• タグ別アーカイブ: 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
  • 親はどーでも良いんですが子供が心配で心配で

     家族の代理でお客様が訪れ、踵のヒビと風邪の相談を受けた。
     踵のヒビについては、『エルモディアひびあかぎれクリーム』を案内。
     本来なら、ここで内服薬として『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を冷えと血流改善に勧めたいところなんだけど、今回は風邪の相談もあるうえ、ご本人ではないため措いておいた。
     こういう点でも、家族の代理というのは困る。
     まぁ、体調が悪いのを無理に店頭に来て下さいとは言えない訳だけど。
     その風邪については、頭痛や悪寒を訴えているようで、まだ発熱はしていないという話から『葛根湯』を勧めた。
     顆粒と液剤で効き目が違うか尋ねられ、液剤で30分程度、顆粒でも45分~1時間程度で効果が発現することを説明した。
     まぁ、効果そのものは変わりませんよと。
     あっ、そうそう、患者さん本人に食欲があっても、消化に良い食事に切り替えて、量は控えるようにして下さいね。
     これを、伝え忘れるところだった。

     赤ん坊連れのお客様が外用鎮痛薬の棚を眺めていたので、やや警戒していたら、何も相談してこずにフェルビナクのパップ剤を選んで、そのままレジで会計しようとされたため、授乳しているかを確認したら授乳中ということで、販売をお断りした。
     もちろん言葉としては、ヤンワリとだけど。
     すると、かかりつけの医師からはロキソニンのパップ剤を処方されていたという。
     それでしたら、かかりつけの医師に相談してみてはとお話すると、その医師は遠方で、近くの病院に行って頼んでみたら断られたそうな。
     うーん、それは断られるでしょうねぇ。
     かかりつけ医師が処方したという話も、こっちはビックリだもの(・_・;)
     いや、確かに濃縮した状態で乳児に経口投与する訳じゃないから、安全といえば安全なんだけど。
     安全性が確立されていないのも事実で、医療機関では緊急性が無ければ、安全性の方を優先する。
     まぁ、かかりつけ医師の指導の元で、母子ともに観察しながらというのなら、分からないでもない。
     かかりつけ医師も、そのつもりで処方したのかもしれないし。
     でも近くの病院の方は、飛び込みで来た患者さん、それも雰囲気からして「指示に従いそうにない人」には、危なくて処方できないと判断したのだろうと、容易に推察できてしまう訳で。
     そのうえ、今回選ばれたフェルビナクは、血液中への浸透力が強いから、とても勧められない。
     それを、相談せずに購入しようとする人には、なおさら売れない。
     とはいえ、このまま帰して、今度は子供を連れず他店で黙って買われても困る。
     親はどーでも良いが、子供の方は守らないと。←(ザビーネ・シャル「感情を処理出来ない人間は、ゴミだと教えた筈だがな……」)
     まずは、サリチル酸のパップ剤を提案してみた。
     しかし、アッサリと蹴られてしまった。
    「効き目が弱いでしょ」と。
     それは、知っているのか……。
     それなら、ロキソニンやフェルビナクの危険性も知っていて欲しい。
     では、フェルビナクを使用する期間+3日間ほど授乳を中止してみてはと提案。
     しかし、これもアッサリと蹴られてしまった…orz
     では、授乳中でも服用できる『独活葛根湯』では、どうでしょう?
     これもやはり、パップ剤を使いたいと却下される。
     これは、もう何を言っても駄目か……。
     それではせめて、処方箋を受けてロキソニンのパップ剤を出した薬局に電話して、市販薬で安全な物を紹介して頂いては?
     この提案を受け入れてもらえたのかは、表情からは分からず。
    「そうします」と答えて、帰っていかれた。
     これからも、あの調子で子育てするのだろうか。
     ……心配過ぎる(;´・ω・)



     

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
    貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、子宮筋腫、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸症(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

