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  • 叱られるの全般が苦手だから人が叱られてるのを見るのも嫌

     やや高齢のお客様、主訴は頭重感と鼻炎で、家の中で平気なのが外に出ると発症することから、自身では花粉症ではないかと思うという。
     ああ、それはありえますねぇ。
     杉などの背の高い木が原因となる春の花粉症と違い、秋の花粉症は腰よりも低い草花が原因だったりするため、家の近所や、たまたま散歩する道端の花などに、ごく少数の人や個人だけが発症するもんだから、風邪との見分けも難しい。
     以前に特定の中学校の運動部員が多く、目の痒みや鼻炎で訪れたことがあるけど、どうも共通しているのが同じ土手のコースをランニングしている事だった。
     おそらく、その土手固有の草花による秋の花粉症だったのだろうと思う。
     今回のお客様も、発熱や肩の張りといった風邪の兆候は無さそうなものの、鼻炎薬を提案すると、鼻炎はたいしたことが無いというお話だったため、花粉症にも風邪にも使える『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内したら、もともと蓄膿症ということも分かり、お買い上げ頂いた。
     本格的に蓄膿症だと、『葛根湯』で上半身を温めるより『荊芥連翹湯』で患部を冷やすのが必要になるけど、今回の主訴は頭重感なのでこれで良いはず。

     ヨチヨチ歩きの子供が近づいてきて、「とろーちください」と言われた。
     親が、子供に買い物の練習をさせているのだろう。
     その意図は分かるんですが、トローチと言っても目的によって内容も変わります。
     お菓子を買ってあげるんじゃないのだから、そういう練習は時と場合を選びましょ(^_^;)
     なので、同伴している親に改めて用途を尋ねた。
     すると、患者は旦那さんで、喉が腫れておりツバを飲むのも痛いと訴えており、トローチは旦那さんの要望らしい。
     ひとまずアズレン製剤の『パブロントローチAZ』を案内しつつ、それほど患部が腫れてるのであればと、『ペラックT』と『駆風解毒湯』も提案してみた。
     すると、『ルルアタックEX』を服用したというのだけれど、主訴は喉の痛み以外には無いそうなので、発熱していない時に解熱剤を使うと疲労してしまう可能性をお話したところ、明日以降も休めないというお話なため、なおさら症状にピンポイントで対応したほうが良いですと伝えた。
     すると『のどスプレー』にも興味を持たれたものの、消毒系ではすでに遅く、抗炎症系はアズレン製剤で『パブロントローチAZ』と同じことを説明すると、トローチと一緒に『駆風解毒湯』を購入して頂いた。
     そのお会計の時にも、財布ごと子供に渡して、お金は出せたけどポイントカードが見つけられなくて、親が子供を叱る。
     あのー、次に並んでるお客様がいないから待ちますよ~。
     お金とポイントカードを渡して支払わせるならともかく、お財布ごと渡して任せるとなれば、そこは叱らないで待ちましょうよ。
     待ってる私の方に、気を使ったのかもしれませんが。
     子供の頃に、何かをしなさいと言われて、その途中での手順やら失敗やらを怒られるのって、そのうち嫌になるんだよね。
     私が、家で食事の用意や食器の片付けをしなくなったのは、食器を落として割っちゃって親父に殴られたからだ。
     ………と奥さんには家事を手伝わない言い訳にしてるヽ( ´ー`)ノ
     いや、あの時のことは今でも鮮明に覚えてて、食器を運ぶのが苦手なのは事実なんだけど。
     ファーストフードなんかのセルフサービスの店でトレーを運ぶのとか、本気で心臓がバクバクいって困る。
     もうね、挙動不審なくらいソロソロとしか動けなくなるから、1人の時には注文時に「持ち帰り」と言っておいて、店内で食べてたり。
     袋に入れてもらえば、運ぶのに気が楽なんで。

     

