• タグ別アーカイブ: 四逆散
  • 代替策を多く持つのが課題

     『パンシロン01+』を手にしたお客様から、胸やけの相談を受けた。
     痛みは無いそうで、以前に『大正漢方胃腸薬』を使ってみたものの合わなかった模様。
     原因にはストレスが思い当たるそうで、『安中散』に鎮痙剤の『芍薬甘草湯』を合わせた『大正漢方胃腸薬』が合わないとすると『半夏瀉心湯』かなと思い、鳩尾(みぞおち)から小拳一つ分右にズレた肋骨の下側にお客様に指を入れてもらったけど、痛くはないという。
     ふむぅ、ハズレか。
     それなら、同じ『安中散』の系統で『四逆散』を加えた緊張によるストレスに適応する『爽和』か、水分代謝の異常で思い悩むタイプに向く『安中散加茯苓』をと案内してみた。
     実のところストレスは複合的なもので、スッパリと判別できる訳ではないが、今回は『安中散加茯苓』を試して頂くことになった。

     咳の相談で来店したお客様、仕事の関係で一日に2回の服用タイプをと希望された。
     一応、漢方薬にもエキス増量を謳っていて一日に2回の服用という物はある。
     そうえで、仕事の環境的に空気が悪いそうなので、『麦門冬湯』を案内した。
     上半身を潤す『麦門冬湯』は、外気からの汚染物質を体外に排出する痰にも水分を与えて、より外に出しやすくする。
     すると、煙草も吸うというお話があり、『ダスモック』(清肺湯)を紹介したんだけど、錠剤を希望され、どちらも錠剤タイプを置いていないため、痰を出すことを主目的に『ブロン錠エース』を勧めて、お買い上げ頂いた。

     

  • 「普段どうだったか?」というのは薬を選定するうえで重要な情報

     『爽和』と『太田漢方胃腸薬2』を見比べて迷っているお客様がいたので声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     どちらもストレス性の胃の不調を謳っているから、分かりづらいかと思ったんだけどな。
     『爽和』は『安中散』に手足の冷えを改善する『四逆散』を加えたもので、仕事が変わったとか誰かに怒られるとか外部から受けるストレスに対応する。
     一方、『太田漢方胃腸薬2』は『安中散』に水分代謝を改善する茯苓を加えた『安中散加茯苓』という処方で、起きてもいないことを心配したりといった内面的なストレスに向いている。
     ただ、どちらにも痛み止めは入っていないので、胃が不調で胃痛があるようなら、『安中散』と痛み止めの『芍薬甘草湯』を合わせた『大正漢方胃腸薬』の方が良い。
     今回は『太田漢方胃腸薬2』を選ばれ、お会計をしながら症状を尋ねるとゲップが出るというお話があったため、『半夏瀉心湯』も紹介してみたけど、パッケージに「胸やけ」とあるのを見て「違う」とのことで、そのまま購入となった。
     まぁ確かに『安中散加茯苓』もゲップには対応しているものの、それだと『六君子湯』も候補になるから実に難しいところ。
     本当は、鳩尾(みぞおち)に指を入れようとして痛むかどうかを確認したいところだったけど、そこまで踏み込める雰囲気ではなかったから訊けなかった。
     人差し指と中指と薬指の3本を揃えて鳩尾に少し食い込ませてみて痛むようなら、神経性胃炎の『半夏瀉心湯』が適応するのに対して、元から胃弱で基本機能が低い場合は『六君子湯』が使える。
     ここで問題になるのは、胃の基本機能と症状が相対的だということ。
     例えば、走るのが遅いからといってそれは足が悪いということにはならないが、無理に早く走ろうとすればその疲労の度合は大きくなるだろう。
     その場合は元々の足の機能に対して無理をしたことを考慮した、中長期的なケアが必要となる。
     でも、元が頑健な足であるのなら一時的な疲労などものともしないだろうから、下支えのようなケアは不要。
     それは胃腸薬の使い方にも云えて、「普段どうだったか?」というのは使用する薬を選定するうえで重要な情報なのだ。
     先のように鳩尾に指を入れてみて痛むようなら胃酸過多が考えられるが、それは同時に元々の胃の機能は低くないと考えられる。
     また、普段から水や氷といった冷たい飲み物を好むのなら、胃の機能が高い一方で胃炎を起こしやすいと推測でき、お湯や温かいお茶を好むのは胃の機能が低下していて内臓が冷えやすいことを示している。
     お年寄りが温かいお茶を好むのは、なんとなく落ち着くというよりも加齢により胃の機能が衰えているからとなる。
     今回のお客様はストレスの表記があるパッケージの『爽和』と『太田漢方胃腸薬2』から選んだのだから、ストレスが思い当たるのは間違いないのだろうけど、ストレスに対する体への負担も元々の機能と相対的だから、果たしてどうだったのかは分らない。
     実のところ、それを知りたい欲もあるんだよねぇ。
     ぶっちゃけ適応するかどうかを知識として覚えても、実際に運用しての効果は患者さんから教えてもらわないと分からない。
     でも、ドラッグストアーじゃ薬を売った後に患者さんが報告に来てくれることは滅多に無く、その積み重ねは難しい。
     なので、たまに「良くなったよ」と言ってもらえると、気持ち的に「☆⌒ヾ(*゚∀゚)ヒャッホゥ♪」と嬉しいだけでなく、勉強になるから有り難いです。
     もちろん、「効かなかったねぇ」と言われて落ち込むこともある訳ですが(´・ω・`)

