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  • ≪第2回≫小建中湯

    漢方薬症例クイズ≪第2回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。
     基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で3名様にプリティ座いす』を進呈いたします。
     絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。
     皆様の参加をお待ちしています。(終了しました)

    プリティ座いす

     pre_zaisu.jpg (134151 バイト)

     クリックすると大きく見れます。
     テディベアのイラストをあしらったプリティ座いすです。
     室内はもちろん、お花見のお供にどうぞ(⌒▽⌒)

    募集期間:3月1日(月)~14日(日)
    正解発表予定:3月17日(水)

    問題
     10歳、男子。背は小柄。顔色は普通。
     主訴は、腹痛。
     下痢も便秘も無いが、お臍(へそ)の辺りが痛いという。お臍を中心に、やや左右が張っている様子で下腹部が重い感じがするとの事。
     ある漢方薬を渡したところ、家に帰って服用すると服用して一時間後には多目の便が出て楽になったと親から聞かされた。
     以来、家に常備しておいて似た症状があると使っているとの事。
     さて、渡した漢方薬はなんだったろうか?

    正解
     
    正解小建中湯です。
     単品で正解した方が2名のみでしたので、そのまま当選者といたします。
     当選したのは、以下の2名の方です。おめでとうございます。
      ※たかさん様…選んだ理由:空欄   ※ひろの様…選んだ理由:空欄

     それと、次選の漢方薬としては桂枝加芍薬湯が該当します。
     桂枝加芍薬湯を解答された方は複数いたのですが、当選枠は3名なので抽選にて1名様を当選といたしました。おめでとうございます。
      ※えむし様…選んだ理由:神経性の便秘、渋り腹と判断したことによる

    解説
     まず便秘だった事は結果として後で分かった事ですので、一度忘れて下さい。ここで便秘=便秘の漢方薬と思い込んでしまった人が多いようです。
     便秘という事が分からない状態では、この子供は便秘の自覚も下痢の症状も無かったという事になります。そこで頼りになるのは、何処が痛いかという事です。
     お臍を中心に、やや左右が張っている事と、下腹部が重い感じがする事、そして痛いとは言っていても、特に差し込むような激しい痛みは訴えていません。
     それらを考えると、最初から便秘薬として強い物を用いるよりは、整腸作用のある物を選んで様子をみる事が必要です。特に子供は、大人よりも体の代謝機能が高いので、漢方薬といえども慎重な投与を心がけなくてはなりません。
     もちろん急激な腹痛や、急性の熱症状(風邪)などに対しては、効果が早く出る漢方薬を選択します。
     解答の中で正解以外で多かった大黄甘草湯は、便秘の漢方薬としてポピュラーな物ですが生薬が2種類しか入っておらず、生薬の種類が少ない漢方薬は効果が鋭い傾向にあり、症状があいまいな段階では適切ではありません。
     半夏瀉心湯という解答も多かったのですが、おそらく胃腸カタルという事を想定したのだと思います。ただ、半夏瀉心湯は前提として吐き気などの明白な症状を伴っている場合に用います。名前の『瀉心』は、炎症・充血・出血・熱感などを取り除くという意味だと憶えておくと良いでしょう。
     他に多かった解答の中に安中散がありました。おそらく神経性胃炎という効能からだろうとう思うのですが、適応する状態として「腹部筋肉が弛緩する傾向」というのが必要となります。今回の子供は、逆に左右が張っている傾向にありますので適応しません。
     さらに少数ではありましたが、大柴胡湯という解答があり、これは判断に迷うところです。大柴胡湯は比較的体力のある人に適応し、症状もより顕著な場合に用います。小学生の場合だと、効果はあるかもしれませんが強く効き過ぎる可能性があります。今回は、背が小柄で顔色が普通という条件しか提示しませんでしたので、大柄か太っているタイプの子供であれば使えるかもしれません。
     そして、子供はちょっとした事で神経性の便秘を起こす事があると憶えておくと良いでしょう。
     他の事例になりますが、家族と出かけると便秘になるというケースがありました。出かけると本人は楽しそうにしているのに、どうして便秘になるのか親は不思議に思ったそうです。
     理由は、神経的な緊張と精神的な緊張は必ずしも一致しない事によります。子供としては家族と出かけること自体は楽しいと思っていても、出先で多くの人に会ったり乗り物に乗ったりという事に対しては体が緊張してしまうという事があり、これは決して特異なケースではありません。
     そして、それらの神経的な緊張は、“顕著ではない”症状として現れる事があり、その影響が出やすいのが胃腸なのです。
     喘息などの持病がある場合は、胃腸に加えてそれらの症状が出る場合もあります。
     以上の事から、小児の慢性胃腸炎や夜尿症などに用いる小建中湯を試してみました。

    補足
     次選の漢方薬としては、桂枝加芍薬湯があります。
     実は、小建中湯桂枝加芍薬湯の生薬成分を比べてみると、まったく同じだという事が分かります。違いといえば、小建中湯には粉末飴が入っているという事だけです。ですから、桂枝加芍薬湯を選んだ人は正しいですし、桂枝加芍薬湯を推した人はほとんどの人が「お臍の周りの痛み」と「神経性のもの」と的確な理由を挙げていました。
     その点からすると、正解としても良かったのですが、今回はクイズという事もあり、あらかじめ用意した正解を答えた人を当選としました。
     ただ、粉末飴には意味があります。
     甘い物には神経をほぐす効果があり、今回の問題の患者が子供である事を考慮すると、神経を安神させる粉末飴が入っている小建中湯の方がより望ましいでしょう。
     さて、今回の問題ですがいかがだったでしょうか。
     解答と共に寄せられたメッセージの中には、「難しい」という声もありました。
     そうです、難しいんです。お店にただ、「お腹が痛い」と来られるだけでは。
     本人であれば、その場で他の症状を尋ねたり、顔色や体格などを観察して適応する漢方薬なり薬などを選ぶ事ができますが、人に頼まれて来た時や、家に患者である子供を置いてきたりしていると情報が少なすぎで困るというケースがとても多いのです。
     また、子供は知っている言葉が少なかったり経験が不足していたりと、自分の症状を的確に親や他の人に伝えられないという事もあります。それを聞き出すためには、親自身がどんな事を確認しなければならないのかを知っておく事が必要です。
     例えば子供が「お腹が痛い」と言った時には、次の事を調べましょう。
     便秘をしているのか下痢をしているのか・便秘ならばいつからでまったく出ないのか下痢ならば水のような下痢か軟らかい程度なのか・お臍を中心に何処が痛いのか・痛み方は刺すように痛いのか重苦しく痛むのか。
     そして、顔色や汗が出ているのかなど、思いつく限り落ち着いて(これが難しいのですが)メモをしましょう。そのメモがあるのと無いのとでは、患者本人を見れない状況で選べる薬の種類が格段に違います。
     現代であればカメラ付き携帯電話などもあるので、それで患者本人を撮影しておくというのも1つの手ですし、子供に電話するかもしれないと言っておいて、お店から電話をして直接お話をさせてもらうのも助かります。
     たった一言で表現される“腹痛”ですが、難しい症例だという事を知っておいてもらえれば幸いです。
     いずれ、胃腸に関する症例はまた取り上げたいと思います。
     参加していただき、本当にありがとうございました。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
    ききたん・女性  漢方薬は自然から作られた製品なのでとても安心して使えると思います。一時的な効果ではなくて、根本から体質を改善し、健康体へと導いてくれる商品だと思っています。それなので私は市販品を選ぶときにもなるべく漢方薬を選ぶようにしています。
     ぜひ漢方薬を試して下さい。でも、過度に期待する事もしないようにして下さいませ(・v<)(北村)

    杉田明子・女性  大変楽しく拝見させていただきまして、どうもありがとうございました。またちょくちょく足を運ぼうかとも思いますので、よろしくお願いします。
     今後ともよろしくお願いいたします。面白そうな企画のアイデアもありましたら、ぜひ教えて下さい。(北村)

    teror・男性  いろいろな漢方薬があることを知った。基本的には通常の合成?薬品は体の免疫低下などを起こしようで使わないが、漢方薬なら、もともとが自然界のものなので、今後は少し使用を考えてみようと思った。
     どちらか一方だけにこだわる必要は無いので、現代薬と漢方薬とを臨機応変に使っていただければと思います。(北村)

     

  • ≪通巻36号≫
    “手続き”と“緊急”のバランス/客には客の物語がある/奥さんを病院に放り込むまで/子供の風邪

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                     ≪通巻36号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月11日(火)……“手続き”と“緊急”のバランス
        
    ※11月12日(水)……客には客の物語がある
    ※11月13日(木)……奥さんを病院に放り込むまで
    ※11月14日(金)……子供の風邪
    ************************* 先週の平凡な日記 *************************
    ◆11月11日(火)/2003年◆
     冷え症の相談に患者さんが来店。
     しかしお話しているうちに、あれやこれやとかなりの心配性な印象を持った。
     印象だけでは判断できないので、夜はよく眠れているかを尋ねたところ、やはり寝つきが良くない模様。
     そこで、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を勧めてみた。
     循環器疾患に用いる漢方薬で、冷え症のある人で神経質な人の不眠に効果がある。
     神経質な人は血管が収縮したりして血の流れが悪くなり、それが冷え症に結びつく事がある。
     その場合は、体を温めたりする漢方薬よりも、まずは鎮静作用のある方が合うだろう。
      
