漢方薬症例クイズ≪第5回≫
実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。 | クツのお留守番 靴を履いていない時に、靴に入れておく消臭剤です。(色はご希望に添えない事がございます。) |
募集期間:~6月7日(月)
正解発表予定:6月10日(木)
問題 |
正解 次選の漢方薬としては、解答の中から五苓散・柴苓湯・安中散・小柴胡湯が使えるものと判断して、抽選のうえ以下の方を当選とさせていただきました。おめでとうございます。 |
解説 補足 解説:北村俊純 |
参加者コメントより |
漢方薬症例クイズ≪第5回≫
実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。 | クツのお留守番 靴を履いていない時に、靴に入れておく消臭剤です。(色はご希望に添えない事がございます。) |
募集期間:~6月7日(月)
正解発表予定:6月10日(木)
問題 |
正解 次選の漢方薬としては、解答の中から五苓散・柴苓湯・安中散・小柴胡湯が使えるものと判断して、抽選のうえ以下の方を当選とさせていただきました。おめでとうございます。 |
解説 補足 解説:北村俊純 |
参加者コメントより |
漢方薬症例クイズ≪第4回≫
実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。 | 竹久夢二 大正時代の詩人であり画人であった竹久夢二の絵を用いた、藍染のトートバッグです。 |
募集期間:~5月17日(月)
正解発表予定:6月1日(火)
問題 |
正解 |
解説 補足 解説:北村俊純 |
参加者コメントより |
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★彡☆-=★彡 それさえもおそらくは平凡な薬局 ★彡☆-=★彡
≪通巻38号≫
提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行 : 北園薬局 http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
※11月18日(火)……漢方薬の講習会『理気剤(りきざい)』
※11月19日(水)……ニキビの相談
※11月20日(木)……“怒り”の醜さ
※11月21日(金)……政府の初動、現場の初動
************************* 先週の平凡な日記 ***************************
◆11月18日(火)/2003年◆
今日は、月に一度の漢方薬の講習会。
テーマは、『理気剤(りきざい)』である。
『理気剤』とは、“気滞”を治療する薬の事で、“気滞”とは「気の停滞」、すなわち“気”が阻滞された状態に相当する。
この“気”というのは、西洋医学には無い概念で、漢方薬を胡散臭いものにしている。なにしろ、血液などのように実体の無いモノだからだ。
しかし例えば、目には見えなくとも“ストレス”というものは存在する。そして、ストレスが原因の病気があるのも事実である。
気滞が発生する原因は非常に多いが、気滞だけが独立して現れる事は無い。
最も気滞に関連が深いのは、やはり精神的ストレスで、漢方では“内傷七情(ないしょうしちじょう)”と言う。“内傷七情”とは、怒・喜・憂・驚・恐・悲・思の七つの心の動きが体をも痛めるという意味だ。
情緒系・自律神経系に影響して肝気鬱結(かんきうっけつ)と呼ばれる抑うつ・緊張の状態を生じ、これにともなって全身の各部位の気滞を容易に引き起こす。
気滞は発生する部位によって、1)胸部気滞、2)胃気滞、3)腸気滞、4)肝気滞などに分類される。
気滞が関連する症状としては、以下のようなものがある。
1.膨満感=胸・脇・腹などの張り・苦しい・痞(つか)える感じがするなど。
2.遊走性の疼痛=異所性で時間的に増減する疼痛。
3.渋滞性の症状=排尿や排便がスムーズではない・呼吸が苦しい・嚥下困難。
4.気逆の症状=咳・胸が苦しい・悪心・嘔吐・吃逆(しゃっくり)・曖気(げっぷ)。
理気剤の分類は、気滞の影響を受ける部位と、その症状で整理すると分かりやすい。
※『肝気鬱結(かんきうっけつ)』
別名『肝気滞(かんきたい)』とも呼ばれ、肝臓がストレスを受けた場合を指す。
症状としては、憂鬱感・怒りやすい・胸脇部の張った痛み・月経痛・月経周期が安定しないなどである。良く耳にする自律神経失調症も、ここに当てはまる。
治法としては、“疏肝理気解鬱(そかんりきげうつ)”と言われる方法を用いる。
代表的な漢方薬には、『小柴胡湯(しょうさいことう)』・『柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)』・『加味逍遥散(かみしょうようさん)』・『柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)』がある。
小柴胡湯は肝機能障害に用いられ、B型肝炎やC型肝炎などの治療薬として医療現場では重宝されている。また、応用範囲が広く、神経性の胃炎や過敏性腸症候群にも使われる。特に腹痛によって登校拒否を訴える子供や、出社の途中で下痢をしてしまうサラリーマンなどには良いだろう。
余談だが、神経性胃炎が進んだ場合には、もちろん胃炎により特化した漢方薬を用いる。その時には、胃が熱を持っているか、胃が冷えているかの見極めが大事である。胃炎だからといって、胃が熱を持っているとは限らないのだ。
胃が熱を持っている時には『黄連解毒湯(おうれんげどくとう)』を用いる。
冷たい水を飲むと症状が軽くなり、温かいお茶を飲むと気分が悪くなるというのが見分け方になる。
逆に胃が冷えている時には『安中散(あんちゅうさん)』を用いる。冷たい水を飲むと胃が重くなり、温かいお茶を飲むと落ち着く時が適応する。
一般的に漢方胃腸薬といった場合には、この安中散である事が多いのだが、パッケージで内容を確認して服用しないと、症状に合わないというケースもあるので気をつけてもらいたい。
柴胡桂枝湯は小柴胡湯と『桂枝湯(けいしとう)』を合わせた物で、胸脇部の張った痛みが強い場合に対応する。メールマガジンでは風邪の後期に用いる漢方薬として紹介しているが、より実際的には風邪の進行具合が不明な場合など、いつでも用いる事ができるので、覚えておくと便利だろう。
加味逍遥散は特に女性に用いられるのだが、これは血を補う作用があるからで、生理になるとイライラする場合に特に効果がある。
柴胡加竜骨牡蠣湯は、高血圧の症状があって不眠などを伴う場合に用いる事が多い。
※『胸部気滞(きょうぶきたい)』
症状としては、胸が苦しい・胸が痞える・呼吸が早く荒い・胸痛・咳などがある。
この場合の治法では、“理気散寒(りきさんかん)”・“理気活血(りきかっけつ)”・“理気化痰(りきけたん)”という方法を用いる。漢字を見れば、この治法の考え方は分かると思う。
代表的な漢方薬としては『柴朴湯(さいぼくとう)』なのだが、ウチには置いていない。小柴胡湯と『半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)』を合わせた物で、胸部気滞は次の“胃気滞(いきたい)”と一緒に扱えるからだ。
※『胃気滞(いきたい)』
この症状には、上腹部の膨満感や痛み・食欲不振・曖気・吃逆・悪心・嘔吐などの強いものなどが該当する。
治法は“理気化湿”・“理気化痰”を用いる。
代表的な漢方薬としては、胸部気滞の方が強い場合には半夏厚朴湯を、胃気滞が強い場合には『かっ香正気散(かっこうしょうきさん)』を用いる事になる。
胃気滞の場合には、時として気が滞るだけではなくて、気が上部に逆流してくる“胃気上逆(いきじょうぎゃく)”という事が起こる場合がある。これが曖気・吃逆・嘔吐などで、半夏厚朴湯を用いると良い。妊婦の場合には妊娠嘔吐(つわり)に使うことが多い。
また、胃気上逆までいかなくても咽喉に異物感がある人や、緊張すると胸が苦しくなる場合、例えば大事な試験が控えているとか人前に立たなければならない時に症状を緩和する事ができる。ドラマなどで人前で挨拶するシーンに「ん、んん」とか咳払いするシーンがあるが、あの状態の事である。
精神的な咳にも使え、特にストレスを感じると症状が出る喘息の場合に重宝する。と言うか、自分が重宝しています(^_^;
そうそう、緊張を軽減するという事で、ウチのお店では受験期に良く売れる。受験生はお試しあれ。また、講師のお話によれば、子供の緊張感が親にも伝播して、親もイライラ感が高まり、それがまた子供に跳ね返って親子間のコミュニケーションがギクシャクしてしまうという場合には、親子で服用するのも良いとの事。
『かっ香正気散(かっこうしょうきさん)』は、主に胃腸方の風邪(夏風邪)に用いる事が多いので、胃気滞として使うケースは少ない。ただ、胃腸を助ける生薬が入っているので胃腸虚弱だという自覚がある場合は、使ってみると良いだろう。
この『かっ香正気散(かっこうしょうきさん)』は純粋に日本で近年になって開発された物で、中医学(中国漢方)至上主義の流派からは忌み嫌われている。近年と言ったって千年以上前の事だし、日本の気候風土に合ってるんだから、いいと思うのだけれど、
※『腸気滞(ちょうきたい)』
症状には、腹部膨満感・腹痛・腹鳴・排ガス・排便困難・裏急後重(りきゅうごじゅう)などが強いなどがある。裏急後重というのは聞きなれない言葉だが、下痢の場合はトイレに行って戻ってきてもまだお腹がしぶったり、便秘の場合には便意はあるのに出ない場合の事をいう。つまり、何度もトイレに行きたくなる状態だと思ってもらって良いだろう。
実は、この腸気滞には「コレだ!」という漢方薬は無い。あえて挙げるとすれば、便秘薬という事になる。
漢方薬では、『半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)』が最初の選択といったところか。
講師も、便秘の状態に合わせて臨機応変にと言っていた。まぁ、便秘になると気滞になるから、イライラしやすくなるのは当然と言えば当然。
講習会の帰りに秋葉原の『LaOX』に立ち寄った。
http://www.laox.co.jp/laox/index_tone.jsp
日記には特に面白い事もないので書いていないのだが、今のところ毎日奥さんのお見舞いには行っている。
ミカン持ってきて、チョコレート持ってきて、漫画を持ってきてと、まぁ贅沢な暮らしをしている(笑)のだが、ビデオを観たいとまで言い出したのだ。贅沢に磨きがかかって困る(・_・)ノ
で、病室にはビデオデッキを持ち込んだりする訳にもいかないので、何か代わりの物を捜しにきたのだ。
ポケットPCにビデオを取り込んでとも思ったが、画面が小さいわりに3万円以上もして、目的からするとコストパフォーマンスが悪い。手帳代わりに使えばいいのだろうが、奥さんの事だから絶対にそんな風には使わない。
持っているノートパソコンにビデオを取り込んでダウンスキャンコンバーターでテレビに出力する方法もあるが、電源コードが必要で、これまた病室には持ち込めない。
しかし、捜してはみるものでカノープス社から出ている『SSC120EX』という製品を発見した。
http://www.laox.co.jp/laox/index_tone.jsp
USBケーブルを用いて、パソコンから電源を得るというダウンスキャンコンバーターだ。
ノートパソコンだと電力消費が激しそうだが、それでも映画の一本くらいは観られるだろう。
新製品なのか値引率は低かったが、1万3千円ならば悪くない。速攻で購入を決めた。
また、レジの店員がものすごく丁寧で人当たりが良く、ごく自然に気配りの行き届いた人で、たった1つの商品を買うだけなのに心地良くなってしまった。
帰りに夕飯代わりにマクドナルドに入ったのだけれど、良く考えたら昼食はロッテリアであった。
1日に2度もファーストフードで食事を済ますというのは、かなり体に悪いのではないかと思うものの、奥さんの料理もほとんど冷凍食品だから変わらんなと酷いことを思う(笑)
明日は、もう少しまともな食事をしよう。
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◆11月19日(水)/2003年◆
商店街の同じ並びにあった『ニシワキ薬局』が閉店してからというもの、製薬メーカーや健康食品メーカーの営業マンが入れ替わり立ち代わりやって来る。
『ニシワキ薬局』に置いていた商品を取り扱ってくれという訳である。
まぁ、それは当たり前だし、商品を勧める資料に「いい事ばかり」が書いてあるのも当然ではあるけれど、リスクも分からないとなんとも扱いにくい。
とりあえず資料は預かったが、ウチは漢方薬が主力だから、あまり他の商品を扱う予定は無い。お店も小さくて置き場所が無いし(苦笑)。
病院からの処方箋を持ってくる患者さんで、毎回次の診察日を教えてくれる人がいて助かる。
必ずしも同じ薬が出るとは限らないが、事前に薬の注文をしておいて備えておく事ができるので。
これから風邪が流行るという事で、あらかじめ常備しておくためにと柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と桔梗湯(ききょうとう)をお買い上げいただいたお客さん、お話をしてみたら旦那さんは今咳が出ているとの事。
熱や鼻などの症状は出ていないようなので、麦門冬湯(ばくもんどうとう)で様子をみてもらう事にした。
ニキビの相談に患者さんが来店。
ニキビと言って真っ先に思いつく漢方薬は清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)ではあるが、適応するのは赤ら顔の、いわゆる熱証タイプの人。
しかし、今回の患者さんは痩せていて、冷え症もあるという。
また、ニキビだけではなく、たまに首の後ろなどにオデキができるとの事。
だとすると、血液の循環が悪くて、ところどころで血が滞っているのかもしれない。
力の弱いニキビには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を用いる場合もあるものの、そこまでは虚弱な体質でもない様子。
そこで、普通は湿疹や蕁麻疹に用いる事が多い十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)を試してもらう事にした。名前の通り、十種類の生薬で体内の毒素を敗(やぶ)るための漢方薬である。
また、もしニキビが化膿した場合には、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を使うように勧めた。これもまた名前が効能を示していて、膿を排出する事のできる漢方薬である。虫歯などの歯茎の化膿にも使えるので常備しておくと役に立つだろう。
前回のメールマガジンで書いた、未承認抗がん剤での治療に保険を適用することについて、『中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)』の『基本問題小委員会』が年内にも正式決定する運びとなった模様。
(11月17日の日記を参照)
保険を適用することを正式決定しても、承認されるのはさらにその後なので、実際に使えるのはまだ先のこととなるが、保険適用の承認を迅速化するために、審査期間を4ケ月~半年程度に短縮するとの事なので、通常だと1~3年かかる事を考えれば期待してもよいかもしれない。
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◆11月20日(木)/2003年◆
今日は朝から雨。
気温はそれほど低くはないが、やはり雨が冷たくて寒く感じる。
ホカロンを欲しいというお客さん、少しお話をしたら旦那さんが寒気がするというのでホカロンを買いに来たとか。
風邪薬は飲んでいるのかも尋ねたところ、眠くなると仕事に差し支えるので飲んでいないとの事。
それならば、漢方薬で眠くならない風邪薬がありますよと麻黄湯(まおうとう)を勧めた。
それと、すでに寒気がしているという事は熱が出てくる可能性がある。仕事を休めそうもないのであれば、地竜(ぢりゅう)を合わせて飲むように勧めた。
病院からの患者さんに出す薬で500錠仕入れてしまった物があり、その患者さんが1回限りで来なかったためどうしようかと思っていたところ、同じ薬を処方された患者さんが来た。
なにしろ1錠で200円くらいする薬なので、在庫を抱えると痛い。それが今回は360錠が一気に掃ける。ヤレ助かった。
風邪をひいたという患者さんが来店。
「パブロンを下さい」と言われて、つい「効きますか?」と訊いてしまった。
売る方が「効きますか?」って尋ねてどーする(笑)
ウチでは、余り効かない事になっているので(・_・)ノ
そこへ、いつも漢方薬を使っていただいている患者さんが来店。大きな声で「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と麦門冬湯(ばくもんどうとう)をくれ!」と注文された。
そして、「あれだよな。風邪が進んじゃったら、柴胡桂枝湯でいいんだったよな? 麦門冬湯は痰のからむ咳でいいんだっけ?」と確認された。
はい、間違いございませんm(_ _)m
それを聞いた最初の患者さん、「俺もそうするかなぁ」と乗ってきた。説明の手間が省けちゃった(⌒▽⌒)←省くな。
買う物が決まっている後からの患者さんのお会計を先にさせてもらい、改めて最初の患者さんの症状を詳しく尋ねた。
風邪の症状はすでに進んでいるようなので、葛根湯(かっこんとう)では間に合わない。まずは、先ほどの患者さんと同じ柴胡桂枝湯を勧めた。
その上で、咳は酷くなくて疲れの方が溜まっているようなので、地竜(ぢりゅう)を合わせて服用するように伝えた。
ハンセン病を理由に『アイレディース宮殿黒川温泉ホテル』が国立ハンセン病療養所『菊池恵楓園』(同県合志町)の入所者らの宿泊を拒否した問題で、同ホテルの前田篤子総支配人らが謝罪のため同園を訪れたとのニュース。
しかし、入所者自治会は「ホテル経営や自分の地位を守るための謝罪で誠意が感じられない」と謝罪文の受け取りを拒否したとの事。
また、法務省人権擁護局は、旅館業法(宿泊をさせる義務)違反での捜査当局への刑事告発も検討しているとか。
私も怒りやすい性格だが、それだけに怒っている人々というのはテレビで見るとその“醜さ”にゾッとさせられる。
なにより、人には“受け入れられないモノ”があるという事が、差別を解消しようという意識の高まりに反比例するように忘れられているのが私には気になる。
以前に差別について書いたように、現在の日本の環境であれば差別しない相手を探す事もできるはずで、差別したい人にはさせておけばいいではないかと私などは思ってしまう。
(10月12日の日記参照)
人が理性のみで物事を割り切り、論理的に判断するだけであったなら、それは血の通わない機械と同じである。(科学が進歩したら、いずれこの言葉も機械に対する“差別的発言”となるかもしれない。)
人間には心がある。心があるから、根拠が曖昧でも人を信じ愛す事ができる。それは、正しい知識も無しに差別する心と表裏一体であろう。
入所者らが不当に扱われ人権侵害をされてきた事には同情するが、まさに、その“心の狭さ”によって誤解され、迫害されてきたはずではなかったのか。
許す心を持てない人は、受け入れる心を持たない人と同じに私には思える。
熊本県の方も問題で、ホテル側が宿泊を断った時、社会的に不利になるというような話で再考を促したという報道がある。ようは、脅迫だ。
正しいデータを示すのでもなく、情に訴えるのでもなく、脅しにかかったのでは説得も何もあったもんじゃない。
それで、「人権侵害にあたり、旅館業法違反の疑いがある」として法務局に通報するというのは、“正しい知識の普及”に務めていないのではないか?
