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  • 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
    ………患部が発赤、腫張して疼痛をともなった化膿症、化膿したニキビ、瘍、面疔、歯槽膿漏、歯茎の腫れ

    排膿散及湯
    適応症状 

     患部が発赤、腫張して疼痛をともなった化膿症、化膿したニキビ、瘍、面疔、歯槽膿漏、歯茎の腫れ

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      桔梗(ききょう) 4.0g
      甘草(かんぞう) 3.0g
      きじつ(枳実) 3.0g     しゃくやく(芍薬)3.0g
      たいそう(大棗) 3.0g    しょうきょう(生姜) 1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    葛根湯  体力中程度以上の人の化膿の初期で、項背がこわばり、時に悪寒・発熱を伴う場合に用いる。

    十味敗毒湯  体力中等程度の人の皮膚疾患で、滲出液が少なく、化膿巣が小さく、散発性で、時に軽度の季助部の苦満感および抵抗・圧痛(胸脇苦満)を呈する場合に用いる。

    清上防風湯  比較的体力のある人で、赤ら顔でのぼせの傾向があり、特に頭部、顔面に散在性の発赤、腫張あるいは化膿巣を生ずる場合に用いる。

    十全大補湯  体力の低下した人、特に化膿が慢性化し、衰弱した人で、貧血、食欲不振などを呈し、皮膚の艶が悪い場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください  (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)低カリウム血症のある患者、ミオパチーのある患者、アルドステロン症の患者は服用しない事。


    2.服用に際して、次のことに注意してください  (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください  (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4. 保管及び取扱い上の注意  (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5. その他  本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    排膿散及湯
     

  • 血行促進のためのシャワーの浴び方

     やや高齢のお客様から、薄毛の相談をされた。
     うう……自分も薄毛だから、何を言っても説得力無い(ノД`)
     血の巡りを良くするなら、『加味逍遙散』か?
     加齢によるものなら、『十全大補湯』とか。
     ストレスによる抜け毛は、『柴胡加竜骨牡蛎湯』という説もあるけど。
     あまりお役に立てず、申し訳ありません。
     ただ、風呂に入らずシャワーで済ませる事が多いそうなので、結構を良くする浴び方を説明した。
     殆どの人が、頭上や体の前、すなわち胸元で浴びてるだろうけど、これは×(ペケ)。
     背中で浴びるのが、血行促進になる。
     考え方としては単純で、要は「太い血管」が通っていて、「皮膚の薄い所」に重点的に浴びるのだ。
     だから、例えば頭や体を洗う時に、シャワーに背を向けて首の後から浴びる。
     そして、脇の下や太ももの内側にシャワーを当てると、温めるだけではなくシャワーの水流自体が神経に刺激を与えて、良い効果となる。
     朝はお腹が空かないから朝食を抜いてるという人も、是非お試しあれ。
     血行が良くなって、軽食を摂ろうという気になるはずです(・o・)ノ
     ご主人の代理で、喉の痛みを相談された。
     扁桃腺は切ってあるそうで、患部の熱感を取り除くために『駆風解毒湯』を案内した。
     そして、体内が乾燥している可能性についてお話したところ、仕事場がとても乾燥しているそうで、合わせて『麦門冬湯』もお買い上げ頂けた。
     私が勤務するまで、過去半年間で売れた記録が1個も無かった『麦門冬湯』が、売上Aランク商品。
     ちょっと推し過ぎな気もするけど、季節を問わずエアコンが稼働している地域なら、体内の乾燥は必然みたいなものなので、潜在的な適応者は、かなり多いのではないだろうか。
     この体内の乾燥は、加湿器で喉を潤すのでは追いつかないはずだし。
     弱点としては、体力が充実している人だと、効きが弱いという点か。
     『EVEクイック』を購入されたお客様に、詳しくお話を伺ったところ、寒くなると頭痛が酷くなり、暖かい日は楽になるという。
     それは、内臓の冷えと関係があるのでは?
     寒い日には、ホカロンなどで右脇腹やや上辺を温めると良いのだけれど、もうカイロという季節でもないしなぁ。
     ぬるめのお風呂に半身浴で20分以上温まるか、積極的に温かい物を飲むように勧めてみた。
     漢方薬では『五苓散』『呉茱萸湯』が適応しそうだけど、漢方薬には興味を示して頂けなかった。
     あと、ご主人も頭痛が起きる事があると言っていたのだけれど、体格や体質でも頭痛の原因は異なるし、薬の相性というものもあるから、鎮痛薬を一緒に使うかどうかは、成分表示の部分を保管しておいて、服用した時に効き具合をメモするように勧めた。
     場合によっては、別々な鎮痛薬を検討するよう説明した。
     夜に上司から電話が入った。
     次郎の運動会の日に、出勤の要請。
     ええん?
     あれこれ調整して確保した休みなのに~(>_<)  なんとか、午後からの出勤にしてもらったけど、やっぱり今の人員じゃシフトが回らないんじゃないですか?

     

  • お客様を覚えていませんm(o´・ω・`o)m

     高齢とまではいかない中年の男性から、白髪を減らす栄養剤や漢方薬は無いかと相談された。
     白髪を減らす事を効能としている医薬品は無いから、「ありません」(キッパリ)というのが模範解答なんだろうけど、接客業ではその方がありえない対応。
     さて、困った、どうしよう(;゚Д゚)
     漫画なんかだと、「これは独り言ですが……」という手があるんだが(笑)
     とりあえず、特定の薬の効能としてではなく、あくまで「漢方的な考えでは~」と、加齢に対しては腎を助ける『八味地黄丸』『柴胡加竜骨牡蛎湯』を用いる例を文献的なお話としてしてみたら、頻尿の改善に『八味地黄丸』を服用しているとのことだった。
     お客様の体格はガッシリしていて、適応しそうである。
     痩せ型の人であれば、『補中益気湯』『桂枝加竜骨牡蛎湯』候補になるだろう。
     加齢によって栄養が行き渡らないのを改善するという点では、『十全大補湯』が体力や体格に関係無く使えそうだし、文献では精力減退に使う物として、腎を温め血行を改善する『六味丸』が出てくる。
     まぁ、いずれも「加齢による諸症状」というのが説明の落とし所だけど。
     今回のお客様は、まだ『八味地黄丸』を飲み始めたばかりだそうなので、しばらく続けてみるそう。
     頭痛の相談で、お客様が来店。
     肩こりからくる頭痛という自覚があるそうなので、『釣藤散』をご案内して試して頂く事に。
     ただ、枕が合わないらしく、寝違えのように背中がこわばって痛みを感じるようなので、『治肩背拘急方』への変更も検討するようお話した。
     『キューピーコーワi』が目の疲れに効いたのでと、また買いにいらしたお客様、実は腰痛もあるというので、血流を改善する当帰が入っている『キューピーコーワαプラス』の方を勧めてみた。
     そしたら、以前に喉の乾燥の相談で『麦門冬湯』をご案内した事のあるお客様で、それが効いたからと今回もお買い上げいただける事に。
     あうっ、覚えていません、ごめんなさいm(o´・ω・`o)m
     ドラッグストアの店頭じゃ、お客様から相談を受ける事なんて1日に3人いるかいないかくらいとはいえ、薬局のように薬歴簿を記録している訳ではないし、もともと人の顔を覚えるのが苦手だし、乾燥の咳に『麦門冬湯』を勧めるのは自分の定番なのでσ(^◇^;)。
     これではイカンと思い直し、せめて薬の相談を受けた時には、後で会話の内容や案内した薬のメモをノートに取る事にした。
     正規の業務ではないし、名前なんかは記録できないから、どこまで活かせるか分らないけど。

