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  • その痛み、同じ原因とは限りません

     『セデス・ハイ』と『ナロンエース』を一緒に購入されるので、お客様に念のため違う成分の物で良いのか確認したところ、成人の娘さんと自分とでは違う鎮痛剤を使うのでとのお答え。
    「それは良いことですね」とお話すると、娘さんは頭痛と生理痛とでも鎮痛剤を使い分けているという。
     安易に鎮痛剤の種類を増やすようだと問題あるけれど、痛みの原因や発症の過程が違うことを考えると、やはり使い分ける方が良いだろう。
     なんでもかんでも『ロキソニン』とか『イブプロフェン』というように、体の負担を全く考えないのは、歳をとってから困ることになる。
     ただ、鎮痛剤自体が一時しのぎであり、鎮痛剤に頼っていると重大な病気を見逃してしまう可能性があるため、軽減する治療も検討するように伝えた。
     例として、低血圧や目眩を伴う頭痛で、ストレス等が思い当たる場合には『苓桂朮甘湯』が候補になることをお話したら、お客様自身は適応が思い当たるらしかった。
     いずれまた、ご相談をという事に。
     同じく水分代謝の異常で、胃に水が溜まる感じや重い感じがする人の頭痛には、『五苓散』が候補になります。

     『葛根湯』を購入されるお客様に、上半身を温める物なので夏場には向かないことを伝え、使うとすれば雨やエアコンで冷える時にとお話したうえで、夏風邪に適応する物として『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     そして、『葛根湯』は家に置いておくより持ち歩くよう勧めたところ、お客様は『葛根湯』を未病(発症する前の状態)に対応するために実際に持ち歩いてるとの事だった。
     ありゃん、とんだ赤っ恥(ノ∀`*)
     でも、お話してみないと「知ってるかどうか」は分からないし、相手が実は知っているかもと思って言わなかったら、知らない人はずっと知らないままという事に。
     もともと一人大好き、話し掛けられるのも話し掛けるのも苦手な私としては、プロポーズするよりハードルが高いけど、声を掛けない訳にはいかない、と自分に発破をかける。
     あっ、奥さんにはプロポーズしてないわ。
     知らないうちに、結婚することが決まってたから。
     お母んには、「一人に絞ってなかったアンタが悪いJ( ‘ー`)し」って言われた……。

     

  • 「言葉は多くの場合、心を隠す役しかしない」と云いますが、言わないと分かりません

     風邪薬を次々と手にして迷ってる様子のお客様に声を掛けたら、中国人のようだった。
     カタコトの日本語で聞き取った限りでは、主訴は喉の痛みと頭痛の模様。
     『新ルルA』と『新ルルAゴールドDX』を手にしていたけど、主訴に狙いを定めた方が良いことをなんとか伝えて、『ルルアタックEX』と『パブロンエースAX』と『ベンザブロックL』を候補に挙げた。
     その後もしばらく迷われて、『パブロンエースAX』を購入された。
     帰られてから気がついたけど、『葛根湯』も見ていたから、『銀翹散』を勧めてみても良かったかも。
     意思の疎通を図るのに気を取られて、すっかり忘れてた。

    【第(2)類医薬品】パブロンエースPro 36錠【セルフメディケーション税制対象】

     『スキュータムA』をレジに持ってきたお客様に症状を詳しく訊いたら、親指を突き指したらしく、手首まで痛みがあるという。
     初期には氷で冷やしたそうなので、より鎮痛効果の高いインドメタシン製剤か浸透力のあるフェルビナク製剤での短期決戦を提案した。
     それと、当初は貼る物を希望していたけど、関節部でもあるため液剤を勧めたら、蒸発して効き目が弱まることを心配していると分かった。
     なるほど、今まで液剤を避ける人がいるのが不思議だったんだけど、そういう風に思われていたのか(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
     やはり、対話してみないと分からないもんですな。
     薬を決め打ちで買うお客様には、後学のためにも、ぜひ「選んだ理由」や「使っている理由」を教えて頂きたく。
     今回は、『バンテリン液』を試してもらう事になった。

