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  • 市販の薬で済まそうとは思わないで

     『ベンザブロックLプラス』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねると、家族に頼まれていらしたそうで、患者さん本人は喉の痛みを訴えているものの、他に風邪の兆候は無い模様。
     市販の風邪薬の中身は、複数の症状への効能範囲を広げるための処方でもあるので、風邪をひいていない時に服用すると、体の方は余計な処理をしなければならず、それが疲労に繋がる。
     そうなると、風邪で体がだるいのか、薬の作用でだるいのか見分けがつきにくくなり、後の治療を難しくしてしまうことも。
     喉の痛みだけならば、効能を特化した『駆風解毒湯』や『ペラックT』はいかがでしょうと案内してみると、本人が錠剤を希望しているとのことで、『ペラックT』を購入された。
     ただ、本当は喉の痛み方についても、ヒリヒリ型の乾燥性なのか、ズキズキ型の扁桃腺炎なのか確かめたかった。
     そこまで訊かなかったのは勿論、買いにいらしたのが本人じゃないから。
     人に薬の購入を頼む時には、症状を書き出したメモを渡すくらいでないと。
     うちの奥さんは、ビールを買ってきてと頼んでも発泡酒と見分けがつかなくて、とりあえず目についた物を買ってきちゃって困るんだけど、薬を買うのにも同じようにされたら、困るどころか怖いことになりますよん。

     高校生の息子さんが風邪気味とのことで、お客様から相談を受けた。
     症状は発熱と鼻づまりで、昨日から起きたという。
     学校を休めないというので、疲労の少ない『麻黄湯』を案内してみたけど、現代薬を希望されたので『ルルアタックFX』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     それと、若い時にありがちなのは、食欲が落ちていないと、つい食べてしまうこと。
     食欲に任せて食べてしまうと、風邪を治すエネルギーが消化に使われてしまい、戦力の分散となってしまうため、食事を控えるか消化の良い物を食べたせて下さいとお話したら、普通に食べさせるつもりだったとのお返事。
     ああ、やっぱり(^_^;)

     小学生の子供が口内炎で、中学生の子供が唇のひび割れという相談で、お客様が来店。
     口内炎については、ストレス性の胃炎の可能性があることをお話したら、思い当たるというので『ケナログ軟膏』と一緒に『チョコラBBジュニア』を勧めた。
     大人なら、より神経性胃炎に狙いを定めて『半夏瀉心湯』というところだけど、成長期の子供は栄養の方よりも考えられるので。
     唇の方は、パックリ割れているようであれば『ヒビプロLP』を、荒れている程度であれば『メディカルリップ』を案内した。
     2人とも、同じ症状を繰り返しているというのが気になったけど、今日のところは相談のみとなった。
     気になるのは、やっぱり2人ともストレスが関係しているように思えたから。
     唇も口内も、胃の症状が現れるケースが多い。
     胃壁がそのまま繋がって、唇になっていると思えばイメージしやすいかも。
     だから、よく唇が荒れるという人は、リップクリームで乾燥を防ぐだけでは治療としては足りないから、店頭で相談してもらいたいところ。
     口内炎の方は他に、成長期で歯がぶつかっていたりということも考えられるから、その場合は歯科医の診察も受けたほうが良いので、やはり繰り返すようであれば、市販の薬で済まそうとは思わないで欲しいな。

     

  • 回復が遅いほうが面倒は多い

     若いお客様が来店して、肘の痛みを相談された。
     重い物を運んで、筋を違えてしまったらしい。
     すでに5日ほど経っているそうなので、受診を勧めつつ『ボルタレンEXローション』を案内したら購入された。
     病院に行くのが面倒だと考えてしまう気持ちは分かるけど、回復が遅くなることの面倒も想像して下さいな。

     やや高齢のお客様から、『新パワーアクトEX』と『パワーアクトゴールドα』の違いを質問された。
     自分も、そろそろ即答できるようになりたいんだけど、物覚えが悪いので再三、パッケージの成分表示を確認することに。
     前者は主に上半身の疲労を改善すると考えられるビタミン剤の構成で、後者はビタミン剤に活力を養うエゾウコギと炎症を抑えるオウギの生薬を加えた物ですと説明。
     他に、「寝付きが悪い」と不眠の相談をされ、『ドリエル』を紹介してみたが、詳しくお話を訊くと中途覚醒のようだったため、疲労が原因と考え『加味帰脾湯』『竹じょ温胆湯』を案内した。
     今日のところは、『新パワーアクトEX』をお買い上げ。

