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  • 本当に粉がダメなのか本人に確認したい

     お客様から、咳にすぐ効く物をとの注文を受け『ブロン錠』を案内したうえで、薬の発現時間にはそれほど大差がないことを説明した。
     そしてインタビューの仕事をしており咳が出ないようにしたいというお話があったため、上半身に保水する『麦門冬湯』を紹介してみたけれど興味は示されなかった。
     ただ、いつもは『ブロン液』を使ってると言われたが、興奮作用があるので仕事には向かないのではと伝えた。
     また、痰が絡むようなら『ブロン錠エース』も候補になることをお話しすると、痰が絡むというのが分からないとの事で『ブロン錠』を購入された。
     経験が無い症状は、問われても分からないのかもしれない。
     お会計後にキュウリやトマトなどの夏野菜を避けるよう伝え、それこそキュウリは痰の毒と云われ役者は食べるなというお話をすると、「初めて聞いた」と言われた。
     あとでネットで調べてみたら、確かにヒットしなかった。
     何か瓜科の他の野菜と、勘違いしたかしらん。
     余談だけれど、石田三成が処刑される前に喉が渇いたと訴えて、付き添いが水が無いからと柿を渡したところ、「柿は痰の毒だ」と断ったという言い伝えがあるけれど、おそらく創作上の誤りであろう。
     柿には、むしろ化痰作用があるので。

     ご主人が腹痛を訴えているとのことで、お客様が来店した。
     シクシクする腹痛で、吐き気や下痢は無いようだが、電話で胃薬をと頼まれただけで、痛む場所などは分からないという。
     胃腸炎も考えられるため『柴胡桂枝湯』を案内したけれど、粉が駄目だと言うので『大正漢方胃腸薬』をと迷ったが、本人の希望が分からないため、もう少し現代薬寄りの『スクラート胃腸薬S』を試していただくことにした。
     そして、お客様には体を休めるだけでなく内臓休めるために、今日のところは食事を控えるように伝えた。
     この手の頼まれ物で気になるのは、本当に粉がダメなのか本人に確認できないこと。
     苦しい症状と比べたら、もしかすると飲むかもしれないので。

     やや高齢のお客様がハンドクリームを求めて来店したが、患部を見せてもらうと指先にが割れていて傷口になっているため『ヒビケア』を案内した。
     仕事でなってしまうというので、傷口が塞がったらハンドクリームでケアするようにお話しした。
     今回は、処方が同じで価格が安い『ヒビエイド』をお買い上げいただいた。
     成分を把握していると、価格の面でお得な事があるから、ちゃんと自分で調べるか店員に訊いてみた方が良い。

     

  • バランスの取れた食事も大事だけれど胃腸を休めるのはもっと大事

     お客様が『柴胡桂枝湯』をレジに持っていらして、嘔吐と下痢をしている高校生に適用するか訊かれたので、最適ですとお答えした。
     ただ、現に吐いているとなると、一包を普通に水で飲んでも吐いてしまうと考えられるため、小皿にお湯で溶いてスプーンで少しずつ舐めるように服用する方法を教えた。

     口内炎の棚を見ていたお客様から、口唇ヘルペスの薬を探してると言われたので、置いていないことを伝えた。
     二日ほど前から痛み、患部を舐めていたら広がってしまったようだという。
     いつもなら近くのドラッグストアを紹介するところなのだけれど、もう薬剤師さんが帰ってる時間だったので役に立てなかった。
     せめてもと、炎症を抑えるためには口と胃は繋がっているから、胃を休めた方が良いので消化の良い食事をするようにと伝えた。
     何かというと私は「消化の良い食事を」といつも同じことしか言わないと思われるかもしれないけど、それだけ大事なんである。
     極論すれば、バランスの良い食事以前に内蔵に負担をかけないことの方が病気に対抗でき、また未然に防ぐことができる。
     そして、そんな簡単なこともできないのが人間なんである。
     だから、繰り返し繰り返し何度でも同じことを言う。
     ええ、できないのは私なんですけどね、晩酌がやめられない(;´Д`)

     

  • 海外旅行に『爽和』はいかが?

