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  • 喉の症状を花粉症とは気づかないことがある

     お客様から、連れている9歳の子供の花粉症の相談を受け、主に鼻づまりで鼻水にもなるとのことから『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内した。
     錠剤を選ばれたため、しないとは思うが念のため服用のさいにはいっぺんにではなく、一錠ずつ飲むようにお話した。
     また本人には、温かい物を積極的に飲むことと、入浴を長くすること、そして下半身を厚着してお腹周りを温めると症状が軽くなることを説明した。
     子供を連れずに親が薬を買いに来るということが多いが、できれば子供自身に自分の健康を考えてもらいたいし、いずれ自分の薬を自分で選ぶというふうになってもらいたいので。

     お客様からテーピングを求められ案内したところ、13歳の子供がサッカーをしていて、よく怪我をするとのことだった。
     一緒に『サロンパス』を購入されるため、打ち身などの初期にはインドメタシン製剤が適していることをお話すると、以前に自分に処方されていた湿布を使わせていたというので、薬剤の名前を尋ねるも分からなかった。
     貼り薬にも年齢制限があることを伝えると驚かれ、今回はインドメタシン製剤の『ハリックス55IDプラス』をお買い上げいただいた。
     大人に処方された薬を子供に使わないことと、使わせていた湿布も持ってきてもらえれば成分を調べられることを伝えた。

     やや高齢のお客様が『龍角散ダイレクトトローチ』を購入されるさいに痰の有無を確かめると、無いとのことだったから適応する。
     痰が絡むようであれば、『龍角散ダイレクトスティック』の方を勧めることになる。
     しかしお客様は花粉症があり、主訴である喉のイガイガはそのせいではないかというお話が本人からあったため、『麦門冬湯』を紹介してみた。
     花粉症と言うと目の痒みや鼻炎を主な症状と考えがちで、喉の症状を花粉症とは気づかないことがある。
     なにしろ粘膜に反応するので、花粉が胃に入れば吐き気がしたり食欲低下を起こすこともあり、そういう時には『柴胡桂枝湯』が使える。
     お客様は初め『浅田飴』を舐めていたそうだけれど、主訴からすると『龍角散ダイレクトトローチ』の方が適応すると考えるられることを伝えて、お買い上げいただいた。

     

  • 鼻づまりで寝にくい時には首の横を押さえる

     お客様から『ビオフェルミン』を求められ詳しくお話を訊くと、高校生の息子さんが寮生活をしていてお腹を壊しやすいため、養護教諭からビオフェルミンを持たせてはどうかと勧められたと言う。
     『新ビオフェルミンS』を案内したうえで、より整腸効果の期待できる『アペテート整腸薬NA』を紹介した。
     というのも乳酸菌は胃酸に弱く、腸にたどり着く前に多くが死滅してしまい、その乳酸菌を腸で納豆菌に育て直してもらおうのが『アペテート整腸薬NA』で、『ザ・ガード整腸錠』などの類似品がある。
     また、お腹を壊しやすいのがストレス性と仮定した場合には、『桂枝加芍薬湯』も候補になることをお話して、本日は『新ビオフェルミンS』をお買い上げいただいた。

     お客様から、ご主人の花粉症の相談を受け、初めてなったとのことで主訴は鼻づまりだそうなのだが、以前に使ったことがある鼻炎薬は覚えていないというため、比較的眠くなりにくい『ロートアルガードチュアブル』を案内した。
     お客様自身は以前に私が勧めた『葛根湯加川きゅう辛夷』が効いたとのことなのだけれど、ご主人は鼻づまりが強く夜に口を開けて寝ているというお話から『荊芥連翹湯』を提案した。
     今回は、ご主人が漢方薬を好むか分からないため『ロートアルガードチュアブル』をお買い上げいただいた。
     花粉症は防衛機能を担っている腸の機能が低下して花粉を敵だと誤認することで起きるという説があるため、腸内環境を整えるのにお腹周りを温めるよう伝えた。
     しかし、お客様が帰った後で鼻づまりで寝にくい場合に鼻の通りを良くする方法をお話しするのを忘れてしまったのを思い出した。
     具体的には首の片側の頸動脈を押さえると、その反対側の鼻の通りは良くなるのである。
     だから寝る時には硬めの枕を、頭ではなく首に当たるように横になって寝ると、少なくとも片側の鼻は通って息が少しは楽になるのだ。

     