     喉の痛みの相談で来店したお客様は、風邪の兆候は無いものの痰が出て、いつもこれから咳になって終わるとのお話。
     これは体内の乾燥が原因と考えられるため、まず『麦門冬湯』を案内した。
     ただし、喉の痛みが強い場合には『駆風解毒湯』の方をと付け加えた。
     今回は、お客様が『麦門冬湯』を選択して購入るすことに。
     体内の乾燥の原因は様々だけれど、今回のケースで考えられるのは、異物の侵入を喉で防ごうと炎症を起こして戦った結果として、その炎症で上半身が乾燥してしまうパターン。
     人間の体は機械ではないから、狙ったところだけを炎症させて、他の部位には影響を及ぼさないといったような微調整かできないので。
     でも、対応策が無い訳ではない。
     例えば、半身浴をするとか、部屋の中でも厚着(特に下半身)をして温めることで、体の方で過剰に発熱させて炎症が広範囲に及ぶのを防げる。
     お客様にも、そのように説明した。

     

  • ことさら添加剤を心配するのは心の病気!?

     水洗いで指先が荒れるという相談で、お客様の手を見せてもらうと、いわゆる主婦湿疹のようだった。
     痒みは無いというお話から、『HPローション』を案内して、お買い上げ頂いた。
     それと、水を流したまま洗っているそうなので、水に触れる時間を短くするため、洗い桶を使って浸け置き洗いをするよう提案したところ、洗い桶を一緒に購入された。
     あと、指先の荒れは、血行不良による材料不足によって、皮膚の再生が追いつかないことも原因であることを説明しつつ、半身浴で血行を改善することを勧め、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も紹介してみた。

     やや高齢のお客様から、『ワセリン』のクリームタイプがベタつくか質問された。
     あうっ、この手の使用感に関する質問は一番困る。
     メーカーに問い合わせてみたら、それほどベタつくと感じることはないはずという返答を頂いて、そのまま伝えた。
     そして、患部に痒みは無いそうだから、『HPクリーム』や『ロコベースクリア』を案内したところ、アレルギー体質で、石鹸も『ミノン』しか使っていないとのことで、添加物を心配されていた。
     でも、アレルギーテストを受けたことは無いそうな。
     心配してるんだかしてないんだか、良く分からない(;´・ω・)
     心配ならアレルギーテストをした方が良いだろうし、例えば蕎麦アレルギーの人は天然の蕎麦粉でアレルギーを起こす訳だから、ことさら添加剤を心配するのは意味不明。
     一方、血流改善に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介すると、『ナボリンS』を知人に勧められて、眼精疲労に使っているという。
     内容は、どう見ても人工的に合成した栄養素と添加物がテンコ盛りなのに、さっきの心配という話は何処に行ったのか、ますます謎は深まるばかり………。
     お話を訊いているうちに、寝入ってもすぐに目を覚ましてしまう中途覚醒の症状があると分かり、肌の艶の無さから『加味帰脾湯』と漢方内科の病院を紹介した。
     しかし、今回のお客様のように、添加物を気にしたりする人というのは、一種の不安神経症なのではないかと思ったり。
     話を聞いていると、大抵は明確な根拠や知識を持ち合わせていないんだもの。
     例えば、保存料を嫌っている人が亜硝酸塩を発癌性があるって槍玉に挙げてたりするけど、亜硝酸塩は唾液の中にも含まれているのだから、本当に気にするのなら唾も飲めなくなってしまうはず。
     なのに、「唾液を飲むのをやめました」とは何故か言わない。
     いわば妄想に取り憑かれてる訳で、それはやはり精神疾患なんじゃないかな。
     ちゃんと精神科や心療内科を受診して、治療した方が良いだろう。

     授乳中でも服用できる喉の痛み止めをと相談され、風邪の兆候は無いというお話から、『桔梗湯』『駆風解毒湯』を案内した。
     でも、『桔梗湯』はお腹を冷やす可能性があるから、一応は妊婦さんは避けた方が良いだろうと思い、『駆風解毒湯』の方を勧めて、お買い上げ頂いた。

     

