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  • 「治す気あるんですか?」と思わなくはない

     成人の息子さんが喉の痛みと鼻炎を訴えていて、「いつも使っている」というトローチを探してお客様が来店したんだけど、名前も成分も分からないという。
     それじゃ、選別のしようがありませんがな(^_^;)
     しかも、よくよく訊くと特定のメーカーのオリジナル品らしい。
     となると、そもそも医薬品か医薬部外品か菓子類かの区別も怪しい。
     お客様には、医薬品であれば消毒系か抗炎症系のどちらかだと思われますと説明したけど。
     そして主訴の一つである喉の痛みについて詳しくヒアリングすると、朝起きた時に喉が渇いた感じがして、鼻汁には色が付いているそう。
     病院はすでに受診しているらしく、抗生剤とカロナールなどを合わせて5種類ほどの薬が処方されているというのに、お薬手帳も持参していないのだから、正直「治す気あるんですか?」と思わなくはない。
     勉強も努力も大嫌いな自分だから、なおさらそう思ってしまう。
     仕方が無いので、もう少し症状について詳しく訊くと、発熱自体は無いというから、むしろその抗生剤とカロナールで体内が乾燥してしまい、それが喉の痛みになっているのだろうと判断して、『麦門冬湯』を案内した。
     また、息子さんは学校の関係で帰りが遅く疲れている様子だという話があったため、主訴については処方されている薬に任せるとして、『柴胡桂枝湯』で体を下支えするよう提案した。
     下痢にもなったというのは、おそらく抗生剤で有益な腸内細菌も倒してしまったからだろう。
     『柴胡桂枝湯』は、そういう低下した胃腸機能を支援するのにも使える。
     ただ、やはりそういう状態の時には、食欲はあっても量を控えさせることが必須。
     脳の方は、体調を整えるのにエネルギーが欲しいから食欲として「食べろ」という信号を送るかもしれないけど、内臓の方は指示に従える状態ではない。
     そうお話すると、タウリン系のドリンク剤を飲んでいると分かった。
     親心として、そうしたい気持ちは分かるけど、ドリンク剤を処理しなければならず体に負担を掛けてしまうから、あまり勧められない。
     もしどうしても栄養剤をというのであれば、栄養を蓄積できる生薬系の『ユンケル』などの方をと勧めた。
     すると今度は、『ユンケル』のピリ辛の味が苦手だというので、マイルドな味にしてある『ユンケルL』を紹介したうえで、カフェインを含まず上半身の乾燥を防ぎながら疲労を抑える『新ヒストミンゴールド』を案内した。
     だけど、主訴に加えて頭痛もあるという話から、改めて『柴胡桂枝湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     また、帰りが夜遅くそのまま寝て朝にシャワーをあびているというので、寝る時間を削ってでも入浴して血流を良くすることにより睡眠の質を上げるようお話した。
     そして、『柴胡桂枝湯』については、本人が飲むのを嫌がれば、お客様自身が使うように勧めた。
     お話しているうちに、どうも息子さんのことであれこれと考えて気疲れしていねみたいだったから。
     感情を支配する胃と肝臓を助ける『柴胡桂枝湯』は、心配しがちな親御さんにも役立つはずなので。

     水虫薬の『ピロエースZ』を求めてお客様がいらしたけど、材料に問題があってメーカーが回収していることを説明した。
     ネットでの良い評判を見て使おうと思ったらしいのだけれど、病院に行ったことは無く、菌の有無は調べていないそう。
     患部が水疱になっていて痒みが強く、ネットで見た状態と同じだから水虫と判断したらしい。
     どんなページを見たのか分かりませんが、水疱になっていて痒みが強うと言うのであれば、『掌蹠膿疱症』の可能性もある。
     『掌蹠膿疱症』は無菌性で、それこそ水虫との見分けは難しく、だけど症状としては同じである。
     だから、お客様には一度は病院を受診するよう勧めた。
     それと、お客様は患部を一生懸命に洗っていて、かなり擦っているのに治らないと言っていた。
     これも間違いで、患部を一生懸命に擦るということは、体からしたら防御しなければならず、傷んだ皮膚を再生するために水疱を作り出す。
     ますます、水虫かどうか疑わしい。
     とりあえず水虫薬を買いたいと強く望まれたため、比較的皮膚に優しい『ダマリンL』をお買い上げいただいたものの、患部は優しく洗うよう伝えた。

     お客様から『ベンザブロックLプラス』の効き目を質問されたけど、主訴を確認すると咳と喉の痛みに痰の絡みがあるものの、発熱や鼻炎は無いというので適応しないかもしれないとお話して、咳止めを使うよう提案した。
     すると咳については、息を深く吸うと出るというので、体内の乾燥の可能性を説明したところ、喉がカラカラと鳴るという。
     ならばやはり、上半身の水分不足であるため、『麦門冬湯』を勧めてお買い上げ頂いた。
     一応、比較として『ダスモック』(清肺湯)も候補に挙げたけど、煙草は吸わないそうだから外した。

