• タグ別アーカイブ: 葛根湯
  • 患者さんに合う物をコーディネートするということ

     お客様から、成人の息子さんの鼻づまりに漢方系でと指定された。
     しかし、症状を確認すると「花粉症ではない」と言うものの、鼻づまり以外の症状は不明。
     こういう時は、現代薬の方が選ぶの楽なんだけどな(苦笑)
     とりあえず、風邪にも花粉症にも使える『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内してお買い上げいただいた。

     やや高齢のお客様から、成人の息子さんがだるさを訴えているということで「感冒薬でいいんだけど」と注文されたが、本人からは電話で頼まれたという以外に詳しい症状は分からない模様。
     疲労はしているみたいというお話からすると、総合風邪薬は勧めにくい。
     解熱鎮痛などの薬は神経に働きかけるから疲労感が増すし、現代薬の風邪薬には疲労の面倒を見れる物は無い。
     だから、風邪薬と一緒に栄養ドリンクをという使い方が世間に流布する訳で。
     そう説明して、風邪にも疲労にも使える『柴胡桂枝湯』を案内して、お買い上げ頂いた。
     それと、本人に食欲はあっても量を控えるように伝えた。
     疲労している時に栄養をつけようと思って食べ過ぎると、消化をするのに余計に体に負担が掛かるので。

     風邪薬の棚で『銀翹散』を見ていたお客様が『新ルルA錠s』を選ばれたので、症状を尋ねてみた。
     『銀翹散』は喉の痛む風邪の初期に適応するもので、『新ルルA錠s』は総合風邪薬としては咳止めに偏らせたものだから目的が違う。
     すると、高校生の息子さんが喉の痛みと微熱を訴えているらしい。
     咳は無いそうなので、現代薬なら『ルルアタックEX』の方が適応しそうなことをお話ししたところ、『銀翹散』との違いを質問されたので、風邪との喧嘩を止めさせて症状を抑えるのが『ルルアタックEX』(名前はアタックだけど)で、体と一緒に戦うのは『銀翹散』ですと説明。
     一般論としては、現代薬で風邪との戦いを一時休戦に持ち込むと、症状はすぐに収まっても持久戦となって長引いたり、ぶり返しやすくなる可能性があるため、後々のスケジュールを考慮したほうが良い。
     明日は休めるということで、『ルルアタックEX』を購入された。

     お客様から、初めに『ノーシン』の場所を尋ねられたので棚を案内し、『ノーシン錠』と『ノーシンAI』を紹介すると、後者の購入を決められた。
     単純に解熱鎮痛効果の高さだけを考えた場合は、『ノーシンAI』の方が期待できるので。
     すると、『葛根湯』も一緒に買おうとされたので、咳や喉の痛む風邪や、すでに発熱している風邪には適応しないことを説明したところ、数日前から咳と頭痛があるというお話だった。
     そして、ちょうど咳をされたので、その音を聞くと『麦門冬湯』が適応しそうなカラ咳だったため案内してみると、『ノーシンAI』と一緒に服用して良いか質問され、咳が胃炎とも関係することから、むしろ一緒に服用するのが望ましいことを説明して、お買い上げ頂いた。

     

  • インキンの見分け方

     やや高齢の客様からインキンに使うということで何か薬をと注文されたので『ダマリンL』を案内しつつ、保菌しているのは確実なのか尋ねたところ、前に「オロナミン」で治ったと言われた。
     おそらく『オロナイン軟膏』の事だと思うのだが、治ると場所が移るという話のため、インキンではない可能性をお話して『デリケアM’s』も紹介した。
     患部の色など状態を訊いてみたが、ちゃんと見たことが無いというため受診勧奨をした上で『ダマリンL』をお買い上げいただいた。
     結構「インキンかも」ということで患者さんが訪れるのだけれど、実は陰嚢部分の皮が薄くてインキンになる可能性は低い。
     メーカーの研究員さんの話では、見分け方のひとつの目安として陰部の痒みの他に太ももの付け根などなど、 いわば陰嚢が触れる他の皮膚の部分も痒いとインキンの可能性が高いそうだ。
     あと、湿疹などは患部と健康な皮膚の境目はグラデーション状になっているのが、インキンの場合は境目がハッキリ分かれていることが多い。
     やはり、患部はしっかり観察してもらいたいところ。