  • 寒い季節の子供の厚着は下半身も忘れずに

     幼児を連れて風邪シロップを見ていたお客様から下痢の相談を受けたため、3歳から使える『エクトールDX』を案内した。
     しかし詳しくお話を訊くと、保育園でお腹の風邪が流行っているということが分かり、その場合は下痢を止めてはいけないことを説明した。
     下痢は体から毒を排出するためでもあるから、早く出し切ることこそが重要なのだ。
     もちろんその場合には、脱水症状を防ぐために小まめな水分補給が必要となる。
     お客様には胃腸炎に適応する『柴胡桂枝湯』を案内してみたところ味を心配されたので、『葛根湯』などに比べて不味くないことをお話したうえで、『おくすり飲めたねチョコレート味』と一緒にお買上げいただいた。
     果物味だと、漢方薬の苦味を強調してしまうので。
     一般に漢方薬は不味いというイメージは、『葛根湯』の苦味と辛味のせいだと思われる。
     今回、患者である子供は吐いてはいないということだったが、もし嘔吐している場合には『柴胡桂枝湯』を一回分いっぺんに服用させるのではなく小皿にお湯と『おくすり飲めたねチョコレート味』で、溶いてスプーンを舐めるように服用させる方法を伝えた。

     幼児を連れたお客様が来店し、子供の咳が湿った音をしていたため気にかけていたところ『ムヒこども鼻炎シロップ』を購入された。
     子供は透明な鼻水が出ているようだったので、湿った咳の特徴と照らし合わせて内臓が冷えている可能性を伝え、その子の服装からして上半身だけではなく下半身も温めるように勧めた。
     うちの奥さんもそうだったが、寒い時期に子供の上半身に厚着をさせても、下半身は疎かになってしまうことをお話しすると「勉強になりました」と言っていただけた。

     やや高齢のお客様が来店し、自分が使っているヘアリキッドと同じ物が分からないから、そのメーカーのカタログは置いていないかと問われ、置くいていませんと答えると「商品の説明をメーカーから受けていないのか!!」と激昂されて困った。
     メーカーによっては営業さんが回ってくることはあるけれど、ほとんどの商品は説明など無いままに仕入れてるので、とんだ無茶振りである。
     とりあえず怒鳴られるまま怒鳴られ続けて、ようやく疲れたらしいところでメーカーのお客様相談室に代わりに電話してみますと提案したところ、「そこまではしなくていい」と言われた。
     さっきの激昂は、なんだったんだ(^_^;)
     そして、「イボの薬を売ってくれ」と言われたため『イボコロリ』を案内したところ、病院で凍結治療を受けていて患部は顔や首回りだと言うので使えない事をお話した。
     すると病院で飲み薬のことも聞いたものの思い出せないというので、おそらく『ヨクイニン錠』のことでしょうと紹介した。
     日常の飲み物をハト麦茶にするなどの方法も勧め、本日はお帰りになった。

     

  • 患者さん自身が病気を決めてしまうのも問題あり?

     お客様が『桔梗湯』をレジに持ってきたのだけれど、鼻水が出ていたため適応しないことをお話した。
     『桔梗湯』は喉の炎症などにおいて冷やす力が強く、お腹の弱い人の場合は下してしまうこともある。
     そして鼻水が出る時というのは内臓が冷えている時なので、『桔梗湯』は避けた方が良い。
     お客様は、痛むのは喉の奥だと言うので胃炎の可能性をお話したのだが、「風邪だから」と否定された。
     もちろん登録販売者は病気の診断なんかできないし、診断できるのは法的にも技術的にも医師だけ。
     その点からすると、患者さん自身が病気を決めてしまうのも問題あるんだよね。
     そして透明の鼻水は風邪とは関係ないと考えられるのだけれど、どうしても鼻水や喉の痛みを風邪と直結して考えられやすい。
     とりあえずお客様の要望を満たすのが優先なので、喉の痛みには『駆風解毒湯』を案内し、お使いいただくことになった。
     鼻水の方は、お風呂に長めに入るとか温かい物を飲むとかするだけで対応は充分なことをお話すると、それは納得していただけた模様。
     また、体がだるいと言うので『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     ドリンク剤を一緒に飲んで良いか訊かれたから、食事を控えるなら良い選択ですと答え、そのさいにはノンカフェインの物をと『新ヒストミンゴールド液』を勧めた。
     カフェインが入ってる栄養剤は、そのせいで体が元気になったと錯覚するだけなので、それで無理をしてしまうと本当の風邪に進行してしまう危険がある。

