• タグ別アーカイブ: 葛根湯加川きゅう辛夷
  • 登録販売者としての迷い、あれこれ

     やや高齢のお客様が膝用サポーターを購入されるさいに、膝痛や腰痛にグルコサミンやコンドロイチンの効果について質問を受け、毒にも薬にもならないことと、目や皮膚などにも使われるため狙ったところには行かないと説明したところ、整形外科の医師からも「役に立たない」と言われ、内科の医師には「気持ち程度には」と言われたそう。
     さもありなん。
     外科医からは手術を勧められているものの、手術をした人の話を聞いて術後の痛みなどが怖く、決心がつかないという。
     術後の治りとリハビリの事を考えると、体力のあるうちの方が良いのではとお話した。
     お客様からは「加齢のせい」と言われたので『牛車腎気丸』と比較しながら『疎経活血湯』を案内してみたが、膝痛に冷えが関係するようだったため『桂枝加朮附湯』を紹介し担当医に相談してみるよう勧めると、外科医は薬を出したがらないと言われて、似た処方の『桂枝加苓朮附湯』を案内したら購入された。
     おくすり手帳に市販薬も記録して担当医に報告するようお願いすると、先生は怖いから嫌と言い、調剤の薬剤師さんは相談しやすいというので、その薬剤師さんにはお話するようにと勧めた。
     患者さんに医師による治療だけを勧めるのもなんか違うし、さりとて安易に他の薬の使用も勧められないし、患者さんを説得する立場でもないし。
     うむぅ、登録販売者の立ち位置は難しい……。

     お客様が『チクナイン』(辛夷清肺湯)をレジに持ってきたさいに使用経験を尋ねると初めてとのことだったので、比較として鼻水と鼻づまりを行ったり来たりする場合の『葛根湯加川きゅう辛夷』と、鼻づまりで夜も寝られないくらいの時に使う『荊芥連翹湯』を紹介したところ、鼻づまりというより鼻の奥で苦い味がするというため、胃の不具合の可能性を伝えたうえで適用すると考えられることを説明し、そのままお買い上げいただいた。
     消化に良い食事を勧め、お客様がタバコ臭かったので咳になった場合の『ダスモック』(清肺湯)も紹介した。
     シャワー派のうえ朝に浴びるというので、皮膚が薄くて太い血管が通っている首筋辺りや背中にシャワーを浴びるよう伝えた。
     登録販売者としては、少なくとも薬を購入されるさいの適応の確認はして、自動販売機にならならずに情報提供はしないとね。

     高齢のお客様から疲れ目に「高いのはどれがイイんだ?」と目薬の説明を求められたため、価格と効き目には直接的な関係は無いことを伝えたうえで、800円~1500円の価格帯の物を紹介し、『スマイル40EXゴールド』をお買い上げいただいた。
     熱いお湯に浸したタオルを目に当て、細い血管を開いて血流を良くすることも大事なことを伝えた。
     自分が貧乏性なもんで、どうも高価格帯の商品を勧めにくい。
     登録「販売者」という職名なれど、自分は商売には向いてませんな。

     

  • 医師によっても知識の幅や方針が異なるから諦めないで

     お客様が『チクナイン』(辛夷清肺湯)をレジに持ってきたけれど、鼻汁が喉に落ちてくるか確認するとそれは無いという。
     『チクナイン』を選んだのは、たまたま目についただけとのことだったし、鼻水と鼻づまりを行ったり来たりすることも無く、鼻づまりだけだというため『荊芥連翹湯』を案内し、お買い上げいただいた。
     鼻水と鼻づまりを行ったり来たりする場合には、『葛根湯加川きゅう辛夷』が適応する。
     どうやらお客様は以前に、蓄膿症の手術を受けたようだ。
     鼻づまりは上半身に不要な熱が篭もっていると考えられ、体内の熱を循環させるために入浴を勧めたがシャワー派だというので、鼻の付け根と首周りを重点的に浴びるよう勧めた。