     お客様から「胃腸炎の薬を」と頼まれ症状を尋ねると、食べると胃痛がするとのこと。
     ひとまずお客様の意を汲んでパッケージに「胃腸炎」と書いてある『柴胡桂枝湯』を紹介しつつ、痛み止めの入っている『大正漢方胃腸薬』を案内してみた。
     しかし、詳しく話を訊いてみると疲労もあるようだった。
     そうであれば、『桂枝湯』で胃の機能を補強して柴胡剤で疲労を緩和したほうが良さそうなので、『柴胡桂枝湯』を使って頂くことにした。

     

  • 経口補水液は小まめに複数回に分けて飲む

     お客様が『爽和』などのストレス性の胃腸薬の箱を手に取り、『半夏厚朴湯』のパッケージも眺めていたため声を掛けてみた。
     お話を聞くと、主訴は胃痛と胃のつかえ感とのこと。
     私が触診をする訳にはいかないため、お客様自身に(みぞおち)に指の第一関節までを食い込ませようとすると痛いか試してもらったら、痛むというので『半夏瀉心湯』の方が適応すると考えられることをお話した。
     『半夏厚朴湯』がストレスによって気管支が詰まるのに適応するのに対して、『半夏瀉心湯』は食道からもう少し下の胃の上部にかけて緊張を解く。
     まぁ、「瀉心」というのが瀉心とは「心下のつかえを下ろす」という意味だし。
     一応、『爽和』についても説明して、こちらは健胃剤として働く『安中散』に、緊張によって細い血管が締まり手足が冷えるときに緩和する『四逆散』を加えたもので、どちらかという対人や環境といった外的な要因でのストレスに適応する。
     類似処方には、同じく『安中散』に、水分代謝を改善する茯苓を加えた『安中散加茯苓』があり、こちらは胃に余分な水分が溜まることで前かがみがちになって、起きてもいないことを心配して悩むような内的な心因性のストレスに適応する。
     今回のお客様は、外的なストレスが思い当たるらしく、もし『半夏瀉心湯』が効かない場合の乗り換え先として『爽和』は次点候補となることを説明すると、ひとまず『半夏瀉心湯』を試して頂くことになった。

     知人から漢方薬を勧められたというお客様が来店したんだけど、肝心の漢方薬の名前を覚えていない(^_^;)
     とりあえず症状を尋ねてみると、こむら返りということだから『芍薬甘草湯』の『コムレケア』を案内してみたら、間違いない模様。
     ただ、こむら返りに『芍薬甘草湯』というのは当然の選択ではあるものの、最近購入される方はテレビの影響らしいので、いくつか確認をと思い、ヒアリングしてみた。
     すると、今までにも何度かなっているものの、季節などが関係するかは、発症時に意識したことが無いため分からないという。
     それでも、漢方薬を勧めた知人からは水分補給が必要なことも教えられたらしく、ペットボトルの経口補水液を数種類ほど買い物カゴに入れていた。
     それは確かに、その通り。
     だけど、経口補水液は一時にまとめて飲むのではなく、小まめに複数回に分けて飲むのでなければ体が適切に処理できないことをお話したら、知らなかった様子。
     例えるなら、ゲリラ豪雨で用水路に水が溢れるようなもので、人間の体も急に水を送られてきても処理できないのだ。
     実際、経口補水液のペットボトルには目盛りが付いているのに、案外と知らない人が多いし。
     知人さん、できればそこまで教えてあげて下さいな(^_^;)
     あと、腸は体温より低いと吸収できないため、冷たい物は胃で温まるまで留め置かれてしまい、経口補水液を熱中症対策に使う場合には冷やし過ぎないことも重要。
     熱中症が疑われる場合に体を冷やすのが必要なのは確かだけど、補給する水分は常温のほうが良い。
     こむら返り対策に寝る前に飲むにしても、冷たい状態で飲むと胃に留め置かれて寝付きが悪くなるし。
     そして、こむら返りの原因は水分代謝の異常や筋肉疲労ばかりではなく、心臓疾患でも起きるため、繰り返す場合は病院の受診も視野に入れるようお話した。

