• タグ別アーカイブ: 牛車腎気丸
  • ドラッグストアーの立ち位置

     成人の息子さんに頼まれたとのことで、やや高齢のお客様が慌てた様子で来店。
     本当に時間が無かったりするのかもしれないけど、慌てているお客様に煽られるように、こちらまで慌てちゃ駄目なので、意識的にスローな会話で対応する。
     本当に急いでいたら、ごめんなさい(^_^;)
    「ロキソニン!! ロキソニンある!?」と連呼されるのだが、そもそもうちの店には置いていないし、気軽に使って良い痛み止めではない事を説明しつつ、誰が、どのような用途で使用するのかを聞き出す。
     すると、息子さんが以前に尿路結石を患った事があり、その時に用いた痛み止めがロキソニンで、今回また腹痛を起こし、どうやら尿路結石の時の痛みに似ているらしい。
     ううん、それであればまず病院に行っていただくのが最善なのだけど、仕事で行けないから痛み止めを頼まれたと。
     これは、うちで断って薬を売らなくても、他のお店で何かしら買って済ませてしまうパターンだろうなぁ……。
     下手に対応して、ババを引くのも嫌なんだけど(店の信用にも関わるし)、他のお店で何も相談せずに買われるよりは、一応は事情を確認したうちで今後の状況が把握しておける方が良いのか。
     とりあえず痛み止めに関しては、やはり以前に『イブ』を使って効かなかったと言っているという話までは、聞き出せた。
     ただし、その『イブ』というのも、どの『イブ』だったかは分からない模様。
     商品名が同じでも、前後の記号が変わると成分も違うから、あまり参考にならないものの、全く情報が無いよりはマシではある。
     結石だと熱感もあるかもしれないから、『バファリンプレミアム』を案内して、お買い上げ頂くことになった。
     そして会計後に、結石に使える漢方薬もあるので宜しければ後日にでも相談を、と言ってみたら「そういえば、漢方薬も病院で貰った!!」と叫ばれた。
     そこで、『猪苓湯』『竜胆瀉肝湯』を紹介すると、見覚えがあるという『猪苓湯』を購入された。
     あくまで一時しのぎですからねー、ちゃんと病院に連れてって下さいよー(」´Д`)」

     外用消炎剤の棚を眺めているお客様に声を掛けてみると、立ちっぱなしの仕事で、太ももと脹脛が痛むとの事だった。
     とはいえ、歩けないほどではなく、やはり疲労の方が大きいのだろう。
     血行を良くする事も考えたけど、とりあえずお客様の希望は外用消炎剤で一時的にしのぐ事のようなので、フェルビナクで塗り広げやすいゲルタイプを案内して、お買い上げ頂いた。
     内服薬の話もできれば、『防風通聖散』を案内したかったところ。
     『ナイシトール』とかの製品名で、すっかりダイエットか便秘薬みたいなイメージが定着しちゃったけど、新陳代謝を促進するから、立ち仕事なんかで水分が下半身に溜まってしまった時の改善にも役に立つ。
     『牛車腎気丸』も、もっぱら高齢者の機能改善に用いるけど、やっぱり下半身の疲労には効果的。
     『当帰芍薬散』だって、婦人疾患、特に生理痛や更年期障害の改善薬って思われがちだけど、血行不良による痛みと疲労の改善には、男女の区別無く使える。
     一時しのぎは、所詮は一時しのぎだから、外用消炎剤の棚で買って済ませてしまう人には、もっと他のアプローチにも興味を持ってもらいたいところ。
     一言でも相談してもらえれば、案内できる機会を得られるんだけどなぁ。
     客商売で出すぎたマネは出来ないし、少しは出ないと医薬品販売の役目は果たせないし。
     ドラッグストアーの立ち位置は、難しい。

     