     お客様から『イブA錠EX』と『イブクイック頭痛薬』の比較を尋ねられ、前者の方がイブプロフェンが濃いと伝えると、「強いということですね」と言われるので、後者には胃の保護のために酸化マグネシウムが入っていて、薬は強ければ良いというものではないことを説明した。
     使うのはご主人で、偏頭痛とそれにともなう吐き気もあるというため『呉茱萸湯』を紹介した。
     というのも、ズキズキするタイプの偏頭痛は胃の不具合と関係するからだ。
     今回は頼まれ物でもあるので、『イブクイック頭痛薬』を購入された。
     ご主人は頭痛外来を受診したことはあるようだが、詳しい説明を受けたかは不明で、医師からは「一生付き合うしかない」と言われたという。
     しかし、医師によっても知識の幅や方針が異なるため、諦めずに他の医師も探してみるよう勧めた。
     それから、痛みを伝達するホルモンと胃を保護するように指示するホルモンは同じことを説明し、痛みを伝達するのを阻止すると胃を保護する機能も止まってしまうため、偏頭痛がしたら食事は消化の良い物に切り替えた方が良いことを伝えた。

     孫らしい小さな子供を連れたお客様から『タイレノール』を求められ、子供に使うのかと思い年齢を尋ねたところ、母親が発熱と腰痛を訴えていて頼まれたという。
     どうして『タイレノール』を指定してるのか分からないが、炎症に対しては弱いことを説明し、他の解熱鎮痛剤では駄目なのか尋ねると分からないようで、成分によって効果が違い体質との相性もあることをお話しすると、『バファリンA』と一緒に購入された。
    体としては発熱することで改善しようとしているので、むしろ発熱を助けるために入浴や温かいものを飲んだりか半身に厚着をするよう勧めた。
    また消化にエネルギーを取られると回復に時間がかかるので、食欲があっても量を控えて消化に良い食事をするようお話した。

     

     

  • 薬の代わりにサプリメントというのは注意

     お客様から、ご主人が咳と鼻炎を訴えているとのことで相談を受け、病院で処方された咳止めと鼻炎薬を使い切り去痰剤だけが残っているというお話だったが、それぞれの薬の内容は不明。
     処方薬が分からないため漢方薬を提案し、鼻水と鼻づまりをいったりきたりしているようなので『葛根湯加川きゅう辛夷』を、咳には『麦門冬湯』の併用を提案した。
     鼻炎は胃とも関係があり、消化の良い食事をして胃をいたわれば治るかもしれないので、咳とどちらが苦しいか本人に連絡して確認をとっていただいたところ、『麦門冬湯』を使うことに決まった。
     授乳中は漢方薬が良いか尋ねられたので、漢方薬でも種類によることをお話した。
     例えば『葛根湯』は赤ん坊が興奮して寝つかなくなる可能性があるし、『桔梗湯』はお腹を緩くしてしまうことが考えられるため、授乳を済ませてから服用する方が良い。
     服用するタイミングが食後などに縛られる物が少ないという点においては、漢方薬の方が運用しやすいかも。

     子供を連れたお客様が『サンテメディカルガードEX』をレジに持ってきたけれど、結膜炎に使うというので抗菌目薬を提案し、しょっちゅうなる訳ではないとのことから、分包になっている『ロート抗菌目薬i』を勧めてお買い上げいただいた。
     目薬を差した後には上を向いたまま瞬きをするのではなく、目を閉じて下を向き1分ほどそのままにしているのが効果的なことを伝えると、一緒にいた子供が驚いていた。
     子供にも良い機会になったと、勝手に思う。

     高齢のお客様から整腸剤について尋ねられ『ザ・ガードコーワ整腸錠α³+』を案内したうえでヒアリングすると、ガスが溜まるというので『ガスピタン』も紹介した。
     しかし薬には抵抗感があるらしく、詳しくお話を訊くと小柄なわりには1日3食を「ちゃんと」食べているとのこと。
     加齢により内臓の機能が低下していると考えられるため、一回の量を減らして回数を増やす方法を提案した。
     すると、以前に骨粗鬆症と診断されたもののの薬は怖くて処方を断り、代わりにサプリメントの『カルシウムマグ』を飲んでいるという。
     その量も成人の目安量を飲んでいるそうなので、ガスが溜まりやすいのはそれが原因の可能性もあることをお話した。
     また、薬の方は効果が確認できていて量も調節しやすいし、医師の監督下で服用するものだから、サプリメントよりも安全に運用できることを伝えた。
     サプリメントがサプリメントで止まっている理由は様々で、医学的な効能が認められていないからとか、特定の成分の濃度が医薬品の基準より少ない物もあれば、医薬品の基準より濃いためという物もある。
     薬を避けてサプリメントを使いたいという場合でも、医師に相談しながらの方が良い。