     

  • 制酸剤を繰り返し使う人には

     お客様から、肩こりに貼る物より塗る物をと希望され、鎮痛剤としては弱いサリチル酸、中くらいでも皮膚に浸透しやすいフェルビナク、第2類薬では店頭で一番強いインドメタシンの三段階で案内した。
     強さと浸透の良さではジクロフェナクナトリウムもあるんだけど、存在を忘れがちσ(^◇^;)。
     今回もジクロフェナクナトリウムを候補に挙げるのを忘れて、お客様はフェルビナク製剤の購入を決められた。
     そしてお会計しながら、ストレス性の肩こりもありますというお話をして、そういう時には胃薬で治るケースもあるこをお話すると、胃は丈夫とのこと。
     そうであれば、内服薬として上半身を温める『葛根湯』も使えますと伝えたところ、足が冷えるというお返事が。
     それはなおさら、体を温めたほうが良いですな。
     半身浴で20分以上は湯船に浸かり、血流の改善をするよう提案した。
     暖かくなってきたから、のぼせないように窓やドアを開け放すか、水で濡らしたタオルを頭に乗せて。

     『リフレライフ』(安中散加茯苓)を眺めていたお客様に声を掛けると、胃のつかえ感があるとのこと。
     水分代謝を改善し、色々と悩みがちな人の胃の機能低下に使う『安中散加茯苓』より、『半夏瀉心湯』の方が適応しそうですと案内したら、実際に制酸剤を病院から処方されて使っているらしい。
     制酸剤を繰り返し使う人には、なおさら『半夏瀉心湯』が向いている。
     一応、ストレスは思い当たるらしく『半夏瀉心湯』も神経性胃炎に用いるが、『安中散』『四逆散』を合わせた『爽和』も適応するかもしれない。
     そう思って紹介してみたが、以前に『安中散』と痛み止めの『芍薬甘草湯』を合方してある『大正漢方胃腸薬』を使った時には、効かなかったというお話があり、候補を取り下げた。
     本日のところは、相談のみ。
     販売につながらなかったのは一店員としては残念だけど、もとよりドラッグストアーの売上のメインは今や薬ではなく日用品だったりするので、買わなくても気軽に相談してもらえれば良いかと。

     

  • 値段が高いから効くのでも、安いからお得なのでもないです

     『大正漢方胃腸薬』と『リフレライフ』を手に取って迷っている様子のお客様に、声を掛けてみた。
     『大正漢方胃腸薬』は、読んで字の如くのように「体の中(胃)を安らかにして苦しみを散らす」のが効能の『安中散』と痛み止めの『芍薬甘草湯』を合わせた物。
     そして『リフレライフ』なんて分かりにくい名前が付いている方は、中身は『安中散加茯苓』で、いわば『大正漢方胃腸薬』から痛み止めを抜いて、水分代謝を改善する『茯苓』が加わっている。
     パッケージにも「ストレス」と書いてあるが、茯苓の効果からすると「明日どうしよう」とか「どうして自分は」というように、色々と考えてしまう内面的なストレスによる胃の不調に向いている。
     そして、お客様は候補にしていなかったけど、比較として『爽和』も紹介した。
     『爽和』の方は、やはり『大正漢方胃腸薬』から痛み止めを抜いて、代わりに『四逆散』を加えた生薬構成。
     漢方用語では「四逆」とは、手足を合わせた四肢のことで、四肢がとても冷たくてなかなか温まらない状態のことを云う。
     だけど、ここでは誰かに強く怒られるとか、状況的に追い込まれているといった対外的なストレスと覚えると理解しやすいと思う。
    「四逆」って、なんかこう逆な目に遭うというイメージと繋がるでしょ?
     実際、緊張したりするストレスは末梢血管が狭まって血流が悪くなるしね。
     それによって、胃の働きが悪くなるのに対して効果がある。
     とにかく『大正漢方胃腸薬』を基本として、内面的なストレスには『リフレライフ』(安中散加茯苓)を、外面的なストレスには『爽和』をと覚えて使い分けると良いでしょうと案内した。
     今回は外面的なストレスが思い当たるというので『爽和』を考えたけど、痛みの方が顕著なようだったため『大正漢方胃腸薬』を試して頂くことになった。