     以前に咳の相談を受けて『麦門冬湯』を勧めて良好になったお客様が、今回は自ら『銀翹散』を選択された。
     主訴を確認すると、喉の痛みと頭痛とのこと。
     鼻水があるというから通常であれば、上半身を冷やす『銀翹散』は避けるところなれど、鼻水は気になるほどではないというから、そのままお買い上げ頂いた。
     ただ、いつもは風邪の初期に『葛根湯』を使っているというので、上半身を温める『葛根湯』とは使い分けが必要なことを説明した。
     すると今回は、頭痛と合わせて右肩に肩こりを感じるというので、喉の痛みが落ち着いたら、『葛根湯』に乗り換えてみるよう勧めた。

     

  • お客様への声掛けは『恐怖新聞』を読むが如し

     お客様から、『パフロンゴールドA』と『パブロンSα』の違いを尋ねられた。
     こりゃまた微妙な(^_^;)
     こういう時には考える時間稼ぎに、逆質問をする(笑)
     という訳で症状を尋ねると、鼻水と鼻づまりを往来していて、痰が喉に張り付く感じがするという。
     ほほぅ、なるほどなるほど(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
     と頷きながら、目では成分表示を追い、頭の中では情報の突き合わせをする。
     いや、決して聞き流してる訳ではありませんよ。
     念のため(o´・ω-)b
     そして口からでまかせ……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
     もとい、お客様にイメージしてもらいやすいように用語を選び、『パフロンゴールドA』は広く浅いオールマイティーで、『パブロンSα』の方が痰を伴う咳や鼻炎への効果に期待ができますと説明。
     すると、すでに発症してから日が経っており、その間にも現在も発熱はしていないというので漢方薬を提案すると、実は『小青龍湯』を服用したという。
     はい、症状と経過の他に、使用した薬の確認もしないと駄目ですね私。
     研修だったら、講師から注意されるところです。
     ただ、お客様は今後の発熱を心配して、解熱剤の入っている現代薬を希望されたため、『パブロンSα』に『新ヒストミンゴールド』を併用することを提案した。
     『新ヒストミンゴールド』にはカフェインが入っておらず風邪薬との重複を避けられ、主成分の麦門冬は痰にも良い栄養ドリンクなので。
     また、漢方薬では鼻水と鼻づまりの往来からして『小青龍湯』は適応しないから、発熱にも使える鼻炎薬の『葛根湯加川きゅう辛夷』と、痰の張り付きを主体にしつつ鼻づまりの解消も狙って『ダスモック』(辛夷清肺湯)を案内した。
     本日は、『パブロンSα』と『新ヒストミンゴールド』の組み合わせでお買い上げ頂いた。
     食欲はあるというお話だったけど、痰の張り付きは胃炎による体内の乾燥の可能性があることを説明し、食事は量を控えて消化の良い物にするよう伝えた。
     そして、お風呂には入っているというので、引き続き体を温めるよう勧めた。

     何度か日記に書いているように、お客様から直接的に相談を受けるのは極めて稀(まれ)。
     1日に2~3件は日記に取り上げてるけど、殆どは自動販売機のように買われてしまう。
     中には、薬の注意点や養生法をお話しようとしても、お会計で金銭のやり取りを終えるとレシートすら受け取らずに立ち去ってしまわれる。
     メンタルが豆なので、1日の終りには「明日からは自動販売機かお地蔵さんになろう」と思うくらいに凹んでいたりする(´・ω・`)
     だからたまに、来店するなり一直線にお客様から近づいてこられると、ものすごくビビッてしまう。
     心に余裕が無いから、驚いてしまってごめんなさい(^_^;)
     で、そんなふうに迫られて、その迫力がちょっと怖かった。
     いや、それだけ苦しかったんだと思いますが、お客様の形相が殺気を帯びてるかのようだったので……。
     相談された主訴は、腹痛と吐き気と下痢。
     お臍(へそ)の周囲が痛むそうで、食べた物などでは思い当たらないという。
     まぁ、こうして店頭に来れるくらいなら対処できる範囲かなとも思い、もう少し詳しく訊こうと思ったら、「できるだけやすい胃腸薬を」とリクエストされた。
     予算も大事だからそれは良いんだけど、胃腸薬じゃない物を案内したいのですが、いかが?
     恐る恐る切り出すと、「胃腸薬ではない」という言葉に疑問に思ったのか、さっきまでの殺気のような勢いが穏やかになった。
     言ってみるもんだなー。
     案内したのは、風邪の後期や胃腸の風邪に用いる『柴胡桂枝湯』である。
     柴胡で肝臓を助け、桂枝で胃を助けることで、解毒と健胃と整腸作用を一気に面倒を見ようと。
     1日3回の服用が基本だけど、症状からして、すぐに服用して翌朝まで待たずに寝る前に服用するよう勧めた。
     お客様からは、今日はおかゆにした方が良いかと尋ねられたので、いっそ食べずに水分補給だけにするか、塩分も摂るために味噌汁やスープで過ごすようお話した。

