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  • 喉の痛みと鼻水の関係

     『正露丸糖衣錠』の携帯用を購入されるお客様に、『正露丸』から抗炎症の生薬を抜いたのが糖衣錠であることを説明したら、頼まれ物だとのこと。
     他に胃腸炎に使える『柴胡桂枝湯』などを携行するのであれは、腹下しの消毒薬として糖衣錠でも構わないと思うけど、他に携行する薬については分からないそうで、通常の『正露丸』の携帯用に変更された。
     頼んだ人も、『正露丸』と『正露丸糖衣錠』の違いは意識してないんだろうなぁ。
     まぁ、そこまで厳密に効果の違いがあるのかと問われれば、「分かりません」というのが正直なところですが。
     ただ、私としては『正露丸』が適応する機会が、現代の日本でそんなにあるのか疑問に思ったり。
     日持ちを良くするための食品添加物なんかを毒だの発ガン性物質だのと危険視する人は、食中毒の脅威を軽んじてて怖いが、そういう考え方が広まっても大丈夫な程度には、日本の食べ物の汚染状況は悪くないのかもとも思う次第。
     世界保健機関(WHO)の『国際ガン研究機関(IARC)』がソーセージやハムなどの加工肉について、発ガン性があると発表して話題になったけど(そしてすぐ忘れ去られたが)、添加物の一つである亜硝酸塩は、もともと岩塩に含まれていて、それが味と色合いを良くするために使われ、後にボツリヌス菌を抑制するということが分かり、現在でも使われ続けている。
     このことの面白い点は2つあって、一つは岩塩に含まれてるのだから、自然塩を使ったって含まれてる可能性があり、そこからすれば「自然塩も怖い」とならなきゃ変な事。
     もう一つは、ボツリヌス菌は嫌気性なため、真空パックにしたくらいでは防げず、気長にガンを怖がるよりもボツリヌス菌で死ぬ可能性のほうが高いと考えられる事。
     そして、そんな事を考え始めると止まらなくなるので、適当なところで終了しておくのが吉。
     そういうのを昔は「ファジー」と言ってたはずなんだけど、いつのまにか「イイカゲン」の代名詞になって廃れてしまったヽ( ´ー`)ノ

     やや高齢のお客様が、『スピール膏』を求めて来店。
     持参してきた物が古いパッケージで、『イボコロリ』などが同じ内容であることを説明したけど、納得してもらえなかった。
     病院には一度行ったきりで、患部を削られるだけだったため、それ以来は自分で削っているとのこと。
     そして、靴をオーダーメードするのも試されたそうで、今度は別な所にイボができてしまったそう。
     ただ、若い頃にラグビーで頚椎を傷め、若さゆえに無茶をして治療をしても治らず、それもまた放置状態だとか。
     それで歩き方が、足の一部に負担を掛けるようになってるんじゃないですかねぇ……。
     皮膚科の医師には頚椎の異常については話していなかったそうなので、そういう関係無さそうな話も医師には伝えるようにお話した。
     本日のところは、お買い上げは無し。

     喉の痛みと鼻水が同時に発症している相談を受けるのが、実は苦手な私。
     喉の痛みは炎症だから冷やすのが良いんだけど、鼻水は内臓の冷えが原因のことが多いから、どう攻めるかで悩む。
     まぁ、両方の効能がある現代薬を勧めれば楽なんですが。
     でもそれだと、症状を抑えてピタリと止まっても、炎症を起こしている原因と内蔵が冷えていること自体は解決できなかったり、副作用で体内が乾燥して咳が残るなんてことがあるから、個人的には勧めにくい。
     特に、喉の炎症の原因が、まさに内臓の冷えが原因という事もあるので。
     どういう事かといえば、人間の体は基本的に外部からの敵を倒すのも、傷ついた部位を治すのにも、患部を炎症させて熱を起こすという同じ方法を取る。
     それは、菌やウイルスを抑制したり倒したりするのに熱が必要で、傷ついた部位に修復する材料を運ぶため血行を良くするのにも温かいのが都合良く、免疫力もまた体温が高いほうが活性化するから。
     つまり、患部が炎症を起こすのは熱を出したい理由があるからで、内臓が冷えていれば、なおさら体の方としては熱を出そうと頑張り、結果として炎症している患部は、より炎症してしまうという次第。
     だから、喉の痛みが強くなければ喉については放置して、先に内蔵を温めてしまえば鼻水が治まり、そのついでに喉の痛みも治ってしまうという方針もありえる。
     ただ、それを納得してもらうのは難しい。
     苦しい症状を、手早く抑えたいというのは自分が患者でも思うので。
     なので、喉の痛みを先に抑えるとなれば、その後か同時に体を温めなければならない。
     その体を温めるのを、漢方薬に担わせるか、飲食や入浴に服装といった複合的なことでフォローするかというのが、患者さん自身の選択になるので、その辺りの提案の仕方にまた悩むのだ。
     しかも、ドラッグストアーには本人が来なくて、家族などからの伝聞で、本人の症状を把握していないケースが多いから、なおさら難しい。
     ……前置きが長くなったけど、その喉の痛みと鼻水が一緒に発症しているという相談を、お客様から受けた。
     昨日からで、鼻水は透明なサラサラだそうだから、鼻水は寒さのためと考えられることを説明した。
     そのうえで、喉の痛みには『ペラックT』か『駆風解毒湯』をと案内し、鼻水については体を温めるために温かい物を飲食して、入浴するよう勧めた。
     また、いつも風邪が喉からくるというお話だったけど、胃炎を喉の痛みと感じて、胃の不調により抵抗力の低下を招いて風邪に進んでいる可能性を伝えると、胃は弱いとの事だった。
     胃には少し負担が掛かる方法だけど、初期の喉の痛みと鼻水なら、上半身を温めて熱を発散する『葛根湯』で対処できることを説明した。
     すると『ペラックT』を購入され、「訊いてみるもんだねー(゚∀゚)」との言葉を頂いた。
     そう言ってもらえると、ホッとしますε-(´∀`*)