     やや高齢のお客様が『葛根湯』を求めて来店したが、咳のある風邪には使えないことを説明すると、主訴は微熱と喉の痛みに、咳と頭痛とのことだった。
     熱が出始めているのであればもう『麻黄湯』に乗り換えた方がいいし、頭痛もあることを考えると『柴胡桂枝湯』でも良いように思える。
     ただ、お客様は『葛根湯』を望んでいるので、喉の痛みと咳は軽いことを確認したうえで、咳が強くなってきた場合には『麦門冬湯』に乗り換えるよう説明して『葛根湯』をお買い上げいただいた。
     適応しないと分かっていても、最後はお客様の希望が優先なのは致し方なし。

     やや高齢のお客様から、『正露丸』の場所を尋ねられたので売り場を案内しつつ、大幸薬品とイズミ薬品とでは処方内容が違い、イズミ薬品のには下痢止めのロートエキスが入っており、食中りの時には下痢を止めずに毒になっているモノを早く排出するのが大事なことと、どちらも糖衣錠からは抗炎症成分が抜いてあることを説明したところ、海外旅行に持っていくとのこと。
     そうであれば、あえて下痢止めのロートエキスが入ったイズミ薬品の『正露丸』という考え方もある。
     他に風邪薬を希望され、漢方薬が良いというお話だったので胃薬も兼ねられる『柴胡桂枝湯』を紹介すると、手にされた『爽和』をやめて、イヅミ薬品の『正露丸』と一緒に購入された。
     『爽和』は胃の働きを助ける『安中散』とストレス性の手足の冷えを取り除く『四逆散』を合わせた物なので、環境の変わる海外でのストレス性の胃腸障害に使うのも良いだろう。
     お客様からは、『コムレケア』(芍薬甘草湯)の効き目を訊かれ、10分ほどで効果があることと、下痢を伴わない腹痛にも使えることを説明した。
     そして家には病院から処方されたステロイド軟膏があるそうなので、ぜひ海外旅行には持っていくよう勧めた。
     炎症を抑える塗り薬としては強い方なので、虫に刺されたり植物でかぶれたといった場合にも使えて便利なんである。

     

  • 薬を買いに行く前に家にある薬をスマホで写真に撮っておこう

     『ルルメディカルドロップ』を購入されるお客様に、他の咳止めや一部の風邪薬と併用しないようお伝えたところ、病院で抗生剤などを処方されていると分かった。
     薬の現物を持っていたので確認すると、L-カルボシステインとデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物。
     前者は大丈夫だげと、後者は咳中枢に直接働きかける薬だから、それとの併用は念のため避けるようにお話しして『麦門冬湯』を紹介してみたら、家にあるとのことだった。
     そうであれば、あえて『ルルメディカルドロップ』を使う必要はないので、『麦門冬湯』の方を併用してみるようお話して本日はお帰りになった。
     ドラッグストアーで薬を買う前に、ぜひ家にある薬のことも伝えてくださいな。
     症状に対して使える薬が、あるかもしれませんので。
     覚えたりメモするのが面倒であれば、スマホで写真を撮ってくるという手もあります。

     お客様から、奥さんが胃腸炎を起こして嘔吐しているとの相談を受け、詳しく訊いてみると子供の胃腸炎が移ったらしいということから『柴胡桂枝湯』を案内し、お買い上げいただいた。
     ただ、飲み物を飲むのも辛そうというお話だったから、普通にコップの水で飲むのではなく小皿にお湯で『柴胡桂枝湯』を溶いて少しずつ舐める方法を勧めた。
     それから、名前が効き目でもあるため、柴胡は肝臓を補助し桂枝は胃の働きを助けることを説明して、それを本人にも伝えるようお話しした。
     「病は気から」というように、効くと思って薬を飲んだ方がより効果を期待でき、そこにさも効きそうな理屈が付けばなおさらであろう。
     子供の方は、病院から処方された薬で回復しているとのこと。
     『柴胡桂枝湯』はぶり返しを防ぐことにも役立つので、子供の調子も引き続き観察して、まだ疲労感などが伺えるようであれば一緒に服用させるよう伝えた。