     桐灰の『ひざホットン』の替え用をレジに持ってきたお客様に「取替え用で宜しいですか?」と尋ねたら、「えっ? いや! 本体が欲しいんだけど」と言われて一旦お会計を中止。
     パッケージにデカデカと「取替え用」と書いてあるから間違えようが無いと思っていたけど、やっぱり声は掛けておくもんだなと思った。
     ただ、声を掛けるのは寿命が縮むくらい労力が必要なんだよねぇ。
     まるで『恐怖新聞』を読むかのように(;´・ω・)

     

  • 冷えの咳、乾燥の咳、炎症での咳、咳にも色々ありまして

     風邪薬の棚で迷っている様子のお客様がいたので声を掛けてみたけど、案内を断られた。
     そして『ベンザブロックS』をレジに持ってきたところで、改めて症状を尋ねてみると、鼻水と鼻づまりを行ったり来たりしている鼻炎だとのこと。
     鼻以外の症状が無く、鼻水と鼻づまりを行ったり来たりするのは体温調整が上手くいっていないからと考えられることを説明し、解熱剤や鎮咳薬なんかまで入っている風邪薬より鼻炎薬にしてはどうかと提案した。
     すると、そもそも症状は軽いらしく、どうも薬が必要なようにも思えない。
     入浴に関して確認したらシャワー派だというので、それなら体温調整を安定させるためには血流の改善が大事とお話して、熱すぎないお湯に、ゆったり入るよう勧めた。
     という訳で、本日のところはお買い上げは無し。
     去り際に、「勉強になりました!」と言われた。
     しまった~、鼻炎にも風邪にも使える『葛根湯加川きゅう辛夷』は紹介しておくべきだった。
     レジに来る前の段階だったら、紹介しやすかったんだけどなぁ(苦笑)

     成人の娘さんの肌の乾燥と痒みということで薬を買いにいらしたお客様、詳しく症状を訊くと患部を掻いた時にブツブツができるという。
     乾燥が原因で?
     それは、乾燥じゃなくて何かに反応しているのでは?
     いや、そうではなく先に痒みを感じて、その時点では皮膚に変化は無いという事なのか。
     だとすれば、寒暖差アレルギーのようにも思える。
     でもリクエストは乾燥の薬だから、ひとまず保湿にと尿素入りの『ケラチナミンコーワクリーム』を案内しつつ、今までに尿素入りの物を使ったことがあるか尋ねると、本人じゃないから分からないという。
     うん、まぁ……そうですよね。
     それで改めて痒みに適応する薬を候補に挙げようと思ったけど、お話からすると本人から頼まれた模様。
     本人からは、「何でもいい」と言われてるらしいのだが、患部の様子や症状が酷くなる時あるいは軽くなる時といった情報が無いのでは、範囲が広すぎて、薬の適応はもちろん、そんな当てずっぽうなことにお金を使って頂いて良いものなのかと。
     この頃になって、ようやく当初の疑問である「何かに反応しているのでは?」というお話をすることができて、お客様も「本人じゃないと分からないわね」と帰っていかれた。
     本当にそう考えたのか、私の対応を面倒くさいと考えたのかは、それこそ分からなかったけど(;´Д`)