     

  • 『葛根湯』が適応する「風邪の初期」の復習

     お客様から、『釣藤散』などでの「根治治療が必要なのを理解したうえで」と前置きされて、肩こりに使う鎮痛剤の相談を受けた。
     その尋ね方に、私が以前に何かお話したお客様かなとも思ったけど、こうして日記に書いたり後で案内した内容を検証したりするためにメモを残しているので、以前に相談を受けた人であれば記憶に残ってる………はず。
     もしかして、他お店でそういう話をされたのかな?
     お客様が『バファリンプレミアム』を手にしていたので、同じ銘柄でも『バファリンA』とは内容が大きく違うことを説明したうえで、効能範囲が広い点がお勧めですと伝えた。
     しかし、症状を詳しく訊くと、肩こりというよりは首の後の片側だけが張っている感じがするというため、外用消炎剤の『フェイタスZクリーム』を使うことを提案し、お買い上げ頂いた。
     自宅に『葛根湯』があれば、上半身を温めて血行を良くするので、試してみるように付け加えた。

     『葛根湯』を購入されるお客様から、「風邪の初期にいいんですよね?」と尋ねられた。
     この「初期」というのが曲者で、一般的には「熱の出始め」や「喉の痛み」とか「鼻炎のなり始め」を初期と考えてる人が多いのだけれど、こと『葛根湯』に関して言えば「発熱前」の悪寒や頭重感、もっと言えば風邪の前兆となる諸症状が現れた「気がする」という段階が「風邪の初期」となる。
     そういう意味において『葛根湯』は応用範囲が広く便利であるものの、使用するタイミングは極めて難しく、早さが勝負。
     一般的な「風邪の初期」であるところの、すでに「喉が痛くなった」とか「熱が出始めた」では遅かったりする。
     なので、『葛根湯』は家に置いておくよりも持ち歩いて出先で異変の兆候を感じたら服用するよう勧めた。
     そうすることで、風邪に進行するのを回避したり、もし空振りだとしても栄養剤として役に立つことを説明した。
     そして、発熱したら『麻黄湯』に乗り換えることと、発熱によって汗をかき始めたら『柴胡桂枝湯』に変更して体力の低下を防ぐ運用の方法を教えた。
     補足として、「風邪の初期」の段階で喉が痛み、鼻水が出ていないようであれば、上半身を温める『葛根湯』ではなく上半身を冷やす『銀翹散』を使うよう案内した。
     喉が痛む時に『葛根湯』で上半身を温めてしまうと、余計に痛くなってしまうので。
     咳が出るときも、もちろん駄目である。
     ただし、冷たい物を飲んだり冷たい風を吸い込んで咳が出るという時には温めるべきだし、喉が痛くて鼻水が出るようなら『葛根湯』で温めつつ『桔梗湯』を併用するのが良い。
     というように、『葛根湯』を使うのは案外と難しかったりするんだけど、全部を全部説明しきれないから、今回は『銀翹散』の説明をしたところで打ち止めにした。

     寝違えたということで飛び込んできたお客様に、鎮痛効果の高い物としてインドメタシン製剤と、浸透力のあるフェルビナク製剤を案内した。
     急性症状だから、初めから強めのもので行くのが良いでしょうとお話して。
     『バンテリン液EX』を使って頂くことになり、お買い上げ。

     鼻洗浄の『ハナノア』と『イソジン』を一緒に購入されるお客様に話し掛けてみたら、いつも風邪が喉から来ると言われた。
     実のところ、風邪の原因となるウイルスは200種以上あって、現れる症状は種類によるから、「いつも喉から」というのは記憶の印象による勘違いか、家など特定の場所に特定の種類のウイルスがいる可能性がある。
     そして、喉の痛みだけで頭重感や肩の張りといったような風邪の兆候が無い場合には、胃炎による気管支の乾燥が喉の痛みになっている可能性がある。
     そんなお話をすると興味を持って頂けたので、風邪との見分けがつかなくても喉が痛くなったら、その段階で消化の良い食事に切り替えると治りやすく、風邪の場合も進行を回避できる可能性が高くなることを説明した。

     

  • 「自己責任」は「自分勝手」と紙一重

     ご夫婦で来店したお客様から、授乳中に使える肩こりのバップ剤をと求められ、『サロンパス』を勧めてお買い上げ頂いた。
     フェルビナク製剤なんかも完全に駄目な訳ではないけれど、やはり危険は避けておくほうが良いだろう。
     そして、自宅に『葛根湯』があるようであれば、授乳中の肩こりはもちろん風邪の初期にも使えますよと案内すると、家にあるとの事だった。
     それから、子育てにストレスはつきもの。
     ストレスによる肩こりとも考えられるので、『葛根湯』や入浴など温めて症状が緩和しない時には、『コリッシュ』(治肩背拘急方)を試してみてくださいと紹介した。