  • 患者さんと付添人とのバランスに悩む

     やや高齢のお客様が娘さんと思われる人と来店し、売場にいらした時から咳の音が、体内の乾燥によるもので『麦門冬湯』が適応しそうな感じだった。
     でも早めに声を掛けても、たいていは案内を断られるため、ひとまずお客様自身が薬を選ぶのを見守ることにした。
     しばらくすると相談を受け、やはり主訴は咳で風邪を思わせる他の症状は無く、咳はほぼ一年中出ており痰が絡むというから、『麦門冬湯』で良さそう。
     歳を取ると体の保水力が落ち、実際に飲む水の量も減るから、なおさら保水を助ける必要がある。
     お客様本人に説明しつつ、娘さんにもお話して『麦門冬湯』を購入して頂いた。
     高齢者でも子供でも、やはり基本は本人に話しかけて、本人からヒアリングをして本人に説明をしなきゃならないんだけど、付き添いの人を無視する訳にもいかず、さりとて付き添いの人に話を振ると、そのまま本人に取って代わって対応しようとされるため、なかなかにバランスが難しい。
     今回は付き添いの人の方もバランス感覚に優れてるというか、要所要所で本人のフォローをされる程度で、お話しやすかった。
     これが、あまりに本人を措いて代わりに対応されるようだと、物理的に体を双方の間に入れて分断し、本人に話をしてから同じ話を付き添いの人にもするという手間が必要になる。
     とはいえ、本人が忘れている事や、客観的な事実の確認には、付き添う人との話も重要。
     だからこそ、なおさら対応が難しい。

     外用消炎剤の棚にいらしたお客様から呼ばれて駆けつけると、筋肉ついに使うから「強いのを」と注文された。
     そもそも筋肉痛にそんな強い薬は必要無いと思うのだけれど、お話を訊いてみると『ボルタレン』を常用しており、他店で少し弱いのにしたら効かなかったから、やはり強いのにしたいという。
     だけど、その効かなかったという薬がなんだったのかは覚えていないそう。
     効いたにしても効かなかったにしても、使った薬は覚えておきましょう(^_^;)
     せめてパッケージを捨てずに取っておくか、携帯電話やスマホで写真に撮っておくのが吉です。
     そんなお話をしてみたら、筋肉痛に使うというお話はどこへやら、若い頃から肩こりや背中の張り、腰痛と長く付き合っているという。
     背中の張りは寝る時の姿勢や寝返りの少なさが影響していたりするため、枕をオーダーメードしてもらうことや、内服薬を使うことなどにまで話を広げると、以前に交通事故に遭い軽いヘルニアと診断されているということが分かった。
     筋肉痛の話から、思えば遠くへ来たもんだ。
     そして内服薬に興味を示されたので、上半身に使う『独活葛根湯』と、ヘルニアや坐骨神経痛に使う『疎経活血湯』を紹介すると、奥さんと一緒に使うかなと言われたので、同じ薬が適応するかは分からないことを説明した。
     性別が違えば体質も違うだろうし、外での仕事の内容や食事だって違えば、表に出ている症状が似ていても原因が同じとは限らないので。
     すると奥さんの方は、肩が上がらないらしい。
     であれば『独活葛根湯』の適応か考えられるものの、頭重感もあるらしいというお話から『釣藤散』を案内すると、『疎経活血湯』は自分が試したいとのとこで、両方を購入された。
     そしていったんお会計を済ませた帰る段になって、11歳の子供が学校から帰ってきてから首が痛いと言っていたというお話が出て、そちらは急性のようだったため『インドメタシンローション』を案内して、お買い上げ頂いた。

     