    【第2類医薬品】【興和】バンテリンコーワ 液EX W 90g【バンテリン】【肩こり・腰痛】
     

  • 頭痛がするからといって頭が悪い訳ではない

     やや高齢のお客様が、床ずれということで相談にいらしたんだけど、話を良く聞いたら違って、長時間座っていたり自転車に乗っていて臀部が擦れたようだとのこと。
     一般に「床ずれ」というと字面から「寝たきりで腰の辺りが衣服や下着と擦れて起きる」と思われがちだけど、医学的には「褥瘡」(じょくそう)と呼び、起きていることは患者さん自身の体重で局所的に血流が滞って鬱血し、栄養不足になった細胞が壊死する現象である。
     だから、「ちょっと床ずれで~」といった感じで気軽に相談されると、むしろビックリしてしまう。
     なにしろ、皮膚組織が死んじゃってる状態という事だから。
     そのため、「床ずれじゃない」と分かってホッとしてしまったのはナイショだ(^_^;)
     患部はカサブタのようになっていて、痛くはないものの痒いそう。
     人間に「痒み」を感じる神経は無く、脳が「弱い痛み」を「痒み」として認識している。
     そういう意味では、「痒み」を軽視もできない。
     自宅には『クロマイP軟膏』があり、3日ほど使っていても良くならないという話だったけど、それも詳しく聞いてみると、汗疹だと思い制汗パウダーを併用していて、しかも患部を全く保護していないと分かった。
     それはまず、『クロマイP軟膏』を単独で使って、患部は下着と擦れないようにガーゼを当てて保護しましょうと提案。
     ガーゼと固定するための『スキナゲート』を、お買い上げ頂いた。

     お客様から、かすみ目と疲れて目の相談を受け、価格と効き目に関連は無いことを説明しつつ、あまり安いのも不安そうだったため、『スマイル40EXゴールド』を案内し、クールの方を使って頂くことになった。
     そして、成人の娘さんの肩こりについても相談を受け、勉強をしていて肩がこるというものの、温めても駄目だったという。
     一般的な肩こりは血行不良だったりするから、『独活葛根湯』で上半身を温めてやれば改善することが多いのだけれど、『コリッシュ』(治肩背拘急方)を案内してストレス性の可能性をお話したところ、普段の勉強というよりも試験前に酷くなるようだということで、試して頂くことになった。

     肩こりの相談で来店したお客様は、病院で『ロキソニン』と『葛根湯』が処方されたものの、『葛根湯』を飲むと背中が痛む感じがするという。
     その事については、友人からは胃が悪いのではないかと指摘されたそうな。
     おおっ、その友人は只者ではありませんね(`・ω・´)!!
     するとお客様が、キョトンとした。
     しまった、反応が芝居がかり過ぎたか。
     つい、演劇をしていた頃の癖がσ(^◇^;)。
     お客様としては、どうして友人がそう言ったのか分からない様子で、そのこともあって相談にいらしたようだ。
     人間の生命活動は、複雑な化学プラント工場による奇跡の連続によって維持されていて、それこそ「生命の神秘」と呼べるほど。
     しかし、あまりに完璧にするのには無理があるのだろう。
     生きることにリソースを割いて、点検業務は案外と手抜きをしていたりする。
     その一つが、「痛み」の取り扱い方。
     世の中には、『無痛症』という病気を患っている人もおり、その人は痛みというものを一切感じない。
     一見良さそうだが、転んで骨が折れても何も感じない。
     どこかに強く打ちつけて内出血を起こしても、打ちつけたことすら気づかないから、生命の危機にさらされる。
     つまり、痛みを感じるというのは体の不具合を知らせる大事な機能なのだが、その信号を受け取る脳の方では、あまり信号の種類を区別しない。
     信号の種類を区別しないもんだから、信号の発信元の特定もしない事がある。
     要するに、「痛む場所が悪いとは限らない」のである。
     そう、頭痛がするからといって頭が悪い訳ではないのだ。
     ………って、あれ?
     なんか、色いろんな意味で変な言い回しになってしまった(笑)
     とにかく、脳からは内臓の位置情報なんか認識していないうえ、内臓には痛感神経が無いため、内臓に不具合が起きると近くを通っている神経が代わりに感知し、時には体表部近くの皮膚領域の神経が脳に異常を伝える。
     これを「関連痛」と言い、私が肺炎になった時には肩の痛みとして感じた。
     咳が出ず、熱も微熱だったもんだから全く肺炎とは気づかずに、インドメタシン製剤の『バンテリンクリーム』でも塗ろうかと思ったくらい。
     でも、トイレに行こうとしたら立ち上がれず、その時には明確な言葉も喋れなくなり、奥さんに「きゅうきゅうしゃ……」と呟くのがやっと。
     でも、奥さんは事態を把握できず(私が明確に喋れなかったため)、電話のところまで這いずってみせて、ようやく異常に気がつき救急車を呼ぶことになった。
     あとで考えると、家に『バンテリン』や鎮痛剤が無いおかげで助かった気がする。
     うちは普段から鎮痛剤のたぐいは常備しておらず、いわば「買いに行けるかどうか」を症状の軽重を測る物差しのようにしていた。
     夜中でなければ近隣にドラッグストアーがあるし、朝が来るまで耐えられないほどの痛みなら迷わず救急車を呼ぶ事態だと想定していたので。
     でも、もし鎮痛剤があって効いてしまったら、一時的に安堵してしまい、さらに悪い状態になっていたかもしれない。
     うちの奥さん察しが悪いから、私が寝たままでも気にしないだろうし(;´・ω・)
     ………話が逸れ過ぎた。
     とにかく、お客様は痩せ型で声の張りが無くて、もともと胃は弱いというお話だったので、『ロキソニン』も『葛根湯』も胃への負担が大きいはず。
     薬の影響で起きた胃の不具合を、脳が背中の痛みとして誤認していると考えられる。
     胃が弱くて『葛根湯』が使えない人には、『コリッシュ』(治肩背拘急方)の方が適応するので紹介してみたところ、購入して頂くことになった。