     鎮痛剤の相談を受けたお客様の買い物カゴを覗くと、『葛根湯』が入っていたので症状を尋ねると、頭の片側がズキンズキンと痛むという。
     上半身を温める『葛根湯』が適応する頭痛は、眼の奥が重いような頭痛や、肩こりと連動した下に引っ張られるような頭痛で、ズキンズキンと拍動するような頭痛ではかえって悪くなる。
     そう説明すると、すでに自宅にあった『葛根湯』を服用し、治らないため鎮痛薬と追加の『葛根湯』を買いに来たそう。
     鎮痛剤を使うのはともかく、どうして効かなかった『葛根湯』を買い足そうと思うのか、その心理が分らない(´・д・`)ゞ
     というか、鎮痛剤の相談をされた段階で、経過を話してくださいな。
     そして詳しくお話を訊くと、鼻水があり、その鼻水は透明でサラサラだという。
     なるほど、その鼻水は内臓の冷えが原因だろうから、それだけなら『葛根湯』で温めるというのは一つの手である。
     しかし、効かなかったということと頭痛の種類からすると、冷えで胃の機能が低下しているのが頭痛の原因のように思える。
     だとすれば、『柴胡桂枝湯』の出番である。
     そのうえで鎮痛剤もとなると、やはり胃への負担を考慮して『バファリンA』か『イブA』だろうと案内したら、『イブA』は家にあるとのこと。
     そして、もともと胃は悪くなりがちだというので、『コリッシュ』(治肩背拘急方)も紹介してみた。
     本日は、『葛根湯』を取りやめて『柴胡桂枝湯』をお買い上げ頂いた。

     やや高齢の二人組のお客様が来店し、一人から『ロキソニン』を注文された。
     しかし取り扱っていないため説明しつつ用途を尋ねると、明日のマラソン大会に参加するのに、足が痛むから鎮痛剤が欲しいという。
     練習での筋肉疲労が思い当たるというから、鎮痛効果だけでなく炎症を抑える『新セデス錠』を案内すると、「治したい訳じゃないのよ」と言われてしまった。
     それは分かるけど、痛みというのは体の異常を知らせている訳で、鎮痛剤でそれを感じなくさせるということは、患部に無理をさせても気づかなくなるということで危ない。
     世の中には、生まれながらに無痛症の人もいて、骨が折れたり出血するほどの怪我を負っても気づかないため、命の危機に毎日されされていたりする。
     そこまで極端でないにしても、鎮痛剤で痛みに対して鈍感にしてしまうのだから、せめて炎症くらいは抑えておいたほうが良い。
     しかし、「痛みさえ感じなければいいの」と本人は言い、一緒に来ている友人らしい人も「たいしたことないから」と言う。
     その「たいしたことない」の根拠を訊きたい(-_-;)
     しかもその人、「炎症してる訳じゃないの。痛いだけだから」とも言い出す。
     炎症じゃなくて足が痛んでるとしたら、もっと大変な病気じゃないのかと。
     そして本人からは、「明日だけしのければいいから」と強く要望され、『ロキソニン』を望まれるのなら『イブプロフェン』も化学構造式が似ていますから、代用になりますよと説明すると購入された。
     途中で、専任のコーチや相談できる医師はいないのか尋ねてみたけど、まぁ無駄だった。
     たとえ病態を悪化させるとしても、「患者さんの希望を第一に」というのが医療に携わる人間が優先しなければならない事だと頭では理解できていても、やはり心情的には納得いかない。
     なによりも、個人的には「自分の体を大切にしない人間にはスポーツをする資格は無い」と思うのだけどどうか。
     本人は「自己責任」のつもりなのかもしれないが、もし大会中に怪我をすれば運営者はもちろん、もし当日に中止になったり今大会が最後なんてことになったら他の参加者にも迷惑が掛かるわけで、それを考えないのは「自分勝手」だとしか思えない。
     せっかく申し込んだ大会だから参加したいとうのであれば、専任のコーチは難しくとも頼る医師くらいは、自分で見つけておくべきだろう。
     そして、当日に向けて体調管理して、練習のペース配分をしたうえで、異常があれば参加を諦める。
     その覚悟が無いレジャー気分なら、それこそ大会になど参加せず自分で走れば良い。
     それなら正に、「自己責任」である。
     結局のところ、参加者の一人としてマラソン大会を担っている一員という自覚が無くて、お客様気分なんだろうな。
     マラソン大会が、どうなろうが知ったこっちゃないという意識。
     まぁ、実のところ私怨みたいなもので、マラソンは公道を使うため、「一番迷惑なスポーツ」と思っていて良い印象がない。
     だから、余計にいい加減な参加が許せなかったりヽ( ´ー`)ノ
     ちなみに、筋肉疲労が内蔵にも負担を掛けて腎臓などの循環器系を悪くしてしまう事もあるから、私としてはかなり本気で止めたかった。

     

  • 「良い物を」と問われて困るボディソープ

     お客様から『ハルンケア』(八味地黄丸)の効果について質問され、冷えや加齢が原因の頻尿に適応することを説明すると、旅行に持って行きたいというので、液剤よりも錠剤をと勧めた。
     その方が、持ち運びしやすいだろうから。
     すると、錠剤が分包になっている方の箱が目についたらしく、そちらを購入された。
     アチャー(。ノω<。)
     確かにソッチの方が小瓶の錠剤より、もっと便利ですもんね。
     同じ剤形でも、包装の違いにまで気が回らなかった。

