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  • 上を向いて溜息をつこう

     お客様から『ケラチナミン』と『ケラチナミンW』の違いを尋ねられ、痒みが無ければ前者をとお話したところ、後者を購入された。
     お客様には、ひとつの薬で治そうと思わずに、症状の変化に合わせて乗り換えを検討するようにと伝えた。

     お客様から、疲れ目と肩こりの相談を受け、パソコンを使った仕事をしてるとのことで『サンテPC』と『ロートデジアイ』を案内した。
     両者は似た処方内容であるが、『サンテPC』の方には痒み止めが入っており、お客様も痒みは感じると言うので『サンテPC』をお買い上げいただいた。
     また肩こりについては、温めると楽になるようなので『独活葛根湯』を紹介した。
     そして養生として、長めに入浴することで下半身の血行を良くすることと、タオルをお湯に浸けて目の周囲を温める方法を教えた。
     比較として、ストレスによって起こる肩こりに使う『コリッシュ』(治肩背拘急方)も紹介したところ、ストレスもあるようなので、溜息をつくときは下を向いて息を吐くよりも、上を見上げて吐いた方が首や肩への負担が少なく、心理的にも良いことを伝えた。
     ストレスによる肩こりは胃と関係があり、胃が悪くなって前かがみになると頭を首で支えることになり、それにより肩こりを起こすのだ。
     例えば、ボーリングの玉を真上に持てば長く持ち続けられるが、斜めにして支え続けるのは難しいのと同じである。
     実は同じ理屈で、溜息をつくときも下を向いてため息をつくと首への衝撃がかかり、肩にも負担となる。
     そして心理的にも下を向くのは気分も落ち込みやすいが、上を向いて溜息をつくと首は垂直に支えるため負担が少なく、ちょっと荷物を降ろしたような感覚になっていくらか気分も楽になるはずである。
     お客様からは、医者は細かく言ってくれなかったということで感謝していただいたが、逆に余計なことを言うと具合を悪くする患者さんもいるので、医者がそれを配慮している可能性もあることを伝えた。

     

  • 店員から声をかけられたくない気持ちは分かるけど

     漢方薬の棚で『葛根湯加川きゅう辛夷』『荊芥連翹湯』に『チクナイン』(辛夷清肺湯)を見較べて迷っている様子の客様がいたので声をかけてみたが、案内は断られた。
     しかしその後も長く迷っているので、邪魔にならないよう気を付けながら使い分けを申し出たところ、昔から鼻づまりが酷く病院にも行っているとのことだった。
     処方されていた薬は不明だが、鼻汁が喉に落ちてくるとのことから胃が弱っている可能性を考え、『チクナイン』を勧めてお買い上げいただいた。
     普段はシャワーばかりだそうなので、入浴して温まることが症状を軽減するのに大切なことをお話しした。
     鼻づまりを起こしやすい人は、体内の温かい空気が上半身に溜まりやすく、熱の循環が適切に行われないのが原因となる。
     ちゃんと入浴して血管を開くとともに、下半身を温めると体内の熱も循環して鼻の通りが良くなるのだ。
     しかし環境や好みの関係で無理であれば、首の周りと鼻の周囲に重点的にシャワーを浴びるよう伝えた。
     せめて血管を開いて、患部周辺の血流を良くして溜まった熱を運んでもらうんである。

     中学生の咳の相談をお客様から受けたところ、発症したのは5日ほど前からで、痰や喉の痛みなどは無いとのこと。
     兄の咳が移ったのかもしれないとお話があったが、受験生だということだったためストレス性の胃炎により体内が乾燥して咳になるケースもあることを説明し、『麦門冬湯』と『ブロン錠』を案内しすると前者をお買い上げいただいた。
     また受験対策に、緊張を緩和する咳止めの『半夏厚朴湯』を紹介した。