     咳止めの棚を眺めているお客様に声を掛けた当初は案内を断られたけど、しばらくして相談を受けた。
     良かった。
     トイレに行きたくて、でもお客様が売り場にいる間はレジを離れられないから困ってたのσ(^◇^;)。
     冷たい物を飲むと咳が出るというお話で、今日も子供が飲み残したジュースを飲んだら咳が酷くなったそう。
     冷えが原因の咳となると、いつもの体内の乾燥を改善する『麦門冬湯』や、寝る時に咳き込むような炎症での咳に用いる『五虎湯』ではなく、上半身を温めて咳を止める『小青龍湯』の出番か。
     そう考えて案内しようと思ったら、お客様は薬局勤務だという。
     あれ?
     それでしたら、薬によっては自店で購入できるのでは?
     すると、「うちの薬剤師さん意地悪だから、相談できないんです」というお答え。
     え~と、あまり踏み込まないほうが良いのかしらん(^_^;)
     でも周辺情報も重要だったたりするため詳しくお話を訊くと、ホントにそんな薬剤師さんが居るんかいなと思うような話が次々と……。
     一発アウトではないだろうけど、問題アリ……いや、たぶん大丈夫… きわどいけどオーケー、違法ではないしギリで平気……?(『人類は衰退しました』の私ちゃん風に)
     もちろん、それは一方的な話を聞いた範囲でだけど。
     少なくも、職場環境は悪そうである。
     ううむ、なんというタイミング。
     いや、実は先日、ピッタリな漢方薬を入荷したばかりで。
     別にお客様から『カンポアズマ』を取り扱ってないかと問い合わせがあり、その時には生憎と置いていませんとお詫びした。
     そして、その時点では入荷するつもりも無かった。
     というのも、この『カンポアズマ』は、抑うつなどの精神神経症状がある人が呼吸困難になった時に用いる『神秘湯』と、これまた緊張性の喘息を患っている人に適応する『半夏厚朴湯』を合わせた処方。
     要するに、そんな症状の人は病院に掛かっているケースが考えられ、店頭で応対する機会は多くない。
     でも、市販薬で販売しているからにはメーカー側では、何か広範囲な適応を想定しているのではないかと気にもなっていた。
     そしたら、某会合で『カンポアズマ』とは別なメーカーの学術部の人と逢う機会があり、使いどころを尋ねてみた。
     他のメーカーの製品なのに、詳しく教えてくれた(笑)
     いや、その節はありがとうございましたm(_ _)m
     その人の話によると、冷えが原因の咳に適応するという。
     例えば今の季節なら、暖かい部屋の中にいて寒い外に出ると咳き込むとかである。
     多くの咳は、気管支の炎症や乾燥によるものだけど、確かに冷えが原因の咳というのはあるものの、それは細胞が縮こまり防御態勢になるからで、そういう時には『小青龍湯』で温めてやるものと思っていた。
     じゃあ『カンポアズマ』との使い分けはどうかというと、『小青龍湯』が上半身に働きかけるとすれば、『カンポアズマ』は柴胡剤でもあり肝臓に働きかける『神秘湯』と、喉のつかえ感を改善する『半夏厚朴湯』との組み合わせにより咳を抑える。
     というのも、肝臓は暑さにも寒さにも極端に弱く、肝臓を傷めると抑うつ状態になることがある。
     そういう事では、『小柴胡湯』『半夏厚朴湯』を合わせた『柴朴湯』に近い使い方が考えられる。
     なので、以前に何度か『柴朴湯』が適応しそうな患者さんがいらした時に、うちのお店では『柴朴湯』を入荷できるルートが無く病院で処方してもらうよう案内するしか無かったのだが、『カンポアズマ』て代用できるかもと考えたのだ。
     そして試しに仕入れてみたら、今回のお客様の来訪。
     冷えが関係する咳で、ストレスも加わっているとすれば『カンポアズマ』が適応しそうである。
     乗り換え先として『半夏厚朴湯』と、薬局は店内が乾燥しがちだから『麦門冬湯』を紹介し、『カンポアズマ』を試して頂くことになった。

     

  • 薬は使い分けるのが効果的なことが

     お客様から『改源』と『葛根湯』を比較しての質問を受けたので、発熱していたら現代薬と生薬を合わせた『改源』を、発熱前の風邪の予兆があれば『葛根湯』をと説明した。
     成人の娘さんが発熱しそうと訴えているそうなんだけど、疲労感もあるらしい。
     娘さんは幼稚園の先生の実習中で、夜遅くまで日誌やレポートなどの作業をしているそう。
     ふむぅ、だとすると『葛根湯』だけでは体力の低下を防げずに、そのまま発熱できずに微熱が続くなんてことにってしまうかもしれない。
     変則的だけど、普通は風邪の後期の体力回復に使う『柴胡桂枝湯』を夜に服用して、朝に『葛根湯』を服用する方法を提案して、両方をお買い上げ頂いた。
     『葛根湯』は上半身を温めて血行を良くすることで風邪の初期に有用ではあるけど、それだけに夜に服用すると寝付きが悪くなる。
     一方、『柴胡桂枝湯』は肝臓と胃の働きを助け、気分を落ち着ける効果もあるから、夜に作業をしているようなら睡眠の質を上げてくれることを期待できる。
     ただ、やはり娘さんは仕事が帰るとシャワーで済ませているようなので、寝る時間を削っても入浴するよう勧めた。
     睡眠は寝た時間よりも、質のほうが大事。
     血行を良くして寝るほうが、回復力が増す。