     お客様から、柿渋ボディーソープの取り扱いについて尋ねられた。
     以前にうちのお店で購入したらしく、確かに私も見た記憶があるのだが、調べたら取り扱い終了になっていた。
     で、代わりに何か良い物は無いかと相談され、一瞬迷いを見せたら「ボディソープのことは分らない?」と言われてしまった。
     いや、分からないというか考え方の違いで……。
     お客様の目的は、乾燥肌と加齢臭対策というお話だから、それなら高いボディーソープを使わずとも普通の石鹸で充分。
     むしろボディソープで皮脂を落とし過ぎると、肌が守られなくなって乾燥肌の原因になってしまう。
     加齢臭にしてもそうで、毛穴に詰まった皮脂に雑菌が集まって、それが臭いの元になってる訳だけど、人間の皮膚にはそういう雑菌を食べてくれる常在菌もいるから、一緒くたに洗い流して残るのはボディソープの香りであって、必ずしも加齢臭をボディソーブで取り除けたとは限らない。
     これまたむしろ、かえって加齢臭の原因になる雑菌をのさばらせてしまうだけになるか、もしくは常在菌を洗浄してしまったからには、ボディソープを使い続けなければならないというパラドックスに陥ってしまう。
     世の中には、ボディーソープなどを『経皮毒』などと呼んで、ことさら体に悪いと言いつのる人や、汚れを落とす界面活性剤を猛毒のように言い立てて天然石鹸を進める人もいるけど、実のところそんな難しい話ではない。
    「洗い過ぎは良くありませんよ」
     それだけである。
     まったく石鹸も使わない湯シャンもまた極端だとは思うものの、それくらいシンプルに考えても良いだろう。
     歳とともに代謝機能が衰えるとはいえ、毎日お風呂に入るようなら、そんなに殺菌力に優れていたり、保湿成分なるものを含んでいる必要もない。
     だから、「柿渋ボディーソープのように良い物を」と問われたら、私の考えでは「ありません」としか言いようが無く、それで返答に迷ってしまった次第。
     そう正直に話してみると、「あらー、お医者さんに言われたのと同じだわ!」と驚かれ、納得もされた様子で帰っていった。

     お客様が『葛根湯』を購入されるさいに、適応する症状について質問されたので、発熱前の頭重感や悪寒といった風邪の前兆に効果的なことと、発熱してからは『麻黄湯』に乗り換え、熱で汗をかくようになったら『柴胡桂枝湯』に乗り換えるよう説明した。
     この三種は家に常備しておくと、年越しに安心です(*´∀`*)

     

  • 「治す気あるんですか?」と思わなくはない

     成人の息子さんが喉の痛みと鼻炎を訴えていて、「いつも使っている」というトローチを探してお客様が来店したんだけど、名前も成分も分からないという。
     それじゃ、選別のしようがありませんがな(^_^;)
     しかも、よくよく訊くと特定のメーカーのオリジナル品らしい。
     となると、そもそも医薬品か医薬部外品か菓子類かの区別も怪しい。
     お客様には、医薬品であれば消毒系か抗炎症系のどちらかだと思われますと説明したけど。
     そして主訴の一つである喉の痛みについて詳しくヒアリングすると、朝起きた時に喉が渇いた感じがして、鼻汁には色が付いているそう。
     病院はすでに受診しているらしく、抗生剤とカロナールなどを合わせて5種類ほどの薬が処方されているというのに、お薬手帳も持参していないのだから、正直「治す気あるんですか?」と思わなくはない。
     勉強も努力も大嫌いな自分だから、なおさらそう思ってしまう。
     仕方が無いので、もう少し症状について詳しく訊くと、発熱自体は無いというから、むしろその抗生剤とカロナールで体内が乾燥してしまい、それが喉の痛みになっているのだろうと判断して、『麦門冬湯』を案内した。
     また、息子さんは学校の関係で帰りが遅く疲れている様子だという話があったため、主訴については処方されている薬に任せるとして、『柴胡桂枝湯』で体を下支えするよう提案した。
     下痢にもなったというのは、おそらく抗生剤で有益な腸内細菌も倒してしまったからだろう。
     『柴胡桂枝湯』は、そういう低下した胃腸機能を支援するのにも使える。
     ただ、やはりそういう状態の時には、食欲はあっても量を控えさせることが必須。
     脳の方は、体調を整えるのにエネルギーが欲しいから食欲として「食べろ」という信号を送るかもしれないけど、内臓の方は指示に従える状態ではない。
     そうお話すると、タウリン系のドリンク剤を飲んでいると分かった。
     親心として、そうしたい気持ちは分かるけど、ドリンク剤を処理しなければならず体に負担を掛けてしまうから、あまり勧められない。
     もしどうしても栄養剤をというのであれば、栄養を蓄積できる生薬系の『ユンケル』などの方をと勧めた。
     すると今度は、『ユンケル』のピリ辛の味が苦手だというので、マイルドな味にしてある『ユンケルL』を紹介したうえで、カフェインを含まず上半身の乾燥を防ぎながら疲労を抑える『新ヒストミンゴールド』を案内した。
     だけど、主訴に加えて頭痛もあるという話から、改めて『柴胡桂枝湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     また、帰りが夜遅くそのまま寝て朝にシャワーをあびているというので、寝る時間を削ってでも入浴して血流を良くすることにより睡眠の質を上げるようお話した。
     そして、『柴胡桂枝湯』については、本人が飲むのを嫌がれば、お客様自身が使うように勧めた。
     お話しているうちに、どうも息子さんのことであれこれと考えて気疲れしていねみたいだったから。
     感情を支配する胃と肝臓を助ける『柴胡桂枝湯』は、心配しがちな親御さんにも役立つはずなので。

