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  • 痛み止めより胃腸薬の方が薬の飲み合わせに注意

     『コルゲンコーワトローチ』をレジに持ってきたお客様に、消毒系であることを伝えると、すでに喉の痛みが1週間ほど続いており、風邪で病院から処方された薬を使って喉の痛みだけが残っているという。
     となると、今さら消毒系のトローチを使っても効果は薄いと思われる。
     そのため、炎症を抑える『パブロントローチAZ』を勧めて、そちらをお買い上げいただいた。
     また、処方された薬の内容は分からないが、抗生剤の副作用や風邪そのもので胃炎を起こして、そのせいで体内が乾燥している可能性をお話して、消化の良い食事をするよう伝えたところ、お粥とうどんのどちらが良いかと訊かれたので、うどんの方を勧めた。
     お粥は消化に良さそうだが案外と腹持ちをすることを考えれば、お米はうどんより胃にもたれやすく、実は消化に優れているわけではない。

     『リングルアイビー』と『太田胃散』を購入されるお客様に、今回は大丈夫ですが痛み止めより胃腸薬の方が薬の飲み合わせに注意が必要なことを伝えた。
     痛み止めの薬の成分は種類が少なく作用機序も限られているため、その効果は予測しやすいのに対して、胃腸薬に使われる成分は種類が多いうえ、影響する範囲が血液関係やら腎臓といった内臓に及ぶこともあり、組み合わせが格段に難しくなるのだ。
     正直、胃腸薬の質問は受けたくないヽ(´ー`)ノ←マテ
     興味を示されお話を聞いたところ、いつも飲み過ぎ食べ過ぎの胃もたれに『太田胃散』を使っているそうなので、体力が充実している人と虚弱な人とでは、同じ胃もたれでも 適応する薬が違うことを、『スクラート胃腸薬』と『スクラート胃腸薬S』との違いで説明した。
     いささか単純ではあるが、無印が体力が充実している人向け、Sが虚弱な人向けと考えることができる。
     例えるなら、体力が充実している人の胃もたれは変な話、無理して胃に働いてもらえれば済むので、ちょっと手当をして助けてやれば後は自力で解決できる。
     しかし虚弱な人は、そもそもの胃の働きが弱いので、そこで無理に働かせては駄目だから、手当をするだけでなくマッサージなどのフォローが必要となる。
     また、お客様には風邪薬との兼用ができる『柴胡桂枝湯』も紹介した。
     この漢方薬は名前が働きを表していて、柴胡が肝臓を助け桂枝が胃を助ける。
     それから、家族で同じ薬を使っているというお話だったが、市販されている薬は、おおよそ3人に2人ぐらいに効果を発揮する物が多い。
     3人に2人なら良く効くと考えるか、3人家族だと一人には効かないと考えるかは、個人の受け止め方で変わるだろうけど、必ずしも家族全員に同じく効くかは分からない。
     だから、家族で使う置き薬は、個人別に揃えておく方法も検討してもらいたいところ。

     

  • 検査目的の受診は薬が処方されないことも

     やや高齢のお客様が、『黄連解毒湯』を求めて来店し案内したのだけれど、以前に私が皮膚炎にと紹介したお客様で、保険が適用される薬であることを伝えていたところ、大学病院で保険は使えないと言われたとのこと。
     しかし詳しくお話を訊くと、医師には漢方薬と言っただけで『黄連解毒湯』のことを伝えたわけではないようだ。
     そもそも、保険の適用外だというのはどういう判断なのかよく分からない。
     大学病院となると検査目的での受診だったり、症状の改善が治療目的でないと処方される薬に保険が適用されない事はあるものの、漢方薬だからという理由は無いはず。
     改めて近くの皮膚科で相談してみるという事になり、本日はお買い上げはナシ。
     ただ、『黄連解毒湯』の他にも『十味敗毒湯』『当帰飲子』なども候補になるため、指定するのではなく相談してみるよう伝えた。

     常連のお客様が、ご主人の風邪薬を求めて来店したが、主訴は頭痛と微熱で、鼻炎や咳などは無いと言うので、解熱鎮痛剤のイブプロフェン製剤単独を勧めたところ、無印の『イブ』が家にあるということから、本日はお買い上げはナシとなった。
     ただ、無印の『イブ』には胃の保護成分が入っていないし、風邪だとすれば消化にエネルギーが取られると、風邪を治すエネルギーが不足して回復に時間がかかる可能性があるため、今日のところは食事を控えるか、消化の良い物にするよう勧めた。
     すでに食欲が落ちているようなら、頭痛と微熱には『柴胡桂枝湯』を使うという手もある。