    当帰芍薬散
    適応症状 

     筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の症状:
     貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、子宮筋腫、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸症(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      シャクヤク(芍薬)4.0g
      ソウジュツ(蒼朮)4.0g
      タクシャ(沢瀉)4.0g
      ブクリョウ(茯苓)4.0g
      センキュウ(川きゅう)3.0g
      トウキ(当帰)3.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    桂枝茯苓丸  下腹部の痛みや月経異常は本方と似ているが、比較的体力があり、貧血傾向が少なく、下腹部の自発痛・圧痛がより顕著な場合に用いる。

    加味逍遙散  精神不安、不眠などの神経症状をより強く訴える場合に用いる。

    当帰四逆加呉茱萸生姜湯  四肢冷感が一層顕著で、腹部・腰部・下肢が痛む場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)胃腸虚弱な患者。(胃腸障害を起こす事がある。)
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    当帰芍薬散
     

  • やっぱりレジで声がけしないとね

     お客様から咳と喉の痛みの相談を受けたのだけれど、風邪ではなさそう。
     お客様自身も風邪ではないと思っているようだったので、胃の不調による体内の乾燥が原因の可能性をお話したところ、飲み過ぎが思い当たるという。
     咳に『麦門冬湯』を、喉の痛みに『駆風解毒湯』を案内し、今回は喉の痛みよりも咳を止める方を優先したいというお客様の要望から、『麦門冬湯』をお買い上げ頂いた。

     『温感アスコラル』をレジに持ってきたお客様から特に相談は無かったのだけれど、自動販売機ではないから念の為にお客様に症状を尋ねると、膝の痛みが温めると楽になるという。
     そこで、『桂枝加苓朮附湯』と『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。
     今回は、購入には至らず。
     それでも、もともと扱っていなかったこの漢方薬の販売実績は、確実に伸びてきているし、適応しない症状や、病院に行った方がというケースにも遭うので、商売上も職責上も、やっぱりレジで声がけしないとね。
     うっかり地雷を踏む事もあるから、気持ち的には自動販売機で済ませたいんだけど(;´∀`)

     とか思っていたら、今度は『アスコラルL』をレジに持ってきたお客様に、痛み止めとしては弱い事を伝えると、格闘技をしていて外用消炎剤の湿布はひと通り試した事があるものの、違いは分からなかったという話が。
     しまった、地雷を踏んだか!?Σ( ̄□ ̄;)
     しかし、皮膚への浸透力が強い物としてフェルビナク製剤の湿布を紹介したら、変更して購入された。
     そのうえ、格闘技をしているというお話から、内出血する事もあるのではないかと『疎経活血湯』と、加齢による腎の衰えを補う『牛車腎気丸』を紹介してみたら、興味を持ってもらえたらしいので、図に乗って季節的に冷えてくる時期でもあるため、『桂枝加苓朮附湯』と『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も案内したところ、『疎経活血湯』を一緒に購入して頂けた。
    「効かなかったらゴメンナサイ(;´・ω・`)ゞ」という事で。

     

  • 冷やすのも簡単じゃないです

     以前に『牛車腎気丸』を勧めたお客様が、足先の冷えが改善したとのことで、追加分を購入しにいらした。
     こういうのは、本当に嬉しい。
     自分の見立てが当たったというのも勿論だけど、やはり患者さんに改善してもらえるのが一番。
     もし冷えが強いならと思い、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介したところ、これから寒くなるので頓服用にと、一緒にお買い上げ頂けた。
     『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』は、私の場合はスキーに行く時に服用するくらい。
     リフトに乗ってる時とか、手がかじかむのを軽減してくれるので。

     電話で、『ナロンエース』と『太田胃散』の飲み合わせについて問い合わせがあった。
     問題ありませんと回答しつつ、両方とも服用が初めてなのかを確認したところ、個別には以前から服用しているという。
     自己判断せずに、こうして問い合わせるのが普通になると、たぶん煩わしくなるけど、それが本来の姿。
     遠慮せずに、どんどん問い合わせてきて下さいな。