  • 心配の基準が違う

     お客様からの注文が「消毒スプレーを」とのことだったため『消毒用エタノールスプレー』を案内したけど、「違う」というので用途を尋ねると、病院から帰ってきた時に靴下に使いたいそう。
     病院のスリッパを履くから、その除菌をしたいということだろうか?
     それなら、『消毒用エタノールスプレー』でも良いのでは。
     さらに詳しく訊いてみたら、靴ずれで皮が剥けた所にも使いたいという。
     やっぱり、『消毒用エタノールスプレー』で良いような。
     いや、靴ずれなら『オロナイン軟膏H』で消毒しつつ患部が擦れないようにするべきか。
     しかし、それは望まれていないようで、さらにお話を訊いてみたら、どうやら『ファブリーズ』や『リセッシュ』のことらしく、売場を案内すると、その手の消臭除菌スプレーを買っていかれた。
     どうも、治療を先に考えてしまう悪い癖が。
     でも、お客様の目的を達してから、やはり靴ずれの治療については重ねて勧めるべきだったか。

     『ルル滋養内服液』が風邪に良いかとお客様から質問され、疲労に使えますとを答えたが、症状を尋ねると自身ではなく中学生の娘さんが、熱が出そうと訴えているらしい。
     ただ、実際にはまだ発熱しておらず、だけど早々に『バファリンルナJ』を飲ませそう。
     ありゃΣ(゚Д゚ υ)
     気持ちは分かるけど、発熱する前に解熱剤を使うと疲労してしまう事がある。
     しかも、詳しく訊いたらすでに本人は、体がだるいとも言ってるらしい。
     疲労が出ている時というのは、かえって熱を出すことができず、それはつまり風邪と戦う戦力が乏しいという事だ。
     そこで解熱剤を使うというのは、喧嘩をする気力が無い人を、喧嘩をするなと押さえつけるようなもんで、ますます風邪の勢力を強めてしまう。
     明日からテスト期間ということで、お客様としては早く治してやろうと思ったんだろうけど、完全に裏目のパターン。
     ここは本人の体の後押しをするために、『葛根湯』が家にあれば使ってみてくださいと勧めると、無いので購入されるという。
     それなら体を温めるのは『葛根湯』がやってくれるから、『ルル滋養内服液』は不要になるので、代わりに『柴胡桂枝湯』を併用して体力を下支えするよう提案した。
     本来なら、すでにだるいという話からすれば『柴胡桂枝湯』をメインに据えるところなんだけど、テストを休まずに受けるとなると、『葛根湯』で上半身に活力を与えなければなるまい。
     ちと乱暴な使い方ではあるが、まぁ若いから使える方法ということで。
     一緒に購入して頂くことになり、『柴胡桂枝湯』を通常の回数服用させて、『葛根湯』は朝起きてから服用させるようにお話した。

     お客様にデュアナチュラの『甘草グラボノイド』が置いてあるか尋ねられ、探してみたけど仕入れてなかった。
     ダイエットに使う物らしいんだけど、甘草をそんなふうに使って大丈夫なんかね。
     抗炎症剤として使う場合は熱を発散するから、その過程でエネルギーを消費するということか。
     でも、多く摂り過ぎると低カリウム血症を招くし、なんだか心配。
     本格的にダイエットを検討するのであれば、『防風通聖散』などを使ってみるのはいかがでしょうと提案すると、医薬品は使うのが心配らしい。
     一応データは取っているとはいえ、臨床試験を経ていないサプリメントのほうが私は心配なんだけど、心配の基準も違うもんなんだなぁ。
     お客様からは、他にどんなサプリメントを摂れば良いかと相談されたので、普段の食事で食べる機会の少ない食材をリストアップして、不足していると思われる物をチョイスするよう勧めた。
     本日のところは、お買い上げは無し。
     こういう時、お客様をある方向に導いて良いものなのか、それともお客様の要望にだけ応えておくのが良いのか迷う。

     