     『ベンザブロックL』を購入されるお客様に症状を尋ねると、喉の痛みと咳ということで、他に症状が無ければ胃炎の可能性も伝えると苦笑いされた。
     適当なことを言ってると思われたのか、それとも思い当たったのか(´・ω・`)?
     でも、ここで恥ずかしがったり悔やんでは駄目なんである。
     もしかすると、思い当たってそこから薬事相談が始まったりするのだから。
     店員から声をかけられるのを煩わしいと思う気持ちは、私も分かる。
     訊きたい時には自分から店員に声をかけるから不要という考え方も、もっともだと思う。
     でも自身の好みの物を買う服や食べ物ならまだしも、積極的に情報収集しないと分からない事柄については、多くの人が面倒を感じ調べるということはしないだろう。
     だとすれば、そもそも知らない事については疑問にも思わないはずである。
     今のお客様は相談を必要としなかったからといって、他のお客様も不要かどうかは超能力者じゃない自分には分からない。
     だから、こうして一言だけでも声をかけてみるしかない。

     

  • 濡れた咳から乾いた咳への移行もあるので注意

     お客様が『ダスモック』(清肺湯)と『カンポアズマ』を見比べていたため声をかけたところ、今の主訴は咳で1週間ほど前に鼻水が出て風邪だと思い『葛根湯』を服用したとのこと。
     そして咳になり『麦門冬湯』を服用したものの、また鼻水が出たので今度は『小青竜湯』を服用したという。
     パッケージに咳のことが書いてある『竹茹温胆湯』について質問されたが、これは疲労が残っている咳の場合に適応することを説明した。
     また、『葛根湯加川きゅう辛夷』ついても訊かれ、鼻水と鼻づまりを行き来するような場合に適応しますと伝えた。
     目の前での咳の音からするとカラ咳なのは明らかで、風邪で胃を悪くしていると考えられるため『麦門冬湯』継続して下半身を積極的に温めるよう勧め『麦門冬湯』をお買い上げいただいた。
     上半身を温める『葛根湯』を継続していると体内が乾燥して咳になるため、お客様が『麦門冬湯』に切り替えたのは適切な判断だと思う。
     ただ、鼻水に『小青龍湯』というのは基本ではあるものの、『葛根湯』よりも温める力が強いため咳の原因になってしまったようにも思われる。
     一方、『小青龍湯』は冷えて出る「濡れた咳」には適応するので、まったくのハズレではなかったとも考えられ、なかなかに難しいところ。
     当初は鼻水があったことからすると、冷えによる咳だったためその時は『麦門冬湯』が効かず、『小青龍湯』を使ったことで乾燥の咳に移行してしまった可能性も考えられる。
     もし鼻水が出ている時に咳もあったとするのなら、『カンポアズマ』の方が適したかもしれない。
     『カンポアズマ』は『小青龍湯』と同じく冷えが原因の咳に適応しつつ、『小青龍湯』ほどには上半身を強く温めたりしないので。

     お客様から『ヒビケア軟膏』がヒビ割れに合うか訊かれ、指先が割れていることを確認して適応することをお話して、お買い上げいただいた。

     お客様から、子供の喉が腫れやすく受験生なため発熱に備えた常備薬をと相談されたが、14歳ということでアセトアミノフェン一択なことを伝えると、以前に処方された『カロナール』が家にあるとのこと。
     『カロナール』の主成分がアセトアミノフェンだから、そのまま使えることをお話した。
     また、『ペラックT』を使ったことあるそうなので、喉の痛みにはそちらを先に使うよう勧めた。
     それから、扁桃炎で喉が腫れるのであれば『駆風解毒湯』も使えるが、喉の違和感や奥の方がヒリヒリと痛む場合は、ストレスによる胃炎の可能性を話ししたところ、テスト前に下痢になるというので『桂枝加芍薬湯』を紹介し、同じくストレスの軽減にと『半夏厚朴湯』を案内した。
     『桂枝加芍薬湯』がストレスによる胃から下の不調に対応するとすれば、『半夏厚朴湯』は上半身に効果を発揮し、特に緊張すると息苦しくなったり咳払いが多くなる人にお薦め。
     あと、受験生の親のストレスにも適応するので、お試しください。
     そんなお話をして、今日のところは家にある物て対応できるため、お買い上げは無しとなった。