  • 解熱は、ジャンプしようと屈んだところを蹴り倒している

     お客様から、『龍角散』と『龍角散ダイレクト』の違いを質問された。
     正直、良く分からないので、成分で比較してみると、どうやら前者が炎症を抑えるために冷やす物が主体なのに対して、後者は血行を良くするニンジンと保湿するアセンヤクが追加されている。
     そう説明して、何か具体的な症状が出ているのか尋ねたところ、喉が痛いという。
     風邪の兆候は無いようだったから、『桔梗湯』『駆風解毒湯』を案内したうえで、風邪の心配があるようであればと『銀翹散』を紹介した。
     すると、『龍角散ダイレクト』と『銀翹散』をお買い上げ。
     商売上は嬉しいけど、一緒には服用しないで下さいねー( 」゚Д゚)」

     やや高齢のお客様が『葛根湯』を買いにみえたけど、症状を尋ねると主訴は咳だった。
    「風邪の初期には葛根湯」と思っていて、いつも咳でも服用しているというで、それて効いているのかと問えば、良く分からないというお返事。
     布団に入ると咳が出るそうなので、『五虎湯』を試してみて下さいと勧めて、お買い上げ頂いた。

     『冷えピタ』を買いにいらしたお客様に用途を尋ねると、2日ほど前から発熱して、『冷えピタ』を首の後に貼ると、その時は熱が下がるものの、昼間に活動すると、また熱が出るため、追加を購入しようと思ったそう。
     ううむ、状況から推測すると、体が風邪を治すために熱を出そうとしているところを邪魔してしまい、風邪を長引かせてるんじゃあるまいか。
     そこで、ジャンプしようと屈んだところを蹴り倒しているという喩え話をしてみると、状況は理解して頂けた模様。
     さて、それでは風邪薬の案内をと思ったら、家には銘柄が不明ながら風邪薬はあるそう。
     ありゃん、残念(笑)
     そんな訳で、その風邪薬を服用しつつ、体の方は過度に冷やすのを避けるように勧めた。

     以前に、鼻水と咳に『ストナデイタイム』を勧めたお客様が、良く効いたとのことで、追加を買いにいらした。
     発熱が無ければ、アセトアミノフェンの入っていない通常の『小青龍湯』をとお話してみたけれど、気に入ってしまわれたらしく『ストナデイタイム』を、お買い上げ。
     痩せ型で声もか細いお客様だから、『小青龍湯』の連用も心配なんだけど。

     

  • 担当医に相談しないんじゃ診察料がモッタイナイのでは?

     お客様から、『キューピーコーワゴールドαプラス』と『パワーアクトゴールドα』の違いを質問された。
     『プラス』は血流改善の当帰が入っていて、『パワーアクトゴールドα』は『キューピーコーワゴールドα』の方と近いことを説明した。
     また、同じ疲れでも、上半身がフラフラするような疲れと、座ると立ち上がるのが辛い下半身の疲れとでは、使用目標が異なるので、必要なときは相談して頂くよう伝えた。
     他に、喉の痛みに『新ルルゴールド』を服用して良いか相談されたため、喉の痛みだけで風邪の兆候が無いようであれば、『ペラックT』などのように喉の痛みに特化した薬の方が良いですよと、お話した。

     3歳児の咳の相談で、お客様が来店。
     以前に、『ムヒのこどもせきどめシロップS』が効かなかったとのことで、「良く効くのを」というご要望だったけれど、強い弱いというより成分との相性もあることを説明し、成分違いのハピコムの『せきどめシロップ』を案内して購入された。
     布団に入ると咳き込むという話から、『五虎湯』も紹介してみたものの、粉薬は飲めないそうなので、候補から外れた。
     うちの次郎は、小皿を使って、お湯に溶いて飲ませてたんだけどねー。
     いずれにしても、与えた薬は成分表示の部分を取っておいて、効いた効かない等をメモしておくよう勧めた。

     やや高齢のお客様から、かすみ目ということで目薬を希望されたため、『スマイル40EXマイルド』を案内して、お買い上げ頂いた。
     そして、加齢によるかすみ目の内服薬として『牛車腎気丸』を紹介したところ、以前に病院で『八味地黄丸』を処方された事があり、服用してもピンとこなかったそうな。
     そこで、改めて担当医に『牛車腎気丸』を相談してみるよう勧めた。
     店頭に『杞菊地黄丸』があれば、そちらも試してもらいたいところなのだけれど。
     入手ルートが、無いものか。