     『冷えピタ』を購入されるお客様に用途を確認すると、小学生の子供が寒気がすると訴えているため、発熱に備えてというお話だった。
     そこで、発熱し始めても寒気がしている間は冷やすのは額にして、発熱だけになったら首の後ろを冷やすように勧めた。
     寒気がしているというのは、風邪と戦うために準備しているという事で、高くジャンプしようとしゃがんでいる状態。
     その段階で解熱してしまうと、しゃがんだところを蹴り倒すようなもので、その後の回復を遅らせてしまう。
     そして、風邪を引いたら風呂を控えるというのも信じられているけれど、湯冷めにさえ気をつければ、発熱する前の段階では、血行を良くするために入浴するのも一つの手である事を説明した。

     また『冷えピタ』を買いにいらしたお客様がいたので、念の為に用途を尋ねた。
     小学生の子供が突き指をして、救急指定の病院に連れて行ったところ、折れてはいないので痛み止めの内服薬のみ処方され、湿布はせずに冷やすように言われたとのこと。
     しかし、『冷えピタ』を使っていたが、内出血しているらしく患部が青黒くなり痛みも引かないため、追加分を購入しようと思ったという。
     医師の方でも、これだけ『冷えピタ』や『熱さまシート』のような商品が普及しているのだから、そういう物を使う事を見越して、「冷やす」のには役に立たない事を、ちゃんと説明しておけば良いのに。
     私の友人にも、火傷した時に『冷えピタ』を使ったという困ったちゃんがいるけど。
     基本時に熱交換で冷やすだけだから、実際には熱を奪うほどの効果は無い。
     しかも今回の場合、すでに4日ほど経過しているというから、すでに冷やす期間は過ぎている。
     一応、『バンテリンコーワクリーム』を紹介したものの、救急指定の当直医は、病態に対して専門外という事もあるため、改めて整形外科を受診するよう勧めた。

     

  • 潰れたはずだよオノジュウさん

     やや高齢のお客様から、痔の相談を受けた。
     と言っても、すでに病院には通っていて座薬が処方されているという。
     相談の内容は、「切るしか無いのか」「切れば治るのか」と、担当医にこそ訊いて頂きたい事で困った。
     いや、まぁ、不安とかそういう事なんだろうけど。
     担当医からは、特に手術の話は出ていないそうで、やや先走り気味でもある。
     内服薬として『乙字湯』を紹介しつつ、担当医に相談してみるようお話してみた。
     『乙字湯』には興味を示されなかったが、何故か後で紹介した『蓮神(レンシン)』には関心を示された。
     ただ、『蓮神』はそれこそ入手ルートが限られている。
     そのため、近くの漢方薬専門を掲げている薬局を案内した。
     そういや知らなかったけど、『蓮神』を作っていたオノジュウは会社整理した後に、レンシン製薬株式会社として再建していたのね。
     ううむ、うちのお店に入荷できないものか。

     以前に膝の痛みの相談を受け、『桂枝加苓朮附湯』を勧めたお客様が、効果があったらしく追加を購入しにいらした。
     そこで、長く服用を続けなければならないのか、長く飲み続けて大丈夫かと質問された。
     効いたからといって安易に飛びつかずに確認するという姿勢には、ちゃんと応えたいところ。
     水分代謝を改善して温めて治すというのが主な効果なので、頓服のように、その時々に服用するという使い方ができることを説明。
     実のところ、台風などで湿気が多くなると膝が痛んで階段の登り降りも困難になる私自身が、こういう使い方をしている。
     また、どんな薬でも長期連用の場合は経過観察が必要であるものの、適宜増減する使い方もあるため、惰性で飲み続けるというのでなければ大丈夫である事を、お話した。
     寒い季節の間だけとか、秋雨や梅雨時といった、一定の期間に一日1回という使い方も考えられる。
     そこで、症状や状況が変わった時に乗り換える候補として、血流改善の『疎経活血湯』と、より温める効果のある『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介したところ、親類に漢方薬に詳しい人がいるので、その人に相談してみるとの事だった。
     ありゃん、もっと早く相談するのが難しかったのかな。
     なんにしても、相談先は多い方が良いです。