     

  • 持ち歩くと便利な葛根湯

     お客様から口内炎に貼る物をと希望されたので、ステロイド剤の『口内炎パッチ大正クイックケア』と『トラフルダイレクト』に、症状が軽い場合の『口内炎パッチ大正A』を案内した。
     口の中を噛んでできた口内炎のようなので、ステロイド剤を提案したのだが、パッチを選んだ理由は食べ物がしみないからのはずなのに、口の中で溶ける『トラフルダイレクト』を購入された。
     溶けるのは便利ではあるけれど、食べてるそばから溶けてしまって意味無いんじゃないかな(^_^;)
     まぁ、『龍角散ダイレクトスティック』も一緒に購入されたので、患部の炎症を抑えるのには良いだろうと思われるが。
     お客様には、ビタミンB剤が家にあれば併用してみるように伝えた。

     『ルルアタックFX』とタウリンドリンクを購入されるお客様に念のため併用しないようにとお話ししたところ、それは大丈夫なようだった。
     ただ、併用が駄目な理由を知らないとのことだったので、特にカフェインが重なるのが良くないことを説明した。
     カフェインが重なると他の薬効成分が強く出過ぎてしまうこともあるし、体をゆっくり休めなければならないのに興奮作用の方が勝って寝付きにくくなる可能性があるからだ。

     『葛根湯』を購入される高齢のお客様に、発熱と咳には適応しないことを伝えると、いつも風邪のひき始めに使っていて、それはテレビで『葛根湯』が万能薬のように紹介されていたからだそうだ。
     今回の主訴は咳で、すでに1週間ほど続いているそうなので、上半身を温める『葛根湯』では体内が乾燥して、余計に咳になってしまう。
     そうお話して、上半身を潤す『麦門冬湯』を案内したところ、体内の乾燥は思い当たると言うので一緒にお買い上げ頂くことになった。
     『葛根湯』を風邪のひき始めに使うのは良いことなので、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で悪寒を感じたりした時にすぐ使うのが効果的なことを話した。
     出かけた先が寒くて、うっかり薄着だったときや、夏場に建物の中で冷房が効きすぎてる時なんかにも使えて、そういう意味では『葛根湯』は万能ではあります。

     

  • 素直に買われると不安になる

     やや高齢の夫婦のお客様から、大幸薬品とイヅミ薬品の『正露丸』の違いを尋ねられ、そもそもの『正露丸』が食中り向けの「飲む消毒薬」だとすれば、本来は悪いモノを早く排泄するのが重要で下痢を止めてはいけないものの、 市場のニーズとして下痢止めるために使いたいということがあるため、下痢止めのロートエキスを足してあるのがイヅミ薬品の『正露丸』だと説明した。
     そういう意味では、大幸薬品の『正露丸』とは別に、『ストッパEX』などの下痢止めを用意しておいて使い分けた方が良い事をお話しした。
     また、『正露丸』の糖衣錠は単に甘味を付けた物ではなく、抗炎症の生薬を二つ抜いてあるので、シクシクするような腹痛には弱いと考えられることも伝えた。
     ただ、今回は旅行に持っていくというので、下痢止めも兼ねられるイヅミ製の『正露丸』を勧めた。
     それから、胃腸炎と風邪の両方に対応できる『柴胡桂枝湯』を紹介したところ、白髪の相談も受けたため腎を養う『牛車腎気丸』を案内すると、両方とも購入された。
     買っていただけるのは有り難いのだけれど、普段は「いつも使ってるから」とか「ポイントが付くから」という理由で提案した薬を退けられるから、紹介した物を全て買われると逆に不安になってしまう(^_^;)

     お客様から、家族の蕁麻疹(じんましん)について相談を受けた。
     1ヶ月前くらいからとのことで飲み薬を希望されたことから、『レスタミン錠』と『アレルギール錠』に加え、現代薬と漢方薬の『十味敗毒湯』を合わせた『タウロミン錠』を案内した。
     また、上半身が虫刺されみたいに赤く腫れてるという話もあったため、患部の赤味と熱を取り除く『黄連解毒湯』も紹介した。
     しかし、予算と合わなかったようで値段の高さに驚かれたため、いずれも主成分の薬は病院で処方してもらえることを伝え、本日はお帰りになった。