ホテル側は当初、宿泊拒否の理由について「ハンセン病をすべての宿泊客が理解しているわけではない。他の客に迷惑が掛かる」と説明していたそうで、残念ながらこれは“正しい”認識なのではないだろうか。
他の宿泊客から苦情が出た場合、あるいはキャンセルされた場合の事を考慮すれば、宿泊を断るというのは経営判断として間違っているとは思えない。何故なら、まさかハンセン病患者が宿泊する事を理由に他の客がキャンセルをした場合、その損失をハンセン病患者に請求する訳にはいかないではないか。
『全国ハンセン病療養所入所者協議会』の中央執行委員である平野昭氏は「理解が進んでいると思っていただけに残念。県が事前にホテル側を説得しておくべきだったとも思う」と話している。
もし県が本当に、ホテルを始めとする事業主にハンセン病患者への差別を無くすための働きかけを積極的に進める気があるのなら、まずは受け入れる事が商売として“美味しい”と認識させるべきだと私は思う。
先の県がホテルを説得する時にも、損失が出ない事を保証して、受け入れた場合のイメージのアップなどを提示するべきだったのではないか。
こう言うと、営利優先でケシカランと思うむきもあるかもしれないが、企業の利益によって多くの国民が生活できている事実も忘れてはいけない。
むしろ、営利を優先しなければならないという資本主義に基づく営利活動の原則を利用して、弱者をいたわる社会作りに活用した方が良いだろう。
差別する心には根拠は無い。根拠が無いのに、論理的に説得したってすれ違うだけで相互理解はとてつもなく難しい。
それならば、互いに理解し合う事は難しい事こそを認識し、“折り合える”点を接点として互いに“利益”を得る方が、平和的だと思う。
繰り返すが、怒っている人々というのは醜いものだ。(自戒を込めて)
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◆11月21日(金)/2003年◆
今日は大快晴。
日中の気温は25度にまで上がるらしい。
それでいて、明日は12月の気温になるという予報。まったく、ふざけた気候である。
サトウ製薬の営業マンが来店。
風邪をひいて、しばらくお休みしていたらしい。風邪の猛威が始まっているようである。
何かサトちゃんグッズなどを貰おうと、しばし仕入れの交渉。
1万円分仕入れると○○が付くなどの条件を提示されたので、○○よりも△△が欲しいというような次第。
ウチに来るお客さんや患者さんは、時として「あっ、お財布忘れちゃった」とか、「後でまとめて払うから」という事がある。と言うか、多い(^_^;)
まぁ、それで渡しちゃう方もなんなのだが、特に風邪薬とかを買いに来た人に、またお金を取りに戻って出てきてもらうのでは本末転倒なので。
かと思うと中には、たまたまお金を多く持っているからという事で、「後で貰いに来るから」とお金だけ先に払っていく人もいる。
そうすると、ツケだの先払いだの、だんだん分からなくなってくるため、レジにはそのメモがどんどん増えて少々汚らしい(苦笑)。
政府が21日の閣議で、大災害や大事故が発生した場合の基本的な初動体制を定めた危機管理マニュアル“緊急事態に対する政府の初動対処体制について”を決定したとのニュース。
地震や噴火などの自然災害や大量殺傷事件が発生した場合を想定しているそうで、基本的な初動体制を統一して、徹底した方が臨機応変に対応できると判断し、従来のマニュアルは廃止したとの事。
それにしては、「<1>危機管理監が事態に応じて緊急参集チームを集める<2>官邸対策室、関係閣僚協議、安全保障会議、対策本部を設置する<3>官房副長官は官房長官を補佐し、事態に応じて政府の対応に関して総合調整を行う。」というのは、“初動対処体制”と“臨機応変に対応”というのに反しているように思えるのだが。
アメリカの場合、その現場に公務員がいれば役職上の上司が現場指揮を執る権限を持つように定められている。また、国の軍隊が動けない場合には、自治能力のある集団が武器を持って行動する事を認めている。(州によって違うかもしれないが)
緊急事態の時に、チームを集めるとか対策室を設置するという発想が悠長だという事になぜ気がつかないんだ(^_^;)
確かに今回の危機管理マニュアルは、“政府の”対応策として作成したものだろうが、1~3のいずれも当たり前すぎてわざわざ決める必要があったのかという気がしてならない。
むしろ阪神淡路大震災を教訓にするのであれば、知事に近隣の自衛隊基地に出動を要請ではなく命令できる権限を与えるとか、負傷者の手当てで医療過誤があったとしても罪を問わないとか、本当の初期の初期、政府が本格的な介入を始めるまでの対策を決めてもらいたい。
森元総理は、えひめ丸が米原潜と衝突して沈没した時、自分が官邸に駆けつけても仕方がないとしてゴルフを続けていために非難されたけれど、現場からすれば政府の初動体制なんて確かに「どーでもいい」事なのだ。
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☆締切:2003年12月1日から3日間
~~~~~~~~~~~~~~ ≪読者より一言≫ ~~~~~~~~~~~~
(通巻37号はコチラ)
☆共感する事もあった
抗がん剤の保険適応について。全く、何とかして負担を減らして欲しいものです。モルモットにされた挙句、毎月何万円も負担なんて、踏んだり蹴ったりですからね。
あと<X’mas>の話、確かに間違いが横行してますねー(笑)。(MIKA)
★抗がん剤の保険適応については、ちゃんと動き始めたようです。患者さんの期待を裏切らない運用をしてもらいたいですね。
クリスマスの表記に関しては、グーグルで検索してみたところ、『X’mas』が約1,540,000件、『Xmas』が約2,890,000件ヒットしました。一瞬、ずいぶんと間違いがあるんだなーと思ったのですが、『X-mas』という表記もあって、それが『X’mas』の類似としてヒットしたようです。でもって、『X’mas』の表記をしているのはほとんど日本語ページばかりでした。ちょっと恥ずかしいかも(^_^;)
■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
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URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
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◆TRPGのサークルに所属しています。
卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
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このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/を利用して発行しています。
解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
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≪通巻36号≫
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編集 : 北村俊純
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~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
※11月11日(火)……“手続き”と“緊急”のバランス
※11月12日(水)……客には客の物語がある
※11月13日(木)……奥さんを病院に放り込むまで
※11月14日(金)……子供の風邪
************************* 先週の平凡な日記 *************************
◆11月11日(火)/2003年◆
冷え症の相談に患者さんが来店。
しかしお話しているうちに、あれやこれやとかなりの心配性な印象を持った。
印象だけでは判断できないので、夜はよく眠れているかを尋ねたところ、やはり寝つきが良くない模様。
そこで、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を勧めてみた。
循環器疾患に用いる漢方薬で、冷え症のある人で神経質な人の不眠に効果がある。
神経質な人は血管が収縮したりして血の流れが悪くなり、それが冷え症に結びつく事がある。
その場合は、体を温めたりする漢方薬よりも、まずは鎮静作用のある方が合うだろう。
病院で貰っている薬の相談に患者さんが来店。
高脂血症の薬を飲むとだるくなるとの事。
それならば、まずは医師に相談をしてもらう方が早いのだけれど。
ウチでは、薬の説明をしたりするのは可能だが、服用をやめましょうとまでは言えない。(もちろん急な症状の悪化などがあれば服用を中止した方が良いが。)
なにより、ウチで処方した訳ではないので、ウチから病院に連絡するという訳にもいかない。
とにかく、やめるにしてもまずは担当の医師に連絡するように伝えた。
どうも、医師に対して相談するのを臆する人がいるが、医師もまた客商売である。そして、扱っているのは患者さん自身の健康である。客商売は、「お客様は神様です」が基本。健康をお金を出して“買う”以上は、どんどん相談した方が良い。
とはいえ、ケンカごしに質問して、肝心な事はなんにも耳に入らない患者さんもいるんだよなぁ(苦笑)。
癲癇(てんかん)の予防になるような漢方薬はありませんかと、相談に患者さんがみえた。
一口に癲癇と言っても、原因が様々なので難しい。脳の障害が原因の場合には、さすがに漢方薬ではどうにもならない。
子供の癲癇には、小柴胡湯(しょうさいことう)を用いるのが基本。
今回の患者さんの場合は、症状そのものは重くなく、頻繁になる訳ではないとの事。ただ、季節的なものが関係していて、寒くなってくると自覚症状が現れるらしい。
そこで、軽度の癲癇の予防として、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を勧めた。
効能書きには“しぶり腹”や“腹痛”としか書いてないのだが、芍薬(しゃくやく)には緊張を解いたり痙攣を抑える作用があり、癲癇にも効果があると考えられる。
また、便秘を伴う場合には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を用いると良いようだ。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と桔梗湯(ききょうとう)を求めて患者さんが来店。
以前から漢方薬を使っていただいている患者さんなので、風邪の時に使う漢方薬を覚えていた模様。
ところが商品の会計をする段になって、患者さんの職業が咽喉を使う職種だという事を知らされた。
となると、扁桃腺炎に使う桔梗湯よりも、肺から咽喉にかけて潤いを与える麦門冬湯(ばくもんどうとう)の方が合うと思い勧めた。
職業の事を訊かれるのを嫌がる人もいるので、なかなかキッカケが掴めないと難しいのだが、もう少し早く尋ねておけば良かった。
漢方薬に限った事ではないが、職業上の環境なども治療のための大事な情報となる。こちらとしてもイキナリは訊きにくいので、できれば相談する際には教えてもらいたい。
明日には奥さんを入院させる予定なので、医療センターへ入院手続きに行った。
受付で入院手続きについて尋ねると、入院受付窓口に行くように教えられたのでそちらに向かう。
医師からはすぐにでも入院をと言われていたので手続きは事務上の事だけだと思っていたら、事務員には「医師の指示書が無いと入院手続きはできません」と言われてしまった。
医師からは口頭で入院を勧められた事、昨日電話で問い合わせた時には今日にでも来て下さいといわれた事を話したが、「まず医師の診察を受けて下さい」と言って譲らない。
実は、こういう医師と事務方の対応の違いというケースはかなりある。
女友達のAさんなどは妊娠8ヶ月目で陣痛が起きてしまい自力で病院に行ったところ、待合室で破水してしまった。
医師は急いでベッドの用意を看護士に指示したものの空きベッドが無く、やむなく癌などの重病患者の病棟に運び入れた。
ところが、事務方が「入院手続きをしていない」という事で医師に抗議したという。
そのやり取りをベッドで横になっているAさんのそばでするもんだから、なんだか自分が悪い事でもしたかのようで不安になってしまったとか。
ちなみに、Aさんは無事に出産する事ができた。
ただし、この“手続き”に拘(こだわ)るというのは、ミスや事故を防ぐためには大事な事でもある。予定の無い病棟に患者を入れて、後で患者の取り違えでも起こったら、それこそ大変である。
人間なんて勝手なもので、“自分の都合が優先”されないと腹が立つクセに、後でそれがどんな結果を招くかまでは考えずに「お役所仕事するんだから」と怒る。
一方で、手続きに拘るあまり、緊急時の対応ができなくて手遅れになるケースもある。臨機応変にと言うのは容易(たやす)いが、難しい問題だ。
一応今回は、緊急性はあるものの、これから世話になるのに最初からケンカしても不都合なので、とりあえず事務方の顔を立てて、「では診察を受けてから入院するという事でどうでしょう。ただし最短の日程で」と提案した。
事務員が産婦人科病棟に連絡をして、明後日の診察の予約が取れたので、ひとまず解決。
でもまぁ、本来なら医師と事務方の間のスリ合わせは、患者が考える事じゃなくて、病院側でやる事だよなぁ(・_・)
◆11月12日(水)/2003年◆
アレルギー性の皮膚炎の相談で患者さんが来店。
以前からピアスをしていたのに、最近になってピアスの周りが赤味を帯びて痒くなってきたという。
この、“今まではなんともなかった”というのは花粉症と一緒で、ある日突然症状が現れるのがアレルギー性疾患においては珍しい事ではない。
イメージとしては、コップに少しずつ水滴を垂らしていく様子を想像してもらうといい。コップのサイズは人それぞれである。
少しずつアレルギー物質が体内に蓄積されて(より正確には物質に対する抗体が蓄積されて)、コップが一杯になるまではなんの反応も出ないが、やがて満杯になり、ある日突然水が溢れてこぼれ出す───。
だから今は大丈夫でも、誰がいつ発症するかは分からないのだ。
アレルギー性の皮膚炎の場合、まず最初に選ぶ漢方薬としては、ウチの場合は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)となる。
または、冷え症な人の慢性湿疹には当帰飲子(とうきいんし)を用いる。
しかし、今回の患者さんの場合は、見た目では色白く、やや水太りの傾向がある。本人にじかに「水太り体質ですね」とは言えないから、「もしかしてダイエットなどはした事ありますか?」と尋ねてみた。
ダイエットをすると栄養が偏って皮膚に異常が出ることもある、という嘘ではないがちょっと横道から話をもっていく。
水太りの人は水の代謝が悪いからであって、それがアレルギー症状を激しくしている事がある。その場合、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を使うという方法がある。
以前に水太りの傾向があって金属アレルギーの患者さんがおり、その患者さんは防已黄耆湯を1ヶ月ほど続けたところ、今ではネックレスやイヤリングを装着しても大丈夫になったのだ。
今回の患者さんは、痒み止めの軟膏をすでに使っているという事だったので、その軟膏を使いつつ防已黄耆湯の服用を勧めてみた。
また、ピアスをしばらく付けていないと穴が塞がってしまう事を心配されていたので、行き付けのアクセサリーのお店があるようだったら、そのお店で材質の相談をするように勧めた。
一口に金属アレルギーと言っても、特定の素材にだけ反応するのであれば、別な素材の物を見立ててもらう事で軽減する事もできる。
胃が痛むという患者さんが来店。
胃薬をとの事だったが、念のために“痛くなる時の条件”を尋ねてみた。
お腹が空くと痛くなるのと、食べて痛くなるのとでは、用いる薬はおのずと変わる。
初めは空腹や満腹とは関係無さそうという事だったが、お話をしているうちに、「疲れると胃が痛くなるようだ」と言われた。
疲労から来る胃腸障害という事は、体が栄養不足で悲鳴をあげているのだろう。普通は風邪などに使うのだが、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めてみた。
胃腸が疲れた時に胃薬を使えば、その成分を分解するのに肝臓が余計に働かないとならなくなって、ますます体が栄養不足になってしまう事がある。胃痛がするからと、簡単に胃薬を使うよりは“養う”方が良い事もあるのだ。
奥さんに入院前の夕食に何を食べたいかメールで訊いたら、ピザという答えが返ってきた。
それも『ピザハット』である。入院前の最後の食事が宅配ピザかい(笑)
http://www.pizzahut.jp/
家のすぐ近くに店舗があり、直接取りに行くと割引になるので、電話で注文してから受け取りに行った。
実のところ私もピザは好きで、奥さんが「疲れた~。今日は夕飯作りたくない~」と月に1~2度は言うので、その時に利用してきた。
で、今日は商品を受け取る時に、ウチの奥さんが入院するのでしばらく来れないかもしれません、とアルバイトの店員に挨拶した。
こんな挨拶、余計な事でしかないのだが、このお店、マニュアルがどうなっているのか、店員の質の落差が激しい。そのうえアルバイトの入れ替わりが激しいため、ものすごく良い店員さんに出会った後に、客を客とも思っていないような店員に当たる事もしばしばであった。
でも、知っておいてもらいたいのだ。余計なお世話だけれども、“客には客の物語がある”のだよと。
例えば、医師や看護婦などは“患者(お客)と死に別れ”という事は当然のように珍しくない。
薬局だって、“お得意様”がお店に来なくなった時、元気になったか、他のお店に行くようになったかの他に、「このあいだ亡くなったのよ」という話が伝わってくる。
ウチの奥さんは、入院の準備のために日用雑貨をコンビニで買ってきた。
今回の入院は、本人自体はそれほど重篤な訳ではないけれど、もしかしたらコンビニで歯ブラシを買ったその人は、自分のためではなく誰か入院した家族のためかもしれない。
ファーストフードでハンバーガーを買ったその人は、事故で亡くなってそれが最後の食事となるかもしれない。
そんなお客の物語や運命などは、売る側からはなんの関係も無い事だ。しかし、想像はして欲しい。
マニュアルさえあれば誰にでもできる仕事だったとしても、自分にしかできない最高のサービスを目指して欲しい。
そんな思いから出た言葉だった。
今日のアルバイトの人にどう受け止められたかは分からないが、少なくとも自分もまたそうあらねばと、思いを新(あら)たにした。
思い出したので、補足トリビア。
「新しい」は……、「あらたしい」と読むのが正しい。「あたらしい」は、間違った読み方が広まったもの。
◆11月13日(木)/2003年◆
今日は奥さんを病院に放り込む予定で、叔父に車を出してもらった。すでに入院に必要な着替えなどの荷物をまとめておいたので。
10時の予約時間前に病院に到着して待合室で待っていると、前回と同じように担当のT医師の名前が、患者の順番を表示してあるモニターから消えてしまった。
またも、緊急手術が入った模様。
(11月10日の日記参照)
このまま叔父に待ってもらうのも悪いので、順番が回ってきて入院手続きが済んだらまた来てもらう事にした。
そのまま、お昼近くまで待ってみたものの、一向にT医師は診察に戻ってきそうもない。
私は私で、正午からサトウ製薬の新製品の説明会に出席しなければならないため、奥さんを残して一度お店に戻る事にした。
お店に戻ってメールチェックをすると、数件の健康相談と漢方薬の注文が入っていた。
説明会が何時に終了するのか分からないので、処理してから出かける事に。
やや焦っているので、メールを返信する前にいつもより念入りにチェック。
思ったより時間がかかってしまい、30分以上遅刻して会場のワシントンホテルに到着した。道に迷ったのも痛かった。何度も来た事のあるホテルなのに。
ホテルの出入りの業者による弁当が昼食としてテーブルに用意されていたが、ほとんどの人がすでに食べ終えていて、説明会が始まるところだったので、終わってから食べる事にした。
ああ、お茶くらいは欲しかったな。
サトウ製薬の新商品に関しては、サトウ製薬のホームページに記載してあるので、そちらを参照されたい。
http://www.sato-seiyaku.co.jp/
いずれにしろ、ウチでは店頭売りだけで、基本的には通信販売では扱わない予定。どうせ、ドラッグストアーで取り扱いを始めたら値崩れするのは必至。
情報としては、沖縄県と長崎県では、9月にインフルエンザの患者を確認したそうである。これは例年よりも早く、おそらく今後急速に広まるであろう。なので、風邪関連の商品を充実しておきましょうという話。
みなさん、風邪の漢方薬セットをよろしく(笑)(現在は中止)
説明会が終わって、他の参加者たちが営業マンから実際の商品を前に説明を受けているうちに、出された弁当をかき込む。あいかわらず、このホテルに出入りしている業者の弁当はセンスが悪い。焼き魚を2種類も入れて、なんの意味があるのか。せめて美味しければいいが、身はパサパサでタレはまったく魚自身の味を引き立てていない。
ホテルなんて費用のかかる会場を借りて、高い弁当を用意して、本当に営業費として採算が合うのだろうか。ねぇ、サトウ製薬さん?
ただし、先に載せたサトウ製薬のホームページを見ると分かるが、お金をかけるべきところにはしっかりかけているのも確か。製薬会社の中では、一般の患者さんにとっても販売店にとっても、使いやすくて役に立ち、それでいてセンスの良いホームページを作っている。
ウチの、ショボイホームページもなんとかしないとなぁ。
15時頃には説明会も終わって、すぐにお店に戻った。
さすがに奥さんの方も診察を終えて入院手続きを終えているかと思いきや、お店に電話してきて、お母んに「帰ります」と言ったらしい。おいおい(^_^;
なんでも、T医師からは切迫流産の可能性があると言われ、すぐにお腹の張りを緩める点滴をするように勧められたのだが、入院費込みで月に20万円くらいの費用がかかるとも知らされて、断ってしまたのだとか。
アホーーーーーーーーー!!!
切迫流産といったら、まさに流産しかかっている緊急状態である。
普通、切迫流産の可能性アリと診断されたら、「妊娠を継続“できる可能性”もあります」という、マイナスの方に大きく傾いているという事だ。
私は自分の子供なんて欲しくないけど、欲しがっていたお前がそんな事で迷ってどーする。
まぁ、お金の心配をさせてしまう私の甲斐性ナシも悪いのだけれど_(._.)_
とにかく、「金で命が買えるなら買っとけ」というのが我が家の家訓である。(今できた。)
ちょうどまた奥さんから電話が今度は私の携帯にかかってきたので、病院で待っているように言い聞かせて駆けつける事に。
スクーターを飛ばして(交通法規は守りましょう)病院に到着すると、呆れた事に奥さんは待合室で待っていた。
点滴だけでも受けとけよぉ(^-^;;;
私が到着した事で看護婦さんがT医師を呼びに行った。すると、T医師はなんと手術着で現れた。帽子も被り、両手には手術用の手袋をはめている。
これから手術をするところだったらしい。午前中にも手術をして診察もしていたはずである。いったい、いつ休んでいるのか。こんな労働環境じゃ、そりゃ医療ミスも起こるよな、と別な事を思ってしまった。
そして、T医師が「どうなさいますか?」と訊いてきたので、「入院させます」と即答した。
一応T医師は「奥さんの意思の方は?」と尋ねてきて、奥さんが何か言おうとしたのを見て私は、余計な事は言うなよーと心の中で思ったのだが、今度はアッサリと「入院します」と答えた。
ズコーーーッ(・_゚)!!!
だったら、早く決めとけよー。なにも私が来るのを待つこと無い。
T医師の方は、なんでもこれから、子宮筋腫が10個もある患者さんの手術をするのだとか。手術前に煩わせて申し訳ない。
「それじゃ、ベッドの方は用意できていますので」とT医師は手術室の方へと消えていった。
代わって看護婦さんが病室の方に案内してくれた。
本当に点滴が用意してあって、完全に病院の方は入院の準備を整えていてくれたようである。それを直前に断りやがって( ̄▽ ̄)
ベッドに横になるように指示された奥さんは、先に点滴を始めてから、入院にあたっての書類に看護婦さんが口頭で質問しながら記入していく。
何か質問はありますかと訊かれて、奥さんはテレビの事やお風呂の事などを質問した。そりゃまあ日常生活に関する事を訊きたくなるのは分かるけど、手を焼かせた上に恥をかかさんでくれーσ(^◇^;)。
入院のために用意した荷物の他に、いろいろと必要な物を思い出したので、叔父に電話して私が足りない荷物を用意してから改めて一緒に病院に運んでもらう事にした。
しかしなんだな、病院の中は携帯電話の使用は禁止だから、そのたびに外に出るのは面倒臭い。
病院の壁には、「医療スタッフが使用しているのは医療用のコードレスホンです」という張り紙があるが、何の事はない、ようはPHSだ。
よく携帯電話とPHSは一緒くたに扱われるが、実はまったく別な技術と思想によって生まれた物である。
携帯電話は、初めから個人用途の携帯電話として開発されたが、PHSの方は家庭電話を“外に持ち出す”ために開発された。だからPHSは電波の到達距離が短く、発売当初は通話圏内が限定され、携帯電話にシェアを大きく引き離されてしまった。
その後、PHS会社は至る所にアンテナを設置して、通話圏内を広げていく過程において、“携帯電話と同じ”というコンセプトで販売台数を伸ばしていった。
ところがである。携帯電話が医療機器に障害を及ぼす事があるという情報が世間に広まった時に、逆にPHSの優位性をアピールしずらくなってしまった。
その優位性とは、医療機器に影響を及ぼさないという事である。5年ほど前の実験データによると、携帯電話の電波の影響距離が半径3mなのに対して、PHSはわずか20cmだったという。
だから、鉄道などの車内放送では「心臓ぺースメーカ等に影響があるので」とアナウンスしているが、実は心臓ぺースメーカーなどの医療機器を体内に入れている人たちは、以前からPHSを使用しており、なんら問題は無いのだ。
さらに、最近では携帯電話の機能が飛躍的に向上して、ネット機能やカメラ機能が搭載されるようになっただけではなく、電波の影響距離も今や20cm以下となっているのだ。
病院では万全を期すために携帯電話を使用禁止にするのは当然かもしれないが、そろそろ全面的な使用禁止以外の対応を検討する時期に来ているのではないだろうか。
例えば、家のセキュリティや子供の安全のために携帯電話を利用するサービスがすでに始まっている。病院で診察を待っている間、入院している間、お見舞いに来ている間、それらの機能を利用できなかったら、せっかくの安全対策が活かされない事になる。
とりあえず奥さんの方は、これから数日の間は、毎日16時間ほど点滴を続けて様子を見る模様。
なんとか病院に放り込んで、ヤレヤレである。
帰りぎわに、自分が入院している間に浮気をしてもいいけど家には連れ込まないように釘を刺された。うう、読まれてる(苦笑)。
家に連れ込んだ方がホテル代が浮くという私の提案は却下された(・_・)ノ
◆11月14日(金)/2003年◆
子供が風邪をひいたという事でお客さんが来店。
いつもならば、子供の風邪には麻黄湯(まおうとう)を勧めているのだが、症状を詳しく尋ねると吐き気がしているらしい。吐き気があるのでは、麻黄湯は使えない。何故ならば、麻黄湯は熱を出すことで体が風邪と戦うのを支援する漢方薬である。それゆえに自身のエネルギーを必要とし、胃にも負担がかかる。
吐き気がするという事は、すでに風邪が胃腸に影響を与えている訳で、次の選択としては柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が候補に上がる。
しかし、普段から体が弱くて風邪をひきやすい方だという話も伺ったので、小柴胡湯(しょうさいことう)の方を勧めた。小柴胡湯は、胃と肝臓に栄養を与えて、体の土台を整える。子供の風邪の予防としても使えるので、冬場には1日の回数を減らして服用するのも良い。
また、もしも吐いた時には二陳湯(にちんとう)を合わせて服用するように勧めた。乗り物酔いなど、吐き気や嘔吐一般に用いる漢方薬である。
午後になって、奥さんから頼まれていた着替えなどを病院に届けた。
ベッドが硬くて寝にくいだの、食事が不味いだのと愚痴をこぼす。
自覚症状が無いだけ、まだマシなもんである。私が顎の手術を受けた時には、流動食用の管を胃に入れたままでそれが胃壁に当って痛くて夜も寝られなかった。そのうえ、食事は流動食だったから、注射器のような道具で胃に流し込んでハイおしまいという味気無さ。
まぁ逆に言えば、流動食だったから味は関係なかったけれど、食べれるのに美味しくないのは、それはそれで苦しいか。
確かに医療センターの食事は美味しくないという評判が高い(低いのか)。
JR西川口駅の方にある埼玉県済生会川口総合病院の方などは、入院していた患者さんが「食事が美味しくてねぇ、退院するのが残念だったわ」と言うくらい美味しいらしい。
http://www.saiseikai.gr.jp/
しかし、奥さんが入った部屋は2人部屋である。ここしか空いていなかったのだ。そのうえ、今は片方のベッドは空いているので、実質個室である。贅沢なのよ、分かってる?
4人部屋は、テレピがプリペイドカード方式で見放題という訳にはいかないし、他の患者さんのお見舞いの人が出入りして落ち着かない。
ところが、奥さんはそっちの方がいいと言う。1人で部屋にいるのは嫌だとの事。
私なんか、1人の方がいいけどなぁ。
まぁ、そう言うのならば差額ベッド代が馬鹿にならないので、看護婦さんの方に4人部屋に空きができたら回して下さいと伝えた。
社民党の土井党首が辞任というニュース。
先の衆議院選挙の敗北の責任と、自身の小選挙区での落選を踏まえてのものだとの事。
マスコミの方は、土井氏の軌跡を辿って“栄光と挫折”というように扱っていた。それも、かなり意地悪な編集で。
しかし、私は平和を声高に叫びながら一切の具体策を提示しない、それこそ流行語(?)にもなった「ダメなものはダメ」という思考停止のような土井氏は大嫌いだが、全盛期の旧社会党と現在の社民党を比較して、土井氏を責めるのも少し酷ではないかとも思う。
そもそも社会党は労働者のための政党として活動してきて、主に労働組合などの組織票に支えられてきた。
そこに市民運動家などが流れ込んできて、“庶民の味方”という政党イメージをアピールして政界の中で一大勢力となっていった。
ところが、時代の流れで「搾取する経営側と、搾取される社員」という対立構造は崩れ、バブル崩壊後の平成大不況においては経営者と社員は協力関係を築くようになり、社民党の中で労働組合派と市民運動派が対立。そしてついに社会党は分裂し、労働組合派は民主党に合流し、市民運動派が社民党になって残った。
つまり、現在の社民党は実質的には旧社会党の支持基盤であった労働組合ではなく、市民運動家を中心とした別な政党であり、本来の旧社会党の労働組合派は民主党と合流する事で、すでに旧社会党は消滅しているのだ。
市民派の政党として2大政党制を目指す民主党の方が、組織票に頼る旧社会党の労働組合系の議員を取り込んだというのは、なんとも皮肉な成り行きである。
昨年の2月に、交差点を乗用車で右折中、直進してきた原付きバイクの男性をはねて重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた都内に住む主婦に対し、無罪(求刑・罰金20万円)判決が出たというニュース。
略式起訴を退けられた末に無罪となるのは極めて異例だとの事なのだが、事故の概要からすると、なんで起訴されたのかの方が不思議。
当時、主婦の対面信号は赤に変わっており、右折しようとしたところ、原付バイクが直進してきたという。それならば、赤信号で交差点に侵入してきた原付バイクの方に過失があるのは明らかなはず。
ところが担当した検事は主婦に対して、「赤信号を無視する車両があることはよく経験することで、この交差点でも十分予想できた。」として供述調書に署名させて略式起訴したのだとか。
そりゃ、確かに赤信号を無視して直進してくる車やバイクはあるけれど、違反している方の過失を問わないってのは、どういう事なのか。単に自分が仕事を楽したかったからとしか思えない。
今回の判決で、裁判官が「当時、主婦の対面信号は赤だった。『赤信号を無視して新たに進入する車両はない』と判断して右折を開始したのはごく自然であり、犯罪の証明はない」と述べたというのは当たり前に過ぎるだろう。
ところが呆れた事に、東京簡裁が略式不相当として裁判を始めると、検察の方は信号に関する目撃証言を「事故当時の信号は黄色だった」と変更したのだそうだ。
さすがに裁判官の方は、「信用性に重大な疑問がある」として退けた。そりゃそうだろう。人を馬鹿にするのにもほどがある。
とかく事故を起した時には頭が混乱してしまい、警官や検事に言われるままに書類に署名してしまう事があるというから、自分が冷静になるまで、あるいは弁護士が決まるまでは気をつけなければならないだろう。
ちなみに、逮捕拘留されると基本的に私物は取り上げられ、自分の手帳なども見せてもらえないそうである。つまり、家族と連絡がつかない場合、他に連絡をしようとしても電話番号を確認する事もできないのだ。
最近では携帯電話などに電話番号を入力しているため、電話番号を記憶しているという人は少ないそうだから(私もそうだし)、いざという時に連絡しようと思う人の電話番号は暗記しておいた方が良い。
と、以前に逮捕拘留された知人が申しておりました(苦笑)。
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★彡☆-=★彡 それさえもおそらくは平凡な薬局 ★彡☆-=★彡
≪通巻34号≫
提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
※11月4日(火)……浮浪者も大事
※11月5日(水)……国政選挙で地元から推す意味
※11月6日(木)……子宮筋腫発見!