     お客様から、3歳児の風邪薬の相談を受けた。
     今の症状は鼻水と咳で、微熱はあるものの正確には計っていないという。
     主訴から、『かぜシロップ』より『鼻炎シロップ』の方を提案した。
     そして『葛根湯』も案内はしてみたが、お客様の話しぶりからすると、薬を服用させるのを避けたいような印象を受けた。
     確かに、今の症状からすると、普段よほど偏食をしているとか栄養不足だったり、一見して分かるほど虚弱な様子が無ければ、自然治癒する可能性が高い。
     そこで、温かい飲み物と消化に良い食事を与えて、積極時に体を温めるよう勧めてみたところ、安心した様子で帰っていかれた。
     やっぱり、できるだけ薬を避けたくて、その後押しをしてもらいたかったのかな。
     とはいえ、子供の風邪は急変が怖いので、別室で寝かしたりせずに目の届くところで寝かせて、熱は小まめに計るように付け加えておいたけど。

     

  • 名前の一部が違うと成分が全く異なる

     やや高齢のお客様が、下痢止めを求めて来店。
     下痢止めを求めて来店するお客様は、急性症状を抑える『ストッパ』シリーズか、食中りに向いている『正露丸』かの二極化が常だったりする。
     そして多くのお客様は、何も語らず、確認もせずに、無言で商品を差し出して買われていく。
     本当は、症状の内容を尋ねたいところなんだけど、下痢というのは言い出しにくいのか、それとも軽く考えているのか、とにかく足早な立ち去られてしまい、立ち入りにくい疾患の一つである。
     しかし、今回は珍しく、冷たい物を飲み過ぎての冷え腹が思い当たるというお話をされたので、『胃苓湯』を案内した。
     そして、もう少し詳しくお話を訊いたら、お酒はチューハイを飲むそう。
     チューハイ系は、「焼酎」と誤解しがちだけど、ウォッカベースだったりして、ウォッカは薄めてもお腹を壊しやすいので、もしかすると影響していかもと伝えた。

     以前に頻尿の相談を受けて、『八味地黄丸』を案内したお客様から再び相談を受けた。
     『八味地黄丸』はそれなりに効いているようなのだけれど、知人から『当帰芍薬散』に似た名前で、長い名前の物を勧められたとかで、実際のところどうなのかと。
     『当帰芍薬散』自体は、病院で更年期障害にと処方された事があると以前に言っていたので、名前も覚えたのだろう。
     そして、その長い名前で似たのというのは、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』の事だろう。
     効能に頻尿は入っていないが、天候不順で急に冷えてきたし、これから秋冬に向けては適応する可能性はあると、お答えした。
     特に、手足の冷えを強く感じる場合の最後の手段みたいな漢方薬で、私なんかはスキーに行く時に事前に飲んでおくと、指先が悴(かじか)むのを軽減できるため重宝している。
     ただ、今回の頻尿については効能に書いてないから、店頭では売りにくいのも事実。
     『当帰芍薬散』を処方してもらっている担当医に、まずは相談してみてはいかがでしょうとも付け加えた。
     もっとも、あくまで「手足の冷えに」という事であれば、販売しても問題は無いのだけれど。

