漢方では、人体をつくり正気の源になっているものを「気」・「血(けつ)」・「津液(しんえき)」といいます。 したがって正気の衰退(虚証)は、さらに気・血・津液の中のどれが不足したものかによって「気虚」や「血虚」などに区別されます。 今回は、気・血・津液について解説します。 気 人体中の「気」は、人体を構成する物質の中でもとくに生理活動を担う物質です。 気は、食事や呼吸および先天(両親からの…
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第5回 「病証における実証と虚証」
今回と次回は、少し難しい話になります。 分かりやすいようにしようとは思いますが、不明な点がありましたら遠慮なく質問して下さい。 漢方では、人体に障害を与える「病邪」が人体の防御能力「正気(せいき)」に勝ってしまうと病気が発生し、正気が病邪に勝れば回復すると考えます。 しかし、この病邪と正気との関係は相対的なものであって、正気が充分でも、それ以上の強力な病邪に襲われれば発病しますし、病邪の力が…
第4回 「漢方薬の正しい飲み方」
お客様からの質問にお答えする第2弾です。 みなさんも、どしどし質問をお寄せ下さい。 ネタに困らなくて助かりますので(^ ^;) さて、漢方薬の効果的な服用方法ですが、 漢方薬は基本的に食間か食前に服用するようにして下さい。 食後は、薬が食べたものと混ざって効き目が薄れるからです。 一方、食間だと飲むのを忘れがちであるため、 普通は食前に飲むように勧めています。理想的なのは食事の30…
第3回 「漢方薬は長く飲まないとダメ?」
初めてお客様からの質問に答えることになります。 ついでに言うと、初めて漢方薬の具体的な内容になります(^ ^;) 漢方薬は一般に、効きが遅いと思われていますが、決してそんなことはありません。 漢方薬は、病気の初期から遷延期までの進行具合と患者さんの体質に応じて使い分けられるように 体系化されています。 例えば、よく風邪に用いられる葛根湯(かっこんとう)は、 風邪をひいたなと感じた時…
第2回 「漢方医学と西洋医学の違い」
西洋医学は、人間の体を分析し、個々の臓器や細胞などの状態を調べ、 その結果をもとに胃の病気、心臓の病気というように病気を分別していきます。 そして、胃が悪ければ胃を、心臓が悪ければ心臓を治そうとします。 これは主に西洋のキリスト教徒に、この世界は神が「人間のために作られたもの」との考えがあり、 「病気(自然)に対して挑戦する」・「思い通りにコントロールする」という発想によるものです。 …
第1回 「薬局と薬店(薬屋)の違い」
いきなり漢方薬とは関係ない話で、すいません。しかし、ぜひ知っておいてもらいたいと思い、第1回目に選びました。 簡単に言ってしまうと、「医療用薬品を扱えるのが『薬局』で、大衆薬品しか扱えないのが『薬店』です」ということなのですが、 これじゃなんだかわかりませんね(^^;) まず『医療用薬品』というのは『指示薬』ともいわれ、医者が作成した処方箋をもとに薬剤師が調剤(薬を調合)したもので、 薬価が…