※11月7日(金)……風邪の患者さんが次々と
************************* 先週の平凡な日記 ***************************
◆11月4日(火)/2003年◆
病院からの処方箋を持ってきた患者さんの薬で在庫に無い物があったので備蓄センターまで取りに行く事に。
注文してお店を出ようとしたら、お母んに「たまには運動しなさい」と言われて、自転車で行くことにした。確かに。
天気も良くて、土手沿いに行くと風が気持ち良く、土手の斜面に咲いている花も綺麗で心が和む。
………って、これってマズイんじゃ(^_^;
花粉症になるぞ俺(苦笑)
原沢製薬の営業マンが来店。
たまたま近くに来たので立ち寄ったとの事。
『アスタロン』を立て続けに発注しているので、どうしたんですかと尋ねられる。
どうしてなのかは、コチラも謎(笑)
あ、いやいや、固定客がついてくれたお陰で入荷をすると右から左へと売れていくのだ。
医薬品ではなくあくまで健康食品なのだが、飛蚊症(ひぶんしょう)が軽減したり、目の疲れが改善したりと結果を実感できるらしく、試した人がほとんど継続してくれるうえ、どうやら人にも勧めてくれているようなのだ。
一方で、なかなか売れないのが『ネオレバルミン』。
国内の薬局で販売できる肝臓疾患の薬としては効果も相当に期待できるものの、いかんせん肝臓疾患はちょっとやそっと改善しても自覚できない。なにしろ、自覚するくらい症状が悪化していたら入院しなきゃならないくらいだし、血圧のように日常的に肝臓の働きを測定できる訳ではないから、客観的な判断ができないのが、今ひとつ購買につながらない要因だろう。
“肝臓病を治す奇跡の薬!!”とか宣伝したら売れるのだろうか(^^ゞ
お店に近所の人から電話が入った。
商店街のシャッターの下りたお店の前に浮浪者がいるという。浮浪者がいるのが不安なのだろうとは思うが、なんでわざわざウチに電話してくるのか。
しばらくすると、やはり近所のお店の主人がウチに来て、浮浪者がいて不安だと漏らす。さらに、警察を呼ぼうかとまで言い出した。
何をそんなに騒いでいるのかと思って、その浮浪者を見に行ってみたら、なんの事はない。以前から、この辺りで寝泊りしている人だ。
近所の人たちも知っているはずである。商店街の方に来るのは珍しいが、夕方から雨になったから、雨をしのぐために軒先に屋根があるお店の前に来たのだろう。
誰かが本当に警察に連絡したらしく、パトカーが来て、浮浪者はどこかへ行ってしまった。
呼んだ当人かどうかは分からないが、警官に「来るのが遅い」と文句を言っていた。
しかし、浮浪者がいて何が悪いのかね。
そりゃあ確かに気味悪いとか不潔そうだとかは思うが、別に実害がある訳でもなし。
それどころか、実は浮浪者は大事な存在なのだ。
例えば空き巣や泥棒が入るのは、“人目(ひとめ)”が届かない所だろう。閑静な住宅街が狙われるのは周知の通り。
浮浪者がいるという事は、人目がある訳だから空き巣や泥棒はまず避ける。
また、警察官の友人に聞いた話だと、事件や事故の目撃者捜しの時に、浮浪者は重要な情報源になるのだとか。
実際、深夜など人通りが少ない時間帯の場合には、屋外で寝泊りしている浮浪者ならば見ている場合があるし、毎日同じ時間帯に通りがかる人の顔を覚えていたりするため、見知らぬ人がいたり、いつも見かける人が違う時間帯に通ったりすると良く覚えているのだとか。
いわば、浮浪者が監視カメラと同じ役割を果たす事があるのだ。
だいたい、日々の事件のニュースを見れば、浮浪者が被害にあったり、浮浪者同士の喧嘩などはあっても、浮浪者による凶悪犯罪というのはあまり無いはず。それなのに、どうしてそんなに警戒するのか。
私はまだ浮浪者になった事はないけれど、浮浪者の側からしてみれば居場所を転々とするよりは、落ち着ける場所は大事にしたいと思うのではないだろうか。初めて見る顔ならば警戒する必要もあるだろうが、いつも見かけるのならば気にする必要は無いようにも思う。
奥さんが珍しくお寿司を食べたいと言うので、JR東浦和駅の近くの『赤坂』に行く事にした。
場所は、JR東浦和駅を出て左に曲がってまっすぐ行くと、ゆるい下り坂の左側にある。
一応ここは回転寿司なのだが、いわゆるチェーン店の回転寿司とは違い、日本料理屋の隣、と言うより一部のようなお店で、ネタの味がかなり良い。
行った時間が21時を回っていて遅いためかコンベアーには何も乗っておらず、食べたい物を順次注文していく。
まぁ、この方が握りたてを食べられるので不都合も無い。
笑ったのが、イクラやウニなどの高めのものを注文すると職人さんが「少々お待ち下さい」と言って姿を消し、隣の日本料理屋から運んで来た事。
ネタを日本料理屋と一緒に仕入れているのだろう。ウニは、たまたま一切れ分が余るという事で、通常は2個のところを3個にオマケしてくれた。
そして、甘エビを尾頭付きで出されて、身の部分を寿司として食べた後に、頭を食べたそうにしているのを見て取ったのか(どんな顔をしていたのかは謎だが)、「頭を焼きましょうか」と言ってくれたので、お言葉に甘えて焼いてもらった。
家でも甘エビの刺身を焼いてお酒のオツマミにしたりしているが、さすがにネタの鮮度が違うのと、プロの職人さんが焼いてくれただけあって抜群に美味しい。
奥さんは「いらな~い」と言っていたけれど、こんな美味しい物お前にはもったいなくてあげられんわ(笑)。
美味い美味いと、ずいぶんと食べたつもりだったが、2人合わせて5千円に収まったのは安かったからなのか、私たち夫婦が小食だったからなのか。
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感想や健康相談はコチラ(・v<)
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◆11月5日(水)/2003年◆
目薬を欲しいというお客さんが来店。
製品名を指名されたもののウチには置いていないので問屋さんに注文が必要。
指名された目薬が抗菌目薬なため症状を尋ねたところ、人に頼まれて買いに来た模様。
抗菌目薬ならば、特に使用感が変わるわけでもなく同じような成分の別製品がある。すぐに必要ならば、その方が良い。
そうお話をすると、携帯電話で依頼主に電話してみたようだが、無ければいらないとの事。
何故に製品を限定しなければならないのかコチラとしては謎だが、好みだかなんだか拘る事柄があるのだろう。
とりあえず買いに来たお客さんには、症状に合わせて選ばないと、目薬のように数社から何種類も同じような商品が出ているのを指名で捜すのは難しいと伝えておいた。
風邪が治らないという患者さんが来店。
何か薬を飲んでいるのかを尋ねたら、葛根湯(かっこんとう)を飲んでいるとの事。
しかし、風邪の方はもう一週間ほど経っていて、咳も続いているらしい。
それならば、もう葛根湯の適応ではない。激しい咳や咽喉の痛みは引いて、最後の後押しが必要な感じだったので、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)の方を勧めてみた。
今日はお店を早くあがって出かけなければならない。
行きたくはないのだが、選挙の応援である。
川口市には医師会・歯科医師会・薬剤師会からなる『川口三師連盟』というのがあり、今回の選挙では自民党の新藤義孝氏を推すと言う事で、その集会があるのだ。ヤレヤレ=3
http://www.sainet.or.jp/~shindo/
集会の便宜上のタイトルは『より良い医療を求めて! 川口市民の医政を語る会』となっていた。
「なっていた」というのは、全然そんな話など無かったから(笑)
開会の挨拶を歯科医師会会長が、主催者挨拶を医師会会長が、〆の挨拶を薬剤師会会長が行ったのだが、それぞれ挨拶と共に“自分の主張”を唱えていた。肝心の新藤氏は、それらに「必ずやります」と言っていたが、どれを実行するんだよ(笑)
しかも、新藤氏は堂々と小泉首相の改革に反対する姿勢を示している。
以前から私は、「反対するなら力の無い野党より政権政党の中でやるべき」と思っているので、それ自体は良い。
しかし、自分たちの既得権益しか考えていないように思える集会を票集めのために利用するという姿勢はどうか。
今日の集会にしても集まり具合は7割以下で、とても組織票は望めない。小泉改革の是非は別にして、小泉首相が言ったように特定の組織に頼らずに選挙運動をするべきではないのか。
そして、そのような特定の組織における集会だからなのかもしれないが、やたら川口市のためという利益誘導の発言も、私は国政選挙という事を考えれば納得できない。
企業誘致や、今回の集会で言えば川口市の医療行政に関して何かをやるのは地方選挙で選ばれた議員たちがやる事で、国会議員がやる事ではない。
川口市民の国政への意見を国会に“持っていく”のが国会議員の仕事であって、別に国から地元に“持ってくる”必要は無い。
いくら良い事だとしても、国から何かを地元に持ってくるというのは、とかく悪く言われる建設業や道路行政と根っこが同じで、私は推す気になれない。
国会議員に地元への利益を期待する有権者の方も問題かもしれないが、だからこそ特定の組織の票に頼る事を新藤氏にはやめてもらいたい。
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◆11月6日(木)/2003年◆
朝早くに病院の検診に出かけた奥さんから電話。どうやら、子宮筋腫が見つかったらしい。それも、かなり大きいようである。
お店に来たので詳しく訊くと、妊娠できたのが不思議なくらいの状態らしい。
しかし、半分は自業自得である。実は以前から奥さんは生理の時の出血が多く周期も安定していないため、体質的に子宮筋腫になる確率は高いと思っていた。そこで予防のために当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を渡しておいた。
ところが、3日も飲まずにそのまま服用をやめてしまったのだ。
他にも、病気をした時にはすぐに薬をあげるのに、大抵は勝手に使うのをやめて、症状が重くなってから大騒ぎする“常習犯”なのだ。悪い患者の見本である。
言うこと聞かない患者さんの事なんて知りません(・_・)
そして医療関係者は、身内には冷たい(笑)
赤の他人である患者さんには親身になって治してあげなければと使命感に燃えるが、身内だとよほどの大病でもなければ「まぁ、大丈夫でしょ」となる。
なので、お母んも「大騒ぎするんじゃないの」と、奥さんを嗜(たしな)めた。
私は私で、「これはメールマガジンのネタになるかも」とヒドイ事を思う。
とはいえ診察した医師からは、出産するまでの入院を勧められたというから楽観はできないようだ。
もとより、通常は流産の確率というのは一般に思われているよりも高い。一説には、3割近いという。
それが現在、一般的に「妊娠したら生まれて当たり前」というように考えられるようになったのは、医療技術の発達と日本の生活水準が向上したからにほかならない。
国生さゆりが離婚した原因の1つとして、2度の流産の事が報道されているが、本来ならば2度の流産も珍しい事ではないのだ。
同じく子宮筋腫も珍しい病気ではない。子宮筋腫自体は多くの女性がなる病気であり、そのほとんどは小さくて検査でも分からないか、出産後の子宮の収縮と共に筋腫も小さくなって治癒してしまう。
だから、子宮筋腫ができている事を医師から告げられたとしても、そう驚くことはない。まずは落ち着いて、冷静に医師の話を聞く事が大事だ。
奥さんの方は、来週の月曜日にもう一度診察をするという事で、「旦那さんも連れてくるように」と言われたらい。
ガーン!!Σ( ̄□ ̄;)
いや、癌だったら来週なんて悠長な事は言わんか。
しかし、メンドクサイな。
病院でもらっている薬が無くなったから分けてくれという患者さんが来店。
しかし、処方箋の無い患者さんに薬を渡す訳にはいかない。
本人は薬をもらうだけで診察を受けるのは面倒だと言う。診察に行っても、特に調べられたりする訳でもなく、二言三言話すだけで意味が無いと思っている模様。
確かにそう思うのは仕方の無い事かもしれないが、お医者さんとは顔を合わせるだけでも大事なのだ。
診察に来た患者さんと挨拶するだけで、医師は患者さんの肌の状態や目の色などを観察していたりする。それで症状が安定していると判断できれば、とりあえず症状に変化は無いものとして患者さんを帰す。
中には、本当に“なんにも診ない”医師もいるようだが、それはまた患者さんの方で医師を観察して、信頼できないと思えば病院を変えれば良いだろう。
診察はメンドクサイと言わずに、まずは病院で医者と顔を合わせるように伝えた。
私も、奥さんからの又聞きでは良く分からないから、行かねばならんか。
大阪府河内長野市で起きた男子大学生と女子高生による家族殺傷事件に絡んで、またぞろマスコミでは“心の闇”という言葉を使い始めた。
この“心の闇”という言葉は、私には言外に「端(はな)から理解するつもりはない」というニュアンスを含んでいる気がして嫌いである。
女子高生が公開していたというホームページの日記を取り上げて、「親がうざい」と書く一方で親と旅行をして楽しかったと書いていた事に対して、“複雑な心境を覗かせている云々”と論じていたが、そんなに奇異な事だろうか。
時に親に殺意にも似た感情を抱き、同時に親愛の情を抱くというのは、それこそ多くの人が思春期に通る道ではないのか?
それが本当に殺人に結びつく事は稀だろうが、自分を振り返ってみれば、絶妙のバランスで自分はやらずに済んだというだけだと安堵するのは私だけではないと思うのだが。
それとも、“複雑”とか“心の闇”としてこの事件を捉えようという人たちは、純粋真っ直ぐになんの迷いも無く生きてきたとでもいうのか。
ただ興味深いのは、同世代の人たちも「理解できない」と取材に答えているらしい事。
確かに実際に殺すところまでいくというのは理解できないかもしれないが、家族への殺意も理解できないというのは私には不可解。自分の価値観の型にはめようとする親が最近は少なくなったのかな。
もしかして、“親に反発しながら子供は育つ”という私の考え方が、すでに古いのかもしれない。私まだ30代なのに(苦笑)。
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◆11月7日(金)/2003年◆
サトウ製薬の営業マンが来店。
来週の木曜日に新商品の説明会が、さいたま市のワシントンホテルであるので出席してもらいたいとの事。
う~ん、タダメシをいただくのになんだが、ワシントンホテルの料理って美味しくないんだよなぁ(苦笑)
先日、雨が降った時にお客さんに傘を差し上げたら、お礼にお菓子をいただいてしまった。
一応、傘を渡す時に、以前にプレゼントキャンペーンをやった時の余り物ですと申し添えたのだけれど。
プレゼント用の傘でお礼をもらってしまった。かえって申し訳ない。
風邪の患者さんが立て続けに来店。これで全員に総合感冒薬をポンと渡せば簡単ではあるが、それでは自動販売機と同じ。
風邪が長引いて食欲が落ちているという患者さんには、風邪の後期に用いる柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と、食欲が落ちていて栄養不足になるのを防ぐために地竜(ぢりゅう)を渡した。
風邪は治って食欲なども回復したものの、咳だけが残った患者さんには、咳止めとして麦門冬湯(ばくもんどうとう)と、風邪をぶり返さないために地竜を合わせて勧めた。
風邪をひきそうだという患者さんにはまず葛根湯(かっこんとう)を案内した。しかし、すでに吐き気がなんとなくするそうなので、小柴胡湯(しょうさいことう)のドリンク剤を合わせて使う事を勧めてみた。
総合感冒薬は、症状が多岐にわたって判断がつかない時や、旅行などに手軽に持って行くのに便利ではあるが、できれば症状に対してピンポイントで使う漢方薬を選ぶ方が治癒も早くお金もトータルで安くつく。
国連平和維持活動(PKO)のため10月に東ティモールに派遣された陸上自衛隊員約400人が、9日の衆院選挙での投票が不可能だというニュース。
海上自衛隊員は公職選挙法で“船員”扱いとなるため、護衛艦や補給艦内で不在者投票が可能なのに対して、陸自隊員は帰国して住民票がある自治体に戻らなければ投票できないのだとか。
「3カ月以上の現地滞在」などを条件に、海外の日本人有権者に衆・参比例代表への投票を認める在外投票制度もあるものの、今回は10月からの派遣で「3カ月以上」の条件を満たしていないため、投票権が発生しないという。
10月には衆院選の予定が立っていたんだから、先に手を打っておいてやれよ、小泉さん(^_^;←なぜ親しげ。>俺
遅まきながら、防衛庁は選挙権が行使できるよう総務省に相談しているそうだが、さすがに今回は間に合わない模様。
自衛隊を容認している政権政党が気づかないのもマヌケだけれど、二大政党制を叫んでいる民主党もこういうところから突っ込めば選挙を大事にしているというイメージ作りができるのに、このネタを使わないんだからもったいない。
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≪通巻22号≫
提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
※9月16日(火)……『バンダイミュージアム』
※9月17日(水)……医者と患者は敵同士!?
※9月18日(木)……めまいの漢方薬
※9月19日(金)……血液の停滞を取り除く
※9月20日(土)……皮膚病の薬は人に頼まないで
※9月21日(日)……21歳の飼い猫
※9月22日(月)……心配な患者さん
******************* 先週の平凡な日記 *********************
◆9月16日(火)/2003年◆
虫刺されと汗疹(あせも)の薬がこの頃よく出る。
しかし患者さんの患部を見てみると、どうも汗疹ではなく状況からして、日光皮膚炎だと思われる事がよくある。
今日来た患者さんは、旦那さんにはドラッグストアーで『ムヒ』を買ってきてもらったとか。
虫刺されの薬だから、汗疹にも湿疹にも効かないんだけど(^-^;
おそらくドラッグストアーで、肌が赤くなっていると言って、店員の方も患者さん本人じゃないから分からなくて季節的な事から虫刺されの薬を勧めたのだろう。
頼まれたという人に薬を売るというのはかくも厄介であり、やはり患者さん本人が相談に来てくれるのが望ましい。
注文のあった薬を発送して、私は午後からお出かけ。
月に一度のIちゃんとのデートである。
行った所は、千葉県のJR松戸駅前にオープンした『バンダイミュージアム』。
http://www.bandai-museum.jp/main.html
ここのところはIちゃんのリクエストでデートコースを選んでいたので、今回は私の好みで。
オープン当初から興味はあったのだが、身近に行った人がいなくて情報が入ってこなかったため敬遠していたのだ(笑)
で、行ってみた感想としては「ハァ~、(´д`)」であった。
いわゆるオリジナルグッズがあったりして、買い物をするのならば楽しめるのだが、ミュージアムとしては中途半端な感じが否めない。
“ガンダムの実物大胸像”(全長約5.6メートル)も、質感がオモチャっぽくてリアル感に乏しい。
宣伝文句として「アニメ作品のガンダムを実在する歴史としてとらえ、モビルスーツを実在する兵器として考えます。」と謳っているのなら、現実の戦争記念館のように『一年戦争博物館』と銘打って、作品中に登場した兵器などを展示したり、スペースコロニーでの生活や作品中における“当時”の流行などを考察した解説などがあれば面白かったのに。
『ウルトラマン』や『仮面ライダー』などの展示があるキャラクターワールドも「世界観をアカデミックに検証しています。」と言うわりには、ファンが趣味で制作しているホームページなどの方が優れた考察を披露していたりして、ミュージアムの名に恥じる作りになっている。
食事の方はガンダムカフェで『ニューヤークプレート』を食べたのだが、これがもう不味くて不味くて(笑)
あまりの不味さに怒る気も失せるくらいだった。せめて、千円以下ならば納得しないでもないのだけれど。
作品にちなんだ『ザビ家の食卓』というディナーコースがメニューにあったが、ちょっと怖くて試せそうもない。
どうせ高くて不味いのなら、NASAが開発した宇宙食を出してくれればいいのに。あれなら、不味くても許せる(笑)
http://www5c.biglobe.ne.jp/~ikuma/
一応小物などをIちゃんにねだられて買ってあげたのだが、そのIちゃんの感想は「ナンジャタウンのなりそこないよね」との事。どっとはらい(⌒▽⌒)
http://www.namco.co.jp/tp/ その後で近くのラブホテルへ行こうとしたのだが、Iちゃんの親戚が近いので別な所へという事で二駅ほど移動してホテルを探した。
見つけたホテルが『HOTEL再会』。
http://www.hotel-net.co.jp/saikai/
なんだ、この狙ったような名前は(笑)
まぁ、『やり逃げ』とか『結婚』とかの名前のホテルがあったら嫌だけど。
部屋は、サイトに掲載されている写真ほどには綺麗ではありせん。
お風呂場も造りが安っぽくて、ちょっとゆったりできる雰囲気じゃない。
料金の安さと、フリータイムの長さが良かったというところか。
Iちゃんを駅まで送って別れた後に彼女からメールが入った。
「実は、いつも不完全燃焼なので思いっきり甘えてみたいなぁ。」
さて帰ろうと思ったら、某事務所から電話が入った。
NTTのBフレッツの工事が終わったので、パソコンとの接続をして欲しいとの事。あうっ(^-^;
「すぐに駆けつけます」と我ながら安請け合いをして事務所に向かった。
途中でLANケーブルなどが必要になるなと思い電気店に入ったら、その事務所の事務局長のKさんが買い物をするところだった。
念のために買った物を確認するとケーブルの種類が違う。
お店の人にキャンセルしてもらって買い直した。アブナイアブナイ。
事務所に行って、パソコンとの接続やらルーターの設定やらやら。
インターネットへの接続は難なくできたものの、事務所にあるパソコン全てでプリンターも共有したいとの事だったのでプリンタサーバー機能付きのルーターを購入したのに、どうしてもプリンターとの接続が上手くいかない。
終電間近になりタイムアップ。続きは明日に持ち越しとなった。
(T-T)シクシク。
帰ってから録画したテレビニュースを遅い夕食を食べながら観た。
自民党の総裁選挙自体がまるで総選挙であるかのようなマスコミの取り上げ方に苦笑。しかし、候補者の過去の映像が出てくるというのは、まぁ可哀想にと思わなくもない。
例えば北朝鮮による拉致問題に関しては、高村氏は外務大臣時代に野党から追及されてものらりくらりと誤魔化す事しかしていなかったし、藤井氏などは同問題に取り組んでいる他の議員に野次を飛ばしていた。
琵琶湖で家族連れのヨットが転覆したとのニュース。
救命胴衣を誰も着けていなかったなんて、大人は死んで当然、子供が迷惑。
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◆9月17日(水)/2003年◆
できれば昨日解決したかった某事務所のプリンターの設定をしに出かけた。
プリンターのドライバーを最新のものに入れ替えたりと色々と試したが、プリンターはウンともスンとも言わない。
これはもう手に負えないと、ルーターのメーカーに電話する事にした。
しかし、サポートセンターになかなか繋がらいない。
サポートセンターの電話回線が少ないのだろう。
何度か掛け直すこと延々3時間あまり。
やっとつながったと思ったら、「ただいま混み合っております。しばらくお待ち下さい」との自動応答のアナウンス。そのまま20分ほど待つことに。
そしてサポートセンターの人に聞いて分かった事は、やはりプリンターのドライバーの干渉によるものだった。ルーターを通すので、双方向印刷機能が使えないように設定して下さいとの事。
なんだよー、説明書のドコにもそんなの書いてないぞー( ̄▽ ̄|||
分厚い説明書は敬遠されがちだけど、それは重要なことじゃないんかい。
作業が終わったところで、別室で行われていた会議も終わったようでKさんに飲みに誘われた。
近くの居酒屋で乾杯。
聞いた事のないお店だが、チェーン店のようである。フロアは少し大きめで、雰囲気は悪くない。悪いのは店員の物覚え。
注文した物が、ことごとく来ない。来ない。来ない。やっぱり来ない。
私を含めて6人ばかりで行ったのだが、いい加減みんな呆れてNさんが店長を呼んだ。いつもなら私がやりそうな事であるが、今日は代わりにやってくれる人がいて良かった(苦笑)
お詫びにとビールのジョッキをサービスしてくれたが、その後もやっぱり注文した物が何度か忘れられる。大丈夫か、この店(?_?)