     お客様から小学生の子供が、肘の内側の痒みを訴えていて掻きむしって血が出てしまい、今はカサブタになり痒みは落ち着いているというお話を受けた。
     母親は乾燥だと思って、スキンクリームを塗ったという。
     痒み止めに『ムヒS』を案内したうえで、痒みが強い時には『コートfAT』に乗り換えるよう説明した。
     痒みが強い場合には、強めの薬で短期決戦が皮膚炎の基本である。
     今回は、痒み自体は落ち着いてきてることから『ムヒS』をお買い上げいただき、お風呂で体を洗うのにタオルを使っているそうなので素手で洗うよう勧めた。

     高齢のお客様が『ホカロン』を求めて来店し、置いていないため『ホッカイロ』を案内したところ、使用感が違うから駄目と断られた。
     そのため、周辺のドラッグストアに問い合わせて置いてあるお店を探し、紹介した。
     用途は五十肩のようで、上半身を温めながら鎮痛する『独活葛根湯』を提案したところ、骨粗鬆症と血圧の薬を服用してると分かり、『疎経活血湯』を紹介した。
     まぁ、いずれにしても他の薬を服用してるので、担当医に処方してもらえるか相談してみるよう伝えた。
     友人からは、五十肩は「時間で治る」と言われたそうだが、それはとんでもない勘違いである。
     五十肩は、人によって痛み方がかなり異なり、中には痛みのために立ち上がる事もできないというケースもあるのだ。

     サプリメントの価格間違いがあり、お客様に返金の手続きをしていたところ、『BAND-AID(バンドエイド) タコ・ウオノメ除去用』を使っていたというお話が出て、品切れになっていたため製品の入荷予定を確認した。
     以前は、よくこれを使っていて患部が小さくなったそう。
     実は『イボコロリ』より、主成分のサリチル酸が濃い。
     だから、指定医薬部外品という。
     サプリメントでも成分によっては、医薬品の場合には入れられない量を使っているから医薬品として製品化できないという物があるので、サプリメントだから効かないとも言えないというのが難しいところ。
     まぁ、どのみちサプリメントを「効きます」と言っては売れないんですが。
     話が逸れた。
     お客様は、病院を受診したことは無く、しかも患部には芯があるというお話だったので、一回は受診するよう勧めた。

     

  • 個人輸入代行の薬はコワイよ

     やや高齢のお客様が『パブロン鼻炎カプセルSα』を2箱購入されるので、まとめ買いは好ましくない事と長期連用は避けるようお話ししたところ、 以前は『アネトンせき止めZ錠』を繰り返し使っていて、その目的は元気になるためだという。
     ミ( ノ_ _)ノ=3ズコーッ!!
     要するに、副作用として現れる興奮や反対の倦怠感を目的にしているのだ。
     この手の目的外使用に対しては販売を拒むのが本筋ではあるが、ちょうど近くで上司が作業していて販売を拒むこともできず。
     しかも、お話を聞くと『アネトンせき止めZ錠』では便秘をしたから『パブロン鼻炎カプセルSα』に乗り換えようと考えたという。
     便秘もまた副作用と考えられるし、それは『パブロン鼻炎カプセルSα』でも同様になる可能性があるとお話ししたが、そのまま購入されてしまった。
     そのうえ何故か、『バイアグラ』を個人輸入の業者から買ったということを自慢された。
     個人輸入の6割以上が偽物の薬という話もあるから、『バイアグラ』は病院で処方してもらうよう勧めると、「大丈夫」「めんどくさい」と受け入れてもらえなかった。
     なんたる敗北感……orz