     

  • おそ松くんの兄弟の区別がつかないのは仕方ないと思う

     『イブ』を求めてお客様が来店。
     ただ、頭痛に使うそうなんだけど、使っていたのが無印の『イブ』と一応は胃を保護する『イブA』だったのかは覚えていないそう。
     どうも、言われたのも初めてだったみたい。
     すいません、うちは自動販売機じゃないもので(^^ゞ←変な言い訳
     同じ名前でもそれはブランド名みたいなもので、名前の一部に記号などが入っていたら成分が変わり、効能も当然変わることを説明して、『イブ』シリーズを案内。
     すると、『イブクイック』と『イブEX』の違いを尋ねられた。
     『イブクイック』を効き目を早くすることを目指し、『イブEX』は主成分のイブプロフェンを濃くして効き目を強くした物。
     ただ、効き目が30分くらいで現れるのを15分くらいに縮めたからといって、それほど違いがあるのかは疑問ですが。
     そして、効き目が強いから良いかというと、痛みを感じさせなくするだけだから繰り返し使用する用途では重大な病気を見逃してしまう危険があるし、胃の保護成分が入っていないから使う人を選ぶ。
     今回は、お客様自身が「胃は丈夫」ということだったので、『イブEX』を購入された。

     外用消炎剤を買いにいらしたお客様に症状を尋ねると、主訴は太ももの付け根の痛みで、別件で肩こりにも使いたいというお話。
     太ももの付け根については、昨日ハイキングをしたからという事らしい。
     予算的に、肩こりと一緒に使いたいという気持ちは分かりますが、原因と痛みの度合いが違う時には、別々な物を使ったほうが良いかと思われますと提案。
     了承して頂けたので、太ももの付け根の痛みは急性症状でもあるため短期決戦を目指し、浸透力が高くて鎮痛効果が強いジクロフェナクナトリウム製剤と鎮痛効果は少し弱いものの同じく浸透力の高いフェルビナク製剤を案内した。
     患部は、動かすと痛いけど歩けないほどではないということから、お客様自身がフェルビナク製剤の湿布を選択された。
     一方、肩こりについては、首の後ろがシコリになるほど硬くなるそうなので、それなら強い薬も候補になるため、ジクロフェナクナトリウム製剤かインドメタシン製剤を勧めてみた。
     しかし、首の後は貼ると目立つことを気にされたことから、丸い『ロイヒつぼ膏』を案内した。
     鎮痛効果としては、一番弱い物になっちゃうけど、何を選択するかは本人が決めることで、こちらは候補をいったん広げてから絞り込みのお手伝いをする。
     その過程で、温湿布の効果の話になり、お風呂に入ったりして温めて患部が楽になるようなら『葛根湯』や『独活葛根湯』といった内服薬も候補になりますと紹介した。
     『葛根湯』が肩こりに使えることを驚いていたけど、あまり飲み薬には乗り気ではないようだったため、目立たせたくないという目的には塗り薬をと、比較的強い部類の『バンテリンコーワクリーム』を案内して、先のフェルビナクの湿布と一緒にお買い上げ頂いた。
     最近、こういう案内の切り替えは早くなったと思う。
     以前は、どうしても自分の方針に固執してしまったので。
     ただ、完全に鎮痛剤に頼り切りのような人だと、やはり根治治療や病院の受診を優先するよう勧めたくはなる。
     バランスが、難しいやね。