     『イブ』の無印を選ばれたお客様に、念のため『イブA』でなくて良いのか尋ねた。
     一応、『イブ』の無印はイブプロフェンだけで、『イブA』の方は胃を保護する成分が加えられているから、『イブA』の方が良いのではないかと思ったため。
     そしたら、以前に『リングルアイビー』が効かなかったという話をされた。
     ええと……、『リングルアイビー』の中身はイブプロフェンだけだから、『イブ』の無印と変わりませんよん(^_^;)
     効かなかった原因はハッキリしませんが、それでしたらイブプロフェンとアセトアミノフェンを合わせた別の鎮痛薬を試してみてはと提案して、『バファリンプレミアム』を試していただく事になった。
     ちなみに、『バファリンプレミアム』の成分は、良く知られている『バファリンA』とも成分が違う。
     『バファリンA』の主成分はアセチルサリチル酸で、医師からアセチルサリチル酸のアレルギーがあると診断されている人は服用できない。
     というように、別な商品名の成分が同じだったり、良く知っているつもりの商品名は一種のブランド名なので、名前の一部が違うと成分が全く異なるので注意が必要。

     

  • 服用履歴を隠しても良いことは無いですよ

     やや高齢の男性から、しぶり腹の相談を受けた。
     ゴルフでコースに出ると、便意を催すという。
     下痢ではないそうで、神経的なことかもしれないと考え『桂枝加芍薬湯』を候補にしてみたが、その場で便意を止めたいという当然の要望があったため、『ピシャット』を案内した。
     いつも服用しているという、『キャベジンコーワα』も一緒にお買い上げ。
     うーむ、『キャベジンコーワα』が関係してる気がしないでもないな。
     服用しないで変化があるのか調べてもらいたいところだけど、それを勧めるのは、ドラッグストアの店員としては不適切か。
     判断の難しいところ。
     以前に、『ガスター10』を常用しているという患者さんに服用を中止してみるよう勧めたら、胃の不調が改善した例はあるのだけれど。

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     手荒れの相談で、お客様が来店。
     冬頃に手荒れが起きて、その時は乾燥だと思ったそうなのだけど、梅雨入りした今も治らないという。
     痒みは強いそうで、患部を見せてもらうとカサカサしている様子。
     塗布する薬を求められたため、『ケラチナミン乳状液』を案内してお買い上げいただいた。
     ただ、私としては水分代謝の異常と血流の不調があるように思えたので、服用薬として『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。

     やや高齢のお客様が、駆けこむようにして来店し、歯痛の痛み止めをくれと頼まれた。
     2~3日したら歯科医に行くので、それまでしのげればとの事で、『大正トンプク』を案内した。
     念のため、他の薬の服用が無いか尋ねたところ、『正露丸』を服用していたそう。
     いや、あれは確かに殺菌効果があるけど、歯痛に使うなら飲むんじゃなくて、砕いて歯に詰めないと意味が無いです……。
     まぁ、目的外使用だし、添付文書の使用方法からも外れるから、推奨はしませんが。
     と思って調べたら、大幸薬品の『正露丸』だけ「むし歯痛」の効能を取得してた(;・∀・)
     それはともかく、後で同僚との情報共有のため、お客様への対応について連絡ノートに書いておいたら、どうやら以前にも来店しているお客様で、その時には『ワーファリン』を服用しているという話が出たため、痛み止めは販売しなかったと知らされた。
     ありゃん、今回はそんな話は出されなかった。
     店員が前回と違うのを確認して、来店されたのかな。
     薬の服用歴を隠しても、良いことは無いですよオオオォォォ(」´Д`)」!!