     お客様から「強い風邪薬を」と注文され、発熱があるのかを尋ねると熱感はあるというのだが計ってはいないとのこと。
     主訴は鼻づまりと疲れ、そして熱感は微熱というところだろうか。
     風邪薬に強いも弱いも無いことを説明し、この後に休めるのなら現代薬を、休めないなら体力維持のため漢方薬をと提案した。
     というのも、風邪で起きる症状のうち発熱はウイルスの活動を鈍らせながら免疫機能を高め血行を良くすることで生命活動を活発にして、咳や鼻水などはウイルスを追い出すためだから、それらを薬で止めるというのは長期戦に入ることを意味する。
     確かに症状が抑えられると身体感覚としては楽になるが、ウイルスの活動を止められる訳ではないため、薬の効果が切れれば症状がぶり返すうえ、服用した薬の処理にも体力を使うことになり、疲労感は残る。
     漢方薬を使う場合は、一部に例外はあるものの『葛根湯』は上半身を温めて血行を良くすることで風邪と戦う体を支援し、『麻黄湯』は武器弾薬を補給して戦いを有利に運び、『柴胡桂枝湯』は損傷箇所(主に胃と肝臓)をメンテナンスして体力の低下を防ぐ。
     また、明日は用事があるというのであれば今夜は漢方薬で体には戦ってもらって、朝起きてから現代薬に乗り換えて表に出ている症状を軽減し、帰ってきてからまた漢方薬に乗り換えるという方法も考えられる。
     今回は、休めそうにないというので『葛根湯』で自身と一緒に戦うか、『柴胡桂枝湯』で体力を下支えするかという選択肢を挙げたところ、疲れてるというお話から『柴胡桂枝湯』を使っていただくことになった。
     微熱というのが曲者で、多くの人が微熱を「風邪の初期」と考え油断してしまいがちだが、疲労感があるようなときは、「熱を出す体力がすでに無い」という可能性がある。
     その場合、微熱が続くわりに症状が激しくならないため、さらに無理をして肺炎に進むケースもあるので気をつけてもらいたい。
     ええ、私なんですけどねソレやったの(;´Д`)

     高齢の父親が便秘ということでオリゴ糖を求めて、お客様が来店。
     しかし以前に、亡くなった母親に処方されていた漢方薬を使った時には良くなったというお話が出た。
     内容は覚えていなかったが、ツムラの青い帯のようなので『桂枝加芍薬湯』と予想されることと、他に『潤腸湯』というものがあることを紹介し、担当医に相談してみるよお勧めた。
     そこまで話したところで、父親は糖尿病を患っているという話が出た。
     オリゴ糖は消化されにくいため、だからこそ便秘への効果が期待されるわけで、だからこそ血糖値が上がりにくく糖尿病患者には最適。
     とはいえ、それを知っている様子ではなく知人から勧められたということから、まずは担当医に相談したうえでと伝えた。

     

  • 薬の効果とリスクが、分からなければ確認を

     お客様から、花粉症に病院で処方されてる薬が効かないと相談を受けたので調べてみると、『アレグラ』の後発品で症状が出てから使用しているということが分かった。
     それでは効かないはずである。
     なにしろ予防薬なんだから。
     そして、知人からもらった『コルゲン鼻炎フィルム』が効いたというので、処方された薬とは作用機序が仕方が違うことを説明し、併用しないようにとお話しした上で『アレグラ』をお買い上げいただいた。
     たった今、予防薬として使わないと効果が発揮されないことを説明したばかりなのに、なんで(;・∀・)?

