• タグ別アーカイブ: 牛車腎気丸
  • 隠し事はナシでお願いします

     お客様から、目薬で刺激の強い物をと希望され、ひとまず『ロートCキューブアイスクール』を案内してみたけど、症状を詳しく訊くと涙が出にくい体質のため、刺激して出すという。
     職業ドライバーだそうで、ドライアイなのかなと思ったら、眼科を受診しており、涙が出にくいのは確認されたものの涙腺が詰まっている訳でもなく、担当医からは「歳だから」と説明されたとか。
     ふむぅ、涙腺が詰まってないとすると、刺激して涙を出すのを繰り返していると、かえって慣れてしまい涙を出す機能が余計に低下してしまうんじゃあるまいか。
     人間の体って、サボるの得意だから。
     冬場に、寒いからと寝る時に靴下を履いたりすると体の方は自分で体温を上げる力を失い、ますます足先が冷えてしまうというように。
     ドライアイが気になるということであれば、『新ロートドライエイドEX』で目に膜を張って保水するか、人工涙滴の『ソフトサンティア』を使ってみてはと提案したが、当初の希望通り刺激の強い物をとのことで『ロートCキューブアイスクール』を購入されることに。
     そしてお会計後に、歳によるものだとするのなら、『牛車腎気丸』という内服薬を使う方法もありますよと紹介すると、実は夜はトイレが近いというので適応しそう。
     ところが、そこから話が飛び、実は心臓弁膜症と診断され、降圧剤を飲んでからトイレに行く回数は減ったという。
     ってか、どうしてそういう重要な情報を後出し( ̄▽ ̄|||
     いや、既往症や使ってる薬が他に無いか確認しなかった私が悪いんですが。
     関連して、利尿作用のある降圧剤を飲んでるのに、調剤した薬剤師からは水分を摂り過ぎないように説明され、それがどうも納得できていないみたいだった。
     そういう疑問は、遠慮無く担当医に訊いたほうが良いです。
     心臓弁膜症といっても、心臓の弁が充分に開かなくて狭くなってるのと、ちゃんと弁が閉じなくて逆流してしまうとか、細菌感染で炎症を起こしているのとでは状況が違い、正確なことが分からないと説明もできない。
     おそらく薬剤師さんは、血圧の上昇が心臓に負担がかかるため利尿作用による降圧剤を使う一方、水分が滞留することによる心臓への負担についても心配なため、そういう指導をしたのだろう。
     要するに、人間は自分の意志で水分の摂取はできても排泄はコントロールできず、また摂取した水分を適材適所に適量を運ぶというのも自分の意志ではどうにもならないから、薬でバランスを取るのを手伝うということ。
     だから、一応は矛盾は無いのである。
     とはいえ確かに分かりにくいだろうから、疑問に思ったら質問してみること。
     あと、目についての話を担当医に伝えていないというので、それも話してみるよう勧めた。
     どんな症状が、病気と関連するかは伝えないことには分からないので。
     それから、お薬手帳は持ち歩いてくださいな。
     今回の目薬についても、成分表示をお薬手帳に貼って処方薬と一元管理してくださいませ。
     少なくとも、ドラッグストアーで薬を買う時には、まず治療中の病名と使用している薬の話からお願いします、いやホント(´・ω・`;)

     やや高齢のお客様から、『百草丸』の小瓶を希望されたけど、うちのお店には常備していないため取り寄せになることを伝えると、海外に行くのに持って行きたいというお話だった。
     日が迫っているようだから、今から発注だと間に合わない。
     ただ、病院で精神不安に『加味帰脾湯』が処方されているというので、直接的な効能に胃腸薬としての働きは無いものの、生薬構成からすると『百草丸』のように健胃薬としての応用が可能なことを説明した。
     生薬構成は違うとはいえ、どちらも気持ちを整えてストレス性の不調に対処する物なので。
     心配なようであれば、ストレス性の便秘にも下痢にも使える『桂枝加芍薬湯』も候補になりますと紹介した。
     そんなこんなで、今回はお買い上げは無し。
     お客様によると、『百草丸』は人から勧められた物で使ったことは無く、健康情報が多くてどれを信じたら良いか分からなくて大変というお話をされた。
     そうですねぇ、確かに情報が多いですよねぇ。
     すぐに飛びつかずに、いったん忘れてから調べ直すというのが良いのではないでしょうか。
     あと、「バランスの良い食事」というのも難しいと話されたので、毎日ではなく1週間単位で考えてみてはと提案した。
     実際、毎日の食材に根菜だ葉物だ肉だ魚だのとバランスを考えてなんて無理な話で、それなら「今週は魚介類重視」とか「今週は根菜で調理法を変えてみよう」とかの方がやりやすいと思う。