     病院で貰っている薬の相談に患者さんが来店。
     高脂血症の薬を飲むとだるくなるとの事。
     それならば、まずは医師に相談をしてもらう方が早いのだけれど。
     ウチでは、薬の説明をしたりするのは可能だが、服用をやめましょうとまでは言えない。(もちろん急な症状の悪化などがあれば服用を中止した方が良いが。)
     なにより、ウチで処方した訳ではないので、ウチから病院に連絡するという訳にもいかない。
     とにかく、やめるにしてもまずは担当の医師に連絡するように伝えた。
     どうも、医師に対して相談するのを臆する人がいるが、医師もまた客商売である。そして、扱っているのは患者さん自身の健康である。客商売は、「お客様は神様です」が基本。健康をお金を出して“買う”以上は、どんどん相談した方が良い。
     とはいえ、ケンカごしに質問して、肝心な事はなんにも耳に入らない患者さんもいるんだよなぁ(苦笑)。
     癲癇(てんかん)の予防になるような漢方薬はありませんかと、相談に患者さんがみえた。
     一口に癲癇と言っても、原因が様々なので難しい。脳の障害が原因の場合には、さすがに漢方薬ではどうにもならない。
     子供の癲癇には、小柴胡湯(しょうさいことう)を用いるのが基本。
     今回の患者さんの場合は、症状そのものは重くなく、頻繁になる訳ではないとの事。ただ、季節的なものが関係していて、寒くなってくると自覚症状が現れるらしい。
     そこで、軽度の癲癇の予防として、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を勧めた。
     効能書きには“しぶり腹”や“腹痛”としか書いてないのだが、芍薬(しゃくやく)には緊張を解いたり痙攣を抑える作用があり、癲癇にも効果があると考えられる。
     また、便秘を伴う場合には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を用いると良いようだ。
     柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)桔梗湯(ききょうとう)を求めて患者さんが来店。
     以前から漢方薬を使っていただいている患者さんなので、風邪の時に使う漢方薬を覚えていた模様。
     ところが商品の会計をする段になって、患者さんの職業が咽喉を使う職種だという事を知らされた。
     となると、扁桃腺炎に使う桔梗湯よりも、肺から咽喉にかけて潤いを与える麦門冬湯(ばくもんどうとう)の方が合うと思い勧めた。
     職業の事を訊かれるのを嫌がる人もいるので、なかなかキッカケが掴めないと難しいのだが、もう少し早く尋ねておけば良かった。
     漢方薬に限った事ではないが、職業上の環境なども治療のための大事な情報となる。こちらとしてもイキナリは訊きにくいので、できれば相談する際には教えてもらいたい。
     明日には奥さんを入院させる予定なので、医療センターへ入院手続きに行った。
     受付で入院手続きについて尋ねると、入院受付窓口に行くように教えられたのでそちらに向かう。
     医師からはすぐにでも入院をと言われていたので手続きは事務上の事だけだと思っていたら、事務員には「医師の指示書が無いと入院手続きはできません」と言われてしまった。
     医師からは口頭で入院を勧められた事、昨日電話で問い合わせた時には今日にでも来て下さいといわれた事を話したが、「まず医師の診察を受けて下さい」と言って譲らない。
     実は、こういう医師と事務方の対応の違いというケースはかなりある。
     女友達のAさんなどは妊娠8ヶ月目で陣痛が起きてしまい自力で病院に行ったところ、待合室で破水してしまった。
     医師は急いでベッドの用意を看護士に指示したものの空きベッドが無く、やむなく癌などの重病患者の病棟に運び入れた。
     ところが、事務方が「入院手続きをしていない」という事で医師に抗議したという。
     そのやり取りをベッドで横になっているAさんのそばでするもんだから、なんだか自分が悪い事でもしたかのようで不安になってしまったとか。
     ちなみに、Aさんは無事に出産する事ができた。
     ただし、この“手続き”に拘(こだわ)るというのは、ミスや事故を防ぐためには大事な事でもある。予定の無い病棟に患者を入れて、後で患者の取り違えでも起こったら、それこそ大変である。
     人間なんて勝手なもので、“自分の都合が優先”されないと腹が立つクセに、後でそれがどんな結果を招くかまでは考えずに「お役所仕事するんだから」と怒る。
     一方で、手続きに拘るあまり、緊急時の対応ができなくて手遅れになるケースもある。臨機応変にと言うのは容易(たやす)いが、難しい問題だ。
     一応今回は、緊急性はあるものの、これから世話になるのに最初からケンカしても不都合なので、とりあえず事務方の顔を立てて、「では診察を受けてから入院するという事でどうでしょう。ただし最短の日程で」と提案した。
     事務員が産婦人科病棟に連絡をして、明後日の診察の予約が取れたので、ひとまず解決。
     でもまぁ、本来なら医師と事務方の間のスリ合わせは、患者が考える事じゃなくて、病院側でやる事だよなぁ(・_・)

    ◆11月12日(水)/2003年◆
     アレルギー性の皮膚炎の相談で患者さんが来店。
     以前からピアスをしていたのに、最近になってピアスの周りが赤味を帯びて痒くなってきたという。
     この、“今まではなんともなかった”というのは花粉症と一緒で、ある日突然症状が現れるのがアレルギー性疾患においては珍しい事ではない。
     イメージとしては、コップに少しずつ水滴を垂らしていく様子を想像してもらうといい。コップのサイズは人それぞれである。
     少しずつアレルギー物質が体内に蓄積されて(より正確には物質に対する抗体が蓄積されて)、コップが一杯になるまではなんの反応も出ないが、やがて満杯になり、ある日突然水が溢れてこぼれ出す───。
     だから今は大丈夫でも、誰がいつ発症するかは分からないのだ。
     アレルギー性の皮膚炎の場合、まず最初に選ぶ漢方薬としては、ウチの場合は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)となる。
     または、冷え症な人の慢性湿疹には当帰飲子(とうきいんし)を用いる。
     しかし、今回の患者さんの場合は、見た目では色白く、やや水太りの傾向がある。本人にじかに「水太り体質ですね」とは言えないから、「もしかしてダイエットなどはした事ありますか?」と尋ねてみた。
     ダイエットをすると栄養が偏って皮膚に異常が出ることもある、という嘘ではないがちょっと横道から話をもっていく。
     水太りの人は水の代謝が悪いからであって、それがアレルギー症状を激しくしている事がある。その場合、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を使うという方法がある。
     以前に水太りの傾向があって金属アレルギーの患者さんがおり、その患者さんは防已黄耆湯を1ヶ月ほど続けたところ、今ではネックレスやイヤリングを装着しても大丈夫になったのだ。
     今回の患者さんは、痒み止めの軟膏をすでに使っているという事だったので、その軟膏を使いつつ防已黄耆湯の服用を勧めてみた。
     また、ピアスをしばらく付けていないと穴が塞がってしまう事を心配されていたので、行き付けのアクセサリーのお店があるようだったら、そのお店で材質の相談をするように勧めた。
     一口に金属アレルギーと言っても、特定の素材にだけ反応するのであれば、別な素材の物を見立ててもらう事で軽減する事もできる。
     
     胃が痛むという患者さんが来店。
     胃薬をとの事だったが、念のために“痛くなる時の条件”を尋ねてみた。
     お腹が空くと痛くなるのと、食べて痛くなるのとでは、用いる薬はおのずと変わる。
     初めは空腹や満腹とは関係無さそうという事だったが、お話をしているうちに、「疲れると胃が痛くなるようだ」と言われた。
     疲労から来る胃腸障害という事は、体が栄養不足で悲鳴をあげているのだろう。普通は風邪などに使うのだが、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めてみた。
     胃腸が疲れた時に胃薬を使えば、その成分を分解するのに肝臓が余計に働かないとならなくなって、ますます体が栄養不足になってしまう事がある。胃痛がするからと、簡単に胃薬を使うよりは“養う”方が良い事もあるのだ。
     奥さんに入院前の夕食に何を食べたいかメールで訊いたら、ピザという答えが返ってきた。
     それも『ピザハット』である。入院前の最後の食事が宅配ピザかい(笑)
     http://www.pizzahut.jp/
     家のすぐ近くに店舗があり、直接取りに行くと割引になるので、電話で注文してから受け取りに行った。
     実のところ私もピザは好きで、奥さんが「疲れた~。今日は夕飯作りたくない~」と月に1~2度は言うので、その時に利用してきた。
     で、今日は商品を受け取る時に、ウチの奥さんが入院するのでしばらく来れないかもしれません、とアルバイトの店員に挨拶した。
     こんな挨拶、余計な事でしかないのだが、このお店、マニュアルがどうなっているのか、店員の質の落差が激しい。そのうえアルバイトの入れ替わりが激しいため、ものすごく良い店員さんに出会った後に、客を客とも思っていないような店員に当たる事もしばしばであった。
     でも、知っておいてもらいたいのだ。余計なお世話だけれども、“客には客の物語がある”のだよと。
     例えば、医師や看護婦などは“患者(お客)と死に別れ”という事は当然のように珍しくない。
     薬局だって、“お得意様”がお店に来なくなった時、元気になったか、他のお店に行くようになったかの他に、「このあいだ亡くなったのよ」という話が伝わってくる。
     ウチの奥さんは、入院の準備のために日用雑貨をコンビニで買ってきた。
     今回の入院は、本人自体はそれほど重篤な訳ではないけれど、もしかしたらコンビニで歯ブラシを買ったその人は、自分のためではなく誰か入院した家族のためかもしれない。
     ファーストフードでハンバーガーを買ったその人は、事故で亡くなってそれが最後の食事となるかもしれない。
     そんなお客の物語や運命などは、売る側からはなんの関係も無い事だ。しかし、想像はして欲しい。
     マニュアルさえあれば誰にでもできる仕事だったとしても、自分にしかできない最高のサービスを目指して欲しい。
     そんな思いから出た言葉だった。
     今日のアルバイトの人にどう受け止められたかは分からないが、少なくとも自分もまたそうあらねばと、思いを新(あら)たにした。
     思い出したので、補足トリビア。
    「新しい」は……、「あらたしい」と読むのが正しい。「あたらしい」は、間違った読み方が広まったもの。