     

  • 帰脾湯(きひとう)
    ………貧血、不眠症

    適応症状 

     虚弱体質で血色の悪い人の次の症状:
     貧血、不眠症

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(3.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       黄耆(オウギ)3.0g         人参(ニンジン)3.0g
       白朮(ビャクジュツ)3.0g     茯苓(ブクリョウ)3.0g
       遠志(オンジ)2.0g         大棗(タイソウ)2.0g
       当帰(トウキ)2.0g         甘草(カンゾウ)1.0g
       生姜(ショウキョウ)1.0g      木香(モッコウ)1.0g
       酸棗仁(サンソウニン)3.0g    竜眼肉(リュウガンニク)3.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    加味帰脾湯 本方の症状に準じ、身体が衰弱して微熱や胸苦しさなどがある場合に用いる。

    十全大補湯 体力が衰えて顔色が悪く、疲労倦怠感を訴えるが、本方よりも神経症状が軽度の場合に用いる。

    桂枝加竜骨牡蠣湯 貧血はあまり無いが精神不安、不眠、陰萎などを訴える場合に用いる。

    きゅう帰膠艾湯 消化機能には異常無く、出血を主症状とする場合に用いる。

    黄連解毒湯 体力のある人が、興奮、のぼせの傾向を伴い、比較的急性に起こる出血の場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.副作用
     (1)電解質代謝:長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れる事があるので、観察を充分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する事。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる事がある。
     (2)消化器系:下痢、腹痛、食欲不振等の胃腸障害を起こすことがある。


    3.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    4.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

     

  • 加味帰脾湯(かみきひとう)
    ………貧血、不眠症、精神不安、神経症

    適応症状 

     虚弱体質で血色の悪い人の次の症状:
     貧血、不眠症、精神不安、神経症

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。 
       オウギ(黄耆) 3.0g       サイコ(柴胡) 3.0g
       ソウジュツ(蒼朮) 3.0g      ニンジン(人参) 3.0g
       ブクリョウ(茯苓) 3.0g      オンジ(遠志) 2.0g
       サンシシ(山梔子) 2.0g      タイソウ(大棗) 2.0g
       トウキ(当帰) 2.0g          カンゾウ(甘草) 1.0g
       ショウキョウ(生姜) 1.0g      モッコウ(木香) 1.0g
       サンソウニン(酸棗仁) 3.0g     リュウガンニク(竜眼肉) 3.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    十全大補湯
     
    体力が衰えて顔色が悪く、疲労倦怠感を訴えるが、本方よりも神経症状が軽度の場合に用いる。

    きゅう帰膠艾湯
     消化機能に異常なく、出血を主症状とする場合に用いる。 

    黄連解毒湯
     体力のある人が、興奮、のぼせの傾向を伴い、比較的急性に起こる出血の場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)長期運用により低カリウム血症、血圧上昇などが現れる場合があるので観察を充分に行う事。
     (5)食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等の胃腸障害を起こす事がある。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。 


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。 


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。 


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

     

     

  • 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
    ………病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血

    適応症状 

     全身倦怠感、食欲不振、顔色不良、皮膚枯燥、貧血などを伴うものの次の症状:
     病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       オウギ(黄耆)3.0g         ケイヒ(桂皮)3.0g
       ジオウ(地黄)3.0g         シャクヤク(芍薬)3.0g
       センキュウ(川きゅう)3.0g    ソウジュツ(蒼朮)3.0g
       トウキ(当帰)3.0g         ニンジン(人参)3.0g
       ブクリョウ(茯苓)3.0g       カンゾウ(甘草)1.5g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    補中益気湯
     本方と同様に体力が衰え、四肢倦怠感、食欲不振などを訴えるが、貧血症状や皮膚乾燥のない場合に用いる。

    真武湯
     
    疲労倦怠感は本方ほどではないが、気力が衰えて、下痢、手足の冷え、めまい、身体動揺感などを訴える場合に用いる。

    小建中湯
     体力虚弱者、とくに小児で疲れやすくて血色がすぐれず、腹痛・鼻出血などを訴え、腹直筋の緊張を認める場合に用いる。

    六君子湯
     体質虚弱の人で、心窩部の膨満感、食欲不振、疲労倦怠感などがあり、心窩部振水音を認める場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)長期運用により低カリウム血症、血圧上昇などが現れる場合があるので観察を充分に行う事。
     (5)食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等の胃腸障害を起こす事がある。
     (6)発疹、瘙痒等の過敏症状があらわれる事がある。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

     

  • 人参 (ニンジン)

    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照

    (1) ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根、又はこれを軽く湯通ししたもの。調製法により、白参、生干人参、御種人参、紅参などがある。いわゆる「朝鮮人参」とは別物。
    (2) 主成分:サポニン精油、脂溶性成分、ペプチドグリカンアミノ酸ペプタイド塩基性物質、ビタミンB群ATPなど
    (3) 性味:甘・微苦、微温
    (4) 薬能:大補元気・安神益智・健脾益気・生津止渇、中枢興奮作用・中枢抑制作用・疲労回復促進作用・抗ストレス作用・強壮作用・男性ホルモン増強作用・蛋白質生合成促進作用・DNA生合成促進作用・脂質生合成作用・放射線障害回復促進作用・血圧降下作用・心循環改善作用・血糖降下作用・脂質代謝改善作用・血液凝固抑制作用・コルチコステロン分泌促進作用・抗胃潰瘍作用
    (5) 帰経:肺・脾
    (6) 配合処方:温経湯、黄連湯、加味帰脾湯帰脾湯、桂枝人参湯、啓脾湯、呉茱萸湯、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯柴朴湯柴苓湯、四君子湯、炙甘草湯十全大補湯小柴胡湯小柴胡湯加桔梗石膏参蘇飲清暑益気湯、清心蓮子飲、大建中湯大防風湯竹じょ温胆湯釣藤散、当帰湯、女神散人参湯人参養栄湯麦門冬湯半夏瀉心湯半夏白朮天麻湯白虎加人参湯茯苓飲茯苓飲合半夏厚朴湯補中益気湯木防已湯六君子湯