  • テレビを観る仕事に賃金は出ないものか

     『パープルショットW』と『パブロントローチAZ』を一緒に購入されるお客様に症状を尋ねたところ、昨日から喉が痛み、他の症状は無いとのこと。
     となれば、喉の痛み止めを使うのは最適ではあるものの、両方共アズレン製剤だから片方だけでも十分と思われることを説明したうえで、お客様の要望によりそのままお買い上げ頂いた。
     ただ、喉の痛みが酷くなったら風邪薬を飲むつもりと言われたので、胃炎からくる喉の痛みもあるため、やはり他の症状が現れなければ風邪薬を使うのは控えたほうが良いことをお話したら、なんかポカーンとされてしまった。
     喉の痛みと胃炎というのが、お客様の中で結びつかなかったのかもしれない(・_・;)
     一応、喉と胃はつながってるから、胃炎を喉の痛みと感じたり、喉の炎症が胃にまで及んだりするケースがあることを説明したんだけど……。

     お客様から頭痛薬をと求められ売場に案内すると、奥さんから『イブ』を頼まれたというだけで、売場に何種類かあるのを見て困っていた。
     ううん、それは困りましたねぇ(;´∀`)
     とりあえず無印を基本として、胃を保護する成分を加えた『イブA』、早く効くように調整された『イブクイック』、より効き目を強くした『イブEX』を紹介した。
     そして、胃は丈夫なはずという事で、無印の『イブ』を購入された。

     『眠眠打破』を高校生に飲ませて良いかと、お客様から尋ねられた。
     良いか悪いかと問われれば、問題は無いけど勧められませんというのが私の考え。
     どうも、テレビCMを見て、飲んでみたいと頼まれたそう。
     普段テレビはBGMみたいなもので点いてるだけで、あまり観てないんだけど、やっぱり観ておかないと駄目か。
     特に観たいと思う番組が無いうえ、CMはなおさら観る気にならないんだけどねぇ……。
     ネットの広告でクリックするとポイントが貯まるみたいに、テレビCMを観たらお金にならんもんかな(o ̄∇ ̄)o
     おっと、話が逸れた。
     眠気覚ましならコーヒーでも充分だし、受験勉強絡みだとするとストレスによる血行不良で、脳が酸素不足になるからということも考えられる。
     その場合は、風邪の予防と勉強による肩こりの軽減を兼ねて『葛根湯』を使う方法を提案した。
     上半身を温めて血流を良くする『葛根湯』は、受験勉強にも役に立つ。
     また、受験における緊張緩和に使える物として『半夏厚朴湯』も紹介しておいた。
     とりあえず、頼まれ物でもあるため『眠眠打破』は買っていかれた。

     

  • 薬を売ることに絶望し役割を再認識

     やや高齢のお客様が『葛根湯』を購入されるさいに、発熱してからでは遅いことを伝えると、具体的に何度くらいか質問された。
     その疑問は、当然だろう。
     でも人間の体は機械ではないので、単純に体温を基準にするのは適切ではない。
     とはいえ、目安としては38度くらいか。
     そのうえで、本人の体感として悪寒を感じず、歩くのがツライくらい頭が熱感でボウッとするようなら、『葛根湯』ではなく『麻黄湯』に乗り換えるタイミングである。
     そして、発熱により汗をかくようになったら『麻黄湯』も終わり、回復期を助ける『柴胡桂枝湯』にバトンタッチとなる。
     そうお話して、詳しく症状を確認すると、今回は常備薬としての購入で、喉から風邪になりやすいというお話だったため、鼻水が無ければ上半身を温める『葛根湯』より適応する『銀翹散』を紹介した。

     『桔梗湯』をレジに持ってきたお客様から、授乳中に使えるか質問され、大丈夫ですとお答えしたうえで、お腹が弱くないかを確認した。
     主訴は喉の痛みだそうで、熱を発散して炎症を取り除く『甘草湯』と違い、『桔梗湯』は冷やして炎症を抑えるため、お腹の弱い人はまれに下痢してしまう事があることをお話した。
     まぁ、滅多にありませんが、私は駄目(;´∀`)
     特にお腹が弱いことは無いそうなので、そのままお買い上げ頂いた。
     それから、頭重感や熱感がある場合には、風邪への進行に備えて『葛根湯』を併用するように伝えた。

