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  • 薬を商品名で指定するのは無理がある

     外用鎮痛剤の棚を見ていてお客様から、「やっぱり効果は一時的なものなの?」と質問されて、「その通りです」と答えたのは、やや軽率だったか。
     症状を詳しく尋ねてみると、腱鞘炎とのことでゴルフが原因に思い当たるという。
     ゴルフに限らず、野球やテニスといった腕を振るう動作で、しかもいわば錘を持っている場合は、慣性の法則によってかなりの衝撃が瞬間的に腕にかかるため、関節はもちろん筋肉に傷がつく事もある。
     だから一度は病院を受診するように勧めたのだけれど、「大丈夫大丈夫」「たいしたことない」と、最初の質問が不可解なくらい気に留めない様子だった。
     あくまで一時的な効果ですと重ねて説明したうえで『フェルビナク』を案内したところ、お買い上げ。

     鼻炎の相談でいらしたお客様は、花粉症の他に喘息の持病もあるという話だった。
     そして、以前に蓄膿症で手術を2回受けたことがあり、今回も風邪とは思えないとのこと。
     鼻汁に色があるというから、ウイルスなり菌なりの死骸が患部にあるのは間違い無さそうだけど。
     風邪だった場合にも対応できる『葛根湯加川きゅう辛夷』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     ただ、会計を終えた後で病院から処方された薬が、どうやら『辛夷清肺湯』だと分かった。
     ありゃん、今回も同じ物を勧めておいた方が良かったかしらん。
     一応今回は、鼻汁が喉に落ちてくるかを尋ねてみて、そういう症状は無いというので、候補から外したものの、手術の話を聞いた段階で、処方された薬があるだろうと考えが至らなかったのは反省。

     電話で問い合わせがあり、以前に『トラベルST』という酔い止めの薬を購入したいので、在庫を確認したいとのことだった。。
     でも、『トラベルST』という名前の商品は、うちでは取り扱っていない。
     以前にうちの店で購入したというのだけれど、聞いたこともない商品名。
     お客様は、大正製薬だというものの、商品リストを確認しても見当たらないので、大正製薬の『センパア・QT』を案内してみたが、小学校の行事に持っていくため商品名を伝えているから、同じ物でなければ駄目だという。
     ううん、薬を商品名で指定するのは無理があると思うんですが。
     とりあえず、代用では駄目という事であれば、残念ながらお役に立てません。
     後で調べてみたら、ロート製薬に『パンシロントラベルSP』という酔い止めがあるのが分かった。
    「ST」というのは、「SP」の聞き間違いだったのか?
     だとすれば、気づかず申し訳ない事をした。
     とはいえ、いずれにしろ同じ成分なんだけどなー。
     メーカー名と製品名が一致しないままで、探し出せるのだろうか。
     他のドラッグストアーの店員が、ちゃんと説明し直してくれる事を祈るばかり(;´・ω・)


     

  • 小躍りして天狗になります

     『チクナイン』を見ていたお客様から、POPに書いておいた「鼻汁が喉に落ちてきて咳になる場合」というのが自分の今の症状のようだと相談された。
     花粉症による鼻づまりがあり、以前に病院では『辛夷清肺湯』が処方されていたというので、同じ物であることを説明したところ、購入して頂けた。
     一方、小学生の子供も同じ症状という事で、風邪のように移る事があるのかと質問されたのには、「風邪のように移る」事はありませんと答えたが、環境が同じであれば発症するアレルギー症状が似ているというのはあり得ると伝えた。
     ただし、性別や年齢が違えば、適応する薬が違うケースがある事も説明した。
     例えば私の場合、花粉症で現れる症状は鼻水と咳なので、子供の頃には『小青龍湯』を使っていたが、大人になるに連れ効き目が強く出すぎて辛くなり、今では『香蘇散』『麻黄附子細辛湯』の方が適している。
     ええ、年寄り向けの漢方薬です(´・ω・`)

     外用消炎剤の湿布を求めて来店したお客様から、肩こりの相談を受けた。
     いつも肩こりになる訳ではなく、患部も左肩だけだという。
     肩掛けカバンなどでの姿勢の影響や、どこか具合の悪い部分を庇っている可能性もあるため、一度は病院を受診してみるよう勧めた。
     そのうえで、サリチル酸メチル、フェルビナク、インドメタシンのパップ剤と液剤を案内し、内服薬として血流を改善する『独活葛根湯』を紹介した。
     今回は、フェルビナクのローションタイプを購入。