    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照

     

  • 胃腸(慢性疾患)

    “胃腸(慢性疾患)”
    ~「疲れ」~

     胃腸の弱い体質の人が疲れやすいのは当然ですが、梅雨から夏にかけては、誰もが「胃腸のトラブル」として「疲れ」を経験します。
     寒暖の差によって疲れが生じ、次第に食欲が低下したり、水分の摂りすぎで胃腸を冷やし、ますますに疲れたり………。
     このように、「胃腸機能の低下」と「疲れの症状」は密接な関係があります。
    【原因・治療】

    1.「慢性の胃腸症状」でお困りの方。………胃腸が弱っている(脾虚)

    《このような方は、胃腸が弱っています》
     #食が細い(食事がおいしく感じない、空腹感がない)
     #食後、胃がもたれて苦しい(健胃・消化薬購入者)
     #下痢しやすい(止瀉薬・整腸薬購入者)

    ◆普段から胃腸が弱い。(脾虚)

     漢方薬:六君子湯(りっくんしとう)
     ※食欲が出る。食事中~食後の会話がはずむ。(人参→吸収促進作用)
     ※疲れがとれて元気になる。(人参→吸収促進作用)
    ◆普段からストレスを感じ、そのために胃腸が弱くなった。(肝脾不和)
     漢方薬:小柴胡湯(しょうさいことう)
     ※気分がスッキリする。(柴胡→抗ストレス作用)
     ※食欲が出る。食事中~食後の会話がはずむ。(人参→吸収促進作用)
     ※疲れがとれて元気になる。(人参→吸収促進作用)


    2.「疲れ」が取れなくてお困りの方。(夏バテ3種)

    《胃腸が弱くなると、このような症状が見られやすくなります》
     胃腸が弱くなると、栄養が体内に吸収されなくなるため、「疲れ」の症状が現れ、更に進行すると「体重減少」を伴うようになります。

     
    ◆「疲れ(気虚)」“夏負け”
     漢方薬:補中益気湯
    (ほちゅうえっきとう)
     ※ドリンク剤・ビタミン剤(V.B群配合)服用者や、痩せ型で疲れが取れない方に。
    ◆「体重減少(血虚)」を伴う疲れ。“夏痩せ”
     漢方薬:人参栄養湯(にんじんえいようとう)
     十全大補湯
    (じゅうぜんたいほとう)
     ※普段は体力があるのに、胃腸が弱り疲れが取れない方に。

    「寒暖の差」による疲れ。“夏風邪”
     漢方薬:かっ香正気散(かっこうしょうきさん)
     ※クーラー病による疲れ(冷気による自律神経失調)、水分のとりすぎによる食欲不振に。


    ★薬局での質問のポイント

    1)病位の特定→「胃の症状」・「お腹の症状」・「全身症状(疲れ)」の確認。食欲や排便の状態を伝える。
     ◇「疲れ」の症状がない場合→『胃腸のトラブル(急性)』参照。

    2)病因の特定→「心当たりがあるか?」

      a)特定可能な「疲れ」
        クーラー・水分摂取・ストレスなど
      b)特定不可能な「疲れ」
        虚弱体質・持病との関連など

    ※必ず薬局で“ご相談”のうえ、お求め下さい。

     

