呼吸する。
慣れないと大変かもしれませんが、一週間ほど頑張れば自分でも咽喉の調子が以前より良くなる事を実感できるはずですので試してみて下さい。
これから師走で忙しくなる時期。風邪なんて引いてる暇はありませんものね。
そうそう、赤ん坊が生まれたばかりの方は、子どもが自分でオシャブリを離すまで、無理にやめさせたりしないように気をつけて下さい。
子どもが早く発育するようにと1歳未満でオシャブリを取り上げてしまう親がいますが、鼻呼吸の癖がつかなくて風邪を引きやすくなってしまいます。