     

  • 持病や常用している薬をプロフィール欄に書いておくというのはどうか

     成人男性からの頼まれものという事で、喉の痛み止めの薬を求めてお客様が来店した。
     本人が症状を感じたのは今朝かららしく、頭重や悪寒などの症状は無い模様。
     頼まれ物の場合、確認した情報がどこまで正しいのか判断がつきかねる。
     厳密に言えば、売っちゃいけないんだろうなぁ。
     という訳にもいかないので、適応しそうな薬をチョイスする訳ですが。
     お腹は丈夫らしいので『桔梗湯』を候補にしたが、一緒に『駆風解毒湯』も案内したところ、買いに来られた方の判断で『駆風解毒湯』をお買い上げ。
     どんな判断が働いたのかが不明で、やっぱり戸惑ってしまう。
     人に頼む時も、人から頼まれる時も、最低限「現在一番苦しい症状」と「それは何時からか」の2点と、プラスアルファで「以前に同様の症状で使用した薬の成分」はチェックしておいて欲しい。
     まぁ、覚えておくのは難しいだろうから、最近ならSNSをやっている人は、使用した薬と状況を投稿してみると良い。
     後で自分の投稿を検索したりして調べられるし、親しいフォロアーさんが覚えておいてくれるかもしれないので。
     よほど隠したい持病でなければ、公言しておくのは自分の安全対策の一つとして有効でしょう。
     例えば、誰かと一緒に出かけた先で救急車で運ばれるような事態になって、自分の意識が無い時には、相手が救急車に同乗して救急隊員から、色々と質問を受けるというケースは、現実的にありえる。
     持病や、常用している薬のことなどは重要な情報だ。
     ……ああ、プロフィール欄に書いておくというのもアリかもしれないな。
     悪用されるケースは、どうなんだろう?
     悪意を持った相手から、アレルゲン物質を食事に盛られるとか?
     無くも無いだろうけど、公言していれば他の人たちが気をつけてくれるかもしれないし、私はメリットしか考えられない。

     高齢のお客様が、膝の痛みの相談で来店。
     コレステロール値が高くて通院しており、『グルコサミン』を紹介してほしいという。
     うん?
     膝の痛みでの通院ではないので?
     そう尋ねてみたら、病院からは『加味逍遙散』が処方されている事が分かった。
     コレステロール値が高いのと、どう結びつくのか分からない。
     更年期障害や、不安神経症で通院しているとかではないのか。
     こういう時、どこまで突っ込んで尋ねて良いのかも迷いどころ。
     ひとまず措いておいて、膝の痛みについての方を詳しく尋ねてみる事にする。
     すると、「温めると楽になる」という事と、「座る時がツライ」という事が分かった。
     即座に頭に浮かんだのは、『桂枝加朮附湯』だった。
     ただし、『桂枝加朮附湯』は血流の面倒までは見てくれないだろうから、患部に痺れ感があれば『疎経活血湯』も候補になるものの、痺れ感は無い様子。
     温めて楽になるというのだから、冷えが原因と考えれば、高齢者でもあるし『牛車腎気丸』という手もあるか。
     いずれにしても、『グルコサミン』を必要とするかどうかは、担当医に相談した貰った方が良さそうだ。
     漢方薬を処方してもらっている事だし。
     ここで最初の話に戻って、どうして担当医に膝の痛みの相談をしていないのか確認したら、「内科だから」との事だった。
     いえいえ、科が違っても具合の悪い所があれば、遠慮せずに伝えた方が良いですよ。
     たまたま得意分野の科を掲げているだけかもしれませんから、もしかすると分かるかもしれないし、分からなければ他の病院を紹介して貰えるかもしれませんし。
     こういう、「科が違うから相談しなかった」っていうケースは、患者さんとお話していると、わりとある。
     ドラッグストアへの買い物だと、目的の薬以外の症状については言っていただけないケースも多いんだろうなと想像。
     頭痛の原因が胃の症状と関係していたり、足の症状が心臓と関係していたりと、「症状の出ている患部だけが悪い状態」とは限らないから教えてもらいたんだけどねぇ。
     これもまた、聞き出す技術が必要で。
     ひとまず今回のお客様には、膝の痛みの漢方薬も一緒に処方してもらえるかもしれないので、担当医への相談を第一に勧めた。

