子供の頃、「朝起きたらまず歯磨きをしましょう」と教わった事ありませんか?
そして、本当に起きてから歯を磨いて、朝食の後にまた歯磨きをした事のある人はいるでしょうか。
私は、正直に言ってやった事がありません。
食事をした後に磨くのですから、わざわざ食事の前にも磨くなんて二度手間で面倒だと思っていましたから。
ところが、この「朝起きてすぐ」と言うのには、ちゃんと理由があったのです。
確かその理由を初めて知ったのは、高校の保健体育の授業でした。
虫歯というのは、虫歯菌(雑菌)が食べ物と出会い、酸を出して歯を溶かしてしまう事によってなります。そしてそれは、食後ではなく、食事をしている最中からすでに起きているのです。これでは、ゆっくり食べているヒマもありません。
では、食後の歯磨きが手遅れだとしたらどうすれば良いのか。
そこで有効なのが、食事の前の歯磨きなのです。
人間は、寝ているあいだはツバを飲みません。忍者に関する本によれば、相手がタヌキ寝入りをしているかどうかを、口もとに耳を近づけて、ツバを飲む音がするかを確かめると書いてあります。
居眠りをすると、ヨダレが垂れる事があるのもこのためです。
そしてそれは、寝ているあいだに口の中に虫歯の原因となる雑菌が溜まっていくと言う事でもあります。そのまま朝食を食べれば、食べてるそばから歯を溶かされて虫歯になるのは決定的でしょう。
ちゃんと食後に歯を磨いても、時すでに遅しです。
ところが、食事の前に歯を磨いて虫歯菌を洗い流してしまえば、口の中に虫歯菌がいないのですから、食事中に歯を溶かされる心配はありません。
それどころか、食後に歯のあいだに食べカスが残っていても虫歯になりません。(もっとも、時間が経てば、また虫歯菌が溜まるので磨いておいた方が良いですが。)
この食事の前の歯磨きは、まだ歯磨きをきちんとできない小さなお子さんには特に良いでしょう。食べカスを取るのが目的ではないので、比較的簡単に済ませても効果がありますし、食後の歯磨きは食べカスの除去に専念すれば良いので、気持ち的にも楽になると思います。
削ったり抜歯するしか治療方法の無い虫歯は、「最も患者が多い不治の病」とも言われています。
朝起きたら、まず歯磨き。ぜひお試し下さい。
“副作用”としては、雑菌を洗い流すので病気の予防になりますし、マッサージ効果があるので頭もスッキリと覚めます。