     今日は、ちょっと嬉しい事があった。
     いや、正確には「ちょっと」じゃなくて、小躍りしたいくらいだったんだけど。
     以前に疲労の相談でドリンク剤を求められた時に、ツムラの『ハイクタンD』を案内して、効果が感じられるとの事で継続して頂いているお客様から、病院で処方された『柴胡加竜骨牡蛎湯』が効いた感じがしないという相談を今回受けた。
     病院で処方された薬に口を出すのは、些か出すぎた真似だと重々承知はしているものの、目の前のお客様には神経質そうな傾向があり、外見上も体質虚弱な痩せ型で、どうして『柴胡加竜骨牡蛎湯』が候補になるのか不思議なくらい。
     不眠を主訴として受診したらしいのだけれど、寝るまでに時間が掛かるより、中途覚醒を繰り返してしまうというお話から考えても、『桂枝加竜骨牡蛎湯』の方が適応するんじゃないのかと思い、お勧めして購入となった。
     で、嬉しかった事は、これまた以前に、熱いお風呂に短時間だけという生活をしていると聞いた時に、寝る時間を惜しんででも40度以下のお湯で長湯をするように勧めたところ、それが効果覿面だったと満面の笑顔で感謝されたのだ。
     内心は、「ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノわぁい♪」というところを自重(笑)

     やや高齢のお客様から、精力減衰の相談をされて、サプリメントの『凄十』や、処方薬の『バイアグラ』について質問された。
     『凄十』に含まれている成分を見れば「すっぽんエキス」とか「マカ抽出液」とか精力増進が期待できそうな物の名前が並んでいるけど、どう考えても有効成分としての量は期待できない。(試したけど)
     『バイアグラ』が勃起力に効果があるかと問われれば、要するに男性器に流入する血液の量が増えるから勃起力は上がるだろうけど、正座していて立ち上がった時のような状態になるのだから、自身の感度が鈍ると考えられる。(未体験だけど)
     なので、治療目的としては、『柴胡加竜骨牡蛎湯』が適応すると思いますと案内してみたが、今回は購入に至らず。
     多分、求めていた答えがそもそも違うんだろうなぁと想像するものの、他にどう答えれば良かったのかは分からない。
     期待に添えなくて、ごめんなさい(;´・ω・`)ゞ

     

  • パッケージデザインで困ることも

     お客様から、『ナザールスプレー』とハピコムの『鼻炎スプレー』の違いを尋ねられたので、『鼻炎スプレー』の方にはリドカインが入っていて、よりアレルギー性の鼻炎で鼻腔内の痒みが強い場合に適応する事を説明した。
     症状を詳しく訊いてみると、患者さんは11歳の男児で、数日前から鼻づまりから始まり、喉の痛みは弱く、咳もそれほど出るようではないため、風邪ではないと思うのだけど、というお話だった。
     花粉症についても思い当たらないと言っていたけど、花粉症自体は突然なる事があるし、今の時期だと寒暖差アレルギーの可能性も考えられる事を説明した。
     気温の変化に体がついていかない寒暖差アレルギーについては、まだまだ認知度が少ないし。
     咳についても、たまに咳が出るものの咳き込むほどではないというのは、もしかすると鼻汁が喉に落ちて反射的に出ているのかもしれない。
     その場合は、『辛夷清肺湯』が候補だけど、今回は風邪の場合にも使える『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内して、お買い上げ頂いた。
     それと、鼻が詰まって夜寝にくいようだというお話があったので、詰まり方が酷い鼻と反対側の頸動脈を圧迫すると、鼻が通る事を教えた。
     つまり、固い枕を首に当てると良いのだけれど、枕が柔らかい場合はタオルなどを固く丸めて、そこに首を乗せる。
     コレでかなり、楽になるはずである。