     幼児を連れた夫婦のお客様が来店し『ルルアタックEX』を見ていたため気にかけていたところ、『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたので使用者を確認すると奥さんだったのだが、授乳はしていないとのこと。
     ただ、主訴は喉の痛みだそうなので、風邪薬としては喉の痛みに対応する成分の入っていない『パブロンSゴールドW』より、『ルルアタックEX』の方が向いている。
     どうして『ルルアタックEX』を見ていたのに、『パブロンSゴールドW』を選んでしまったのか不思議でならない。
     おそらく、私たちとは見ているところが違うのだろう。
     いずれにせよ、他に症状は無いそうなので風邪薬を最初に使うより喉の痛みに特化してはと提案し、『ペラックT』と『龍角散ダイレクトスティック』を案内してみた。
     そして本日は、『ペラックT』を使っていただくことになった。
     また、喉の奥の方が痛むようなので胃の不具合の可能性があることも伝えた。

     やや高齢のお客様から喉の痛みと熱感を相談され、ごく初期とのお話だったので『葛根湯』を提案したところ、すでに服用して効かなかったというので『銀翹散』も案内してみたが、現代薬を希望されたため『パブロンエースAX』を紹介して、お買い上げいただいた。
     『葛根湯』は上半身を温めて治すものなので、すでにタイミングが遅くて合わなかったのかもしれない。
     そういう意味では『葛根湯』は持ち歩いて、出先で悪寒がしたり喉が痛い気がした段階ですぐに使うのが望ましいことを伝えた。
     また、脳は風邪を治すためのエネルギーを欲しがって空腹を訴えるかもしれないけれど、内臓の方は先に弱ってると考えられるため、食事は量を控えて消化に良いものにするよう勧めた。

     

  • 患者本人が来店してくれればと思ってばかり

     お客様から、ご主人が喉の違和感を訴えていると相談を受け、家に『ペラックT』はあるというので候補になることを伝えたうえで、患部を冷やす『龍角散ダイレクトスティック』と抗炎症剤として『パブロントローチAZ』を案内し、後者をお買い上げいただいた。
     喉の違和感というのが、もし乾燥感あれば胃炎を起こしてる可能性も考えられ、体内の乾燥対策を訊かれたので、こまめな水分補給を勧めた。
     喉が渇いた時にだけ一気に水分を摂るような飲み方は、体を素通りしてしまい保水できないのだ。
     また、内服薬として上半身に保水する『麦門冬湯』を紹介した。
     ご本人がいらしていれば、最初から『麦門冬湯』を提案したところなのだが。

     やや高齢のお客様がテーピングをレジに持ってきたのだけれど、ご主人が指の関節痛に使うとのことで、関節痛の時のテーピングの仕方を知っているのか尋ねたところ分からないようだった。
     テーピングを包帯のように巻くと勘違いしてる人は少なくないため、簡単にやり方を教えて詳しくはネットで検索をすれば調べられることを伝えてみたが、今回は取りやめとなった。
     ううん、ご本人が来店してくれれば直接テーピングの仕方を教えることもできるのに。

     やや高齢のお客様が『葛根湯』を求めて来店したが、用途を尋ねると海外旅行に持っていくというので風邪にも胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介したところ、そちらの購入を決められた。
     他に海外に持っていくと便利な薬としてステロイド剤のお話をすると、家にあるというので是非持っていくように伝えたうえで、傷口にも使用できる『クロマイP軟膏』のような抗生剤入りの塗り薬の有用性を伝えた。
     日本ならば、転んで擦りむいたくらいの傷は唾でもつけておけば大丈夫くらいの認識でもさほど問題無いが、海外ではちょっとした傷口でも感染症が怖いんである。

     

  • 胃薬と花粉症の薬の飲み合わせに気をつけて

     マスクをしているお客様が『キャベジンコーワα』を購入されるので、念のため花粉症の薬を服用しているか尋ねると『小青竜湯』を使っているとのことだった。
     『小青竜湯』であれば問題は無いが現代薬の抗ヒスタミン薬なんかだと、炭酸マグネシウムなどの鉱物系の成分が入っている胃薬を併用した場合に抗ヒスタミン薬の効き目を弱めてしまう。
     一方、お客様のお話によると息子さんも一緒に『小青竜湯』を使っているそうなのだけれど、鼻が詰まることもあるというので『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介しておいた。
     鼻が詰まったりと鼻水を行ったり来たりする人には、『葛根湯加川きゅう辛夷』の方が向いているので。
     そして花粉症の対策には、腸の働きが大切だからお腹周りを温めるよう勧めた。
     花粉を外敵と誤認して攻撃してしまう免疫反応の異常が花粉症であり、侵入者の敵味方の識別をしているのが腸だからだ。

