お客様が『パブロンエースPro』をレジに持ってきたけれど、患者は19歳の子供で、主訴は鼻水と発熱の他には咳などは無いというため、鎮痛剤と鼻炎薬の併用を提案した。
家に『イブ』があるとのことだったが、無印かAかは不明というので、風邪薬の中では咳止め成分の入っていない『PL顆粒』を案内し、そちらをお買い上げいただいた。
『イブ』の無印とAはパッケージが似ているため間違われやすいが、無印がイブプロフェン単体なのに対して、Aの方には鎮静剤とカフェインが混合されている。
Aの方が効き目が良いとは云えるものの、鎮静剤は眠気を催す可能性があり、カフェインは興奮作用によってイブプロフェンを強化するために入っているので、眠気覚ましを期待することはできない。
そして鼻炎薬にはカフェインが入っている物もあるため、鎮痛剤と併用できるかは、双方の成分を確認しなければならないため今回は避けた次第。
お客様に、鼻水の対処には体内、特に下半身を温めてあげるのが養生法となり、一方で発熱にエネルギーを使っているので無理に食事をしなくても良いことを伝えた。
消化をするのにも案外とエネルギーを消費するため、それこそインスタントスープや味噌汁で水分と塩分を摂取するだけでも良い。
子供を連れたお客様が、鎮痛剤の棚で「デラックスの方にしよう」と言っている声が聞こえてきたのため気にかけていたところ、『イブクイック頭痛薬DX』を購入された。
そのさいにヒアリングしてみると、ズキズキタイプの頭痛と締め付けるタイプの頭痛の両方があるというため、それぞれ起きた時には原因と対処法が異なることを説明した。
ズキズキする偏頭痛は、胃を悪くすると起こるとされており、消化の良い食事に切り替え体を安静にするのが良い。
安静にするのには、鎮静剤の入った『イブクイック頭痛薬DX』が効果的だ。
一方、締め付けるタイプの頭痛は肩こりと連動していることが多く、体を温め血流を良くするのが効果的。
つまり体を動かして軽い運動をすると症状が緩和されるので、鎮痛剤を使うのなら鎮静剤の入っていないタイプでカフェインが加わっている『バファリンルナi』の方が向いているし、『葛根湯』を使うという方法も考えられ、朝方に頭が重くて午後にかけて楽になるようなら『釣藤散』を使う手もある。
なのでお客様には、鎮痛剤も処方内容によって得手不得手があることを説明した 。
お客様が『バファリンプレミアム』を購入されるさいに『バファリンA』との違いを知ってるか確認したところ、良く分かっていないようだった。
同じ名前の銘柄でも、『バファリンプレミアム』はイブプロフェンとアセトアミノフェンという2種類の鎮痛剤を合わせて、さらに鎮静剤とカフェインを加えた物で、アスピリン製剤の『バファリンA』とは縁もゆかりもない。
単純な薬の強さではイブプロフェンの方がアスピリンより強いものの、アスピリンは末梢神経に効果を発揮する。
末梢神経とは神経の先っちょのことで、歯痛とか肩こりといった「痛む場所で効く」とされる。
お客様は、普段は締め付けるタイプの頭痛で、今日は二日酔いによるズキズキタイプとのことだったので、『バファリンプレミアム』は大丈夫ではあるけれど、ズキズキタイプは胃の不具合とも関係し、二日酔いはアルコールの分解に体内の水を必要とするのに、アルコールの利尿作用による脱水症状が原因でもある。
お客様には消化に良い食事に切り替えるよう伝えたけれど、水分代謝異常を改善する『アルピタン』(五苓散)を紹介するのを忘れてしまった。
最初に二日酔いの相談をされていれば、真っ先に案内したのに……(ノД`)シクシク