     解熱鎮痛剤の店で迷っている様子のお客様がいらしたので声をかけてみたが、案内は断られた。
     やがて、『セデス・ハイ』のキャンペーン品をレジに持ってきて、『セデスファースト』があるか尋ねられた。
     『新セデス錠』が『セデスファースト』と同じ内容であることを説明したところ、『新セデス錠』は家に残ってるとのことだった。
    「先に聞けばよかった」とお客様に言われ、症状をヒアリングをすると頭痛とのことで、締め付けられるような感じというお話から肩こりを指摘すると思い当たるようだった。
     そこで『葛根湯』を提案してみたけれど、以前に『葛根湯』は気持ち悪くなったというので、『釣藤散』が適用するかもと紹介した。
     今回は、『セデス・ハイ』を通常パッケージ品に変更してお買い上げとなった。

     

  • ドラッグストアーをはしごして確かめるのもアリ?

     夫婦のお客様が来店し、現代薬と『麦門冬湯』のハイブリットである『パブロン50』を手にされていたが、「鼻水」と聞こえたので声をかけて、適応しないことをお話ししたところ、患者はご主人で鼻水は透明であり喉の痛みはそれほどでもないということから、『葛根湯』でも対応できそうなことを伝えた。
     すると、他のドラッグストアでも『葛根湯』を勧められたものの買わなかったそうで、同じ物を勧められたのを驚いていた。
     どうも『葛根湯』が鼻水に効くイメージが無かったようで、一応は上半身を温める物であることを説明したうえで、より鼻水に効く『小青竜湯』を紹介すると購入を決められた。
     『スパークユンケル』に興味を持たれたが、今回は風邪ではないかあるいは風邪の初期と考えられるため、栄養ドリンクは余計な負担になる可能性があるので、使うならノンカフェインの『新ヒストミンゴールド液』をと紹介した。

     やや高齢のお客様が咳止めを求めて来店したのだが、高圧的な物言いをされる方でヒアリングに苦労した。
     とにかく命令口調で人の話を聞かないため、相槌を打ちながらなんとか聞き出したところによると、咳は止まらないほどではなく、漢方薬には興味があるようなので『麦門冬湯』を紹介した。
     しかし、タバコを吸うと分かったため、『ダスモック』(清肺湯)を勧めてお買い上げいただいた。

     以前に、高齢の親のインキンタムシで相談をされたお客様が再び来訪し、『ダマリンL』が効果があったという。
     太ももの症状は治ったようだが、インキンタムシだとすれば症状が治った後も継続することが必要なため、追加の『ダマリンL』をお買い上げいただいた。
     改めて病院の受診を勧めてみたが、とにかくご本人は病院を嫌がるとのことだった。
     お客様にはお礼を言われたけど、困ったものですな(^_^;)

     

  • お節介と情報の提供と提案の境目

     夫婦のお客様が、うがい薬と『葛根湯』をレジに持ってきたので、現に喉が痛む場合は刺激になるためうがい薬を避けるように伝えると、ご主人に「じゃあいらない」と商品を返され、『葛根湯』も咳のある風邪には適さないことを説明すると、やはり「じゃあいらない」と『葛根湯』を棚に戻そうとされたところで、ようやく症状のヒアリングを始められた。
     とにかく淡々と素っ気無く反応されるんで、やりにくい(^_^;)
     患者はそのご主人で、喉がイガイガするというため胃炎の可能性をお話しすると、食べ過ぎは思い当たるようで、上半身を潤す『麦門冬湯』を勧めたら購入された。
     体を冷やす夏野菜は、体のほうが対抗しようと炎症を強めてしまうため避けるようお話しすると、奥さんから「しょうが湯は?」と訊かれたので、「それは良いですね」と答えた。