     お客様から花粉症の目薬を求められたのだが、高血圧の薬を服用しているとのことで当初は名前が分からず困ったものの、お客様が断片的に覚えている薬の名前で調べたところ血管拡張剤だった。
     となると血管を拡張して血圧を下げる薬を服用しているのに、血管を収縮させる塩酸テトラヒドロゾリンの入っている『アルガード』などは避けた方が良いだろうと判断し『マリンアイALG』を案内して、お買い上げいただいた。
     今回の目薬もそうだが、花粉症で使う点鼻薬も内服薬との併用に注意が必要なことがあるため、お客様にはお薬手帳を持ち歩くようお願いした。

     マスクをしているお客様が『太田胃散』を購入されるので、やはり花粉症の薬を服用してるか確認したところ家族が『アレグラ』を処方されていると分かったため併用を避けるようにお話した。
     すると、副作用が出るのか訊かれて思わず「はい」と答えてしまった。
     いかんいかん、つい反射的に言葉が出てしまった。
     正確には花粉症の薬、抗ヒスタミン薬の効き目が弱くなるんである。
     怖がらせてしまったかしらん(^_^;)

     

  • 葛根湯を使うのは風邪の初期だけとは限らない

     お客様が『アレグラFX』と『アレジラスト』や『パブロン鼻炎カプセルα』などで迷っている様子だったため気に留めていたところ、『アレグラFX』を選ばれたので念のためフェキソフェナジン製剤を使ったことがあるかを尋ねると、病院で処方されていたことがあるとのこと。
     今回は花粉症と頭痛もあるということで、『イブ』との併用について質問された。
     併用しても問題は無いが、頭痛の種類がズキズキ型だというため胃の不具合が原因と考えられ、『イブ』の副作用が胃の保護機能を低下させるので、服用中は噛まないで済む胃に優しい食事をするよう勧めた。
     ズキズキするタイプの偏頭痛がある人には気をつけてもらいたいのだが、胃の不具合で頭痛になり頭痛薬を飲んで一時的に痛みを感じなくなっても、胃を悪くしてまた頭痛になり頭痛薬を飲むという無限ループになってしまうので、それを断ち切るためにも頭痛がしたらその日の食事は消化の良いものにする必要がある。

     夫婦のお客様が風邪薬と鼻炎薬で迷ってる様子だったため気にかけていたところ、『パブロンSα』をレジに持ってきた。
     詳しく訊いてみると患者は奥さんで、当初は黄色の鼻水だったのが今は透明になってきているというので、風邪としては終わっていると考えられるため鼻炎薬を提案したが、熱感がまだ残っている気がして喉も少し痛いというため、家に『葛根湯』があれば使ってみてはと伝えると、あるとのことだった。
     私は普段『葛根湯』は風邪の初期、それも悪寒がするとか頭が痛い気がするといった状況で使うことを勧めているが、風邪が治ってきた後に上半身を温めてサポートをするという使い方もあるのだ。
     今回はそのまま『パブロンSα』をお買い上げいただいたが、二日ほど服用して効果が無ければ『葛根湯』に乗り換えるよう勧めた。
     というのも『パブロンSα』が得意なのは痰の絡む咳で、鼻水や喉の痛みへの効果が弱いのだ。
     また、透明な鼻水は内臓の冷えからくるものなので、入浴をすることと下半身に厚着をすること、そして温かい物を飲んで積極的に内臓を温めることで軽減できることを伝えた。

     

  • 症状の変化に合わせて使う薬を乗り換える

     お客様から乳酸菌のサプリメントを求められたが、うちのお店には単独の物は無いため『新ビオフェルミンS』と『ラクトファルミンS』を案内した。
     すると、棚に並んでいた『アペテート整腸薬NA』に興味を持たれ、納豆菌が乳酸菌を育てることをお話しすると購入された。
     乳酸菌は胃酸に弱いため腸に届くまでにかなりが死滅してしまうとされており、それを改めて腸で育て直そうという訳だ。
     『ザ・ガードコーワ整腸錠』も同様である。 
     また、乳酸菌の整腸剤では胃酸が出るのを抑える成分が入っていたりするので、整腸剤を飲むことで胃の働きが悪くなるという本末転倒なこともありえるから、服用後の経過観察は結構重要である。