     水虫薬の『ピロエースZ』を求めてお客様がいらしたけど、材料に問題があってメーカーが回収していることを説明した。
     ネットでの良い評判を見て使おうと思ったらしいのだけれど、病院に行ったことは無く、菌の有無は調べていないそう。
     患部が水疱になっていて痒みが強く、ネットで見た状態と同じだから水虫と判断したらしい。
     どんなページを見たのか分かりませんが、水疱になっていて痒みが強うと言うのであれば、『掌蹠膿疱症』の可能性もある。
     『掌蹠膿疱症』は無菌性で、それこそ水虫との見分けは難しく、だけど症状としては同じである。
     だから、お客様には一度は病院を受診するよう勧めた。
     それと、お客様は患部を一生懸命に洗っていて、かなり擦っているのに治らないと言っていた。
     これも間違いで、患部を一生懸命に擦るということは、体からしたら防御しなければならず、傷んだ皮膚を再生するために水疱を作り出す。
     ますます、水虫かどうか疑わしい。
     とりあえず水虫薬を買いたいと強く望まれたため、比較的皮膚に優しい『ダマリンL』をお買い上げいただいたものの、患部は優しく洗うよう伝えた。

     お客様から『ベンザブロックLプラス』の効き目を質問されたけど、主訴を確認すると咳と喉の痛みに痰の絡みがあるものの、発熱や鼻炎は無いというので適応しないかもしれないとお話して、咳止めを使うよう提案した。
     すると咳については、息を深く吸うと出るというので、体内の乾燥の可能性を説明したところ、喉がカラカラと鳴るという。
     ならばやはり、上半身の水分不足であるため、『麦門冬湯』を勧めてお買い上げ頂いた。
     一応、比較として『ダスモック』(清肺湯)も候補に挙げたけど、煙草は吸わないそうだから外した。

     以前に咳の相談を受けて『麦門冬湯』を勧めて良好になったお客様が、今回は自ら『銀翹散』を選択された。
     主訴を確認すると、喉の痛みと頭痛とのこと。
     鼻水があるというから通常であれば、上半身を冷やす『銀翹散』は避けるところなれど、鼻水は気になるほどではないというから、そのままお買い上げ頂いた。
     ただ、いつもは風邪の初期に『葛根湯』を使っているというので、上半身を温める『葛根湯』とは使い分けが必要なことを説明した。
     すると今回は、頭痛と合わせて右肩に肩こりを感じるというので、喉の痛みが落ち着いたら、『葛根湯』に乗り換えてみるよう勧めた。

     

  • お客様への声掛けは『恐怖新聞』を読むが如し

     お客様から、『パフロンゴールドA』と『パブロンSα』の違いを尋ねられた。
     こりゃまた微妙な(^_^;)
     こういう時には考える時間稼ぎに、逆質問をする(笑)
     という訳で症状を尋ねると、鼻水と鼻づまりを往来していて、痰が喉に張り付く感じがするという。
     ほほぅ、なるほどなるほど(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
     と頷きながら、目では成分表示を追い、頭の中では情報の突き合わせをする。
     いや、決して聞き流してる訳ではありませんよ。
     念のため(o´・ω-)b
     そして口からでまかせ……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
     もとい、お客様にイメージしてもらいやすいように用語を選び、『パフロンゴールドA』は広く浅いオールマイティーで、『パブロンSα』の方が痰を伴う咳や鼻炎への効果に期待ができますと説明。
     すると、すでに発症してから日が経っており、その間にも現在も発熱はしていないというので漢方薬を提案すると、実は『小青龍湯』を服用したという。
     はい、症状と経過の他に、使用した薬の確認もしないと駄目ですね私。
     研修だったら、講師から注意されるところです。
     ただ、お客様は今後の発熱を心配して、解熱剤の入っている現代薬を希望されたため、『パブロンSα』に『新ヒストミンゴールド』を併用することを提案した。
     『新ヒストミンゴールド』にはカフェインが入っておらず風邪薬との重複を避けられ、主成分の麦門冬は痰にも良い栄養ドリンクなので。
     また、漢方薬では鼻水と鼻づまりの往来からして『小青龍湯』は適応しないから、発熱にも使える鼻炎薬の『葛根湯加川きゅう辛夷』と、痰の張り付きを主体にしつつ鼻づまりの解消も狙って『ダスモック』(辛夷清肺湯)を案内した。
     本日は、『パブロンSα』と『新ヒストミンゴールド』の組み合わせでお買い上げ頂いた。
     食欲はあるというお話だったけど、痰の張り付きは胃炎による体内の乾燥の可能性があることを説明し、食事は量を控えて消化の良い物にするよう伝えた。
     そして、お風呂には入っているというので、引き続き体を温めるよう勧めた。