     やや高齢のお客様から、父親の腰痛に処方されている『ロキソニン』が効かないと本人が言っているとのことで、代わりの痛み止めをと相談された。
     しかし、他に漢方薬も処方されているというのだけれど内容は不明。
     いずれにしろ、市販薬では処方薬の代わりにはなれないことと、処方されている薬が分からないと、安易に薬を案内できないことを説明した。
     本人は頭がしっかりしていて、担当医とは本人が対面して話を聞いたりしているそう。
     医師が腰痛にどんな診断を下しているのか分からないけど、もしかすると「過去の痛みの記憶から痛みを強く感じている」可能性を伝えた。
     そして、担当医に違う痛み止めを相談してみるよう勧めた。
     担当医に丸投げみたいになっちゃうけど、患者さん本人にもご家族にも、処方されてる薬があるのに市販薬を手軽に買おうとするリスクについては考えてもらいたいので。

     成人の息子さんが喉の痛みと鼻水を訴えていて、『葛根湯』を希望しているということで買いに来たのだが、喉の痛みには適用しないことをお話しした上で、鼻水はそれほどでもないということから『駆風解毒湯』『桔梗湯』を案内してみた。
     お客様には納得してもらえたけれど、本人はなんにでも『葛根湯』という人だそうなので、『桔梗湯』との併用を提案すると一緒に購入していただけた。
    「なんにでも葛根湯」と言うと、やはり落語の『葛根湯医』がやはり定番。
     演者によって話が少し変わったりするが、大工が屋根から落ちたというのを聞いて「よし葛根湯だ!」というサゲを聞いたのが私の知っているバージョンである。
     誰が演じてたんだろうなぁ。
     当時は落語に興味が無くて、落語家の名前を覚えていないのが残念。
     お客様からは、「話を聞いてみるものね」と言われた。
     恐れいりますm(_ _)m
     こういう時、どう返事をして良いのか分からにゃい……。 

     

  • 病は気から? 治すための思い込みは大事

     風邪薬を買いに来たお客様の、喉の痛みと発熱という主訴から判断し『ルルアタックEX』を案内したところ、お客様自身は『エスタックイブFT』が目に付いたようだったので、処方による効能の違いを説明した。
     『エスタックイブFT』にも解熱鎮痛剤のイブプロフェンが入っているから悪くないものの、喉の炎症を抑えるトラネキサム酸は欲しいところ。
     すると、実は『ベンザブロックLプラス』を服用し始めたばかりで家に残っており、痰も絡むというお話があったため継続してみるよう提案し、本日のところはお買い上げは無しとなった。

    【第2類医薬品】【タケダ】ベンザブロックLプラス 30カプレット【かぜ薬】【武田】

     コレステロールのLDL値が高いということで相談を受けたが、170くらいだそうなので心配はいらないと思われることを伝えた。
     昔とは基準も変わってきているし、LDLが直接的な悪さをしているのではなく、血管の修復をしていることが研究で分かっているので、定期的に情報を調べることが肝要なことを話した。
     まぁ、その情報のアプデートが大変なんですけどね。
     Windows10の自動アップデートは困るけど、知識を手軽にアッフデートする方法は無いものか。
     でもそうすると、時に誤ったアップデートでシステムエラーなんてことになるかも。

     お客様から、外用消炎剤の価格と効き目に関して質問されたので、必ずしも相関関係は無いことと、成分による効能の違いを説明した。
     主訴は、右手の先から肩までの痺れと痛みというお話。
     原因として寝違えが思い当たるようだったから、内服薬として『疎経活血湯』を紹介した。
     また、外用消炎薬については患部の範囲が広く、効果の面から浸透力のあるジクロフェナクの塗り薬を勧めたが、迷っている様子から予算面を考え『トクホンチールOX』を案内すると購入された。
     主成分は『トクホン』や『サロンパス』と変わらない鎮痛作用の弱いサリチル酸メチルだけれど、局所麻酔のdL-カンフルが加わっている点を強調して伝えた。
     上手く暗示にかかってくれれば、効果を感じてくれるかもしれないので。