     風邪薬の棚で長く迷っている様子のお客様がいらしたので声を掛けると断られ、『パブロンエースAX』を購入された。
     しかし、お会計の後に症状を尋ねたところ、主訴は喉の痛みで、他に風邪の兆候は無いようだった。
     体内の乾燥か、胃炎の可能性があることをお話して、2日ほど服用しても効果が感じられない場合は、服用を中止して相談して下さいと伝えた。
     私としては、『ペラックT』か『駆風解毒湯』を勧めたいところ。

     高齢のお客様から頻尿に『ハルンケア』を試したいと相談されたけれど、念のため他に服用している薬が無いか尋ねたら、病院で頻尿を治す薬は処方されているという。
     そうでありながら、その薬の内容が分からないそうな。
     ううん、それでは『ハルンケア』を使っていただく訳にはいかない。
     とりあえず、『ハルンケア』は『八味地黄丸』と同じで、保険が適応されることを説明して、担当医に相談するよう勧めた。

     

  • 漢方薬と現代薬の合わせ技が便利です

     『葛根湯』の錠剤を購入しようとしたお客様に用途を尋ねると、中学生の子供が頭痛と喉の痛みを訴えているとのこと。
     上半身を温める『葛根湯』は、喉の痛む風邪には適さないことを説明し、『桔梗湯』『駆風解毒湯』との併用を勧めた。
     しかし、『桔梗湯』はお腹まで冷やしてしまう可能性があるため、胃腸について確認すると、どうやら弱い模様。
     ううむ、それでは主に冷やすのが上半身に留まる『銀翹散』は、いかがでしょう?
     頭痛にも効果が期待できますし、風邪でなかった場合に疲労になる事もありません。
     また、『葛根湯』については、家に置いておくより、持ち歩いて出先で不調を感じたら、早め早めに服用するようお話したところ、顆粒に変更して両方をお買い上げ頂いた。
     バンザーイ(∩´∀`)∩

     やや高齢のお客様が、鼻水と咳の相談で来店。
     発熱は無いとの事だったけど、疲れているように見受けられた。
     現代薬として『パブロンエースAX』を候補に考えたものの、疲労を避けるために『小青龍湯』を勧めてみたが、漢方薬単独には効果の早さの点で不安があるらしい。
     一応、漢方薬も早く効くことは説明したけれど、どうしても体質改善のイメージで漢方薬は効き目が遅いと思われがち。
     そこで、『小青龍湯』にアセトアミノフェンとエテンザミドを加えた『ストナデイタイム』を案内したところ、こちらは納得していただけたようで、購入を決められた。
     佐藤製薬さんも、便利な市販薬を出してくれたものだ。
     でも、うちの系列のお店では、定番商品には入っていないんだよなぁ。
     モッタイナイ、ね~(*´・д・)(・д・`*)

     『桔梗湯』と『ペラックT』を見比べていたお客様が、『ペラックT』に決めたので、念のため症状を尋ねたところ、いつも喉だけが痛くなり、風邪のような頭痛や発熱といった症状は出ないというお話から、胃炎の可能性もあることを伝えた。
     胃炎を起こすと、胃に自覚症状が無くても、その炎症が喉にも影響するので、そういう時には『安中散』『芍薬甘草湯』が入った『大正漢方胃腸薬』や、逆流性食道炎にも用いる『半夏瀉心湯』が適応する場合があることを説明した。
     まぁ、今回はそのまま『ペラックT』を試してみるということで購入されたけど、いずれにしても喉が痛む時には、消化に良い食事にすると喉の痛みも軽減するので、お試し下さいと付け加えた。

     

  • 効能書きだけでは適応するか分からない

     『ズッキノン』(釣藤散)を購入されるお客様に、念のため今までに服用した事があるのかを尋ねて確認した。
     どうしてもパッケージに書いてある効能で選ばれるけれど、その効能に書いてある症状の原因は千差万別で、適応するとは限らないので。
     まぁ、その点『ズッキノン』は、法律的には色々と厳しい制約がある中で、パッケージに血流と肩こりについても書いてあるから、親切ではある。
     今回のお客様の場合、以前から服用しているそうなので問題は無さそう。
     ただ、頭痛や肩こりが胃の不調から起きる事もあることをお話したところ、胃を悪くしている感じはあるという。
     『ズッキノン』はそのまま購入されたが、改善が見られなければ改めて相談して頂くよう伝えた。
     時間が無さそうだったから、具体的な候補を案内できなかったので。
     店頭にある物では『苓桂朮甘湯』を、病院で処方の相談をするのなら『呉茱萸湯』かな。