     

  • 風邪に『葛根湯』を飲み続けて良いか

     やや高齢のお客様から、関節用の絆創膏を指先に使って良いか尋ねられ、問題は無いものの使い勝手は悪いと考えられることを説明した。
     用途は手荒れで、清掃の仕事をしており、ゴム手袋は使っているそうだが薬剤荒れも考えられるため、皮膚の修復を促す『ヒビケア』を案内してみた。
     しかし、価格が高いとのことだったので価格と効き目は直接的な関係はな無いことを伝えたうえで『エルモディアひびあかぎれクリーム』を紹介した。
     すると、『ユースキンA』を使っていたこともあるそうなのだが、足に使ったらかぶれたという。
     薬でのかぶれは、体調や部位によっても起きたり起きなかったりすることを伝え、使い分けるようお話しした。
     また、普段使いに『ワセリン』を提案したところ、ベタつくことを気にされたため、ベタつきに関しては塗り過ぎと考えられることを説明した。
     手の甲に塗るだけでも人差し指で薬をすくってしまう人は多いと思うが、手の甲の範囲であれば小指の爪先に引っ掛けて米粒程度の量で十分なんである。
     本日は、絆創膏のみをお買い上げいただいた。

     お客様から、風邪に『葛根湯』を飲み続けて良いか尋ねられたので、効果的なタイミングと合わない風邪に注意するようお話しした。
     『葛根湯』は早さが勝負だから、悪寒がするような「気がする」とか、頭が重い「かな?」というタイミングで使うのが効果的。
     だから、家に置いておくよりは持ち歩いたほうが良いし、出先が思わぬ寒さだった時には体を温めるのに役立つ。
     そして合わない症状は、『葛根湯』は上半身を温めて治すので、喉が痛い時とか咳が出ている時に使うと、かえって症状が悪化してしまう。
     また、既に発熱してしまってからでは遅い。
     ごくごく初期であれば喉の痛みにも使えるが、その場合でも単独で使うよりは『桔梗湯』を合わせた方が良い。
     あるいは、喉の痛い風邪で鼻水が無いのならば、上半身を温めるのではなく冷やす『銀翹散』の方が向いている。
     さらにお客様には、風邪が進行して発熱した場合には『麻黄湯』に乗り換え、汗をかくようになったら今度は『柴胡桂枝湯』へと変えていくことで体力の下支えし、風邪のぶり返しを防ぐ方法を伝えた。
     どうしても「風邪には葛根湯」というイメージが定着してしまっているが、それは昔でも同じらしく落語には『葛根湯医』というお話がある。
     何でも『葛根湯』を使う医者の話で、大工が屋根から落ちたと聞きつけて「よし葛根湯だ!」と答えるのだ。
     お客様に、そんな枝葉のお話までして、喉の痛みだけで他に風邪の兆候が無ければ、胃炎による体内の乾燥の可能性も説明し『麦門冬湯』を紹介したところ、鼻汁が喉に落ちてくることもあるというから、やはり胃が不調と考えられることを説明し、『チクナイン』(辛夷清肺湯)も案内した。
     本日は、特にをお買い上げは無かったが、家にある薬の使用の判断に迷った時には、電話でも相談に応じることを伝えた。

     