     帯状疱疹後の皮膚の乾燥に使う薬をと、夫婦で来店したお客様から相談を受けた。
     ご主人が患者さんなんだけど、応対するのは奥さんの方。
     そして毎年のことだからと最近は病院に行っていないそうなので、帯状疱疹の経過や使用してきた薬については分からないという。
     内服薬は使ったことが無いそうなんだけど、それだけの情報では方針も立てられない。
     乾燥が原因と思われる背中の痒みに、以前はタオルでガシガシと擦っていたらしく、悪化して止めたそう。
     とにかく、強い痒みには『フルコートf』などのステロイド剤を、掻きむしるほどでなければ『ユースキンA』などの痒み止めが入った皮膚ケアを、保湿だけなら皮膚の中で保水する尿素入りの『ケラチナミンコーワクリーム』や、皮膚の表面を覆って保水する『アロエ軟膏』などを、症状に合わせて行ったり来たりと乗り換える方法を提案した。
     どうしても一つの薬で全部を済ませたいと考えてしまうだろうけど、症状によって使い分けたほうが体への負担を抑えられるので。
     また、敏感肌で蕁麻疹が出ることもあるというお話が出たけど、皮膚の敏感さと塗り薬の強弱は直接的には関係無いことを説明した。
     相性が良ければ強い薬でも反応は出ないし、悪ければ弱い薬でも反応が出てしまうものなのだ。
     一応、内服薬として『十味敗毒湯』と、現代薬との合方である『タウロミン』を紹介した。
     本日のところは『ユースキンA』をお買い上げ頂くことになり、皮膚疾患は店頭では難しいため、改めて病院を受診するよう勧めた。
     まぁ一番は、患者であるご主人自身が自分の体と病態に興味を持って、主体的に関わってくれるのが最優先だと思いますが(^_^;)

     

  • 家を出る前に家にある薬の撮影を

     お客様から、子供の発熱にと『パブロンkids』の効果を尋ねられたけど、他に目立った症状は無く、行こうと思えば病院に連れて行けるというので、39度を超えなければ薬を飲ませなくても良いのではとお話したところ、まだ微熱の段階だそう。
     それなら、家に『葛根湯』があれば使ってみるよう提案すると、置いてはあるものの錠剤の味を嫌がるという事から、『葛根湯kids』の方を購入された。

     『キューピーコーワゴールドαプラス』と『パワーアクトゴールドα』の比較を尋ねられ、後者には血流改善のための当帰が入っていないことを説明した。
     そして今日は売り出し日でお得なため、まとめ買いをされるか悩まれたようなので、同じ物をまとめ買いするより別な物を揃えてはどうかと提案し、肝機能を補助する『ネオレバルミン』を紹介した。
     栄養剤にしろ薬には代わりないから、肝臓の負担を軽減するのが良いかと。
     もっとも、その『ネオレバルミン』にしたって肝臓で代謝される訳ですが。
     すると、近くにあった『サモンエース』(知柏地黄丸)に興味を示された。
     四十代以降の人には、男の更年期といった頻尿とか局所的な冷えや熱感といった不定愁訴に役に立つものの、そういう年齢的な疲労を感じてるようでもないため、今回は勧めなかった。
     そして、今までに話には出なかったけど鼻炎の話になり、鼻づまりと鼻水を行ったり来たりというようなので『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内したら、『キューピーコーワゴールドαプラス』と一緒にお買い上げ頂いた。
     売り出し日には、こういうふうに話があっちに行ったりこっちに行ったり走り幅跳びしたりで、良く分からなくなる。
     日記に書いてみて、ようやく流れが把握できた。

     中学生の子供が鼻づまりと咳を訴えてるとのことで、お客様から相談を受けた。
     発熱などの風邪の兆候は無く、『パブロン』が効かなかったそう。
     ただし、どの『パブロン』だったのかは覚えていないとのこと。
     買い物に出る時には冷蔵庫の中を携帯電話やスマホで撮っておくという小技が雑誌に紹介されていたけど、薬に関しても同じ。
     使った薬や、家にある薬を撮っておいてもらえると、提案できる幅が広がって有益です(・o・)
     そして今回は、鼻汁が喉に落ちてきて咳になってるようだという事が分かり、蓄膿症と診断された事もあるというお話から、風邪薬ではなく鼻炎薬を使うように提案し、『チクナイン』(辛夷清肺湯)を案内した。
     蓄膿症に特化して考えると『チクナイン』という名前は悪くはないんだけど、漢方薬名の『辛夷清肺湯』の方が使いどころが分かりやすいように思える。
    「辛い物で夷(鼻汁)を通し肺を清める」と覚えれば、これが鼻づまりと咳を連想で結び付けられるので。
     まぁ、中身は胃薬なんですけどね。
     胃が弱ると、喉に落ちてくる異物を押し返せなくなる。
     つまり、胃が弱っているから鼻汁が喉に落ちてくるという次第。
     しかし、以前にお客様自身に処方された『小青龍湯』を飲ませたら、辛苦くて嫌がったそう。
     しかも、薬剤師さんからはアイスクリームに混ぜる方法を教わり、それを試してみたら、なおさら駄目だったとか。
     それは、駄目でしょうねぇ(;´Д`)
     スイカに塩を振るようなもので、甘い物と一緒にしたら辛苦さが強調されるだけ。
     むしろ、カレースープとかミネストローネスープのような香辛料の入る物と混ぜたほうが違和感が無いはず。
     ただ、『辛夷清肺湯』は名前に反して甘い生薬も多めだから、『小青龍湯』よりは飲みやすいと思われますとお話して、お買い上げ頂いた。