     『麦門冬湯』などの咳関連の薬を手にして迷っている様子のお客様に声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     その後に風邪の棚に移り、『パイロンS』を選んでレジに持ってきたため、喉の痛みや発熱があるのかを尋ねると、どちらの症状も無いという。
     えっ、じゃあなんで(^_^;)?
     主訴を詳しく訊いてみると、咳と鼻水だそう。
     そして咳は、夜に激しくなるということから『五虎湯』を考えたけど、鼻水の状態を確認してみたら透明だそうだから、やはり向かないかもしれない。
     お客様の唇を観察すると、表面は荒れているものの、歯に近い濡れてる部分は歯型がついていた。
     これは胃を悪くして、水分代謝の異常が起きている証拠である。
     となると、胃の働きを改善して咳を止める『麦門冬湯』が適応しそう。
     透明な鼻水は、内臓の冷えが関係するから、放っておくと垂れてくるほどでなければ、『麦門冬湯』で胃が改善すれば咳と一緒に治まるはずだ。
     お客様には、解熱剤の入った総合風邪を、発熱していない時に使うと疲労に繋がることを説明し、『麦門冬湯』を案内すると変更してお買い上げ頂いた。
     あと、夏野菜を避けて冬のメニューを意識した食事を摂り、長めの入浴で下半身を温めるよう勧めた。
     それにしても、最初は咳止めの棚を見ていたはずなのに、どうして総合の風邪薬の方に行ってしまったのだろうか。
     たとえ起きていない症状でも、効能範囲が広い薬の方に安心感を覚えてしまったのかもしれない。
     以前に某製薬メーカーの人から、ドラッグストアーでお客様が薬を選ぶ場合の動向調査の結果を見せてもらったことがある。
     アンケート調査というものは、設問の仕方で結果が変わってしまうから、本来はその辺りも詳細に確認しないと鵜呑みには出来ないのだけど、それを措いておいても興味深い結果だった。
     まず、回答者の約6割以上が「有名メーカー・有名ブランド」で選択しているという。
     そして、約2割が「効能・効果」で選んでおり、残りの1割が「店員に相談」して、残りの1割が「その他」だった。
     まぁ、ここまでは自分の実感とも変わらない。
     問題なのは、「効能・効果」で選んでいるという約2割のうち、本当に「成分と効能・効果を理解していた」のは、さらに1割程度だったという事。
     ええと……割り算が苦手なんだけど、全体の2割のうちの1割って全体から見たら何%(^_^;)?
     そんな訳で、調査をしたメーカーの人からは、薬が上手く適応しなかった場合、患者さんからしたら「効かなかった」と認識されてしまい(自分で選んだのに)、それが長期的には売上やブランドイメージにも影響するため、「患者さんへのコーディネートをお願いします」という主旨で話をされた。
     でも、これは商売を抜きにしても大問題だろう。
     なにしろ、成分と効果を結びつけて適応しそうな薬を選んでも、実のところ効くか効かないかは、体質と症状と環境など複合的な要素が絡み合っているギャンブルみたいなもん。
     なのに、薬を選ぶ段階で当たる確率を上げるための方法であるはずの、「店員に相談」が1割しか無いってんだもの。
     ある意味絶望して、同時に薬を売る役割を再認識させられた。

     

