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  • こういう人は買ってはいけない第1類医薬品

     やや高齢のお客様が『ガスター10』を求めて来店されたのだが、うちには第1類の薬を置いていない。
     しかし、第1類や第2類のくくりを、効き目の違いと解釈されているようだったため、効き目ではなくリスクの区分である事を説明したら驚かれた。
     とかく、この区分については誤解が大きいように思える。
     解熱鎮痛剤の『ロキソニンS』なんかもそうだけど、「第1類じゃないと効かない」と盲信しているらしい患者さんに何人も遭遇した。
     第1類は、経過観察を怠ると重大な副作用が起きる可能性が高いから薬剤師の立会が必要な訳で、そういう意味では「第1類じゃないと駄目」と考えている人は、もっとも買ってはいけない人だろう。
     医薬系の陰謀論で薬について「買ってはいけない」という本を書いたり講演をしている輩は、「こういう人は買ってはいけない」と、買う側のモラルについて語ってくれないものか。
     他人の命を危険に晒して持論を唱えてるようなモラルの持ち主じゃ、期待薄だわな。
     今回の患者さんは、以前に病院で『ガスター』を処方された事があり、その時には良くなったので常備薬にしようと思ったとのこと。
     なるほど、成功体験があるわけですね。
     成功体験があると、かえって厄介だ。
     しかし今回のお客様は落ち着いて話ができる方で、当初のお話での主訴は胃痛と言っていたのだけれど、詳しくお話を訊いていくと、胃が重く、水が滞っている感じがするして冷えるそうで、空腹時には胃痛は無いそうだから、胃酸過多とか胃炎という症状とは違うように思われる。
     老々介護で気疲れしているというお話も出たので、内面的なストレスに用いる『リフレライフ』(安中散加茯苓)を案内した。
     ただ、常備薬として家族と一緒に使いたいという事と、胃痛にも使える物をと要望されたため、痛み止めの『芍薬甘草湯』と胃の働きを安定させる『安中散』を合わせた『大正漢方胃腸薬』の方に変更して、お買い上げ頂いた。
     とはいえ、薬を「家族で一緒に使う」というのも本来は、体質や症状、外出先での食事の内容や運動量など、個人間での相違点が多いから、薬は家族でも別々な物をチョイスした方が適切な事を付け加えておいた。

     やや高齢のお客様が、以前に『ロート新緑水』を疲れ目と充血に用いたら調子が良かったという事で求めにいらしたのだが、生憎と品切れ。
     似たような物として、『ロートリセb』を紹介して、お買い上げ頂けた。
     お客様はやはり、商品名やブランド名で求めてくるから、たとえ同じ成分構成だとしても別な商品で納得して頂けるかは、普段からのコツコツとした信用の積み重ねが必要。
     まぁ、品切れさせるなよというツッコミは措いといて(;´∀`)

     

  • 火傷の水膨れは潰さないで

     手首を火傷したとのことで、お客様が飛び込んできた。
    「火傷の薬を!!」と頼まれることは度々あるのだけれど、残念ながら「火傷の薬」という物は存在しない。
     治療は、初期に冷やし、細菌による汚染を防ぐ以外には無い。
     よく水膨れを潰してしまう人がいるようだけど、アレは「透明な血液」で、中には最近を倒す成分が詰まっているので、安易に破かないように。
     もちろん、大火傷の場合は皮膚移植などが必要になる訳だけど、それはつまり薬でどうこうできるモノではないのだ。
     今回のお客様は、中身の入った鍋を運ぶ時に、中身が手首にかかって、1時間ほど流水で冷やしたという。
     的確な対処である。
     となれば、今後の処置もそれほど心配は要らないだろう。
     『紫雲膏』を勧めて、『防水タッチパッド』で覆うよう、お話した。
     そういえば以前に、足に熱湯をこぼしたと、お爺さんが店に来た事があったなぁ。
     もう、見るからに皮膚がただれたうえ捲れていて、どうも家族に知られるのを嫌がっているのを説得して、救急車を呼んだりと大変だった。
     後日、救急搬送したおかげで大事に至らなかったと、息子さんがお礼にいらした。
     そう、この「家族に知られたくなくて悪化」というケースは珍しくないから、なおさら対応に気をつけなきゃいけない。