     やや高齢のお客様が、家族の代理ということで訪れ、当初は虫刺されで『ムヒ』を使い、それより強い薬をと要望された。
     しかし、選ぶ段になったら、患者さんは肌が弱いから強い薬を塗っても大丈夫かと質問された。
     肌の弱い人というのは、刺激の強弱だけじゃなくて、その物との相性も関係するため一概には云えないことを説明した。
     現に私は肌が弱い方で、夏から秋への衣替えの時期に、半袖の白衣から長袖の白衣に変えると、しばらくは半袖の時より長い袖の部分が赤くなって痒くなる。
     それくらい敏感なくせして、ハッカオイルのような刺激物は別に大丈夫だったりするんだから、ワケガワカラナイ( ゚д゚ )
     患者さん本人の症状を改めて確認したら、患部は首と背中で、どうも虫刺されではなくダニなどによるアレルギーのようだった。
     いわゆる、虫に喰われた痕が無いらしい。
     それでしたら、まずステロイド剤が良いでしょうと、子供にも使える『コートf AT』を案内して、お買い上げ頂いた。

     

  • 患者さんの連れが適応しない薬を勧めるのに困ることも

     お客様が、のどスプレーの『フィニッシュA』をレジに持ってきたけど、痛むのは喉の奥だという。
     喉の奥だと、逆流性食道炎や胃炎が原因の可能性も考えられる。
     その場合は、殺菌消毒系の物は合わなかったりするため、炎症を抑えるアズレン系ののどスプレーを勧めたうえで、内服薬の『パブロントローチAZ』や『マードレトローチ』と『駆風解毒湯』を案内した。
     でも、のどスプレーを希望されていたので、アズレン系ののどスプレーをお買い上げ。
     一応は、頭重感や鼻炎など風邪の兆候が無いことからすると、胃炎の可能性は外せないので、消化に良い食事をするようにお話した。

     日焼けの相談でお客様が来店したんだけど、これがもう見事なくらい顔だけでなく太ももや腕も真っ赤で、完全にヤケド状態。
     日焼けしたのは昨日だというから、できれば昨日の段階で来てもらいたかった。
     お客様にもヤケドと同じ状態であることを説明し、痛痒さを抑えるために抗炎症成分の入っている『フリージローション』(桃の葉ローション)を勧めた。
     そして、一緒に日焼けケアの内服薬として『黄連解毒湯』を案内したところ、液剤を希望された。
     どうも、液剤のほうが効きが早いと思われているようだった。
     こむら返りに使う『芍薬甘草湯』でも服用後15分ほど、風邪に用いる『葛根湯』も1時間以内には効いてくるもので、剤形はあまり早さに関係しないことを説明したうえで、一応は『五苓黄解』の液剤を紹介した。
     全身の日焼けは全身ヤケドと同じで、実のところ内臓、特に胃腸にもダメージを受けていると考えられるから、熱を降ろしつつつ水分代謝を改善する『五苓黄解』という選択は有効ではある。
     ただ、一日あたりの価格面では、やはり『黄連解毒湯』の方がお得感がある。
     その辺りも説明すると、『フリージローション』と『黄連解毒湯』を一緒に購入して頂けることになった。
     他に、布団に敷く『エコシート』を買おうとされたけど、あくまで冷感であって熱を下げる訳ではないので費用対効果の点で勧められないことを説明し、『冷えピタ』の方を大量に購入して頂いた。
     私としては、『冷えピタ』も勧められなくて、二重にしたビニール袋に氷を入れた方が良いんだけど。
     まぁ、この場合「何かしら買いたい」というのもお客様の要望だからということで。
     そうそう、『アロエ軟膏』はどうかとも訊かれたけど、痒み止めの成分が入っていないから今の段階では早く、使うとすれば痛痒さが治まってからのケアでの乗り換え先にとお話した。
     あと、皮膚の炎症を軽減するには、温かい食事をして内臓を温めるよう勧めた。
     これは、体としては炎症を起すことで新陳代謝を活性化して皮膚の再生を促そうとするんだけど、いわばそれが痛痒い訳で、体が火照るからといってそこで冷たい物を飲んでしまうと、体の方は「体が冷えちゃう。もっと熱を出さなきゃ!!」と頑張ってしまい、より炎症症状が酷くなってしまうのだ。
     温かい物を飲むことで、体の方は「自分で無理に温めなくてもイイか(・∀・)」と落ち着き、ダメージを受けている胃腸も労(いたわ)ることができる。
     ………お客様と一緒にいた友人らしい人が、たびたび口を挟んできて、湿疹の薬なんかをお客様に勧めるんで、それを阻止するのに苦労した(;´Д`)
     なにせお客様とその人の関係性が分からないから、強く否定して面目を潰すようなマネはできないし、さりとて同意する訳にもいかないし。
     お客様は私の方の話を聞いてくれたけど、なんだったんだろうあの友人の行動は。
     親切心なのか、お客様の役に立つ自分をアピールしたかったのか謎。