     喉の痛みと鼻水の相談で、お客様が来店。
     頭重などの風邪の兆候は無いとのこと。
     喉がイガイガして、鼻水が出るものの垂れてくるほどではないそうで、花粉症は思い当たるらしい。
     しかし、詳しく症状の話を聞いてみると、鼻水は主訴ではなく、体の中が冷えていて、そのために体が無理に熱を出そうとして喉で炎症を起こしている印象。
     そこで、『ペラックT』と『駆風解毒湯』を案内した。
     すると、これから3日ほど出張で家には帰れないと分かったため、出張先のドラッグストアーでも入手しやすいだろうと思い、『ペラックT』の方を勧めた。

     お客様から、『太田胃散』と『大正漢方胃腸薬』の違いを質問された。
     主訴は胃もたれという事なので、それを踏まえてザックリと説明。
     『太田胃散』は胃の働きを助ける健胃剤で、『大正漢方胃腸薬』は痛み止めの『芍薬甘草』の入った胃の安定剤というように。
     本当はもっと違うんだけど、主訴に対してどの説明を省くかというのも時には必要なテクニック。
     そして、これが難しい。
     なにしろ、お客様の言う主訴が、本当の主訴ではないケースもあったりするから。
     お客様の思い込みや単なる言い間違い、あるいはお客様自身が主訴には関係無いと判断して併発している別な症状を言わなかったり、とにかく言ってることが全てではないので。
     そうなると、省いた説明の中にこそ思い当たる症状や、その原因に関係した事柄があるなんてケースも想定される訳で、説明することの取捨選択をしながら、追加の質問も考え、聞いた話から情報を整理して、取りこぼしの無いように、かつ分かりやすく言葉を選ぶ。
     ……うう、目眩が(@_@;)
     今回のお客様は、痛みは無いとのことで『太田胃散』をお買い上げ。




     

  • 抱き合わせ販売するつもりは無いんだけど

     成人の息子さんの代理で来店されたお客様から、腰椎椎間板ヘルニアの相談を受けた。
     中学生の時にスポーツをしていて発症し、一旦は治っていたものが、昨夜に突然再発したとのこと。
     就職活動中で、なんとかしてあげたいというのだけれど、コルセットを持っているものの本人が使いたがらず、そのうえ前回の時に幾つかの病院を巡っても良くならず、最終的には自分で筋トレをして治った体験から、今回も病院に行くのを拒んでるそうで、なんとも対応に困る。
     幾つかの病院で受けた治療の経緯や内容を時間をかけてカウンセリングするのは、ドラッグストアでは手に余る話しだし、なまじ若い時の体験というのは、失敗体験にしろ成功体験にしろ尾を引きがちで、こちらが本人に入り込む余地があるかどうか。
     応急処置として、外用鎮痛剤の『インドメタシンゲル』と、内服薬で『疎経活血湯』を案内してお買い上げ頂いたが、改めて整形外科を受診するように勧めた。
     歳を重ねれば、体の仕組みも変わる。
     以前に効果のあった治療法が、使えなくなるのは、むしろ当たり前。
     私の場合、鼻炎に用いていた『小青龍湯』では上半身が暑苦しくなって今では年寄りが使う『香蘇散』『麻黄附子細辛湯』でなければ駄目だし、喘息に使っていた『麻杏甘石湯』『五虎湯』では冷え過ぎてお腹を下してしまうため、『麦門冬湯』『半夏厚朴湯』でないと使えなくなってしまった。
     腰椎椎間板ヘルニアを筋トレで治したというのは、若い時だけの力技みたいなもの。
     就職してからでは、なおさらじっくりと治療するのは難しいだろうから、今のうちに適切な治療を受けて欲しい。