  • 買う前に確認するのが当たり前のはずなんだけど

     高齢の母親の膝の痛みについて、お客様から相談を受けた。
     病院で、軟骨が少なくなっていると診断されたものの、湿布しか処方されていないという。
     何か他に治療を受けていて、その薬との関係かと思ったが、そういう訳でもないらしい。
     栄養剤として『ビタミネンアクティブ』と、冷えによる関節痛に使う『桂枝加苓朮附湯』と、加齢による関節痛に使う『牛車腎気丸』を紹介してみたが、漢方薬については保険適用薬でもあるので、担当医に相談してみるように、お話した。

     お客様が、レジに『半夏厚朴湯』『五虎湯』を持ってきて、効能の違いを質問された。
     主訴は咳だそうで、詳しく症状を尋ねると、喉が詰まるような感じがするとのことで、ストレスや緊張による咳の可能性をお話して、『半夏厚朴湯』を勧めた。
     『五虎湯』については、上半身に熱が篭ったりして、夜中に咳き込むような時に、患部を冷やして咳を止める物ですと説明して、今回は『半夏厚朴湯』をお買い上げ頂いた。
     買う前に確認するという、こういう購入の仕方が本来は普通のはずなんだけど、ものすごく珍しいのが現状。
     でも不思議と、何処からも注意喚起や警句なんかは、発せられないんだよねぇ。
    「老化を早めるNG食習慣」とか「ガンを防ぐ食べ物」とか、くだらない健康関係の記事は、良く見かけるのに。

     

  • 前に効いた薬が合うとは限りません

     以前に咳止めに『五虎湯』を案内したところ、良く効いたとのことで追加の購入を、やや高齢のお客様から希望された。
     しかし、現在の症状を尋ねると、咳の他に鼻水も出るという。
     ありゃ、鼻水が出るというのは体の中が冷えてますから、患部を冷やして咳を止める『五虎湯』は今回は合いません。
     体を温めて、熱を発散することで咳と鼻水を止める『小青龍湯』にしましょうと勧めた。
     すると、実は片方の耳が難聴で、補聴器を使っても自分の声が篭って聞こえ、病院では老人性難聴と診断されたという話が出た。
     詳しくお話を訊くと、耳が聞こえづらくなったキッカケは、自分では蓄膿症になってからだと思っているという。
     ううむ、確かに関係しそうにも思えるけど、店頭ではなんとも判断しづらい。
     『八味地黄丸』『牛車腎気丸』を試してみたいものの、今日のところは咳の方に重点を置く事にした。
     そして、さっきは『小青龍湯』を勧めたが、蓄膿症になった時には鼻汁が喉に落ちてきたという話から、胃が丈夫ではない可能性を考えて、『麦門冬湯』に変更してお買い上げ頂いた。

     咽頭炎と診断されたというお客様が、処方された薬を使い切って無くなったという事で来店した。
     しかし、処方された薬の内容は覚えておらず、もちろんお薬手帳も持ってきていない。
     それどころか、詳しく症状を尋ねると、喉の痛みの他に鼻水が出るという。
     症状が変わっているのに、どうして病院で処方されたのと同じ薬を買おうと思ったのか。
     しかも、覚えていない薬なのに、どうして同じ薬を買えると思ったか。
     普段から、いい加減なのか、病状のせいで思考力が低下しているのか分からないナリよ(;´・ω・)
     発熱は無いそうだけど、一度病院の診察を受けているのであれば、もう一度行ってみるよう勧めた。
     自分の体の事ですから、もう少し興味を持って下さいな。

     

  • 同じ商品名でも小児用は成分そのものが違う場合が

     やや高齢の患者さんから頻尿の相談を受けたのだけど、ちょっと悩んでしまった。
     すでに『八味地黄丸』を服用していて、あまり効果を感じられないという。
     そこで次の選択肢として『八味地黄丸加五味子』を考えたものの、食欲はあるようで適応しそうにない。
     そもそも頻尿も、夜中ではなく、朝起きてからがトイレが近く、午後には大丈夫だそうなので。
     ううむ、『五淋散』も考えられるけど、外見上は痩せてるもののガッシリ型で、水分代謝が悪い訳でも無さそうだし……。
     そして『八味地黄丸』にしても、全く効果が無いという事は無いそうなで、単純に増量する方法も考えられる。
     ただ、漢方薬は「適宜増減」とはいえ、市販品でそういう指導はしにくい。
     そこで、同じ『八味地黄丸』でもエキスの濃い『リエイジEX』と、暑さなどによる内蔵の疲労を考え『牛車腎気丸』を紹介したところ、両方をお買い上げ頂いた。
     後で、報告をよろしくお願いしますm(_ _)m