     

  • 制酸剤を繰り返し使う人には

     お客様から、肩こりに貼る物より塗る物をと希望され、鎮痛剤としては弱いサリチル酸、中くらいでも皮膚に浸透しやすいフェルビナク、第2類薬では店頭で一番強いインドメタシンの三段階で案内した。
     強さと浸透の良さではジクロフェナクナトリウムもあるんだけど、存在を忘れがちσ(^◇^;)。
     今回もジクロフェナクナトリウムを候補に挙げるのを忘れて、お客様はフェルビナク製剤の購入を決められた。
     そしてお会計しながら、ストレス性の肩こりもありますというお話をして、そういう時には胃薬で治るケースもあるこをお話すると、胃は丈夫とのこと。
     そうであれば、内服薬として上半身を温める『葛根湯』も使えますと伝えたところ、足が冷えるというお返事が。
     それはなおさら、体を温めたほうが良いですな。
     半身浴で20分以上は湯船に浸かり、血流の改善をするよう提案した。
     暖かくなってきたから、のぼせないように窓やドアを開け放すか、水で濡らしたタオルを頭に乗せて。

     『リフレライフ』(安中散加茯苓)を眺めていたお客様に声を掛けると、胃のつかえ感があるとのこと。
     水分代謝を改善し、色々と悩みがちな人の胃の機能低下に使う『安中散加茯苓』より、『半夏瀉心湯』の方が適応しそうですと案内したら、実際に制酸剤を病院から処方されて使っているらしい。
     制酸剤を繰り返し使う人には、なおさら『半夏瀉心湯』が向いている。
     一応、ストレスは思い当たるらしく『半夏瀉心湯』も神経性胃炎に用いるが、『安中散』『四逆散』を合わせた『爽和』も適応するかもしれない。
     そう思って紹介してみたが、以前に『安中散』と痛み止めの『芍薬甘草湯』を合方してある『大正漢方胃腸薬』を使った時には、効かなかったというお話があり、候補を取り下げた。
     本日のところは、相談のみ。
     販売につながらなかったのは一店員としては残念だけど、もとよりドラッグストアーの売上のメインは今や薬ではなく日用品だったりするので、買わなくても気軽に相談してもらえれば良いかと。

     

  • 日焼けした肌の痛みを治す飲み薬って!?

     小学生の子供の引っ掻き傷に使いたいとのことで、お客様から『キズパワーパッド』の種別と使い方について質問された。
     ところが、製品の説明をしつつ傷の状態を確認したら、虫刺されで患部を掻き崩しているというのが分かった。
     そこで、虫刺されの痒み止めよりもステロイド剤をと案内すると、以前に子供に病院で処方されたステロイド剤が未開封で残っているそうな。
     それでしたら、ステロイド剤を普通の絆創膏に塗って使い、痒みが落ち着いてから傷口の回復に『キズパワーパッド』を使う方が良いですよと提案した。
     ちなみに、『キズパワーパッド』は湿潤療法で患部を治すため、傷薬のたぐいは併用してはいけない。
     それと、虫刺されで怖いのは痒みとかより何より、虫が運んでくる病原菌の感染なので、虫除けが重要ですとお話した。
     すると、子供はアトピー性皮膚炎だとのこと。
     必ずしもディードを避けなければならない訳ではないけれど(私自身アレルギー性皮膚炎を患っていたが、ディードを使っていて問題は無かった)、心配な気持ちは分かるので、『ユーカノン虫除けウェットティッシュ』を案内して、それのみをお買い上げ頂いた。