     何度か日記に書いているように、お客様から直接的に相談を受けるのは極めて稀(まれ)。
     1日に2~3件は日記に取り上げてるけど、殆どは自動販売機のように買われてしまう。
     中には、薬の注意点や養生法をお話しようとしても、お会計で金銭のやり取りを終えるとレシートすら受け取らずに立ち去ってしまわれる。
     メンタルが豆なので、1日の終りには「明日からは自動販売機かお地蔵さんになろう」と思うくらいに凹んでいたりする(´・ω・`)
     だからたまに、来店するなり一直線にお客様から近づいてこられると、ものすごくビビッてしまう。
     心に余裕が無いから、驚いてしまってごめんなさい(^_^;)
     で、そんなふうに迫られて、その迫力がちょっと怖かった。
     いや、それだけ苦しかったんだと思いますが、お客様の形相が殺気を帯びてるかのようだったので……。
     相談された主訴は、腹痛と吐き気と下痢。
     お臍(へそ)の周囲が痛むそうで、食べた物などでは思い当たらないという。
     まぁ、こうして店頭に来れるくらいなら対処できる範囲かなとも思い、もう少し詳しく訊こうと思ったら、「できるだけやすい胃腸薬を」とリクエストされた。
     予算も大事だからそれは良いんだけど、胃腸薬じゃない物を案内したいのですが、いかが?
     恐る恐る切り出すと、「胃腸薬ではない」という言葉に疑問に思ったのか、さっきまでの殺気のような勢いが穏やかになった。
     言ってみるもんだなー。
     案内したのは、風邪の後期や胃腸の風邪に用いる『柴胡桂枝湯』である。
     柴胡で肝臓を助け、桂枝で胃を助けることで、解毒と健胃と整腸作用を一気に面倒を見ようと。
     1日3回の服用が基本だけど、症状からして、すぐに服用して翌朝まで待たずに寝る前に服用するよう勧めた。
     お客様からは、今日はおかゆにした方が良いかと尋ねられたので、いっそ食べずに水分補給だけにするか、塩分も摂るために味噌汁やスープで過ごすようお話した。

     桐灰の『ひざホットン』の替え用をレジに持ってきたお客様に「取替え用で宜しいですか?」と尋ねたら、「えっ? いや! 本体が欲しいんだけど」と言われて一旦お会計を中止。
     パッケージにデカデカと「取替え用」と書いてあるから間違えようが無いと思っていたけど、やっぱり声は掛けておくもんだなと思った。
     ただ、声を掛けるのは寿命が縮むくらい労力が必要なんだよねぇ。
     まるで『恐怖新聞』を読むかのように(;´・ω・)

     

  • 薬は使い分けるのが効果的なことが

     お客様から『改源』と『葛根湯』を比較しての質問を受けたので、発熱していたら現代薬と生薬を合わせた『改源』を、発熱前の風邪の予兆があれば『葛根湯』をと説明した。
     成人の娘さんが発熱しそうと訴えているそうなんだけど、疲労感もあるらしい。
     娘さんは幼稚園の先生の実習中で、夜遅くまで日誌やレポートなどの作業をしているそう。
     ふむぅ、だとすると『葛根湯』だけでは体力の低下を防げずに、そのまま発熱できずに微熱が続くなんてことにってしまうかもしれない。
     変則的だけど、普通は風邪の後期の体力回復に使う『柴胡桂枝湯』を夜に服用して、朝に『葛根湯』を服用する方法を提案して、両方をお買い上げ頂いた。
     『葛根湯』は上半身を温めて血行を良くすることで風邪の初期に有用ではあるけど、それだけに夜に服用すると寝付きが悪くなる。
     一方、『柴胡桂枝湯』は肝臓と胃の働きを助け、気分を落ち着ける効果もあるから、夜に作業をしているようなら睡眠の質を上げてくれることを期待できる。
     ただ、やはり娘さんは仕事が帰るとシャワーで済ませているようなので、寝る時間を削っても入浴するよう勧めた。
     睡眠は寝た時間よりも、質のほうが大事。
     血行を良くして寝るほうが、回復力が増す。

     帯状疱疹後の皮膚の乾燥に使う薬をと、夫婦で来店したお客様から相談を受けた。
     ご主人が患者さんなんだけど、応対するのは奥さんの方。
     そして毎年のことだからと最近は病院に行っていないそうなので、帯状疱疹の経過や使用してきた薬については分からないという。
     内服薬は使ったことが無いそうなんだけど、それだけの情報では方針も立てられない。
     乾燥が原因と思われる背中の痒みに、以前はタオルでガシガシと擦っていたらしく、悪化して止めたそう。
     とにかく、強い痒みには『フルコートf』などのステロイド剤を、掻きむしるほどでなければ『ユースキンA』などの痒み止めが入った皮膚ケアを、保湿だけなら皮膚の中で保水する尿素入りの『ケラチナミンコーワクリーム』や、皮膚の表面を覆って保水する『アロエ軟膏』などを、症状に合わせて行ったり来たりと乗り換える方法を提案した。
     どうしても一つの薬で全部を済ませたいと考えてしまうだろうけど、症状によって使い分けたほうが体への負担を抑えられるので。
     また、敏感肌で蕁麻疹が出ることもあるというお話が出たけど、皮膚の敏感さと塗り薬の強弱は直接的には関係無いことを説明した。
     相性が良ければ強い薬でも反応は出ないし、悪ければ弱い薬でも反応が出てしまうものなのだ。
     一応、内服薬として『十味敗毒湯』と、現代薬との合方である『タウロミン』を紹介した。
     本日のところは『ユースキンA』をお買い上げ頂くことになり、皮膚疾患は店頭では難しいため、改めて病院を受診するよう勧めた。
     まぁ一番は、患者であるご主人自身が自分の体と病態に興味を持って、主体的に関わってくれるのが最優先だと思いますが(^_^;)