     中学生の息子さんの健康相談を受けたのだけれど、お話を聞くって大事だな、っていうお話。
     当初は口内炎についての相談だったため、患部に塗布する『ケナログ』と、内服に『チョコラBBジュニア』を案内した。
     その時に、自宅に『チョコラBBプラス』があるので、それを服用させて良いか尋ねられた。
     もちろん、子供用より成分が濃いうえ、1回1錠だから調節しようすると錠剤を割らなければならないため、避けるように説明した。
     まぁ、このくらいなら大丈夫っちゃ大丈夫はある。
     ただ、医薬品の大人用と子供用を「成分の量の違いくらいに考えている」人は多いようなので、原則禁止を貫いておかないと事故が起きかねない。
     例えば、解熱鎮痛薬や外用消炎剤なんかの成分には、成長期の子供の脳にダメージを与える物があり、同じ商品名でも成分そのものを子供用の場合は変更している。
     実際、『バファリン』を量を減らせば子供に与えても良いと考えていたお客様に遭遇した事もある。
     自分用の『バファリン』と子供用に『小児用バファリン』の両方を購入するのを惜しんで、自分用の『バファリン』を量を減らして与えて良いかと。
     いや、そのお客様はちゃんと尋ねて確認をするという点において、それは賢明な判断な訳ですが、という事は確認もせずに与えている人もいる可能性を考えると、けっこう怖い(>ω<)  話が逸れた……。  今回のお客様には、口内炎はストレスによる胃の不調が関係する可能性を付け加えたところ、息子さんはスポーツをやっていて、思い当たるところがあるらしい。  そこで、『半夏瀉心湯』『半夏厚朴湯』を紹介した。
     使い分けとしては、『半夏瀉心湯』が胸から下辺りの重苦しさに、『半夏厚朴湯』が喉から胸にかけて詰まる感じがする時にといったところ。
     そして、そのスポーツに関連して、肘の痛みを訴えているという話が出た。
     ありゃん、口内炎から随分と症状が飛んだもんだ。
     口内炎の薬を案内したところで、じゃあ早速お会計を、と流れていたら辿り着けなかっただろう。
     詳しくお話を訊くと、やはり体を使うから水分補給をしているようなのだけれど、どうも冷たい物を多く飲んでいるらしい。
     冷たい飲み物は、飲んでもすぐには体に吸収されず、本来必要な分量より多く摂り過ぎてしまい、水分代謝の異常を起こす事がある。
     もちろん、運動による肘のダメージもあるのだろうから、状態を確認するために一度は病院を受診してみるよう勧めた。
     そしてストレスによる胃の不調も考えれば、『桂枝加苓朮附湯』で改善できるのではないかと考え、案内してみたところ、『半夏瀉心湯』と一緒に、お買い上げ頂けた。

     