     ご主人の花粉症にと『アレグラ』を求めてお客様が来店したため、置いていないことを説明して、近くで取り扱っているドラッグストアーを紹介した。
     でも、本人に電話をしたらしく、しばらくして戻ってきた。
    「何でもいいから買ってきて」と頼まれたとのことで、眠くなりにくい物として『ロートアルガード鼻炎クールアップEX』を案内して、購入して頂いた。
     そして、主訴は鼻水というお話から、積極的に体を温めるよう勧めて、一つの方法としてお風呂に30分以上入ることを提案した。
     気温が高くなってきているので、のぼせそうであれば窓や扉を開けて入浴するか、タオルを水で濡らして首や頭に乗せる方法を勧めた。
     あと、電子レンジを使って構わないので、温かい物で水分補給をするようにとも伝えた。

     ご主人が3日ほど前に風邪をひき、『パブロン』を服用していたものの咳だけが残ったという相談を、お客様から受けた。
     ただ、どの『パブロン』を使っていたかは覚えていないそう。
     発熱の影響で体内が乾燥しているのだろうとは予想できるけど、本当は『パブロン』の種類も知りたいところ。
     鼻炎を抑える成分が多いタイプだと、それこそ体内が乾燥しやすくなるので。
     でも、体内の乾燥による咳止めに『麦門冬湯』を案内してみたら、錠剤を希望された。
     あうっ、うちのお店には『麦門冬湯』の錠剤は無い……。
     やむなく『ブロン錠エース』と『ブロン錠』を候補にして、痰について確認すると、痰は出ないそうなので後者を勧めて、お買い上げ頂いた。
     名前が似てて紛らわしいけど、『ブロン錠エース』の方は、痰を出しやすくするためにL-カルボシステインが含まれていて、症状に不要な成分は無い方が体への負担が少ない。
     値段が高い方が効く訳でも、値段が安い方がお得な訳でもないので、ご注意あれ。
     そうそう、体内が乾燥している時というのは胃が弱っていると考えられるため、食欲が戻っていても量を控えて、消化の良い物にするようお話した。

     

  • 勉強の手間を省く代行業です

     昨日、昼食後に腹痛と下痢をしたと来店し、『大正漢方胃腸薬』を購入して頂いたお客様が再訪。
     ひとまず効いたらしいのだけれど、良くなったと思って食べたら、またお腹を壊してしまったそう。
     それも、どうやらここのところ、同じことを繰り返しているという。
     ありゃん、それは昨日には聞き出していなかった話(;´・ω・)
     反省して、今度はもう少し詳しく聞いてみると、胃の不調は以前からでストレスが思い当たるらしい。
     ということは、食欲は脳が感じるだけで胃の機能は低下したままですから、良くなったと思っても消化しやすい食事をしばらく継続するように勧め、『安中散』に外部からのストレスを軽減する『四逆散』を加えた『爽和』を紹介し、お買い上げ頂いた。
     自分で鬱々と悩んでしまう場合のストレスには、『リフレライフ』(安中散加茯苓)の方が適応することも説明して。
     昨日は『大正漢方胃腸薬』も買って頂いたから、無駄な買い物をさせてしまった……。
     痛みが強かったら、『芍薬甘草湯』の入った『大正漢方胃腸薬』が向いていたとも言えるけど。
     どちらにしてもヒアリングが足りなかったのは事実で、ショボーン(´・ω・`)