  • 情報の提供はリクエストに応える前か後か

     やや高齢のお客様から、『コンドロイチンZS』について尋ねられた。
     主訴は膝痛で、冷えや湿度は関わっていないようだったけど、なにしろ『コンドロイチンZS』は価格が高いから、原因が推測できないと私としては勧めにくい。
     そうお話すると、座る動作がつらくなり、病院では膝関節の軟骨の減りを指摘されたという。
     なるほど、そうであれば無駄になることも無いか。
     ただ、血行不良による患部周辺の栄養不足も痛みとして脳は認知するため、血流改善する『疎経活血湯』が適応する可能性はあるし、やはり冷えが関係するようなら『桂枝加苓朮附湯』で温めたほうが良いこともある。
     それに、お客様のポッチャリ体型は水分代謝の異常による水毒も考えられるため、関節部の痛みが強い場合の『防已黄耆湯』と下半身に疲れを感じる場合の『九味檳榔湯』を合わせて紹介してみた。
     すると、漢方薬は効くのに時間が掛かると思われているようだったため、「風邪には葛根湯」と云われるように、痛み止めを目的とするような急性症状には早く効くことを説明した。
     もちろん、体質改善となれば長く掛かるけれど、長期連用は医師の診察を受けながらのほうが良いし、何よりも保険が適用されるのは費用面で重要な事だろう。
     というようなお話をして、本日のところはお買い上げは無し。

     やや高齢のお客様から、『パテックスうすぴたシップ』と『ハリックス55EX冷感A』の違いを質問されたので、前者は抗炎症剤のみで後者には血流改善のトコフェロール酢酸エチルが加わっていることを説明した。
     患部は膝だそうなので、湿布の真ん中に切れ込みを入れて膝頭をその穴に入れ、四方を伸ばすと膝の周囲を包める『のびのびサロンシップ』を紹介したところ、そちらの購入を決められた。
     それから、膝が痛む時には冷えが関係するようなお話があったため、『桂枝加苓朮附湯』を紹介してみたけど、その時にはもう私に正対してくれなかったから、興味は持ってもらえなかった模様。
     ひとまずお客様のリクエストに応えてから提案するのが、案内やヒアリングの基本的な手法なんだけど、目的を果たしてからだと別な提案や追加の情報を提供しても聞いてもらえないということがあるんだよねぇ。
     難しいもんである( ´Д`)=3

     

  • 使ったことが無くて分かりませんということは多し

     『ビオフェルミン』を求めて来店したお客様に、比較として『ザ・ガード』を紹介すると興味は持ってもらえたものの、肝心の便秘の実情についてはヒアリングできなかった。
     乳酸菌は腸に届くまでに多くが死滅してしまうから、乳酸菌を育てる納豆菌を配合してあるのが『ザ・ガード』のセールスポイント。
     それで興味を持ってもらえたのに、ちゃんと相談してもらえるところまで持っていけないのは、やはり話術の未熟さか……。
     でも、そこで落ち込んでもいられないので、さらに養生として腸内で善玉菌に活躍してもらうための環境を整えるには、お風呂に長湯したり腹巻きを使ったりして、お腹を温めるのが良いですよと伝えた。
     ……説明を重ねてしまうのも、駄目なのかもしれないが。
     ううん、本日はネガティブ思考ナリ(´・ω・`)

     お客様から、湿布薬の『GSリフェンダ』が、『サロンパス』のように薄くてペラペラじゃないかどうか尋ねられた。
     あうっ、薬の味を尋ねられたりする事もあるけれど、これまた湿布薬のサイズじゃなくて厚さとなると、使ったことが無い物は分らない。
     漢方薬ならまだ、生薬による味の違いは分かるんだけどねぇ。
     『葛根湯』『小青龍湯』のような体を温める物には辛味があるとか、水分代謝に関わる『五苓散』などは苦味が多いとか、効き目が穏やかな『麦門冬湯』は甘めとか。
     湿布薬の厚さについては、もう仕方がないので、「分かりません」と答えた。
     ただ、用途が肉離れたというので、インドメタシン製剤やジクロフェナクナトリウム製剤といった、鎮痛効果が強めのほうが良いのではないかと提案してみた。
     今回は、そのままサリチル酸製剤の『GSリフェンダ』を購入された。

     