  • 嘔吐と下痢は生命維持のための大事な反応

     お客様から、吐き気のある風邪に使える風邪薬をとの相談を受け、市販薬では『柴胡桂枝湯』の一択しか無いことを説明して、お買い上げ頂くことになった。
     ドラッグストアーの風邪薬の棚を見てもらえば分かるけど、「のどの痛み」や「咳」、「発熱」に「鼻水・鼻づまり」とパッケージに書いてある風邪薬は数あれど、「吐き気」と書いてある風邪薬は現代薬には無いはずである。
     次点としては、『桂枝湯』『かっ香正気散』というところだろうか。
     お会計をしてから患者について尋ねると「家族です」とお話しされ、「奥様ですか?」と確認したら「そうです」とのことだった。
     どうして、そういう重要な情報を最初に出さないで隠そうとするのかよく分からない(;´Д`)
     妊娠の有無やら授乳の有無はもちろん、婦人疾患の関係とか、他に服用している薬とか、こちらには訊きたいことが山ほどあるんだけど、あまり根掘り葉掘り質問すると嫌がられるから、遠慮しいしいで対応していると、こういうことになる。
     ドラッグストアーで薬を買う時の基本として、「1.誰が使うのか 2.どんな症状か 3.いつ頃から 4.他に使っている薬はあるか」は最低限、伝えてくださいな。
     奥さんはフルーツなら食べられると言っているそうで、体を冷やすと抵抗力は落ちるから判断に迷うところ。
     今夜は温かいスープをと勧め、フルーツを食べるのであれば昼間の方が良いでしょうとお話した。
     あと、吐き気でとどまらず実際に吐いてしまうような状況だと、『柴胡桂枝湯』も飲んだそばから吐いてしまう可能性があるため、そのさいには水に溶いてスプーンで少しずつ舐めるように服用する方法を教えた。

     『ヘパリーゼ』の小分けを買われる常連のお客様から、『ストッパ下痢止めEX』の試供品を求められたため、食中りの時には使わないようお話して渡したところ驚かれた。
     そもそも吐いたり下痢をしたりというのは毒素を早く出すための生体反応なので、 ストレスであるとか冷たい物を飲みすぎたというような下痢とは区別しなければならない。
     アルコールの飲み過ぎによる下痢も同じで、吐くのと同様に体外に排泄して生命を維持しようとしているのだ。
     ただし、水分も出てしまうため水分補給は欠かさないこと。
     その水分も普通に飲むと吐いてしまうし、体に吸収できずに排泄されてしまうので、やはり舐めるように飲むか、ゼリー飲料を使うと良い。
     漢方薬では、冷たい飲み物を飲みすぎた時の下痢には『胃苓湯』が適応し、アルコールによる下痢や二日酔いには『五苓黄解』を用いて、食中りには『柴胡桂枝湯』が解毒を助ける。
     そして食中りの下痢の場合は、毒素の排出が目的だから、吐き気があるかどうかというのは目安の一つになる。

     

  • 『葛根湯』の風邪の適応時期は発熱前まで

     若いお客様が『ルルアタックFX』を購入されたが、もう目が虚ろだったので念のため症状を確認すると、病院で解熱剤を処方してもらえず代わりに漢方薬が処方されたというのだけれど、どうも『葛根湯』らしい。
     熱は38度を超えているというので、上半身を温める『葛根湯』の適応時期は過ぎているため、発熱時の乗り換え先は『麻黄湯』であることを説明したうえで『ルルアタックFX』にも麻黄が入っているから、適応することを伝え、今夜は内臓に負担をかけないために普通の食事はせずにスープ物にするよう勧めた。
     どうして『葛根湯』が処方されたのか分からないが、受診時はもう少し症状が軽かったのかもしれない。
     お客様が帰られてから、うっかり熱が下がった後の乗り換え先として『柴胡桂枝湯』を案内し忘れたことに気がついた(;´Д`)

     『冷えピタ』を購入されるお客様に、もし発熱しているようなら水枕の方をお使い下さいとお話ししたところ、患者ご主人で『アイスノン』を使用しており、病院からは『カロナール』が処方されていると分かった。
     となれば、これ以上の解熱は不要だから、『アイスノン』の使用を中止して、『冷えピタ』での対応の方が良さそうである。
     ただ、風邪としては後期のようで、微熱が続いていてなかなか回復しないというため、食事はまだ普通に戻さないようにしないと内臓に負担になって長引くことを説明したところ、メニューはうどん鍋であるものの、量は食べているとのこと。
     風邪で体を休めるというのは内臓休めるということもでもあるため、改めて食事の量を制限するよう勧めた。