     授乳中というお客様から、胃痛の相談を受けた。
     もちろん、基本的には薬全般を避けた方が良いのだけれど、単純に病院へというのも、なんだか手抜きのようで気が引ける。
     授乳中に使える痛み止めとしては、『芍薬甘草湯』が候補になるので、成分に含まれている胃薬として『大正漢方胃腸薬』を案内した。
     一応、痛くなる条件(食後なのか、空腹時もなのか)や、冷たい物を飲むと楽になるのか(胃炎)、温かい物を飲むと楽になるのか(胃部停滞)といった経過観察をして、メモを取るように勧めたうえで。
     また、育児ストレスも可能性として考えられるため、『リフレライフ』(安中散加茯苓)と、『四逆散』の入った『爽和』も紹介しておいた。

     

  • 携帯電話やスマホが普及してもメモして伝える習慣が根付かない不思議

     中学生の息子さんの頭痛に用いるとのことで、『小児用バファリン』と『バファリンルナJ』を比較して、どちらが良いか尋ねられた。
     実のところ、子供に使える解熱鎮痛剤は市販ではアセトアミノフェンの一択しか無いので、どちらも同じ成分。
     違いは、服用する錠数くらいですと説明した。
     受験を控えていて、神経質な傾向があるようだったから、『半夏厚朴湯』『安中散加茯苓』を紹介して、頭痛が胃とも関係する可能性をお話した。
     なので、頭痛の原因を調べるためには、頭痛が起きるときの条件や、痛む部位、痛み方をメモするように伝えた。

     やや高齢の女性からの頼まれ物ということで相談に応じたら、ご本人はドイツに在住していて、症状は膀胱炎だという。
     『猪苓湯』を指名されたそうなのだけど、どういう経緯や根拠で指名しているのかは分からないという。
     現地の医師に提示されたのか、知人に勧められたのか、ネットか何かで調べたのか、今までに服用したことがあるのかなど、手がかりが何一つ無い。
     頼む方も頼まれる方も、お土産のお菓子じゃないんだから……(;´Д`)
     確かに膀胱炎のファーストチョイスは『猪苓湯』とはいえ、比較的体力があって排尿時に熱感を伴う痛みがあるなら『竜胆瀉肝湯』が候補になるし、膀胱や尿道に違和感を感じても痛みが弱いなら『五淋散』も考えられるし、疲れやすくて手足が冷える人なら『八味地黄丸加五味子麦門冬』が適応するかもしれない。
     とりあえず頼まれものだから『猪苓湯』を購入するとして、他にも候補となる漢方薬があることを本人に伝えていただくように、お願いした。
     一方、来店されたお客様ご自身は、梅雨に入ってから尿量か減少し、体重の方が増加したというので、『防已黄耆湯』を案内してお買い上げ頂いた。
     汗をかきやすく、疲労も感じるそうだから、適応するだろうと思って。

     