  • ≪通巻201号>>
    見出しと中身/五十肩を治してくれ!/“なりゆき”/どう感じるかを強制されるなら

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻201号≫
        提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
        発行 : 北園薬局 http://www.kitazono.jp/
        編集 : 北村俊純     窓口 : info@kitazono.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ===================≪読者から一言≫=====================
     ≪通巻200号≫
    ★面白かった  と学会と言えば、会場で配布されていた西原先生の団扇が最強でした(笑) (あずらい~る)
    ☆ああ、あの「6月9日は包茎の日」という団扇ですね。 「むく」だからという。最強というか、最凶(笑)(北村)
    ----------------------------------------------------------------------
    ★面白かった  うちにも不気味社のCD揃っています。縁あって社主より毎回いただいています。 (みるやん)
    ☆微妙に関係者や知ってる人が読者にいるというのも、驚くやら羨ましい(?)で(苦笑)(北村)
    ----------------------------------------------------------------------
    ★面白かった  北さんの寝顔は、とても安らかでスタ( ´∀`) (犬山しんのすけ)
    ☆イニシャルにしておいたのに、答えてどーしますか(笑)(北村)
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※6月7日(火)……見出しと中身
    ※6月8日(水)……五十肩を治してくれ!
    ※6月9日(木)……“なりゆき”
    ※6月10日(金)……どう感じるかを強制されるなら
    ************************* 今号の平凡な日記 ***************************
    ◆6月7日(火)/2005年◆
     今日は暑いねぇ。  本格的な夏前なのに、息もできない感じ。
     薬を受け取りに来た患者さんに、担当の医師の話をされてそのお相手。
     いかにもお医者様という感じで、感じ悪いとの事。
    「若いお医者さんの方がいいかもしれない」と仰る。
     とかく敬語ができていないとか言われる若者の方が、まだ態度は丁寧なのに、年を重ねると年配者の方が横柄な対応をしたりするもの。
     自分は、昔から変わらず無礼であるが。
     その癖、他人の対応にはカチンときやすい困ったチャン。
     お店の運営資金の調達に、農協との取り引きがあるのだが、今日は無農薬のキャベツを頂いた。
     なんなんだいったい(笑)
     お昼にお母んが味噌汁を作ろうとしたら、ナメクジが付いていたそうだ。
     なるほど、確かに無農薬か(⌒▽⌒)
     私は好きなんだけど、奥さんは嫌がっていた。
    「胸焼けがするんだけど」と患者さんに言われる。
     胃薬を案内しようと思いつつ詳しく話を訊くと、咽喉の側面を指で示される。
     咽喉と胸は一緒なのか(笑)?
     症状からすると、カサカサする感じとの事で花粉症じゃないでしょうか。
     今ちょうど流行っていまして。
     地元限定で。
     杉の木は高いから遠くまで花粉が飛んで全国区として報道されるけれど、腰の高さ程度の植物の花粉は半径数百メートルにしか飛ばないため、スギ花粉には反応しない人の中には、花粉症と気づかない人も多い。
     今回の患者さんも、扁桃腺炎とか風邪ではないだろう。
     なので、麦門冬湯(ばくもんどうとう)を案内した。
     すると次に、
    「この辺は腸?」と手で指し示されたのは、胃の辺り。
     えっと……、一般的な認識なのかな。
     それと、血圧の薬を飲んでるんだけど麦門冬湯と一緒に飲んで大丈夫かと尋ねられた。
     血圧の薬というだけでは、なんだか分かりません。
    「茶色いんだけど」  ちっとも絞り込めない(^_^;)  とりあえず、麦門冬湯は血圧には関係しませんが。
     今日は一日中プリンターが稼動していた。
     商店会長さんから頼まれている総会資料を印刷するため。
     6ページの物を95部印刷するので、結構な枚数である。
     で、不思議な事が。
     処方箋を持った患者さんが来ると、薬剤情報などを印刷するのに、いったん総会資料の方は中止しなければならない。
     これがどうした訳か、5回中断した時に確認した印刷済みの枚数が21枚だったのだ。
     つまり、20枚目辺りに患者さんが来て中断すると21枚目が印刷されるところだったと。
     なんでもない事だけど、気づいて笑った。
     ネットニュースの記事の見出しで、「ホリエモンにも教えたい 正しい買収」というのを見つけた。
     やぁ、なんか懐かしいタイトルだなぁ(笑)
     で、読んでみたら、ぜんぜん関係無いんでやんの。
     記事の内容は、取引金融機関の破たんでピンチに陥った埼玉県のホテルを、地元有志が1億円を出資した新会社が旧会社から買い取ったというもの。
     で、それを、「熱意が銀行の融資をも引き出した」という美談に仕立て上げて、件の見出しを付けたのだ。
     正しい買収も何も、経営破たんした会社の引き取り手が他に無かったから、必要としている人たちが建て直しに動いたって話で、どこにライブドアの買収と絡ませられる部分があるのか。
     近鉄買収の名乗りを上げた後に持ちかけられた西武の買い取りを蹴った事からも分かるように、ライブドアはビジネスとしての採算を考えて仕掛けてる訳で、それをビジネスライク過ぎるという批判をするのは変だろう。
     今回のホテルの経営破たんを招いた旧会社のように、経営能力が無いことを批判するのならともかく。
     しかも、本文では一言も堀江氏にもライブドアにも触れてないし。
     なんだかなぁ。  配信元を確かめたら、毎日新聞だった。
     いったい、何を誘いたかったのか。
    ≪育児日記≫
     今日は次郎を連れて、南浦和の友達の所へ行った。
     そして昼は、友達の作ってくれた物を食べた。
     次郎にも少し与えた。
     薄味だったので良かった。
     おにぎりが美味しかったかな。
     その後、次郎が初めて牛乳を飲んだら平気だったので、もうほとんど食べたり飲んだりできるんだなと実感した。
     そして、その友達が利用する赤ちゃんサロンに行き、体重と身長を計ってもらった。
     体重が8,400gで身長が72cmくらいだった。
     一緒にオモチャで遊んだりした。
     次郎と同じくらいの子たちもいっぱいいた。
     友達の子供は次郎より2ヶ月早く生まれてるので、もう歩ける。
     次郎は、いつも泣かされてるんだけど、今日は泣かなくて本当良かった。