    【第3類医薬品】ハピコム トクホンチ-ル OX 82ml

     『コリッシュ』(治肩背拘急方)を購入されるお客様に使用経験を尋ねてみると初めてというお話だったので、上半身を温めて血行を良くする『葛根湯』と違い、水分代謝を改善して胃の働きを良くすることで肩こりを治すことを説明してお買い上げいただいた。
     この場合も、作用機序を説明することで効果を高めるのが狙い。
     胃が悪くなると俯きがちになり、ボーリングの玉を片手で斜めに持って支えるようになる事により起きる肩こりは、デスクワークの多い現代では少なくないのだ。
     なにしろ、薬を使わずに肩こりを軽減する方法の一つは、意識的に天井を見上げる時間を作ることだと云われてるくらい。

     

  • 無駄弾を撃たないように気をつけよう

     先日、花粉症の鼻炎(鼻づまり)に『葛根湯』を購入しようとしたところを『葛根湯加川きゅう辛夷』に変更して頂いたお客様が再訪。
     鼻炎は楽になったそうなのだが、今度は喉に痛みがあるということから『桔梗湯』を勧めた。
     常備薬に『葛根湯』も買って頂けるというので、喉の痛みむ風邪のさいには『桔梗湯』と併用すると効果的なことをお知らせした。

     花粉症に『アレグラ』を求めて来店したお客様に、取り扱っていないことを伝えた上で『アレジオン』を類似品として案内してみたところ、以前に使ったことはあり、口渇が起きたとのこと。
     どちらも予防薬なことは理解されていて、迷った末に『アレジオン』を購入された。
     花粉症は、体温が低いと症状が激しく出がちなため、体を温めるように勧めるとそれは知らないようだった。
     免疫反応の誤動作によって花粉に過度な攻撃をするのが花粉症で、人間の体は風邪でも骨折でも、まず体温を上げて外敵のウイルスや菌を倒したり血流を良くして患部の修復を図るから、体温を意図的に上げてやると攻撃の手を緩め、結果として症状が軽くなる。

     上記の話を近くで聞いていたというお客様から、よく花粉症の後に風邪をひいてしまうという相談を受けた。
     花粉症は免疫反応の異常により花粉をウイルスなどの外敵と間違えて攻撃するという説明はさっきと同じで、無駄に体力を消耗し武器弾薬が尽きたところを本物のウィルスに襲われるとひとたまりもないという喩え話で説明した。
     そして免疫反応を正常化するにもウイルスに対抗するのにも、体温を高めに保つようにするのが大事なことを話したところ、冷え性でもあるというので、なおさら長めの入浴をしたり夏野菜を避ける食事が必要ですと伝えた。
     風邪の時に風呂に入って良いのか疑問に思われたけれど、あれは日本家屋がまだ風通しが良すぎて湯冷めが心配だった頃の話なのです。
     まぁ、うちの家なんかは何処からともなく隙間風が入るから、油断はできませんが。

     

  • 本当に丸ごと野菜のポトフ

     やや高齢のお客様から、食事が不味いという相談を受けた。
     最近受けた相談の中では、格段に難しい(・_・;)
     亜鉛は飲んでいるそうだけど、喉に通る前の口に入れたときが味気無いとのこと。
     機能の低下を考え『竹茹温胆湯』を案内してみたところ、パッケージに疲労とあるため「疲れてはいない」というお話だったが、乗り換え先として『安中散』『四逆散』の合方の『爽和』を紹介した上で、試していただくことになった。
     というのも、詳しくお話を訊くと息子さん夫婦と同居するようになってからのようで、環境の変化によるストレスが原因とも考えられたから。
     また、食事量も減っているそうなので、『メイバランス』のコーンスープを案内して、一緒にお買い上げいただいた。
     後で調べてみると、機能の低下なら『六君子湯』が、気力の減衰があるのなら『補中益気湯』も味覚障害の候補になるようだ。
     この辺は、正式な効能には無いことだから、もっと勉強しておかないとなと反省(´・ω・`)