    ◆11月13日(木)/2003年◆
     今日は奥さんを病院に放り込む予定で、叔父に車を出してもらった。すでに入院に必要な着替えなどの荷物をまとめておいたので。
     10時の予約時間前に病院に到着して待合室で待っていると、前回と同じように担当のT医師の名前が、患者の順番を表示してあるモニターから消えてしまった。
     またも、緊急手術が入った模様。
     (11月10日の日記参照)
     このまま叔父に待ってもらうのも悪いので、順番が回ってきて入院手続きが済んだらまた来てもらう事にした。
     そのまま、お昼近くまで待ってみたものの、一向にT医師は診察に戻ってきそうもない。
     私は私で、正午からサトウ製薬の新製品の説明会に出席しなければならないため、奥さんを残して一度お店に戻る事にした。
     お店に戻ってメールチェックをすると、数件の健康相談と漢方薬の注文が入っていた。
     説明会が何時に終了するのか分からないので、処理してから出かける事に。
     やや焦っているので、メールを返信する前にいつもより念入りにチェック。
     思ったより時間がかかってしまい、30分以上遅刻して会場のワシントンホテルに到着した。道に迷ったのも痛かった。何度も来た事のあるホテルなのに。
     ホテルの出入りの業者による弁当が昼食としてテーブルに用意されていたが、ほとんどの人がすでに食べ終えていて、説明会が始まるところだったので、終わってから食べる事にした。
     ああ、お茶くらいは欲しかったな。
     サトウ製薬の新商品に関しては、サトウ製薬のホームページに記載してあるので、そちらを参照されたい。
     http://www.sato-seiyaku.co.jp/
     いずれにしろ、ウチでは店頭売りだけで、基本的には通信販売では扱わない予定。どうせ、ドラッグストアーで取り扱いを始めたら値崩れするのは必至。
     情報としては、沖縄県と長崎県では、9月にインフルエンザの患者を確認したそうである。これは例年よりも早く、おそらく今後急速に広まるであろう。なので、風邪関連の商品を充実しておきましょうという話。
     みなさん、風邪の漢方薬セットをよろしく(笑)(現在は中止)
     説明会が終わって、他の参加者たちが営業マンから実際の商品を前に説明を受けているうちに、出された弁当をかき込む。あいかわらず、このホテルに出入りしている業者の弁当はセンスが悪い。焼き魚を2種類も入れて、なんの意味があるのか。せめて美味しければいいが、身はパサパサでタレはまったく魚自身の味を引き立てていない。
     ホテルなんて費用のかかる会場を借りて、高い弁当を用意して、本当に営業費として採算が合うのだろうか。ねぇ、サトウ製薬さん?
     ただし、先に載せたサトウ製薬のホームページを見ると分かるが、お金をかけるべきところにはしっかりかけているのも確か。製薬会社の中では、一般の患者さんにとっても販売店にとっても、使いやすくて役に立ち、それでいてセンスの良いホームページを作っている。
     ウチの、ショボイホームページもなんとかしないとなぁ。
     15時頃には説明会も終わって、すぐにお店に戻った。
     さすがに奥さんの方も診察を終えて入院手続きを終えているかと思いきや、お店に電話してきて、お母んに「帰ります」と言ったらしい。おいおい(^_^; 
     なんでも、T医師からは切迫流産の可能性があると言われ、すぐにお腹の張りを緩める点滴をするように勧められたのだが、入院費込みで月に20万円くらいの費用がかかるとも知らされて、断ってしまたのだとか。
     アホーーーーーーーーー!!!
     切迫流産といったら、まさに流産しかかっている緊急状態である。
     普通、切迫流産の可能性アリと診断されたら、「妊娠を継続“できる可能性”もあります」という、マイナスの方に大きく傾いているという事だ。
     私は自分の子供なんて欲しくないけど、欲しがっていたお前がそんな事で迷ってどーする。
     まぁ、お金の心配をさせてしまう私の甲斐性ナシも悪いのだけれど_(._.)_
     とにかく、「金で命が買えるなら買っとけ」というのが我が家の家訓である。(今できた。)
     ちょうどまた奥さんから電話が今度は私の携帯にかかってきたので、病院で待っているように言い聞かせて駆けつける事に。
     スクーターを飛ばして(交通法規は守りましょう)病院に到着すると、呆れた事に奥さんは待合室で待っていた。
     点滴だけでも受けとけよぉ(^-^;;;
     私が到着した事で看護婦さんがT医師を呼びに行った。すると、T医師はなんと手術着で現れた。帽子も被り、両手には手術用の手袋をはめている。
     これから手術をするところだったらしい。午前中にも手術をして診察もしていたはずである。いったい、いつ休んでいるのか。こんな労働環境じゃ、そりゃ医療ミスも起こるよな、と別な事を思ってしまった。
     そして、T医師が「どうなさいますか?」と訊いてきたので、「入院させます」と即答した。
     一応T医師は「奥さんの意思の方は?」と尋ねてきて、奥さんが何か言おうとしたのを見て私は、余計な事は言うなよーと心の中で思ったのだが、今度はアッサリと「入院します」と答えた。
     ズコーーーッ(・_゚)!!!
     だったら、早く決めとけよー。なにも私が来るのを待つこと無い。
     T医師の方は、なんでもこれから、子宮筋腫が10個もある患者さんの手術をするのだとか。手術前に煩わせて申し訳ない。
    「それじゃ、ベッドの方は用意できていますので」とT医師は手術室の方へと消えていった。
     代わって看護婦さんが病室の方に案内してくれた。
     本当に点滴が用意してあって、完全に病院の方は入院の準備を整えていてくれたようである。それを直前に断りやがって( ̄▽ ̄)
     ベッドに横になるように指示された奥さんは、先に点滴を始めてから、入院にあたっての書類に看護婦さんが口頭で質問しながら記入していく。
     何か質問はありますかと訊かれて、奥さんはテレビの事やお風呂の事などを質問した。そりゃまあ日常生活に関する事を訊きたくなるのは分かるけど、手を焼かせた上に恥をかかさんでくれーσ(^◇^;)。
     入院のために用意した荷物の他に、いろいろと必要な物を思い出したので、叔父に電話して私が足りない荷物を用意してから改めて一緒に病院に運んでもらう事にした。
     しかしなんだな、病院の中は携帯電話の使用は禁止だから、そのたびに外に出るのは面倒臭い。
     病院の壁には、「医療スタッフが使用しているのは医療用のコードレスホンです」という張り紙があるが、何の事はない、ようはPHSだ。
     よく携帯電話とPHSは一緒くたに扱われるが、実はまったく別な技術と思想によって生まれた物である。
     携帯電話は、初めから個人用途の携帯電話として開発されたが、PHSの方は家庭電話を“外に持ち出す”ために開発された。だからPHSは電波の到達距離が短く、発売当初は通話圏内が限定され、携帯電話にシェアを大きく引き離されてしまった。
     その後、PHS会社は至る所にアンテナを設置して、通話圏内を広げていく過程において、“携帯電話と同じ”というコンセプトで販売台数を伸ばしていった。
     ところがである。携帯電話が医療機器に障害を及ぼす事があるという情報が世間に広まった時に、逆にPHSの優位性をアピールしずらくなってしまった。
     その優位性とは、医療機器に影響を及ぼさないという事である。5年ほど前の実験データによると、携帯電話の電波の影響距離が半径3mなのに対して、PHSはわずか20cmだったという。
     だから、鉄道などの車内放送では「心臓ぺースメーカ等に影響があるので」とアナウンスしているが、実は心臓ぺースメーカーなどの医療機器を体内に入れている人たちは、以前からPHSを使用しており、なんら問題は無いのだ。
     さらに、最近では携帯電話の機能が飛躍的に向上して、ネット機能やカメラ機能が搭載されるようになっただけではなく、電波の影響距離も今や20cm以下となっているのだ。
     病院では万全を期すために携帯電話を使用禁止にするのは当然かもしれないが、そろそろ全面的な使用禁止以外の対応を検討する時期に来ているのではないだろうか。
     例えば、家のセキュリティや子供の安全のために携帯電話を利用するサービスがすでに始まっている。病院で診察を待っている間、入院している間、お見舞いに来ている間、それらの機能を利用できなかったら、せっかくの安全対策が活かされない事になる。
     