     やや高齢のお客様が風邪薬を求めて来店し、主訴は鼻水と咳と痰ということなのだが、すでに1週間くらい経っているというので風邪薬は避けた方がと思ったものの、お客様が希望されたため『パブロンSα』を案内した。
     『パブロンSα』は総合風邪薬だと思われがちだけど、処方構成からすると発熱や喉の痛みには弱く、咳と痰に向いている。
     でも、『パブロンSα』をレジに持ってきたお客様に咳があるかを確認してみると、結構な高確率で「咳は出ない」というお客様に遭遇する。
     ところで、今回のお客様は明後日には病院に行くから、もっと容量の少ない物をと注文された。
     そこで、鼻水は透明だということから、もう風邪としては終わっていると考えられることを改めて説明し、鼻水自体は自分で温かい物を飲んだりお風呂に長めに入ったりで対処して、咳と痰に『ブロン錠』を使う方法を提案した。
     しかしそれは面倒とのことで、『パブロンSα』をお買い上げになった。
     胃の不具合が症状を長引かせている可能性をお話しすると、今日はイカ揚げを食べようと思っていたというので、それは後の楽しみに取っておいてはとお話して、うどんなどの消化に良い物をと提案した。
     本当にそうするすは患者さん自身の選択だから分からないけど、情報の提供と提案を初めから無駄だとも決めつけられないので。

     

  • 『ペアA』と『ペア漢方』の組み合わせ

     歯科医で常連のお客様から、歯痛に痛み止めをと相談され、でも案内する前に『新今治水』が目につくと、そのまま購入された。
     歯科医なんだから、ちゃんと治療した方がとお話ししたのだが、歯医者に行くと色々と治療が増えるから嫌だとのこと。
     いいのかそれで(^_^;)

     『葛根湯』を購入されるお客様に、発熱や咳の風邪には適用しないことを伝えると、主訴は鼻水と悪寒だというので、まさに適応する症状だった。
     となれば『葛根湯』は早さが勝負なので、すぐにでも服用するよう勧めた。
     特に『葛根湯』を常備薬にする場合には、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で変だなと感じたらすぐに服用するのが良い。

     ニキビや肌荒れに使う『ペアドリンク』を持ったお客様が、『ペアA』と『ペア漢方』を見較べていたので声をかけてみたが、案内は断られた。
     でも、『ペアドリンク』の購入決められ、お会計のさいに『ペアA』と『ペア漢方』の違いを伝えると興味を持たれた。
     『ペアA』は肝臓の働きを助けることで皮膚の新陳代謝を促して肌の材料を補給するのに対して、それらの有効成分を血流改善によって助け、なおかつホルモンバランスを整えるのが『ペア漢方』であり、その中身は『桂枝茯苓丸』である。
     つまり、予算が許すのであれば併用する方が効果的なんである。
     『ペアドリンク』は『ペアA』に近いとも云えるものの、『ペアA』ほどには新陳代謝の促進は期待できないし、なにより継続して飲むには価格が高めだから単発での服用になりがち。
     そこからすると、やはり『ペアA』と『ペア漢方』の組み合わせのほうがお得だと思う。
     今回は『ペアドリンク』のみを購入をされるので、その補助に皮膚の材料となる根菜と豚肉を積極的に摂り、血流を良くするために入浴時間を長くするなどで体を温めるように勧めた。

     