偶然にも元医療関係者の人がいて、医療ミスの話など。
先日テレビで医療ミスに遭わない為のノウハウをやっていたが、あんなのはダメだと。
テレビでは、“医者にプレシャーをかけるのが良い”という事で、親類などを同席させるとか、納得いくまで質問するなどの方法を勧めていた。
確かに“戦略”としては間違っていないが、それはやっぱり“戦う”方法であって、医者とのパートナーシップによって治療する目的からすると外れている。
人間、頼りにされて嫌なことはない。医者も人間なのだ。賞賛し、感謝して、「貴方だけが頼りです」と煽(おだ)てて乗せて、能力を最大限に使ってもらった方が良い(笑)
カルテの開示だって、初めから敵意剥き出しで挑んで(笑)くるような人には見せたくないのは当然だろう(事の善悪は別にして)。
治療を受ける時から仲良くなって、情をからめて開示をお願いした方がすんなり出てくる。
テレビで言っていた事は、どちらかというと制度として整えなければならない事で、患者と医者とを敵対させるのを助長しているようで、賛同しかねるという意見を拝聴。私も同意である。
あと、医者を取り巻く問題としては“小さなミスと命に関わる重大なミス”の間の幅が広すぎて、感覚が麻痺してしまう事だろう。
もちろんどんな職業でも、些細なミスも見逃さない姿勢は大事だが、現実には難しい。何重ものチェックを入れれば業務に支障をきたすから、どこかで妥協が必要になる。
そしてその妥協がミスを生む事になるのだから、堂々巡りとなる。
一方、真面目な医者ほど患者の苦しみを自分の事として背負い込み、精神的に追い込まれて現場を離れる事を余儀なくされる。これを業界用語で『もらい病』と呼ぶ。
患者にとっては理想的な医者という事になるのだろうが、それをそのまま放置していては、みすみす良い医者を失う事になりかねない。つまり、医者を精神的にサポートする仕組みも必要なのだ。
例えば、『医療事故市民オンブズマン』などのように医療事故で悩む人をサポートする組織が最近は増えてきている。
http://homepage3.nifty.com/medio/
しかし、医者に自信と誇りを持たせるための“市民による”組織というものは存在しない。もし医者が自分で自分を自画自賛したら馬鹿である。先のように、患者さんに乗せられてその気になって傲慢になるのも馬鹿だろう。
職業においての仕事というものは“できて当たり前”ではあるが、医療においてはなかなか“治って当たり前”とはいかない。しかし、治せなければ“ミスでなくても責められる”のが医者である。
だからこそ、医者を応援する応援団もまた、市民の中から生まれる事を期待したい、というところで話を〆た。
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◆9月18日(木)/2003年◆
旦那さんが風邪気味というお客さんが来店。
旦那さんにはオデキの治療で排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を良く買ってもらっている。
今回は鼻がつまり熱があるという事で、麻黄湯(まおうとう)を勧めた。
詳しく話を訊くと、すでに扁桃腺も腫れている模様。扁桃腺炎には桔梗湯(ききょうとう)を用いるが、その桔梗湯の成分に芍薬(シャクヤク)などを加えたものが排膿散及湯でもあるので、家にまだあるようだったら合わせて飲む事を勧めた。
物静かそうなお客さんが来店。
ところが商品を告げる段になって、ものすごい大声にビックリ。
思わずビックリした顔をしてしまったのだろう、お客さんにその大きな声で自分は耳が聞こえないのだと説明された。なるほど納得。
唇の動きで少しは分かるとの事なので、私も口を大きく開けてゆっくりとお話した。
頭痛とめまいがするという患者さんが来店。
詳しく話を訊くと肩こりもあるとの事。また、ヘルニアを患ったことがあり、胃下垂ばかりでなく内臓下垂になっているらしい。
となると、漢方で言うところの“胃内停水”が原因かもしれない。
胃が冷えたり、胃の働きが弱くなると胃の中の水を体内で捌(さば)けなくなってしまい、頭痛や吐き気を引き起こすようになる。
手足が冷えて急激な頭痛がする場合は呉茱萸湯(ごしゅうゆとう)、喉が渇いて吐き気や下痢を伴う場合は五苓散(ごれいさん)、眩暈(めまい)が強い場合は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)が良い。
今回の患者さんは以前に漢方薬を煎じて飲んだ時に、ものすごく不味いうえに、たいして効かなかったとかで漢方薬は嫌だと言う。嫌なものを無理には勧められない。ただし、話からすると本当に漢方薬だったのかは疑問だが。
とりあえず別な市販薬を勧めて、アドバイスとしては夜中に胃の冷える物を食べないように伝えた。具体的には、果物やコーヒーなどだ。特に、コーヒーは“温かく”して飲んでも胃を冷やすので要注意。
友人のT氏から、「夜飲みませんか」とのメールが入った。久しぶりにK氏も合流できそうだという事で、二日続けて飲む事に。
閉店作業をお母んに頼んで、少し早めにお店をあがった。
新宿で待ち合わせて、K氏推薦のお店『串八珍・八珍亭』へ。
http://www.hoso-foods.co.jp/
K氏のお薦めメニューは『串キャベツ』との事なので、3人分を注文した。
出てきてビックリ、四つ切りくらいの大きさのキャベツが、デンッと目の前に置かれた。味噌を付けて食べるらしい。
さすがにキャベツをそのまま出すだけあって、キャベツ自体に甘味があり美味しい。
飲み物の方は酎ハイやサワーを注文したのだが、そちらはアルコールが薄いうえに大甘で、やや閉口した。
お腹がいっぱいになってきたところでオツマミにチーズを注文したら、こちらは満足。カッテージチーズとクリームチーズを混ぜ合わせてブルーベーリージャムを和えた物を固目のパンに塗って食べる。ううむ、これは家でも試したいな。
ちょっと困ったのが注文忘れ。昨日のお店ほど酷くはないが、度々せっつかないと出てこなかった。
隣や向かい側の席のお客さんも、「○○が来てないんだけど」とやっているところをみると、どうも今日の店員の能力が低いのではないか。
それと注文しようとしても、なかなか店員が捕まらない。
注文しようと思うと、料理を運んだり食器を下げたりするときにサッと通り過ぎてしまう。ちょっとくらい、周囲を見回して行けよと思う。
私を含めて3人とも飲食店でバイトをした経験があり、現在も接客商売をしている。だもんだから、こうゆう場面に出くわすと、ものすご~~~~く気になってしょうがないのだ。いつ誰が“先に”ドンッとテーブルを叩いてもおかしくない(苦笑)
しかし、T氏によると最近は『三月うさぎ』の接客が日に日に悪くなっていくので、そっちの方が気になると言って「今日はいいや」との事。私も、昨日の飲み屋の方が酷かったので、気長に待つことにして良しとした。
http://www.sangatuusagi.co.jp/
実際、今日のお店の場合は店員の能力は低いかもしれないが、それをカバーできるだけの“人柄”で許せない事もない。これがマニュアル通りの対応しかできない店員だと、謝る言葉もウソ臭くて余計に腹が立ったりする。しかし、上手い人(あえて本当の人柄ではなくテクニックとして)は、ちゃんとお客の怒りを解く事ができる。客商売では重要なテクニックだ。
客の注文を間違いなく届けるという基本的な能力が低くても、客の怒りを解く事ができるというのは立派な職能として認めても良いだろう。
それだけにT氏は、「嬉しいサービスをしてもらった経験が無いのかね」と不思議がっていた。激しく同意(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)
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◆9月19日(金)/2003年◆
今日は漢方薬の講習会である。
テーマは『活血化お剤』、簡単に言えば血液の停滞を取り除く治療の事だ。
「お」の漢字が、unicodeコードでないと表示できないので、ひらがなのまま表記するが、「お」というのが“滞る”という意味で、血が滞る事を『血お(けつお)』、あるいは『お血(けつ)』と呼ぶ。お尻とは関係ない(笑)
その『血お』は大きく分けると、次の2つに大別される。
“非生理的血液の停滞”→鬱血(うっけつ)、内出血(打撲、手術)、子宮筋腫など。
“微小血液循環障害”→粘調性化(いわゆる血液がドロドロの状態)。
『活血化お薬』の分類は、効果によって“活血”(かっけつ)・“化お(かお)”・“破血(はけつ)”の3つに分類される。
“活血”は、主として動脈系の血管を拡張する事によって循環改善に働くもので、鬱血を取り除く効果は弱く、漢方薬には補助的に配合されることが多い。
代表的な生薬は、当帰(トウキ)と川きゅう(センキュウ)だ。
“化お”は、主として静脈系の鬱血を改善する作用を持ち、活血に働く物も多い。代表的な生薬は、牡丹皮(ボタンピ)や芍薬(シャクヤク)がある。先の当帰と芍薬を合わせた漢方薬の当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、生理不順や生理痛などの婦人病に用いられる。
“破血”は、鬱血の除去、凝血や血腫の分解吸収に働くもので、化お薬よりも効果が強い。代表的な生薬には、桃仁(トウニン)や紅花(ベニバナ)がある。
活血化お薬を組み合わせた漢方薬が『活血化お剤』なのだが、原因や症状によって5つに分類される。自分が現在患っているモノがあれば、ぜひ相談していただきたい。
“寒凝血お(かんぎょうけつお)”
寒がりで手足が冷たい(特に暗紫色になる)手足の疼痛、下腹部の痛み、生理が遅れがち。シモヤケ。
→当帰四逆加呉茱ゆ生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
→当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰は体を温めて血管を拡張するので、普段は体力が少ない人などに効果がある。
“熱盛血お(ねっせいけつお)”
疼痛(刺痛・灼痛・冷やすと軽減)、出血腫瘤、熱感。左下腹部に抵抗感や圧痛が顕著。
→桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
この桃核承気湯は、活血と破血の効果があり、逐お(ちくお)と呼ばれる作用がある。血おを駆逐するという意味で、それは効果が強いという事でもあり、昔は妊娠初期の堕胎にも使われたらしい。ただし、堕胎の効果については臨床試験が行われていないため、現代においては確認されていないとの事。
むしろ体を冷やす作用が強いため、日本の気候ではあまり用いる事は少ないようである。
“気滞血お(きたいけつお)”
気滞とは、現代的に言えばストレスの事だと思ってもらって構わない。ストレスや自律神経失調が原因で血おになってしまった場合である。
血お症状+膨満感、いらいらして怒りっぽい。重い生理痛、生理不順。
→桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
→加味逍遙散(かみしょうようさん)
→小柴胡湯(しょうさいことう)
補足すると、『活血化お剤』を5つに分類しているが、桂枝茯苓丸は血お全般に対して広く用いる事ができるそうだ。よほど体力が落ちているか、妊婦でなければ、最初に選んでみてもいいだろう。
加味逍遙散は、生理が始まるまでの一週間程度が苦しい場合に事前に用いると楽になるようである。また、甘草(カンゾウ)という生薬が入っており、これは副腎皮質ホルモン様作用があり、ストレスに対する抵抗力が高まる。
小柴胡湯は普通は食欲不振や胃腸虚弱に用いるのだが、ストレスは胃腸に影響を及ぼし、胃腸が弱ると肉体的にストレスが溜まりやすくなるという悪循環に陥(おちい)るのを防ぐのに役立つ。だから単体で用いるよりは、他の漢方薬と一緒に用いるのが望ましい。
“気虚血お(ききょけつお)”
血お症状+元気が無い、疲れやすい、食欲不振など。
→補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
補中益気湯は胃腸を丈夫にすると共に、名前の通り気力を増す効果がある。
その辺の栄養ドリンクなんかより、よほど体力回復が期待できる。この補中益気湯と、桂枝茯苓丸を一緒に服用する事で血おを取り除きつつ体力を回復するのという訳だ。
“血虚血お(けっきょけつお)”
血お症状+皮膚につやが無い。顔色が悪い、爪が割れる、目がかすむ、貧血。
→四物湯(しもつとう)
→当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
四物湯を用いる場合に気をつけなければならないのは、胃腸障害が無い事が条件となる。これは地黄(ジオウ)という体を冷やす生薬が入っているからだろう。同時に当帰と芍薬が入っているので、日本では当帰芍薬散で代用される事が多い。皮膚の色つやを良くするためというように、目的を限定した使い方になると思われる。
ところで、ウチでは婦人病全般に効果があるという事で、『婦人華(ふじんげ)』という商品を取り扱っている。(医薬品錠剤・顆粒)
この婦人華、患者さんの評判も良く、中には母娘姉妹の3人でという事でまとめ買いされる人までいる。
成分的には桂枝茯苓丸と当帰芍薬散を合わせて、さらに甘草(カンゾウ)と人参(ニンジン)が入っており、いわば生理痛を軽減するための短期服用にも、子宮筋腫の治療などの長期服用にも使う事ができるので、売る方も便利に使えるので重宝している。
しかし、文献などには桂枝茯苓丸と当帰芍薬散を合わせた処方というものは存在しない。なので、どうしてメーカーがそういう処方をしたのか不思議に思っていた。
そこで、講師の方に尋ねてみたところ「ああ、その処方だと加味逍遙散に近くなりますねぇ」と言われた。
ああっ、そうか!
なるほど~、確かに。今まで、ついぞ気がつかなかったσ(^◇^;)。
となると、婦人病に限らず男性で手術をした術後に用いたりという使い方もできるな。覚えておこうφ(..)
腎臓病を患っていた6歳の長男が死亡し、母親が山形県内の山に埋めたという事件のニュース。
観ていたニュース番組のキャスターが「子供が最後に頼りになるのは母親だけです」と言っていて、後で他のチャンネルのニュース番組を観ていたらそちらのキャスターも全く同じコメントをしていた。
ホントにホントにそうなのだろうか?
“親が子供を愛して当たり前”という思い込みに間違いは無いのか?
障害を持った子供を育てている親や、完治は無理と診断されている病気を抱えた子供を看病している親とは、何人も会っている。
そういう境遇の親による手記を読んだり講演を聴いたことのある人ならば、「この子を殺して自分も死のうと思いました」という言葉を見聞きした事があるだろう。おそらく同情を寄せたはずである。
では、こう言われたとしたらどう思うだろうか。
「この子が死んでくれれば楽になるのに」
同情ではなく非難するのではないか。一瞬でも、「なんて事を言うんだ」と思うのでは?
コレを言われた時に発するべき言葉を私は未だに見つけられないでいる。
まさか「そうですね」と同意することを言えはしないし、しかしその苦しみを思えば、「そんなこと言うもんじゃない」と否定することを言える訳もない。
自分の子供を愛する事が当然だとしても、毎日毎日一分一秒“愛し続ける”という事が果たして、人間に可能だろうか。いや、可能な人がいたとして、自分はできるからと他の人にも強制する資格があるだろうか。
子供を生んだら育てる事に責任を持たなければならないとして、残りの自分の人生を全て費やさなければならないのだろうか。自分の矜持としてそうするというのなら、それは尊いことだと思うが、それを他人が強要するというのなら、まるでその子供を生んだ事が、その子供が生まれてきた事が罪のようではないか。
今回の容疑者である母親は、子供に虐待も加えていて「このままでは殺してしまう」と思い、元夫の家に連れて行こうと車に乗せたものの、車中で子供の容態が悪化して死んだため、遺体を山中に埋めたと供述しているらしい。
供述内容の事実確認はこれからとなるが、もしそれが本当なのだとしたら、私はもっと早く“母親としての愛情”と“母親としての責任”を放棄していてくれればと思った。
道徳的に許されなくても、法的に違法だとしても、子供を病院に入院させて出会い系サイトで交際を始めたという男性とともに失踪してくれれば、病状は別として子供はその日に死なないで済んだかもしれない。
子供が健康だったとしても、子育ての大変さは経験者ならば分かるはずだ。だからこそ、余計に子供を虐待する親などのニュースに憤るのだろうとも思う。
だがしかし、その“親が子供を愛して当たり前”という認識が、子供を捨てるという子供にとっての最終的な“安全”を確保する事を阻害しているのではないだろうか。
「子供が最後に頼りになるのは母親だけです」というニュースキャスターの言った考えこそが、子供を死に追いやった原因ではないのかと私には思えてならない。
それとも、この考えは私がまだ自分の子供を持った事がないからなのだろうか。
確かに、“子供の幸せ”というものがどんなモノなのかは今の私には想像できない。
ただ、幸せのカタチは分からなくても、“生きてさえいれば”という希望を子供に託すとするならば、子供を捨てるという選択は、尊い命を守る方法の1つとして加えておきたい。
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◆9月20日(土)/2003年◆
台風が近づいていて、朝からサーッという感じの雨が降っている。
雨は好きだし、涼しくて良いが、週末の雨はお客さんが来なくて困る。
サトウ製薬の営業マンが来訪。
土曜日に得意先周りとは、ご苦労様です。
せっかくなので注文を…といきたいところなのだが、もっか仕入れの必要な物は無い。あるのは、消費期限が迫っていて返品する物ばかりである。申し訳ない。
『ぜにたむし』という薬を下さいというお客さんが来店。旦那さんに頼まれてきたらしい。
しかし、『ぜにたむし』は病気の名称であって、『ぜにたむし』という商品名の薬は無い。
だが、以前にチューブの薬を使っていたと言う。
どうも旦那さんは、効能書きの部分を薬の名前だと思っている模様。
頼まれ物なので、ぜにたむしに効くからといって他の薬を勧める訳にもいかない。
せめてそのチューブを持ってきてもらうか、同じ効能なら他の薬でも良いのかを確認してきてもらう事にした。
しばらくして、さっきの『ぜにたむし』の薬を求めにきたお客さんがみえた。
どうやら患部は掌らしい。しかも硬くなっているという。
うう~ん、ぜにたむしが手にできるというのは滅多にない。本当にぜにたむしなのだろうか。どうも湿疹が角質化したようにも思える。
また、足には先の薬を使っていたそうなのだが、掌には使った事はないとの事。もし、ぜにたむしでなく湿疹などだったら薬を間違えると悪化してしまう。
ところが、さらに詳しくお話を伺うと、旦那さんは病院に入院しているとか。
お客さんは「皮膚科の病院じゃないから」と言っていたが、皮膚の一部を顕微鏡検査するくらいならば皮膚科でなくてもできるはず。少なくとも、入院設備のある病院ならば、小さくても頼めば調べてもらえるはずである。
皮膚病の薬の誤用は、命に関わることは少ないとはいえ、やはり怖い。
今回は旦那さんが入院しているという事で仕方が無いが、皮膚病はできれば薬を人に頼むというのを避けてもらいたい疾患である。
T姉からメール。
「今○○市にいるんだけど、いいラブホテル知らない?」
なんでそれを俺に訊く(笑)?
しかもそれで、「××がいいんじゃない」って返信する私も私だが(^^ゞ
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◆9月21日(日)/2003年◆
今朝は寒くて目が覚めた。
先週まで残暑が厳しかったのに、タオルケット一枚では寝られなくなったか。やっぱり秋なんだなぁと思いながら、クシャミ連発。
体を温めるには風邪に使う麻黄湯(まおうとう)か、手足の冷えを取る麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)というところだが、胃腸強弱な自分にはちょいと強すぎる。
同じく麻黄(マオウ)が入っていても量が少ない小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を飲んだ。もともと気管支喘息や鼻水が出る場合に使うので、多分大丈夫だろう。(←多分かい)
午前中は雨を眺めながら、商品棚の掃除。
お客さんが来ないもんだから、はかどるはかどる。
掃除ばかりがはかどっても困るのだが。
それでも、午後になって小雨になてから、患者さんがチラホラ。
ほとんどが、風邪気味という事で、症状の進み具合に合わせて漢方薬をお出しした。
面白いのは、前回の日記にも書いた『地竜(ぢりゅう)』。
(9月13日の日記を参照)
良く効きますよと紹介しても、男性の患者さんは尻込みをしてしまう。
ところが、女性の患者さんはほとんどの人が買っていく。自分で服用する場合もそうだが、子供や旦那さんに飲ませる時には「どうせ効能書きは見ないから、黙ってれば分からないわよね」と、あまり気にしない。ホントは、効能書きはちゃんと読んで欲しいところだが、知らない方が良いこともあるということで(笑)
夕方に、お母んが実家の飼い猫を動物病院に連れて行った。
最近は、餌をねだるからと出しても食べないので点滴を受けさせるためだ。
と言っても、この猫、私が小学生の時に拾ってきた……正確には勝手についてきて、そのまま居ついてしまった猫である。
当時は痩せ細っており、今にも死にそうだったので動物病院に連れて行ったものの、獣医師からは「長くは生きられないでしょう」と言われた。
だから名前を「丸々ふとるように」と『マル』と名付けたら、なんとホントに丸々と太りだし、とうとう今年で21年目である。
つまり、人間の年齢で言えばすでに100歳前後で、いわば老衰なのだ。
ついこの間も腎臓が悪くなって病院に連れて行った時には、診察申し込み用紙の欄には20歳までしか表記が無くて、病院の看護婦さんも困っていた。獣医師の話によると、今までに猫の最高齢は17歳までしか診たこと無いとの事。
「長生きはしてみるもんですね」(どっちが?)
今回の診察の結果は、肝臓の機能不全だった模様。
まず腎臓の機能が低下して次に肝臓が悪くなるとは、人間と同じなのだなと妙に感心してしまった。
そろそろお別れは覚悟しておかないとならないな。
ネットでの葛根湯と麻黄湯の注文が殺到。
今はひいていないが、風邪に備えてとの事。
メールマガジンの日記に書いた影響か。
店頭売りの方が寂しいので売り上げが良くなるのは嬉しいが、ちょっと迂闊な事は書けないなと自戒。
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◆9月22日(月)/2003年◆
便秘薬を求めて患者さんが来店。
いつも使っているとの事で、『コーラック』をお買い上げ。
体への負担を考えると漢方薬の防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)か、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、あるいは『サトラックス』(医薬品顆粒)がお勧めなのだが、やはり「いつも使っている」という安心感で選ぶのは仕方のないところか。
歯痛の患者さんが来店。
痛み止めをということだったが、痛み止めは痛みを感じなくさせるだけなので、化膿止めの方が良いとお話して、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を勧めた。
オデキなどの化膿全般に使える便利な漢方薬である。それだけに、痛みが治まって安心されると困るので、早めに歯科医に行くように申し添えた。
旦那さんの咳が止まらないとの事で、お客さんが来店。
旦那さんが薬を指定しているので、それをお買い上げ。
しかし、症状からすると麦門冬湯(ばくもんどうとう)の方が合いそうなので、一応説明した。
麦門冬湯の成分は、名前にもなっている麦門冬(バクモンドウ)を始めとして、半夏(ハンゲ)も甘草(カンゾウ)も、咳を止めると言うよりは胃の働きを良くする作用がある。
それがなんで咳止めの漢方薬かと言うと、咳の中でも特に“痰の絡む咳”は“胃内停水”という胃の働きが悪くなって体内の水が捌(さば)けない事が原因と考えられるからである。
つまり、胃の働きを改善する事で咳を治すのだ。
原因を治さないまま咳止めを飲み続けても、むしろその方が薬代が無駄となる。
奥さんは納得してくれたが旦那さんは、さて……。
眩暈(めまい)がするという患者さんが来店。
いつもは、他の漢方薬のお店に行っているのだが、薬が切れて買いに行ったところ休みだったのでいらしたとの事。
でもって、そのお店で買った漢方薬はというと分からない模様。
一口に“めまい”と言っても原因はさまざま。色々とめまいの起こる状況や、他に病状が無いかなどを尋ねていく。
今回の患者さんは、以前に突発性難聴症で通院していたことがあるとの事。
また、舌の先が炎症を起している。口内炎などは、胃を悪くすると現れる症状だ。
そして、めまいは朝起きる時と夜寝ようとする時。それと、お風呂をあがった時だと言う。
お話を聞いていて、思わず「ギャッ!!Σ( ̄□ ̄;)」と悲鳴をあげそうになったのは、お風呂上りにビールを飲んでいると言われた時。
急激な体温の変化は、めまいの原因になるうえに、胃が悪くなっているところでビールを飲んでいたのでは、そりゃあ、めまいにもなるかと……σ(^◇^;)。
さらに、病院でもらった口内炎の塗り薬は気持ち悪くなるからと使っていなくて、めまいの飲み薬も効かないからと飲んでないらしい。
それで、漢方薬のお店に通っていたとか。
うう……、使って気分が悪くなるなら医師に相談して下さい。効かないからと服用をやめる前に、やはり医師に相談して下さい。
結局、内臓が弱っていて気温の変化に体がついていけない事からくるめまいだろうと判断して、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)を勧めた。
でも、ちゃんと飲んでくれるか、心配~(⌒~⌒;) 心配~(⌒~⌒;)
プレゼントキャンペーンとして用意した『ミニ箪笥(たんす)』だが、意気込んで80個も仕入れたら、10個ほど余ってしまった。あうっあうっ(>_<)
月末にまだ余っていたら、教会に寄付しようかな。寄付された方も困るかもしれんが(苦笑)
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今回の日記の内容は、いかがでしたか?