  • 風邪の初期に最強のタッグチーム

     膝痛に『フェイタス』を使ってたというお客様が買いに来たんだけど、外用消炎剤の棚を見たらジクロフェナクナトリウム製剤なのかフェルビナク製剤なのか、パッケージを見ても思い出せないと困られて、こちらも困った(^_^;)
     市販薬の名前は、あくまでブランド名なので、名前の後に数字や記号が付いていたら、成分が全く違うということも珍しくない。
     そして、成分によっては他の薬との併用を避けなければならなかったり、気をつけなければならない事柄も変わるため注意が必要。
     お薬手帳があれば、市販品でも成分表示を貼っておくか、スマホや携帯電話で写真に撮っておくのが吉です。
     今回のお客様の膝痛は、冷えや湿気などは関係無いらしく、運動の後に痛むというお話から、鎮痛剤として強くなくても良いのではとお話して、フェルビナク製剤の『フェイタス5.0』を購入して頂いた。
     そして、運動するのが予め分かっているのであれば、内服薬の『疎経活血湯』を前後に服用する方法を提案したところ、内服薬は考えていなかったそう。
     試してみたいとのことで、一緒にお買い上げとなった。
     ちなみに、病院へは「足を引きずるくらいになったら」行こうと思っていたというから、現状を把握するために受診するのも必要なことを伝えた。
     病院へ行く機会を減らすというのがセルフメディケーションの考え方だけど、酷くなってから行くのでは通院が必要になる訳で、早い段階で行くことにより、通院が必要か治療は不要かの判断ができる。
     病院へ行くかどうかを自分で判断できるようになるには、それこそ医学的な知識が必要となってしまい、いくらセルフメディケーションと言ったって無理というものである。
     まぁ、その判断の助けになるくらいの助言ができるようになりたいとは思っています。
     ………思ってるだけかもしれませんが(゜゜☆\(–メ)ポカッ

     風邪薬をお客様から希望されたのだけれど、主訴に喉の痛みと頭痛があるものの、発熱は無く鼻炎や咳も現れていない段階では、『ルルアタックEX』や『ベンザブロックL』でも時期尚早に思われた。
     そこで、発熱していない段階でも使える漢方薬を提案し、喉の痛みに合わせて『銀翹散』を案内すると、家にあった『葛根湯』を服用したという。
     上半身を冷やす『銀翹散』とは逆なれど、初期の段階なら頭痛にも喉の痛みにも『葛根湯』は有効である。
     しかも、まだ1日分は家に残っているというから、『葛根湯』を無駄にせず、喉の痛みには『桔梗湯』を併用するよう提案した。
     上半身を温める『葛根湯』と、炎症部分を局所的に冷やす『桔梗湯』の組み合わせは、風邪の初期においては最強のタッグチーム。
     明確に風邪の症状が現れていない初期に服用すると疲労を招きやすい総合風邪薬より、体力を温存しておけるから常備しておけば、学校や仕事を休みにくいという時に安心できるはずだ。

     

  • 「喉が弱い」は弱くない

     咳止めを買いにいらしたお客様、発症したのは一週間ほど前からで、喉がヒューヒューと笛のように鳴る感じがするというから喘息かなと思ったんだけど、「違う」というお返事。
     そして『ルル』を飲んでいたというのだけれど、『ルル』シリーズのどれかは覚えていないそう。
     ブランド名だけでは内容が分からないものの、咳以外に風邪と思われる症状は無いようなので、総合風邪薬より咳止めにしたほうが良いですよとお話して、まずは『麦門冬湯』を候補にしてみた。
     すると、痰が絡んでいて、普段は煙草を吸っていることが分かった。
     と言っても、今は煙草を吸っても不味いから直近は吸っていないそう。
     でもまぁ、煙草によって肺から気管支にかけての血管が収縮して患部が栄養不足に陥ってるとは考えられるため、上半身の血管掃除にも使える『清肺湯』の『ダスモック』の方を勧めて、お買い上げ頂いた。
     それから、咳を誘発するトマトやキュウリといった夏野菜を避けることと、入浴して体を良く温めるよう伝えた。