  • 財布を持たないで買い物に出掛けるようなもの

     皮膚疾患の棚を行ったり来たりしているお客様がいたので、声を掛けてみた。
     捜し物があるのであれば、早く見つかるのが良いだろうし、皮膚疾患に適応する薬を選ぶのは風邪薬や胃腸薬よりも格段に難しいから。
     お話して頂いたところによると、病院で真菌アレルギーと診断されたという。 
     いわば、カビなんだけど、そのカビで起こるアレルギーは、花粉症がそうであるように、鼻炎になる人もいれば喘息になる人もいて、当然の事ながら皮膚疾患も引き起こす。
     お客様は、その皮膚疾患な訳だけど、病院からは内服薬と外用薬の両方が処方されているそう。
     ところが、何の薬が処方されているかは覚えていなくて、お薬手帳も持ってきていない。
     市販の内服薬なら、『タウロミン』や『アレルギール錠』があるものの、現代薬のアレルギー薬は、他の薬との相互作用が命に関わるレベルだったりするので、処方薬が不明では何一つ案内できない。
     漢方薬なら、『十味敗毒湯』とか『消風散』とか別なアプローチがあるんだけど、漢方薬は効果が遅いと思われているらしく、お話すら聞いていただけない様子。
     塗り薬にしても、塗り薬というのは皮膚から浸透すれば危険度は内服薬と変わらないので、これまた、おいそれとは販売できない。
     丁寧に説明したつもりだけど、要は「売れません」というお話なので、強く不満に思われた様子。
     うう……、話術の向上は常に課題とはいえ、薬を買いに来るのに処方されている薬に関心を持っていないとか、お薬手帳を持ってこないとか、そういう事で不満を持たれるのは理不尽だと思うの……(´。・ω・。`)
     買い物するのに財布を家に置いてきておいて、なんで売ってくれないのかと文句を言われるくらいに、理不尽だ。
     お客様のお怒りを買わないように、重ねてお薬手帳の持参をお願いしたけど。

     高齢のお客様が腰痛の薬を求めて来店し、外用薬として案内した『フェルビナク5.0』をお買い上げ。
     痛くなる時の条件付けなどを質問してみたけれど、意識した事が無いそうで、まったく手掛かりが無いため、無難なところで収めたら、そうなった。
     時間帯とか気温とか、何か特定の姿勢をした時とか、何かしら条件付けがあるはずなので、簡単なメモを残すようにアドバイスしたうえで、血流を改善する『疎経活血湯』と、患部を温めて痛みを和らげる『桂枝加苓朮附湯』を紹介した。
     高齢である事を考えると、『牛車腎気丸』も候補になるものの、高血圧については特に病院からは云われていないそうなので、今日のところは省いた。

     

  • 足が運べる時には患者さん本人に来て欲しい

     中学生のお客様から、喉の痛みと鼻炎の相談を受けた。
     たいていは家族の人が代わりにいらして、症状を又聞きのようになってしまうので、ご本人に来てもらえると大変助かる。
     寝込んでて動けないならともかく、病院に本人不在で訪ねてくるという事が有りえないように、ドラッグストアーにも出来るだけ本人に来て頂きたいところ。
     本人にしか分からない症状とか、思い当たる原因とか、薬剤の好みの形状とか、尋ねたい事柄は少なくないし、体格や肌の色艶や目元口元の状態などから得られる情報は多いので。
     今回のケースでは、花粉症があるため風邪と判別できなくて相談されたようだ。
     偏頭痛持ちで今も少し痛むものの、悪寒や発熱は無いという点から、『駆風解毒湯』を案内した。
     鼻炎については、いつもの花粉症では鼻水になるところが、今回は鼻づまりだという。
     鼻づまりは、上半身に熱が篭ると起こる症状。
     『駆風解毒湯』には冷やす効果と熱を発散する効果があるから、喉の痛みを緩和する過程で鼻づまりも軽減するはず。
     ただ、鼻水になるようだと、今度は温める必要がある事を説明して、お買い上げ頂いた。
     そして、鼻水にしても鼻づまりにしても、アレルギーの症状は基本的に下半身、特に大腸を温めると症状が穏やかになるので、ゆったりお風呂で半身浴をするよう勧めた。

     高齢のお客様が、御主人の膝の痛みの事で相談にみえた。
     昨夜に、御主人が外出先から、膝が痛くて動けなくなったと連絡があり、迎えに行ったという。
     どうやら、これまでも気温が下がったりすると同じような事があったらしい。
     ドラッグストアーに関節痛や腰痛の薬を買いに来る人の99.9999%くらいは、外用の消炎鎮痛剤を希望されるのだけれど、珍しく内服薬をと注文された。
     むしろ、この店に勤めるようになってから初めて。
     『桂枝加苓朮附湯』を案内しつつ、歩けない程では直接的に痛みを取り除くのも必要だと思い、フェルビナクの『リフェンダ』ゲルも勧めて、両方をお買い上げ頂いた。
     あと、高齢でもあるので、次の選択として『牛車腎気丸』も紹介しておいた。