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また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
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卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
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私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
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このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
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解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
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≪通巻15号≫
提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
※7月29日(火)……URLを変更するかどうか
※7月30日(水)……死は誰のためか
※7月31日(木)……アトピー性皮膚炎治療のための漢方薬
※8月1日(金)……日焼けの処置に注意
※8月2日(土)……献血者の輸血によるB型肝炎
※8月3日(日)……怪盗法のある世界
※8月4日(月)……虫歯は不治の病
前回は《クリックアンケート》に協力していただき、誠にありがとうございます。
回答していただいた集計結果を今号に掲載しようと思いましたが、さすがにメールマガジンの内容が長くなりすぎるようなので、のちほどコメントも付けたうえで増刊号として発行しようかと思います。
また、今回は前回使用した《クリックアンケート》では回答の選択幅が限られてしまうため、試しにcgiを使って新たにアンケートページをホームページ内に設置してみました。
メールから直接投票できるのと、どちらが使い勝手が良いかも検討したいと思いますので、ご協力をお願いしますm(_
_)m
アンケートのURLは、日記の最後にございます。
******************* 先週の平凡な日記 *********************
◆7月29日(火)/2003年◆
高齢の患者さんが来店。
ウチの祖父は何歳かと尋ねられ、「87です」と答えると「元気でいいねぇ」と言われる。
なんのなんの、「自分の足で買いに来られるんですから、まだまだ大丈夫ですよ」と答えた。
FAXで入った処方箋の解読に悩まされた。
字が汚くて判読しにくいうえに、薬の量の単位を間違えていて、正確な量を計算し直す。
さらには、患者さんの保険番号が未記入で、処方日の日付も間違えていた。
そそっかしい医師なのか、定年間際でボケが入ってるのか。
書き間違い程度ならまだこちらで対処できるが、ちゃんと診察はできてるのかと、そちらの方が心配。
喫茶店でお酒を飲んでて薬を置き忘れてきてしまい、あと3日分が足りないので薬をもらえないかと言う患者さんが来店。
気がついてその喫茶店に戻ったのだが、どうやら捨てられてしまったらしい。
うむぅ、心情的には出してあげたいのはやまやまだが、それをやってしまうと犯罪になるので丁重にお断りするしかなかった。
患者さんの方も一応は納得してくれた様子で、これから病院の方に行ってみるとの事。
利用しているISPの1つ『MBN』から合併後のサービスの変更についての連絡が物理メールで届いた。(友達の間では、電子メールに対して郵便で届く手紙の事を、物理メールと呼んでいる。)
http://www.mbn.or.jp/
当初は合併後もメールアドレスは変更されないという事で契約を更新する事に決めていたのだが、届いた書類によるとホームページのURLは変更になってしまうとの事。
先に言えよー。せっかく8年かけて薬局のURLも浸透してきたのに、今さらURLが変わるなんて。
う~む、独自ドメインを取っておくべきだったか。毎年の更新料がもったいないと思ってケチしていたのがマズかったか。
ただし、パソコン雑誌の調査によると、最近ではURLを入力して訪問する人は少なくて、大抵は検索エンジンで調べたい内容を検索しているうちに辿り着く人が多いので、URLの変更はそれほど影響は無いという記事を見かけた事もある。
このままISPの合併で自動的にURLが変更になるのを受け入れるか、それともいっそのこと解約して別なサーバーに移転するか。ちょっと考えよう。
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◆7月30日(水)/2003年◆
今日はお店を開けてから、次から次へと処方箋がFAXで入ってきた。
長期治療の患者さんが、お盆になる前に薬をもらいに病院に行っているのかもしれない。
そのせいか、これだけ患者さんが来ても、日記に書くような特徴のある患者さんはいらっしゃらない。
ゆえに、書くネタも無し。
人間、平凡に過ごしていると刺激が欲しくなり、ひとたびトラブルがあると、どうしてこんな目に……と嘆くもののようで。
落ち着いたところで、ネットで相談の来ている患者さんたちに返信。
スタッフの1人が、「便利になったもんだわね~」と言うと、「でも自殺サイトとか怖いよねぇ」と別なスタッフが。
すると、「でも……」と私。
かつては自殺しようとする人は1人で寂しく死んでいくか、1人は寂しいからと他人を巻き込んで自殺する人がいた。もちろん、今でもいるが。
しかし、死にたいと思っている人たちが出会って、関係無い人を巻き込むこと無しに、1つの目的を共有して死ねるというのは幸せではないかとも思う。
「生きてれば良い事もある」と言う人も、そんな保証はできない訳だし、「頑張ってる人もいるのだから」と言う人は、自分が努力してるからと他人の痛みや苦しみなど分からぬ人ではないのか。
「あなたが死ねば悲しむ人がいる」と諭すのは、生きる気を起させるかもしれないが、それは拷問ではないのか。
漫画版の『花の慶次』では、こんなセリフがあった。
「生きるのは人のため。ならばせめて、死ぬのは自分のためであろう」
記憶で書いてるので、ちょっとニュアンスが違うかもしれないが、現代医学の前では死ぬ事すらままならない事を思うと、より死にたい時に死んだ人を羨んでしまう。
http://www8.ocn.ne.jp/~porco/keijisyoukai.html
とはいえ、人間が一生のうちに得られる知識や体験は限られている。
苦しみから逃れたいという耐え難い“希望”にすがりつくために自殺するのならともかく、繰り返す日常に飽きて死ぬようなのは「もったいない」と思う。
少なくとも私は、来年の春に『イノセンス』(押井 守監督作品)を観るまでは死ねない。
いいのか、そんな単純な事で(苦笑)?
http://www.production-ig.co.jp/anime/innocence/
さて、そろそろ寝ようかという深夜2時頃に、お母んから電話があった。
いったいナニゴトかと思ったら、「今日の(日付変わってるぞ)『ためしてガッテン』観た?」と訊かれた。
観ていません。と言うか、それで深夜に電話してきたんかい(^-^;
http://www.nhk.or.jp/gatten/
30日の番組内容は“アレルギー体質改善の切り札”という事で、幾つかの漢方薬が紹介されたらしい。
で、例によって買いに来る人がいるかもしれないから、調べておけと。
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◆7月31日(木)/2003年◆
早朝の天気予報では関東は曇りのはずだったのだが、見事なピーカンになってしまった。
いや、天気が良いのは気持ちも良くていいのだが、あまり暑くなり過ぎるとお客さんが来なくなるので困る(苦笑)
夜中にお母んが電話してきた『ためしてガッテン』の件で、番組の方は未見なので、番組のホームページで確認すると、確かにアトピー性皮膚炎の治療薬として漢方薬が紹介されていた。
痒みを止めるのに白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を、アレルギーを抑制するのに梔子柏皮湯(ししはくひとう)を勧めている。
うう…、どちらもウチには置いていないσ(^◇^;)。(※注・白虎加人参湯はその後取り扱い開始) 漢方薬にも流派があって、一番大きな分け方としては、中国での古い流れを組む『中医学』と、インドでの研究が進められてきた『アーユルヴェーダ』と、日本で比較的近年になって開発されてきた『日本漢方』の3つだろう。
私は『アーユルヴェーダ』については資料を持っているだけであまり読み込んでいないのでちょっと脇に置いておくが、『中医学』と『日本漢方』については講習会などで勉強している。
そして、『中医学』と『日本漢方』は同根ではあるが、その応用となるとかなり違いがある。
例えば、『中医学』では熱風邪に黄麻湯(まおうとう)を用いる事が多いが、『日本漢方』ではあまり用いる事は少ない。
その理由は、気候風土の違いが大きい。まず、原料に含まれる成分の割合が違う。中国で黄麻湯(まおうとう)を購入すると、日本で購入するものより効き目が強く、心臓がドックンドックンとして元気になりすぎて具合が悪くなるそうだ。
また、日本の方が湿度が高く、それゆえに日本人は体内の水分に起因した病気が多いため、胃腸の調子を整えるのが風邪の治療に有効だったりする。すると、黄麻湯は胃腸に負担をかけるので『日本漢方』では選択肢からはずれる事となる。
で、今回の番組で取り上げてる漢方薬の選び方から推察すると、断定はできないが、どうやら『中医学』の理論に基づいているように思える。
と言うのも、白虎加人参湯は日本で医薬品としての販売許可を得ている効能は「咽喉の渇き」で、皮膚疾患での効能書きは認められていない。しかし、成分を調べてみるとセッコウ(石膏)が入っていて、これは炎症を抑える効果があるので、咽喉の渇きを抑えるのと同じように皮膚の炎症を抑えられるであろう事は容易に想像できる。
ただ、効き目が強いので冷え性の人には私としては勧められない。それに、もしウチで仕入れたとすると値段が一週間分で2千8百円になってしまう。
それならば、セッコウの量が半分で劇的な効果は無いが体に負担をかけない十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)の方が良いだろう。値段も一週間分で1千8百2十円で済む。
梔子柏皮湯となると完全に『中医学』の処方で、『日本漢方』をメインにしているお店では入手は難しいかもしれない。
主成分のサンシシ(山梔子)とオウハク(黄柏)を含んでいて入手しやすいのは、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)だろう。
ウチでも入荷するとなると、問屋さんに調べてもらわないと梔子柏皮湯の値段は決められない。黄連解毒湯ならば一週間分で2千3十円で、おそらく梔子柏皮湯と比べてもそう高くは無いと思われる。
番組のホームページではちゃんと、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など他の漢方薬もある事を示して、体調や体質によって効果が違う事も案内しているのは好感が持てる。
ただ、「漢方薬を扱っている医療機関、薬局で手に入ります。特別な薬ではありません。」というのは余計だなぁ。
白虎加人参湯はともかく、梔子柏皮湯の方は漢方薬の老舗メーカーのツムラにも無いし、大衆メーカーのカネボウでも出してないし、これまた薬局販売の大手メーカーのJPS製薬でさえ取り扱っていない。
NHKだから番組のスポンサーが噛んでるという事はないだろうが、番組に出演した漢方薬の研究者が梔子柏皮湯を製造しているメーカーと関わってるんじゃなかろうかと邪推したり。
ちゃんと話を分かってくれる人なら、成分と効果を案内すれば番組内容と違う漢方薬を勧めても大丈夫だろうが、中には商品名をメモしたら「同じ物じゃないと」と納得してくれない人もいるので、来店に関しては、期待半分憂鬱半分といったところか。
震度6の地震が相次いだ宮城県では、これからが夏のイベントや祭りの本番。
県外からは「宮城は大丈夫なのか」との問い合わせが相次いでいるものの、県全体では特に震源地に近かった所など一部を除き、予定通り開催するとの事。
そう言えば、普通は避けるものなんだなと苦笑した。
ウチのお母んなど、「今年は仙台の方に旅行に行ったら?」などと勧めてくる。
どうもウチのお母んの教育の賜物か、人が避ける時を狙って遊びに行くようになってしまった。
例えばディズニーランドなども、台風が接近してる時に行ったりする。屋外でのアトラクションは楽しめないが、なにより空いてるのがいい。屋内施設の乗り物など乗り放題である。
伊豆の群発地震の時などは天候が良かったうえに、宿泊施設はもちろん遊技場やお土産屋さんも最高のサービスをしてくれて楽しめた。どうして、みんなこうゆう時に繰り出さないのかと思ったものである。
被災地のためなんて言わない。人の不幸につけ込んで得をするチャンスである。それでいて誰に迷惑をかけるワケでは無いのだから、良心も痛まないという事で(^.^)
東北3大祭りの1つで、毎年200万人以上が訪れる『仙台七夕まつり』も8月6~8日の開催に変更は無いそうだから、できれば行ってみたい。
あっ、でも、みんなが繰り出してしまうと人がごった返してしまうので、やっぱり「行くのに不安がある人」は行かなくていいです( ̄▽ ̄)
酢酸エチルを求めてお客さんが来店。
酢酸エチルは、揮発性が高く、発火点も低い危険物であり、取り扱いも正式な許可がいる薬品なので何に使うのかと思ったら、昆虫採集に使うそうな。
調べてみると、確かに昆虫標本にするさいに使用するようだ。
使い方は、酢酸エチルを染み込ませた綿花をビンに入れて、直接昆虫に触れないようにしきりをして(触れると変色する)
10分~1時間ほど密閉するとの事。
なんにしても、普通は薬局でも常備している物ではないので、問屋さんに注文する事になった。
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◆8月1日(金)/2003年◆
旦那さんが胆石らしいというお客さんが来店。
お腹が痛くて吐いたりしていたが、仕事に行ってしまったという。
ええ~!?
胆石での腹痛なら、歩けないくらいだと思うのだけど、病院での診察は受けたのだろうか。
そう尋ねると、病院には行っていないとの事。
なんでも、救急車を呼ぼうかと旦那さんに言ったら、「みっともないからいい」と断られたのだそうな。
うう、それほど痛かったのなら救急車呼んで下さい。みっともなくたって、間違っていて笑い話で済むなら、その方がいいです。
そりゃ、救急車で運ばれた人の半分近くが必要なかったというデータもあるけれど、普段から簡単に救急車を呼びつけたりしてる訳ではないのなら(中にはそうゆう人もいるらしい。そうゆう人は論外)、遠慮しないで呼んでいただきたい。
胆石と断定できれば思い切って強めの漢方薬も勧められるが、分からないと手の打ちようが無い。
少なくとも痛み止めには芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うとして、普段から体力があるのなら柴胡という成分の入っている漢方薬が候補に上がる。
小柴胡湯(しょうさいことう)か大柴胡湯(だいさいことう)か、いやいや柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)ならば風邪にも使えるから、胆石でなかったとしても症状を緩和する事ができるはず。
とにもかくにも、旦那さんを明日絶対に病院に連れて行って下さいと念を押して、芍薬甘草湯と小柴胡湯を勧めた。
うむぅ……、心配σ(^~^;)。
日焼けでヤケドした患者さんが来店。
「ヤケドの薬が欲しい」と言う。
顔が真っ赤に腫れていて、分泌物が滲んできている。
雨や曇りが続いていたから、たまの晴れで油断してしまったらしい。
ヤケドの厄介なところは、“ヤケドを治す”という薬は存在しない事だ。
切り傷などもそうだが、ヤケドは皮膚が自然に再生するのを待つしかない。
なので薬は、皮膚が再生するまで雑菌で化膿したりするのを防ぐという消極的な治療をするのみなのだ。
お話を聞いてみると、別なドラッグストアーで冷やす物は購入したとの事。
だが、日焼けしたのは昨日である。今さら冷やしては、逆に血管が収縮して皮膚の回復が遅れる事になる。
しかも、念のために何を買ったのかを確かめてみて、ビックリ。
フェイスマスクタイプの冷却剤だった。成分を見ると、メントールが入っている。
おいおいおいおい、どこだよ。こんなのを売りつけたドラッグストアーは。
メントールは確かにスーッと冷たい感じがするが、立派な刺激物だ。
こんなのをヤケドした所に着けたら、それこそ皮膚が炎症を起して悪化させてしまう。使っていたら危ないところだった( ̄▽ ̄|||
とりあえず患者さんには、化膿止めのクリームを勧めて、患部を冷やしたり刺激したりしたりしないように伝えた。
これから海などに行った場合は、日焼けは立派なヤケドなので処置を間違えないように気をつけてもらいたい。
まず、日焼けした当日は日焼けした所を冷やす事。できれば冷たい流水で30分以上冷やすのが理想なのだが、体温が奪われると危ないので、冷却剤などを薄手の布でくるんで特に痛む部分を冷やすのが良いだろう。
最近は水枕のような大型で柔らかい冷却剤もあるので、それを使う事をお勧めする。
そして、冷やすのは最初の1日目だけである。翌日からは、早く皮膚を再生させるために肌触りの柔らかい服を身につけ、赤く腫れているようであれば、炎症を抑えるクリームなどを塗る。
さらに、ビタミンBの含まれている栄養剤を飲むと、皮膚の原料になる。
閉店間際に、市内の調剤薬局のTさんから電話。
調剤専門でやってきたが、市販のOTC薬も置こうと思うのでどんな物を揃えたら良いかという相談。
しかし、Tさんの薬局の近くにはドラッグストアーがある。
ウチだって近所に何軒ものドラッグストアーがあって、仕入れ値より安く売ってる物があると、ドラッグストアーで買ってきてお店に並べてるのに、何を揃えたら良いかと相談されてもなぁ(苦笑)
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◆8月2日(土)/2003年◆
お店に出てすぐに、処方箋がFAXで襲来。
そのほとんどが小児科であった。
やはり夏休みとはいえ、親が休める時でないと、なかなか子供を病院に連れて行くのもままならないのだろう。
小児科の薬を用意する時に厄介なのは、薬の分量を小児向けに計量しなればならない事。
錠剤なら割って、散剤(粉薬)ならば袋から出して音叉振動式電気計量計でコンマ1mgまで計る。
そして、それをパッケージングしていくので1人分を用意するだけで10分~30分程度を要する。
それが連続して来ているので、用意しているうちに「あれ、○○ちゃんのはどこまで出来たっけ」とか、「△△(薬名)は、どこ~!?」とか、「それはもう用意したよ」という大混乱に陥る。
もちろん、それだけに患者さんに渡すまでには何度も確認するのだが、ちょっと患者さんには見せられない光景である。
しかも、中には兄弟姉妹で受診していて、それが3姉妹であったり双子の兄弟だったりで、二重三重の罠である。(←罠ってなんだ。)
そう言えば以前にある小児科の先生に聞いた話で、患者の母親から診察を予約する電話があって受けたら、当日連れてくる子供を親が間違えたなんて事もあったとか。
他にも、病院で診察後にすぐに薬を子供に飲ませる時に、飲ませる子供を親が間違えて昏睡してしまったなどの危ない話も聞いた。
医療関係者も気をつけるようにはしていますが、親が自分の子供を間違えるという事までは分かりようがないので、くれぐれもご注意下さい(^-^;
やっと全てを用意してホッとしたところで、炭酸水素ナトリウムが余った。
主に胃酸過多などの時に処方されたりする。小児科に混じって大人の患者さんの処方箋も来て、その薬を用意する時に使ったのだ。
余っているのは1g程度。値段は安いので捨ててもかまわないのだが、なんだかもったいない。
お母んがこともなげに「舐めちゃったら」というので試してみた。
しょっぱい~(>_<)
そりゃそうだよ、ナトリウムなんだから。塩と似ている。
なんでも昔は小学校の家庭科の授業で、お饅頭を作るのに膨らし粉として使っていたとか。
ン十年前の話だ(笑)?