     お客様が『ポリベビー』を求めて来店したため、幼児に使うのかと思ったら、高1の息子さんの肌の痒みにとの事だった。
     もちろん、名前からして赤ちゃん向けのイメージがあるけど、別に大人が使って悪いことも無い。
     ただ、油分が多くてベトつくから、患部の場所によっては使いにくいのではないかと。
     お客様の話では、寒暖差アレルギーかもという。
     そして、痒みが強ければステロイド剤はどうかと案内したら、ステロイド剤は病院から処方されていて、3日以上は使わないようにと説明されたらしい。
     強めの物が処方されたのかな。
     何を処方されたのか、名前を覚えておらず現物も持ってきていないため内容は不明。
     でも、あまり効かなかったらしく、担当医からは使い終わった頃にまた来るようにと言われたそう。
     だけど、使ってないかから減らない。
     ……ええと、再訪して担当医に効かなかったことを伝えたほうが良いのでは(^_^;)?
     そう勧めつつ、痒くなる場所は決まっていないそうなので、やはりベトつく『ポリベビー』だけでなく、『ムヒ・ベビー』も検討してみてはとお話したら、『ムヒ・ベビー』は家にあるものの、使ったことは無いという。
     それなら使ってみるのも手ですが、痒くなる範囲は広いらしいため、『桃の葉ローション』と『ユースキンA』を紹介したら、両方を購入された。
     あうっ、なんと極端な。
     これじゃ、迂闊に薬の候補を挙げられないなσ(^◇^;)。
     と思いつつ、寒暖差アレルギーなら内服薬で『十味敗毒湯』を使ってみるのも良いのではないかと紹介してみると、そちらには興味を示されなかった。
     ありゃん。
     何か基準があるんだろうなぁ。
     この時には、もう自分でも方向性が見えなくなってしまった。
     大いに反省(´・ω・`)
     あと、本人は太っているらしく、ダイエットしたら治るかと尋ねられた。
     それはなんとも言えませんが、食事療法は体質改善でもあるので、遠回りながら有効な可能性はありますと伝えた。
     聞けば食べ物の好き嫌いは無いそうだから、手を付けやすいんじゃないと。

     

  • 大手製薬メーカーの陰謀(嘘)

     お客様から睡眠薬が欲しいと注文されたけど、市販には睡眠改善薬しか無いことをまずは説明。
     台湾人だそうで、日本に呼び寄せた高齢の母親が台湾で処方されていた睡眠薬を忘れてきてしまったという。
     ありゃん、それは困りましたねぇ(;´・ω・)
     ただ、不眠症と一口に言っても、寝るまでに時間が掛かる寝付きが悪いのと、中途覚醒や早期覚醒といった短時間睡眠の場合と、寝てもウツラウツラとして眠りが浅いのとでは、原因も対応も変わる。
     もちろん現代薬では、いずれに対しても眠気を催す成分が入っていれば、作用機序は違っても似たような効き目だから、相性さえ合えばどれを選んでも大差は無いという考えたかもあるけど。
     だけど、今回のように環境が変わったことも加味すると、現代薬で良いのかという迷いもある。
     先の不眠症の例で云えば、寝つくまでに時間が掛かるのは肝臓が無駄に働き過ぎるからで、中途覚醒は腎臓機能が低下しており、眠りが浅くなるのは胃に不要な水が溜まる胃内停水が原因。
     そのうえ、歳を取ってくると心臓の機能も低下し、心臓の場合は機能の低下を過活動で補おうとするため動悸が激しくなり、これがまた寝つきを悪くしてしまう。
     あくまで一時的に睡眠補助剤を使うのは良いとして、原因とつながっている体内の異常は見過ごさないように注意したいところ。
     お客様に本人と連絡を取ってもらい確認したところでは、寝付きが悪いのと浅いのとの複合というお話だった。
     ひとまず本国に帰れば睡眠薬はあるのだから、あくまで一時的な用達で良いだろうと『ドミーリオ』と『ウット』を案内したうえで、慣れない土地に来たことでの心身の疲労の可能性をお話して、『ナイトミン』(酸棗仁湯)も紹介した。
     『酸棗仁湯』は、夜勤をされる人や高齢者に向いていて、「疲れ過ぎて寝られない」ときに適応する。
     人間は疲れが極限に達したり、加齢により体が弱くなると防衛機能が働くのかセンサーが鋭敏になり、ちょっとした物音に反応したりして寝つきにくくなってしまうのだ。
     自分の心臓の鼓動さえ気になってしまうという人は、お試しあれ。
     お客様は『酸棗仁湯』に興味を持たれたが、本日のところは『ドミーリオEX』を試して頂くことになった。
     あと、詳しく本人について訊いたところでは、昼寝はされているようなので、夜に眠れないことを気にし過ぎると余計に体の負担になるため、ノンカフェインの温かいお茶などを飲んで夜を過ごす方法を提案した。

