家族の代理でお客様が訪れ、踵のヒビと風邪の相談を受けた。
踵のヒビについては、『エルモディアひびあかぎれクリーム』を案内。
本来なら、ここで内服薬として『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を冷えと血流改善に勧めたいところなんだけど、今回は風邪の相談もあるうえ、ご本人ではないため措いておいた。
こういう点でも、家族の代理というのは困る。
まぁ、体調が悪いのを無理に店頭に来て下さいとは言えない訳だけど。
その風邪については、頭痛や悪寒を訴えているようで、まだ発熱はしていないという話から『葛根湯』を勧めた。
顆粒と液剤で効き目が違うか尋ねられ、液剤で30分程度、顆粒でも45分~1時間程度で効果が発現することを説明した。
まぁ、効果そのものは変わりませんよと。
あっ、そうそう、患者さん本人に食欲があっても、消化に良い食事に切り替えて、量は控えるようにして下さいね。
これを、伝え忘れるところだった。
赤ん坊連れのお客様が外用鎮痛薬の棚を眺めていたので、やや警戒していたら、何も相談してこずにフェルビナクのパップ剤を選んで、そのままレジで会計しようとされたため、授乳しているかを確認したら授乳中ということで、販売をお断りした。
もちろん言葉としては、ヤンワリとだけど。
すると、かかりつけの医師からはロキソニンのパップ剤を処方されていたという。
それでしたら、かかりつけの医師に相談してみてはとお話すると、その医師は遠方で、近くの病院に行って頼んでみたら断られたそうな。
うーん、それは断られるでしょうねぇ。
かかりつけ医師が処方したという話も、こっちはビックリだもの(・_・;)
いや、確かに濃縮した状態で乳児に経口投与する訳じゃないから、安全といえば安全なんだけど。
安全性が確立されていないのも事実で、医療機関では緊急性が無ければ、安全性の方を優先する。
まぁ、かかりつけ医師の指導の元で、母子ともに観察しながらというのなら、分からないでもない。
かかりつけ医師も、そのつもりで処方したのかもしれないし。
でも近くの病院の方は、飛び込みで来た患者さん、それも雰囲気からして「指示に従いそうにない人」には、危なくて処方できないと判断したのだろうと、容易に推察できてしまう訳で。
そのうえ、今回選ばれたフェルビナクは、血液中への浸透力が強いから、とても勧められない。
それを、相談せずに購入しようとする人には、なおさら売れない。
とはいえ、このまま帰して、今度は子供を連れず他店で黙って買われても困る。
親はどーでも良いが、子供の方は守らないと。←(ザビーネ・シャル「感情を処理出来ない
まずは、サリチル酸のパップ剤を提案してみた。
しかし、アッサリと蹴られてしまった。
「効き目が弱いでしょ」と。
それは、知っているのか……。
それなら、ロキソニンやフェルビナクの危険性も知っていて欲しい。
では、フェルビナクを使用する期間+3日間ほど授乳を中止してみてはと提案。
しかし、これもアッサリと蹴られてしまった…orz
では、授乳中でも服用できる『独活葛根湯』では、どうでしょう?
これもやはり、パップ剤を使いたいと却下される。
これは、もう何を言っても駄目か……。
それではせめて、処方箋を受けてロキソニンのパップ剤を出した薬局に電話して、市販薬で安全な物を紹介して頂いては?
この提案を受け入れてもらえたのかは、表情からは分からず。
「そうします」と答えて、帰っていかれた。
これからも、あの調子で子育てするのだろうか。
……心配過ぎる(;´・ω・)