     とりあえず奥さんの方は、これから数日の間は、毎日16時間ほど点滴を続けて様子を見る模様。
     なんとか病院に放り込んで、ヤレヤレである。
     帰りぎわに、自分が入院している間に浮気をしてもいいけど家には連れ込まないように釘を刺された。うう、読まれてる(苦笑)。
     家に連れ込んだ方がホテル代が浮くという私の提案は却下された(・_・)ノ

    ◆11月14日(金)/2003年◆
     子供が風邪をひいたという事でお客さんが来店。
     いつもならば、子供の風邪には麻黄湯(まおうとう)を勧めているのだが、症状を詳しく尋ねると吐き気がしているらしい。吐き気があるのでは、麻黄湯は使えない。何故ならば、麻黄湯は熱を出すことで体が風邪と戦うのを支援する漢方薬である。それゆえに自身のエネルギーを必要とし、胃にも負担がかかる。
     吐き気がするという事は、すでに風邪が胃腸に影響を与えている訳で、次の選択としては柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が候補に上がる。
     しかし、普段から体が弱くて風邪をひきやすい方だという話も伺ったので、小柴胡湯(しょうさいことう)の方を勧めた。小柴胡湯は、胃と肝臓に栄養を与えて、体の土台を整える。子供の風邪の予防としても使えるので、冬場には1日の回数を減らして服用するのも良い。
     また、もしも吐いた時には二陳湯(にちんとう)を合わせて服用するように勧めた。乗り物酔いなど、吐き気や嘔吐一般に用いる漢方薬である。
     午後になって、奥さんから頼まれていた着替えなどを病院に届けた。
     ベッドが硬くて寝にくいだの、食事が不味いだのと愚痴をこぼす。
     自覚症状が無いだけ、まだマシなもんである。私が顎の手術を受けた時には、流動食用の管を胃に入れたままでそれが胃壁に当って痛くて夜も寝られなかった。そのうえ、食事は流動食だったから、注射器のような道具で胃に流し込んでハイおしまいという味気無さ。
     まぁ逆に言えば、流動食だったから味は関係なかったけれど、食べれるのに美味しくないのは、それはそれで苦しいか。
     確かに医療センターの食事は美味しくないという評判が高い(低いのか)。
     JR西川口駅の方にある埼玉県済生会川口総合病院の方などは、入院していた患者さんが「食事が美味しくてねぇ、退院するのが残念だったわ」と言うくらい美味しいらしい。
     http://www.saiseikai.gr.jp/
     しかし、奥さんが入った部屋は2人部屋である。ここしか空いていなかったのだ。そのうえ、今は片方のベッドは空いているので、実質個室である。贅沢なのよ、分かってる?
     4人部屋は、テレピがプリペイドカード方式で見放題という訳にはいかないし、他の患者さんのお見舞いの人が出入りして落ち着かない。
     ところが、奥さんはそっちの方がいいと言う。1人で部屋にいるのは嫌だとの事。
     私なんか、1人の方がいいけどなぁ。
     まぁ、そう言うのならば差額ベッド代が馬鹿にならないので、看護婦さんの方に4人部屋に空きができたら回して下さいと伝えた。
     社民党の土井党首が辞任というニュース。
     先の衆議院選挙の敗北の責任と、自身の小選挙区での落選を踏まえてのものだとの事。
     マスコミの方は、土井氏の軌跡を辿って“栄光と挫折”というように扱っていた。それも、かなり意地悪な編集で。
     しかし、私は平和を声高に叫びながら一切の具体策を提示しない、それこそ流行語(?)にもなった「ダメなものはダメ」という思考停止のような土井氏は大嫌いだが、全盛期の旧社会党と現在の社民党を比較して、土井氏を責めるのも少し酷ではないかとも思う。
     そもそも社会党は労働者のための政党として活動してきて、主に労働組合などの組織票に支えられてきた。
     そこに市民運動家などが流れ込んできて、“庶民の味方”という政党イメージをアピールして政界の中で一大勢力となっていった。
     ところが、時代の流れで「搾取する経営側と、搾取される社員」という対立構造は崩れ、バブル崩壊後の平成大不況においては経営者と社員は協力関係を築くようになり、社民党の中で労働組合派と市民運動派が対立。そしてついに社会党は分裂し、労働組合派は民主党に合流し、市民運動派が社民党になって残った。
     つまり、現在の社民党は実質的には旧社会党の支持基盤であった労働組合ではなく、市民運動家を中心とした別な政党であり、本来の旧社会党の労働組合派は民主党と合流する事で、すでに旧社会党は消滅しているのだ。
     市民派の政党として2大政党制を目指す民主党の方が、組織票に頼る旧社会党の労働組合系の議員を取り込んだというのは、なんとも皮肉な成り行きである。
     昨年の2月に、交差点を乗用車で右折中、直進してきた原付きバイクの男性をはねて重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた都内に住む主婦に対し、無罪(求刑・罰金20万円)判決が出たというニュース。
     略式起訴を退けられた末に無罪となるのは極めて異例だとの事なのだが、事故の概要からすると、なんで起訴されたのかの方が不思議。
     当時、主婦の対面信号は赤に変わっており、右折しようとしたところ、原付バイクが直進してきたという。それならば、赤信号で交差点に侵入してきた原付バイクの方に過失があるのは明らかなはず。
     ところが担当した検事は主婦に対して、「赤信号を無視する車両があることはよく経験することで、この交差点でも十分予想できた。」として供述調書に署名させて略式起訴したのだとか。
     そりゃ、確かに赤信号を無視して直進してくる車やバイクはあるけれど、違反している方の過失を問わないってのは、どういう事なのか。単に自分が仕事を楽したかったからとしか思えない。
     今回の判決で、裁判官が「当時、主婦の対面信号は赤だった。『赤信号を無視して新たに進入する車両はない』と判断して右折を開始したのはごく自然であり、犯罪の証明はない」と述べたというのは当たり前に過ぎるだろう。
     ところが呆れた事に、東京簡裁が略式不相当として裁判を始めると、検察の方は信号に関する目撃証言を「事故当時の信号は黄色だった」と変更したのだそうだ。
     さすがに裁判官の方は、「信用性に重大な疑問がある」として退けた。そりゃそうだろう。人を馬鹿にするのにもほどがある。
     とかく事故を起した時には頭が混乱してしまい、警官や検事に言われるままに書類に署名してしまう事があるというから、自分が冷静になるまで、あるいは弁護士が決まるまでは気をつけなければならないだろう。
     ちなみに、逮捕拘留されると基本的に私物は取り上げられ、自分の手帳なども見せてもらえないそうである。つまり、家族と連絡がつかない場合、他に連絡をしようとしても電話番号を確認する事もできないのだ。
     最近では携帯電話などに電話番号を入力しているため、電話番号を記憶しているという人は少ないそうだから(私もそうだし)、いざという時に連絡しようと思う人の電話番号は暗記しておいた方が良い。
     と、以前に逮捕拘留された知人が申しておりました(苦笑)。

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  • ≪通巻9号≫
    漢方薬の講習会『便秘』/“脳出血危機一髪”/サトウ製薬の新製品の勉強会/担当の医師には細大漏らさず相談を/早大生婦女暴行事件/地球は温暖化しているのか?/悪い患者の見本は私

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    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                 ≪通巻9号≫
    提供 : まぐまぐ
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※6月17日(火)……漢方薬の講習会『便秘』
    ※6月18日(水)……“脳出血危機一髪”
    ※6月19日(木)……サトウ製薬の新製品の勉強会
    ※6月20日(金)……担当の医師には細大漏らさず相談を
    ※6月21日(土)……早大生婦女暴行事件
    ※6月22日(日)……地球は温暖化しているのか?
    ※6月23日(月)……悪い患者の見本は私
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
                                       
    ◆6月17日(火)/2003年
     今日は漢方薬の講習会である。
     会場に向かう途中で、ロッテリアで昼食。健康にはよろしくない。
     入ったお店は、2階が喫煙席で3階が禁煙席と言う不思議な構造。
     禁煙席に行くために、煙がモウモウと立ち込めている所を通っていかなければならないのだ。しかも、煙は高い所に昇っていくから煙は禁煙席にまで入ってくる。誰の指示かは知らないが、頭が悪いんじゃなかろうか。
     