     お客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたさいに咳と鼻の風邪で良いのか尋ねたところ、置き薬にするとのことだったので2日飲んでみて効かなかったら他の薬への乗り換えを検討するようお話したところ興味を持たれた。
     そこで、症状別に容量の少ない物を備えておく方法もあることをお話した。
     すると、風邪の予感がする時に飲める物はという質問が出たので、『葛根湯』を紹介したところ、当初は置き薬にというお話だったが、今回はご主人の咳に使うつもりと分かり、『パブロンSゴールドW』は適応するものの、風邪薬ではなく咳止めを使うことを提案した。
     なにしろ『葛根湯』は上半身を温めて風邪を治すため、咳や喉の痛みには使えない。
     一方で風邪薬には解熱剤や鼻炎薬なども入っており、体の方は起きていない症状の成分についても処理しなければならないため、疲労してしまう可能性を説明した。
     その咳止めとして『ブロン錠エース』と『ブロン錠』を紹介し、この場合も痰が喉に引っ掛かるようであれば前者を、咳をして痰が出るようであれば後者をと説明した。
     同じブランド名でも成分が違い、適応する症状もまた違うんである。
     パッケージを見るだけでは分からなければ、ぜひ尋ねてもらいたいところ。
     そして咳の状態を詳しく確認すると、どうやらカラ咳のようなので、胃炎でも咳になることをお話して上半身を潤す『麦門冬湯』を紹介してみると、少し前は夜中に咳をしていたという。
     夜中の咳は体内に熱が篭って起きるものであるため、そういう場合には『五虎湯』をとを紹介したうえで、その熱により乾燥に変わったと考えられるため『麦門冬湯』を試していただくことになった。
     症状の変化に合わせて、使う薬を乗り換えるのもまた必要なことなんである。
     また、咳自体が喉に負担をかけてしまうので、喉の痛みや咳の症状が出たらその時点で噛まずに食べられる胃に優しく消化に良い食事をするよう伝えた。

     

  • 市販薬のリスク区分の説明は案外と難しい

     やや高齢のお客様が来店し、ご主人から目薬の場所を訊かれて案内したところ、目の痒みに『アイリス40』を使っていたというため、『ロートアルガード』などを紹介した。
     なにしろ『アイリス40』で痒みに関係する成分は、クロルフェニラミンマレイン酸塩だけだから。
     すると目の疲労もあるというので『新緑水』を案内したが、安い物は不安と言うため、価格と効き目に関係は無いことを説明したうえで『スマイル40プレミアム』も紹介したものの、『新Vロート』を選ばれた。
     ズコーヽ(・ω・)/
     いや、まぁ、痒みと疲労にはバランス良いかな。
     奥さんからは『龍角散ダイレクト』のことを質問され、患部を冷やして炎症を抑えるのが基本でスティックタイプには去痰剤が入っておりトローチタイプには入っていないことを説明した。
     おそらくトローチタイプは舐めることで自分の唾液によって喉を潤すから、去痰剤は不要なのだろう。
     今回はスティックタイプの『龍角散ダイレクト』を使っていただくことになった。
     また、ご主人から薬の分類である2類3類のことを尋ねられ、副作用の発現リスクの区分であることを説明したところ、「じゃあ3類の方がいいな」と言われて困った。
     確かに3類の方が副作用のリスクは低い訳だけれど、低いから安全とは限らないし、リスク区分は薬の効果と比例してる訳でもないから、詳しく説明しようとすると難しい。
     というのも、このリスク区分は製品としての薬の評価ではなく主成分で決まるものだから、特定の成分が入っていると自動的にリスクが高い方に区分される。
     でも、一緒に入っている成分がそのリスクを軽減していたりするので、製品としての処方構成により判断することになるし、同時に他の薬を使っていたりすればリスクを軽減する成分が入っていても、その特定の成分が入っていることで一発アウトという判断もある。
     とりあえず、薬を買う時には今回みたいに、そのつど尋ねてくださいな。