  • 患者さんの希望に沿うことの難しさ

     夫婦のお客様が、数種類ある『葛根湯』で迷っている様子だったので声を掛けたところ、ご主人が喉が痛いとのこと。
     そして、喉の痛み以外の症状は無いと言うので『駆風解毒湯』を紹介したうえで、風邪が気になれば『銀翹散』も候補になることを説明した。
     すると、喉はそれほど痛くなくイガイガする感じがするということから、胃炎の可能性をお話しして『麦門冬湯』を提案した。
     こんなふうに、お話をしていくうちに主訴が最初に聞いたのと変わってくることがあるため、ヒアリングというのは案外と難しい。
     そのうえ今回は、あくまで『葛根湯』を希望されたため、『桔梗湯』を併用する方法もお知らせしたうえで、『葛根湯』の種類自体は生薬の濃縮の違い程度で、どれを選んでも基本的には変わらないことをお話しして、お買い上げいただいた。
     本当のところは、上半身を温める『葛根湯』では、ますます患部が乾燥してイガイガしてしまう可能性があるし、濃いタイプだと温まりすぎて胃が気持ち悪くなるケースも想定される。
     しかし、本人の望む物を提供するのは小売業の基本だし、医療現場でも説明して納得していただいたら治療方針を決定するのは患者さん自身という考え方がある。
     ただ、栄養ドリンクの『ユンケル』や『ハイクタンD』にも興味を持たれたため、栄養ドリンクを体で処理をするのにもエネルギーを必要とするため、かえって体の負担になる可能性を伝えた。

     『ストナデイタイムをレジに持ってきたお客様に症状を尋ねると、鼻水もクシャミも無く、主訴は咳と痰と喉の痛みだと言うので『パブロンエースAX』を勧めたところ、『パブロンSゴールドW』を飲んで効いた気がしないため、他社製品を選んだということだった。
     実のところ、同じブランド名がついていても名前に数字や記号があると内容は似て非なる物だから、乗り換えるのであれば同じブランド名か同じ会社の製品の中で乗り換えた方が良い。
     下手に他社製品に乗り換えてしまうと、実は同じ成分の薬だということがあり得るのだ。
     しかも今回の場合、主訴と薬の内容が合っていないときている。
     他社製品を使いたいと言うお客様の希望を汲んで、『ルルアタックEX』を紹介して、お買い上げいただいた。
     痰の面倒は見てくれないが、喉の痛みを軽減できれば「効いた」と感じてもらえるだろうと判断したもの。
     それと、痰の原因になるキュウリやトマトといった夏野菜は避けるようお話しした。

     

  • 若い頃の感覚でいると危ない

     やや高齢のお客様が『アンメルツゴールドEX』を購入されるので、念のため症状を確認すると肩こりとのことだった。
     『アンメルツゴールドEX』は、同じアンメルツの名前が付いていても『アンメルツヨコヨコ』とは中味が別物で、どちらかと打ち身や捻挫などといった急性症状に適している強めの消炎鎮痛剤である。
     飲み薬はどうですかと『独活葛根湯』を紹介してみたら、以前に『葛根湯』を使って体が熱くなったそう。
     確かに『葛根湯』は上半身を温めて血行を良くする物だから、そうなるだろう。
     お客様は手足が冷えたことは無く、年の割には筋肉質な方で、お風呂上がりにはクーラーと扇風機の両方の風に当たるというくらい暑がりなんだとか。
     ううむ、となると体の機能が亢進していて、その負担が肩こりになっているのかもしれないから、『釣藤散』の方が適しているかもしれない。
     若い頃に剣道をやっていたそうで、その感覚でいるのは、ちと危ない。
     そうお話をして、『アンメルツゴールドEX』をそのままお買い上げいただいた。

     やや高齢のお客様から『ナボリンS』を求められたので、案内したうえで症状を尋ねると主訴は肩こり。
     お風呂などで温まると楽になるというお話から『独活葛根湯』を案内したところ、病院で手足のしびれや神経痛に用いるビタミンB12製剤と『半夏白朮天麻湯』が処方されていると分かった。
     『半夏白朮天麻湯』は水分代謝の異常による水毒に関連する症状、例えば目眩や頭痛などに適応する。
     肩こりが温めると楽になるという話と合致するし、ビタミンB12製剤が処方されているのなら『ナボリンS』は不要なことをお話した。
     ただ、目眩は回転性ではないそうだから、『半夏白朮天麻湯』より『釣藤散』の方が合うようにも思える。
     かといって医師の診断に口は出せないので、どうしようかと思ったら、漢方薬に詳しい別な病院を知っているらしいため、そこで適応しているか相談をしてみてはと勧め、本日はお買い上げは無しとなった。