献血者の輸血でB型肝炎になったとみられる女性が死亡したとのニュース。
女性はもともと循環器系の疾患があったため、劇症肝炎が死因と断定はされなかったらしい。
だとすると遺族が解剖を希望したのか、それとも医療機関の方で解剖をしたいと遺族に申し出たのか。
いずれにしろ、死因の特定がなおざりにされなかったお陰で今回の事が分かった。
そして残念だったのが、日赤の対応。
死亡した女性は手術で複数の人からの献血を輸血され、献血者の一人が献血をした後に「病院でB型肝炎ウイルス(HBV)に感染していると言われた」と日赤に連絡。
連絡を受けた日赤は保管していた血液を再検査したが、HBVは検出されなかったため、追跡調査を打ち切ってしまったのだとか。
今やウイルスを検出できない期間(ウインドーピリオド)がある事はマスコミでも報道されていて、素人でも知っている事のはず。
肝炎ウイルスなどの感染が判明した人が過去に献血していたことが分かった場合、その血液を輸血された患者に検査および治療を呼びかける必要性がある事は明らかなのに、どうして怠ったのか。
患者と相対している医師でさえ、仕事としてこなしていくうちに患者が人間であるという事を忘れてしまうという。片付けなければならないノルマの1つになってしまうのだ。
日赤のスタッフもまた、自分たちが扱っている物がなんであるのかを忘れてしまったのかもしれない。
自分の仕事も流れ作業になっていやしないかと自戒。
気象庁の発表によると、関東地方もやっと梅雨が明けたようだ。
ニュースサイトを見てみると、ビール業界や家電メーカーなどは、これからの盛り返しに期待しているとの事。
ビール業界や家電メーカーなどは季節ごとの業績の事を大手を振るって公言できて羨ましい。
まさか医療業界が、「今年の夏は天候不順で体調を崩す人が多いと予想しており、収益増を見込んでいる」なんて言えないからねぇ(笑)
今日は隣の戸田市で花火大会があり、奥さんが観たいと言うので早くお店をあがって出かけた。
戸田公園駅から花火の観覧場所まで歩いて行くと、通りには屋台が何軒も並んでいる。
カキ氷の屋台を覗くと、「シロップかけ放題」の文字が。しかも、シロップの入ったケースには蛇口まで付いていた。子供たちは、2~3種類のシロップをかけたりしていた。
自分はそれはしなかったけれど、ラムネ味に惹かれてカキ氷を食べた。
その後で「具だくさん」と書いた札を掲げていたヤキソバの屋台を見つけて、試しに買ってみた。後でパックを開けてみるとビックリ。
屋台のヤキソバなんて、「高い・マズイ・ショボイ」物だと思っていたのだが、他の屋台と同じ値段でありながらボリューム満点だった。
入っているキャベツやニンジンも大きめに切ってあって、キクラゲやウズラのゆで卵なども入っている。
麺も太めで食べ応えがあり、味も申し分ない。う~む、女将さんの心意気といったところだろうか。
とまぁ良い事もあったが悪い事、と言うか嫌な事もあった。
花火を観覧する土手には、当たり前のように場所取りのブルーシートなどが敷いてある。それでも、誰かしら人がいるのはいい方で、中には誰もいないのに敷き詰めてあったりする。
それどころか、ハーケンなどの大きな金具でビニール紐などを地面に打ち付けて場所取りをしてあったりするのだから呆れる。多くの人出があるのに、転んだりしたらどうするのか。
そんな訳で、私もそうだし他の多くの人たちも座る場所に困って右往左往していた。
そのうちに打ち上げ開始の10分前になった。
そこで、ロープだけ張って誰もいない所などには、ポツポツと人が座り始めた。そりゃそうだ、誰も来ないのなら空けておく必要はあるまい。
そもそも事前の場所取りは主催者側も禁止している。
で、私もすでにどこが取ってある場所だか分からなくなってる所に座った。
そして、もうすぐ始まるという頃になって場所を取っていたらしい一団がやってきた。
「なに座ってんのォ! そこ取ってたんだよォ!」とオバサンが怒鳴りつけてくる。
お怒りはごもっともですが、主催者が場所取りを禁止している以上、違反しているのはそちらです。それに、持ち主が不明で放置してある物は拾得物として扱われる物です。
そう説明すると旦那さんらしい人が、「理屈を言うか!!」と怒り出した。
理屈じゃないって。アンタは規則と言うものを知らんのか。
周りの人たちも戸惑うばかりである。
「普通、子供がいたら譲るわよねぇ」などとまで言い出して溜息。
なるほど、子供をダシにするという事は、自分の方が正しくない事は分かってるワケね( ̄▽ ̄)
とりあえず、もうすぐ花火が始まるのでいつまでも騒がれるのは迷惑。
「空いてるスペースはあるんですから座ったらいいでしょう」と勧めた。
すると、「ああ、座るよ! 当たり前だろ、こっちが先に場所取ってたんだから!」と逆ギレ。連れの子供がオロオロしてて可哀相なくらいだ。
一家族だけじゃなくて三家族ぐらいの一団だが、誰も自分たちが悪いとは思わないらしい。座ってからも文句をブツクサ言うは、周りの人たちを威嚇するは(動物かい(^-^;)、まるでお子様の集団であった。
なんだかなぁ。子供がまっすぐ育つか心配になる。
花火の方は、不況の影響か玉数が減っているとはいえ、花火師の工夫や腕の冴えとでも言うべきか、タップリと楽しめた。
何枚かスローシャッターで撮影してみたので、よろしければ覧下さい。
http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200308/index.html
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◆8月3日(日)/2003年◆
今日は私が所属しているゲームサークル『SNAKE-EYES』のコンベンションである。
予定通りに出発し、会場に向かった。
http://www.snake-eyes.gr.jp/
夏休み中で他の行楽に出かけているのか、それともワンダーフェスティバルと同じ日だからなのか、久しぶりに参加者が30人を割った。
http://www.kaiyodo.co.jp/wf/garage.html
運営費としては赤字だが、人が少ない方が部屋は快適(笑)
そして今回は現場責任者の武井くんに勧められて、ゲームに参加する事になった。
いつもは事務作業をしているので、ゲームに参加するのは久しぶりである。
1年ぶりくらいかもしれない。
さて、なんのゲームかと言うと、『SNAKE-EYES』がなんのサークルかをしなければならないかな。
『SNAKE-EYES』の活動で扱っているゲームは、『TRPG』である。
これは、『テーブルトークロールプレイングゲーム』の略で、直訳すると『対話型役割演技遊戯』とでもなるだろうか。ひらたく言えば、“ゴッコ遊び”である。(やや、ひらたく言い過ぎかも)
アメリカでは子供の遊びとしての他に、学校などの教育の現場で活用されたりしており、日本でも一部の学校では取り入れてるところもあるようだ。
むしろ日本では、子供たちにイジメッ子の役やイジメラレッ子の役をやらせて、その“気持ち”を体験させたりと言う使い方をされていて、やや硬いイメージがあるかもしれない。
一方でテレビゲームで“トーク(対話)”を省いた『RPG(ロールプレイングゲーム)』として、『ドラゴンクエスト』などの方がメジャーになってしまったために、悪いイメージの方が定着してしまった感もある。
http://www.square-enix.co.jp/
とにかく『TRPG』とは、様々な世界で様々な役になって対話しながら楽しむゲームの事だと理解してもらって不都合は無いはずだ。
様々な世界と言ったが、それこそ各種のゲームがあり、いわゆる剣と魔法の出てくるファンタジーな世界もあれば、現代を舞台にした物や、宇宙を舞台にした物、ホラーやバトル中心の物などがある。
そして、それぞれの世界でゲームごとのルールに沿ってキャラクター(登場人物)を設定して、そのキャラクターを演じる。
子供の頃は、やはり演じるなら強くてカッコイイヒーローが良くて、やたらと腕力があったり頭が良かったりと弱点の少ないキャラクターを作成していたが、年を経るにしたがって“弱点のある人物”を演じるのが面白くなってきた。成長したねぇ(苦笑)
今回は3種類のゲーム卓が立ち、その中の『ガープス・マジカルシーフ』というゲームに参加した。
この『ガープス・マジカルシーフ』の舞台は、現代の日本である。
しかし、1つだけ特徴的な法律のある世界だ。
その法律は、『怪盗法』───。
私も初めてプレイするゲームなので解説を間違っていたらゴメンなさい。
私の理解したところによると、ゲーム中の日本では激増する凶悪犯罪を“コントロール”するため、泥棒をしても良いという法律が施行されているとの事。
ただし、条件が幾つかある。
まず、盗む前に必ず警察に、「いつ・どこで・何を」盗むかを予告しなければならない。そして、予告時間ピッタリでは盗むのは無理なので、予告時間の前後一時間以内ならばいつ盗んでも良い。ただし、予告をした本人だと証明するために、予告時間の前後1時間以内に必ず一度は警備している人間の前に姿を現す事。
犯行後、5時間逃げ切れば現行犯ではないものとして追跡されない。そのため、正体がバレても逮捕される事はない。
それと盗む時には、窓ガラスを割るなどの器物損壊や、人を傷つけるなどの過剰な抵抗はしてはならない。
これらを守る事で、泥棒が許されるのである。
さて、そうなると中には人々の人気を集める怪盗団もいたりして、さらにそれを捕らえようとする探偵団も存在する。探偵団の多くは、それこそ人気商売のアイドルグループなどで、これまた多くのファンがいたりするのである。
今回のGMさん(ゲームマスター/ゲームの進行係であり審判であり監督でもある)の言によると、いわば『ルパン三世』や『キャッツアイ』、『怪盗セイントテール』を演じて楽しむ事ができるゲームだそうだ。確かに。
そんな世界観の中で、プレイヤーたちは新進気鋭の怪盗団のメンバーを演じるのだ。
怪盗団のチームは4人。
おとり役のファワード、変装術を駆使するスカウト、道具を用意するメカニック、策を練るプランナーの中から好きな役どころをという事で、私はメカニックを選んだ。
自分が演じるキャラクターだから、みんなどうやったら楽しめそうかを考えながら性格や能力などを決めていく。
さっきも言ったが、オールマイティーで有能なキャラクターを作ってもあまり面白くはない。なにがしか弱点があった方が楽しい。
なので私は、性格を“誠実で正直”と設定した。泥棒なのに、誠実で正直ってのは間違いなくゲーム(物語)の途中で面白い事になるはずだ。
女性スタッフには、「北さんが誠実なキャラ? 絶対無理!」と笑顔で断言されてしまったがσ(^◇^;)。
他のプレイヤーさんたちも、それぞれに自分のキャラクターの設定をしていくのだが、なにげに弱点を作るのが楽しい様子。
フォワードは目立ちたがり屋(泥棒が目立ってどーする)、スカウトは強欲(金に目がくらんで失敗するタイプだな)、プランナーは深謀遠慮(石橋を叩き続けて渡れないぞ)という具合である。
そしてキャラクターの設定ができたところで、怪盗団のチーム名と盗む時の登場方法を話し合った。
プランナーの提案で音楽を流す事になったのだが、理由は後片付けがいらないから(笑)
確かに逃げなくちゃならない事を考えれば、音楽を流すのは楽な方法。で、その曲目はクラッシックがいいとスカウトが言い出して、私がバッハの『トッカータとフーガ』にしようと言ったら、あっさり通ってしまった。目立ちたがり屋と設定したフォワードは呆れていたが(苦笑)
と言う事で、怪盗団のチーム名は『旋律のバッハ』と決まった。怪盗団にしてはマヌケな名前である事よ。
さて、そんなこんなでゲームは開始された。
以下は、今回のゲームのストーリーである。
ここまで読んでちっとも興味の湧かなかった人は明日の日記まで飛ばしてもらってかまわない。
ゲームのストーリーは基本的にGM(ゲームマスター)がシナリオを用意しておくのだが、ゴッコ遊びはアドリブが身上。どんな展開になるのかは誰にも分からない。GMが用意した罠に次々とはまって大波乱の物語になるか、偶然の積み重ねでまったく山場の無い淡々とした物語になるか、神のみぞ知るである。
それと、各キャラの名前もプレイヤーが設定しているが、著作権が絡んでくるので、ここではフォワード、スカウト、メカニック、プランナーという役割で表記しておきますです。
先にも書いたように、このゲームの世界では怪盗法によって予告した上での泥棒行為は認められているので、新進気鋭の売り出し中の怪盗団が盗みのテクニックを競い合うテレビ番組などもある。
我々『旋律のバッハ』も、とある高校の女教師とその生徒たちで結成したチームであり、これから名を売ろうという怪盗団だ。
そこで、そのテレビ番組に出演し、見事に番組側で用意した賞金を指定された場所から盗み出す事に成功した。
それで気を良くした私たちは、師匠の家に訪れた。(すでに怪盗が職業として成立しており、ゲームのタイトルに『マジカルシーフ』とある通り、魔法が存在していて、各怪盗たちにはそれらを教える師匠がいるという設定なのだ。)
すると師匠が倒れていて、介抱する一方で師匠の家にある書斎を調べてみると、特別な魔法の薬が必要だと言う事が分かる。
しかし、その魔法の薬は高価で、また自分たちには作り出す事ができない。
そこで、魔法の研究をしている人を頼って譲ってもらえるように交渉に向かった。
相手は薬を譲るにあたって金銭ではなく、博物館に展示されている古代アステカの石仮面を要求してきた。
物語の展開としては、当然博物館に盗みに行くところだが、ここで各プレイヤーたちが設定したキャラクターの性格を考慮する事になる。
私は“正直で誠実”な性格としたので、多少の危険は伴うが依頼された通り博物館に盗みに行こうと主張した。
ところがスカウトは“強欲”という設定なので、どうせなら石仮面と薬を両方とも盗んでしまおうと言い出した。プランナーも、石仮面はともかく博物館より個人宅から薬を盗む方が楽で安全だと言う。
しかし私はあくまで「騙すのは良くない」と反対し(泥棒なのに)、“目立ちたがり屋”であるフォワードに「博物館から盗み出した方が目立つぞ」と持ちかけて、みんなを説得してくれるように持ちかけた。
この交渉こそが『TRPG』の醍醐味である。あらかじめプログラムされたスタンドアロン(ネットに接続されていない環境)のコンピュータゲームでは楽しめない。
で、やはり名前を売るためには博物館から盗む事にしようと決まった。
そうなると、まずは警察に予告状を出さなければならない。それを怠ると、逮捕される事になってしまう。
で、フォワードが「どうせなら予告状も目立つようにしたい」と言うので、予告状自体を博物館の展示コーナーに展示物のように置くという演出をした。
ちなみに、これらのキャラクターの行動は“行動宣言”という事で、GMに「○○をします」と伝えて、GMが「分かりました」と了承する事で認められる。GMが自分の用意したシナリオに固執するかどうかなど、キャラクターの取れる行動はルールよりも多分にGMの性格と懐の広さに左右される。
予告状を出したら、次は侵入経路と逃走経路の下調べと、手順の確認である。
いやぁ、悪巧みって楽しい(笑)
なんか“いけない相談”をしているみたいでワクワクしてしまう。
そして予告した時間(ゲーム内の)になり、プランナーが囮のハングライダーを飛ばして警官隊を陽動したところで、フォワードがさらに現場を混乱させて、その隙にスカウトが忍び込んで石仮面を盗み出した。
あとはメカニックである私のキャラクターが用意した車で逃走するだけである。
ところがそこに、美形のアイドル探偵が登場。しかも、ただ顔がいいだけじゃなく、実力のある探偵だ。
警官隊や、探偵などのキャラクターはGMが演じている。1人で何役もこなしつつ、ルールの判定などを行う。
ルールでは、盗み出す時に過度の抵抗は禁止されている。あまり強力な武器を使う事はできない。
そこで、目立ちたがり屋のフォワードが特殊な加工をしたトランプを探偵に投げつけた。探偵の服を壁に縫い付けてしまおうというのである。狙い通りに使えるかどうかは、3個の6面ダイス(サイコロ)で判定する。この時にダイスの出目だけでは偶然性に左右されすぎてしまうので、キャラクターの能力値に基づいて判定される。
例えば、やはり運動能力が高ければ命中率も良い。そこで、キャラクターの運動能力値が15の場合は、15以下の出目が出れば成功となる。(6面ダイス3個の最高値は18だから18が出れば絶対に成功である。)反対に運動能力値が10などの低い数値設定だと、10以下の出目を出さなければ失敗してしまう。つまり、運動能力が低ければ成功率も低い訳だ。
フォワードが投げたトランプは見事に命中、探偵の足を止める事ができた。
そこですぐに脱出すればいいものを、スカウトが“強欲”なうえに“好色”という性格設定だったため、カメラ付き携帯電話で美形な探偵の写真を撮っておきたいと言うので撮影した。(当然、プレイヤーが「写真を撮ります」と宣言して、GMがOKを出したからである)
そんな余計な事をしていたら、探偵の方もトランプを振り払ってしまって、また追われるハメになってしまった。仕方が無いので、フォワードがもう一度トランプを投げつけた。ただし今度は、探偵のズボンのベルトを狙って。
哀れ美形な探偵は、ベルトを落とされてパンツ丸出しになってしまった。
そうしたら、スカウトがまたも写真を撮った。おいおい(笑)
こうして、無事に石仮面の盗みに成功し、石仮面を良く調べてみると額の所に宝石らしきものがはまっていた。すると、なんとスカウトがその石を取り外してしまった。
曰く、「依頼されたのは仮面なんだからいいでしょ」と。
えーい、この泥棒め(笑)
かくして、額の石を取り外した仮面を依頼主に渡すと、約束通りに魔法の薬をもらい、それを師匠に飲ませて一件落着。……と思いきや。
なんと石仮面には魔物が封印されていたはずだと、目覚めた師匠に教えられた。石仮面の額に埋め込まれていた宝石が、封印だったのだ。
放っておけば、石仮面を手にした人物が魔物に取り付かれてしまう。かと言って、事情を話して宝石を返すとなると、もしかすると予告無しに宝石を盗んだという事になって逮捕されてしまうかもしれない。
そこで、今度は石仮面を渡した人物から石仮面を盗み出す事に決まった。
犯罪の隠蔽のために、また犯罪を犯そうというのだ。ひどい話だな、おい(笑)
かくして、改めて警察に予告状を出して、周囲からは「なんで個人宅なんて狙うんだ?」と不審がられながら、手はずを整えた。
ところが、アイドル探偵がこのあいだ恥をかかされたのがよほど悔しかったのか、事前に情報を流していて、ファンの女性たちまでもがアイドル探偵を加勢するために駆けつけていて容易に侵入できない。
そこでプランナーが立てた計画は、容赦の無いものだった。それは、スカウトが撮影した、前回の恥ずかしい写真を印刷してバラまくというもの。
ネットを通じてハッキングして画像データを流す方が手軽だが、ファンの女性たちを混乱させるためには、写真という物理的な物が良いという事で、メカニックの私が急遽その画像をプリンターで増刷した。
そして予告時間、アイドル探偵のパンツ丸出しの写真が何百枚と空からバラまかれた。ヒドイ作戦だね、どうも。
そのおかげで侵入は成功したものの、こちらの作戦に逆上したアイドル探偵には手を焼いた。あんまり手を焼いたので、動きを封じるためにフォワードが例のトランプでまたも服を切り裂いて裸にしてしまった。なんと、下品な展開。
しかし、ギャグはそまで。すでに石仮面の封印が解かれていたため、手にした薬をくれた人物は魔物に操られていた。
本人に危害を加えてしまっては怪盗法違反である。なんとか魔力を封じながら戦うという不利な展開になり、プランナーが策を立てて、なんとか封印のための宝石を石仮面の額に戻す事ができた。
そして、石仮面ごと持ち去って逃走した。
ちなみに、本当は変装術が得意なスカウトが、警察官に変装してスリ替えるという方法もあったのだが、強欲なスカウトに宝石を預けると、そのままトンズラしそうだったので、強行的に侵入して苦労するハメになった。同時に、スカウトが好色で、アイドル探偵の写真を撮っていたのが役に立ったのだから、何が幸いするか分からないものであるなと、妙に感心。
ゲームが終了してから、GMがゲームの展開上使わなかったネタなどの話を聞いた。
アイドル探偵の服を脱がすというのは予想していなかったので、まさかこんな下品なギャグ物になるとは思っていなかったとの事。
この、用意したネタにおさまらないところが楽しい。
それと、やはり私に“正直で誠実”な性格を演じるのは無理だという事が証明されてしまった(苦笑)
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◆8月4日(月)/2003年◆
“歯の薬“”が欲しいという患者さんが来店。
実は何度か来ている患者さんである。歯の薬とは痛み止めの消炎鎮痛剤の事なのだ。
それが分かってるから、続けて「炎症剤ちょうだい」と言ったのはご愛嬌。
「炎症させてどーする」というのは野暮なツッコミである。
それと一緒に、“化膿止め”も欲しいと言う。ウチで化膿止めと言えば、漢方薬の排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)の事である。読んで字の如くの名前で、化膿の原因になっている毒素を排出して散らす事が出来る。
しかし、まだ歯医者に行ってなかったんですか(^-^;
何度も勧めているのだが、歯を抜かれるのが嫌で薬だけを買いに来ている。
だが、消炎鎮痛剤で痛みを抑えて化膿止めで虫歯の進行を遅らせても、絶対に治る事は無い。
販売を禁止されてる薬じゃないし、もし売らなくても他の店に行くであろう事は目に見えている。
となれば言い方は悪いが、この患者さんを目の届く所に置いておかないと心配。とりあえず根気良く歯医者に行く事を勧め続けるしかない。
どうも『虫歯』という名称が、「痛みはともかく、たいした事は無い」というイメージを与えているのではないかと思う。
それは大きな間違いで、虫歯は“不治の病”なのである。癌(ガン)でさえ完治する可能性は現代においては大きいと言えるのに、虫歯だけは“完治”する方法は未だに無いのだ。
現役の歯科医が書いた『歯は中枢だった』と言うトンデモ本があるが、虫歯を内臓疾患に例えれば、臓器移植、しかも人工臓器に交換する以外に治療のしようが無い。
http://homepage3.nifty.com/hirorin/tondemotaisho2003hahachusu.htm
普通の病気なら早期発見早期治療によって回避できる病巣の切除も、虫歯の場合はどんなに初期でも削る以外に方法は無く、ただひたすら予防する以外に有効な手立てが無いという、他に類を見ない恐ろしい病気なのである。
そのうえ、感染症だから虫歯の患者が自分の箸で料理を取り、その同じ皿から他の人が料理を取れば感染してしまう。だから、特に幼い子供がいる場合は、親が使っている箸や皿は絶対に子供が食べる物に触れさせないようにしなければならないのだ。
ゆめゆめ油断なされぬように。(←何故、時代劇口調なんだ。)
北朝鮮から非政府組織(NGO)『レインボーブリッヂ』が持ち帰った子供の手紙と写真を、政府支援室を通じて拉致被害者が受け取ったニュース。
『レインボーブリッヂ』事務局長の小坂浩彰氏の記者会見は何度見ても笑える。
まさか、こんな面白いキャラクターが登場するとは思わなかった。
http://www.ngo-rb.org/
当初、小坂氏は写真は政府支援室に預けても良いが手紙は直接拉致被害者に渡したいとゴネていた。その理由が、「手紙には封がされていないから第三者に委ねられない」と言うので、テレビの前でズッコケてしまった。
だったら、自分が封をすればいいじゃん(笑)
もしかすると、それを誰かに突っ込まれたのか、結局は政府支援室に預ける事となった。
『レインボーブリッヂ』の活動を調べてみると、やってる事に関しては人道支援という事で、特に非難されるべき点は無いように思える。
しかし、分別はつけてもらいたいとも思う。
私はNPO(特定非営利活動法人)の子供教育の団体に関わっているが、正直なところ“善意”ほどやっかいでハタ迷惑なモノはない。
なにしろ、自分たちのやってる事は正しいと思い込んでいるものだから、検証するという視点に欠けている。
だから私は、「子供の教育を国にまかせっきりではいけない」という主旨には賛同しているから関わっているが、距離を置くようにしている。でないと、どうにも危険な気がしてならないのだ。
肝心の子供たちに目を向けずに、幻想の中の勝手なイメージの子供のための活動をしてしまいそうで。
今回の騒動も、記者会見やインタビューでの小坂氏を観ていると、なんで騒ぎになってるのか本当に分からないといった顔でキョトンとしてる。
何を叱られてるのか分からない子供と同じ表情で、おそらく『レインボーブリッヂ』が胡散臭く思えてしまうのは、これからも何をしでかすか分からない警戒心を抱かせるからだろう。
一方、拉致被害者が政府に対して不信感を抱くのも、政治取引に利用されるのが不愉快なのも良く分かる。良く分かるが、情に流されない対応こそが、必要なのだと私は思う。
政治取引に使われると言う事は、目的が定められるわけで、目的が定まっていれば道筋も付けようがある。
少なくとも拉致被害者やその家族はともかく、支援者までが同じ視点で腹を立てるのは感心しない。
むしろ政府を動かすのに今まで何十年もかかったのは、情に訴えていたせいではないだろうか。
政治家の既得権益などは良く批判の対象となり槍玉に挙げられているが、実効力を考えれば、もっと早く“人気取り”として使える事を知らしめて働きかければ良かったのにと思う。
子供の便秘で親御さんが来店。
子供用の浣腸を下さいと言われたが、念のために便秘の状態を尋ねた。
訊くと、浣腸してもなかなか出なくて、出ても兎のようにコロコロした便だと言う。
便がコロコロしているのは、腸が痙攣している可能性がある。
腸が痙攣している便秘の場合は、いくら浣腸をしても無駄である。むしろ、腸に無用な刺激を与えて腹痛を起こしてしまう事もある。下剤も同じ。
そして、子供が痙攣性の便秘を起こすのは、ほとんどが精神的なストレスが原因だ。
そこでさらに詳しく話を訊くと、思い当たる事としては下の子供が生まれてから便秘になったようだとの事。
おそらくその推測で間違いないだろう。
親としては、上の子も下の子も同じく接しているつもりだろうが、子供の感じ方はコントロールできるものではない。下の子供ばかりをかまってるように感じて、それがストレスになっているというのはあり得る事だ。
だとすると、便秘をどうこうというより、精神的なストレスを緩和してあげた方が根本的な治療になる。
漢方薬では、小健中湯(しょうけんちゅうとう)が有効だろう。
ところが、ここで問題が。なんでもその子は、大の薬嫌いなのだそうだ。
ゼリーに混ぜて飲ませるのもダメだという。
う~む、困ったな。
ハンバーグのような物に混ぜても分かってしまうかもしれない。
考えているうちに、ポンッと閃いた。
カレーはどうだろうか。
カレーの原料になっているスパイスは、そのほとんどが漢方薬の原料と同じである。あの独特の色も、ウコンが入ってるからだ。
それにカレーは匂いも味も濃い。漢方薬を入れても気づかないはずだ。
聞けば、その子もカレーは大好きとの事。
好きな物を食べるというのもストレスの緩和になる。上手くいくかもしれない。
親御さんも試してみるという事で、小健中湯を買っていった。
さて、結果はいかに。
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≪通巻13号≫
提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
※7月15日(火)……“カウンセリング過誤”は無いのか?