     漢方薬の講習会は、『便秘』についての講義であった。
     便秘と一口に言っても、大きく分けると3つに分類される。
     1つは習慣性の便秘。現代においては学校や仕事などの関係で、トイレに行きたい時に必ず行けるとは限らない。我慢しなければならない事がある。そして、我慢したりしているうちに出にくくなり便秘となる。
     もう1つは弛緩性の便秘だ。排便するには思っている以上にエネルギーを必要とする。虚弱体質だったりすると腸の働きも弱く、そのために排便する事ができなかったりするのだ。
     そして、もう1つは痙攣性の便秘である。腸にポリープが出来ているなど、腸そのものに病態があり排便が困難になってしまう。また、神経性なストレスも痙攣性の便秘の原因となる。
     これらの事を考慮すると、便秘だからといって便秘薬を服用しても原因に対して合わない薬では効果が無いという事もありえるので注意が必要だ。
     見分け方としては、我慢している事で慢性化してしまった便秘の場合は、2~3日するとお腹が張って苦しくなってきたり、顔が火照ったり吹き出物ができたりする。
     数日経っても特に苦しいと言う自覚症状が現れない場合は、虚弱体質による便秘だと思って間違いないだろう。
     いずれでもないと思われる場合は、病院での検査を受けた方が良いかもしれない。腸内に問題があるのか、神経性のものなのか判別をつける事で治療の方針を立てる事ができるからだ。
     さて、原因を推測したらそれぞれに合う漢方薬は何か。
     虚弱体質でなければ、ファーストチョイスはやはり大黄(だいおう)という生薬が配合されている物だろう。
     ウチのお店だと、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)という事になるか。ただし、大横は腸を刺激して排便させるため効果が強く体への負担も大きい。なので、婦への使用は避けた方が良い。また、体液(小便や汗など)として排泄されやすいので、母乳で赤ん坊を育てている人も服用は避けるべきだ。赤ん坊が下痢症状を起こす可能性がある。
     あと、女性の場合は便秘だけでなく生理不順の症状がある場合は、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)も良いだろう。
     肥満症でダイエットが目的であれば、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を選ぶのも良い。漢方薬では、昔からダイエット効果があるとされている。また、防風通聖散は行き過ぎた効果が現れないように生薬が配合されているので、ダイエットはもちろん慢性的な便秘などで長期的に服用しても体への負担が少ない。
     一方、虚弱体質による弛緩性の便秘には、どんな漢方薬があるのか。
     実は、私はその辺りが詳しくないので今回の講習会は大変役に立った。
     まずは、安中散(あんちゅうさん)が良いようだ。安中散の効能は主に胃炎なのだが、温める効果があり案外便通が良くなったと言う報告が多いらしい。特に夏季には冷たい物をよく飲んでいるという場合は、効果が期待できるとの事。
     しかし安中散はあくまで胃炎に対応した漢方薬なので、便秘という事に絞ると、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)が候補となる。精神的な便秘、例えば子供が学校に行く前に起こる腹痛などにも効果があるようだ。
     体力が著しく低下して、より神経質だと思われる場合は小健中湯(しょうけんちゅうとう)を用いる。余談だが、よく鼻血の出る子供にも効果があるそうである。あれは、「興奮して」出る訳ではなく虚弱体質が原因なのだそうだ。隠れ肥満みたいなものだろうか。隠れ虚弱体質。
     ただし、これらの漢方薬はあくまで虚弱な体にエネルギーを補って排便できるようにするのが目的なので、大横のような直接的な排便効果は無い。なので、大横の入った漢方薬を足したり、他の便秘薬を少量併用する方が良い場合もある。
     あと、私としては意外な使い方だったのが、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を虚弱体質の便秘に使うという事だった。補中益気湯は名前の通り、補う事そのものが目的の漢方薬である。それが、便秘薬としても使えると言うのだ。なるほど、確かに体力をつけるのにこれほど適した漢方薬は他に無い。覚えておこう。
     痙攣性の便秘は腸内にポリープが出来ている場合もあると言ったが、これには痔も含まれる。痔がある場合は、乙痔湯(おつじとう)が良い。これは効能書きにもハッキリと「便秘傾向のある痔」とある。ただし、痔の治療には日数を必要とするので、あらかじめ長期的に服用するつもりでいないと、途中で服用をやめてしまっては元も子も無くなってしまう。
     まぁ、ウチにはもっと痔に効果のある薬としては漢方薬をベースにした『レンシン』があるので、患者さんにはそちらを勧めるだろう。
     そうそう、痙攣性の便秘で神経性のストレスなどの場合には、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)加味逍遙散(かみしょうようさん)が良い。どちらも不安神経症を解消する。使い分けとしては、半夏厚朴湯は胃から上に症状が現れる場合、加味逍遙散は胃から下、あるいは生理不順など婦人病を伴う女性に用いる。
     以上のように、便秘を治すと言っても、便秘にも種類があり、それに対応した漢方薬も多くある。
     自分で安易に便秘薬を選んでしまうと、いつまで経っても原因の治療にならず便秘薬を手放せないという事になりかねない。やはり、一度は病院や薬局で相談した方が良いだろう。
     講義では他には、患者さんの症状の訴えに対してまず聞き役に徹する事を言われた。患者さんは来店するまでにいろんな事を抱えてやって来る。それを出させてあげなければ、こちらからの説明など頭には入っていかない。
     分かってはいるが、実践するのは難しい。難しいが肝に銘じておかなければならない。
     そんな訳で、症状についての尋ね方なども教えられた。
     例えば太ってる人に「食欲はありますか?」と尋ねても「あります」と答える事はまず無い。「ある」と答えれば「食べ過ぎは良くない」と言われると思って「普通です」と答えるのが、当然のように予想できる。なので、「食事は美味しく食べられますか?」と尋ねる。「食べられます」と答えれば、食欲があると思って間違いない。「食べるけどあまり美味しくない」と答えれば、食欲不振と思って間違い無いだろう。
     