     

  • お薬手帳があると本当に薬選びがスムーズ

     携帯用の『セイロガン糖衣A錠』をレジに持ってきたお客様に、用途を訊いたところ海外旅行に持っていかれると言うので、抗炎症作用のある通常の『正露丸』の方を勧めた。
     また、海外では胃腸炎が怖いので『柴胡桂枝湯』を紹介すると一緒にお買い上げいただいた。
     海外でも解熱剤や風邪薬は入手できるけど、胃腸炎向けの薬というのは入手しにくい。
     また、家にステロイド剤があれば虫刺されはもちろん、何かの植物に触れてかぶれたなんて時にも使えるので持っていくようお話した。

     お客様から上半身のだるさに『キューピーコーワゴールドαプラス』が効くかと訊かれたので、処方構成が近い『新パワーアクトEX』などと比べて、血流を良くすることを説明した。
     座ったら立つのが嫌なほどであれば『キューピーコーワゴールドαプラス』が適応するが、それほどではないとのことから『新パワーアクトEX』をお買い上げいただいた。
     お客様は普段はシャワーのみだそうなので、入浴して内蔵を温め血行を良くするようす勧めた。
     また、栄養ドリンクにも興味を持たれたので、最後のもうひと頑張りならばタウリン系の『リポビタンD』などを、まだ先が長いとかこれから何かを始めようという時には生薬系の『ユンケル』シリーズをとお話した。

     常連のお客様が『カンポアズマ』を選ばれたけれど、主訴は咳と悪寒で病院から処方された薬があるというのでおくすり手帳を拝見して調べたところ、 麻黄(エフェドリン)が重なるため、上半身を保湿する『麦門冬湯』の方を勧めた。
     また、仕事が休めず無理されているという話があったので『柴胡桂枝湯』を併用するようお話しして、一緒にお買い上げいただいた。
     『カンポアズマ』については、以前に体が冷えるときの咳止めとして案内したのを覚えていたようだ。
     具体的には、冷たい空気や冷えた飲み物を飲むと咳になる時。
     『ダスモック』(清肺湯)についても訊かれたが、今回は悪寒があることから、上半身を冷やす『清肺湯』は適応しないと考えられることを伝えた。

     

  • 海外では居眠りに注意

     お客様から3歳児に使える酔い止めの相談を受けた。
     3歳以下となると、『こどもセンパアS』か『センパアプチベリー』くらいしか選択肢が無い。
     成分違いなれど、どちらも比較的眠くなりやすい。
     必ず酔ってしまうのであれば、いっそ寝てしまった方が良いけどね。
     旅行などで寝てしまったらもったいないっていう時には、眠くなりにくい方を選びたいところだけど、『トラベルミンチュロップ』などの比較的眠くなりにくい方は5歳以上でないと使えない。
     また、同じく3歳児に使える下痢止めの相談をされたか、こちらは対応できる薬が無く、旅行の薬を揃えたいというお話だったので、胃腸炎にも風邪にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     他に、生理痛専用薬の『エルペインコーワ』に興味を持たれたので、子宮の収縮を緩和する成分が入っていて鎮痛剤単独より効果的なことを説明したうえで、体に優しい生理痛対策に疲れやすい人向けの『当帰芍薬散』と、体力は充実している向けの『桂枝茯苓丸』も紹介した。
     また、『当帰芍薬散』『桂枝茯苓丸』を合わせた『婦人華』という薬も存在し、特定のルートでしか流通していないためネット通販で入手できることを案内した。
     一方、家族で薬を一緒に使いたいというお話だったが、薬の効果というのは誰にでも同じように出るとは限らない事をお話しした。
     市販薬なら、およそ3分の2の人に効果が現れる。
     それはつまり、3人家族だと1人は効かない可能性があるということだ。
     そして旅行には、外用薬にステロイド剤があると虫刺されや湿疹などでも使えて安心なことを伝えた。
     今回は、『センパアプチベリー』『柴胡桂枝湯』『エルペインコーワ』をお買い上げいただいた。
     しかし、お客様が帰られてから改めて胃腸薬の棚を調べたら、『エクトールDX』が3歳児でも飲める下痢止めだった。
     ギャフン(>_<)
     自店の商品の把握が甘かった。