     

  • 随伴症状にまで辿り着くのは難しい

     『のどぬ~るスプレー』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねると、喉の痛みが発症したのは3日前からで、さらに前には微熱と鼻水があり、それらは今は治まったという。
     だとすれば風邪をひいて、もう治りかけという段階。
     発熱によって体内が乾燥したか、風邪で胃炎が起きたかで、気道が炎症しているのだろう。
     消毒系の『のどぬ~るスプレー』より、抗炎症系の方が適していると考えられることを説明して、アズレン製剤の『のどスプレー』と、内服薬に『ペラックT』を案内した。
     『のどスプレーアズリースロート』をお買い上げ頂き、喉の炎症が胃にまで及ぶことがあることを伝えたところ、胃炎は感じているというので、消化に良い食事にするよう勧めた。
     胃炎を感じてる話をもう少し早く引き出せていたら、風邪の後期の胃腸炎に使う『柴胡桂枝湯』も紹介したんだけとねぇ。
     買う物を決めてる患者さんに、主訴を聞き出すだけでも大変だから、随伴症状まで辿り着くのは、もっと難しい。

     風邪薬の棚で迷っている様子のお客様に声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     『ルルアタックNX』を選ばれてレジに持ってきてから症状を尋ねると、主訴は鼻水と喉の痛みで、発症したのは3日前からだそう。
     でも、3日前よりは症状が軽くなっており、当初から発熱は無かったという。
     鼻水はサラサラの透明だというから、単純に冷えによるもので、喉の痛みとは別口かもしれない。
     しかも、喉の痛みも軽くなってきているとなれば、『ルルアタックNX』は疲労を招いて、むしろ風邪に進行させてしまうのではないか。
     普通は発熱前の風邪の初期に用いる『葛根湯』で温めてしまえば、炎症の熱を発散して、ついでに鼻水も改善するように思える。
     そこで、家に『葛根湯』があるようでしたら使ってみてはと提案したら、昨日に服用して、まだ家に残っているそう。
     発症した当初には服用していなくて、昨日になって服用したというので継続するよう勧めると、『ルルアタックNX』はキャンセルとなった。
     喉が痛む間は、無理に食事をしないで胃を休めるよう伝えた。

     やや高齢のお客様から、ヤケドの水疱が破けたとのことで薬を求められたため、ヒリヒリ感があれば『メモA』を、無ければ抗生物質を使うか、薬を使わずに『キズパワーパッド』での湿潤療法を勧めた。
     すると、以前に病院で処方された薬があるというので、一旦お帰りになってから現物を持ってきて頂いたところ、抗生物質の『バラマイシン軟膏』だった。
     開封して日も経っていないようだから、使うよう勧めて本日のお買い上げは無しに。
     ヤケドしたのは、使い終えたオーブンが冷える前に掃除しようとして触れてしまったらしい。
     そして、直後には患部を冷やさなかったそう。
     ありゃん(;´Д`)
     次にヤケドをした時には、最低でも30分~1時間は流水で冷やしてくださいね。
     ヤケドの薬というのは無くて、病院に行っても医師からは「冷やしてから来て」と言われるくらい、冷やすのが第一なので。
     あっ、氷は駄目です。
     冷たすぎると、皮膚への刺激が強いので。
     『冷えピタ』などは逆に患部の熱を奪う力が弱いから、やっぱり駄目。
     あと、ヤケドの範囲が掌より大きいか、痛みが感じないくらい深くまでヤケドしていると思われる場合には、迷わず救急車を呼ぶように(・o・)
     お客様には、今後の患部のケアのために塗る漢方薬の『紫雲膏』と、患部を保護する『アロエ軟膏』を紹介した。

     

  • 喉が痛いからと『イソジン』を安易に使わないように

     やや高齢のお客様が『イソジン』を購入される際に、現に喉が痛む時には避けるようにお話すると、「でも、のどの痛みが軽くなる」と言われた。
     確かに感覚としては、痛みが軽くなる。
     『キンカン』を虫刺されるに使う場合も同様で、局所刺激によって痒みや痛みが緩和されるのだ。
     要するに、痒みや軽い痛みのあるところを叩くと痺れて感じなくなるのと同じ。
     人間の痛覚神経が、案外とイイカゲンな証明でもある。
     で、感じなくしている間に自然に治るのを待つという手もあるのだけれど、喉が現に痛むようであれば、炎症を鎮める内服薬がありますと『ペラックT』と『駆風解毒湯』を紹介したら、『ペラックT』をお買い上げ頂いた。
     まぁ、そもそも消毒剤は体を守る常在菌ごと倒してしまうし、粘膜を傷めるので、うがい薬を毎日使うというのは勧められない。
     インフルエンザのシーズンとか、周囲で風邪が流行っているような時に集中的に使うとして、日常は水道水でのうがいで充分。