     『葛根湯』をレジに持ってきたお客様に、咳と喉の痛みや発熱には適さないことを伝えると、鼻の奥が痛くなり鼻づまりを起こしているとのお話だった。
     花粉症かもしれず、『チクナイン』(辛夷清肺湯)を考えたが、鼻汁は喉に落ちてこないというので『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内して、お買い上げいただいた。
     『葛根湯』は有名ではあるが、『葛根湯』の変方があることを知らなかったと驚かれた。
    「風邪には葛根湯」とも云われるから選んだんだろうけど、私からすると上半身を温める『葛根湯』を、上半身に熱が篭って起きる鼻づまりに使われることの方に驚く。
     これはどんな分野にもある話で、イメージに左右されると判断を誤ってしまうということでもある。
     私も、自分が素人な分野では、ちゃんと専門家を頼るよう気をつけよう。
     そうそう、お客様には体を温めるよう勧めた。
     上半身に熱が篭って鼻づまりを引き起こしてるのに逆に思われるかもしれないけど、体のほうには炎症を起こして温めたい理由があり、しかし現代では普段の飲料水も冷たかったりして体を冷やしがちであるため、体は「もっと炎症を起こさなきゃ」と頑張ってしまう。
     だから、長めに入浴したり温かい物を飲んで積極的に温めることによって、体が自分で「頑張って温めなくてもいいんだ」ということを学習してもらうためである。
     ただし、やはり鼻づまりは上半身に熱が篭ることであるし、熱は上昇するものなので、温めるのは下半身。

     夫婦のお客様が来店し、ご主人が『チョコラBB』や『ハイシー1000』などを見ていたが、声を掛けて用途を訊いてみると、白ニキビだったので『ペア漢方エキス錠』(桂枝茯苓丸)を案内した。
     『ペア漢方エキス錠』は女性向けと思われていたようだけど、血流を改善して不要物の回収と栄養の配布をすることの重要性を説明した。
     血流が大事なのは、男も女も同じなんである。
     あと、ご主人は肉食に偏ってると言うので、『チョコラBB』のようなビタミンB剤の併用か、豚肉かラム肉を摂るよう勧めた。
     すると奥さんから、ご主人が野菜嫌いな理由を「味が薄いから」と知らされた。
     そこで、人参やジャガイモを丸ごと煮込むポトフを提案した。
     うちの奥さんなんかも、煮る時間を短く済ませるためか硬い部分を残さないためか野菜を小さく切りがちなんだけど、それをやると野菜の旨味はスープに出てしまって、スープは美味しくなっても具の野菜からは味が抜けてしまう。
     野菜そのものが嫌いだというのでなければ、皮だけ剥いて丸ごと煮てしまい、煮えてからナイフや菜箸で切り崩すと、野菜の味が具に残る。
     ただし、その場合は今度はスープに味が足りなくなるので、その点はコンソメの素などで補うか、ポトフ用のスープを使うと良いだろう。
     煮る時間は長めになるものの、野菜を細かく切る手間は省けるし、鍋に蓋をしてコトコトと時間を掛けて煮ると、ナイフなんか使わなくても、人参なんかスプーンやオタマでも崩せるくらい柔らかくなる。
     やったことの無い人は、切り分けた野菜を煮た時と、丸ごと野菜を煮た時とでの味の違いに驚くと思う。
     あっ、キャベツは流石に四つ切りくらいにします、念のため(・_・)ノ

     8歳の子供が咳をしているということで、お客様から子供用の咳止めを注文された。
     『ムヒのこどもせきどめシロップS』を案内したが、詳しく訊いてみると乾いた咳をしているということと、粉が飲めるというので『麦門冬湯』を勧めて使っていただくことになった。

     