  • 読み書きだけでは勉強になりません

     鼻水と喉の痛みで『ザジテンAL』を服用してみたが効かなかったという、お客様。
     薬は成分の違いによる症状や体との相性があるので乗り換えるのが良いだろうけど、花粉症のようなアレルギーなのか風邪なのかの見極めが、ちょっと難しい。
     鼻水に『小青龍湯』と、喉の痛みに『桔梗湯』の組み合わせを案内してみたけど、2つ購入するのは躊躇われたので、今度は風邪の方に振って『ベンザブロックSプラス』を勧めてお買い上げ。
     『総合かぜ薬クニヒロ』をレジに持ってこられたお客様に症状を尋ねると、頭痛と悪寒はするものの、鼻や喉には症状が出ていないようなので、『ルルアタックFX』と『ベンザブロックIPプラス』をご案内した。
     しかし、予算的に千円以下の物をと要望され、頭痛を先に抑えたいとして『イブA』を選ばれた。
     ええん?
     それなら、最初の『総合かぜ薬クニヒロ』の方が良かったような……。
     早い段階で、予算に気を回すべきだったか……orz
     『安中散加茯苓』の『リフレライフ』と、『安中散』『四逆散』の入った『爽和』を何度も交互に手にして比較しているらしいお客様に声をかけたところ、内面の心配事が思い当たるようなので、『リフレライフ』の方をお勧めした。
     どちらのパッケージにも、「ストレスによる胃の症状」と書いてあるから、迷われるのも無理ない。
     さらに、喉のつかえ感があって、「んんっ」と咳払いのような事を繰り返すようであれば、『半夏厚朴湯』も候補になるから、それこそパッケージの比較では候補から絞るのは難しい。
     先日、漢方薬に関するSNSで興味深い話題が出ていたので、改めて勉強のし直し。
     病院からの処方箋で、頭痛の患者さんに『麦門冬湯』が出ていたそうで、その理由を探るというもの。
     なにしろ、この日記でも繰り返し書いているように、『麦門冬湯』と言ったら「乾燥性の咳」に用いる物という思い込みがあったから、どうして頭痛の患者さんに処方されたのかと。
     高齢の患者さんで、担当医は精神不安に焦点を当てた上での選択らしい。
     実は『麦門冬湯』の生薬構成は胃薬になっており、胃を治すことによって咳止めとして働く。
     そして、胃を悪くするとストレスに影響を与え、ストレスは胃を悪くするし、胃の不調に拠る頭痛というのもあるから、その辺が鍵かもしれないと私は考えた。
     そうなると私の場合は、『半夏白朮天麻湯』を候補にするだろう。
     そして、高齢という点を考えると、手足の冷えがあれば『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も候補に成り得る。
     というように、参加者の方々からも様々な見解が出された。
     知識や経験、あるいは流派での見解の違いなどもあり、大いに参考になった。
     同時に、店頭での漢方相談の大変さも痛感していたところ、「気の異常」による「冷えのぼせ」と「頭痛」や「動悸」に使用例があるという資料を提示された方がいて、なるほどと感心………あれ?
     この資料、見た事ある気がするぞ!?
     後で書庫を探してみよう。
     読んだり講習会に出てても身につかないんじゃ、しょうがないったら(;´・ω・)

     

  • 喉から食道にかけて詰まる感じがする時に

     咳の相談お客様。
     咳き込むほどではないが、一日中出るという。
     咳き込むようなら『五虎湯』かなと思ったけど、乾燥感を喉に感じるようなので、『麦門冬湯』を案内した。
     中学生の息子さんの胃もたれの相談で、お客様が来店。
     普段はならないそうで、今回急に胃の辺りが重く感じられると訴えているらしい。
     内向的な性格でストレスが思い当たるという話から、『安中散加茯苓』をと考えたが、詳しく症状を尋ねたところ、喉から食道にかけて詰まる感じがするとも言っていたようだ。
     季節的にも、これは『半夏厚朴湯』の方が適応しそうだと判断し勧めた。
     成人の息子さんが、鼻炎と喉の痛みを訴えているというお客様からの相談。
     悪寒や発熱、体のだるさといった風邪の兆候は無いようなので、鼻炎薬と喉の痛み止めの薬を併用するように勧めたんだけど、お気に召さなかったようで帰られてしまった。
     お客様自身の職場では風邪が流行っているらしく、息子さんには自分の風邪が移ったと考えているようなのだけれど、ここのところの寒暖差でアレルギーを起こしているのかもしれず、風邪という確証が無いとなんとも(;´・ω・)
     ううむ、喉かぜ向けの『ルルアタックEX』でも売っておけば良かったのかどうか……。
     目の疲労という事で、『キューピーコーワ』シリーズについて質問された。
     眼精疲労については『キューピーコーワi』を案内したところ、高齢の親御さんについても相談され、血量改善のための『ゴールドαプラス』を勧めて、お買い上げ頂いた。

     