     

  • 寝る時に鼻が詰まってしまったら

     お客様から、鼻づまりの相談を受けた。
     中学生の頃から繰り返してるとの『葛根湯加川きゅう辛夷』を勧めたうえで、比較として鼻づまりで寝られないくらいの時の『荊芥連翹湯』と、胃が弱って鼻汁が喉に落ちてくる場合の『辛夷清肺湯』を紹介した。
     本日は相談のみとなり、下半身を温めて上半身に溜まりがちな熱を循環させることと、鼻が詰まった時には首の片側の頚動脈を押さえると、その反対側の鼻は通ることを教えた。
     寝る時に鼻が詰まってしまったら、横を向いて枕を頭ではなく首に当てて頚動脈を押さえるんである。

     お客様から空腹時の胃痛の相談を受け、食欲はあるとのことだったが疲労もしているというため、『大正漢方胃腸薬』と『スクラート胃腸薬S』を案内し、後者をお買い上げいただいた。
     出張続きでホテルではシャワーで過ごしていたというため、帰ったら長めの入浴をするよう勧めた。
     長期間をシャワーで過ごさなければならない時には、シャワーを正面から浴びるのではなく背を向けて首から腰にかけて浴びると、神経が刺激され血流も良くなることにより疲労を軽減できるのでお試しあれ。

     夫婦のお客様から『ヴィックスヴェポラップ』を求められ、お会計をしながらヒアリングすると幼児の鼻づまりに使うとのことだった。
     鼻づまりは体内の熱が上半身に溜まり、循環が上手くいっていないのが原因と考えられるため、下半身を温めるよう勧めた。
     また、寝る時は身体を横向きにして枕を首に当てると、反対側の鼻は通ることを教えた。

     

  • 痒くなくても水虫の場合があります

     お客様から踵(かかと)の乾燥対策に、『メンソレータム』と『オロナインH軟膏』のどちらが良いかを質問され、どちらも油分によって患部を保護するものであり、前者には弱い麻酔薬が入っていて後者には消毒薬が入ってることを説明した。
     用途からすると保水する尿素入りの物も候補になることをお話したうえで、今回は『メンソレータム』をお買い上げいただいた。
     幹部はカサカサしているということだったが、踵水虫の可能性も伝えてみると「痒くないから」と否定された。
     ううん、踵水虫は痒みを感じるほうが珍しいんだけどねぇ。

     高齢のお客様が『コルゲンIB透明カプセルα』のパッケージの切れ端を持ってきて、同じ物をと注文された。
     ちょうど成分表示から外れた部分だったため中の成分が分からず、うちの店には置いていない薬なので似た処方の薬を紹介することもできなくて困った。
     以前に使ったら良く効いたとのことだったが、主訴は鼻づまりと痰で、病院で処方された『葛根湯加川きゅう辛夷』は駄目だったという。
     しかしさらに詳しくヒアリングすると、鼻汁が喉に落ちてくるというため『チクナイン』(辛夷清肺湯)を案内し、試していただくことになった。
     漢方薬で鼻づまりを考える場合、『葛根湯加川きゅう辛夷』が適応するのは鼻づまりと鼻水を行ったり来たりする場合で、鼻づまりにより息苦しく寝るのも大変という時には『荊芥連翹湯』を使い、鼻づまりして喉に鼻汁が落ちてくるという今回のケースでは『辛夷清肺湯』が向いている。
     そして『辛夷清肺湯』の処方は胃薬に近く、鼻汁が喉に落ちてくるというのは胃が弱っている証拠でもある。
     だから、この症状が起きている時には消化に良い食事をすることが大事なのだ。
     また、お客様は入浴はせずシャワーで済ませているというため、鼻の付け根と首の周りにも浴びるよう勧めた。
     もちろん一番良いのは、じっくりと入浴をすることである。

     若いお客様が『龍角散ダイレクトスティック』と『浅田飴』を持ってきたので、前者が喉の炎症を抑えるのに適していて後者は咳止めに向いていることを説明した。
     主訴は喉の痛みで、咳は無いというお話から『龍角散ダイレクトスティック』の他に、口内炎にも適応する『パブロントローチAZ』を案内したところ、後者を購入された。