  • 善い顔をした悪がいる、悪い顔をした善がいる

     お客様から、最初は「善玉菌に効くヤツを」と注文されたので『新ビオフェルミン』かなと思ったんだけど、「違う」というので詳しく訊いてみると検診で悪玉コレステロールの数値が高かったらしい。
     ただ最近では、悪玉コレステロールの考え方も変わってきている。
     血管がボロボロになっていたりした人の血液中から発見されたため、当初は悪玉コレステロールが原因と考えられて「悪玉」と命名されてしまったけど、研究が進み実は血管を修復していることが分かってきた。
     倒れてる人のところに救急隊員が駆けつけたら、犯人扱いされるようなもんである。
     つまり、悪玉コレステロールの数値が高いのは、血管を修復しなければならない事態が起きているのは確かだから対策は講じなければならないけど、悪玉コレステロールを減らすという考え方は正しくない。
     そう説明すると、「言ってることは分かるかるけど、テレビで宣伝してるのが欲しい」と言われた。
     でも、その銘柄については分からないようで、どうしたら良いものやら。
     健康食品の『コレスケア』なども違うというので、医薬品のコーナーに案内すると『ナイシトール』(防風通聖散)を見つけて「これだ!」という。
     分かってみれば、なぁんだ『防風通聖散』かとガッカリ(笑)
     お客様には、運動もした方が良いか訊かれ「もちろんです」と答えた。
     そして、『ナイシトール』の働きが内臓に運動させるイメージですと説明した。
     以前に、カップルらしきお客様が来店して、女性の方は興味を示している様子だったのに、男性の方が「ただの便秘薬だよ」とかテキトーな説明をしていてイラッとしたことがある(ー_ー;)
     『防風通聖散』は、ある意味無茶な処方で生薬構成を見てみると、冷やすは温めるは血流を良くするは抑制するは保水して利水するは興奮させて鎮静するはで、その生薬は18種類にも及ぶ。
     確かに主な効能は便秘の解消ではあるけれど、体の方は代謝するのに運動を強いられるようなもんである。
     つまり、「内臓に運動をさせる」から「脂肪を燃焼させる」のだ。
     ただ漢方的には、生薬の種類が増えるほど総合的な効果は穏やかになるという性質があるため、劇的な効果を期待するとガッカリするかもしれない。
     特にダイエット目的の場合は、1週間程度のお試し版が市販品にありますが、3ヶ月くらいは続けるつもりで。
     そうなると、病院に行って処方してもらった方が、診察料込みでも保険の適用で安上がりになるかも。

     5歳の子供が鼻づまりということで、お客様から相談を受けた。
     花粉症かは分からず、しかし他に風邪の兆候は無いようなので、『ムヒのこども鼻炎シロップS』を案内したが、粉も飲めるとのことから『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介し、お買い上げいただいた。
     あと、寝苦しそうにしているというお話だったので、首の横の頸動脈を押さえる方法と、深呼吸をしてから息を止め頭を軽く振る方法を教えた。
     鼻が詰まりやすい人は、お試しあれ。

     中国人と思われる夫婦のお客様が来店し、足の痒みについて相談された。
     最初に『ユースキンA』を案内したが、患部は赤くはならないものの痒みは強いとのことでステロイド剤を提案した。
     赤くはないので『ロコイダンクリーム』で良いかなと思ったのだけれど、一番強いのと注文されたので『フルコートf』をお買い上げいただいた。
     まぁ、皮膚薬は強い薬から使って短期決戦で済ませるのが基本ではある。
     ただし、2週間以上は連続使用しないことと、長引くようであれば病院に行くようを話しした。

     

  • 合わなかった薬は記録しておくのが重要

     やや高齢のお客様が風邪薬の棚で迷っている様子だったので声を掛けてみたところ、「風邪薬を選ぶのは難しい」と言われた。
     普段は置き薬を使っていて、それもできるだけ使わないようにしていると言う。
     風邪は基本的に自然に治るものであるから、その対応は良いこと。
     そう答えて話が弾んで、ようやく主訴が喉の痛みだという話に辿り着いた。
     長い(笑)
     喉の痛みだけならばと『駆風解毒湯』を紹介しつつ胃炎の可能性を話して、体内の乾燥を取る『麦門冬湯』を案内した。
     しかし自身の薬は、やはりやめることにしたようで成人の娘さんの鼻水の薬を買いたいというお話になり『小青竜湯』を案内したが、ご自身で『コルゲンコーワ鼻炎フィルム』を購入された。
     お客様は漢方薬は好きだけど、娘さんは分からないそうなので。