     お客様から海外旅行に行くのに8日分の酔い止め薬を注文され、飛行機には持続性があり眠気が出やすい『アネロンニスキャップ』を使い、現地では移動時に眠くなりにくい『センパアQT』とで使い分けてはどうかと提案した。
     せっかくの観光で寝てしまってはもったいないというのもあるが、日本と違って、乗り物に乗っていて居眠りするのが危険ということがあるので。
     すると、ご主人は『トラベルミンチュロップ』を用意してるというので、それは『センパアQT』と成分が同じことを説明し、 やはり同じ処方の『ヒヤ乗り物酔いどめフィルム』と『アネロンニスキャップ』とを一緒にお買い上げいただいた。

     

  • 痛み止めを飲んだら食事は消化の良い物に

     風邪薬を比較していたお客様が胃腸薬の棚も見ていたので気にかけていたところ、イヅミ製の『正露丸』をレジに持ってきたので、大幸薬品の『正露丸』とは処方内容が異なることを伝えた。
     海外旅行に持っていくというので、下痢止めの入ったイヅミ製の『正露丸』を使う場合の注意点として、食中りのような場合は悪い物を出し切った方が良いケースもあることを説明してお買い上げいただいた。
     また、風邪にも胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』を、海外に持っていく薬として用意しておくと安心ですと紹介したら、いったんお帰りになられたのだが、しばらくすると戻ってきて購入された。

     『ロキソニン』を求めてお客様が来店したが、置いていないため他のお店を紹介しましょうかと訊くと、それは遠慮された。
     なので、『ロキソニン』でなければならない理由が無ければ、構造式の似たイブプロフェンの『イブ』でも効くかもしれないと話したところ、理由は無いということから、『イブA』をお勧めしてお買い上げいただいた。
     ちなみに、無印の『イブ』と『イブA』の違いは、『イブA』の方には胃粘膜の保護成分が入っていること。
    「痛み止めは胃に悪い」という程度のイメージを持っている人は多いと思うが、同時に胃に直接負担を掛けると考えているとしたら、それは勘違いである。
     人間が痛みを感じる仕組みの一つに、プロスタグランジンというホルモンが生成され、これを脳が感知することで痛みを知覚するのだが、そのプロスタグランジンの生成を抑え脳の方にも完治させないようにブロックするのがロキソニンでありイブプロフェン。
     痛みを感じさせるホルモンの生成を抑えて、それを感知するのを止めるだけなら一時的には万々歳といきたいところなれど、人間の体はそう都合良くできていない。
     いや、意外と効率的というべきか。
     実はプロスタグランジンには別な働きがあり、胃粘膜の保護も担っているのだ。
     つまりは、胃を守るバリヤーである。
     そして、プロスタグランジンの生成を抑えるということは、胃を守るバリヤーも無くなるということだ。
     ロボットアニメで言えば(何故その例え?)、敵を攻撃するためにはバリヤーを解かないとならない、けれどバリヤーを解けば敵から攻撃されるリスクが高まるのと同じ。
     だから、痛み止めの薬が直接的に胃に悪さをするわけではなく、痛みを止める代わりに胃の守りを弱くするということ。
     これが何を意味するかというと、痛み止めを飲むのであれば、胃を保護する成分が一緒に含まれているとしても、食事を消化の良い物に切り替えた方が良いということである。
     痛み止めを飲んでおいて、普通に食べてしまってはいけないのだ。
     ところで、半分が優しさでできていると云われた『バファリンA』のアセチルサリチル酸(アスピリン)は、頭痛などの痛みを抑えるさいに、血管を収縮させ筋肉を硬くする作用がある。
     そして、頭痛の原因一つは血管が収縮した後に拡張されて一気に血液が流れることによる炎症(主に偏頭痛)であり、もう一つの原因は筋肉の凝固による緊張性(いわゆる肩こりと連動)なので、常用していると両方の頭痛の原因を抱えることになるため注意が必要。
     痛み止めは、あくまで一時的に使う物だということをお忘れなく。

     