     やや高齢のお客様から、『コンドロイチンZS』とサプリメントとの違いを質問された。
     医薬品とサプリメントの比較って、難しいんだよねぇ。
     医薬品のほうが治験データを取っていて信頼できるという考え方もあるけど、治験データを取って医薬品として申請するのには莫大な費用が掛かるから、ある程度の効果と安全性を確認したら、あえて健康食品として売り出すということもあるため、評価しづらい。
     また、関節痛の原因は骨だけの問題ではなく、神経や血流といったことも関係するため、本格的にコンドロイチンを摂取するのであれば、一度は病院で診察を受けてから検討するのが良いだろう。
     そういうお話をしたら、実はサプリメントのグルコサミンをすでに飲んでみたら膝の痛みを感じなくなり、使い切ったため医薬品に変更するかを迷っているそう。
     ふむぅ、そういうことであれば強くは勧められない方法だけど、そのサプリメントをやめてみて症状が再発するかを観察してみるという手はある。
     例えば、よく目に良いとされているブルーベリーの効果は、眼科医によれば確かにあるそうで、ただし摂取をやめると効果も無くなる一時的なものなのだというのだけれど、それはつまり体感できるという事。
     結果が判明したら、教えてください(o ̄∇ ̄)o←マテ
     お客様はゴルフを良くしていて、打ちっぱなしにも通っているというから、運動自体が歳相応に負担になっているとも考えられるため、『牛車腎気丸』を紹介してみた。
     本日のところは、サプリメントのグルコサミンを購入された。
     そうそう、今回の件で思い出したけど、以前に某製薬メーカーの学術部員さんから、とある市販薬の開発苦労話を聞いたことがある。
     医療業界の陰謀論を唱える人は、厚生労働省と大手製薬メーカーが結託して好きなようにしてるみたいなことを喚き立てているけど、そんなことは無いんである。
     その市販薬を『製品X(仮名)』とすると、以前から主成分を1錠に10mg含有して販売しており、「症状A」に効くものとして売っていた。
     そして、1錠への主成分の含有量を倍の20mgにして治験データを取ったところ、「症状A」に対しては頭打ちで優位な差は確認できなかったものの、「症状B」と「症状C」にも効果があることが分かった。
     そこでメーカーは、いずれ「症状B」と「症状C」に対する効能を申請するものとして、先に市場を開拓しておくために「症状A」の効能で20mgの薬を発売しようと厚労省に申請したら突き返されてしまったそうな。
     今まで10mgで効能があることが確認されているのだから、20mgにする必要は無いと。
     しかし、実は同じ主成分の薬は医療用では、すでに20mgが主流になっている。
     だから、安全性さえ証明できれば市販薬にも適応できるはずとメーカー側は考えていた。
     しかも、小さい製薬メーカーからはすでに同じく20mgの物が発売済みなのだ。
     なのにどうして申請が通らないのかといえば、書類上では「20mgにする必要は無い」ということだったけど、厚労省の担当者からは「大手だから自重して」というようなことを言われたそう。
     つまり、大手が市場を開拓するのを目的に、やたら主成分の濃い製品を発売したら、中小のメーカーまでこぞって同じすることをするから、それでは医療行政に問題が生じて困ると。
     で、研究チームは改めて治験データを取り直し、今までは10mgと20mgを使った人を対象に「症状が改善した人と、やや改善した人と、改善しなかった人」での比較をしていたのを、さらに踏み込んで「症状が改善した人」の中から「10mgを使用した人」と「20mgを使用した人」を比較して、20mgを使用した人のほうが10mgを使用した人よりも約10%だけではあるけれど、優位性が確認できたという資料を付けて再申請し、やっと発売にこぎつけたという。
     そして学術部員さんの話では、ここまでやったのだからてっきり一緒に申請した「症状B」と「症状C」の効能の許可も下りると思ったら、結局「症状A」の効能でしか許可を取れなかったそう。
     ここがこの話の面白く、また市販薬の効能書きだけを見ているだけでは分らない事なんだけど、そもそもの主成分を開発したメーカーが「症状B」と「症状C」での効果を認めていないから駄目だと判断されたという。
     正確に言うと、主成分の開発元は外国の製薬メーカーで、その主成分で儲けて開発費も回収済みなため、新たに莫大な費用を掛けてまで、同じ主成分で別な症状の薬を売り出す気が無く、その費用を肩代わりするとかでもしないと協力を得られないらしい。
     もし費用を肩代わりして新たな効能を証明したとしても、今度は費用を肩代わりしたのに開発元のメーカーの主成分を使う訳だから、納入してもらう代金は当然必要だし新たな製品の製法を教えない訳にもいかないしで、そこまでしてでも売れる算段が無いことには実現することはできないという訳。
     少なくとも、厚労省の方針が変わらない限りは。
     なので、本当は「症状B」と「症状C」に効くとは分かっていても、市販薬としては「症状A」についての効能しか添付文書にもパッケージにも書けない。
     まぁ、もっとも素人が自分で調べただけで、薬の応用をするのは危ないからしない方が良いんだけどね。
     それでも興味があれば、効能が違うはずの薬同士に同じ成分が含まれていたら、そのへんの関係を考えてみると面白いし、災害時などの非常事態には役に立つこともあるので、薬を買う時には効能書きだけでなく成分表示にも目を通してみてください。
     そして、使った薬はお薬手帳などに記録しておくのをお忘れなく。

     