     やや高齢の父親から『コンドロイチン』を頼まれたとのことで、成人のお客様が来店。
     父親は膝の痛みを訴えているそうだけど、病院で検査を受けたことは無いという。
     とりあえずコンドロイチン製剤をひと通り案内したうえで、膝の痛みが軟骨の減りなどではない可能性もあることをお話して、冷えと水分代謝の不良に使う『桂枝加苓朮附湯』と、血行不良による神経痛に用いる『疎経活血湯』を紹介した。
     また、骨の異常が明確ではないため、サプリメントという選択も提案した。
     父親とは同居している訳ではなく、たまにしか会わないという事だったので、できれば膝が痛む時の条件を聞き出しておくことと、病院で検査を一度はするよう話してみることを勧めた。
     それと、今回案内した商品を父親に検討してもらう役に立てばど、スマホで写真を撮るよう提案した。
     各商品の写真を撮り、今回は『ビタミネンアクティブ』を購入された。

     『ルルアタックFX』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねてみたら、3日前から発熱し、一時は38度にまでなったという。
     そして今の症状はというと、微熱に落ち着いた一方、胃の具合が悪く食欲が落ちているそうな。
     あうっ、それでは胃に負担のかかる麻黄が入っている『ルルアタックFX』は不適当です(;´∀`)
     そういう事であれば、やっぱり自分で選ばないで相談してもらいたいところ。
     どうしたら、相談してもらえるようになるのかなぁ……。
     手軽に買えるという事は、手軽に選べる事とはイコールじゃなくて、むしろ手軽に買える分だけ、自分で選ぶのが難しいって事なんだけれど。
     いわば個人個人が勉強する手間を代行するのが私たち販売員な訳で、そういう面倒なことは任せて下さいな♪
     とにかく、食欲が落ちているのは風邪が胃腸炎に移行していると考えられることを説明して、風邪の後期に用いる『柴胡桂枝湯』を案内し、お買い上げ頂いた。

     

  • 症状に合わせた乗り換えプランも大事

     『葛根湯』『五虎湯』を一緒に購入されるお客様がいらしたので、念の為に用途を確認すると、風邪の常備薬にしたいという。
     風邪をひくと、いつも咳になってしまうらしいのだが、『葛根湯』にも『五虎湯』にも麻黄が入っていて、これは体を温めるため重なるのは好ましくない。
     まぁ、麻黄は温めると言っても熱を発散させるためで、『五虎湯』には患部を冷やす石膏も一緒に入ってるんだけどね。
     ただ、『葛根湯』との併用で考えると、体内を乾燥させてしまう心配がある。
     となると咳止めには、体内の乾燥を防ぐ『麦門冬湯』の方が良いだろうと案内したところ、『葛根湯』『麦門冬湯』の組み合わせで、お買い上げ頂いた。
     そうそう、あと麻黄は少なからず胃に負担をかけるため、処方的に胃薬に近い『麦門冬湯』は、胃を守る働きにも貢献する。

     お客様が、『大正漢方胃腸薬』と、外からのストレスに用いる『四逆散』の入った『爽和』と、内面のストレスに適する『リフレライフ』(安中散加茯苓)を何度も眺めたうえで、『大田漢方胃腸薬2』(安中散加茯苓)をレジに持ってきたので、念のため症状を尋ねてみた。
     朝起きると胃痛がするというお話からすると、胃酸過多の可能性が考えられる。
     内面のストレスは思い当たるそうなので、そのまま購入して頂きつつ、痛みに対して効果が弱いと感じた時には、痛み止めの『芍薬甘草湯』が入っている『大正漢方胃腸薬』への変更も検討するよう、お話した。

     ご主人の代理で、お客様が咳の相談にいらした。
     熱などの風邪の症状は無いのに、夜中に激しく咳き込み、それでいて昼間はそれほどでもないというお話から、『五虎湯』を案内した。
     しかし、その前の状況を詳しく尋ねたところ、一週間ほど前には鼻水と熱を伴う風邪をひき、『ベンザブロックS』を服用していたと分かった。
     ありゃん、重要な情報を後出しは困る。
     まぁ、それを聞き出すのも私の役目な訳ですが。
     でも、代理で薬を購入される時には、忘れずに最初の段階で知らせしてもらいたいところ。
     今回の場合、風邪による発熱で体内が乾燥したうえ、現代薬の風邪薬により症状を抑えた結果、神経レベルでの保湿機能が低下していることで咳になっている可能性をお話して、『麦門冬湯』も紹介した。
     ひとまず、『五虎湯』で目先の咳を止めて、後から『麦門冬湯』に乗り換えるプランを提示して。
     この辺りは、予算との兼ね合いがあるし、できるだけお金を掛けたくないと思うのは当然だろうから、乗り換えプランは、なかなか受け入れてもらえないものだけれど。
     他に、『のどドロップ浅田飴』と、医薬品の『浅田飴』の違いを質問された。 
     『のどドロップ浅田飴』の方はセチルピリジニウムが主成分で、これは消毒が目的なのに対して、『浅田飴』の方は熱を発散する麻黄や、患部を冷やす桔梗などの生薬が処方されていることを説明した。