※7月16日(水)……漢方薬の講習会『和解』
※7月17日(木)……ビデオ評『ギャラクシークエスト』
※7月18日(金)……子供は就職難
※7月19日(土)……介護講習会『住宅改修』
※7月20日(日)……災害体験の思い出
※7月21日(月)……“怪傑オバサン”の怪
******************* 先週の平凡な日記 *********************
◆7月15日(火)/2003年◆
病院からの処方箋を持ってくる患者さんの中には、投薬瓶や軟膏壷、注射器などの機材が必要な場合がある。
その機材の代金には保険が効かず、実費となる。
そしてその実費に利益をどれくらい乗せるかはお店しだい。まぁ、そんな馬鹿な利益を乗せる事は普通はしない。
で、ウチでは基本的に仕入れ値で売っているのだが、たまたま今日、機材だけを処方箋で指示された患者さんの処方箋がFAXで入った。パソコンに入力して会計をしてみるとやけに金額が少ない。
おかしいと思って、単価を調べてみるとビックリ。消費税分を乗せるのを忘れていた(^-^;
問屋さんには消費税は支払っているので、伝票上の仕入れ値で売っていては、売るたびに消費税分がマイナスである。今までは薬との合計の金額が出ていたので、まったく気がつかなかった。
このあいだは、軟膏壷を仕入れ値より安く登録していたのに気づいたが、ちょっとサービスしすぎである。
長崎県での幼児誘拐殺人事件に関して、加害者の少年と同じ学校に通っている生徒たちへ、カウンセリングが行われているそうだ。
池田小事件などの時にも、被害者の子供たちなどに対してカウンセリングが行われていたように、最近はよくカウンセリングの大切さが伝えられている。
しかし疑問に思うのだが、以前はつまりそのようなカウンセリングはあまり頻繁には行われていなかった。重要視されてこなかった。
それでも被害者、あるいは加害者たちは心の苦しみを乗り越えてきたはずだ。
もちろん精神を病んで専門医の治療を受けたりした人もいるだろうが、基本的には自力でその苦しみに立ち向かっていたはずだ。
だとしたら、最近のカウンセリングはいったいなんなのか。
本当に本人のために役に立っているのか。
実は、日本では最近になって取り組むようになったたため、カウンセリングの良い効果ばかりが喧伝されているが、すでに取り組んできていた諸外国では薬で言うところの“副作用”の研究も進んでいるそうだ。
英国の研究チームによると、対象者にかえってそうした問題で自分が苦しむ事を予期させ、それによってさらに心理的問題を引き起こしてしまう可能性が考えられるとの報告がある。
また、事件事故の遭遇者のうち助けが必要なのは20%止まりだという研究結果も出ているらしい。
同様の研究は、オランダやアメリカなどでも行われているそうだ。
思うに、「カウンセリングが必要かどうかのカウンセリング」が、まず必要なのだろう。その辺りの事は、マスコミの報道では分からないのだが、日本でも研究が進められているのだろうか。
“医療過誤”があるのなら、“カウンセリング過誤”というのもあるような気がする。
今後、ちゃんと検証がなされる事を望みたい。
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◆7月16日(水)/2003年◆
今日は漢方薬の講習会。
テーマは、『和解』。
いや、示談や裁判の和解じゃなくて。
漢方では、臓腑間、すなわち内臓間の機能調節などを正常にする事である。
例えば熱を下げる事を普通は“下熱”と言う。
これは、ガスコンロに火がついてる時に水をかけて消すようなものだ。
火は消せるが、ガスコンロ本体にもダメージを与えてしまう可能性がある。
一方、もう1つ熱を下げる方法が漢方にはある。それを“清熱”と言う。
これは、ガスコンロの火がついてるなら元栓を閉める事で火を消すようなものだ。
どちらが良いということは無い。状況に応じてである。
もともと体力がある人や、あまりに熱が高くなって早く下げなければならない場合は下熱するし、ふだんから体力の無い人や急激に熱を下げる必要が無い場合は清熱して穏やかに熱を取り去るのが好ましい。
この“下熱”と“清熱”を総称して“解熱”と言うので、口頭の場合は注意。
そして、“和解”の1つとして“清熱”作用があるという訳である。
和解のための“和解剤”の代表的な生薬には、『柴胡(さいこ)』がある。
つまり、柴胡という生薬の入っている漢方薬は、和解剤として使われる事が多い。
小柴胡湯(しょうさいことう)や大柴胡湯(だいさいことう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などがこれに該当する。
やはり分かりやすい例として風邪を例にとると、風邪の初期には葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)を用いて下熱に努める。ただし、この二つはさっきのガスコンロの例えとは矛盾するように思われるかもしれないが、漢方薬では熱を下げるために一度体温を上げて汗をかかせて、その冷却効果によって熱を下げる。(現代薬は、それこそさっきの例えのように直接水をぶっかけるように熱を下げるので、体には乱暴。)
しかし、風邪も後半になってくると胃腸が弱くなっていたりして、回復力が上がらない。微熱を引きずってしまう事もある。
そこで、柴胡桂枝湯に切り替えると、胃腸だけでなく肝臓の働きも助けて、それにより残った熱を散らして体力を回復する事ができる。
この辺りの事は、風邪だと言うとすぐに葛根湯を処方する医師にこそ覚えておいてもらいたい。
また、柴胡には神経を安定化させる作用もあるので、病気で不安になっている患者にとっては、さらに有効だとの事。
唯一の欠点は、柴胡は生薬としては栽培が難しく値段が高いので、当然それが入った漢方薬も高くなる事か(^-^;
そうそう、小柴胡湯は別名『三禁湯(さんきんとう)』とも呼ばれている。
内臓疾患の治療法として“汗吐下和(かんとげわ)”というのがあるのだが、この内の“汗吐下”の治療法を使えない患者に用いるのだ。
“汗”とは「汗をかかせて熱を下げる」こと、“吐”とは「吐かせて毒(原因)を取り去る」こと、“下”とは「排便させて毒(原因)を取りのぞく」ことである。
つまり、これらの治療法では患者の体に負担がかかる事が懸念される時に、「和をもって癒す」訳だ。
もっと、ぶっちゃけて言ってしまうと、どうにも適した治療法が分からない時の“最後の頼み綱”として用いる。
そう言えば、私も最近の持病の喘息が良くならなかった時に小柴胡湯を飲んだら効果覿面であったな。
風邪を例にばかり挙げたが、講習会では和解剤を用いる症例として『肝胃不和(かんいふわ)』などについても述べられた。
『肝胃不和』とは、読んで字の如くで肝臓と胃の相互の働きが悪くなった状態の事である。お酒を飲みすぎると、肝臓を過労させてしまい胃を痛めてしまうのも、この症状だ。
一般的によく飲まれている胃薬は、漢方薬の安中散(あんちゅうさん)と同じ成分が入っていたりする。消化剤などが該当する。
ところが安中散の効能は、胃を温める事で治療するため、胃炎には向かない。
冷たい物の飲みすぎや食べすぎで胃の働きが弱っている時に限定されなければならないのに、手軽に入手できるせいで間違って買われるケースが後を絶たない。
では、胃炎の場合は何が良いかというと、黄連(おうれん)という生薬が入った漢方薬、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)や五苓黄解(ごれいおうげ)などだ。お酒の飲みすぎによる二日酔いなどの場合は、胃炎までいかなくても胃が熱を持っている事が多いので、安中散はタブーとなる。
以前の日記で、やはり胃薬として用いられる事の多いガスターが胃酸過多以外の症状には合わないように、胃薬は店頭で簡単に入手できるが、安易に選ばない方が良い。
簡単な見分け方としては、温かいお湯を飲んで胃が落ち着く時は胃が冷えていて、温かいお湯を飲むと胃がむかつく時は胃が熱を持ってると判断して良いだろう。ただし、これもまたあくまで判断材料の1つに過ぎないという事を肝に銘じておいてもらいたい。
帰りに新宿で奥さんと待ち合わせをして、映画『ターミネーター3』を観に行った。女性は1,000円で観れるので(笑)
http://www1.t3-jp.com/
ここから先は、ネタバレがあるのでこれから観に行く人は翌日の日記まで飛ばしてもらいたい。
実のところ、この作品は各方面から試写会の段階で評判が悪かったので、あまり気乗りしなかった。
だから、気持ち的には奥さんのお付き合いで、しょうもない内容だったら寝てりゃいいやと思っていた。
それからすると、概ね満足のいく作品だった。
予想通り、2作目を越える事はできなかったし、観ている途中も「おいおい、ちょっと待てよ」とツッコミを入れたいシーンもあったのだが、ラストでスッキリとまとめてくれたので不快感は無い。
そして、純粋にエンターテインメント作品として観れば、映画館で観る価値はあった。
物語はというと、サラとジョンが世界を救った時から10年後。
すでに予告された“審判の日”は過ぎて自分の使命を果たし終えたと思ったジョンだったが、本当に“審判の日”を回避できたのか不安な日々を送っていた。
その予感は的中して、ジョンと未来で部下となる人間たちを抹殺するために女性型ターミネーターT-Xがやって来る。
もちろんシュワルツェネッガーが演じるT-800が、ジョンを「生かす」
ように「命じられ」て助けに来るのだが、途中で中学時代のクラスメイトの女性ケイトと出会い、一緒に逃げる事になる。
そして、前作で破壊したはずの人類を滅ぼすスカイネットがまだ生きている事を知り、スカイネットを破壊するために軍の施設に向かう。
もともと3作目は予定されていなかったのだから、強引な辻褄合わせとも言える展開が続くが、前作を知らなくても理解できる範囲に収めていて、その点は上手いと思った。
それに格闘シーンが、最近は『マトリックス』などで良く観るようなストップモーションもハイスピードなども使わずに、ちゃんと重力を感じる描き方をしていたのも好感が持てる。
でもなぁ、最初にジョンたちが逃げ切った時にT-Xは追いかけなかったのに、何故か墓地ではジョンたちを追いかけたりと、行動に一貫性が感じられなかった。何か意図があったのかな。
それと、ケイトがジョンの将来の妻になるという設定をより際立たせ、かつケイト自身に戦う理由を持たせるために、ケイトの婚約者がT-Xに殺されるシーンを入れていたと思うのだが、父親まで殺すなら必要なかったのではないかと思ってしまった。
婚約者が死んだ事を知って悲しむケイトに、ジョンが「どうしようもない事もある」というような慰めの言葉をかけていたが、傍(はた)から観てると印象悪いぞ(苦笑)
インターネットが普及した現在では、オチは薄々と分かったので“どんでん返し”という程では無かったものの、主人公ともども脱力させてくれる演出は悪くなかった。ただ、そこでいきなり決意を固められても、「大丈夫か?」と言いたくはなったが。
観客として醒めた目で見るとそう思えるだけで、彼にとっては現実な訳だからそれでもいいのか。
そして今回のラストからすると、今回の作品によって“ターミネーター=シュワルツェネッガー”という枷がはずれて、同じ世界の中の別なストーリーで作品が創られる事になるのではないかという気がする。
観たいような観たくないようなσ(^◇^;)。
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◆7月17日(木)/2003年◆
お店に出てビックリ。
今度のマックスファクターの新製品を展示する組み立て式の厚紙製の台が壊されている。
一昨日到着して組み立てたばかりなのに。
イタズラでもされたのかと思ったら、昨日祖父が捨てるのだと思って壊してしまったのだそうな。
しまった~。いくら爺ちゃんが片付け魔でも、まさか新品の台を捨てようとするなんて思いもしなかった。
新製品の発売は21日にせまってるし、もうマックスファクターから同じ台はもらえないし、これが無いと新製品を並べられないしで、お母んが寝込んでしまった( ̄▽ ̄|||
13日に自宅を出たまま行方不明になっていた東京都稲城市の市立小学校6年生の女の子4人が無事に保護されたとのニュース。
詳細はまだ不明だが、赤坂のウィークリーマンションに監禁されていて、1人が脱出に成功して近所の人に助けを求めた事から警察が保護したらしい。
監禁されていた女の子たちが手錠をかけられていたというのも不気味だが、そこまではよくある話。(そうか?)
さらに不気味なのは、仕切りのある隣の部屋で男が1人死亡していたという。
しかも、練炭入りのビニール袋を顔に被せてあったとか。仲間が殺すにしても普通の殺し方ではない。なぜ、刃物を使って即死させなかったのか。
子供達が無事に保護されたことから(心に傷は負っただろうが)、みんな“安心”して事件の推理を楽しめるみえて、長崎県での中学生による幼児誘拐殺人事件よりもさらに盛り上がってるのがナントモハヤ。
せっかく世界水泳シンクロで金メダルを獲得した選手たちが話題にならず、なんだか可哀相である。
巽さん、鈴木さん、米田さん、原田さん、藤丸さん、川島さん、渡辺さん、北尾さん、全然知らないけどお疲れ様でした。
テレビで観ただけだけど、確かに素晴らしい演技で感動しました。
いや、ホントに。
友人から勧められて、ビデオで映画『ギャラクシークエスト』を観た。
http://www.uipjapan.com/galaxyquest/
『スタートレック』のような宇宙船が画面に現れるものの、その造りはなんともチープ。画面サイズもテレビサイズ。
いったいなんなんだと思っていたら……。
いや、笑った笑った。笑い通しで、お腹が痛くなった。誇張ナシに(⌒▽⌒)
どうしてオープニングがテレビサイズだったかというと、設定がテレビドラマだったのだ。つまり、テレビで放送されていた番組のシーンが導入部なのだ。
そして、その番組は宇宙を舞台にしたSF作品で20年前に打ち切られたものの未だに熱狂的なファンに支持されていて、その作品のファン大会で番組の出演者である主人公たちが舞台挨拶をするシーンへと変わっていくのだ。
しかし、舞台に立つまでに主人公たちは愚痴をこぼしたり、お互いを罵ったりと険悪な雰囲気。
例えば、主人公たちは宇宙探査局の宇宙船プロテクター号の乗組員という設定なのだが、女性隊員役のグエン・デマルコ(なんと演じてるのはシガニー・ウィーバー!)は、「インタビューされても誰も私の役の事なんて聞かないのよ! 聞かれるのは、いつもバストのサイズばっかり」と怒り、異星人役を演じているアレックス・デーンは「私は名優。リチャード三世を演じたんだぞ。……それがこのざま」と嘆くのである。
ところが1人、艦長役のジェイソン・ネズミスだけは、嬉々として演じている。売れない役者でもある彼は、ファンにもてはやされるのが好きなのだ。それが余計に他の出演者たちの反感を買ってしまう。
それでも、プロの役者としてファンの前に出ればみんなファンサービスをするものの、会場に来ている熱狂的なファンの中に本物の異星人が紛れ込んでいた事から物語は思わぬ方向に展開していく。
実は、その異星人は主人公たちが出演していたテレビドラマを歴史的なドキュメンタリーだと思い込んでいて、他の異星人からの侵略の危機を救ってもらいに来たのだ。
かくして主人公たちは異星人たちが造った、出演していたテレビドラマに出てくるプロテクター号と同じ形と能力を持った宇宙船に乗り込み、本物の宇宙戦争に巻き込まれていく事になる。
この物語展開だけでも面白いのだが、「痒いところに手が届く」とでも言うのか、いわばテレビドラマを茶化したパロディネタも盛りだくさんで飽きる事が無い。
どうして主人公たちが異星人の宇宙船が操縦できるのかというと、異星人の方が観ていた主人公たちが出演していたテレビドラマを元に制作していたからだし、その宇宙船の中の通路には何故か罠とも言える仕掛けが施してあって、グエンが「このシナリオライターは死ね!」などと毒づく。
一番笑ったのは、自爆装置が作動してしまい、それを止めに行くシーンだ。
さすがに宇宙船の内部構造を知らないジェイソンは通信機で地球にいる熱烈なファンに連絡を取り、自爆するのを阻止する方法を聞きだす。
つまり、熱烈なファンなら番組の出演者が知らないような細かい設定を知っているという事をネタにしているワケだ。
そして、いざ自爆装置のタイマーを停止させようとしてみても止まらない。いったい何故か!? 果たしてどうなるのか!?
言えない言えない、もう言えない。
もしこれから観る人がいたら、一番笑えるこのシーンは実際に観てもらいたい。確かに、あの異星人たちが造った宇宙船なら、「そーゆー仕掛け」になってるわと納得(笑)
なんでこの映画が劇場公開時に話題にならなかったのか不思議なくらいだ。
高い金を払って『マトリックス』なんかを観るくらいなら、この作品を観た方が断然お得である。
『ターミネーター3』と比べても遜色ない。内容的には、比べるようなもんじゃないけど(^^ゞ
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◆7月18日(金)/2003年◆
とりあえず、マックスファクターの新製品を置く台の残骸はあるので、使えそうな部分を集めて修復。
やってはみるもんで、なんとか使えそうである。
紙だから壊しやすいわけだが、直す材料も紙なので。
しかし、結構頑丈な造り。よく爺ちゃん1人で壊せたなと、妙な感心。
女の子4人が無事に保護されたニュースの続報。
どうやら、死亡していた男性は自殺らしい。
動機は良く分からないが、自殺するのに女の子を巻き込むなよ。
でも、一酸化炭素中毒で自殺するのに女の子たちを道連れにしないように自分だけビニールを被ったそうだから、偉いぞ。(←誤記)
一方、事件に巻き込まれた女の子たちのうち3人は以前にも渋谷で女性に声をかけられて掃除の手伝いをしてお金をもらっていたらしい。
そこで今回も友達をさそってバイトでお金を稼ごうと思っていた模様。
今回は当然のことながら犯罪の方がクローズップされていて、学校関係者なども「危ないところには近づかないように指導したい」と言うような事を発言していたが、子供たちの教育だけではなく子供達が“安心して働ける”仕組みも作っていくべきではないだろうか。
現在、子供は自由に働く事ができない。芸能関係など、ごく限られた分野で特例として働く事が認められているばかりである。
これは、日本自体が貧しい頃に貧しい家庭の子供が不当に労働させられる事を防ぐための措置だった。
外国では、やはり貧しい子供たちが新聞売りや靴磨きなどをしている。現在の日本人の感覚からすると可哀相だと思えるが、しかし別な視点で見ればそうゆう子供たちは早くから商売を通じて他人との接触を学んでいるとも言える。
一方、日本でも法的には検挙の対象にはなっていないが、自営業の家庭では子供が家の商売を手伝うという事がある。私も、幼い頃はお店の手伝いをしていた。(大抵は邪魔していたとしか思えないが)
家の商売を手伝った子供が特別優れているなんて事は無いが、少なくとも「おべっか」は上手くなるだろう(苦笑)
いろんなお客さんと接する事で、「世の中には変な人もいる」という事を学ぶ事ができたのは、おおいに役に立ったと私は思っている。
そこからすると、子供たちが働ける環境を整えるのは将来の日本のためにもなるのではないだろうか。
学校で勉強し、働いてお金を稼ぎ、余暇で遊ぶ。社会の仕組みの中で子供が育つ環境というのは理想的だと思うのだが。
今の一般的な環境では、学校で勉強をしてお金は親からお小遣いとしてもらい、楽して得たお金で遊ぶという事になってしまう。
お金は楽して得るものだと思ってしまえば、正規に働く先が無いのだから、いかがわしい所で楽して稼ぐという事になるのも当然の成り行きだと思う。
行政が子供を受け入れてくれる店舗や企業を審査のうえ登録し、子供が働く事を希望している家庭で親が申請すれば親の勝手による不当な労働でないか面接のうえ調査し、子供が働き始めてから追跡調査して子供の安全を確保する。
仕組みとしては、少し複雑になるが、子供にただ口だけで注意を促すよりは、よほど効果があるのではないだろうか。
湿疹用のスプレー剤を求めてお客さんが来店。
あいにくと同じ製品は扱っていなかったので、注文しましょうかと尋ねたが、無ければいいとの返答。
薬の成分を見ると副腎皮質ホルモンが入っている。長期間使用したり、効き目が強かったりすると腎臓への悪影響もある。あまり長期間使うのは好ましくない。
その上、スプレータイプという事は背中など手の届かない部分の湿疹なのかもしれず、親が直接は患部を見ていない可能性もある。
そこでもう少し、詳しく尋ねみたところ、患部は頭皮だとの事。
しかも、オデキのような物だと言う。
患部が頭皮ならば、やたらと広がってしまうスプレータイプより、ピンポイントで狭い範囲に塗布できるローションタイプの方が良い。
そして、もし本当にオデキだとしたら湿疹とは使う薬が正反対だ。
しかし、本人は痛がっていない事や、髪を染めていて地肌が赤っぽくなってるらしい。それなら、湿疹だと思って間違いないだろう。
とりあえずそれらの事を説明すると、ローションタイプの効き目の弱い(つまり副作用の弱い)湿疹用の薬を買っていった。
やはり、尋ねておくもんだ。
元衆議院議員の辻元清美氏が国から秘書給与をだまし取っていた疑いで逮捕されたとのニュース。
辻元氏も菅直人氏と同じように、市民運動家から政治家に転向したが、どうも市民運動家は脇が甘いように思える。
特に辻元氏は「船旅を通じて国際交流を深める」とか「反戦平和を訴える」というNGO団体『ピースボート』に関わっていたが、あれだってわざわざ他所(よそ)の国に行って迷惑をかけてくる活動をしている。
“イイコト”を掲げているから批判しにくいのをいい事に好き勝手をやっているのが余計にタチが悪い。
それは、「正義のためには悪い事もかまわない」……と思ってるくらいならまだいいが、やってる事が全て正しいと信じている“確信犯”みたいなものである。
ちなみに、テレビなどで「これは“確信犯”ですね」という使い方の大半は間違い。おそらく、「悪い事と知りながらやった」事を確信犯だと勘違いしてるのだと思うのだが、正しくは「正しいと“確信”してやった」人の事を“確信犯”と言う。───まぁ、どうでもいい知識だが。
とにかく、私としては、この手の手合いは市民運動家止まりでいてもらいたい。
妙な正義感を持った市民運動家が政治家になって国政に関わる事ほど恐ろしい事は無い。
それこそ、近所づき合いというモノを考えずに町内会で孤立を招くように、日本を世界の孤児にしてしまいかねない危険がある。
だいたい市民“運動家”というのがオカシイ。“運動”になった時点で、それは“市民感覚”から乖離していく事になる。その事に気がつかないのが痛々しく、そして厄介な存在と言えるだろう。
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◆7月19日(土)/2003年◆
子供の患者さんの処方箋がFAXで入った。
幼児なのに、かなりの量と種類の薬である。こんなに飲めるのかと心配になる。
しかし、いざ親が子供を連れてきてお話を訊いてみると、なんだか薬を飲むのが好きなんだそうな(苦笑)
いや、まぁ先日などは口を絶対に開けなくて飲ませるのに苦労しているという患者さんの親の話を訊いていたので、ホントにいろんな子がいるんだなぁと。
私はというと、子供の頃から店にある漢方薬はほとんど飲んでいる。イヤだね、どうも。
今日は午後から介護講習会に出席するため、お昼前にお店を出た。
JRの駅で、堂々とタバコを咥えたまま改札口を入っていった馬鹿者がいたので注意した。
本人はこちらの顔も見ずに(怒鳴ったのでビビッたのか?)喫煙コーナーを指で指して「向こうで吸いますから」と言い訳していたが、そこまで吸い続けるつもりとは、なんとも図々しい。
「消してから行きなさい」と言うと、「どこで」と不貞腐れるので(小学生かお前は?)、「足で消せばいいだろう」と言ったら意外に素直にその通りにした。
ホッ=3
なんだか、私が死ぬとしたら喫煙を注意して返り討ちにあってという事になるんじゃなかろうか。
もっとも、友人たちに言わせると「その前に女に刺されるだろ」だそうだが。
私もタバコは吸うだけに、マナーを守れない喫煙者がいると迷惑この上ない。
『健康増進法』などがドサクサ紛れに成立してしまうのも、そうゆう輩のせいだと思うと腹立たしい。
これで腹を立ててしまったせいなのか、それとも今日はツイてないのか。
駅を出て会場に向かう途中で、中学生くらいの野球部の自転車集団と遭遇。
しかも、歩道を2列で走行してきた。さらに、まったく避ける気配も見せない。
つまり、歩行者がよけて当然とでも思ってるらしい。
で、とりあえず一列で走行できる分には空けたのだが、そのまま突っ込んできてぶつけられてしまった。
それも、次々とぶつかっておきながら誰一人として謝りもしないで通り過ぎていく。
しばらくは我慢していたのだが、さすがに20人くらいを越えたところで我慢ができなくなり、ガッと走行中の自転車の生徒の腕を掴んで止めた。(ヤメレ)
どこの学校かを尋ねると地元の幸並中学校の生徒だった。
http://www.tachi-bana.co.jp/school2.html
とりあえず今は急いでるので、学校に苦情を入れるのは後回し。
説教をたれるのは嫌だし面倒なので、その場で解放した。
しかし、幸並中に限らず中高生の自転車の乗り方は、かなり問題があるように思う。
原因として思い当たるのは、自分もそうだったが学校での指導内容だ。
対自動車やバイクからの被害を避けるために交通ルールを守るようには教えても、対人への加害者とならないようには指導された覚えが無い。
私は自動車の免許こそ持っていないが、原付の免許を取るときには交通法規の教本は読んだ。
一読すると分かるが、自転車は意外なほど規制が厳しい。
本来は車道を走らなければならないし、横断歩道は降りて渡らなければならない。
2人乗りは当然禁止だが、2列になって走行するのも禁止されている。
「えっ?」とも思ったが、歩行者に対して警笛(ベル)を鳴らすのも禁止である。
よく歩道で歩行者に自転車がベルを鳴らして道を譲らせたりする光景を目にするが、2万円以下の罰金だそうで意外と重罪なのだ。
実際には違反行為と罰則とのバランスを取るために悪質なケースでなければ取り締まらないが(2人乗りなども大抵は口頭注意のみ)、本来は違反行為をしているのだと意識しておいた方が良い。
例えば、歩道を走っていて歩行者にぶつかった時に、運悪く相手が転倒して怪我をすれば業務上過失傷害となる。今回のように謝らずに通り過ぎてしまえば、当て逃げとして罪がさらに重くなる。
学校でも、そろそろそうゆう事を教えておくべきではないだろうか。
そう言えば、小学生の頃には信号は「青は進め・黄色は注意・赤は止まれ」
と教わったが、あれだって交通法規では「黄色は止まれ。ただし、停車する事で危険がある場合は進め」というように定められている。
これもちゃんと子供たちに教えておかないとならないのではないか。
誰だ? 最初に「黄色は注意」なんていい加減な事を言い出したのは?