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    ◆6月8日(水)/2005年◆
     台風の関係か、湿っぽくて暑い。
     寒いよりは暑さの方が耐えられるんだけど、息苦しい感じがする。
     軽い喘息が出ているのか。
     半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を飲んでおくかな。
     昼食後に近所のオモチャ屋さんへ行ってみた。  Webラジオの『幻想時間』のネタのため。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/radio/index.htm
     ネタにかこつけて、自分の欲しい物を買おうかとも。
     欲しい物はいっぱいあるのだけれど、ちゃんとネタとして使えないとなぁ(笑)
     実は女の子向けの、本当にアイスクリームが作れるオモチャとか、編み物ができるオモチャとかって好きなんだよねぇ。
     ただ、作ってもしょうがないのと、デザインが女の子っぽ過ぎて買えない。
     とりあえず、今日のところは目星だけ付けて何も買わず。
     店に戻る途中の交差点で、お婆さんの乗った自転車が転倒した。
     慌てて駆け寄ると、お婆さんは無事な様子。
     ところが、自転車から3匹の犬が。
     3匹の犬!?
     小型犬を3匹も自転車の前籠と後籠に乗せていたのか。
     それじゃあバランスを崩すのも無理は無い。
     犬を集めて、お婆さんに渡す。
     あまり危ないことはしないで下さいね(^_^;)
    「おい! 五十肩を治してくれ!!」と威勢のいいオジサンが入ってきて、ちょっとビビる(笑)
     漢方薬では二朮湯(にじゅつとう)が能書に五十肩とあるのだけれど、詳しくお話を訊くと、もう一年以上前からとの事で、声の張りの強さと体格の良さからすると、麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)くらいでないと効きが弱いかもと思い、そちらを案内。
     夕方のテレビのニュースを観ていたら、『子育てバリアフリー』の特集をやっていた。
     ベビーカーで通りにくい道路や、オムツ替えのできるトイレのある店舗などの情報の共有化は良いと思う。
     ただ、スーパーなんかに改善を求めるのなら、資本の論理も必要ではないか。
     言ってる事は分かるけれど、じゃあその経費を商品に上積みしても良いかというと、そこは企業努力で商品はできれば値引きしてもらいたいというのが本音だろう。
     おかしな話で、パートをしている主婦なら企業の売り上げが伸びなければ自分の給金に響くし、旦那さんの稼ぎも上がってくれなければ困るはずなのに、企業が業績を伸ばすことには何故か良くないかのように言って突き上げる。
     消費者を大切にというのは言うまでもない事であるが、自分たちも労働者のはずではないのか。
     客としての要望を伝えるだけではなく、社会活動として変えていこうというのであれぱ、それによって業績が上がるのだという事を具体的に示さなければ。
     日本ではトイレは無料サービスが当然という感覚が根付いてしまったようだけれど、現実には水道代などの運用費がかかっている訳で、それだけでも充分に奉仕しているとも云えると私は思うのだけれど。
     企業だから市民に奉仕するのは当然というのは厚かまし過ぎる。
     道路の状態なんかも、確かに舗装するならちゃんと整備しろよとは思うものの、愛知万博でも掲げられている“自然との共生”のことを思えば、ベビーカーが使いやすいようにとか、子供に危険の無いようにってのは、ちょっとどうか。
     うちの周囲の用水路など、危ないからとコンクリートで補強されたが、以前は足を滑らせて落ちても溺れる程度で済んだのが、コンクリートなもんだから落ちたら頭を打ち付けたりする心配ができてしまった。
     もちろん金網を張り巡らせているけれど、子供はそんなの越えちゃうし(苦笑)
     で、今は埋め立てようという声が住民から上がっている。
     地震などで大火災が起きた時に、用水路があればそこで延焼を食い止められるのだから、少しは防火対策という事も考えてもらいたいところ。
     バリアフリーという語感の良さで、実際に良くなるとは限らないのだというのも忘れないように。
     猪苓湯(ちょれいとう)を買いに患者さんがいらした。
     気温の変化が激しいと、やはり膀胱炎の薬は需要が増える。
     ネクタイ製造業者などでつくる日本ネクタイ組合連合会が、ネクタイ業界が打撃を受けているとして、政府が提唱する夏の軽装化(愛称クールビズ)のアピールでの、「ノーネクタイ、ノー上着」というキャッチフレーズの使用中止などを求める要望書を小泉内閣の閣僚全員に送付したそうな。
     ネクタイ業界は、建設業界のように政府に族議員を送り出していないのね。
     健全で良いことだ(笑)
    「ネクタイを締めなければ地球温暖化防止が達成されるかのような広報活動は再考されるべきだ」というコメントは、もっともだと思う。
     環境に優しくすることが、イコールで地球温暖化に結びつくかのように言ってる人がいるけれど、少しは疑ってもらいたい。
     人間が死ぬのは確固とした事実であるとしても、幽霊になるかどうかは未だ証明されていないのと同じように、大気汚染がある事は事実かもしれないが、それで地球温暖化が進行しているかどうかは分かっていない。
     分かりやすいからといって、やたら地球温暖化を持ち出すのは、私は違和感がある。
     その点で政府は批判されるべきだろう。  しかし、ネクタイ業界の方も情けないな。
     父の日に近いタイミングで「クールビズ」のキャンペーンが始まったことが、「業界にとって死活問題」だと言うのは。
     父の日はネクタイ業界が1966年に提唱して広まったイベントなのだから、この機会に新しいネクタイを開発して新しい顧客層を開拓すれば良いのに。
     フジテレビの番組の『ニューデザインパラダイス』で以前に放送した、ハンカチーフのように胸にネクタイを付けるというのは、アイデアとしては悪くなかったと思うんだけどな。
     http://www.fujitv.co.jp/b_hp/newdesign/
     ネットニュースでは興味深い記事を見つけた。
     アメリカの大手薬局チェーンのCVSが、使い切りデジタルビデオカメラを発売したというのだ。
     価格は29,99ドル(約3200円)。
     録画時間は20分で、ちゃんと1.4インチのカラー液晶画面を備えており、再生・消去ができるという。
     そして、録画後にCVS店舗に持ち込むと、12,99ドルでDVDに保存してもらえるそうだ。
     随分前に『企業戦士ヤマザキ』という漫画で、新しいビジネスとして使い捨てビデオカメラのアイデアがあったのを思い出した。
     そちらは、ゼンマイ式で1回20秒の撮影で30分録画という物だった。
     子供の運動会などの用途で考えると、連続撮影時間は長くなくても良いという発想で実現するかもと思ったのだが、ついぞ日本では出なかった。
     今回のアメリカでの似たコンセプトの製品の発売で、日本にもこの流れが来るだろうか。
     奥さんがレンタルしてきた、『理由』をDVDで観た。