     

  • 素人が競馬やパチスロで大勝ちするのは難しいですよね

     咳と痰の相談を受けたのだけれど、症状は3週間ほど前からで、『パブロン』を服用していたそう。
     ただ、『パブロン』シリーズの何だったかは覚えいないという。
     同じ名前でも、いや同じシリーズだからこそ別な成分構成の商品が存在する訳であり、しかも改善していないというのだから、使っていた物の特定というのは重要な情報。
     いちいち覚えていられないというのは良く分かるから、せめて現物かパッケージを持参するか、カメラ付き携帯電話が普及してからすでに15年以上は経過しているので、活用してもらいたい。
     今回のお客様の場合、発熱などは無く、咳と痰だけだった様子のため、そもそも風邪だったのかからして不明。
     風邪でなかったとすれば、風邪薬を使用していたのが誤りで、効果が無かったのに使い続けたのは不思議でならない。
     一方、痰に黄色味があるというお話からすると、ウイルスが介在していたとは考えられる。
     実のところ、医療従事者にできることは「治療」ではなく、「治る確率を上げる」だけ。
     相談されたから必ず治せるという訳でもない。

     一種のギャンブルと言ったら言い過ぎかもしれないけど、それだけに何も参考にせずに薬を選ぶのは難しいはずなので、競馬新聞やパチスロ必勝法を参考にする程度には、相談して欲しいところ。
     いずれにしろ、どの『パブロン』を服用したとしても、体内の乾燥は確実だろうから『麦門冬湯』を案内した。
     すると、小学生の息子さんも咳をしていて、夜中に咳き込んでいるという話が出た。
     息子さんの場合は、お客様とは咳の性質が違うと判断し、患部を冷やしつつ熱を発散する『五虎湯』を勧めた。
     それでも、養生については同じで、体の中、特に下半身を温めるのが大事。
     体の中で起きているのは、気温が冷え込んできたため、体の方は自分を温めようと頑張って、でも人間の体は機械ではないから、適した場所を適温に調整するのは難しく、その熱の偏りで上半身が乾燥したり熱が篭ったりしていると考えられる。
     という事は、体の中を温めてあげれば、体の方は自分で無理して頑張るのをやめて落ち着く。
     そんなお話をして、『麦門冬湯』『五虎湯』の両方をお買い上げ頂いた。

     若い女性のお客様が、『新キャベジンコーワS』をレジに持ってきた。
     胃薬というは、解熱鎮痛剤以上に適応が難しいので、念のため症状を尋ねてみると、5日ほど前の飲み会で飲み過ぎてから吐き気が治まらず、特に朝の調子が悪くて何も食べられないうえ、落ち着いてくる昼に食べると、また気持ち悪くなる状況だという。
     うむぅ、胃が働いていないのは明らか。
     『新キャベジンコーワS』では、力不足じゃないかな。
     『太田胃散』と『大正漢方胃腸薬』を案内してみたけど、もう少し詳しく症状を訊いてみると、胃の痛みは無い一方でストレスが思い当たるという話が出た。
     どうも会社が体育会系のノリらしく、飲み会はもちろん、日頃の仕事からして力押しの雰囲気なんだとか。
     ああ、それはもう『四逆散』の入っている『大正漢方胃腸薬 爽和』か、『安中散加茯苓』の『リフレライフ』の出番ですね。
     今回は、『リフレライフ』を購入された。
     あと、飲み会に参加する前に、コンビニで温かいお茶を買って飲んでおくように勧めた。
     スポーツをする前には、準備運動が必要なように、飲み会の前に胃に準備運動をさせるがごとく。


     