  • 同じ症状のようで原因と対応策は複数あります

     やや高齢のお客様より、『ハルンケア』のご相談。
     最近になって、夜中に2~3回起きてしまう頻尿とのことで、テレビCMで見た『ハルンケア』を気に留められたそう。
     夜中ということだと、冷えや湿気が考えられるので下半身を温める『八味地黄丸』の『ハルンケア』は、適応すると考えられることをお話した。
     すると、効能書きに頻尿には関係無さそうな、かすみ目や腰痛などもあるのが不思議に思えるようなので、糖尿病が失明に繋がることがあるのを例にして、加齢による腎機能の低下が関係することを説明した。
     そして、一日分の『ハルンケア』より、小容量の錠剤の方が費用的には安く済みますと勧めて、お買い上げ頂いた。
     ちなみに、『八味地黄丸』の適応より虚弱な人には『知柏地黄丸』が、疲労感が顕著な場合は『杞菊地黄丸』を、より高齢で不定愁訴の場合には『牛車腎気丸』が候補となります( ・∀・ )ゞ

     『葛根湯』を購入されるお客様に、風邪の場合は発熱したら適応時期を過ぎていることをお話すると、旦那さんの肩こりと、成人の息子さんの鼻炎に使うつもりとのこと。
     いずれも『葛根湯』で対応できるとは思われるものの、詳しくお話を訊くと、旦那さんは自分で風邪だと思い、発熱していないのに総合風邪薬を服用したそう。
     ありゃん(;・∀・)
     発熱していない段階で総合風邪薬を使うと、神経に作用するため疲労してしまうことをお話して、より肩こりに寄せた処方の『独活葛根湯』を紹介した。
     すると、旦那さんは偏頭痛もあるらしく、仕事で車を運転することが多いそうなので、緊張型頭痛の場合に用いる『釣藤散』と、悩みによるストレス性の頭痛に用いる『コリッシュ』(治肩背拘急方)を案内してみた。
     それから、息子さんは花粉症があり、鼻炎は鼻水と鼻づまりの両方を行ったり来たりのようなので、『葛根湯』の変方である『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介した。
     興味を持って聞いてもらえたとは思うけど、とりあえず『葛根湯』は双方に通じる基本処方でもあるので、そのままお買い上げ頂いた。
     お二人ともお風呂には入るそうだから、のぼせ対策に水で濡らしたタオルを頭に乗せるなどして、少しばかり長湯(20~30分)をするよう勧めた。

     

  • ドラッグストアーの役割は、あくまで「治療」ではなく「症状の緩和」

     『ドリエル』を求めて来店したお客様に、ひとまず同じ処方の『ドリーミオ』の方を勧めて購入を決めて頂いた。
     そのうえで睡眠の状況を尋ねると、寝つきが悪く30分以上かかるうえ、寝ても眠りが浅く感じるという。
     おそらく暑さで肝臓がやられて、そこに湿度で胃に負担が掛かってるのだろうと思われる。
     単純に寝つきが悪いだけなら『柴胡加竜骨牡蛎湯』のケースだけど、『柴胡桂枝湯』で肝臓と胃の両方の面倒を見れば改善するのではないか。
     でも、お客様の方がそこまで話を聞いて頂ける感じではなかったため、今日のところは見送ってしまった。
     この、案内するべきかトラブルにならないよう引くかというのは、何百人、何千人と相手していても難しい。

     外用消炎剤のジクロフェナクナトリウム製剤を購入されるお客様に、他の薬との併用に気をつけるようお話すると、ギックリ腰に使うそうで、前にもなったというから、改めて受診するよう勧めた。
     ついつい、「前も同じだったから」と考えがちだが、本当に同じかは分らない。
     ギックリ腰は、予後の養生も大事なので、今どうなっているかを把握するためには、ひとまず改善しても病院で様子を確認してもらったほうが良いだろう。
     今回の症状を詳しく訊いてみると、痛みというより、背中からこわばる感じだそうなので、筋肉の緊張を解く『芍薬甘草湯』が効きそうな気もする。
     そういうことも含めて、自己判断だけに頼らずに検証の幅を広げることで、他の体の不調との関連が見えてくることもあるし。
     特にギックリ腰は、腎臓とも関係して、早い話が冷えによる水分代謝の異常や、同じく水分を含む血行不良が原因だったりする。
     冷えが原因なら『桂枝加苓朮附湯』が、患部に痺れを感じるような血行不良には『疎経活血湯』を、加齢による腎機能の低下だと『八味地黄丸』『牛車腎気丸』が候補になる。
     今回は、やはりお客様が『芍薬甘草湯』の話のところで、興味無さげだったため、以降の話はせず。
     ドラッグストアーの役割は、あくまで「治療」ではなく「症状の緩和」という目的では、最初にお客様自身で選んだ薬で充分とも云えるのかもしれんけど、患者さんは本当にそれで良いのかとの疑問は拭えない。

     