     日焼けケアのローションをと来店した女性のお客様、見るからに顔も二の腕も真っ赤で、それはもはやヤケドの域だった。
     日焼けをヤケドと認識していない人は、結構いる。
     お客様は、『SEABREEZE(シーブリーズ)』のような物を考えていたみたいだけど、これはもうヤケドと同じですから炎症を抑えないと駄目ですとお話した。
     昨年はこれで、「薬が欲しいわけじゃない!!」と怒って帰られてしまうケースもあり、私としては「ドラッグストアーに来ておいて、薬が欲しいわけじゃない」というのが理解できなかった。
     後で、登録販売者のSNSで質問したら、「ボディローションが欲しかったんじゃないですか?」と諭されて、やっと理解した次第。
     世の中には、「薬以外で症状を治したい人がいるんだ」という新鮮な驚きと共に、そういうリクエストにも応えなきゃならないんだなぁと、この仕事の難しさを痛感したもんである。
     しかし同時に、「自分の方針というものも持たなければ駄目だ」と思うようにもなってきた。
     それはつまり、「お客様の要望に応えることだけが、お客様のためになる訳でもない」ということ。
     だって、この仕事のお客様は同時に患者さんでもあるので。
     まぁ、こちらも人間なので、怒られるのは嫌だし、怒鳴られるのは小心者で苦手だから、そういうお客様には要望の物を案内して放置したいところ(o ̄∇ ̄)o
     とはいえ、職務を全く果たさない訳にもいかないため、一応は説明したり提案はする。
     ただ、引き際はだいぶ早くなったと思う(笑)
    「この人は話を聞が気が無いな」と悟ったら、怒られる前にサッと引くε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
     で、今回のお客様は実際に肌がピリピリ痛むそうで、「日焼け=ヤケド」と理解して頂けて、抗炎症成分の入っている『桃の葉ローション』を案内すると、そのまま購入された。
     それと内服薬として、『黄連解毒湯』という体の中も外も炎症を抑える漢方薬を紹介した。
     興味は持ってもらえたようだけど、本日のところは『桃の葉ローション』のみをお使い頂くことに。
     まぁ、これは仕方がない。
     そもそも日焼けをヤケドと思わない人が多いのだから、日焼けを飲み薬で治すなんて、それこそ「知らない世界」であろう。
     外でのスポーツなどをする人は、暑気あたりを防ぐ『五苓散』と一緒に、『黄連解毒湯』も常備しておくと夏を乗り切るのに良いと思われます。
     注意点としては、『黄連解毒湯』の生薬構成は極めてシンプルで、冷やす物に冷やす物と冷やす物が三重に入っているため、ものすごく虚弱体質であるとか、胃腸が弱い人や痩せ型の人は、お腹を下す可能性があること。
     一応は、下痢を抑制する黄柏(オウバク)も入っているから、そこまで心配はいらないはずだけど、そういう人が初めて服用する時には、規定の容量より少なめから服用した方が良いかも。
     心配な場合は、『七物降下湯』で代用して下さい。
     使用目標に「高血圧」とありますが、日焼けでの熱を下げるのが目的なため、その点は気にせず。
     虚弱な人の、のぼせ症状を下ろすのが効能だから、それを転じて日焼けの熱を下ろすのに使おうという事なので。

     『カコナール』を購入されるお客様に、発熱後は他の漢方薬への乗り換えを検討することと、夏風邪には向かないことを伝えた。
     余計なことかもしれないけど、「風邪には葛根湯」が世間に浸透しすぎて、特に胃腸に来る夏風邪にも使うようなことがあると不都合があるので。
     昨日今日と『葛根湯』を求めるお客様が続いてるのは、先日の雨で冷えたからだろうけど。
     それだけに、梅雨が明けて一気に暑くなると今度は暑気あたりで食欲を落とし、夏風邪の人が増えるはず。
     その時にまた、何も確認せずに『葛根湯』を夏風邪にと買われると困る。
     もちろん患者さんも困るだろうけど、せっかく夏風邪向けに『柴胡桂枝湯』『かっ香正気散』を多めに発注した私が困るヽ( ´ー`)ノ

     