     

  • 処方された薬を使い切った時

     『イブクイック』を購入したお客様に症状を尋ねたところ、休みの日に後頭部が痛むとのこと。
     普段はならないそうなので、ストレスを原因と疑い『コリッシュ』(治肩背拘急方)を紹介しておいた。
     それと、γ-GDP値が高いそうなので、『ネオレバルミン』を案内し、ビールを飲む際には温かい物を先に飲むように勧めた。
     内蔵を温めて、機能を高めておくのが日頃から大切。

     ディアナチュラの『コンドロイチン』を購入したお客様に症状を尋ねると、膝の痛みで病院に通っていて、処方されているのが切れたため来店した模様。
     まぁ、『コンドロイチン』はそれでも良いかなぁ。
     あくまり安易に、処方されている薬を使い切ったからと、ドラッグストアーで買われるのは危ないから避けてもらいたいところだけど。
     ステロイド剤を年単位で長期連用している人とか、話を聞くと反応に困って一瞬固まってしまう(;´Д`)
     できれば通院時に、薬を使い切った時についても担当医に相談しておく方が安心です。
     今回の場合、膝の痛みの症状は冷えると顕著なようなので、『コンドロイチン』だけでは『桂枝加苓朮附湯』か『牛車腎気丸』が適応するように思える。
     紹介してみたら、『牛車腎気丸』に興味を示された。

     今日は、地元の商店街で行われている『七夕まつり』の最終日。
     公文を終えた次郎と合流して、商店街に出かけた。
     奥さんは、面倒臭がって自宅待機(笑)
     小雨で、なおさら面倒な感じだからというのもある。
     行ってみたら、むしろ小雨のお陰で人通りが例年より少なくて、歩きやすかったけど。
     いつもは屋台の焼きそばなんかをその場で食べたりするところ、今回はお好み焼きやら串焼きやらを買い込んで持ち帰ることにした。
     そういえば、暴力団繋がりのテキ屋が排除されたせいなのか、商店街の飲食店が屋台を出していて、普段お店で出している材料をアレンジした物だったりするため、価格のわりに以前よりボリュームが良くなった気がする。
     一部の地域では、テキ屋を追い出した弊害で屋台が少なくなったり貧相になったという話もあるようだけど。
     

     

  • 持病や常用している薬をプロフィール欄に書いておくというのはどうか

     成人男性からの頼まれものという事で、喉の痛み止めの薬を求めてお客様が来店した。
     本人が症状を感じたのは今朝かららしく、頭重や悪寒などの症状は無い模様。
     頼まれ物の場合、確認した情報がどこまで正しいのか判断がつきかねる。
     厳密に言えば、売っちゃいけないんだろうなぁ。
     という訳にもいかないので、適応しそうな薬をチョイスする訳ですが。
     お腹は丈夫らしいので『桔梗湯』を候補にしたが、一緒に『駆風解毒湯』も案内したところ、買いに来られた方の判断で『駆風解毒湯』をお買い上げ。
     どんな判断が働いたのかが不明で、やっぱり戸惑ってしまう。
     人に頼む時も、人から頼まれる時も、最低限「現在一番苦しい症状」と「それは何時からか」の2点と、プラスアルファで「以前に同様の症状で使用した薬の成分」はチェックしておいて欲しい。
     まぁ、覚えておくのは難しいだろうから、最近ならSNSをやっている人は、使用した薬と状況を投稿してみると良い。
     後で自分の投稿を検索したりして調べられるし、親しいフォロアーさんが覚えておいてくれるかもしれないので。
     よほど隠したい持病でなければ、公言しておくのは自分の安全対策の一つとして有効でしょう。
     例えば、誰かと一緒に出かけた先で救急車で運ばれるような事態になって、自分の意識が無い時には、相手が救急車に同乗して救急隊員から、色々と質問を受けるというケースは、現実的にありえる。
     持病や、常用している薬のことなどは重要な情報だ。
     ……ああ、プロフィール欄に書いておくというのもアリかもしれないな。
     悪用されるケースは、どうなんだろう?
     悪意を持った相手から、アレルゲン物質を食事に盛られるとか?
     無くも無いだろうけど、公言していれば他の人たちが気をつけてくれるかもしれないし、私はメリットしか考えられない。