  • 何を飲んで何をやめるか

     お客様から疲労について、『人参養栄湯』と『新パワーアクトEX』などのビタミン剤との使い分けを質問された。
     栄養は血で運ばれるので、手足が冷たいというように血流不良があると、ビタミン剤などで栄養を摂っても体の隅々にまで行き渡らないと考えられる。
     だから、栄養を取る前の土台作りとして『人参養栄湯』で体を温めながら血流改善をしたうえで、ビタミン剤を後から用いるか併用するという使い方になりますと説明。
     もちろん血流不良を実感していなければビタミン剤単体でも構わないし、血行促進のためにビタミンEが含まれている物を選べば充分ということもある。
     今回は『人参養栄湯』の購入を決められ、他に人参を簡単に摂れる物は無いかと相談された。
     ちなみに、漢方薬の人参と、野菜の人参とは別種。
     念のため。
     漢方薬で使う人参はウコギ科で、エゾウコギとかを聞いたことのある人もいるはず。
     一方、野菜の人参はセリ科の植物で、パセリやセロリなどの仲間である。
     お客様には、クラシエ薬品の『セパホルンZ3』を紹介したところ、一緒に購入された。

     やや高齢の、二人組のお客様が来店。
     お一人からは『芍薬甘草湯』を求められたので、『コムレケア』の内容が同じ物であることを説明して案内したけど、なにしろパッケージが腓返(こむらがえ)りを強調しているため、胃痙攣にも使えるのか質問され、下痢や吐き気が無ければ適応することを伝えた。
     もう一人からは『八味地黄丸』を頻尿に使っていて、『ナイシトール』(防風通聖散)と併用できるか尋ねられた。
     生薬構成上は問題無いものの、『防風通聖散』自体が生薬の種類が多く、一般論として漢方薬は生薬の種類が多くなるほど効果が穏やかになる傾向がある。
     『防風通聖散』を単純にダイエットの薬として宣伝してるメーカーもどうかと思うけど、その作用は発汗・利尿・便通促進など多岐にわたり、体全体の新陳代謝を活性化するので、正直コレに他の漢方薬を足すのは無意味。
     頻尿などの顕著な症状があるのなら、そちらを優先した漢方薬を用いるのが良いだろう。
     そうお話すると、『八味地黄丸』は自分で選んで市販で購入したもので、あまり効いた気がしないという。
     うん、まぁ実際に起きている症状と体質でも違いますからねぇ。
     例えば同じ頻尿でも、『八味地黄丸』は夜間の下半身の冷えによる頻尿に適応し、昼間の頻尿は加齢による腎機能の低下が関係するため『牛車腎気丸』の方が適応するだろうし、疲労が顕著な場合は『知柏地黄丸』という選択も考えられる。
     ところが詳しくお話を訊いてみたら、そもそも飲んだり飲まなかったりなんだとか。
     それは……、効きませんね(^_^;)
     まずは、集中的に服用してみてはいかがでしょうとお話した。
     ただ、お客様の体格はガッシリしていたので、もしかすると『八味地黄丸』をやめて『防風通聖散』を使ったほうが、新陳代謝の活性化により頻尿が改善するのではないかと思われたため、補足で伝えてみた。
     今日のところは、家に『八味地黄丸』が余っていることから購入は無し。
     あっ、ちなみに『防風通聖散』は肝臓に負担をかけるのか、肝機能障害の報告もある。
     売り場には本部の指示で山積み展開していますが、3ヶ月以上の長期連用をするようであれば、費用面からしても肥満治療として病院を受診して処方してもらったほうが良いと思われ(・o・)

     

  • 効能書きだけで選ぶのは無理ですから

     漢方薬の棚を眺めているお客様が電話で話していて、「坐骨神経痛」と聴こえたので、聞き耳を立ててしまった。
     どうやら『疎経活血湯』と『桂枝加苓朮附湯』のどちらを購入するか迷っているらしく、電話を切ったところで声を掛けてみた。
     すると、父親に頼まれたそうなんだけど、その頼み方というのが、排尿痛に『竜胆瀉肝湯』を服用しており、同じメーカーで「効能書きに坐骨神経痛とある物を」なんだそうな。
     そして、お客様はお客様で、『疎経活血湯』の効能書きを見てみたら、効能書きに書いてある症状が「全て当てはまらないと駄目」だと思っていた模様。
     それだと『疎経活血湯』はまだ「関節痛、神経痛、座骨神経痛、腰痛、筋肉痛」と関連してそうな効能だけど、『牛車腎気丸』なんか「下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ」でカオスなことに(^_^;)
     でも歳を取ると腎の働きが衰え、腎臓病が失明になる事があるように目のかすみと関係し、水分代謝が悪くなると冷えの影響を受けやすく下半身の関節痛を引き起こすため、『牛車腎気丸』の効能書きの症状は、ちゃんと関係している。
     漢方薬に限った話ではないけれど、効能書きはあくまでメーカーが申請して効能書きに記すことを許可された内容だけだから、成分ごとの作用を考えないと意味が無い。
     しかも、主成分の副作用を防ぐために加えられている成分もあるため、相互作用も考えなければならない。
     鎮痛薬に胃を守る成分が入っていたり、というのが分かりやすい例だろう。
     病院でもらう薬の種類が多いとネットで大騒ぎする人がいるけど、総合風邪薬の成分表示を見れば9種類以上入っているなんてのはザラで、それぞれがバラバラに処方されたら多くなろうというものである。(長期的に漫然と同じ薬が処方されているとかとは、別問題である)
     そのうえ漢方薬では、体質や症状での判別も必要になるため、初見の人がパッケージで選ぶのは無理というもの。
     しかもそれが頼まれ物では、なおさらである。
     父親についてのヒアリングを試みてみたものの、外見上の体格などは分かっても、冷えると症状が悪化するかや、痛み方に痺れ感があるかなどは分からなかった。
     今さっき電話をしていたのだから、電話をし直して本人に確認してくれると良いんだけどなぁ……。
     駄目なのかなぁ……。
     こっちからは言い出しにくいしなぁ……(;´・ω・)
     仕方がないので、未開封であれば一定の期間以内は返品を承りますとお話して、お買い上げ頂いた。