     前に観た『模倣犯』が、あんまりにあんまりだったので観るのを避けていたのだけれど、大林宣彦監督に賭けてみる事に。
     結果としては、ネタバレするほどには印象に残らなかったというのが正直なところ。
     なので今回は警報もナシ。
     原作は、第120回直木賞を受賞した宮部みゆきの同名の小説。
     高層マンションで一家4人が殺されるという事件が起き、調べていくと住んでいたはずの家族は別な場所に暮らしていて、殺されたのが誰なのか分からない。
     誰だか分からない被害者たちと、殺した犯人と、その動機が、ルポ形式で様々な登場人物が語っていくうちに明らかにされていくという、一風変わった推理ドラマ。
     なるほど確かに原作がベストセラーになった“理由”は分かる。
     しかし、映画がさして話題にならなかった理由も分かる気がする。
     こういう設定の物語は、どうしても途中でプレイバックしてみたくなる。
    「え? あれはどうなってたっけ」と確かめたくなり、途中で気になりだすと、それが頭から離れず集中できなくなったりする。
     親切な監督だったら、適度にリピートしたり、画で観て分かることを、不自然な説明セリフで教えてくれるところだが、そこは大林監督。
     観てる人のことなんかあんまり考えずに、先に進めてしまう。
     個人的には好きなのだけれど、奥さんが質問してくるのがうるさくてうるさくて。
     これは作品のせいではないけれど、映画館で観た人はストレスになったかもしれない。
     そういう意味では、ビデオやDVDでじっくり観るのが良いだろう。
     あるいは、最初はノンストップで観て、改めて観返すというのが楽しみ方のようにも思う。
     競売物件に住み込んで他に売れないようにする占有屋という仕事は、知り合いの不動産屋にやってみないかと持ちかけられたこともある。
     住むだけで月20万円と言われたけれど、怖いお兄さんたちを追い返すのが仕事になりそうなので断った(笑)
     核家族や、近所の人の顔を知らないといった社会問題などを、物語にして提示するのは宮部氏の手柄ではあるが、それが映画になっても鼻について、その点だけが『模倣犯』と同じく不満な点として残ってしまったのが残念。
     もっと、大林監督の作品に昇華してもらいたかった。
     ラストのヘロヘロなCGは、これにOKを出した大林監督らしいなぁとは思う(苦笑)
    ≪育児日記≫
     今日、本当は大宮の友達がうちに来て料理を習うはずだったんだけど、仕事がちょうど入っちゃったらしく、キャンセルになってしまった。
     せっかく煮物が作れると思ったのに仕方ない。
     でも次郎が、昨日の疲れをものともせず機嫌がよかったので良かった。
     ベビーサークルに入れていても、ぜんぜん泣かなくなった。
     AIBOと遊ぶのが楽しいらしい。
     それで、また夜になったら泣かないように昼間に散歩に出た。
     今日、雨みたいなことを言われていたわりには降らないで、曇りのような晴れのような天気だった。
     気温も少々高めで、散歩して帰ったら汗ばんだ。
     夕方は、また次郎を連れてビデオ屋に行き、『理由』と『下弦の月』のDVDを借りてきた。
     これで夜、ちゃんと次郎が寝てくれるかなと思ったら、23時過ぎには寝てくれて良かった。
     『理由』が観れて嬉しかった。
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    ◆6月9日(木)/2005年◆
     風邪気味という事で、麻黄湯(まおうとう)を買いに患者さんが来店。
     体の節々も痛いらしい。  それはもう、すぐにでも飲んで下さい。
     NTTコミュニケーションから営業の電話がかかってきた。
     正確には、代理店。  なんか、このあいだもNTTコミュニケーションズを名乗る営業マンが店頭に来たような。
     個人情報の取り扱いが厳格になったのはいいけど、代理店同士につながりが無いもんだから、複数の代理店がNTTコミュニケーションズという名前で営業をかけてきて迷惑。
     どの名簿に基づいて電話しているのか尋ねたら、名簿はNTTから預かったらしい。
     それはいいのか。
     だったらついでに、うちの現在の契約内容も伝えてくれちゃってもいいんだけどなぁ。
    「サポーターちょうだい」と患者さんから頼まれた。
     サイズの大きい物をと求められる。
     それでは、サポーターの意味がありませんが。
     詳しく訊いてみたら、包帯がズレないようにしたいとの事。
     ああ、それでしたらネット包帯の方が便利ですよと案内した。
     野球には興味の無い私ですが(ビデオ録画の敵としては憎いぞ)、8日のロッテ対巨人戦では、面白い“事件”があったそうで。
     捕手が打者走者と接触して転倒したプレーを守備妨害とは審判が判定しなかった事について、球審が「“なりゆき”なので、守備妨害にはあたらない」と説明したところ、観客から不満の声が出たという。
     この“なりゆき”という言葉は、日常の言葉ではなく、業界用語で「故意ではない」という意味で使ってるんだとか。
     しかも、どうやら野球規則にも注意書きとして記されているらしい。
     ところが、それを知らない野球ファンが勘違いして怒ったという。
     そういや、「支配」という言葉は株の売買で使われる言葉だったな。
     ニッポン放送の亀淵社長やフジテレビの日枝会長は、過剰に反応していたけれど。
     言葉の行き違いの原因というのは、そここに落ちてるもんなんですね。
    ≪育児日記≫
     今日は、妹から送ってもらった漫画本が届いた。
     さっそく、星野架名の『Kの告白』を読んだら、やっぱりよろしい!
     この間久しぶりに『花と夢』のデラックス版を買っちゃって、『僕の地球を守って』の次世代のものが書かれてあって、またはまりそう。
     次郎は、私がいろいろ読んだりとかしてると、自分を相手しろみたいに、大きな声をあげたり、本なんかを手から取ってクチャクチャにしそうになるんで困る。
     だけどベビーサークルがあるんで、入れとけば声を出すくらいで、いたずらはされないので助かってはいる。
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    ◆6月10日(金)/2005年◆
     今日は午前中には晴れ間も覗きつつ、天気予報通りに雨。
     風が吹いてないからいいけど、夜に出かけるまでにどうなるか。
     近所のオモチャ屋で、明日の『幻想時間』の収録のネタに使う物を購入。
     雨が降ってるのにギリギリのサイズのビニールに入れるもんだから、箱が濡れてヨレヨレになってしまった。
     コレを明日、スタジオに行って組み立てねば。
     タクシーの運転手さんが風邪薬を買いにみえた。
    「眠くなると困るから漢方で」と注文される。
     まだ風邪かなと思う程度という事で、葛根湯(かっこんとう)を勧めた。
     その場ですぐに飲んでもらう。
     葛根湯は効きが早いが、風邪の進行というものも一般に思われているよりも早い。
     店で買って家に帰ってから飲むのでは遅いと言われるくらいだ。
     だから葛根湯は、家に置いておくより持ち歩いて、風邪の予感がしたら先に飲むのが良いですとお話した。
     印刷して綴じた商店会の総会資料を商店会長さんが取りに来た。
     コレでひとまず用事が一件済んだ。
     なんだか、用事は後から後から立て込んできて、ちっとも楽になる気がしないのだけれど。
     電話で漢方薬の相談。
     しかし詳しく聞いてみると、アガリクスの事だった。
     漢方薬ではありません。
     漢方薬の場合、生薬を組み合わせることで効果を上げようとしているのに、単品で癌に効くとかいうのは眉唾モノ。
     十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)が病院から処方されているそうで、そちらはちゃんと効能がある事が確かめられているのですから、単独のキノコだのを使うよりも効果が期待できるとお話。
     サプリメントや健康食品を試したいという事であれば、それも悪くはないと思いますが、十全大補湯をやめて他に替えるというのは、私としてはお勧めできない。