  • やたらと薬は売れません

     やや高齢のお客様が来店し、ご主人が転んで腕を強打して患部が赤く腫れているとのこと。
     転んだのは一昨日のことで、38度まで発熱したという。
     頭は水枕で冷やしたそうだが、患部は湿布を貼っていたそうだ。
     貼った湿布は、自身に処方されたインドメタシンらしい。
     発熱が打撲と関係あるかは分わからないが、剥離骨折などの可能性もあるため受診を勧めた。
     しかし、お客様が知っている整形外科はあまり好きではないらしく、ご主人は解熱剤を望んでいる模様。
     ところが、ご主人は降圧剤や溶血剤など8種類ほどの薬を服用しているそうで、各薬の説明書を持参していた。
     説明書を持参しているだけマシではあるけど、本当はお薬手帳でこれまでの履歴が分かるほうが良い。
     履歴によっては、単発でどんな病気になったことがあるかや、医師の治療方針なども見えてくるので。
     一応、処方されている薬を調べたところ、イブプロフェンは使えそうなことを確認したが、発熱にも意味があるため、むやみに解熱させない方が良いことをお話し、近くの病院を2軒紹介した。
     すると、話に出てきた整形外科が嫌というのは、患部を固定するだけで薬を出してもらえなかったのが不満らしいと分かった。
     ということは、剥離骨折しているかどうかなどは医師が診断しているか。
     多くの薬を処方されているから医師が大事を取ったか、薬は不要と判断した可能性がある。
     やたらと薬を出すと批判され、薬を出さないと不満がられる医者も大変である。
     お客様には、薬が不要と診断された可能性もあるため、要望は医師に伝えて、よく相談してみるようお話し、本日はお帰りになられた。
     薬を売ってくれなかったと、うちのお店にも不満を持たれるだろうか……(´・ω・`)

     やや高齢のお客様から、『OS-1』のペットボトルと『ウィダーインゼリー』を購入される際に、嘔吐してるご主人に食事をさせた方が良いか尋ねられた。
     嘔吐の原因は分からないが、下痢はしていないようだから食中りや感染症ということではないだろう。
     とはいえ胃が正常に機能していないのだから、脱水症状さえ防げば、無理に食事をさせないようにと伝えた。
     また、『OS-1』はボトルに目盛りが書いてあるように、小分けにして飲ませるように説明した。
     お客様は人から「若い人はポカリスエットと聞いた」というので、確かに「飲む点滴」とも云われていて運動する人向けであり、そうでない人はマグネシウムやアミノ酸も配合されている『アクエリアス』の方が 適応することを伝えた。
     薬の相談だったら、水分代謝の異常を解消する『五苓散』か、胃腸炎に対応する『柴胡桂枝湯』を案内したかった。

     外国人のお客様から『GH-Creation』が欲しいと相談され、調べてみると「身長サプリメント」という怪しげなもので、ネット通販でしか入手できないことが分かり、お客様には取り扱っていないことと、あまりお勧めできないことを伝えた。
     他に、『滋養強壮薬α』についても欲しいと頼まれ、これも調べてみると『キューピーコーワゴールα』と『パワーアクトゴールドα』が同じ内容だと分かった。
     そう説明し、一度は銘柄が違うのは嫌ということだったが、改めて成分表示を見せると『パワーアクトゴールドα』を購入された。

     

  • 海外に持っていく常備薬3選

     お客様が日焼け後のローションとことで『シーブリーズ』を求めて来店した。
     しかし、娘さんを日差しの強い海外に行かせるというので、涼感と爽快感だけの『シーブリーズ』より、日焼けした場合には炎症を抑える『桃の葉ローション』をとお勧めして、お買い上げいただくことになった。
     また、日焼けによる火照りを抑える物として『黄連解毒湯』も紹介した。
     その後で『セイロガン糖衣A錠』をレジに持っていらした。
     もとより『正露丸』は「飲む消毒薬」であるから、海外に行くのであれば常備薬として欠かせない。
    、しかし、『正露丸』から抗炎症作用のある成分を抜いたのが『セイロガン糖衣A錠』であるため、海外に持っていくのであれば『正露丸』の方が安心なことを伝えた。
     とはいえ、匂いが気になるというのも分かる。
     そこで、抗炎症のためには胃腸炎に使える『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     海外でも風邪薬は入手できるが、胃腸炎の薬は、なかなか手に入らない。
     国内の総合風邪薬も、「発熱・頭痛・喉の痛み・咳・鼻炎」といった症状への効能は謳っていても、「吐き気」など胃腸の症状の風邪に適応する市販薬は、漢方薬以外には存在しない。
     その点『柴胡桂枝湯』は、胃腸炎の他に頭痛にも発熱にも対応できるため、応用範囲が広く、海外に行くさいには重宝するのだ。
     すると、鎮痛剤の相談を受け、娘さんは普段は頭痛薬も飲まないうことから、常用しないのは良いことであるものの、相性は忘れがちであろうから、成分表示は取っておく用お話した。
     そのうえで、『バファリンルナ i』の試供品をお渡しした。
     もし、ズキズキするような偏頭痛であれば、胃の不具合と関係する頭痛である可能性が高いため、そういう時には食事を胃に優しい物にすると頭痛も和らぐことを説明し、それこそ『柴胡桂枝湯』が使えることを教えると、一緒に購入された。
     他に、海外に行かせるのに必要な物はと尋ねられたため、抗生物質とステロイド剤の入った外用薬を持たせるように伝えた。
     虫刺されの薬を持っていくという人は多いが、実は力不足となる可能性がある。
     炎症を抑えるにはステロイド剤が頼りになるし、日本と違って海外では擦り傷程度でも感染症は怖いから、抗生物質はあった方が良い。
     『クロマイP軟膏』は両方を兼ねるから、持っておくと安心だ。
     という訳で私が勧める、「海外に持っていく常備薬3選」は、風邪や疲労にと効果範囲が広い『柴胡桂枝湯』と、食中りに『正露丸』、外用薬に『クロマイP軟膏』です。
     他の湿布なんかは、都市部なら現地で入手できるので。
     あと、向こうではシャワーのみの生活になると思われるので、疲れを癒やすためのシャワーの浴び方を案内した。
     具体的には、太い血管が通っていて皮膚が薄いところを重点的に浴びるということだが、例えば胸の辺りにシャワーを浴びても実は何にもならないので、首から背中にかけてや、太ももの内側などに浴びるのが効果的である。