     お客様から「鼻風邪の薬を」と注文されたのだけれど、症状を確認すると、主訴は鼻炎とクシャミと喉の痛み。
     ひとまず『ベンザブロックSプラス』を案内したものの、発熱は無いそうなので、解熱剤の入っていない物の方が疲労を防げることをお話して『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介すると、試して頂くことになった。
     すでに夕食を食べたということだったが、この後は内臓の疲労を防ぐために量を控えるよう勧めた。
     栄養面を心配されたけれど、普段の食事が偏っていなければ大丈夫ですとお話した。
     体としてはすでに戦闘状態な訳で、戦う前に武器や燃料の補給は有効でも、戦闘中に補給をするのは人手をそちらにも割かなければならず、戦闘力が低下してしまうのだ。

     

  • 自分の病気が症例研究の役に立つかも?

     『コンドロイチン』を購入されたお客様に症状を尋ねたところ、膝がパキパキと音がするという。
     関節の中を液体が移動する時に、気泡ができて破裂すると音が鳴るという説があるけど、あれだろうか?
     最近では、注射器のプランジャー(押す棒の部分)を引くとバレルの中に空洞ができるように、関節が引き離されると気泡を伴った空洞ができるタイミングて鳴るという説もあるらしい。
     お客様の話によると、今は痛みが無いものの、高齢の母親も同じようになってから関節が痛むようになったから、『コンドロイチン』を予防的に服用していたところ、服用すると音が軽減するそうな。
     ふむう、どういう事なんだろうか?
     知り合いに研究者がいたら、伝えてみたいところなんですが、生憎とアテがない。
     ただ、母親の関節の音と痛みの因果関係は不明だし、お客様自身は今は痛みが無いとしても可能性があるとするなら、病院を受診してみるのが良いのではないかとお話した。
     お客様自身の身体的な問題が見つかる場合もあるだろうし、案外と新しい発見が担当医から研究者へ繋がるなんて事があるかもしれない。
     私自身、顎関節の手術を受けたけど、なにやら同様の症例としては珍しい部類だったらしく、検査を受けた大学病院で症例として研究したいから手術費用は大学病院が持つという事になった。
     手術の前に、担当医と上司らしい医師がベッドで横になってる私の頭上で、「キミが学会で発表した、あれを試したら?」とか手術方法を検討し始めたのが軽く怖かったですが(笑)
     危険な実験に晒されるのは御免だけど、自分が病院に受診することが、治療研究の積み重ねになるのなら、それはそれで良いと思っている。

     やや高齢のお客様から、鎮痛剤と疲れ目の目薬と虫刺されの薬をと、まとめて注文を受けた。
     銘柄などは特に決めていないとの事だったので、価格と効き目は必ずしも関係しませんと説明して、鎮痛剤には『イブA』を、目薬には『ロートビタ40α』を、虫刺されには『プチウナ』を案内した。
     本来は、それぞれの症状を確認してから適応しそうな物を案内するところなれど、こうして矢継ぎ早に注文されるお客様には、先に案内をしてしまって満足してもらえないと話を聞いてもらえないことが多いので。
     今回の場合は、それぞれの売り場を移動する時に順次症状を尋ねてみた。
     すると、頭痛についてはズキズキするというお話で、高血圧などが関係する頭痛の可能性を話して『釣藤散』を比較として紹介し、かすみ目には加齢を感じているようだったことから『牛車腎気丸』を提案してみた。
     目薬のことばかり考えていて、内服薬は思いもしなかったらしく興味は持ってもらえた模様。
     今日のところは、最初に案内した物を購入されることになったけど、次の機会にはもう少し話を聞いてもらえるのではないかと期待。

     

  • 健康なうちに「風邪をひいた時の治療方針」を決めておいて下さいな

     常連のお客様から、インキンの相談を受けた。
     通院していた病院が閉院してしまったそうで、「殺菌力の強い物を」と要望されたけど、市販品で強い物は無いし、皮膚の弱い部分でもあるため『ダマリンL』を案内した。
     でも、汗疹が考えられないことも無いし、まずは先に病院を見つけた方が良いのではないかとお話して、受診を勧めた。
     インキンに湿疹などの痒み止めを使うのは大丈夫だけど、湿疹に『ダマリンL』などを使ってしまうと悪化させてしまう事があるので。
     本日のところは、お買い上げは無しとなった。