    ◆6月18日(水)/2003年
     今日は“危機一髪”という出来事があった。
     朝早くに、わりと良くいらっしゃるお客さんが来店。
     良く来るだけで何も買わずに世間話だけしていくことが多い。なので、忙しい時に来られたりすると、わりと邪魔だったりする。
     ところが、今日は様子が少しおかしい。足元がフラついてるように見える。
     そこで、血流計を勧めて測定してみると信じられない値が出た。
     最高血圧が200を越えている。
     いや、実のところ普通は最高血圧が高めでも、それほど気にする事はない。ちょっと散歩しただけとか、お店に歩いてくるだけでも血圧は上がるものである。
     だから、最低血圧が平均値を下回っていれば最高血圧が高めでも心配しないよに患者さんに伝えている。
     しかし今回は、最低血圧も120を越えている。
     しかも血流に関するグラフが不整脈を示している。今までまったく見た事が無かった訳ではないが、そうそう見る機会のあるグラフの形ではない。
     念のため血流計の説明書で確認してみると、わさわざ赤い枠で囲んで「医師の診断が必要」だと解説してある。
     嫌な予感がしたので、お客さんに救急車を呼びましょうとお話した。
     しかし、本人は「嫌だ嫌だ」と言う。まぁ、いきなり言われれば当然だろう。本来なら、もう少し気を使ったアドバイスをするべきだ。
     だが、明らかに変な汗をかき始めていて、もう時間が無い気がする。
     そこへお母んが出勤してきた。事情を説明すると、お母んが車で連れて行くと言い出した。なんでもこのお客さん、以前に旅行先で脳溢血で倒れた事があるらしい。
     となれば、もはや疑いようが無い。脳梗塞か脳出血か、何か重大な病状の前触である。
     なので救急車を呼ばない代わりに車に乗って下さいと、なかば無理矢理に車に押し込んで病院に連れて行った。
     私は車の免許を持ってないので店番となり、しばらくしてお母んが帰って来たので尋ねてみると、そのまま入院になったそうだ。
     車を病院の玄関前に乗り付けたものの、お客さんはすでに意識が朦朧としていて自分で降りる事ができなかったらしい。近くにいたボランティアの人に頼んで車椅子で先に運んでもらい、それから車を駐車場に止めたとの事。
     そして、そのまま緊急入院になったらしいのだが、病状についてはプライバシーの問題もあるので教えてもらえなかったとか。まぁ、それはそうだろうが、連れて行った人間にも教えてもらえないと言うのは、ちょっと釈然としない。
     ただ、本人が家族に連絡するのも嫌がっていたので看護婦さんが「関係無い人(ウチの母)に迷惑をかける訳にはいかないでしょう」と説得して、しぶしぶと連絡先を伝え、ひとまず入院という措置にもなったので、お母んは帰ってきた。
     私は午後からお休みなので後で聞いたところによると、夜になって家族の方がお店に挨拶にみえたそうだ。そして病状の方は、やはり脳出血を起こしていてあと少しで手遅れになっていたかもしれないとの事。絶対安静と医師には言われたらしい。
     確かに忙しい時に世間話だけしに来られると迷惑だ。何も買っていかないのに長居されるのは邪魔。
     でも、来れる時にはお店に来て欲しい。入り浸ってくれて構わない。
     だからこそ、いつもと比べて様子がおかしな事にも気がついたのだ。
     それと、最近はなにかにつけて個人情報、すなわちプライバシーの保護が声高に言われているが、一番大切なのは個人情報を自分でコントロールする事だろう。
     なにもかも隠せば良いというものではない。例えば、自分の抱えてる持病などは人に明かしておいた方が良い。そうすれば、いざという時に気にかけてもらえる。
     さて、午後で仕事をあがって何をするかと言うと、奥さんとお出かけである。
     来週はIちゃんとデートなので、先に埋め合わせと言う事で池袋のホテルメトロポリタンの25階にあるスカイラウンジ『アポロ』でのケーキ食べ放題をねだられたのだ。
     http://www.itbc.co.jp/hotel/
     う~む、ケーキの食べ放題……。行く前からお腹にもたれそう(^-^;
     などと思っていたのだが、食べてみるとイメージしていたケーキとはまったく次元が違う。
     甘さ控えめで素材の味が堪能できる、まさに“料理”としてのケーキだった。
     それにケーキのサイズはプチサイズなので、多くの種類が食べられようになっていた。
     おそらく半分くらいの種類は食べたんじゃなかろうか。
     とはいえ、さすがに私は途中でギブアップしたのだが、奥さんはほぼ制覇してしまった(^-^;
     あと、平日なのにえらい人出である。
     いや、奥さんは週休2日のうち水曜日が休みなのだが(映画が女性は水曜日1000円なのだ)、そんなにお休みの人が多いのか。それとも、高級ホテルに来るような女性は共働きなどしないからなのだろうか。(偏見)
     付け加えると、この『アポロ』のスタッフのサービスは非常にスマートで感心した。
    「客商売とはかくあるべき」と言えるほど、気配りが行き届いていた。
     今日出かけてきたのには、もう1つ目的がある。
     家のテレビデオ(いわゆる一体型)が故障してしまったので、新しい物を買おうと言うのだ。実際にはビデオ部分が故障しただけなのだが、修理に出すとテレビも見れなくなってしまう。2度と一体型は買わないぞっと。
     そう言えば、まだ使える物を捨てるという事をまるで悪い事かのように言う人もいるが、何事にもコストと言うモノがある。今は、修理するより買い換えた方が安いのだ。
     すると今度は、「何故買うよりも修理代の方が高いのか」と憤慨する人もいるが(新聞の投書で良く目にする)、それは勘違いと言うものだ。
     例えばビデオデッキは発売当初は20万円以上した。それも、20年以上前の物価でである。カラーテレビだって、一般家庭では買えなかったくらいだ。
     それが今やビデオデッキは1万円以下で買える。テレビも14インチ以下なら数千円で買えてしまう。それは、需要が増えたという経済的な理由もあるだろうが、メーカーによるコスト削減の努力もあっての事だ。
     購入価格は安くなっても、修理するには人件費と個別の材料費が必要になる。
    また、メーカーは製造が終了した製品の部品も一定期間は貯蔵しておりその費用もかかる。そのために、修理代が販売価格より高くなってしまうのだ。
     つまり、販売価格が安くなったのだから怒るのは筋違いなのだ。
     もちろん物を大切に使う事に異論をはさむつもりは無い。
     ただ、それは自分が実践すれば良い。
     で、新宿に出てヨドバシカメラの西口店に行ったのだが、店員の態度が客商売にあるまじき横柄な態度だったため、奥さんともどもカンカンになって飛び出してしまった。
     しかし、せっかく持ってるポイントカードは使わないと損。
     そこで、東口店の方へ向かった。すると、今度は客商売の鑑のような店員さん。
     商品説明を丁寧にしてくれた(⌒▽⌒)
     あまりに丁寧すぎて、奥さんが痺れを切らしてしまったくらいだ(苦笑)
     とりあえず目星はつけたので、帰ってから改めて勧められた商品を検討する事にした。
     奥さんがいると邪魔なので、今度は1人で来よう。
     私としてはもう帰ろうという気になっていたのだが、奥さんは映画が安く観れるサービスデーなので、何か観ていきたいと言う。
     さて何を観るかと迷った末に、奥さんが『スパイ・ゾルゲを観たいと言い出した。
     おいおい、歴史物なんて大丈夫なのか?
     歴史物は観る側が史実を知ってて当たり前という構成になっている事が多いため、たいてい観た後で奥さんは「良く分からなくてツマラナカッタ」とか言い出すのに。
     しかし『スパイ・ゾルゲ』は、篠田正浩監督の最後の作品になると言われている。観て損は無いだろうと思い、観る事にした。
     http://www.spy-sorge.com/

     主人公の1人、リヒャルト・ゾルゲは第二次世界大戦当時に実在したスパイだ。
     モスクワの指令でドイツのナチス党に入党し、新聞記者として日本でスパイ活動を行っていた。
     そのゾルゲに日本の情報を与えていたもう1人の主人公が朝日新聞記者でもあった尾崎秀実で、それを本木雅弘が演じている。
     歴史物は結末を観客が知っているので、その観せ方や人物の描写に高いセンスが要求されるが、さすがは篠田監督である。まったくスキが無い。
     ただし、そのスキの無さがワクワク感を失わせてるようにも思える。ファンというものは実に勝手なものであるなと自分に苦笑してしまう。
     俳優陣も実力者揃いで手堅い演技を見せてくれるので安心して観ていられた。もっとも、それもまた新鮮味に欠けてしまうのだが。
     だから、そんな“手堅い作品ゆえの不満”を捨てしまえば、やはりこの映画は見応えのある作品だった。思想的な面で、やや偏りすぎかとも思えるが、それはあくまで主人公側の視点と言う事で、あの戦争がどんな歴史の流れの中で起こったのかも分かり、その中での人間ドラマも面白くて得した気分を味わえた。
     映画のパンフレットも読み応えがあり、このあいだ観た『ザ・コア』とは雲泥の差だ。
     あっ、『ザ・コア』も観て損は無い。できの悪い映画を観ておく事で、良い映画に出会えた時の感動はより大きなものになるからだ。
     ちなみに、尾崎の部屋に飾ってあったカツオの絵は、実の娘さんから借りてきた物なのだそうな。監督の拘りが分かろうというものだ。
     あと、近衛文麿首相が思いのほかカッコ良く描かれていて、「なるほど。こうゆう描き方のもあるのか」と感心した。
     “スゴイけど変な人”としか思っていなかったので(笑)
     http://www004.upp.so-net.ne.jp/kuhiwo/dazai/konoe.html
     観終わった後、案の定ウチの奥さんは「良く分からなかった」と言っていた。
     お前なぁ(苦笑)
    ◆6月19日(木)/2003年
     今日は、サトウ製薬の新製品の勉強会で某ホテルへ。
     昼食付きとの事だったが、出されたのはお弁当。
     いや、お弁当はいいのだが見かけばかり高そうでちっとも美味しくない。
     しかも、料理のセンスが悪い。甘海老と焼いた海老が入っていたが、海老尽くしならともかく、どうゆう意図で料理を組み立てているのか分からない。
     私は別にグルメではない。ファーストフードだって好きだ。
     ただ、味と値段の折り合いが悪いのが嫌いなのだ。
     マクドナルドは確かにマズイ。しかし、値段との折り合いはついている。
     あの値段としては美味しいと思う。
     そこからすると今回のお弁当は、値段は分からないが500円を下回る事は無いだろう。だとすれば、美味しいとは思えない。
     安くて美味しい物はいくらでもあるのだから、こんな昼食にお金をかけているとしたら、サトウ製薬もとんだ経費の無駄遣いである。
     こんな事にお金を使うなら、別に昼食など無くても私はかまわないと思うのだが、やはり昼食付きでないと出席者が集まらないのだろうか。
     来場してさっそく「今日は何かいただけるのかしら」と社員に尋ねている人がいて苦笑する(笑)
     来たからには、試供品を少しでも多くもらっておきたいのだ。
     新製品は、『ストナ去痰カプセル』である。
     一番のウリは、今まで処方箋が必要だった医療用の原料を規制緩和によって配合する事ができたので、今までの市販薬と比べて効果がより期待できるという。
     特に、慢性的に咳や痰が出る人や、それらを緩和するために飴を舐めてるような人には、根治治療として使えるようだ。
     カプセル状だが、中身は液体である。試しに、本当は水で飲む物なのだが液体に味付けがしてあるというので飴のように舐めてみたら、メントールの味がして口の中がスーッとした。
     これで効果があるのなら、飴を舐める感覚で服用できて、なかなかに良いと思う。
     もう1つの新製品は、『エスピーマリンスーパーP』と言う、血圧を正常に保つための健康食品。
     厚生労働省の認可を受けた、いわゆる健康機能食品である。つまり、国に効果が認められた健康食品という事だが、効果があるのに医薬品では無いのが謎。
    まったく、妙な認可枠が出来たものである。
     一応、医薬品の血圧降下剤と比べて副作用が確認されていない事と、服用をやめた途端にまた血圧が高くなるという事が無い点がセールスポイントらしい。
     面白かったのは、『テスミンヤクルト整腸剤』の開発方法。
     これは、ヤクルト社との共同開発で、有用菌であるビフィズス菌や乳酸菌をいかに胃酸で死滅させずに胃を通過させて腸まで届けるかが課題だったとの事。
     で、どうやって開発したかと言うと、まず胃酸に晒しても生き残った菌を培養する。そして、その培養した菌をまた胃酸に晒して生き残った菌を培養するという事を繰り返したそうな。
     言うはたやすいが、もちろん実際には大変な作業である。
     しかし、菌そのものを鍛えていくというのは、想像すると菌が大リーグ養成ギプス(もちろん『巨人の星』)を装着したり、タイヤを体に巻きつけてグラウンドを走っているかのようでオカシイ(笑)
     お店に戻ると、他のメーカーの営業マンが来店。
     ウチとしては、仕入れても売れる宛ての無い商品ばかり。
     さりげなく「いりません」と言ってるのに、まったく引き下がる様子が無くて手を焼いた(苦笑)
     と言うか、やたら自信タップリで口が悪い。一歩間違えたらヤクザと見分けがつかないくらい。
     よく営業が務まるもんだと、逆に感心してしまう。
     それとも、脅して仕入れさせてるんじゃあるまいな(笑)
     しかし、ウチは私も母も祖父もオトボケキャラなので、暖簾(のれん)に腕押し、糠(ぬか)に釘。
     とうとう諦めて「もういいです」と帰っていった。
     もっと早く帰ってくれれば良かったのに( ̄▽ ̄)
    ◆6月20日(金)/2003年
     暑さで寝苦しくて明け方には目が覚めてしまった。
     しばらく布団の上でゴロゴロ。
     