     やや高齢のお客様が来店し、消毒用エタノールを求められた。
     目的が油性ペンによる服の染み抜きだそうなので、期待してるほどには綺麗にならないことと、より確実に落とすには除光液が良いものの今度し布地がボロボロになるか服の色も抜けてしまう可能性をお話しした。
     一応、ゼブラのサイトに染み抜きの方法が載っているが、クリーニングに出した方が良いと思われることを話しし、お客様はガッカリしてお帰りになられた。
     ゴメンね(´・ω・`)

    Screenshot of www.zebra.co.jp

     

  • 安静にしていて起きる動悸は疲労が原因の一つ

     テレビで漢方薬の特集を見たとのことで、二十歳の娘さんの生理痛の相談を受けた。
     普段は『ロキソニン』を使用しており、テレビでは『当帰芍薬散』のみを取り上げていたようなので、『桂枝茯苓丸』も紹介して、うちのお店には置いていないものの、両者を合方した『婦人華』という物もあることを説明した。
     また、生理痛の痛み止めとして現代訳では『エルペインコーワ』も案内した。
     これは鎮痛剤だけではなく、子宮の収縮による痙攣も抑える成分が入っており、鎮痛剤単体よりも効果を期待できる。
     他に、お客様自身の動悸についても相談され、安静にしていても起きるものの病院の検査では不整脈以外は無く、更年期障害かもとのことから『加味逍遥散』を紹介した。
     動悸の原因の一つとして、疲労などにより心肺機能が低下したことにより、かえって心臓が頑張ってしまっているということがある。
     『加味逍遥散』の効き目は穏やかだが、優しくマッサージすることで疲労を取るように作用し、心臓に無理して頑張らなくても良いんだと気づかせる。
     まずは二人で、『当帰芍薬散』を試していただくことになった。
     鎮痛剤の多用は、体が次第に慣れてしまって将来的に大病したときに効きが悪くなり困るかもしれないことを伝えた。
     ところで、そのテレビ番組では風邪だからといって『葛根湯』とは限らないという話もやっていたらしい。
     ううむ、見ておきたかったな。

     お客様から、『ルルA錠』と『新ルルAゴールド』の比較を尋ねられたが、主訴は悪寒と頭痛と関節痛だというので、『ルルアタックFX』の方が適応すると考えられることをお話したうえで、発熱前であれば『葛根湯』をと提案したところ、興味を持たれたため、発熱時の『麻黄湯』と解熱後の『柴胡桂枝湯』も紹介した。
     出先に持ち歩くには粉が便利なことをお話してみたけれど、苦手とのことで今回は『葛根湯』の液剤を購入された。

     