     急に冷えて、のどに違和感がある人が増えたのか、『イソジン』を買う人も増えた。
     なので、『イソジン』を買いに来たお客様に先のお客様へしたのと同じ説明。
     そして、お話を聞いて貰えそうなお客様には補足情報を。
     喉の痛みは扁桃腺炎や風邪とは限らず、胃炎でも起きる。
     多くの人は、胃炎は自覚症状として胃に現れると思っているけど、胃には痛覚神経が無く、胃炎の熱さや胃痛を感じるとうのは胃に近い痛覚神経が感知しているもので、かなり悪化してからの話である。
     むしろ、胃は喉と繋がっているため、胃の異変は喉に現れ口内に現れ唇に現れるのだ。
     そして、健康な人でも一日に50回くらいは胃酸が逆流して食道を侵食しており、健康時には大丈夫でも体力が落ちていたりすると修復が間に合わず炎症し、それを「喉の痛み」と認識するケースがある。
     その見分け方は難しいのだけれど、目安としては喉の奥がヒリヒリする、喉が膨れるような腫れは無い、頭痛や肩の張りなどの風邪の兆候では無い時には、胃炎による喉の痛みを疑ってみてるのが良いだろう。
     自分はいつも喉から風邪が来るという人も、胃炎によって体の抵抗力が落ち、風邪にまで進行しているというケースがありえる。
     しかし、いつも喉から風邪になるからと発熱や鼻炎といった他の症状が現れていない段階で総合風邪薬なんかを使うと、かえって体力を落として風邪の侵攻を許してしまうことになり注意が必要。
     だから、喉が痛い時には喉の痛み止めに限定するのが良い。
     私としては『駆風解毒湯』や『ペラックT』がお勧めだけど、もし風邪への進行が心配であれば、鼻水を伴う時には『葛根湯』『桔梗湯』を併用するか、鼻水が無いなら『銀翹散』が風邪に進行するのを防いでくれる。
     とにかく、喉が痛いからと『イソジン』を安易に使わないようにご注意あれ(・o・)ノ

     

  • この気持ち片想いかしら?

     ジクロフェナクナトリウム製剤の湿布をレジに持ってきたお客様に強い物で良いのか尋ねると「いい」との返事だったけど、肩こりなどの常用であれば鎮痛剤は弱い物のほうが望ましいことをお話したら、痛いというほどではない肩こりだそう。
     それなら鎮痛効果は弱まるけど浸透力あるフェルビナク製剤をと提案すると、変更を決められた。
     どうやら、強ければなんでも良い物と思っていた模様。
     そして、一緒に『葛根湯』を購入されるので、肩こりにも使えることを知らせると、風邪の常備薬のつもりだったらしく、思いもよらなかったと驚かれた。
     効能に、ちゃんと書いてあるんですけどね。
     説明書は困ってから読めば済むのは、家電くらいだと思うの。←それもどうか
     上半身を温める『葛根湯』で少しでも楽になるのであれば、痛み止めを加えた『独活葛根湯』という物もありますと紹介した。

     ご夫婦で来店され、『フェイタスZ』をレジに持ってきたお客様に、念のため強い物で良いか確認した。
     こうしてレジで確認するのも、神経がすり減るから嫌なんだけどね。
     下手すると、地雷を踏んで怒られるし。
     でも本来は、誰が使うのか、今の症状は、症状の経過は、既往症はあるか、使用した他の薬はあるかというのを確認するのが基本。
     だけど、第2類と第3類における情報提供は訊かれたら応えるという努力義務だから、ぶっちゃけ訊かれなければ積極的に提供する必要は無い。
     でも、セルフメディケーションの概念からすれば、自動販売機というのもオカシイ。
     そんなこんなを含めての確認作業なんで、協力してもらえると嬉しいし、なにより治すのは本人だから本人が治療に参加しなければ意味が無いと思う。
     だけど、患者本人であるらしい旦那さんは私の問いかけに知らんぷりで、奥さんの方が「腰痛なんです」と応じて、病院に行く時間が取れないためとお話された。
     そのままお会計しちゃったけど、腰痛だから患部が腰とは限らず、内臓の病気を場所が近いから腰痛と感じることがあるため、痛みが酷くなってから受診するより原因の特定のために受診することも必要なことを伝えた。
     旦那さんは、全く我関せずで寂しい限り。
     この気持ち、なんだか片想いに似ているわ(;´・ω・)=3