     お店に行ってみると、次から次へと処方箋がFAXで舞い込んできた。
     今日は、そんなに予定は無かったはずなのだが、昨日の暑さで体調を崩した人が多かったのだろうか。
     お母んも学校のプール検査に行く予定だったのだが、学校側の担当者が風邪になってしまい取りやめになったそうな。
     この季節の風邪はお腹を壊しやすいうえ食中毒も起こりやすいので、症状を自己診断してしまわないように注意してもらいたい。
     処方箋を持ってきた患者さんが、少し風邪気味の様子。
     処方箋の薬とは別に風邪薬を欲しいと言う。
     まぁ、処方箋で出されている薬との影響の少ない市販の風邪薬を出しても問題は無いのだが、それで次回また病院に受診するのなら、ちゃんと病院の医師から処方箋を出してもらった方が良い。
     風邪の方での診察は受けなかったのか尋ねてみると、混んでてめんどうなので風邪の方では受診しなかったとの事。しかも、今日の担当の医師にも風邪ぎみの事は一言も言っていないという。
     確かに混雑した病院で待たされるというのは嫌なものだが、自分の体の事なのだから、もう少し頑張ってもらいたい。
     しかし、今日の診察をした医師も風邪ぎみなのを見抜けなかったのだろうか。
     とりあえず風邪薬を出したが、受診している病気以外で何か具合が悪くなった時には必ず担当の医師に相談するように伝えた。
     合併症や薬の副作用による症状だったりする事もある。自己診断しないで、医師に相談した方が良い。そうすれば風邪薬にだって保険が効くのだから。
     ただ、医師の方にも問題がある。
     ある患者さんは医師から、「こんな軽い症状で病院に来ないで下さい」と怒られたそうで、それ以来怖くて行けないと洩らしていた。
     また、他の患者さんから聞いた話によると、まったく診察などしないでパソコンに向かい、幾つか質問をして当てはまる病気を探していたそうな。脈も取らなければ、聴診器も使わなかったと言うのだから呆れたもんである。
     実のところ、確かに必ずしも患者さんの体に触れるばかりが診察ではない。
     患者さんの声を聞き、目の状態を見て、世間話の中から生活の状態を推測したりする事で、ある程度は分かる。長期治療の患者さんの場合は、急変するような兆候が無ければ、そういう問診で済む。
     だがしかし、である。
     患者さんの不安を取り除き安心させ満足させる事もまた治療の一環のはずだ。
     誤解される事を承知で言えば、診察するフリもまた演出として必要だろう。
     患者さんを人として診ていない医療関係者は、今一度「医は仁術」の言葉を反芻しなければならない。自戒を込めて。
     病院の営業時間も過ぎて処方箋の患者さんはもう来ないだろうとパソコンの電源を落とそうとしたら、患者さんが来店。
     以前に私が、「県外の病院の処方箋でも受け付けてますよ」と案内した患者さんである。その時に、「初めての時には薬が揃わないかもしれません」と言い添えておいたように、本当に半分以上の薬が在庫が無い(^-^;
     一応、明日までの薬は家にあるそうなので、「明日までに仕入れます」と言う事で今日のところは帰っていただいた。
     しかし、問題が1つ。明日は問屋さんがお休みなのだ。どんなに早くても月曜日の入荷になる。
     急いで薬が備蓄センターにあるかを確認。備蓄センターにも無ければお手上げだったが、幸いにしてあるとの事。
     その備蓄センターもまもなく閉まる時間なので、スクーターでもらいに行った。
     備蓄センターに薬を取りに行くのは嫌ではない。
     日によっては、美人の女性スタッフがいるのだ。
     で、今日はその日なのでありました(⌒▽⌒)
     たまに薬を取りに行く事を患者さんに恐縮されてしまう事があるのだが、在庫が無くて不便をかけてるのはこちらなので気にしてもらわなくても大丈夫。
     一応、楽しいオマケもあるので(笑)
     そんな訳で、美人を眺めて目の保養をした後に、出かけたついでにと新宿のヨドバシカメラ東口店に行った。
     同系列のヨドバシカメラ西口店では店員の態度が不快だったので、東口店の方で兼ねてから欲しいと思っていたDVDレコーダーとテレビを購入。
     酒もタバコも程々で、パチンコや競馬などの博打もやらないのに何故かお金は溜まらない。(浮気にお金を使ってると言う説もあるが)
     なのでクレジットカードでの分割払いにしたのだが、現金が動かないと言うのは、やはりお金の感覚を失わせるなぁ。当分は締めないと。 
    ◆6月21日(土)/2003年
     暑い暑い暑い~!
     と、キレてる場合では無いのだ。
     処方箋がFAXで何枚も舞い込んできてテンテコマイ。
     薬は一応揃っていたので、その点では助かった。
     子供の薬を受け取りに来た患者さんのお母さんに薬を渡すと、病院で医師には「いらない」と伝えた薬が入ってるとの事。
     詳しく症状を尋ねると、確かに必要は無さそう。
     しかし、薬局側で薬を勝手に減らすわけにはいかない。
     また、患者さんに飲まなくていいと指導する訳にもいかない。
     病院に連絡を入れてみたが、担当の医師はすでに交代して帰ってしまった模様。
     結局は、患者さんの(今回の場合は保護者の)自己責任で判断してもらうという“形”に。
     もちろん、症状の変化などがあればフォローはするが。
     この辺り、規制緩和と言っても、まだ壁がある。医師の指示無しには、薬剤に対して責任を持つ薬剤師(ウチの場合は母)の判断で決める事ができない。
     飲まない薬に対しての料金もウチに支払われる。
     そりゃ収入が増える訳だから文句は無いが、やっぱりおかしいと思う。
     報道番組で、早大生が中心になっていた美人局と婦女暴行の事件の事をやっていた。
     美人局に関してコメンテーターが「さすが早大生は頭がいいんですかねぇ」と言っていたが、それはどうかな。
     もちろん皮肉なんだろうが、どう考えたって頭悪いだろう。
     なにせ相手に顔を完全に覚えられるは、物証は残るはと、簡単に逮捕されてしまう要件が揃っている。
     社会的地位のある人間をターゲットに選んでいたのは、そういう人なら警察に届け出ないと思ったのかもしれないが、それは女性が未成年者であった場合だろうに。
     未成年者相手では被害者も罪に問われるが、今回のグループの女性はそうではない。警察に届けても、せいぜい「気をつけなさいよ」と注意されるくらいで済むだろうと予想がつく。何も恐れることなく安心して警察に届け出る事ができるわけだ。
     やっぱり頭悪いぞ。
     婦女暴行を起こしたグループの方も、それに輪をかけて頭が悪過ぎ。
     と言うか流行遅れもはなはだしい。
     パーティーを開催して、そこに参加した女性を狙っていたらしいが、最近は女性被害者を守るための仕組みも整備されつつあり(まだまだ不完全だが)、今回のように被害届けが出される可能性は当然予想するべきだ。
     そんなに婦女暴行がしたければ、インターネットを巡ってみるといい。
     探せば“暴行されたい女性”や“痴漢されたい女性”が集まっているサイトがある。そこに来ている女性となら、犯罪にならずにする事ができるだろうに。
     お店への健康相談には精神的な相談もある。夜よく眠れないとか、神経が昂ぶって体調が悪いとかである。
     漢方薬としては半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などが良いのだが、念のため思い当たる原因なども尋ねると、レイプや痴漢の被害者という人も何人かいたりするのだ。
     初めの頃は私も戸惑い、「なんとか治してあげなければ」とか「救ってあげないと」と思っていたのだが、そんな気負いだけでは空回りしてしまうケースもある事が分かってきた。
     例えば、「またレイプされたいと思ってしまってるのだがどうしたら良いか」
    とか、「痴漢されるのが嬉しいと思ってしまうんですが」という相談などである。
     正直に言ってイタズラではないかとも思ったのだが、どうも本気で悩んでるようであり、たまたま家が近い患者さんがいたので、実際に会うことにした。
     そして、実際に会って色々と話を聞いているウチに、本当に悩んでいると言う事が分かった。
     被害者のケアには、専門の精神科医や心療内科医による治療が必要と言われている。
     しかし、治療は基本的には本人の同意のもとで行われなければならない。
     その点において、彼女たちは治療を受けたくはないと言う。
     先の女性などは、こう言ってはなんだが“襲われて当然”(もちろん当然な訳は無い)なほどの美人で、事情を知った会社の同僚の男性などは「きっと治してあげる」とか「君を助けてあげる」と言ってくるらしい。男たちが放っておかないのだ。
     でも、その女性はそれが嫌だと言う。哀しいと言う。
