子供の頃、「朝起きたらまず歯磨きをしましょう」と教わった事ありませんか? そして、本当に起きてから歯を磨いて、朝食の後にまた歯磨きをした事のある人はいるでしょうか。 私は、正直に言ってやった事がありません。 食事をした後に磨くのですから、わざわざ食事の前にも磨くなんて二度手間で面倒だと思っていましたから。 ところが、この「朝起きてすぐ」と言うのには、ちゃんと理由があったのです。 確かそ…
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第15回 「口を閉じましょう」
昔から「沈黙は金」という諺を信じて、「余計な事は喋らない方がいい」と勘違いしていらっしゃる人が多いようです。 実はあの諺は「沈黙は金、有言は銀」と続き、本来は「ただ黙っているよりも胸の内は語った方がいい」という事なのだそうです。この諺が出来た頃は、銀の精製技術が難しく金よりも価値があったためとも言われています。 さて、それが分かったところでお喋りがいいかどうかはともかくとして、日常生活では口…
第14回 「かぜ」
かぜの相談が急増しているので、『かぜ』について解説します。 かぜには、大きく分けて「風寒(ふうかん)」と「風熱(ふうねつ)」の二つがあります。 おおまかに言うと「風寒」は、寒気がする風邪。(基本的には風邪を治すために熱を出す準備として、体内の熱を下げるために起こる)「風熱」は、寒気が無く「体感」が熱い風邪。(熱が出るとは限らない) ですから、「風寒」の場合は、リンゴなどの果物やジュースは口…
第13回 「食事が原因になる病気PartⅡ」
食事の不節制がおこす病気と、それを調節する漢方薬 食事の不節制は、脾や胃腸を障害します 飲食物は、脾や胃腸によって消化・吸収され、気・血・津液をつくります。 したがって食事の不節制は、脾や胃腸を障害したり気・血・津液の生産や代謝を失調させ、ひいては全身に影響を与えます。 しかし食事の不節制のしかたによって、どのように脾や胃腸が障害されるかが違ってきます。 漢方では食事の不節制を、摂取量の不…
第12回 「食事が原因になる病気 PartⅠ」
食事の不節制は万病のもと 食事のアンバランスが病気をひきおこす原因のひとつであることは、周知のとおりです。 しかし、どのような食事がどのような病気の原因になるのかと問われても、糖尿病やビタミン欠乏症などの特定の病気を除いては、あまり知られてはいません。 漢方の世界では、古くから食事と病気とのかかわりを重要視して、研究してきました。 そして、食事は人体をつくる基盤であり、したがって食事のアン…
第11回 「医者と薬局(あるいは医師と薬剤師)」
タイトルが2つあるのは、私自身は「薬剤師」ではないからです(^_^;) もちろん、お店に薬剤師はいますし、私も漢方薬の勉強をしていますから、ご安心を。 で、漢方薬の相談が増えてくると、患者さんが通っている医者が薦める漢方薬と、当店でお薦めする漢方薬の種類が違うことがあり、度々患者さんを戸惑わせてしまうことがあります。 漢方薬には類似処方が数多くあるので当然といえば当然なのですが、あきらかに…
第10回 「体質改善」
最近、体質改善という言葉をよく耳にします。 そして漢方薬といえば、その代表的な薬というイメージがしますし、体質改善の薬であると勧められると、妙に安心したり納得して服用してまうことがあると思います。 現代医学的には、酸性体質よりアルカリ体質ほうが感染症や成人病にかかりにくいので、カルシウムなどを摂取してアルカリ体質にするというのが、体質改善の考え方です。 しかし漢方薬はアルカリ体質にするため…
第9回 「高血圧のQ&A」
Q 血圧が高いということは、どういうことですか? A 血圧は、血液が体の中を流れる状態を表しています。 血圧が高いということは、血液が流れにくくなっているということです。 その原因は、大きく分けて二つあります。 動脈硬化(血管が弾力性を失う)によって、血液が流れにくくなっている場合。 血液自体がサラサラときれいな状態でなく、ドロドロして汚れている場合。 Q 血圧が高いまま、ほおっておくとど…
第8回 「高血圧の誤解」
高血圧に関して、何軒か問い合わせがありましたので、今回はQ&A形式で書きたいと思います。 その前に「高血圧」に関して、一つ誤解があるようなので、そのことについて書いておきます。 それは、「高血圧」というのは「高血圧症」という病気だということです。 「当たり前じゃないか」と思う人もいると思いますが、この病気は正確に解説すると、「血液中の塩化ナトリウムを分解できなくなる」病気で、「血液中の塩化ナ…
第7回 「体質における実証と虚証」
第5回では「病証における実証と虚証」について解説しました。 ところが「虚実」は、体質を表現するときにも使われており、胃が丈夫で体格が良く普段から体力がある人を「実(じつ)」といい、胃が弱くて体格が弱々しく普段はあまり体力のない人を「虚(きょ)」といいます。 そのため両者を混同して、体質が実の人は実証で、体質が虚の人は虚証だと決めつけてしまっている俄(にわか)漢方医さえいます。 確かに、体力…