  • 薬の価格と効き目とは必ずしも一致しない

      『大正漢方胃腸薬』をレジに持って来られたお客様に、服用経験があるか尋ねたところ初めてとのこと。
     『安中散』に痛み止めの『芍薬甘草湯』が入った処方なので、もしストレスが思い当たるようであれば他に『安中散加茯苓』『四逆散』が加わった『爽和』がある事を案内した。
     整腸剤の相談を受け、乳酸菌がメインの『新ビオフェルミン』と、乳酸菌を育てる納豆菌の入った『ザ・ガード』を比較して案内し、『ザ・ガード』に近い処方で価格の安い『アペテート整腸薬』をお買い上げ。
     花粉症による目の痒みで来店したお客様から、『ロートアルガード』と『アイリスAGガード』を比較しての質問を受けた。
     価格と効き目とは必ずしも一致しない事と、成分との相性がある事を説明して、今回は『アクアマリンAG』を試していただく事になった。
     価格と効き目が一致しないのは、例えば古い処方の場合、開発費を回収済みで価格を下げた製品もあるから。
     もちろん、新しい処方の製品の方が効果的という場合もあるのだけれど、古い処方は長年の使用において大きな事故が無かったという信頼性の証でもあるので、新しい製品を選ぶか、長年の信頼性を選ぶかというのは、お客様自身の判断に拠るところもある。
     私の方針は、新規な物より信頼性。
     それゆえに、効果の面では劣る可能性も。
     高齢の患者さんの代理でいらしたお客様から、痰が切れにくい症状の相談。
     患者さん本人は、何故か『新ルルA』しか服用しないという。
     その根拠が不明なのだけれど、痰が切れにくいのが体内の乾燥が原因だとすれば適応しない事を説明して、『ストナ去たんカプセル』と『麦門冬湯』を案内した。
     お客様は『麦門冬湯』に興味を示されたものの、患者さん本人が錠剤を希望していて、うちには錠剤の取り扱いが無いため『ストナ去たんカプセル』を購入された。

     

  • 神経に作用する風邪薬は体内を乾燥させてしまう

     高校生くらいの男性が来店して、消炎鎮痛剤の棚を忙しなく見ていた。
     急いでるのかなと思って声をかけたら、転んで打撲したらしいので、初期には冷やすようにお話した。
     ところが、手を見てみたら小さいながらも傷があり、しかも青黒くなっている。
     ギャッ∑(゚ω゚ノ)ノ
     いつからなのか分からないけど、化膿した後に放置して悪化したみたい。
     化膿止の塗り薬が必要ですと説明したうえで、病院での治療を勧めた。
    「分かりました」と答えていたものの、ちゃんと病院に行ってくれるか心配(;´д`)=3
     胃腸の具合が悪いというお客様。
     ストレスが思い当たるそうなので、『安中散』『四逆散』を合わせた『爽和』と、『安中散加茯苓』の『リフレライフ』を案内し、いろいろと考えて不安になってしまうというお話から後者を勧めた。
     声がれと喉の痛みの相談を、やや高齢のお客様から受けた。
     風邪の兆候は無く、お客様自身も「花粉症かもしれない」とのお話。
     世間的には花粉症は話題にならないけど、スギ花粉が同時期に多くの人に発症するのは、高い木から遠くへ広範囲に花粉が飛ぶからで、実のところ花粉症になる人は、自分の住宅周辺や通勤路など、腰よりも低い植物の花粉でも発症する。
     そして、腰よりも低いので花粉は遠くへ飛ばず、ほんの周囲の数人だけが発症していたりするのだ。
     そのため、風邪だと思っているお客様に花粉症の可能性を指摘すると、怪訝な顔をされてしまう事も。
     今回は、鼻汁が喉に落ちてくるそうなので、麦門冬を含んでる『チクナイン』(辛夷清肺湯)を案内した。
     だけど、お客様は『新コンタックかぜEX』を買っていかれた……。
     な、なんで(;・∀・)?
     喉の痛みと乾燥感を訴えて来店したお客様は、風邪を治すのに『新ルルAゴールド』を服用していたそう。
     熱が下がった後も喉の痛みがあるため服用を続けているというが、神経に作用する風邪薬は服用を続けていると体内を乾燥させてしまう事を説明して、『麦門冬湯』を勧めた。
     複数の症状が現れる風邪には、やはり総合の風邪薬は選びやすい物ではあるけれど、治ってきて症状が絞られてきたら、総合よりも症状に対してピンポイントの物に変更した方が良い。

     