     高齢の母親から膝の痛みにと、使い捨てカイロを頼まれたというお客様がいらしたのだけれど、店舗としては本部からの指示で全部返品してしまった。
     というのは、昨年までの話。
     昨年も、梅雨の今頃の時期に使い捨てカイロを求めてお客様が何人かいらした。
     それを見越して、今回は全部を返品せずに残しておいたのだ。
     上司からは嫌がられたけど(;´Д`)
     本部指示に従わないと本部のマネージャーさんからお小言を頂戴するのと(上司が)、在庫を抱えると予算との兼ね合いで店長から責められるので(上司が)。
     本当は、真っ当に説得するのが社会人というものなんだろうけど、なにしろ大型店は融通がきかない。
     花粉症関連の薬も、本部からの返品指示があり、その際にまだ残しておいた方が良いと提案したのだけれど、こちらはパート、上司は社員だから、指示に従わないという選択が無いもんで各商品を一品づつのみ残して返してしまい、翌日からのアレルギーの患者さんへの対応に苦労した。
     なにしろ1個売れたら、在庫切れなんだもの( ̄▽ ̄|||
     まぁ、漢方薬だけは返品リストの対象外だったから、漢方薬が嫌というお客様以外には困らなかったけど。
     とにかく、大型店は商品の取り扱いがシーズンごとに極端すぎる。
     で、今回は使い捨てカイロの一部をケースに片付けて上司の目につかないように倉庫に保管し、そのまま返品せずに「忘れてました、テヘッ(*ノω・*)」と返品期日の締め切りが過ぎるのを待つという、社会人にあるまじき方法で確保した次第。
     そしたら、今回のお客様に在庫を買い占められてしまった。
     あうっ……ヽ(´Д`;)ノ
     患者さん本人は膝の痛みに他にビタミン剤を服用しているらしいのだけれど、やはり患部を温めると楽になるという事で、『桂枝加朮附湯』か、血流の面倒も見る『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。

     

  • お医者さんレベルをドラッグストアーに期待されても困ります

     女性のお客様から、「生理を遅らせたい」と相談された。
     スポーツの試合とか旅行の時期とズラしたいとか、わりとある相談の方かと思った。
     まぁ、相談されても病院で低用量ピルを処方してもらうくらいしか方法は無いと思いますが。
     何かの漫画で、漢方にあるらしい描写を読んだ事があるものの、ちょっと想像がつかない。
     生理を早くするなら、『黄連解毒湯』とか『三黄瀉心湯』とか考えられるけどね。
     正式に認められている効能じゃないから、その目的では店頭では売れないし。
     そんな事を考えていたら、一回ごとの生理の話じゃなくて、「閉経を遅らせたい」という事だった。
     一介のドラッグストアの店員に、そんな事を相談されても困るσ(^◇^;)。
     しかも、よくよく話を聞いたら、お客様本人じゃなくて人から頼まれたらしい。
     頼んだ人は、40代前半らしく漢方薬を探しているそうな。
     う~ん、血流からアプローチする『加味逍遙散』『桂枝茯苓丸』、気からアプローチする『補中益気湯』『人参養栄湯』、水からアプローチする『五苓散』『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』などなど、候補になる物は多いですが、やっぱり本人の体質に合わせない事には選びようがありません。
     やはり、漢方薬に詳しい病院を受診するよう、ご本人に伝えて下さいとお話した。
     鼻水とクシャミが頻発し、咳も出るというお客様。
     風邪薬を案内した方が良いかなと思ったけど、花粉症の方が思い当たるらしい。
     普段は、同様の症状が出るとアレルギー薬の『アレグラ』を服用しているという。
     『小青龍湯』と『ストナリニS』を紹介したところ、『ストナリニS』の方を購入された。
     鼻水が出るという事は、内臓が冷えていると考えられるので、意識的に温かい物を飲むように伝えた。
     『小青龍湯』なんかは、まさに体を温める物だから、個人的にはお勧めだったんだけど。
     お客様から喉の痛みと、しわがれ声の相談を受けた。
     数日前に熱風邪をひいたらしく、服用した風邪薬で体内が乾燥したのだろうと考え、一度は『麦門冬湯』を案内したものの、やはり主訴は喉の痛みの方だと考え直し、『駆風解毒湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     しわがれ声だけなら、『響声破笛丸』という選択もあったんだけど。
     それと、喉が痛いと、つい水気のあるキュウリやトマトなどの夏野菜が食べたくなるだろうけど、体を冷やしたり、水分代謝を悪くして、体内を乾燥させる方に働くから、当面は避けるようにお話した。