     高齢のお客様が、膝の痛みの相談で来店。
     コレステロール値が高くて通院しており、『グルコサミン』を紹介してほしいという。
     うん?
     膝の痛みでの通院ではないので?
     そう尋ねてみたら、病院からは『加味逍遙散』が処方されている事が分かった。
     コレステロール値が高いのと、どう結びつくのか分からない。
     更年期障害や、不安神経症で通院しているとかではないのか。
     こういう時、どこまで突っ込んで尋ねて良いのかも迷いどころ。
     ひとまず措いておいて、膝の痛みについての方を詳しく尋ねてみる事にする。
     すると、「温めると楽になる」という事と、「座る時がツライ」という事が分かった。
     即座に頭に浮かんだのは、『桂枝加朮附湯』だった。
     ただし、『桂枝加朮附湯』は血流の面倒までは見てくれないだろうから、患部に痺れ感があれば『疎経活血湯』も候補になるものの、痺れ感は無い様子。
     温めて楽になるというのだから、冷えが原因と考えれば、高齢者でもあるし『牛車腎気丸』という手もあるか。
     いずれにしても、『グルコサミン』を必要とするかどうかは、担当医に相談した貰った方が良さそうだ。
     漢方薬を処方してもらっている事だし。
     ここで最初の話に戻って、どうして担当医に膝の痛みの相談をしていないのか確認したら、「内科だから」との事だった。
     いえいえ、科が違っても具合の悪い所があれば、遠慮せずに伝えた方が良いですよ。
     たまたま得意分野の科を掲げているだけかもしれませんから、もしかすると分かるかもしれないし、分からなければ他の病院を紹介して貰えるかもしれませんし。
     こういう、「科が違うから相談しなかった」っていうケースは、患者さんとお話していると、わりとある。
     ドラッグストアへの買い物だと、目的の薬以外の症状については言っていただけないケースも多いんだろうなと想像。
     頭痛の原因が胃の症状と関係していたり、足の症状が心臓と関係していたりと、「症状の出ている患部だけが悪い状態」とは限らないから教えてもらいたんだけどねぇ。
     これもまた、聞き出す技術が必要で。
     ひとまず今回のお客様には、膝の痛みの漢方薬も一緒に処方してもらえるかもしれないので、担当医への相談を第一に勧めた。

     高齢の母親から膝の痛みにと、使い捨てカイロを頼まれたというお客様がいらしたのだけれど、店舗としては本部からの指示で全部返品してしまった。
     というのは、昨年までの話。
     昨年も、梅雨の今頃の時期に使い捨てカイロを求めてお客様が何人かいらした。
     それを見越して、今回は全部を返品せずに残しておいたのだ。
     上司からは嫌がられたけど(;´Д`)
     本部指示に従わないと本部のマネージャーさんからお小言を頂戴するのと(上司が)、在庫を抱えると予算との兼ね合いで店長から責められるので(上司が)。
     本当は、真っ当に説得するのが社会人というものなんだろうけど、なにしろ大型店は融通がきかない。
     花粉症関連の薬も、本部からの返品指示があり、その際にまだ残しておいた方が良いと提案したのだけれど、こちらはパート、上司は社員だから、指示に従わないという選択が無いもんで各商品を一品づつのみ残して返してしまい、翌日からのアレルギーの患者さんへの対応に苦労した。
     なにしろ1個売れたら、在庫切れなんだもの( ̄▽ ̄|||
     まぁ、漢方薬だけは返品リストの対象外だったから、漢方薬が嫌というお客様以外には困らなかったけど。
     とにかく、大型店は商品の取り扱いがシーズンごとに極端すぎる。
     で、今回は使い捨てカイロの一部をケースに片付けて上司の目につかないように倉庫に保管し、そのまま返品せずに「忘れてました、テヘッ(*ノω・*)」と返品期日の締め切りが過ぎるのを待つという、社会人にあるまじき方法で確保した次第。
     そしたら、今回のお客様に在庫を買い占められてしまった。
     あうっ……ヽ(´Д`;)ノ
     患者さん本人は膝の痛みに他にビタミン剤を服用しているらしいのだけれど、やはり患部を温めると楽になるという事で、『桂枝加朮附湯』か、血流の面倒も見る『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。