  • 火傷の水膨れは潰さないで

     手首を火傷したとのことで、お客様が飛び込んできた。
    「火傷の薬を!!」と頼まれることは度々あるのだけれど、残念ながら「火傷の薬」という物は存在しない。
     治療は、初期に冷やし、細菌による汚染を防ぐ以外には無い。
     よく水膨れを潰してしまう人がいるようだけど、アレは「透明な血液」で、中には最近を倒す成分が詰まっているので、安易に破かないように。
     もちろん、大火傷の場合は皮膚移植などが必要になる訳だけど、それはつまり薬でどうこうできるモノではないのだ。
     今回のお客様は、中身の入った鍋を運ぶ時に、中身が手首にかかって、1時間ほど流水で冷やしたという。
     的確な対処である。
     となれば、今後の処置もそれほど心配は要らないだろう。
     『紫雲膏』を勧めて、『防水タッチパッド』で覆うよう、お話した。
     そういえば以前に、足に熱湯をこぼしたと、お爺さんが店に来た事があったなぁ。
     もう、見るからに皮膚がただれたうえ捲れていて、どうも家族に知られるのを嫌がっているのを説得して、救急車を呼んだりと大変だった。
     後日、救急搬送したおかげで大事に至らなかったと、息子さんがお礼にいらした。
     そう、この「家族に知られたくなくて悪化」というケースは珍しくないから、なおさら対応に気をつけなきゃいけない。

     授乳中というお客様から、胃痛の相談を受けた。
     もちろん、基本的には薬全般を避けた方が良いのだけれど、単純に病院へというのも、なんだか手抜きのようで気が引ける。
     授乳中に使える痛み止めとしては、『芍薬甘草湯』が候補になるので、成分に含まれている胃薬として『大正漢方胃腸薬』を案内した。
     一応、痛くなる条件(食後なのか、空腹時もなのか)や、冷たい物を飲むと楽になるのか(胃炎)、温かい物を飲むと楽になるのか(胃部停滞)といった経過観察をして、メモを取るように勧めたうえで。
     また、育児ストレスも可能性として考えられるため、『リフレライフ』(安中散加茯苓)と、『四逆散』の入った『爽和』も紹介しておいた。

     

  • 夏場の半身浴は逆上せないように

     小学校高学年の息子さんの咳にと、お客様が来店。
     夜寝る前と明け方に咳をしているものの、咳き込むほどではないという。
     『五虎湯』を検討したけど、花粉症があるそうなので、異物に対して喉が反応しているのかもと考え、『麦門冬湯』の方を勧めた。

     『のどスプレー』のアズレンをお客様がレジに持っていらしたけど、症状を尋ねると喉の痛みが強いようなので、ポピドンヨードの方を勧めた。
     ただ、勧めておいてなんだけど、粘膜の修復を考えるとアズレンの方が適しているとも考えられるんだよねぇ。
     ポピドンヨードは殺菌力が強い一方、アレルギーを起こす人もいるから、注意が必要だったりするし。
     だから個人的には、『桔梗湯』や『駆風解毒湯』なんかの内服薬の方を勧めたいところ。
     でも、喉が痛い時には『のどスプレー』という人が多いため、一応は本人の希望に沿う事に。
     ただ、『のどスプレー』に拘る割には、中身については知らないというか興味を持っていないというか、調べたり質問したりというのが無いのが不思議ではある。

     やや高齢のお客様が、大正製薬の『爽和』をレジに持ってこられた。
     『爽和』は『安中散』『四逆散』の組み合わせで、主に外的要因によるストレス性の胃腸障害に適している。
     念のためストレスの内容を尋ねたところ、仕事上でのトラブルに起因するようだから、適応するだろう。
     ビールが好きという話から、食べる前の一杯は避けるようアドバイスしようと思ったら、ちゃんと食事の途中から飲むようにしているそうな。
     おおっ、それは良いですね(・∀・)
     最初に冷たいビールを飲んでしまうと、胃の機能を低下させてから食べる事になるから、消化に良くない。
     それは是非、続けましょう。
     一方、お風呂は5分と入っていないという。
     ぬるめのお湯で半身浴をして内蔵を温めると、ストレスの軽減になりますし、胃の働きを助ける事になりますよん。
     とはいえ、この季節の長湯は逆上せても困るから、頭を濡れタオルで冷やすか、風呂場の扉を開け放して入るのが良いでしょう。
     そんな話を付け加えておいた。