     

  • 高齢者の『イソジンうがい薬』の使いすぎに注意

     お客様が鼻炎薬を求めて来店したけれど風邪をひいていたそうで、まだ鼻汁に色がついているというため『葛根湯』を提案すると、家にあるものの「風邪の初期に使うもの」だと思って今回は使っていないとのこと。
     そして、より鼻炎向けの『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介したところ、お買い上げいただいた。
     私も普段から、お客様にもこの日記でも『葛根湯』は早め早めに使い、風邪の初期というのは発熱したり症状がハッキリする前と説明しているけれど、上半身を温めれば改善すると考えられる症状には全般的に使えるのである。
     お客様には入浴を勧めたところ、帰りが遅くなりがちでシャワーで済ましてしまうということだったが、体内を温めるのと疲労回復には寝る時間を削ってでも入浴した方が良い事をお話した。

     以前に、ご主人の息苦しい咳に『ストレージH』(半夏厚朴湯)を勧め使っていただいたお客様から、続けて良いか尋ねられた。
     効いているとのことなので、継続して大丈夫なことを伝え、適宜増減での運用方法もあることをお話した。
     つまり症状が軽くなったら、1回量や1日の回数を減らしても良い。
     もっとも、それもこうして相談してもらえた方が最善である。

     高齢のお客様が『イソジンうがい薬』を買いに見えたけれど、現に喉が痛む場合には避けるようお話したところ、朝と夜の2回使っているという。
     家族が風邪をひいているというのでなければ、普段のうがいは水道水で十分なことと、体を守る常在菌まで消毒してしまう可能性をお話して、本日はお帰りになった。
     今回は話の流れから伝えることができなかったけど、お年寄りで『イソジンうがい薬』を使っている人は多く、その目的は風邪の予防というよりは、喉のイガイガ感や乾燥感のためであるようだ。
     しかし、高齢者の喉の乾燥感というのは水分量が減って保水しにくいからなので、上半身に保水する『麦門冬湯』の方が必要だったりする。
     もし高齢の家族が『イソジンうがい薬』を常備しているようだったら、上記の可能性を伝えてもらいたい。
     『イソジンうがい薬』では、余計に喉の粘膜を荒らして保水力を落としてしまうので。

     

  • セルフメディケーションと家庭の事情

     高齢のお客様からマウスピースの洗浄の相談を受け、『キッチンハイター』で洗っても汚れが落ちないというため、部分入れ歯用の『ポリデント』を案内し購入を決められた。
     その後に、病院から肩こりに『釣藤散』『葛根湯』が、ドライアイに『白虎加人参湯』が処方されてるというお話があった。
     また入眠困難なため、ベンゾジアゼピン系の安定剤も処方されているという。
     しかし、頭痛に『ロキソニン』や『イブ』だけでなく『プレミアムバファリン』なども効かず、『ケロリン』を常用していて、漢方薬は効いてるかどうか分からないから飲んでいないというお話だった。
     ん?
     『ケロリン』が効いてるなら、『バファリンプレミアム』じゃなくて『バファリンA』が効くんじゃないかな。
     『バファリンA』に胃薬になる桂枝が入ってるのが『ケロリン』で、効かなかったという薬に共通するのはロキソニンと、化学構造式の似ているイブプロフェンが入っている点。
     アセチルサリチル酸、いわゆるアスピリンが効くということなのではあるまいか。
     それと、『ケロリン』には無水カフェインが入っていて、それが睡眠を妨げている可能性が考えられるから、それなら『バファリンA』の方が向いているはずだ。
     『バファリンプレミアム』は名前が豪華だけど、『バファリンA』の上位版という訳ではなく成分違いの別物である。
     それらを説明し、お客様の頭痛は朝方に後頭部が痛むというお話だったので、『釣藤散』を先に使ってみるよう勧めたところ、家に余っているというのに『ズッキノン』(ズッキノン)を購入された。
     担当医や薬剤師が話を聞いてくれないという不満を述べていて、それを私が聞いていたことのお礼のつもりで購入されたのかもとも思った。
     『ケロリン』を勧めたのは息子さんとのことで、息子さんは調剤薬局に勤務している薬剤さんなのだとか。
     ただ、その息子さんにはあまり自分の症状や薬の話を訊かないようにしている模様。
     この辺りは複雑ですな。
     家庭の事情には立ち入りにくい。

