お客様から、首の後を手術されたばかりで、いわゆる湿潤療法の絆創膏の一つである『キズパワーパッド』を使えば、患部が早く治って目立たなくなるかと質問された。
湿潤療法は、かつては傷口の治療には雑菌が繁殖しないように乾燥させるのが主流だったのに対して、患部の消毒の時に周囲の細胞も傷めてしまう古都、雑菌がいると思われていた患部から滲み出る体液こそが雑菌の繁殖を抑え、細胞の再生を活性化すると分かり、患部を湿らせておく治療法。
その目的と治癒過程からすると、最近の手術は接着剤で皮膚を癒着させてしまったり、溶ける糸で縫合したりで、湿潤療法が全く効果が無いとは云えないものの、同時に期待するほどの効果も得られないだろう。
実際、今回は溶ける糸で患部を縫合しているそう。
首の後で目立つからという気持ちは分かるけど、皮膚の再生を早めるための食事での養生などに努めた方が良いでしょうと、お話した。
野菜なら根菜、肉なら豚肉、冷たい物よりも温かいメニューを主体にして、飲み物も温かい麦茶にするというように。
皮膚の再生に適したメニューとしては、豚汁が最適ではないかと。
何しろ、メインの豚肉はもちろん、人参に牛蒡に大根と、条件が最強に整っている。
まぁ、毎食は飽きるだろうから、同じ食材で調理法を煮物や炒め物と変えてみるのが良いだろう。
しばしば偏食が健康を害すると云われているが、逆もまた然り。
一定の期間を定めて、特定の目的のために思いっきり食事の内容を偏らせてみるのは、そう悪い事ではないので。
糖質抜きダイエットとか、○○だけダイエットなんかは論外ですが。
ああいうのは、そもそも「食事ですら無い」から。
お客様から肩こりの相談を受けて、今までに服用した物があるか尋ねたら、『ナボリンS』を使ったものの、あまり効いた感じがしないとのこと。
実は、私自身は、こうやってパソコンで日記を書いていて目と肩が疲れた時には、『ナボリンS』を愛用している。
しかし、自分が効いたからといって、他の人にも効くとは限らないのが、薬という物。
成分との相性もあるし、そもそもの体質の違いというのもある。
上半身の血流を改善すれば良さそうだと思い、『独活葛根湯』を案内したところ、興味を持って頂いた。
しかし、さらに詳しく話を訊いてみたところ、どうやら夏休みで子供たちの面倒を見ていてストレスも思い当たる模様。
むむ、それでしたら『コリッシュ』(治肩背拘急方)の方が良いかもしれません。
こちらは、上半身を温める『独活葛根湯』とは違って、水分代謝を改善する生薬構成で、どちらかという胃薬に近く、ストレス性の肩こりに効果が期待できる。
どういう事かというと、ストレスはやはり胃に来る、胃の調子が悪いと姿勢が前かがみになりがちで、そうすると重い頭を首から肩で支える形になり、これが肩こりを起こすという訳。
眼の奥も重い感じがするという話からすると、胃の不具合からくる頭痛と同じかもしれず、一緒に改善するかもしれない。
そうお話して今回は、『コリッシュ』を試していただく事になった。