     ベビーフードを購入されるお客様が、しきりに鼻を啜っていたので症状について尋ねてみたら、主訴は咳だった。
     数日前に風邪をひき、病院で処方された薬を服用して治ったものの、咳だけが残ったとのこと。
     体内が乾燥している可能性をお話して『麦門冬湯』を紹介してみたけど、粉は苦手だと言われた。
     いや、便乗して売ろうとしてると思われたのかもしれんけど。
     一応、他店では錠剤や液剤があることも伝えた。
     ネット通販という手も、あるしね。

     疲労に『牛車腎気丸』を試して頂いた常連のお客様から、あまり効果を感じられなかったと言われた。
     うーむ、やや高齢に見過ぎてしまったか?
     髪を染めてると、加齢による肉体的な衰えとかが分かりにくいんだよねぇ。
     常連さんとはいえ、なかなか年齢を尋ねるタイミングって難しい……。
     痩せ型で、足がしっかり上がってないように見受けられたから、下半身が衰えてると読んだんだけど。
     今度は、『サモンエース』(知柏地黄丸)を試してもらう事になった。
     今度は適応するかしら。
     当てずっぽうで、ホントすいません(;´・ω・)
     他に、『キューピーコーワゴールドαプラス』と『ユンケル黄帝顆粒DCF』の比較を尋ねられた。
     前者は血流改善とビタミン、後者はそれに温める生薬を加えた物と説明した。

    「風邪に良く効くのを」とお客様から注文され、患者さんはと確認すると旦那さんで、昨日から咳が出て悪寒がするらしい。
     鼻の状態も知りたかったけど、気に留めなかったため分からないそう。
     花粉症もあるという話だったけど、風邪と確定して良さそうだったので、『ルルアタックFX』と『エスタックFT』と『パブロンエースAX』を案内した。
     総合より症状を狙い撃ちした方が回復が早く疲労も残りにくいため、『麻黄湯』も紹介してみたけど、『パブロンエースAX』をお買い上げとなった。
     難しいところなんだよねぇ。
    「風邪に良く効く」というのは、「風邪の症状を良く抑える」ということなのか、「風邪を治す」ということなのか。
     いや、期待されてるのは「風邪を治す」方なんだろうけど、風邪薬を服用してもしなくても、治る早さはあまり変わらないという臨床データが有る。
     風邪薬はあくまで「症状を抑える」物で、風邪のウイルスを倒すために熱を出し、ウイルスを早く体から追い出すために鼻水や咳を出すのを止めるということは、長引かせることになりかねない。
     それは、患者さんが望んでいることなのかと。
     症状が出ている時には、患者さん本人も家族も冷静な判断は出来ないだろうから、健康なうちに「風邪をひいた時の治療方針」を決めておいてもらえると助かります。
     現代薬は武器を取り上げて戦うのを中断させて敵が撤退するのを待つ作戦だけど、『葛根湯』『麻黄湯』の場合は武器を増援して敵に立ち向かう作戦。
     うーむ、「戦争できる体にする」と言うと、政治的にヤバそうだ(笑)

     

  • 怒られないのをいいコトに陰謀論を広める人に気をつけよう

     やや高齢のお客様から、子供のオヤツにドリンクゼリーはどうかと質問された。
     お孫さんがポッチャリ体型で、カロリーを心配しているようだった。
     う~ん、特に問題はありませんが、食べる総量を減らす一つの方法として、チョコレートなどの甘い物をいっぺんに多く渡さずに少しだけ与えて、「残りはまた後で」と言い聞かせて遊ばせるなりすることを提案した。
     糖分を摂取して20分ほどすれば、脳は満足して後からは欲しくならなかったりするので。
     そういえば、砂糖の害について描かれた漫画がネットにあったな。
     砂糖を摂ると血を破壊するだの血液に毒素が溜まるだの、腸内の有用菌を死なせて腸内が腐敗発酵(腐敗と発酵は同じ現象なんだけど?)してしまうとか科学的な誤りに、お約束のごとく食品業界や医療業界が儲けるために隠しているという陰謀論を展開していてトンデモな内容だったけど。
     最後のコマの「砂糖の入ったお菓子は1日1回までに」という記述だけが、救いではありますが。