     親子のお客様が来店し、母親が『エスタックイブ』をレジに持ってきたけれど、患者は高校生の娘さんの方で主訴は鼻づまりとのこと。
     本人にヒアリングしてみると他に症状は無いと言うので鼻炎薬を提案したところ、母親が割り込んで「花粉症じゃない」「風邪だと思う」と代弁された。
     市販の風邪薬はどれを選んでも咳止めが入っていることが多く、咳が出ていないのに服用すると体の負担になって、本格的な風邪に進行してしまう可能性がある。
     また、鼻炎は花粉症とは限らないことを説明し、『パブロン鼻炎カプセルSα』や『ストナリニS』などを紹介すると、母親から「分からないからお勧めを選んで」と言われ、本人に確認したうえで『パブロン鼻炎カプセルSα』を使っていただくことになった。
     『葛根湯加川きゅう辛夷』も提案したのだけれど、母親が漢方薬を嫌いらしく却下された。
     娘さんを大切にしているのは分かるものの、娘さんの話も聞かず、娘さんに判断させることもしないというのは、余計なお世話なれど、なんだか心配である。
     本人には、鼻づまりは上半身に熱が篭って循環していないのが原因と考えられることを説明し、普段はシャワーだと言うので入浴して下半身を温めると熱が循環して鼻づまりが少しは楽になることを伝えた。
     どうにも家庭の事情には立ち入りにくい。
     でもそれが、今後の健康に関わってくるんだよねぇ( ´Д`)=3

     

  • 奥さんを愛していれば店員に相談できるはず!?

     風邪薬の棚で『ベンザブロックL』を選ばれたお客様が、その後も電話をしたり『葛根湯』を見たりしていたため声をかけたところ、妊娠中の奥さんが鼻水と喉の痛みと咳があるとのことだった。
     鼻水は黄色いそうだから、総合的に見て風邪と考えて良いだろう。
     3日ほど前からだというから、すでに『葛根湯』を使うには遅いことと、そもそも妊娠中は薬を使うのは避けた方が良いこと、そして漢方薬だからといって安全ではないことをお話した。
     そのうえで、鼻の症状に合わせた場合には『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介してみたら、家には以前に処方された『小青竜湯』があると教えられた。
     もちろん、咳には『葛根湯加川きゅう辛夷』は適応しないし、鼻づまりに『小青竜湯』は合わない。
     ただ、家にある薬の情報というのは大事なので教えてもらえると助かる。
     風邪自体は放っておいても治るため、高熱でなければ自然治癒を待つのが最善なれど、咳は抑えておかないと体力の低下につながるため咳止めに『麦門冬湯』と、今後の体力の維持に『柴胡桂枝湯』も考えられるが、咳はそれほどでもないようなので、喉の痛みと鼻づまりに合わせて今回は『銀翹散』を提案し、お買い上げいただいた。
     それにしても、奥さんが妊娠しているのにどうして相談もせず自分で薬を選んで買おうと思ったのか。
     もっとも、『銀翹散』にしても妊娠中の服用は医師や薬剤師そして登録販売者に相談をすることとなっており禁忌ではないものの、相談されたらされたで困ってしまうのだけれど。
     それだけに、妊娠中の奥さんに使わせる薬を安易に選んで買うのは避けてもらいたい。
     奥さんを愛しているのなら。
     ……( ゚д゚)ハッ!!
     特に奥さんを愛していない私は?

     お客様が『葛根湯加川きゅう辛夷』と『チクナイン』(辛夷清肺湯)を見較べいたので声をかけたところ、鼻づまりでスッキリしないとのことだった。
     そこで『荊芥連翹湯』も候補に加えて、体を温めると症状が楽になる場合『葛根湯加川きゅう辛夷』を、冷やすと楽になるのなら『荊芥連翹湯』、そして鼻汁が喉に落ちる場合は胃を悪くしている可能性があり『辛夷清肺湯』が適応すると説明した。
     今回は『葛根湯加川きゅう辛夷』辛夷をお使いいただくことになったので、のぼせないように気をつけつつ入浴時間を長くし、温かい物を積極的に飲むよう勧めたところ、「聞いて良かった」と言っていただけた。

     