  • 市販薬の名前はブランド名だから名前の一部が違えば成分も効能も違う

     お客様から、肌荒れの治療に使う『PAIR A錠』と『PAIR漢方エキス』の違いについて尋ねられた。
     メーカーとしてはブランド名を浸透させたいんだろうけど、ほとんどのお客様にとっては惑わせるだけにしか思えない。
     痛み止めの『バファリン』とか、風邪薬の『パブロン』だとか、市販薬の名前は多くがブランド名だから、一見して同じ名前のようでも内容は大きく違う。
     どのくらい違うかというと、成分の一部のみならず、全く成分が違って効能効果が適さないなんていうのも珍しくない。
     今回の場合、『PAIR A錠』の方は皮膚の材料になるヨクイニンとビタミンB6・B2と、新陳代謝を促すL-システインやグルクロノラクトンが入っていて、どちらかというと栄養剤に近い。(あくまで私見)
     一方、『PAIR漢方エキス』の方は名前の通り漢方薬で、というか『桂枝茯苓丸』そのもので、なんでその名前を全面に出さないのかと不思議に思うんだけど、漢方薬に年寄り臭いとか効くのに時間がかかりそうというような負のイメージを持っている人向けなのかもしれない。
     一般的に『桂枝茯苓丸』は、生理不順や更年期障害といった婦人疾患に用いる物と思われているから、それを皮膚疾患にターゲットを絞って販売するというのは、ドラッグストアでは漢方薬が症状とは関係無く棚の一角に集められて孤立してたりするので、皮膚疾患の棚に置いてもらえるというのは、販売機会を増やす戦略としては良いと思う。
     けど、同時にそれがかえって、分かりにくくしているんだから、物を売るというのは難しい。
     いずれにせよ、皮膚疾患での『桂枝茯苓丸』は血流を良くする事で、体の一部に停滞する悪いモノを体外に排除し、皮膚の再生に必要な栄養を行き渡らせるのが目的となる。
     なので、こと肌荒れの治療としては、『PAIR A錠』と『PAIR漢方エキス』の併用がオススメ。
     オススメだけど、なんだか悪質なセット販売のようであるな(;´∀`)
     そうそう、詳しくお話を聞いている中で、鼻づまりで病院から『荊芥連翹湯』が処方されていて、医師からは肌荒れにも聞くと説明されたそうなんだけど、お客様自身は鼻づまりは軽減したものの、肌荒れについての効果は感じられないと言っていた。
     確かに『荊芥連翹湯』の効能下記にニキビとあるから、効能書きだけで考えるとそう間違いではないものの、生薬構成から見ると冷やし過ぎて、血流を悪くして皮膚の再生を遅らせるとも考えられる。
     同じニキビでも、熱感のある赤いニキビには向いていても、今回のお客様のようにニキビに色が無いタイプでは効果は期待できない。
     思うに鼻づまりも、血流が悪くて上半身の局所に熱がこもってしまう事で体液が水分不足になっているのが原因なのではなかろうか。
     ちょっとその病院に通院するのも心配になったので、漢方薬に詳しい病院を紹介して、『PAIR A錠』と『PAIR漢方エキス』の両方をお買い上げ頂けた。
     胃痛の相談で、お客様がみえた。
     空腹時でも食べても痛むそうで、仕事の関係で朝・昼を食べずに16時頃に軽食、22時以降に普通の食事というサイクルらしい。
     それは無茶ですね( ̄▽ ̄|||
     『安中散』に痛み止めの『芍薬甘草湯』が入っている『大正漢方胃腸薬』を案内したけど、痛みが治まらないようでしたら病院に行ってみて下さいな。
     一方、仕事でのストレスも思い当たるそうなので、痛みが治まって胃の不快感が残るようでしたら『安中散加茯苓』に切り替えましょうとお話した。
     あっ、あと果物やヨーグルトは好きだそうなので、それでしたら朝になんとか食べて下さいとも付け加えた。

     

  • 効いても効かなくても後で教えて下さいな

     大正製薬の『爽和』をカゴに入れているお客様に声を掛けてみたら、今までに服用していた訳ではなく、ストレスについても精神的な緊張感よりも、家の中にいて色々と考えてしまい胃の具合が悪くなるというお話だったので、『安中散加茯苓』の方を勧めた。
     『四逆散』の入っている『爽和』は、私は外的要因から受けるストレス向けと考えているのだけれど、ちょっと枠に嵌めて考え過ぎかなぁ。
     でも、やはり家にいる事が多いと、運動不足で水分代謝が悪くなっているだろうから、茯苓が適しているようにも思えるし。
     効かなかったら効かなかったで、後で教えていただけると凹むけど参考になるので、是非とも教えて下さいな。
     ………効かなかったら来てくれなくなるだろうから、分からずじまいかも知れませんが(;´Д`)
     喉の痛みの相談で、患者さんが来店。
     風邪になりそうな予感が有るそうで、家に有った『ルルアタックEX』を飲んだら頭がボウッとするので、違う物をと思って探しに来たというお話。
     ううん、頭がボウッとするのが風邪の症状なのかEXのせいなのか、なんとも判然としない。
     いずれにせよ、EXの方は風邪の症状が、よりハッキリしてから服用するものとして、主訴の「喉の痛み」に焦点を当て、かつ頭がボウッとする成分の入っていない『銀翹散』を案内した。
     咳と鼻水が主訴で、寒気や頭重などは無いようなので、冷えが原因かアレルギー性と思い『小青龍湯』を案内したけど、現代薬を希望されたため『ブロン錠エース』を勧めた。
     痰が出るそうなので、適応する……はず。
     この辺、イマイチ自信が無い。
     なんかもう毎日、復習と自省の日々(;´д`)=3