     お客様から咳の相談を受け詳しく訊いてみると、以前に自分で買った『葛根湯』を飲んでも効かなかったというので、『葛根湯』は上半身を温めて風邪を治すため、むしろ肺から気管支を乾燥させて咳の原因になることを説明し、上半身を潤す『麦門冬湯』を案内して、お買い上げいただいた。
     また、カラ咳は風邪とは関係の無い胃炎の可能性があることをお話すると、思い当たるようだった。
    「風邪には葛根湯」というくらい発熱前の初期には効果的であり、また温めて楽になるような肩こりにも効くし、出先で寒いと思った時に服用するという使い方もあるので便利といえば便利だが、やはり薬であるから使い所には気を付けなければならない。
     なので、お客様には落語の『葛根湯医』の話もしてみた。
     何にでも『葛根湯』を出す医者の話で、大工が屋根から落ちたと聞いて「よし葛根湯だ!」というサゲがつく。

     

  • 患者本人が気がついていない原因を想像できるか

     お客様から病院で処方されている目薬と同じ物をと注文されたのだが、一つは炎症を抑えるステロイド剤で、もう一つはドライアイ用の物が処方されており、ステロイド剤については市販されていないことを説明したうえで『新緑水』を案内した。
     ただ、主訴は目のゴロゴロ感とドライアイということだったので、他に『スマイルコンタクトEX』も候補に挙げ、コンタクト専用という訳ではなくコンタクトをしていなくても成分による効能で検討することになりますとお話しした。
     今回は『新緑水』をお買い上げいただいたが、週の半分はシャワーだそうなので入浴が大事なことと、目の周囲にシャワーを浴びてみたりして温めるよう勧めた。
     目の材料を運ぶのも不要な物を回収するのも血液だから、とにかく血流を良くしなければ。

     やや高齢のお客様から、咳と喉の痛みに漢方薬を希望されたのが、高血圧の薬を服用しているそうで他店の薬剤師から『麦門冬湯』を紹介されたものの、売ってはもらえなかったとのこと。
     随分と慎重な薬剤師さんなんだなぁと、感心してしまった。
     そこは、見習わなければいけないかもしれない。
     心配であれば半包から試してみてはと提案したうえで『麦門冬湯』を勧めてみたが、やはり薬剤師さんの発言には重みがあり避けたい様子だったのと、咳よりも喉の痛みの方が今は気になるというお話から『駆風解毒湯』を紹介して試していただくことになった。
     また、同様の症状は風邪ではなく、逆流性食道炎でも起きることを伝えておいた。
     一般に、健康な人でも一日に50回くらいは胃液が逆流しているくらい珍しくないことで、それが症状として現れるのは過食や疲労、年を取ってくれば機能低下により修復が追いつかなくなるから。

     以前に、長引く微熱と悪寒に『柴胡桂枝湯』を使っていただいたお客様が来店し、その時には天井にカビがあるという話からそれが原因ではないかと推測していたのだが、今日お話を伺ったところでは、糖分を控えるようにしたら治ったとのことで、それは自分で調べたのだそうだ。
     かなりの甘い物好きらしく、確かに甘い物はリラックス効果がある一方で体の機能も緩んで低体温になったり免疫力も衰えるため、ありえる話だと思う。
     知識としては知ってはいたが、当時は思いつきもしなかった。
     ううむ、ヒアリングが足りなかったか(^_^;)
     そういえば自分自身も、微熱と吐き気が続いていたことがあって『柴胡桂枝湯』を服用し、やがて吐き気のある咳に移行したため『半夏厚朴湯』に変更したのに回復せず、『神秘湯』に乗り換えてようやく改善したことがあるのだが、後で数日前に鉄道模型のレールを磨くのに溶剤を使っていたことに気がついた。
     私は溶剤アレルギーなので、それで喘息を起こしていたのだ。
     本人が気づかないくらいなんだから、もしその時の私が患者としてドラッグストアーを訪れたとしても分からなかったかもしれない。
     なので、患者さんには店頭で思いつく限りのお話をお願いしたいし、私の方も想像力を働かせてヒアリングしなければと思う。