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     どんな資料で勉強して辿り着いた結論なのか、参考資料を提示していないから全く分からないし。
    「私はその辺の主婦で、専門家ではありません。
     マンガに書いた情報は、私が今まで本やネットから学んだ情報をまとめたもので、全ては正しくないかもしれません。最終的にはご自身でもお調べ頂き、納得の行く情報を選択して頂ければと思います!」
     謙虚なようでいて、根拠を示さないというのはどうなのか。
     まぁ、元々は両親に向けて描いた個人的な漫画だそうだから、そこまで問うのは酷なのかもしれないけど、多くの食品業界や医療業界で働く人たちを公然と侮辱しておいて、この言い訳は酷いと思う( ̄^ ̄)=3
     ああ、話が逸れた。
     今回の件で言えば、ドリンクゼリーは開封したら全部飲み切ってしまいたくなるだろうし、低カロリーで淡白な味付けだから、むしろ余計に他の物も食べたくなってしまい、目的からすると適さないかもしれませんとお話した。
     他に、ご主人に飲ませる栄養ドリンクについても相談された。
     糖尿病とは診断されていないものの、やはり栄養ドリンクでも糖分が心配という話だったので、『リポビタンD』などのタウリン系を毎日飲むより、『ユンケル』のような生薬系を3日に一度や1週間に一度程度服用するよう提案した。
     まぁ、本格的な疲労には『補中益気湯』『人参養栄湯』といった漢方薬がお勧めな訳ですが。
     そんなお話をしてみたら、ご主人は普段ウォーキングをしていて体力的には問題無いものの疲労感を感じるようになり、加齢による身体機能の低下を気にされているらしい。
     そういう事でしたら、『牛車腎気丸』で体の土台を支えるのが良いかもしれません。
     本日のところは、相談のみ。
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     6歳の子供が、下痢のためか肛門が痛いと訴えているという相談をお客様から受けた。
     塗り薬を求められたけど、強い薬は案内しにくいため、『ポリベビー』を案内してお買い上げ頂いた。
     内服薬として、『乙字湯』を案内してみたけど反応は薄かった。
     いや、まぁ、普通は下痢の時には使わないんだけど、便通を促す大黄の量は少なく、当帰で血流を改善すつつ黄芩と甘草で粘膜の炎症を抑えるので使えるんじゃないかなと思った次第。
     下着に色がつく可能性があるから避けた『紫雲膏』の方を、案内してみても良かったかもしれない。
     薬を選ぶのは、やっはり難しい。
     だから、症状・症状の経過・使用した薬なんかの情報は、最低限欲しいところ。
     今回の場合は、下痢ついての情報が不足していた。
     いつからなのかとか、思い当たる原因はあるかとか。
     尋ねてみたけど、お客様自身が何故かそういう話は不要とばかりに、まったく答えてくれなくて……(;´・ω・)

     

  • 命は大事にすれば一生使えます

     ご主人に頼まれたとかで『アレグラ』を求めて来店したお客様に、うちのお店では取り扱っていないことをお詫びしたうえで、すでに花粉症を発症してから服用しても、効果が現れるまで数日を要することを説明した。
     今までに服用したことの有る市販薬については分からないようだったため、『ストナリニS』『パブロン鼻炎カプセルS』『アルガード鼻炎カプセルZ2』を比較して紹介した。
     一応は、メキタジンの『アルガード鼻炎カプセルZ2』が眠くなりにくいはずである。
     すると、ご本人と連絡が取れたらしく、アルガード鼻炎カプセルZ2』を購入された。

     やや高齢のお客様が来店し、爪に縦に線が入ってシャワーを浴びたら滲みて痛かったため、『サカムケア』を塗ってみたんだけどどうかと相談された。
     それは、良い判断だと思います。
     爪は皮膚の一部で再生しますから、継続してみるよう勧めた。
     そのうえで、老化による機能の衰えを改善する『牛車腎気丸』を紹介した。

     奥さんに頼まれたとのことで、『ミルコデ錠A』を求めてお客様がいらした。
     奥さんは喘息で病院から吸入器を処方されており、他にも薬を服用しているという話なのに、それらの内容が分からず、お薬手帳も持ってきていなかった。
     そして、処方された薬が切れたため、ネットで『ミルコデ錠A』を知り使ってみようと思ったらしい。
     あのー、喘息は死ぬ病気ですよ?
     子供の頃から喘息で苦しんで、同じく吸入器を使って、それでもベットでのたうち回った私からしたら、どうしてそんな危険な判断を平然と出来るのかと、喘息以上に理解に苦しむ。
     それで頼まれて安易に買いに来てしまう旦那さんも、もう少し危機感を持って下さい。
     いや、もしかすると目の前で苦しんでる奥さんを見て、助けたい思いで来たのかもしれませんが。
     喘息は、それ自体が死ぬ病気ですからね?
     誤った薬の使い方をして、自分の手で息の根を止めたいですか?
     うちの奥さんになら、タマにチョット思わなくはないですが……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
     と頭の中ではお説教モードになりつつ、どの道うちのお店には置いていないため、近隣のドラッグストアーにも問い合わせてみたが、取り扱っている所は無かった。
     そして、最後に問い合わせたドラッグストアーの薬剤師さんから、処方的には『アネトン』が近いのではないかとアドバイスされた。
     ふむぅ、なるほど(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
     ここは申し訳ないけど、お会いしたこと無いものの、この薬剤師さんなら信頼できるかなと思い、お客様の受け入れをお願いしてみた。
     そして、お客様にはそのドラッグストアーに訪れて改めて相談してみるよう勧めた。
     本人だったら、喘鳴で息苦しい状態には『半夏厚朴湯』か、咳き込んで止まらないようなら『五虎湯』を案内したんだけどねぇ。
     たいていの現代薬の咳止めとの併用ができるから。
     いずれにしも、患者さん本人も家族も、処方されている薬の記録には努めて下さいな。
     旧アニメ版の『エリア88』にあった、グレッグとマッコイ爺さんの会話が好き(´з`)
    グレッグ「命は大切にせんとなぁ」
    マッコイ爺さん「おうよ。大事にすれば、一生使えるぞ」