  • 夏の風邪に葛根湯を使うのは気をつけて

     疲れ目の相談で、お客様が来店。
     疲れ目の目薬は、何しろ商品点数が多いので、まず価格と効き目に直接的な関係は無いことを説明した。
     例えば、安い物は処方が古くて開発費を回収済みなのに対して、新製品は成分的には珍しくなくても新しい組み合わせの場合だと改めて治験をしなければならず、それだけで数十億円が掛かったりする。
     だから選ぶ際の考え方として、古い処方のほうが安全性が高いと考えて安い物から試して段階的に高い物へ乗り換えていくとか、反対に最初に新開発の物を体感してみるというのは、好みみたいなもんである。
     原因として思い当たることがあるか尋ねたら、スマホの見過ぎとのことから、『サンテPC』と『ロートデジアイ』を案内した。
     どちらも、デジタル系の目の疲労という顔をしたパッケージだけど、中身はなんのことはない、ごく標準的な疲れ目対策の内容。
     でもまぁ、種類を絞ったほうが選びやすいかなと(笑)
     一応は、同じような角膜の保護と細胞の修復の成分に、『サンテPC』の方が炎症を抑える処方を加えてあるかなくらいの違いはあるけど。
     以前に「シンプルな処方を」とリクエストされたお客様は『ロートデジアイ』を選んだけど、今回のお客様は『サンテPC』を購入された。
     いずれにしても、成分表示は取っておくように伝えた。
     よくあるパターンが、「今度はコッチを試してみよう」と選んだ物が、実は同じ処方内容です、なので。

     『カコナールはちみつジンジャー』を購入されたお客様に、『葛根湯』は発熱したら他の物への乗り換えを検討するよう伝えたところ、他の物を知らなかった模様。
     そうだよねぇ、「風邪には葛根湯」のフレーズが突出して有名になってしまったもんねぇ。
     発熱したら『麻黄湯』に乗り換えて熱を発散して、発熱で汗をかき始めたら『柴胡桂枝湯』に乗り換えて体力の低下を防ぐことで、風邪を比較的短期間に済ませて、なおかつぶり返しを回避することができる。
     よくあるのが、発熱から解熱まで『葛根湯』で通して、『葛根湯』は上半身を温めるから体内が乾燥してしまい咳となり、咳が出ているのを「まだ風邪が治っていない」と思って、なお『葛根湯』を飲み続けるというパターン。
     そういう時には、上半身を潤す咳止めの『麦門冬湯』に乗り換えると良いんだけど、これもあまり知られていない。
     あと、これからの季節、『葛根湯』は胃腸を悪くする夏風邪には向かないので、その点にも注意が必要。
     先にも書いたように、上半身を温めるのが『葛根湯』の働きのため、気温が高い季節には余計に頭が痛くなったりボウッとしてしまうし、なにより胃を傷めてしまい、夏バテや暑気あたりを起こしていたりすると、なおさら風邪を悪化させてしまう。
     使うとすれば、雨に濡れて体が冷えたとか、冷房の効いた屋内で過ごしていて鼻風邪をひいたというような時だろう。
     夏場の風邪には、胃と肝臓の働きを助ける『柴胡桂枝湯』か、胃腸の風邪に使う『かっ香正気散』が最適なのでお忘れなく(・o・)

    【第2類医薬品】カッ香正気散料エキス顆粒クラシエ 45包
     

  • 今すぐ家に有る薬を写真に撮ってみましょう

     鼻水の相談で来店したお客様が、発熱しそうとも言っていたので『葛根湯』を勧めたのだけれど、漢方薬は甘草が入っているから駄目だとのこと。
     確かに、甘草の副作用で低カリウム血症を起こす人もいるため、その場合には使えない。
     しかも甘草は、必ずしも炎症を抑えるというような効能での目的ではなく、各生薬の効果を高めるためや、水と油を混ぜるためにエタノールを入れて乳化させるように各生薬の結びつきを強めるために配合されていたりするので、多くの漢方薬に基材のごとく含まれている。
     この点については、本当に入っていなければならないのか、今後の研究を待ちたいところ。
     まぁ、そういう訳なので代わりに熱風邪に適応する『ルルアタックFX』を案内してみたら、お客様は『パブロンエース』を選ばれて購入された。
     家族で使うからとのことで、「総合かぜ薬」ということを重視したのだろう。
     ただ、家族間でも年齢や体質の違い、仕事や学校での環境の違いがあるから、使い分けが必要なケースがあることをお話すると、「大丈夫」というお返事。
     何が「大丈夫」なのか、よく分らないけど(・_・;)
     お客様自身は「自身の選択」としてそれで良いとしても、家族の方はどうなんだろう。
     それとも、あまり考えないかな?
     今までの経験から言って、旦那さんとか男性は夫婦や彼女と自分の病状のことで薬を買いに来ても我関せずだったり、子供は親の選んだ物を選択するしかなかったりで、個人的にはすごく心配なんですが。