     

  • 随伴症状にまで辿り着くのは難しい

     『のどぬ~るスプレー』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねると、喉の痛みが発症したのは3日前からで、さらに前には微熱と鼻水があり、それらは今は治まったという。
     だとすれば風邪をひいて、もう治りかけという段階。
     発熱によって体内が乾燥したか、風邪で胃炎が起きたかで、気道が炎症しているのだろう。
     消毒系の『のどぬ~るスプレー』より、抗炎症系の方が適していると考えられることを説明して、アズレン製剤の『のどスプレー』と、内服薬に『ペラックT』を案内した。
     『のどスプレーアズリースロート』をお買い上げ頂き、喉の炎症が胃にまで及ぶことがあることを伝えたところ、胃炎は感じているというので、消化に良い食事にするよう勧めた。
     胃炎を感じてる話をもう少し早く引き出せていたら、風邪の後期の胃腸炎に使う『柴胡桂枝湯』も紹介したんだけとねぇ。
     買う物を決めてる患者さんに、主訴を聞き出すだけでも大変だから、随伴症状まで辿り着くのは、もっと難しい。

     風邪薬の棚で迷っている様子のお客様に声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     『ルルアタックNX』を選ばれてレジに持ってきてから症状を尋ねると、主訴は鼻水と喉の痛みで、発症したのは3日前からだそう。
     でも、3日前よりは症状が軽くなっており、当初から発熱は無かったという。
     鼻水はサラサラの透明だというから、単純に冷えによるもので、喉の痛みとは別口かもしれない。
     しかも、喉の痛みも軽くなってきているとなれば、『ルルアタックNX』は疲労を招いて、むしろ風邪に進行させてしまうのではないか。
     普通は発熱前の風邪の初期に用いる『葛根湯』で温めてしまえば、炎症の熱を発散して、ついでに鼻水も改善するように思える。
     そこで、家に『葛根湯』があるようでしたら使ってみてはと提案したら、昨日に服用して、まだ家に残っているそう。
     発症した当初には服用していなくて、昨日になって服用したというので継続するよう勧めると、『ルルアタックNX』はキャンセルとなった。
     喉が痛む間は、無理に食事をしないで胃を休めるよう伝えた。

     やや高齢のお客様から、ヤケドの水疱が破けたとのことで薬を求められたため、ヒリヒリ感があれば『メモA』を、無ければ抗生物質を使うか、薬を使わずに『キズパワーパッド』での湿潤療法を勧めた。
     すると、以前に病院で処方された薬があるというので、一旦お帰りになってから現物を持ってきて頂いたところ、抗生物質の『バラマイシン軟膏』だった。
     開封して日も経っていないようだから、使うよう勧めて本日のお買い上げは無しに。
     ヤケドしたのは、使い終えたオーブンが冷える前に掃除しようとして触れてしまったらしい。
     そして、直後には患部を冷やさなかったそう。
     ありゃん(;´Д`)
     次にヤケドをした時には、最低でも30分~1時間は流水で冷やしてくださいね。
     ヤケドの薬というのは無くて、病院に行っても医師からは「冷やしてから来て」と言われるくらい、冷やすのが第一なので。
     あっ、氷は駄目です。
     冷たすぎると、皮膚への刺激が強いので。
     『冷えピタ』などは逆に患部の熱を奪う力が弱いから、やっぱり駄目。
     あと、ヤケドの範囲が掌より大きいか、痛みが感じないくらい深くまでヤケドしていると思われる場合には、迷わず救急車を呼ぶように(・o・)
     お客様には、今後の患部のケアのために塗る漢方薬の『紫雲膏』と、患部を保護する『アロエ軟膏』を紹介した。

     

  • 男は一人墓穴掘る 男は一人で掘るものさ 『男はひとり道をゆく』より(嘘)

     外用消炎剤の棚で迷ってる様子のお客様がいて声を掛けたら、数日前に捻挫したという話から始まり、痛いというより違和感が残っているという。
     それなら、鎮痛剤として強い物より血流改善の成分が入っている物の方が良いでしょうとお話して、フェルビナク製剤の『ほぐリラ温感』を勧め、試して頂くことになった。
     そしてお会計時に、長引くようなら病院を受診するようにとお話したら、「言っておく!」と答えて、ピューッと走って帰られてしまった。
     えっ?
     えっ!?
     えっ??
     捻挫したのは誰なのー(*」>д<)」!?
     終始一人称で、捻挫の具合の話し方からして、本人だと思い込み、患者さんの確認を怠ってしまった。
     こういう失敗は、地味に凹む……orz