     台風が近づいてきて、気圧の変化で体調を崩す人が多いのか、風邪薬を求めて患者さんが頻々。
     蒸し暑さで食欲が無くなっているという人もおり、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)をどんどん渡す。
     先日、五十肩の相談にいらして麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)を勧めた患者さんが、良く効いたと追加を買いに来てくれた。
     それは、良かったです(⌒▽⌒)
     店を閉めてから、雨の中を自転車で事務所へ。
     子供たちが育つ環境を作っていくために、大人や青年は何ができるのかという話し合い。
     打ち合わせや会議ではなく、あくまで話し合い。
     今日のテーマは、「大人と青年の違いは?」というものだった。
     青年のKちゃんからの提案。
     前から言ってたものねぇ、「分からない」って。
     その昔には、「高校生と青年の違いは?」というのも話し合われた事がある。
     高校生という括りは、あくまで高校に通っている人の事で、本来は年齢を表すものではないのに、“中高生”とまとめられてて変だと。
     自分で選んで自分で名乗るのが、大人であり青年だろうと。
     しかし、人は人を見るときに、大人とか青年という枠をはめて見ようとする。
     それはいったいどうなのか。
     という話をしてきて、終了予定の23時を5分過ぎたところで終了……のはずだったのに、はずだったのに。
     せっかく話し合った事だから、これをなにがしかに活かしたいという意見が参加者から出た。
     そりゃ確かにそう思う気持ちは分かるんですが、そういう“答え”を求めるようになると話し込めないモノがあるから、記録はつけるけど話しっぱなしにしましょうって決めたんじゃないですか。
     2回目にして、また原点に引き戻されても困る。
     せめて、あと数回やってみてから、どこにどう持っていくかを考えるという事にしませんか。
     と話が続いて、1時を回ってしまった。
     家に帰って、3時近くに夕飯。
     体に悪い(/_;)  ついでに行儀悪く、食べながらネットでニュースを読んだりチャットをしたり。
     ニュースでは、青山学院高等部が2月12日に行った一般入試の英語の中で、沖縄県への修学旅行でひめゆり学徒隊の女性から沖縄戦の話を聞いた生徒が「退屈で飽きた」と感じたという趣旨の英文を出題していた事が問題になっているというのを見つけた。
     英文は生徒が書いたものではなく、同校の教師が試験用に作成したものだそうで、どうやら教師の体験談だったらしい。
     ああ、あるある。  あったわ。
     私も沖縄に修学旅行に行った時に、ひめゆり学徒隊の女性の話を聞かされた。
     その時には、私自身は心に響くものがあったし退屈だとは思わなかった。
     しかし、やはり同級生の中には同じように退屈だというヤツがいて、「ああ、こういうヤツは戦争で死んでもいいよな」と思ったものである。
     後で感想を提出する事になっていたので、そう書いたら歴史担当の教師に叱られて理不尽に思った。
     感想を書けというから書いたのに、なんで叱られなきゃならんのかと。
     どう感じるかを強制されるなら、聞く必要の無い退屈な話であろうし、それって戦時中に天皇を崇拝しろと政府ばかりでなく、世の中の雰囲気が個人の思想信条を暗黙のうちに圧殺したのと同じではないのか。
     一応今回の場合は、入試で出題したのが不適切という話のようだが、沖縄県の稲嶺恵一知事の「ひめゆり(学徒隊)のみなさんは多くの人に体験を話すことで平和な世界にする努力をされてきた方々。
     そのご苦労と気持ちを理解してほしい」と述べたのは、それはそれで学徒隊の人たちを慮ってだとしても、少しズレてやしないか。
     残念ながら、戦争体験者が体験談を語ることでは平和にならないのは実証済み。
     体験を語り継いでいこうという努力には頭が下がるし、平和を望む声はやはりそうやって作っていかなければならないと思う。
     でも、戦争は止められない。  不適切とか言ってこんな事を問題にする心には、争いを捨てられない人間の心がむしろ表れてしまっているのではないか。
     今日の(もう日付は変わったが)午前10時頃に、山口県光市光井の県立光高校で、数学の授業をしていた3年生の教室内に、別のクラスの3年生の男子生徒がガラス瓶に入った爆発物に火をつけて投げ込んだという事件の続報も読んだ。
     第一報では、爆竹をガラス瓶に入れていたというのでイタズラかと思った。
     予想外の事態で本人もうろたえてるだろうと。
     しかし続報では、火薬をほぐして入れており、動機は恨みだとか供述しているらしい。
     そう聞くと、だったらなんで釘を入れたりして殺傷力を高めなかったのかと思ったり。(後で入っていたことが判明)
     よそのクラスに対して恨みがあって、その原因がイジメらしいというのもワカラン話だけれど、虐められた経験のある私からすると、復讐するなら覚悟を決めてキッチリやってもらいたい。
     光地区消防本部によると、生徒53人が市内2カ所の病院に運ばれ、うち生徒1人が飛び散った破片で足や腹部を切って重傷という、復讐としては中途半端すぎて、お前やる気あんのかと。
     この程度で済ませられる復讐なら、しなきゃいいのに。
     もしかすると知らなかったのかもしれないが、爆発物を故意に爆発さて他人を負傷させた場合は、7年以上の懲役か無期懲役で、殺人よりも罪が重い。
     犯人は18歳との事だか、成人として扱われる可能性もある訳で、人生を棒に振るにはツマラナイ結果しか残らなかったのではないか。
     いつだったか、中国では虐められた仕返しに、火薬を体に巻きつけて相手と共に爆死したという事件があったなぁ。
     あれに比べると、今回の事件は評価できない。
     400字詰め原稿用紙三枚に、反省文を書くよーに。
     やった事をじゃなくて、目的に対して達成できなかった点を。
     チャットには、介護の仕事をしているAさんが来ていて、腰痛検査を受けるという話。
     腰痛検査は施設で受ける決まりになってるそうで。
     重い物(人ですが)を持つ(抱える)コツとしては、体を密着させること。
     ギックリ腰を起こす人は、たいてい腰を下げずに腕だけで持とうとして失敗する。
     そしてAさんからは、足を大きく開いて、立っている面積を多くすることというアドバイスが。
     I氏が、お姫様抱っこも同じ原理かなと言うので、お姫様抱っこで持ち上げてみたものの、落としそうになって誤魔化すために相手の女性をベッドに投げたことがあるのを思い出した。
     すると、I氏もやったことがあると。
     彼氏から悪戯っぽく投げられた経験のある女性は、いますでしょうか?
     それは、彼氏が支えきれなかったからかもしれません(笑)
    ≪育児日記≫
     今日は、10日で『時の記念日』だ。
     なんでも、一秒間といのを修正することらしい。
     そんな中、私は次郎とまた散歩。
     サミットまで行ってきた。
     『月刊ムー』を買うために。
     雨がポツリと降りそうだったのでベビーカーを包む雨合羽みたいなものを持って出た。
     帰りは、ものすごく大雨になった。
     私と次郎は少しでも早く近道で帰ろうと思ったけど、かえっていつも通る道のが近かったかしらと思うほどだった。
     ちょっと迷子になっちゃったし。
     でも、次郎がとても楽しそうだったんで、きっと雨の中の散歩って珍しいことだから、ニコニコしている。
     だって、次郎は濡れないし。
     そんなこんなで無事にアパートまで帰ってこれたけど。
     そしたら急に雨が小降りになってやんだりしたから、もうちょっと待って帰れば良かったかとちょっと後悔してしまった。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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  • ≪第10回≫六味丸