     夫婦のお客様が『葛根湯』を購入されるさいに、喉の痛みや咳のある風邪には向かないことと発熱してからでは遅いことを伝えると興味を持たれた。
     そこで、発熱したら『麻黄湯』に乗り換え、解熱後には『柴胡桂枝湯』をと紹介した。
     また、症状が複数あってどれを使って良いか分かりにくい場合には、体の土台を支える『柴胡桂枝湯』を優先的に使うことを説明した。
     それから、『葛根湯』は上半身を温めることで風邪の初期症状を軽減するので、喉が痛むなどの炎症がある場合には上半身を冷やす『銀翹散』を紹介した。

     前のお客様への説明を後ろで聞いていたらしいお客様から、『葛根湯』と現代薬を合わせた薬を服用しているとの相談を受けた。
     商品名は分からず、もう風邪が4日前で体がだるいというお話だったため、いずれにせよ『葛根湯』の適応期間が過ぎていると考えられることを説明して、『柴胡桂枝湯』を試していただくことになった。
     プライバシーを考えれば薬事相談に別室が欲しいところだけれど、ドラッグストアーの店頭ではそれは難しい。
     でも、こうして相談してもらえるキッカケにもなるようで。

     

  • 漢方薬は効くのに時間がかかるというのは誤解です

     やや高齢のお客様から、『龍角散ダイレクトスティックピーチ』と『龍角散ダイレクトトローチマンゴー』の違いを尋ねられた。
     基本は、どちらも同じく患部を冷やして炎症を抑えることであるが、『龍角散ダイレクトトローチマンゴー』の方は去痰剤が抜いてあることを説明した。
     すると主訴は喉の痛みなどではなく乾燥感だそうなので『麦門冬湯』を紹介したところ、試していただくことになった。
     マスクをして寝ても乾くということから胃炎の可能性をお話しすると、胃にポリープが出来たこともあるとのことだった。
     胃炎が原因だとすれば、消化に良い食事をすることで症状を軽減できることを伝えた。

     お客様から『ベンザブロックS』と『ベンザブロックSプラス』の違いを尋ねられ、 『ベンザブロックSプラス』には患部の修復成分が足されていることを説明した。
     そして、『エスタックNT』を手にされていたので症状を確認すると、患者は17歳の息子で、主訴は鼻水のみとのお話。
     風邪気味だったものの薬は何も飲んでいないというため、風邪薬ではなく鼻炎薬での対応を勧めると花粉症はあるらしく以前に『アレジオン』で眠くなったという。
     確かに『アレジオン』の注意書きには車の運転を控えるといった眠くなるようなことが書いてはあるけれど、主成分のエピナスチン自体には実は眠くなる作用はない。
     ただエピナスチンを開発した製薬会社が、改めてそれを証明するのにかかる費用を惜しんで申請していないため注意書きに残っているのだ。
     成分が違うフェキソフェナジンの『アレグラFX』を使うことも考えたが、即効性の面で『ロートアルガードチュアブル』と『小青竜湯』を提案した。
     漢方薬は即効性を心配されたから、「風邪には葛根湯」と言われるくらいで『葛根湯』を例に即効性があることを説明したところ、息子さんは以前に漢方薬を使ったことがあるそうで『小青竜湯』をお買い上げいただいた。
     今回お客様が当初に風邪薬を使わなかったのは、体力の低下を防ぐのに良いことを伝えた。
     よく勘違いされるが、風邪薬の効能書を見てもらえば分かるように、あくまで効能は「症状の緩和」でしかない。
     そのため、起きていない症状の成分なども体に入れば、体の方としてはソレを処理しなければならないため余計なエネルギーを使ってしまうのだ。
     そうすると、その体力の消耗によって本当の風邪へと発展してしまう可能性がある。
     透明な鼻水は内臓が冷えると起きることだから、温かい物を積極的に飲み、お風呂に長めに入って下半身を厚着するよう勧めた。

     夫婦のお客様が来店し、『新ブロン液エース』をレジに持ってきたが、これが2本目で、飲んだ直後にだけ効くというお話を聞いたのと、患者である奥さんの咳の音から体内が乾燥してる可能性を説明して『麦門冬湯』を案内した。
     数日前に風邪で発熱したというので、胃が炎症したものと考えられるため『麦門冬湯』を勧めると即効性が心配だというので成分違いの『ブロン液L』を併用していただくことになった。
     すると『太田胃散』を服用してるというので一旦中止することと、風邪が治ったと思っても、まだ普通の食事に戻さないで噛まずに食べられる食事をするよう勧めた。