  • 喉の症状を花粉症とは気づかないことがある

     お客様から、連れている9歳の子供の花粉症の相談を受け、主に鼻づまりで鼻水にもなるとのことから『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内した。
     錠剤を選ばれたため、しないとは思うが念のため服用のさいにはいっぺんにではなく、一錠ずつ飲むようにお話した。
     また本人には、温かい物を積極的に飲むことと、入浴を長くすること、そして下半身を厚着してお腹周りを温めると症状が軽くなることを説明した。
     子供を連れずに親が薬を買いに来るということが多いが、できれば子供自身に自分の健康を考えてもらいたいし、いずれ自分の薬を自分で選ぶというふうになってもらいたいので。

     お客様からテーピングを求められ案内したところ、13歳の子供がサッカーをしていて、よく怪我をするとのことだった。
     一緒に『サロンパス』を購入されるため、打ち身などの初期にはインドメタシン製剤が適していることをお話すると、以前に自分に処方されていた湿布を使わせていたというので、薬剤の名前を尋ねるも分からなかった。
     貼り薬にも年齢制限があることを伝えると驚かれ、今回はインドメタシン製剤の『ハリックス55IDプラス』をお買い上げいただいた。
     大人に処方された薬を子供に使わないことと、使わせていた湿布も持ってきてもらえれば成分を調べられることを伝えた。

     やや高齢のお客様が『龍角散ダイレクトトローチ』を購入されるさいに痰の有無を確かめると、無いとのことだったから適応する。
     痰が絡むようであれば、『龍角散ダイレクトスティック』の方を勧めることになる。
     しかしお客様は花粉症があり、主訴である喉のイガイガはそのせいではないかというお話が本人からあったため、『麦門冬湯』を紹介してみた。
     花粉症と言うと目の痒みや鼻炎を主な症状と考えがちで、喉の症状を花粉症とは気づかないことがある。
     なにしろ粘膜に反応するので、花粉が胃に入れば吐き気がしたり食欲低下を起こすこともあり、そういう時には『柴胡桂枝湯』が使える。
     お客様は初め『浅田飴』を舐めていたそうだけれど、主訴からすると『龍角散ダイレクトトローチ』の方が適応すると考えるられることを伝えて、お買い上げいただいた。

     

  • 鼻づまりで寝にくい時には首の横を押さえる

     お客様から『ビオフェルミン』を求められ詳しくお話を訊くと、高校生の息子さんが寮生活をしていてお腹を壊しやすいため、養護教諭からビオフェルミンを持たせてはどうかと勧められたと言う。
     『新ビオフェルミンS』を案内したうえで、より整腸効果の期待できる『アペテート整腸薬NA』を紹介した。
     というのも乳酸菌は胃酸に弱く、腸にたどり着く前に多くが死滅してしまい、その乳酸菌を腸で納豆菌に育て直してもらおうのが『アペテート整腸薬NA』で、『ザ・ガード整腸錠』などの類似品がある。
     また、お腹を壊しやすいのがストレス性と仮定した場合には、『桂枝加芍薬湯』も候補になることをお話して、本日は『新ビオフェルミンS』をお買い上げいただいた。

     お客様から、ご主人の花粉症の相談を受け、初めてなったとのことで主訴は鼻づまりだそうなのだが、以前に使ったことがある鼻炎薬は覚えていないというため、比較的眠くなりにくい『ロートアルガードチュアブル』を案内した。
     お客様自身は以前に私が勧めた『葛根湯加川きゅう辛夷』が効いたとのことなのだけれど、ご主人は鼻づまりが強く夜に口を開けて寝ているというお話から『荊芥連翹湯』を提案した。
     今回は、ご主人が漢方薬を好むか分からないため『ロートアルガードチュアブル』をお買い上げいただいた。
     花粉症は防衛機能を担っている腸の機能が低下して花粉を敵だと誤認することで起きるという説があるため、腸内環境を整えるのにお腹周りを温めるよう伝えた。
     しかし、お客様が帰った後で鼻づまりで寝にくい場合に鼻の通りを良くする方法をお話しするのを忘れてしまったのを思い出した。
     具体的には首の片側の頸動脈を押さえると、その反対側の鼻の通りは良くなるのである。
     だから寝る時には硬めの枕を、頭ではなく首に当たるように横になって寝ると、少なくとも片側の鼻は通って息が少しは楽になるのだ。