     

  • 湿潤療法はトンデモ理論から

     『葛根湯』を購入されるお客様に、念のため症状を尋ねたら、すでに発熱しているそうなので、『麻黄湯』に移った方が良いだろうと案内したところ、両方をお買い上げいただけた。
     「風邪の初期には『葛根湯』」と言われているけど、その「初期」とは「頭が重い……気がする」とか「悪寒がする……気がする」という段階なので、意外と使いどころが難しい。
     加えて、熱が下がったら『柴胡桂枝湯』を使うと、ぶり返しを防いで回復が早まる事を説明した。
     飲み会での胃薬の相談を受けた。
     飲み会の後に必ず調子が悪くなるそうなので、参加する前に温かいお茶などを飲んで、胃の働きを良くしておくように勧めた。
     胃痛になる訳ではないようなので、水分停滞による悪酔いを避けるため、『安中散加茯苓』を案内したけど、本当は『五苓黄解』が欲しいところ。
     という訳で、発注してみた。
     発注して気づいたけど、『液キャベ』や『ソルマック』の二倍の価格なんだよね。
     ………売れるか心配(;´・ω・)
     喉の痛みを相談され、鼻炎や熱感は無いとのことで『駆風解毒湯』を案内したものの、現代薬の錠剤を希望されたため『ルルアタックEX』を勧めて、お買い上げいただいた。
     実のところ、登録販売者にも得手不得手があって、喉の痛みは私の不得意分野。
     候補に挙げられる薬のレパートリーを増やしていかねば。
      昨日、私が出勤する前の時間帯に、早番の同僚が高齢のお客様から、パウダー式の止血剤(おそらく『キズドライ』だと思われる)の、お取り寄せの要望を受け、応対した同僚は、とりあえず「取り寄せが可能か調べてご連絡します」とお答えした。
     私が応対してたら、たぶん「今は湿潤療法が主流で……」と説明しただろう。
     知り合いの医師からは、「後で処置に困る」と言われた事もあるし、今のお店では仕入れた事が無いので、仕入れるべきか悩み、同業者のコミュニティーで他店の状況を尋ねてみた。
     やはり、棚の隅に「ひっそり」と置かれている状況らしいのだけれど、お客様の欲しい物を提供するのが小売業の基本姿勢だと明確にしている意見があるし、モイストヒーリング(湿潤療法)を個人的には支持していても、医療の進化で変わっていくものだから、デメリットとメリットをお話することが重要というようなアドバイスを頂いた。
     パウダー式の止血剤のメリットはギズ口を早く乾かす事にあるものの、水洗いしないまま使う人が少なくないため、後で本格的な治療をする時に薬剤が固まってしまっていて洗浄が大変になってしまうのがデメリットで、そこが医師に嫌われる所以。
     一方、改めて湿潤療法について調べてみたら、出自はかなり怪しげで、傷口の湿潤液こそが雑菌を倒して皮膚の再生を早くするという考え方の元、消毒すら否定するという内容だったらしい。
     消毒すると、雑菌ごと傷口周辺の細胞を弱らせてしまうからという。
     いやいやいや、どんだけ強い薬剤で消毒する気なんだよ(;´Д`)
     ただし、そういう怪しげな点を再考した上で、初期の傷口の消毒はして、その後の治癒は乾燥させずに身体の回復力を手助けするという商品が開発され、今や主流となっている。
     トンデモ理論でも、科学的なアプローチで実用になるんですな。
     さて、仕入れるかどうかと共に、そのお客様には、なんと説明するか。
     頂いたアドバイスの、「教える」というより「情報を共有する」という姿勢での説明が、ちゃんとできると良いなぁ。