“皮膚疾患”
「皮膚疾患」は、体内の新陳代謝のバランスが崩れうっ滞が起こったため、その影響が皮膚に現れ発症します。
【原因】
A | 陽気が盛んになる。 | 1)~3)はいずれも身体に余分な熱をためる原因となります。春先から暖かくなるに従って、こういう体質の人は身体の熱の影響が皮膚に現われやすくなります。 |
B | 環境が一変するためストレスがたまりやすい。(五月病) | ストレス(漢方用語=七情)は「肝」の働きを悪くします。肝の機能が低下すると経絡(肝経)上の生殖器、筋、眼などに症状が現れやすくなります。 |
C | アレルギー体質をもっている。 | アレルギー反応のもとになる抗原(漢方用語=風邪)も「肝」の働きを悪くする原因になります。 |
D | 「便秘」や「生理不順」がある場合は、原因疾患の治療を優先します。 |
【治療】
A.消風散(しょうふうさん)
1)ステロイド軟膏をできるだけ使いたくない方。
(子どもは肌が弱いので)強い薬は必要最小限に止めるべきです。
この薬は、慢性の皮膚疾患によく用いられる代表的な漢方薬です。
1ケ月くらい併用して使ってみてください。
消風散を内服薬としてすすめる理由
「子どもの対象者が多い」
「子どもは肌が弱い」
「市販の内服薬で競合する商品がない」
「母親単独で購入するケースが多く、証が詳しくとれない」
「幅広い薬効をもつ生薬で構成されており、多彩な症状に対応できる」
2)慢性に経過し、春から梅雨にかけて増悪する方。
身体に熱を持ったり代謝が悪くなると、春から梅雨頃になると症状が出やすくなります。
この漢方薬は汗腺を広げて皮膚の代謝を良くし、身体にたまった余分な熱や老廃物を除いて症状を改善します。
薬の効果を高めるために、お酒の取りすぎやストレスをためすぎないように気をつけてください。
B.他の漢方薬
1)温清飲(うんせいいん)……‥発疹や発赤があって、カサカサのとき慢性化した皮膚疾患の増悪期、子どもやイライラしやすい方に
2)当帰飲子(とうきいんし)‥‥‥発疹や発赤が無くて、カサカサのとき冬場の乾燥した時期に増悪、乾燥体質の方に(老人性皮膚掻痒症)
3)十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)‥……腫れて化膿しやすいとき(皮膚疾患の初期)
※必ず薬局で“ご相談”のうえ、お求め下さい。