     小学生の子供の鎮痛薬をということで『バファリンルナJ』をお客様に案内し、市販の鎮痛薬では実質アセトアミノフェンの一択しか選択肢が無いことを説明したうえで、頭痛の状態をヒアリング。
     その時、何を思い込んだのか初潮の有無について尋ねてしまった。
     そしたら、子供は男の子というお返事。
     ありゃん、大変失礼を(^_^;)
     子供の鎮痛薬は、たいてい女の子の相談が多いので。
     ううん、なんだか今日は思い込みの多い日だ。
     手抜きか慢心か、良くない仕事の姿勢である(´・ω・`)
     そして主訴は頭痛で眼の奥が痛むらしく、痩せ型だというお話だったため、胃からくる頭痛を疑い『柴胡桂枝湯』も候補として挙げたところ、目の疲れも関係するか質問された。
     どうやら、勉強のしすぎが思い当たるらしい。
     それはもちろん有りえるので、その場合は家に『葛根湯』があればお試しくださいとお話すると、無いということで購入を決められた。
     眼の奥の頭痛を水毒と考えて、胃からくる頭痛と直結させてしまったのも思い込みだなぁ。
     自分が勉強嫌いだったからって、勉強といった目の使いすぎによる眼の奥の痛みは基本中の基本なんだから、それを考えないなんてどうかしてる。
     今日の自分は、墓穴を掘って埋めてやりたい=3
     お詫びというよりは自分の失敗を糊塗するために、温かい食事を心掛けて、根菜を多く摂らせるように勧めると、好き嫌いがあるとの事だったが、それは生での話でスープなら食べるというので、それはぜひ集中的に食べさせてくださいとお話した。

     

  • 心配の基準が違う

     お客様からの注文が「消毒スプレーを」とのことだったため『消毒用エタノールスプレー』を案内したけど、「違う」というので用途を尋ねると、病院から帰ってきた時に靴下に使いたいそう。
     病院のスリッパを履くから、その除菌をしたいということだろうか?
     それなら、『消毒用エタノールスプレー』でも良いのでは。
     さらに詳しく訊いてみたら、靴ずれで皮が剥けた所にも使いたいという。
     やっぱり、『消毒用エタノールスプレー』で良いような。
     いや、靴ずれなら『オロナイン軟膏H』で消毒しつつ患部が擦れないようにするべきか。
     しかし、それは望まれていないようで、さらにお話を訊いてみたら、どうやら『ファブリーズ』や『リセッシュ』のことらしく、売場を案内すると、その手の消臭除菌スプレーを買っていかれた。
     どうも、治療を先に考えてしまう悪い癖が。
     でも、お客様の目的を達してから、やはり靴ずれの治療については重ねて勧めるべきだったか。

     『ルル滋養内服液』が風邪に良いかとお客様から質問され、疲労に使えますとを答えたが、症状を尋ねると自身ではなく中学生の娘さんが、熱が出そうと訴えているらしい。
     ただ、実際にはまだ発熱しておらず、だけど早々に『バファリンルナJ』を飲ませそう。
     ありゃΣ(゚Д゚ υ)
     気持ちは分かるけど、発熱する前に解熱剤を使うと疲労してしまう事がある。
     しかも、詳しく訊いたらすでに本人は、体がだるいとも言ってるらしい。
     疲労が出ている時というのは、かえって熱を出すことができず、それはつまり風邪と戦う戦力が乏しいという事だ。
     そこで解熱剤を使うというのは、喧嘩をする気力が無い人を、喧嘩をするなと押さえつけるようなもんで、ますます風邪の勢力を強めてしまう。
     明日からテスト期間ということで、お客様としては早く治してやろうと思ったんだろうけど、完全に裏目のパターン。
     ここは本人の体の後押しをするために、『葛根湯』が家にあれば使ってみてくださいと勧めると、無いので購入されるという。
     それなら体を温めるのは『葛根湯』がやってくれるから、『ルル滋養内服液』は不要になるので、代わりに『柴胡桂枝湯』を併用して体力を下支えするよう提案した。
     本来なら、すでにだるいという話からすれば『柴胡桂枝湯』をメインに据えるところなんだけど、テストを休まずに受けるとなると、『葛根湯』で上半身に活力を与えなければなるまい。
     ちと乱暴な使い方ではあるが、まぁ若いから使える方法ということで。
     一緒に購入して頂くことになり、『柴胡桂枝湯』を通常の回数服用させて、『葛根湯』は朝起きてから服用させるようにお話した。

     お客様にデュアナチュラの『甘草グラボノイド』が置いてあるか尋ねられ、探してみたけど仕入れてなかった。
     ダイエットに使う物らしいんだけど、甘草をそんなふうに使って大丈夫なんかね。
     抗炎症剤として使う場合は熱を発散するから、その過程でエネルギーを消費するということか。
     でも、多く摂り過ぎると低カリウム血症を招くし、なんだか心配。
     本格的にダイエットを検討するのであれば、『防風通聖散』などを使ってみるのはいかがでしょうと提案すると、医薬品は使うのが心配らしい。
     一応データは取っているとはいえ、臨床試験を経ていないサプリメントのほうが私は心配なんだけど、心配の基準も違うもんなんだなぁ。
     お客様からは、他にどんなサプリメントを摂れば良いかと相談されたので、普段の食事で食べる機会の少ない食材をリストアップして、不足していると思われる物をチョイスするよう勧めた。
     本日のところは、お買い上げは無し。
     こういう時、お客様をある方向に導いて良いものなのか、それともお客様の要望にだけ応えておくのが良いのか迷う。