     中学生の息子さんの代理で、お客様が来店。
     最初は「のど飴を」と要望されたため、医薬品か医薬部外品かを尋ねたところ、医薬品ということで『南天のど飴』を案内した。
     接客術として、ひとまず要望の品を提示したうえで、本題の「誰」が「どんな症状」で「いつからか」といった情報の収集に取り掛かる。
     でないと、話も聞いてもらえず、時として誤った選択をした薬を購入され、お店にも良い印象を持ってもらえず、双方ともに損をするハメになったりしてしまう。
     とはいえ、正直言って面倒臭い(・´з`・)
    「も~、最初から言ってよ=3」という事は、今まで数知れず。
     今回は症状を尋ねると、主訴は喉の痛みで、息子さんから頼まれたという。
     これは、本人の症状を把握していないパターンが多い。
     なにしろ、頼む方も気軽に頼んでいるため、自分の症状を伝えていなかったりするから。
     それでも頼まれた側が症状を観察している事があるから、手探りで本人の様子を丁寧に、でも煩わしくなり過ぎないように気をつけながら尋ねていく。
     すると、どうやら喉の痛みに本人が乾燥を感じているようだと分かったため、『麦門冬湯』が頭をよぎった。
     しかし、体力がありそうで効き目が穏やかになってしまうと思い直し、『駆風解毒湯』を提案した。
     のど飴は頼まれ物であるので、『南天のど飴』と一緒に購入して頂けた。
     本当なら、『駆風解毒湯』だけで十分なはずだけど、頼まれ物では仕方がない。
     抱き合わせで商品が売れて、「やったぜヽ( ´ー`)ノ」ってなもんである。(←マテ)

     

  • 決め手は「効果の鋭さ」!?

     『ユンケル黄帝顆粒』を求めて来店したお客様に、栄養剤を服用しても疲れが取れない場合には漢方薬の相談を承りますと伝えたところ、興味を示されたので、最初に『補中益気湯』を紹介した。
     これは、名前が効能を示していて提示しやすいから話のキッカケに。
     『補中益気湯』は、体の土台を支える裏方みたいな漢方薬で、実のところ「効いた━(゚∀゚)━!!」と効き目を感じるような物ではないため、よほど信頼関係を築いてからでないと店頭では勧めにくい。
     であるから、もう少し詳しく症状を尋ねると、下半身に疲れは感じないものの、眩暈がしたりして、以前に『命の母A』を服用した時には、特に感じられなかったという。
     水分代謝の異常を念頭に、『苓桂朮甘湯』の出番かなと案内してみると、昼間に眠くなる事は無いものの、不眠気味で中途覚醒してしまい、寝ている間もウツラウツラしているとの情報を得た。
     疲労による神経過敏の方を、先に解消しなきゃ駄目かもと目標を変更し、『加味帰脾湯』を勧めたところ、『ユンケル黄帝顆粒』と一緒にお買い上げ頂いた。
     ただ、病院を受診した事があるか確認すると、引越してきたばかりで周辺の病院を知らないと言われたので、漢方薬に詳しい近所の病院を紹介した。
     というか、病院の受診の件を早い段階で効くべきだったかも。
     引越後の生活が、疲労の原因と結びついている可能性があるものねぇ。
     まだまだ質問の組み立てが、甘いナリよ(;´・ω・)

     やや高齢のお客様が『桔梗湯』を求めて来店し、散剤は置いていないかと尋ねられた。
     あいにくと入荷ルートのある物は、液剤だけ。
     喉の痛み止めという効能の点で共通する『駆風解毒湯』を紹介すると、パッケージの生薬構成を見て、『桔梗湯』の液剤を購入された。
     選んだ決め手は、「効果の鋭さ」だそうである。
     家には『桔梗石膏』があるというのに使わないのは、「(症状的に)まだ使う段階じゃない」と言っていたから、漢方薬に詳しいのかもしれない。
     たまに、同業者や薬剤師さんが買いに来ることもあるし。
     時間のある時に、また訪ねてきてくれないかしら。

     

  • 桔梗石膏(ききょうせっこう)
    扁桃炎、扁桃周囲炎、去痰、排膿

    【第2類医薬品】JPS桔梗石膏エキス錠N 200錠 4987438060867
    適応症状 

     扁桃炎、扁桃周囲炎、去痰、排膿

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3錠中(6.0g)に、次の成分を含みます。
       ききょう(桔梗) 2.0g
       せっこう(石膏) 5.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス1.54g含有します。

    類似処方鑑別 

    駆風解毒湯  本方よりも長期化したり、風邪が治った後に咽喉の痛みだけが取れない場合に用いる。

    葛根湯  比較的体力のある人で、咽・喉頭部の炎症はあるが、疼痛は比較的軽度で、頭痛、項背部のこわばりなどを訴える場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)アルドステロン症の患者。  (5)ミオパチーのある患者。
     (6)低カリウム血症のある患者。  (7)フロセミド、エタクリン酸またはチアジド系利尿剤との併用により血清カリウム値の低下があらわれやすくなるので、注意すること。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。