    漢方薬症例クイズ≪第10回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で3名様にトートバッグを進呈いたします。絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。皆様の参加をお待ちしています。

    トートバッグ

    italy.jpg (301149 バイト)

     イタリーセレクトコレクションのトートバッグを、3名様にプレゼントいたします。

    募集期間:~4月18日(月)
    正解発表予定:4月25日(月)

    問題
     女性。52歳。
     上半身にのぼせを感じ、不快でイライラしがち。自分でも怒りっぽいのを自覚している。
     足腰がだるく階段の昇り降りがつらい。
     白髪が増えて、肌ががさつき、目が乾燥して赤くなる。
     疲れたり寝不足になると、顔がのぼせて汗が多くなる。
     1年くらい前から生理が遅れがちで、数ヶ月無いこともある。
     おそらく、なんらかの原因で栄養が不足しており、普通は体の働きが落ちるところが、その不足を補おうとかえって体が頑張っているため、のぼせなどの症状が現れていると考えられる。
     体が働きすぎるのを抑えつつ、補うのに用いる漢方薬は何か?

    正解
     正解は六味丸です。
     しかし、正解者がいませんでしたので、次選として杞菊地黄丸を正解とします。
     さらに、当選者枠が3名のため、他に適応する漢方薬として温清飲を加えます。

     当選したのは、以下の3名の方です。おめでとうございます。
     杞菊地黄丸と解答された方。
      ※keikoko様…選んだ理由:上半身にのぼせができたのと、目が疲れやすいのと、顔がのぼせるというのを見て間違いないと思いました。
      
    かりん様選んだ理由:まず「のぼせ」という言葉が説明にあったので、よく読んでみたら「乾燥」という症状があって、さらに「目の疲れ」もあり、「イライラ」なども目に付きました。
     
    温清飲と解答された方。
      ※S800PG様…選んだ理由:ナシ

    解説
     主訴はのぼせですが、随伴症状が多岐に渡っているため整理していくことが必要になります。
     すると、上半身はのぼせに関連するかのように、目の渇きや肌のかさつきなどがあるのに対して、足腰のだるさや白髪が増えてきていることから、栄養不足であることが読み取れるでしょう。
     一方で、のぼせる力はあるため、栄養そのものが不足しているというよりも、栄養を運ぶ機能が低下していることが考えられます。
     つまり、栄養を運ぶ血の不足、血虚が疑われます。
     この場合に必要なのは、体には働こうとす力があるので、血液が循環しやすいように体の環境を整える事です。
     六味丸に含まる地黄(じおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく)はいずれも補性作用があり、茯苓(ぶくりょう)と沢瀉(たくしゃ)が局所的に水分が停滞するのを防ぎつつ、牡丹皮(ぼたんぴ)が血液の循環障害を取り除きます。
     また、六味丸の効能書きには「排尿困難、頻尿」とありますが、これは腎に作用する漢方薬なのだと覚えておくと良いでしょう。
     漢方で云う腎とは解剖学的な腎臓の意味に留まらず、泌尿生殖機能を含む精力と密接な関係があり、生理が遅れがちである事は、加齢による精力の減衰も示しています。

    補足
     六味丸に血管を通る血流を良くする作用のある枸杞子(くこし)と菊花(きくか)を加えたのが、杞菊地黄丸です。
     先に栄養そのものが不足している訳ではないとして六味丸をあげた訳ですが、より栄養不足が顕著な場合には杞菊地黄丸が適しているでしょう。
     解答で興味深いのは、問題には「目の疲れ」とは書いていなかったにも拘らず、2人の方が「目の乾燥」を「目の疲れ」と読んだことです。
     クイズという性質上、書いてある事柄だけから判断しなければならない訳ですが、患者が言っていなかったとしても推測できる事は考慮しておく必要があるという点において、良い判断だと思います。
     温清飲については、他に解答として出ていた漢方薬との比較の中で決めさせていただきました。
     温清飲の基本処方は四物湯で、血液を補い、血の巡りを良くする作用があります。そこに消炎効果があってのぼせを下げる黄連解毒湯を合わせた物です。これにより温清飲は、肌のがさつきや目の乾燥を潤して、主訴であるのぼせも治せるだろうと思われます。
     解答の中には黄連解毒湯もあったのですが、今回は血流の改善と、それによって皮膚の状態も良くなる方が適していると考え候補から除きました。
     さて、解答の中で一番多い見立ては更年期障害でした。
     これは患者さんの年齢からも、のぼせを始めとした不定愁訴からも当然の事と思います。
     そのため一応、それを措いておくための条件付けとして栄養不足の可能性と、補う漢方薬を用いることを示唆しました。
     それを踏まえて、更年期障害に関連した処方についての解答を検証してみました。
     まず、のぼせから桂枝茯苓丸を考えた場合ですが、お血によるイライラ感や月経不順に使えるものの、補う効果が少ない点が適応しないと考えられます。これは、桂枝茯苓丸当帰芍薬散を合方した婦人華にしても同じでしょう。
     では、加味逍遙散はどうでしょうか。加味逍遙散にも六味丸桂枝茯苓丸と同じく牡丹皮が入っており、血液の循環を促して、山梔子(さんしし)や薄荷(はっか)が、のぼせやイライラを取り除く事が期待できます。しかし同時に、山梔子も薄荷も燥性なため、皮膚の乾燥などを示している患者さんには向きません。
     柴胡桂枝乾姜湯においては、か楼根(かろこん)が潤性が強いので乾燥に良く、牡蛎(ぼれい)には鎮静効果があるため随伴症状に効果があるとも考えられますが、のぼせには適応せず、より虚証の人に使うのが良いでしょう。
     柴胡加竜骨牡蛎湯は、やはりのぼせとイライラという症状に対して考えられたものと思われますが、皮膚の乾燥や栄養不足には他の漢方薬に役目を譲った方が適切です。ただ、寒熱のハッキリしない場合でも、かなり広く用いることができるので、応用はできるかもしれません。
     主訴ではなく、栄養不足に目を向けた物として、十全大補湯という解答もありました。解答者は血虚を考えたうえで、燥性の物も避けて選んだとの事で、着眼点は良いと思います。しかし十全大補湯は、病後に用いる事が多いように、全身的な疲労倦怠が強くて、皮膚の乾燥だけではなく顔色も悪いような患者さんに適しています。今回の問題では、足腰のだるさは訴えていますが、そこまでの疲労には言及していないため、除外となります。
     逆に小建中湯は、虚弱体質者に対して強壮作用はあるものの、のぼせを始めとする随伴症状には効果が期待できないため不正解とさせていただきました。
     実は今回の問題は、前回の解答で杞菊地黄丸というのが多かったため、その基本処方である六味丸を用いたケースを探して問題を作成しました。
     そうしたら今度は、正答者がゼロという結果に……。
     面白いというかなんというか、漢方薬の適応を考えるのは大変だなぁと改めて痛感しました。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
     keikoko:クイズをきっかけに漢方に強くなりたいです。
     前回は惜しかったですね。今回は、着眼点が良かったようです。

     かとう:今回は「参加することに意義がある」の意気込みで参加しました。
     私も、皆さんの解答を拝見して勉強させていただいていますm(_ _)m

     K.H:掲示板が和やかな雰囲気で楽しい♪
     なんか、薬局とは全然関係の無い話題ばかりですが(苦笑)

     まりん:とても役立つサイトですね。
     ありがとうございます。まだまだ中途な構成ですので、今後とも頑張ってゆきたいと思います。

     かりん:初めてホームページを拝見させていただいたのですが、とても興味を持ちました。私は腰が冷えたり腰痛になるとすぐに下痢をしてしまうし、少しでもストレスを感じると胃がムカムカして気持ち悪くなるし痛くなります。漢方で治るならぜひ利用してみたいです。いろいろ見てみたのですが見る限り私の症状にぴったり合う薬が見つかりませんでした。今度健康相談カードでお聞きしたいので、その時はよろしくお願い致します。
     はい、相談はいつでもお受けしています。ぜひ、お問い合わせ下さい。お大事に(・v<)