  • 薬の買い物は「子供のお遣い」にならぬよう

     奥さんが発熱したというお客様から『エスタックFT』の効果を尋ねられたが、発熱以外の症状を聞いてきていないとのことで、より処方のシンプルな『ルルアタックFX』を案内してみた。
     すると、お会計の段になって授乳中というお話が出たため、授乳してから『麻黄湯』を使う方法もあることをお話して、この後の体力の低下に備えて『柴胡桂枝湯』を提案し、『柴胡桂枝湯』に変更となった。
     脳の方は風邪と戦うためにエネルギーを求めて、お腹が空いたという信号を送るかもしれないけれど、内臓の方は発熱ですでに弱っていると考えられるので、食欲があっても食事の量は控えるようにと伝えた。
     それにつけても、授乳中という重要な情報が後から出てくると焦る。
     まぁ、確認を怠るコチラも悪いんですが。
     世のお父さん、「子供のお遣い」にならないように気をつけましょうね(。・ω・)ノ”

     上記のお客様との会話を後ろで聞いていたらしい別のお客様から、ご主人が喉の痛みと咳を訴えているという相談を受けた。
     こういうことがあるから、できれば他の人に話を聞かれない相談スペースが欲しいところではある。
     しかし同時に、相談している様子を見て自分も相談しようと思うお客様もいるのが面白いというかなんというか、悩ましいところである。
     ご主人は鼻水があるというものの色については不明で、喉の痛みの他に夜中に咳をしているとのこと。
     『パブロンエースAX』を考えたが、熱は無いようなので『ルキノンせき止め錠』と『五虎湯』を案内した。
     しかし本人は、咳よりも喉の痛みを辛そうにしているというため『駆風解毒湯』を勧めてお買上げいただいた。
     胃炎の可能性をお話すると、数日前に胃痛を訴えていたらしく、しかし本人は気合で治すタイプで酒飲みのうえ大食漢とのこと。
     せめて今だけは量を控えてもらい、本人が好きだという卵料理を作ってみてはと勧めた。
     卵料理は腹持ちして、咳によるエネルギーの消耗を補うので。

     

  • お客様の勘違いを訂正するべきか迷うとき

     『バファリンプレミアム』をレジに持ってきたお客様に、以前から使っている物かを確認すると、使うのは初めてで、『バファリンA』との違いは知らないようだった。
     同じブランド名でも、中身は縁もゆかりもない成分であることを説明したところ、肋間神経痛に使いたいとのこと。
     それはもちろん構わないのだけれど、以前に不整脈と診断されたことがあり、肋間神経痛についてはそう思うだけで、病院には行っておらず、根拠は無い模様。
     受診勧奨してみると、出張でこちらに来ているため付近の医療機関を知らないというのと、病院は信頼していないというお話をかなり強い口調で言われた。
     ううん、何があったのかは分かりませんが、あまりの強い口調に、苦情案件になるんじゃないかと警戒してしまった。
     しかし、本来は薬は使いたくないということと、漢方薬は嫌いではないといてうお話だったので、『柴胡桂枝湯』を案内してみた。
     本当に肋間神経痛であれば『桂枝加苓朮附湯』などを考えるところだが、出張といったストレスなどにより胃に負担がかかった場合、胃の周辺部の血液の循環が悪くなり、みぞおち辺りのつかえ感や痛みなどが現れ、これを肋間神経痛と認識することがあるので、『柴胡桂枝湯』が適応するのではないかと考えた。
     もちろん、本当に肋間神経痛の可能性も捨てきれないが、現時点では分からないため、お客様の主観としての主訴にターゲットを絞った次第である。
     こちらの説明は納得していただけたようだったけれど、今回はそのまま『バファリンプレミアム』をお買い上げいただいた。
     その頃には、だいぶ表情も穏やかになったので、どうも病院に関する話を聞いてもらいたかったのかもしれない。

     やや高齢のお客様から、「正露丸トローチ」と注文され、そのような製品は無いと思われることを伝えたが、やはり「正露丸のトローチだよ!」と強く言われ、念のため商品カタログで調べてみた。
     しかし、やはりないためトローチつながりで『浅田飴』と『南天のど飴』を案内すると、黙って『浅田飴』を購入された。
     恥ずかしくて、訂正できなかったんだろうか。
     私の方も、あえて突っ込まないで訂正せずに売ったが。
     本当は、『浅田飴』と『南天のど飴』は似ているようで効能が違うから、その説明はしなければならない。
     『浅田飴』は、炎症を冷やし熱を発散して、血行を良くしつつ粘膜の再生を図る。
     『南天のど飴』は、保水と気管支拡張であるから、息をしやすく方が主な効果となる。
     だから薬の販売としては、ちゃんと確認しないのは好ましくないのだけれど、客商売としてはお客様に恥をかかせる訳にもいかず、難しいところである。