     『パブロンSゴールドW』を手にしていたお客様がカラ咳咳をしていたので、『麦門冬湯』が入っている『パブロン50』を勧めてみた。
     総合風邪薬に入っている解熱剤は神経に働きかけるため、体内の保水機能が落ちて乾燥しがち。
     風邪の後に咳だけ残ったという場合は、発熱だけでなく、解熱剤の副作用が原因だったりする。
     しかし、「漢方薬は胃に悪いから嫌」と言われてしまった。
     詳しく訊いてみると、以前に薬局で風邪に勧められた物が合わなかったそう。
     風邪というと、初期に使う『葛根湯』か発熱時の『麻黄湯』だろうか。
     お客様は覚えていなかったため分からないけど、どちらも確かに胃には負担がかかる。
     胃が弱い場合の風邪には、初期に適応する『桂枝湯』か、初期から後期まで『柴胡桂枝湯』で通すのが良い。
     今回は、主訴が咳と微熱で、『麦門冬湯』は胃薬でもあることを説明すると『パブロン50』をお買い上げいただいた。

     お客様から、目の周りの痒みに塗り薬を希望されたが、どんなに弱い薬でもクリームや軟膏の基剤が目に入るのは良くないので、目薬を塗る方法を提案し『ロートアルガード』を案内した。
     しかし、花粉症のようであるものの、目ヤニも出るとのことだったため、『新緑水』の方を勧めてお買い上げいただいた。

     

  • 背中のこりや痛みは他の病気が隠れているかも

     『アレジオン』の購入を決められたお客様が、使うのは初めてとのことだったので即効性に乏しく予防薬として活用するのが有用なことを説明した。
     そして、即効性があり眠くなりにくい物として『ロートアルガードクイックチュアブル』を紹介した上で、『アレジオン』をお買い上げいただいた。
     鼻水が出るのは内臓が冷えていると考えられるため、入浴時間を長くしたり温かい物を飲んで、体を積極的に温めるよう伝えた。

     肩こりにと『タイガーバーム』を求めてお客様が来店したが、輸入元の会社が取り扱うやめてしまったことを説明し、成分の近い物として『メンソレータム軟膏』と『トクホンチールOX』を紹介した。
     両方の購入を決められ、もう少し詳しく症状を尋ねると、肩こりから頭痛にもなっているようだったので『葛根湯』で上半身を温めたり、反対に昇り気味の血圧を下げる『釣藤散』で血流を整える方法があることを伝えたところ、病院に通っているということから、担当医に処方してもらえるか相談してみるよう提案した。

     乳幼児を連れていたお客様が外用消炎剤の棚で迷ってる様子だったので、授乳中の可能性を考えて見守っていたところ、『サロンパスハイ』を選んでレジに持ってきた。
     外用薬から授乳には関係無いと思ってる人は少なくないから、ひとまず安心。
     しかし、主成分のサリチル酸グリコールは、いわゆる湿布臭い匂いがするため、それを伝えるとご主人が使うそうで匂いを嫌がるかもというお返事。
     主訴は背中のこりで、お客様か使うのでなければ浸透力のある薬でも大丈夫だから、フェルビナク製剤を案内し変更となった。
     整骨院になかなか行けないというお話だったけど、背中のこりや痛みは他の病気が隠れている可能性もあるため、軽減しないようであれば状態を確認するだけでもと受診を勧めた。
     お客様を脅すつもりは無いものの、内臓には痛覚神経が無く、内臓に不具合があった場合には近くの痛覚神経がそれを痛みとして脳に送ったりするのだ。
     以前に私自身はそれで肺炎を見逃してしまったし、胃痛を背中の痛みとして誤認することは多くあり、肝臓がんだったなんてケースもあるから油断はできない。