     12歳の男児が腹部の差し込みを訴えていると、お客様から相談があった。
     溝落(みぞおち)から脇腹にかけてが痛いと訴えているものの、吐き気や下痢などは無いようだったので、『コレムケア』(芍薬甘草湯)を勧めた。
     『コレムケア』は、パッケージが腓返りにだけ効くようなパッケージデザインなんで、勧める時にちょっと困る。
     効能には、ちゃんと「腹痛」と書いてあるんだけどね。
     すると、運動会の練習で足が痛むとも訴えているらしく、それにも使える事を説明した。
     しかし、その練習で体を動かすせいか、普段よりも食事の量が多くなっているという話もあった。
     そこで、胃の事も考えて、『安中散』『芍薬甘草湯』を合わせた『大正漢方胃腸薬』の方を案内して、お買い上げ頂いた。
     あと、運動の疲労を取り除くためには、ぬるめのお風呂にゆっくり入るように勧めた。
     お風呂は、パッパッと出てしまうそうなので。
     また、中学受験をする予定だそうなので、ついでながら神経性のストレスを軽減する『半夏厚朴湯』を紹介しておいた。

     

  • 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
    ………鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症、花粉症

    辛夷清肺湯
    適応症状 

     鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症、花粉症

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       セッコウ(石膏) 5.0g     
       バクモンドウ(麦門冬) 5.0g
       オウゴン(黄ごん)3.0g
       サンシシ(山梔子) 3.0g
       チモ(知母) 3.0g
       ショウマ(升麻) 1.0g
       ビャクゴウ(百合) 3.0g   
       シンイ(辛夷) 2.0g
       ビワヨウ(枇杷葉) 2.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    葛根湯加川きゅう辛夷  体力中等度、あるいはそれ以上の人で、鼻閉、鼻漏は同様であるが、鼻汁が本方ほど膿性ではなく、頭痛、頭重、項背部のこわばりなどがある場合に用いる。

    荊芥連翹湯  体力中等度の人を中心に、副鼻腔、外耳、中耳、扁桃などの炎症が慢性化したものに幅広く用いる。一般に皮膚は浅黒く、腹部は腹直筋が緊張していることが多い。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5. その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    辛夷清肺湯
     

  • 秋の花粉症で漢方薬のお浚い

     『ロートアルガード鼻炎内服薬Z』を購入されたお客様に症状を尋ねたところ、家族揃って鼻炎を起こしていて、風邪の兆候は無いようだから、やはり秋の花粉症だろう。
     お客様自身も、花粉症だと思うと言っていた。
     ただ、同じ鼻炎でも、鼻水と鼻づまりでは、体の中で起きている反応は違うから、家族で同じ薬を使うのは、必ずしも適切ではない事を伝えた。
     漢方薬では、鼻水は体内が冷えていると考えられるため温める『小青龍湯』を使い、鼻づまりと鼻水を繰り返すようであれば上半身を温めつつ熱を発散する『葛根湯加川きゅう辛夷』を使うのが基本。
     より鼻づまりが酷くて寝られないくらいなら、患部を冷やす『荊芥連翹湯』を使い、詰まった鼻汁が喉に落ちてくるようなら胃が弱っていると考えられるため『辛夷清肺湯』を使う。

     やや高齢と思われるお客様から、ローションを探していると頼まれ、てっきり日焼けのためのローションかと思ったら性交渉のだった。
     いや、前回は別なお客様からローションを尋ねられて、お客様が探しているのは日焼け止めローションだったのに、性交渉のローションを案内して赤っ恥をかいてしまったので(^_^;)
     『リューブゼリー』と『SOFT ON DEMAND』を案内して、『リューブゼリー』の方が昔から『日本家族計画協会』の推薦商品である事を説明すると、『リューブゼリー』の方をお買い上げ頂いた。
     でも、『SOFT ON DEMAND』のDVDは「息子」がお世話になっています……、ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3

     

  • セカンドチャンスに恐悦至極

     以前に鼻づまりで『辛夷清肺湯』を試して頂いた、やや高齢のお客様が再訪。
     あまり効果を感じられなかったそうで、申し訳ない。
     ただ、以前いらした時より顔に赤味があり、上半身に熱が篭っているように見受けられた。
     言い訳するなら、病態が変わったという事だ。
     もちろん、そんな言い方はしないけど。
     一度外した私を信頼して頂けるのか、今度は患部を冷やしてみましょうと案内した『荊芥連翹湯』を試してもらえるというので、恐悦至極であります。