     

  • 強い薬が効くと体感できるとも限らない

     お客様から、肩こりに「ピンポイントで効く物を」というリクエストを受け、『ロイヒつぼ膏』を案内した。
     主成分は『トクホン』や『サロンパスA』なんかと変わらないけど、局所麻酔成分が入ってるので、まさに「ピンポイントで効く」と云える。
     しかし、マッサージに行っても良くなるのは直後だけというお話があったため、家に『葛根湯』があるようであれば試してみるよう勧めた。
     『葛根湯』で良い感じがしつつも今一歩という時には、痛み止めが入った『独活葛根湯』が乗り換え候補になります。
     そして、上半身の血流の改善が大切なことを説明すると、その血流改善の成分が入っている『ほぐリラ』に興味を持ち、温感タイプを買っていかれた。

     旦那さんに頼まれたと、肩こりに使う湿布薬の相談を受けた。
     当初は「匂わない物を」というお話でもあったので、サリチル酸グリコール以外の物であれば、いわゆる湿布臭さのイメージほどには匂わないことを説明してフェルビナク製剤を案内すると、病院で処方されていた湿布が切れてしまったから「強い物を」と要望が変わった。
     でも、その処方されたという湿布の内容は不明。
     それでは比較が無くて、何を候補にして良いのか分らない。
     鎮痛効果は弱くても、局所麻酔成分の入った『ロイヒつぼ膏』の方が体感としては「効く」と感じるかもしれないので、そうお話したうえで紹介はしてみた。
     そして、鎮痛効果の強さと浸透力の高さでは定評のあるジクロフェナクナトリウム製剤の『フェイタスZ』も初回すると、そちらの購入を決められた。
     あと、高血圧の話があったため内服薬として『釣藤散』も紹介したけど、治療を受けて高血圧については落ち着いてきているという。
     そう、それなんですよ。
     受けた治療や使った薬の情報は、たとえ湿布薬でも必要。
     市販薬を買う時には、やはりお薬手帳を持参するようにお願いしますm(_ _)m

     

  • 男は一人墓穴掘る 男は一人で掘るものさ 『男はひとり道をゆく』より(嘘)

     外用消炎剤の棚で迷ってる様子のお客様がいて声を掛けたら、数日前に捻挫したという話から始まり、痛いというより違和感が残っているという。
     それなら、鎮痛剤として強い物より血流改善の成分が入っている物の方が良いでしょうとお話して、フェルビナク製剤の『ほぐリラ温感』を勧め、試して頂くことになった。
     そしてお会計時に、長引くようなら病院を受診するようにとお話したら、「言っておく!」と答えて、ピューッと走って帰られてしまった。
     えっ?
     えっ!?
     えっ??
     捻挫したのは誰なのー(*」>д<)」!?
     終始一人称で、捻挫の具合の話し方からして、本人だと思い込み、患者さんの確認を怠ってしまった。
     こういう失敗は、地味に凹む……orz

     小学生の子供の鎮痛薬をということで『バファリンルナJ』をお客様に案内し、市販の鎮痛薬では実質アセトアミノフェンの一択しか選択肢が無いことを説明したうえで、頭痛の状態をヒアリング。
     その時、何を思い込んだのか初潮の有無について尋ねてしまった。
     そしたら、子供は男の子というお返事。
     ありゃん、大変失礼を(^_^;)
     子供の鎮痛薬は、たいてい女の子の相談が多いので。
     ううん、なんだか今日は思い込みの多い日だ。
     手抜きか慢心か、良くない仕事の姿勢である(´・ω・`)
     そして主訴は頭痛で眼の奥が痛むらしく、痩せ型だというお話だったため、胃からくる頭痛を疑い『柴胡桂枝湯』も候補として挙げたところ、目の疲れも関係するか質問された。
     どうやら、勉強のしすぎが思い当たるらしい。
     それはもちろん有りえるので、その場合は家に『葛根湯』があればお試しくださいとお話すると、無いということで購入を決められた。
     眼の奥の頭痛を水毒と考えて、胃からくる頭痛と直結させてしまったのも思い込みだなぁ。
     自分が勉強嫌いだったからって、勉強といった目の使いすぎによる眼の奥の痛みは基本中の基本なんだから、それを考えないなんてどうかしてる。
     今日の自分は、墓穴を掘って埋めてやりたい=3
     お詫びというよりは自分の失敗を糊塗するために、温かい食事を心掛けて、根菜を多く摂らせるように勧めると、好き嫌いがあるとの事だったが、それは生での話でスープなら食べるというので、それはぜひ集中的に食べさせてくださいとお話した。