     

  • 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
    炎症や代謝の異常あるいは皮膚炎にともなう体のほてり、口の渇き、皮膚の瘙痒(かゆみ)、糖尿病の初期


    適応症状

     炎症や代謝の異常あるいは皮膚炎にともなう体のほてり、口の渇き、皮膚の瘙痒(かゆみ)、糖尿病の初期

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(9.0g)中、次の成分を含みます。
        せっこう(石膏)15.0g
        ちも(知母)5.0g
        かんぞう(甘草)2.0g
        にんじん(人参)1.5g
        こうべい(粳米)8.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.0g含有します。

    類似処方鑑別

    八味地黄丸
     軽度の口渇、頻尿などの排尿異常を認め、全身倦怠感、腰脚の冷えや痛みを訴える場合に用いる。

    牛車腎気丸
     
    尿量減少、浮腫が一層顕著で、全身倦怠感、腰脚の冷えや痛みをやや強く訴える場合に用いる。

    消風散
     比較的体力が充実した人で、口渇があり、患部の湿潤と瘙痒感が顕著で、痂皮(かさぶた)の形成と苔癬化がある場合に用いる。

    温清飲
     体力中等度の人で、皮膚の発赤、熱感、瘙痒感は強いが、患部は乾燥して、口渇を伴わない場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
    下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ

    適応症状 

     比較的体力の低下した人、あるいは老人で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または夜間に多尿で時に口渇がある次の症状:
     下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      ジオウ(地黄) 5.0g
      ゴシツ(牛膝) 3.0g
      サンシュユ(山茱萸) 3.0g
      サンヤク(山薬) 3.0g
      シャゼンシ(車前子) 3.0g
      タクシャ(沢瀉) 3.0g
      ブクリョウ(茯苓) 3.0g
      ボタンピ(牡丹皮) 3.0g
      ケイヒ(桂皮) 1.0g
      修治ブシ末(修治附子末) 1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス2.25g含有します。

    類似処方鑑別 

    八味地黄丸
     本方の使用目標に比して、尿量減少、浮腫、下肢の痛み、腰痛などが比較的顕著でない場合に用いる。

    六味丸
     本方の使用目標に比して、冷え、浮腫が軽度で、あるいは八味地黄丸、牛車腎気丸を服用して、のぼせ感を呈する場合に用いる。

    猪苓湯
     口渇、頻尿、残尿感はあるが、排尿痛の著しい場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蛎湯
     精力減退、遺尿などの症状があり、不安、不眠などの精神神経症状が強く、臍傍に大動脈の拍動亢進を認める場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。
     (3)自覚的に熱感のある患者、または肥満体質の患者。(熱感、ほてり、発汗、しびれ等の症状が現れる場合がある。)
     (4)著しく胃腸虚弱な患者。(軟便、下痢、腹痛、胃部不快感、食欲不振等の胃腸障害を起こすことがある。)
     (5)発疹、瘙痒等の過敏症状が現れる事がある。
     (6)妊婦および、妊娠している可能性のある婦人には慎重に投与する事。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

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