     

  • 読み書きだけでは勉強になりません

     鼻水と喉の痛みで『ザジテンAL』を服用してみたが効かなかったという、お客様。
     薬は成分の違いによる症状や体との相性があるので乗り換えるのが良いだろうけど、花粉症のようなアレルギーなのか風邪なのかの見極めが、ちょっと難しい。
     鼻水に『小青龍湯』と、喉の痛みに『桔梗湯』の組み合わせを案内してみたけど、2つ購入するのは躊躇われたので、今度は風邪の方に振って『ベンザブロックSプラス』を勧めてお買い上げ。
     『総合かぜ薬クニヒロ』をレジに持ってこられたお客様に症状を尋ねると、頭痛と悪寒はするものの、鼻や喉には症状が出ていないようなので、『ルルアタックFX』と『ベンザブロックIPプラス』をご案内した。
     しかし、予算的に千円以下の物をと要望され、頭痛を先に抑えたいとして『イブA』を選ばれた。
     ええん?
     それなら、最初の『総合かぜ薬クニヒロ』の方が良かったような……。
     早い段階で、予算に気を回すべきだったか……orz
     『安中散加茯苓』の『リフレライフ』と、『安中散』『四逆散』の入った『爽和』を何度も交互に手にして比較しているらしいお客様に声をかけたところ、内面の心配事が思い当たるようなので、『リフレライフ』の方をお勧めした。
     どちらのパッケージにも、「ストレスによる胃の症状」と書いてあるから、迷われるのも無理ない。
     さらに、喉のつかえ感があって、「んんっ」と咳払いのような事を繰り返すようであれば、『半夏厚朴湯』も候補になるから、それこそパッケージの比較では候補から絞るのは難しい。
     先日、漢方薬に関するSNSで興味深い話題が出ていたので、改めて勉強のし直し。
     病院からの処方箋で、頭痛の患者さんに『麦門冬湯』が出ていたそうで、その理由を探るというもの。
     なにしろ、この日記でも繰り返し書いているように、『麦門冬湯』と言ったら「乾燥性の咳」に用いる物という思い込みがあったから、どうして頭痛の患者さんに処方されたのかと。
     高齢の患者さんで、担当医は精神不安に焦点を当てた上での選択らしい。
     実は『麦門冬湯』の生薬構成は胃薬になっており、胃を治すことによって咳止めとして働く。
     そして、胃を悪くするとストレスに影響を与え、ストレスは胃を悪くするし、胃の不調に拠る頭痛というのもあるから、その辺が鍵かもしれないと私は考えた。
     そうなると私の場合は、『半夏白朮天麻湯』を候補にするだろう。
     そして、高齢という点を考えると、手足の冷えがあれば『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も候補に成り得る。
     というように、参加者の方々からも様々な見解が出された。
     知識や経験、あるいは流派での見解の違いなどもあり、大いに参考になった。
     同時に、店頭での漢方相談の大変さも痛感していたところ、「気の異常」による「冷えのぼせ」と「頭痛」や「動悸」に使用例があるという資料を提示された方がいて、なるほどと感心………あれ?
     この資料、見た事ある気がするぞ!?
     後で書庫を探してみよう。
     読んだり講習会に出てても身につかないんじゃ、しょうがないったら(;´・ω・)