     『プチキンカン』と『ヒドランパッチ』をレジに持ってきたお客様に、『キンカン』は蚊にくらいにしか効かないことを説明したら、昨年に購入した『ウナコーワもろこしヘッド』を使ったものの効かないため、他の物をと思ったという。
     効かなかった理由が、一年前の物で古いからなのか成分的なせいなのかは判断がつかないけど、少なくとも『ウナコーワ』が効かなければ『キンカン』は、なお効かないと考えられることを伝えた。
     すると、最初に確認しなかった私もボンヤリしていたのだが、患者は小学生の子供だとのこと。
     そして、患部をかなり痒がっていて赤くなっているらしい。
     それだと、虫刺されの薬より抗炎症効果が高いステロイド剤の『コートf ATクリーム』で症状を抑えた方が良いでしょうと勧めて、お買い上げ頂いた。
     ところがそれで終わらず、実は瞼も刺されていて痒がっているというお話が出た。
     まさか、『キンカン』を塗るつもりだった訳じゃないですよね(;・∀・)?
     それとも『ヒドランパッチ』を瞼に……?
     とにかく瞼にクリームや軟膏は塗れないので、痒み止めの成分が入っている目薬を使う方法を教えた。
     具体的には、炎症を鎮めるグリチルリチン酸二カリウムか、抗ヒスタミンのクロルフェニラミンマレイン酸塩が入っている目薬である。
     これらの成分が入っている虫刺されの薬も有るので、その応用として目薬を目の近くの患部に使う。
     すると、家に「ワンピースのパッケージ」の目薬が有るという。
     えーと、それだけではなんの目薬か分かりません(^_^;)
     追加情報として、「赤い目薬」だったとも言われたけど、「白い塗り薬だった」と言われるのと同じくらいに手掛かりにならない。
     家に有れば無駄な買い物は避けたいという気持ちは分かるんですが、そのためにはお薬手帳でもスマホでも、なにかしらメモをしておかないと。
     主婦の知恵的なサイトで、「買い物に出る前に冷蔵庫の中を写真に撮っておく」というのを見たことあるけど、あれなんかそのまま「家にある薬を写真に撮っておく」という方法に使える。
     いつでも見返せるように、フォルダー分けしておくとなお良し(・o・)ノ
     一応、『ワンピース』はメジャーなので、ネットで検索してみたら『ロートこどもソフト』でそういうのが出ているらしい。
     間違いなければ、クロルフェニラミンマレイン酸塩が入っているので使えます。
     ということで、それは家に帰ってから確かめてみるということに。

     

  • 症状のヒアリングには回数を重ねなければならない事も

     『スルーラックS』を毎週のように購入しているお客様に『スルーラックS』を試して頂いたのだけれど、効いているかはまだよく分からないというお話だった。
     ううん……、外しちゃったかなぁ(;´・ω・)
     ただ、今日になってまた新しい情報を得た。
     腹筋を鍛えるためのストレッチを案内してみたら、以前に腹筋運動をして脱腸を起こした事があり、当時の担当医から過度な運動を止められたそう。
     ストレッチは、普通に腹筋するよりは負荷が掛からないとはいえ、そういう病歴があっては簡単には勧められない。
     そのうえ、あれやこれやと勧めると鬱陶しく思われるだろうし、なかなかに対応が難しくなりそうだ。
     という訳で、今回も『スルーラックS』は購入された。

     以前に腹痛に『コムレケア』(芍薬甘草湯)を、別に日にはお臍の下辺りがゴロゴロと動いて下痢気味になるのに対して『桂枝加芍薬湯』を使って頂いたお客様が、具合が良かったからと『桂枝加芍薬湯』の追加で求めて来店。
     そして前回にも相談を受けた肩こりについては、病院で五十肩と診断されたというのだけれど、詳しく訊いたら肩関節ではなくて、肩の外側が痛むと分かった。
     ありゃま。
     一回のヒアリングでは、症状を把握しきれないねぇ(・_・;)
     温めると少し楽になるというので『独活葛根湯』と、お腹のことから神経性も考えられるため『コリッシュ』(治肩背拘急方)を前回と同じく案内したものの、神経痛となると『疎経活血湯』の適応も考えられそう。
     他に昼間に、自分の心臓の音も気になってしまうようであれば、『加味逍遙散』が候補になることを説明した。
     ただ、症状が多岐に渡ることと、以前に紹介した漢方に詳しい病院をまだ訪れていないというので、重ねて受診してみるよう勧めた。