     家族の頼まれものという事で『新ホームパスW』を購入されたお客様に、ご本人の症状を尋ねたところ、関節痛らしいのだが具体的には分からないという。
     ただ、糖尿病で通院しているらしく、その病院には関節痛の事は伝えていないそう。
     担当医に相談しないで、市販の薬は避けてもらいたいんだけどなぁσ(^◇^;)。
     『新ホームパスW』は温感湿布だから、もし温めて患部が楽になるようでしたら、『桂枝加苓朮附湯』が効くかもしれませんとお話して、近くの漢方薬に詳しい病院を紹介した。

     

  • 知識と経験と当てずっぽうと勘の狭間(はざま)

     お客様から、鼻づまりの相談を受けた。
     ここ一週間くらいの症状で、エアコンの影響という訳でもないみたい。
     しかし、胃の具合が悪くありませんかと尋ねたら、これが的中していて、お客様に驚かれた。
     当てずっぽうで言ってみるもんだ……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
     いや、当てずっぽうで言った訳ではなく、話の中で鼻汁が喉に落ちてくるというので訊いてみた次第。
     胃が正常であれば、胃にに異物が降りてこないように押し返すところを、防御機能が低下しているから鼻汁が落ちてくるんである。
     こういう時の鼻づまりには麦門冬が入っている『辛夷清肺湯』が、お勧め。

     疲れ目の目薬を案内してくれという、お客様からの依頼。
     具体的に眼の奥が重く感じたりといった症状があるのか尋ねたところ、朝起きると充血しているそうな。
     そして、以前に『サンテメディカルガード』を使用していた模様。
     それで効果が感じられなかったとなると、アプローチを変えた方が良いかなと考え、『ロート新・ドライエイドEX』を案内して、お買い上げ頂いた。
     充血には直接は対応しないけど、痛みなどがある訳ではないそうなので、乾燥を抑えた方が適応するかもという判断。
     外れたらゴメンネ(;´・ω・`)ゞ

     

  • 病院を敵扱いする陰謀論もありますが

     やや高齢のお客様が、以前に使用した事があるという漢方薬を探しに来店。
     名前は覚えていなかったが、足が攣った時に使ったそうで、どうやら『芍薬甘草湯』らしいと分かった。
     ただ、『芍薬甘草湯』はあくまで一時的に用いる物。
     繰り返し足が攣るようだと、単純な足の疲労などではなく、心臓が関係する可能性があるため、病院で診察を受けるよう勧めた。
     御主人も同じように足が攣るそうなので、この暑さから水分代謝が夫婦で悪くなっているのかもしれない。
     生活環境や食事が同じだと、そういう事もありえる。
     その場合には、『五苓散』が適応する事をお話したけど、まずは病院で体調を調べてもらった方が良いだろう。

     鼻腔を開く器具を探しているという、お客様が来店されたので『ブリーズライト』を案内した。
     鼻づまりを起こしているのがお客様自身なのか尋ねると、中学生の娘さんだという。
     そこで、上半身を温めて鼻の通りを良くする『葛根湯加川きゅう辛夷』と、患部を冷やして治す『荊芥連翹湯』を紹介した。
     鼻汁が喉に落ちてくるようなら、『辛夷清肺湯』も候補になるところ。
     すると、娘さんは痩せ型で生理が重いとの事だった。
     ううむ、血流が悪くて上半身に熱が篭ってしまうのかもしれない。
     鼻づまりと生理が重いのが関連しているのなら、『当帰芍薬散』を使ってみるのも一つの手だ。
     なにより、思春期の生理の症状は、早めに手を打っておいた方が良い。
    「生理が重いのが当然」とか「生理は痛いもの」というのが本人の中で普通になってしまうと、成人してからも「いつものこと」と思い込んで重大な病気を見逃してしまう可能性がある。
     ただ、そうなると服用後の経過観察が重要になるし、体質や症状に合わせて変更することも考えなきゃならないので、ドラッグストアーの手に余る。
     今回は漢方薬については、漢方内科の医院を紹介するだけに留めた。

     