     私は、心理学などは学んでいないので良くは分からないが、どうやら「汚された自分を否定されてる」と思うようなのだ。つまり、「今のお前なんかいらない」と拒否されてるように感じるらしい。
     それが、おそらく「また襲われたい」という気持ちにすり替える事で心のバランスを取ってるのだろうと推察できる。
     直に会って話を聞けたのは、私にとっては大きな収穫になった。
     また、女性被害者の救済に取り組んでいる人たちは、こうゆう人たちの存在も忘れてはならないだろう。
     特に彼女たちのような女性は、同性からも奇異の目で見られ、被害者の救済に取り組んでいる人たちからも無視されているのだ。
     その後も、月に何件か同じような相談が来ているのだが、ちょうど今日、おめでたい…と言っていいのかどうか、「婚約しました」と言うメールがある女性から届いた。
     半年ほど前にレイプされたと言う相談を受けたのだが、なんとその時の相手と結婚するのだそうだ。
     う~む、その前には痴漢と結婚した人からも報告があったのだが、やっぱり聞くと驚くなぁσ(^◇^;)。
     そんな訳で、事件を起こした早大生も犯罪なんて割りの合わない事はしないで、同意の上で婦女暴行を楽しめばいいのに。(日本語誤用)
    ◆6月22日(日)/2003年
     今日はお休みと言う事で、1日ゴロゴロして過ごすと心に硬く決める。
     パソコンもメールチェック以外しないぞ。
     環境省が主催する“環の国くらし会議”が、「地球温暖化を防止するため、みんなで電気を消してみよう」と呼びかけたところ、2100を超す施設が次々と賛同。北海道から沖縄県まで、ほとんどの都道府県の象徴的な施設や行政庁舎のライトアップ、有名企業のネオンが、午後8時~10時の2時間にわたって照明を落としたそうだ。
     さらに、NGO(非政府組織)も“100万人のキャンドルナイト”と題して、家庭での消灯を呼びかけ、ロウソクの灯の下で過ごしたのだとか。
     ………う~ん……、馬鹿(^-^;?
     経費節減として消費電力を少なくするというのなら分かるが、なぜそれが地球の温暖化対策になるのか。
     と言うか、どうしてそう思うのか。
     そもそも、本当に地球が温暖化しているのかどうかが疑問。
     確かに近年は世界的に平均気温が上昇している。しかし、現在30~40歳の人は良く思い出してみて欲しい。
     20年以上前、つまり子供の頃は「地球は寒冷化する」と言われていたはずだ。
     世界的に平均気温が下がっていて、氷河期が来るかもしれないと信じられていたのだ。
     それが温暖化していると言われるようになったのは、80年代も後半になってからだ。自然保護団体の活動が過激になってきた頃と符合する。
     そして、自然保護団体は世界各地で政治家の票田となっている。
     別に陰謀論を展開するつもりは無いが、実のところ地球の気温は周期的に寒冷化と温暖化を繰り返しており、18世紀から19世紀頃は現在よりも気温が高かったと言う記録があるのだ。
     オゾンホールの減少など確かに憂慮すべき事は起こっているが、温暖化自体はとりたてて深刻だとも言えないのだ。なぜなら、温暖化の原因として窒素化合物も取り沙汰されているが、実は自然界でも落雷があると1回で何万トンもの窒素化合物が発生するのだ。
     温暖化を防止するために電気を消してみようなんて言うのは、まぁやる分には気持ちはいいだろうし電気代も節約できて結果としては良いだろうが、目的としては的外れな気がしてならない。
     あと、ロウソクは電気よりも危険が伴うから、私はあまりしたくない。少なくとも、近所ではやめてくれ。
     トータルコストと言うものも、もう少し考えるべきだろう。電気は節約できるが、それは果たしてロウソクを使用する事による危険と比べてコストは見合うのか。もっと比べやすい例で言えば、ペットボトルや牛乳パックをリサイクルするために水で綺麗に洗うと言うのは、資源の無駄遣いにはならないのだろうか。
     やらないよりはやった方が良い事は確かにある。しかし、考えずにやるのは本末転倒という事になりかねないのだ。
     ヨドバシカメラで購入したテレビとDVDレコーダーが到着。
     配達員は1人で、両方を抱えて持ってきた。すごいなぁ。
     私なんかは引越しのバイトをした時には、重い家具を運んでヒイコラして、怒られたものだ。(しかし色々とバイトをしてきたな自分。コンビニやら、漬物工場やら、パソコンのインストラクターやら……。)
     ご苦労様と、配達員に栄養ドリンクを渡した。安物だけど(苦笑)
     さっそく設置をしようと思ったら、奥さんがついでに掃除しようと言い出した。うみゅ~んδ(⌒~⌒ι)
    ◆6月23日(月)/2003年
     明け方から喘息の症状が出て寝付けなかった。
     どうやら、昨日のテレビやDVDレコーダーの設置で掃除したのがマズかったようだ。
     今度から、掃除は奥さんに全部任せよう。
     せっかくの持病なんだから、上手く使わないと損だし。(←悪用じゃないのか?)
     ひとまず、咳を止めるために麦門冬湯(ばくもんどうとう)を飲んでおいた。
     皮膚が痒いと言う患者さんが来店。
     話を訊くと、前にウチのお母んに相談して塗り薬を買っていったらしい。
     それが効かなかったと言うので別な塗り薬を案内した。
     ところが、もっと良く訊いてみると2日しか塗っていないと言う。
     しかも、最初に付けてみた時に痒みは治まったとの事。
     あの~、それでしたら効いてるという事ですから続けてもらった方が…σ(^◇^;)。
     そうは言わなかったが、もったいないので家に残ってるのをまず使い続けてみて、効果が思わしくなければ薬を変えましょうと伝えた。
     使ったら副作用らしい症状が出たと言うのなら分かるけど、どうして効いたのに途中でやめてしまったのか。
     昼食に何も用意していなかったのでどうしようかと思案。
     そう言えばマクドナルドで新商品が出ていたはずだと思い出し、買いに出かけた。
     http://www.mcdonalds.co.jp/
     しかし、良く考えたら喘息にファーストフードは良くない。いや、良く考えなくても体には毒なのだが。
     欲求に抗しきれない、悪い患者の見本である。こうゆう患者は治す気が無いのだから、治らなくてよろしい。
     なるほど、これが大方の患者さんなのだなぁと妙に納得。みなさん、真似してはいけませんよ。
     さらに輪をかけて、新商品は『カルビナムルサンド』という、ピリ辛系のハンバーガーだった。辛い物は喘息の大敵である。肺が熱を持って、咳が止まらなくなる可能性がある。
     その覚悟を決めて注文した。(するなよ。)
     ここまで来たら後には引けない。ハンバーガーという体に悪い物を食べる時には、これまた健康に悪いコーラが良く合う。なので、ドリンクはコーラを注文。(だから、やめなさいって。)
     お店に帰って、テレビを見ながら食べてみた。
     う~ん、期待していた(覚悟していた)割りには、どうという事のない味。
     もっと、強烈な個性を期待していたのだが。
     新開発の商品としては、やけに保守的な感じである。
     やはり日本のマックは、藤田田(ふじた でん)氏の支離滅裂で強烈な個性に支えられていたのではないかと思う。
     ちなみに、藤田氏は日本でマックを開業した当時、「ハンバーガーを全国に広めて、将来は日本人の髪を金髪にする」と発言して呆れられた。しかし、今やこの宣言は立派に達成されたと言える。
     なにしろ藤田氏の好きな言葉は、「勝てば官軍」だそうである。日本の企業のトップなら普通はもっと奥ゆかしい事を言ったりするものなのだが、そうじゃないところが藤田氏らしい。
     ワイドショーでは福岡の一家四人殺害事件の報道。
     謎があり、平和な家庭の裏事情があり、いたいけな子供が殺されて涙ありと、大喜びで報道してるかのように見えるのはいかがなものか。
     きっと何パーセントかの人は、ワクワクして見ているはずである。隠さずに言うが、私もその1人である。
     しかし、おとといの日記でも書いたが、犯罪者は基本的に馬鹿なのではないかと私は思う。
     遺体を海に捨てても、遺体の浮力というのは侮れないものがあるのだ。
     だから遺体を海に捨てる時には、ガスが溜まらないように腹を裂いておかなければならない。
     そんな事も調べないで人を殺すなど、馬鹿としか言いようがない。(人を殺す時点で馬鹿なのは言うまでも無いのだが、言っておかないと「不謹慎だ」と怒る馬鹿な人がいるので困りもの。)
     犯罪をすると言う事は自分の人生がかかってるのだから、面倒臭がって手抜きをするような人はやめておいた方がよろしい。
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