     

  • 発熱時の冷やし過ぎに注意

     お客様から、すぐに冷える水枕の要望を受けたので、叩けば冷える『ヒヤロン』を紹介したのだが、患者はご主人で病院から解熱剤が処方されているというので、それ以上は積極的に冷やす必要は無いことと、かえっえて体力を消耗してしまうことを説明した。
     そもそも発熱をするというのは、ウイルスなどの外敵と戦うためであったり壊れた細胞を修復するために血行を良くするという正常な機能の発現であって、強制的に熱を下げるというのは、それを邪魔することになる。
     とはいえ体が熱いという感覚もまた精神面で疲労してしまうので、ひんやりとして気持ちよくなる『冷えピタ』を提案した。
     そして栄養をつけさせようと無理に食事をすると消化をするのにもエネルギーを消費するので、食事を控えて経口補水液で水分と塩分を補給するよう勧め『OS-1』を案内したところ、一緒にお買い上げいただいた。
     また、解熱後のぶり返しを防ぐために、体力の消耗を抑え体を下支えする『柴胡桂枝湯』を紹介した。

     手に『冷えピタ』を持ったお客様から『アイスノン』の売り場を尋ねられたけれど、もし解熱剤を使っていたら『アイスノン』は不要なことをお話した。
     発熱しているのはご主人で、3日くらい熱が下がっていないということから、体力の消耗を考え食事は無理にしなくても良いことを伝えると、ゼリー飲料を飲ませているというので最善の対応であることを伝えた。
     ただ、発熱が高止まりして4日目を迎えるようなら病院を受診するようにお話した。
     発熱が1週間くらい続くのは珍しくないものの、他の病気を見逃してもいけないので。

     

  • 患者さん本人に伝言は届くでしょうか?

     お客様が『新ルルA錠』をレジに持ってきたが、症状を確認すると患者は家族で、主訴は喉の痛みと咳だとのこと。
     そうであれば『新ルルAゴールドDX』の方が向いていることをお話しすると、いつもそちらを使っているとのことから変更してお買い上げとなった。
     どうして、いつも使っている薬を変えようと思ったのか分からない。
     気分転換だろうか。
     そういう基準で選ぶのは、避けてもらいたいところではある(^_^;)
     喉の痛みに向いた風邪薬としては、『ルルアタックEX』と『パブロンエースAX』も比較として紹介した。
     ただ今回の主訴のような症状は、風邪ではなく胃炎や花粉症などの可能性もあることを伝えた。

     やや高齢のお客様が来店し、成人の娘さんから喉の痛みに『バファリン』を頼まれたというのだが、シリーズのどれかは聞いてきていないという。
     普通バファリンと言われれば『バファリンA』と考えられるが、女性が使うとなるとピンクのパッケージの『バファリンルナ i』の可能性もある。
     また、頭痛や生理痛にも使いたいと言ってるらしいというお話からも『バファリンルナ i』を紹介したうえで『バファリンA』をお買い上げいただくことになった。
     しかし、直前にお腹を下し今は回復したというお話があったので、喉の痛みの原因が胃腸炎である可能性をお話しして『柴胡桂枝湯』も紹介した。
     そして、喉の痛みには『ペラックT』などの抗炎症剤を使い、生理痛には子宮の収縮による痙攣を抑える成分も入っている『エルペインコーワ』というように使い分ける方法も伝えた。
     本人にどこまで伝わるか不明だが、何も説明せずに売るよりはマシなのだろうかなと思って。