  • 効能書きが同じでも効くプロセスが違う

     中学生の息子さんの、汗疹の痒み止めを探しているというお客様。
     他店で購入した薬は、スースーして患部にしみたたため他の物を探しているそうなのだけど、肝心の使った薬の成分はおろか名前も分からないので困った。
     どうして現物を持ってこなかったのか。
     せてめ携帯電話かスマホで写真を撮っておいてくれるだけでも、手がかりになるのに(;´・ω・)
     スースーしたのは、メントールかなぁ。
     他のアプローチとして、その息子さんの事を尋ねてみた。
     部活で運動をしていて、服が擦れるというのもあるようなので、『ユースキンあせもジェル』を案内してお買い上げ頂いた。
     痒みが落ち着いたら、『桃の葉ローション』で予防するよう勧めた。
     この『桃の葉ローション』、どうも「桃の香りのする子供向け」のローションと思われる事が多いらしく、桃の葉そのものが昔から炎症を抑えるのに使われているんですよと説明している。
     汗疹になりやすい人は、一度お試しあれ。

     やや高齢のお客様から、鼻づまりの相談を受けた。
     自身で『葛根湯加川きゅう辛夷』を服用しているとの事だったけど、鼻がつまる時の状況を尋ねたところ、ビールなどの冷たい物を飲むと起きるようだったので、『辛夷清肺湯』の方を勧めた。
     『葛根湯加川芎辛夷』は上半身を温めることで鼻づまりを通すので間違いではないけれど、症状に飲食が関係するとなると胃に通じる『辛夷清肺湯』の方が向いていると考えられる。
     反対に、『荊芥連翹湯』は患部を冷やす事で鼻づまりを通すため、今回の場合には適応しない。
     この三つの漢方薬は、同じように効能に「鼻づまり」とあっても、効くプロセスが違うので使い分けが必要。
     そして、効能書きが同じでも効くプロセスが違うのは、他の薬にも云える事なので、その点をお忘れなく(^_-)-☆

     

  • 首の片側の頸動脈を押さえると、反対側の鼻は通るよ

     無印の『イブ』を頼まれてきたというお客様に、念のため本人の症状を尋ねると、ストレス性の頭痛に悩まされているらしい。
     しかも、『ガスター』を服用しているという。
     それで無印の『イブ』をというのは、どうかなぁ。
     イブプロフェン自体が胃に優しくないし、ストレスは胃に来るモノ。
     ストレス性の頭痛であれば、とても適応するようには思えない。
     とはいえ、頼まれ物では買っていかない訳にもいかないだろうから販売はしたけれど、ご本人には伝えて下さいとお話した。
     案外と、『半夏瀉心湯』で良くなるかもしれないので、紹介しておいた。
     『ロートアルガード目薬』を購入されたお客様が、会計している間にも頻繁に鼻をすすっていたため、内臓が冷えている可能性があるので、体を冷やすキュウリやトマトといった夏野菜を避けるように、お話した。
     子供用の鼻炎薬を求めて来店したお客様に、本人の症状を尋ねたところ、小学生で鼻づまりが酷いそう。
     鼻をかんでも奥の方が詰まっている感じと訴えているらしく、鼻汁が喉に落ちてくるという。
     これは『辛夷清肺湯』と思い、『チクナイン』を案内した。
     それと、首の片側の頸動脈を押さえると、その反対側の鼻は通るようになる事を教えた。
     案外とコレを知らない人が多い。
     起きている時なら、机に上半身を預けて腕枕を首に当てたり、寝る時には柔らかい枕じゃなくて固めの枕に首を乗せて横になると、片側の鼻だけは通るので息が楽になる。
     ………原理は良く知らない(^_^;)
     外用消炎鎮痛剤の棚を眺めている初老の男性に声をかけたら、症状は指先の痺れだという。
     見せてもらったら青黒くなっていて、冬に外で作業をしてからの事らしい。
     それ、霜焼けが悪化したか、凍傷なのでは……( ̄▽ ̄|||
     病院へ行くよう勧めたけど、頑として聞き入れてもらえない。
     そして、『バンテリンコーワ』液を買って使いたいという。
     うう……、どうする?
     適応しないから、売らないでおくか。
     でも、病院には行ってくれそうにない。
     なら、他のドラッグストアーに行って、何も言わずに買うだけかも。
     頭の中でグルグルと考えながら、寒さで血流が悪くなって回復していないのだろうから、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を勧めてみたけど、興味を示して頂けず……。
     しかし、他に疲労感があるというので、血流改善の当帰と、体を温める蝦夷五加、水分代謝を改善する黄耆が入っている『キューピーコーワゴールドαプラス』を案内したところ、お買い上げ頂けた。
     ただ、『バンテリンコーワ』を購入するのは阻止できず……orz