     高校生の子供が喉の痛みを訴えているとのことで、お客様から『のどスプレー』を希望され、消毒系のポピドンヨードと抗炎症系のアズレンの二種類を案内した。
     本人は喉が弱いというお話だったけど、それが喉が腫れやすいという事であれば、ウイルスなどの外敵の侵入を喉で阻んでるので弱いというのは当てはまらない。
     弱いというのは私みたいに、鼻も喉も反応せずに気がついた時には胃腸までやられてしまう虚弱体質です(ノД`)
     ちゃんと喉で外敵と戦える人、すなわち「喉から風邪になる」という人は『葛根湯』で上半身を温めるか、逆に『銀翹散』で冷やしてやるというように、初期の段階で支援してあげれば早く回復する。
     風邪をひいても微熱しか出せない、体力不足で防衛機構の働かない私のような人は、最初から『柴胡桂枝湯』を使わなければ戦えないのだ。
     まぁ、外敵に対して過剰に反応してしまうのも、病気っちゃ病気なんですが。
     そんな話も交えつつ、希望が『のどスプレー』なことから、抗炎症系のアズレンを勧めてお買い上げ頂いた。
     雑談を交えたのは、さっき挙げた漢方薬を提示しつつ反応を見るため。
     目的の剤形(今回ならスプレー式)以外全く眼中に無いのか、思いつかなかっただけなのか、他の薬にも興味が有るのか、養生などの情報も提供できそうかとか、そういう判断をする参考に。
     今回は、お客様は関心を示されたけど、本人から『のどスプレー』を頼まれたということで、他の選択肢が入り込む余地が無かった。
     喉の痛みだけで風邪の兆候が無ければ、『駆風解毒湯』や『ペラックT』という候補もあったんだけどねぇ。
     やっぱり、患者さん本人とやり取りできないと、どうしようもないε-(´・_・`)

     

  • チャンスは最大限に活かす(シャア語録より)

     中学生の子供が鼻づまりということで、親子連れのお客様が来店。
     だけど肝心の本人が、あっちへフラフラ、こっちへフラフラと歩き回りヒアリングできない。
     母親が、「あんたの薬を選んでるのよ」と言い聞かせても効果無し(;´Д`)
     とりあえず、『ベンザブロックSプラス』を使っていたけど効かなかったというお話で、他に風邪の兆候を示すような症状は無いようだったため、鼻炎薬を使うよう勧めた。
     年齢的にはもう子供用でなくても大丈夫だったから、『パブロン鼻炎カプセルS』と『鼻炎薬Aクニヒロ』を案内すると共に、風邪の場合にも使える『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介してみた。
     すると母親が本人に、「漢方薬は苦手でしょ?」と尋ねて「うん」という返事。
     あああああ、これじゃ本人が自分のことなのに興味を示さないはずだよ、と思ってしまった……(-_-;)
     親がお金を出すにしても、そのお金を本人に渡して自分で買わせないと、薬を買う練習ができませんよ~。
     大人でさえ、薬を買う練習ができてないんだから。
     なにごとも、反復練習が大事。
     機会があれば、それはチャンスなので有効活用を(・o・)ノ
     『鼻炎薬Aクニヒロ』をお買い上げ頂くことになり、養生として下半身を温めるよう母親に伝えた。

     うがい薬の棚で迷ってる様子のお客様に声を掛けてみたら、喉が貼りつく感じがして、自身では気管支炎だと思うというお話。
     そうだとすれば、うがい薬は刺激物でもあるので現に炎症している時には避けたほうが良い。
     そして症状を詳しく尋ねると、気管支が痒い感じがするという。
     人間には痒みを感じる神経は無く、痒みというのは弱い痛みだから、扁桃炎のように腫れていなくても甘く考えてはいけない。
     とはいえ、痰が絡むようなことは無く、花粉症でも無いとすると、異物に対して炎症を起こしているというよりは、気管支が乾燥していて空気が通るだけでも刺激となっているのだろう。
     そこで上半身を潤す『麦門冬湯』を案内し、試して頂くことになった。
     そして血行を良くして体の水分が廻るように、お風呂にゆったり入ることを勧めた。