介護講習会の会場には、やや遅れて到着。
今日の講習会のテーマは、『介護保険制度における住宅改修(居宅介護支援住宅改修)』についてである。
講師は現役の医師で、まだ介護支援の制度が出来る前から、患者さんを在宅介護できるように相談に乗り、時には患者さんの家にも出向いて家の状況を調べたりという事をしてきたそうだ。
介護保険制度の難しい点は、医療関係者だけではなく税理士や司法書士など、財産や法律に関する専門家も連携していかなければならない事だ。
ちょっとした申請の不備で保険給付金が受け取れなくなったりする。
そうなると、知恵を絞っていささか裏技的な方法を用いる事も、まぁ私からはお薦めはしないが考える必要があるだろう。
例えば、福祉用具の購入費が1年間に10万円までを限度(1割は自己負担)に給付されるとした場合、現実的には10万円などあっとい間に越えてしまう。
しかし、年度をまたいで購入して申請すれば………。
これ以上は言えません( ̄▽ ̄)
住宅改修の申請は、素人にはかなり敷居が高い。
まず、介護保険居宅介護支援住宅改修費支給申請書を用意する。これは、市町村の役所や役場に行けばもらえる。
問題は、その他の書類だ。
住宅改修が必要と認められる理由書。これは、担当の医師に患者さんの状態を詳しく訊いて作成しなければならない。
工事に関わる領収書および工事内訳書。これがなかなかに曲者で、材料なども細かく調べなければならない。本当にその材料を用いて工事したのか、後でかなり厳しく調査されるので、工事を依頼する工務店と綿密な打ち合わせが必要となる。ハッキリ言って、材料費や工事費の相場など普通の人には分からないので、よほど信頼できる工務店でないと心もとない。
改修前・改修後の状態を確認できる書類(日付入り写真・図面)。特に忘れがちなのは改修前の写真だから要注意である。これが無いと、給付を受けられなくなるか給付額を減額されてしまう。
それから、住宅の所有者が本人でないない場合は、所有者本人の承諾書。例え家族でも、本人の持ち家でなければトラブルの元になる事から、ちゃんと手続きをしなければならない。
そして、これらをトータルでサポートしてくれるのが介護支援専門員(ケアマネージャー)である。
今並べてみたように、医師や工務店など専門家の間を取り持って手続きをしてくれる。しかしそれだけに、依頼するケアマネージャー選びにはより慎重さが必要となる。
引き受けるケアマネージャーも大変だが、患者さんの方も神経が磨り減る事このうえない。世の中善人ばかりではないから、いたしかたないところなのだが。
ちなみに、上限額が20万円(1割は自己負担)の場合、給付されるのは1回限りとなる。もし工事費が安く済んでも、残金で他の改修も行うという事はできない。つまり、最初に詰め込めるだけ詰め込んで計画を立てた方が良い。
できるだけ予算は低く抑えたいという国の方針は分かるが、もう少しフレキシブルでないと、限度額ギリギリまで申請する人が多くて逆に困るのではないだろうか。
特に、リハビリ目的の在宅介護の場合は、なんでもかんでもバリアフリーにてしまうのは好ましくない。
下肢の運動機能が衰えているからと家中の段差を改修してしまっては、脚の上げ下げをする機会が無くなってしまう。
逆にリハビリに励んでも残念ながら、より身体機能が衰えてしまう事もありえる。その際には前回の残金が使えた方が良いはずだ。
今後も制度の見直しが行われるはずなので、一般の人も積極的に意見を行政に出してもらいたい。誰のではなく、自分が必要とする時があるかもしれないのだから。
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◆7月20日(日)/2003年◆
今日はSEのコンベンションである。
http://www.snake-eyes.gr.jp/
奥さんから解放されるので嬉しい(笑)
しかし、体調はいまひとつ。昨日体が冷えて喘息が出てしまい寝不足なのだ。
う~む、油断した。
会場近くの駅で参加者を出迎えると、初参加の人もいて人数が予想より多かった。もしかすると、会場の方も人が多いのではないかと心配になる。
しかし、会場に着いてみるとトータルの参加人数は経費ギリギリだった。
まぁ今年は、イタイ参加者を締め出してマナー向上を目指してるので、あまり気にしない。
むしろ問題は私。
寝不足で頭がクラクラしていたのか、開会式の司会で何度かトチッてしまった。あうあう(>_<)
元役員のS氏が久しぶりに参加。どのくらい久しぶりかというと、顔を忘れるくらい(苦笑)
そんな訳で、コンベンションが終わってから会場の近くの居酒屋で打ち上げをしたのだが、参加者のマナーが悪くなっている事にS氏も困惑した模様。
家に帰ると、九州地方での土石流災害のニュースをやっていた。
昨日の夜に、特急が脱線転覆した事故のニュースをやっていたが、まさかそれが前哨戦だったとは。
私の住んでいる所は、滅多に水害というものは起こらないが、子供の頃に旅行先で体験した事はある。
河口湖の近くの旅館に泊まっていたのだが台風が上陸して、夜中の3時に館内放送で緊急避難命令が出たことを知らされ、タクシーで避難所へと向かった。
その時にはすでに橋の上を川が流れている状態で、タクシーは小船のように川の水を掻き分けて進んだ。今考えると、よく流されなかったものだ。
そして公民館で夜を明かして、帰ろうと外にでたところ公民館から2~3軒隣の家が流されていて街の中を川が流れていた。その光景は目に焼きついて今も忘れられない。
帰る時の電車はものすごい混み様だったが、いつまで動いてるか分からないというお母んの判断でスシ詰めになって帰ってきた。
家に着いてからテレビのニュースを見ると、帰りに乗った電車が通過した後に土砂崩れがあったとかで不通になっており、泊まっていた旅館が水没している映像が流れた。まさに危機一髪だったようだ。
しかしそんな体験も、祖母には「あら、楽しかったわねぇ」と言われ、無事に帰ってきた後となっては、いい思い出である。
今回の被害者の1人でも多くの無事を祈る。
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◆7月21日(月)/2003年◆
ネットで毎日新聞のコラムを読んだ。
ちょっと長いが引用しよう。
「東京の閑静な住宅街で、塾帰りの小学生男児がいわゆる社会の窓を開けて歩いていた。すれ違いざま気付いた松田妙子さんが注意すると、思いがけぬ言葉が返ってきた。「この助平ババア!」▲今から21年前のこと。目がくらむようなショックを受けたのに、憤慨、失望しただけで済ませなかったのが、75歳の今も生涯学習開発財団理事長などを務める“怪傑オバサン”の面目躍如たるところだ。子供が変だ、と直感して、住環境が子供の成長に与える影響の研究を始め、住宅の社会史としてまとめて71歳の時、東大から工学博士号を取得した▲子供部屋は「文明の凶器」、が研究から得た結論の一つ。個室化で家族のコミュニケーションが損なわれ、子供は利己主義に陥る。密室が非行の温床にもなる。凶悪犯罪で補導された非行少年700人の生活環境を調べたら、ほぼ全員が自室を持ち、50人に1人は自室に冷蔵庫まで備えていたので驚いたという▲状況はその後悪化はしても好転はしていない。「子供部屋ができたせいで、しつけが満足にできないのが子供による犯罪多発の遠因」と松田さんは指摘、マイホームブームや持ち家政策が裏目に出た、と語る。とくに問題視するのは、玄関から居間を通らず子供部屋に直行できる住宅構造だ▲確かに、神戸の連続児童殺傷事件のように親の目の届かぬ子供部屋で残忍な行為にふけったり、犯行計画が練られたりしたケースは少なくない。新潟の女性監禁事件などは、狭い部屋を何人もで使っていた時代には想像もできなかった犯罪だ▲子供が親からどんどん遠ざかるように感じるのは、理解に苦しむ事件が相次ぐせいなのか。夏休みには親子が川の字になって寝て、個室の功罪を語らう機会も見つけたい。」
ふぅ……それほど長い文章ではないが、読むのに疲れてしまった。
言っちゃ悪いが、この“怪傑オバサン”がボケていない事を切に願う。
いったいどんな研究をしていたら、こんな強引な結果が導けるのか。
補導された非行少年700人のほぼ全員が自室を持ってると言うが、じゃあ逆に自室を持っている子供の何割が補導されるほどの非行を行ったかのデータを示していない。
ようは普及率のことをまったく考えていないのだ。普及率が高まれば、犯罪者がソレを持っていたとしてもなんの不思議も無い。普及した中で犯罪にどれだけ使われたのかが問題のはずだ。
例えばインターネットや携帯電話を利用した犯罪件数が増えていると言われているが、利用者の増え方と比べれば単に正比例している事が分かるはずだ。それは、ある意味正常な事だ。
もし、普及率に対して犯罪利用が急上昇しているのであれば何か別の要素を疑うべきだし、普及率に対して犯罪利用が少ないのであれば何か犯罪を防ぐ手立てがあるのかもしれないと、さらに調査するべきだと思うが今のところ、そんなデータは出ていない。
だいたい「子供による犯罪多発の遠因」と自身が述べているように、遠因でしかない。普通、遠因よりももっと大事なところに目を向けるんじゃないのかという素朴な疑問が浮かぶ。
それでいて特に問題視しているのが、「玄関から居間を通らず子供部屋に直行できる住宅構造」と言うのだから、何をトンチンカンなと思わずにいられない。生活スタイルの事を忘れている。
現代では両親が共働きというのも珍しくない。いくら子供部屋に行くのに居間を通る構造だったって、子供の方が先に帰ってきていれば同じ事である。
逆に子供が塾にしろ夜遊びにしろ遅く帰ってくれば、親が先に寝室で寝てる事もある。居間で子供が帰ってくるのを待っていたとても、それで良い親子関係を保てる訳でもない。
「夏休みには親子が川の字になって寝て」と文を結んだのは記者だが、それこそそんなモノは一時の親の勝手な満足でしかないだろう。
私の実家はとりあえず居間の前を通るが、私も弟も個室があってあまり親とのコミュ二ケーションが取れていたとは言えない。
しかし、である。
ドアの前には、よくお母んのメモが張ってあったりした。オヤツの事や、出かける予定の事、時には私が好きそうなテレビ番組があるよと書いてあった事なども。
興味のありそうな新聞の切り抜きや雑誌の切り抜きなどが置かれてる事もあった。
私が言うのもなんだが、上手い距離の取り方だなぁと思う。
顔さえ合わせていれば分かり合えるとか、親の気持ちは子供に伝わるなんていうのは幻想に過ぎない。
なんとか子供事を理解しようとなんていうのは自分が育てたという驕(おご)りに過ぎない。
分かり合えないもんは分かり合えないのだ。分かり合おうとして自分の気持ちだけ押し付けて勝手に失望して勝手に怒られては、子供の方だってたまったもんじゃない。
分かり合おうとするよりも、距離を測ってゆく事の方が大事に思える。
このコラムを読んで、勘違いした親が子供との距離を測ることを怠って、ますます離れてしまわないといいのだが。
連休最終日で、だ~れも来ないので、ついついネットニュースを読み込んでしまった。
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≪通巻12号≫
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発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
※7月8日(火)……思い込みに気をつけましょう
※7月9日(水)……少年犯罪を防ぐ方法(案)
※7月10日(木)……水虫と湿疹の違いに注意!!
※7月11日(金)……医療過誤のニュース
※7月12日(土)……政治家と政治家崩れと政治家以前
※7月13日(日)……どうでもいい患者と助けたい患者
※7月14日(月)……薬のパッケージは取っておきましょう
******************* 先週の平凡な日記 *********************
◆7月8日(火)/2003年◆
「ニガウリの漢方薬を下さい」というお客さんさんが来店。
http://hiro-kullervo.hp.infoseek.co.jp/nigauri.html
そもそもニガウリを原料にした漢方薬など無い。
詳しく話を訊いてみると、誰だかに「お茶にして飲むと良い」と言われ、ウチは漢方薬を扱っているからあるだろうと教えられたらしい。
誰だよ(^-^;
テレビか雑誌で取り上げたりしたのだろうか。
問屋さんに問い合わせてみたら、ニガウリのお茶という物は扱ってないとの事。
お客さんには、取り扱っていないと言う事と、お客さんの体質をもう少し詳しく尋ねて、ニガウリは体に合わないだろうという事を説明した。
アロエがブームになった時もそうだが、テレビや雑誌などでは効能は説明しても、合わない人がいるという事は説明しないか、サラッと流してしまうようだ。
アロエは確かに胃腸障害に効果があるとされているが、同時に体を冷やすため冷え性の人は良くない。同じくニガウリも体を冷やすので、痩せ型の人は避けておいた方が良いだろう。
今回のお客さんは、血行不良に効果があるという事でニガウリを求めに来たようなので、血流計で測定する事を勧めてみた。
すると、血行不良どころか“血液過剰タイプ”という測定結果が出た。
そのデータを見せて、お客さん自身にも納得していただけた模様。
長崎市の幼児誘拐殺人事件で、犯人逮捕のニュース。
以前から噂はあったが、中学1年生だった。
マスコミは狂喜乱舞……してるように私には見えるのだが、いささかヒステリーぎみに報道。
報道番組の司会者もコメンテーターも興奮気味で、冷静な判断力を失ってるように思える。
酒鬼薔薇事件のように、まるで台本でもあるかのように(進行表くらいの台本はあるのだろうが)、「最近は凶悪犯罪が低年齢化している」とか「社会の責任」とか「ゲームやビデオの影響だろう」と、お決まりの“セリフ”を並べ立てるのには呆れるばかりだ。
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◆7月9日(水)/2003年◆
初めての患者さんの薬が、ことごとくウチで初めて扱う薬だったため問屋さんに注文を出した。
出してビックリ、5万円以上(@_@;)
患者さんの負担は3割だから、残りの7割は来月に保険申請して、ウチに入ってくるのはさらにその翌月。
うう、後で必ず支払われると分かっていても、それまでは立て替えておかねばならず痛い。
患者さんの方には、薬が揃っていないため明日受け渡しとなってしまい申し訳ない。
しかし、デッドストック(死蔵)になるのは怖いので、次回の分を予め仕入れておくのは避けたいところである。
次回、急な連絡で配達してもらえるか問屋さんに相談しておこう。
市内の医療センターから、主に咳止めとして使うメジコン散という薬の使用をやめてアスベリン散という薬に全面的に移行するとの連絡がFAXで入った。
ゲゲッ! 在庫いっぱいあるよ( ̄▽ ̄|||
医療センターで全面的に移行すると言う事は、市内の他の薬局も在庫を抱えてしまうだろうから、譲る事も出来ない。
問屋さんも市内での売り先が無くなる訳だから、引き取ってくれるかなぁ。
お母んには、「アンタが残りを飲めば?」と言われた。
そりゃ飲んでもいいけどさぁ、それって私に仕入れ値で買えと(苦笑)?
昨日に引き続き、報道番組では長崎市の幼児誘拐殺人事件で、まるで台本通りに棒読みしてるとしか思えない事ばかり、司会者もコメンテーターも発言している。
子供の活字離れが叫ばれて久しいが、大人も相当に活字離れが進んでるのではないか?
図書館などに行って昔の新聞を閲覧してみれば分かるが、子供による凶悪犯罪は昔からある。古い記録によれば、明治時代にだってあった。
その動機も貧困などの分かりやすい理由ばかりではない。当時から、動機の分からない少年犯罪はあったのだ。
人口が増えて、それを伝える情報インフラが整った事を考慮すれば、事件そのものには驚くとしても、「以前は無かった」などと衝撃を受けるのは、報道に携わる人間としてはどうか。
社会の責任と言うのも、ずいぶんと曖昧な話だ。
普通、曖昧なものを原因と定めるというのは、責任転嫁と言うと思うのだが。
そもそも、「社会とは健全である」という前提が無ければ、この論は説得力を持たない。
しかし、清廉潔白な人は現実にはいない事は認めざるをえないのではないか。いたとしても、極めて少数ではないのか。
「まったく罪の無い者から、彼女に石をぶつけなさい」
イエス=キリストのエピソードで、罪を犯して村人たちにリンチを加えられようとしてる女性を庇った時にキリストは、こんな事を言って村人たちを諌(いさ)めたと伝えられている。
つまり、社会とは正邪の絶妙なバランスの上に成り立っているのだ。
「学校の教育が」とか「家庭の躾が」とか「社会の環境が」というのは、子供を育てる上では重要だろうが、こと犯罪を未然に防ぐという事においては、あまり影響力を持たないと考える方が自然だろう。
具体的には、犯罪を防ぐためには私はもっと子供によって個別に対応しなければならないのではないかと考えている。
容疑者の少年が通っていた学校の校長や、地域の教育委員会の委員長が、これまた用意された台本を読み上げているかのように、「命の大切さを教えていかなければならない」というようなコメントを出していたが、そんな考えではいつまでたっても犯罪を防ぐ事など叶わないのではないか。
「なぜ人を殺してはいけないのか」という質問に大人は的確に答えることが出来ないというのが一頃話題になったが、全ての子供に情に訴えて命の大切さを教えたところで、それで納得するのは情にもろい子供だけだろう。
今回報じられている容疑者の少年は、学校の成績が良く頭が良かったらしい。
だとしたらむしろ、情で教えるより理屈で教えた方が理解するのではないだろうか。
良い悪いではなく犯罪の“リスク”を教えるのだ。
例えば、私は小学生の頃に六法全書や刑法、判例集を図書館で調べた事がある。
当時、地元の中学校は丸坊主と決められていて、なんとか入学した後に抵抗する法的な根拠はないかと思ったのだ。
今、手元に資料が無いので、どの本だったかは忘れだが、無免許で頭髪を切るのは“傷害罪”になるという記述を見つけ、喜んでそれをメモした。
しかし、それだけでは安心できない。当時の新聞では、各地で頭髪や制服の規則に抵抗している中学生の記事が載っていたが、どれも大変な労力と忍耐を必要とする内容が書かれていたからだ。
そこで、地元の中学校に通わないで済む方法も調べた。その結果、私立の中学校ならば制服はあるが、頭髪には厳しくない学校がある事を知って親に受験をしたいと頼み込んだ。
その頃の私の成績は下の下だったので親は本気にしなかったものの、だったら塾へ行きなさいという事で、猛烈に勉強を始めて、そんなにレベルは高くはないけれどなんとか合格して私立中学に入学する事ができた。
小学生というのは、それくらいの事は考えているのだ。
こと殺人という事に関して言えば、人を殺そうと思った事だってある。あるクラスメイトから執拗にイジメを受けていて、これは殺さなきゃ終わらないと思ってナイフも用意して殺しに向かった。
しかし、ここで法律の本を調べていた事が役に立った。
“リスク”の事を考えたのだ。
なんとか証拠隠滅を図ったとしても、時効が成立する15年以上も隠し通す事が出来るのか、もしバレたら今の生活を失うことになる。
そうなれば、好きな漫画を読む事も、テレビを観る事も出来なくなってしまう。(←この辺が子供)
結局、こんなイジメをするような幼い相手(同い年だ馬鹿者>俺)を殺して、よけい不自由な暮らしをしなければならないのは割に合わないと悟って思いとどまった。
ある意味、道徳ではなく自分のために殺人をやめたのだ。
人の命の大切さを教えていくのは基本的な教育として必要な事に異論は無いが、殺人事件を起さないようにというのはある意味“目的”が別なのだから、そのためには別な方面からもアプローチしていかなければならないと思う。
現在の教育論では、子供をあなどってるとしか思えない。
故マルセ太郎(芸人)は、子供のマネを得意芸の1つとしていたが、彼はよく「大人ってやつぁ、まるで生まれた時から大人だったような顔をしてやがる」と言っていたのを思い出した。
ちなみに、イジメられた件はその後どうなったかと言うと、怪我をされられた時に自分で病院に行って診断書を書いてもらい、相手の親に手紙を書いて同封して送ったら校長先生が飛んで来た。
なぜ相手の親じゃなくて、校長先生が飛んで来たのかは今でも謎。
ところで、容疑者の少年はゲームも好きだったようだが、『三国志』も好きだったとか。
なのにコメンテーターは、「ゲームやビデオの影響もあるんでしょうね」とコメントしていた。
おいおい、自分が出演していて、ついさっき放送していたVTRを観ていないのか? 居眠りでもしていたのか? 『三国志』が好きだったという証言は無視するのか?
どうして、「『三国志』は人殺しのシーンが多いから子供の教育には良くない」ってコメントしないんだ?
やっぱり、台本には書かれてない事は言っちゃいけないのか、言えないのか。
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◆7月10日(木)/2003年◆
小柴胡湯(しょうさいことう)を飲んだら、喘息が落ち着いて久しぶりにぐっすり眠れた。
う~む、小柴胡湯の存在を見落としていたとは。
小柴胡湯は主に胃腸障害や肝機能障害の治療に使うのだが、小児喘息の治療にも使う事をすっかり忘れていた。
小児喘息の治療で使う場合の条件として、「体力が中程度」という但し書きがあり、もともと虚弱体質の私は今まで使った事が無かった。
しかし、良く考えてみれば虚弱体質とはいえ、成人するに従って体力はついてきていた訳だし、ここのところも特別体力を失っていた訳ではないのだから、当然候補に入れておくべきだった。
これでは、風邪と言ったら葛根湯ばかりを出す医者の事を笑えない。
私も、またまだ修行が足りないようで。
水虫の薬を求めて患者さんが来店。
やはりこの季節は水虫に悩む患者さんが多くなる。
しかし、簡単に薬を売る訳にはいかない。
と言うのも、意外と水虫ではなくて湿疹などの人が多いからだ。
「足が痒くなると水虫」という先入観があるのだろうが、“角化性湿疹”と見分けるのは素人では難しい。
赤く腫れもせず、白く皮膚が変色していたりするのだが、硬い靴を履いていたりするとできやすい。
もし湿疹なのに間違えて水虫の薬などを塗ったらそれこそ大変である。
皮膚が荒れて、もっと痒くなってしまう。
今までも水虫ができていたというのでなければ、水虫の薬を買うのはちょっと待った方が良い。
理想を言えば、面倒臭くても一度は病院に行って検査をしてもらい、水虫の原因となる菌が患部にいる事を確認するべきだ。
せめて、薬局で患部を見せるくらいの事はしてもらいたい。
中には、「水虫の薬をくれ!」と強い口調で言ってくる患者さんもいるが、その勢いで店員が萎縮してしまうと、そのまま水虫の薬を売ってしまう事もあるかもしれない。それで後で、「薬が効かなかった」なんて怒鳴り込まれても、お店の方が困ってしまうだろう。
今回の患者さんは話をちゃんと聞いてくれる人で、患部も見せてもらったところ、どうも水虫ではないようだ。
靴擦れのようになったところが湿気でふやけてかぶれているように思えたので、湿疹の塗り薬を勧めた。
ただし、水虫と湿疹の区別は見た目では慣れていても見誤る事が多い。
そして、薬局では“診察”はできない。あくまで“感想”を述べてアドバイスした上で、薬を患者さんに“選んでもらう”事になる。
だからやっぱり、病院での検査を一度は受けてもらいたい。
水虫は細菌感染なのだから、薬が簡単に手に入ると思って手軽に治そうとすると痛い目に合う危険があるのだから。
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◆7月11日(金)/2003年◆
久しぶりの快晴。
気持ちいいけど、暑い(^-^;;;
情報番組で、医療過誤に取り組んでいる八尾総合病院の事をやっていた。
医療機関のネットワーク作りや患者自身の“自己管理カルテ”の導入、医師や弁護士らで作る医療事故調査会の世話人など、評価すべき点は多い。
しかし、肝心の自分の所の病院で起きた医療過誤に関してはほっかむりをしているのはどうゆう事か。
被害者の遺族の弁によれば、理事長である森功氏は一度しか遺族と会っていないという。
そのためか、遺族は病院との和解には応じたが、刑事告訴は取り下げていない。
番組のインタビューに答えて、森氏は「医療はチームで行うのだから個別責任を問うのは医療現場になじまない。」と主張していた。
確かにシステムの問題に起因する事故(例えば過重労働を病院側が強いていたなど)ならその通りだが、個人の見落としややるべき事をしなかった事によるミスは、やはり個人の責任も問われるべきだろう。
「事故を起すのが人間だから」と言うのは、言い訳にはなっても責任を問われない理由には相応しくないのではないか。
番組の司会者は、「よくテレビのインタビューに応じてくれました」とか「普通は裁判で係争中なのを理由に断られるものなんですが」と言って、やたら森氏を持ち上げていたが、それはちょっと勘違いしてるように思える。
自分の主張が言える、つまり利益のあるテレビのインタビューには答えるが、なんの利益にもならない遺族との面談には応じないという事にしか、私には思えない。
こう暑いと人通りも少なく、患者さんもお客さんも来ない。
夕方になってからに期待しよう。
長崎市の幼児誘拐殺人事件に関して、英国タイムズ紙では、監視カメラが犯行をとらえていた点やあいまいな動機などを日本の事件との共通点としてあげたうえで、「統計上、日本では少年犯罪が急増しているわけではない。メディアが犯罪への恐怖をあおっている」と指摘しているそうな。冷静な分析に感心。
一方、作家の五木寛之氏は、「日本人は命の重さを見失っている。そこから他人の命を損ねる凶悪事件が続発する」と言っているらしい。さらに、日本で毎年3万人超の自殺者が出ていることにも触れ、「日本は心・魂の危機。今はまさに有事」とも語ったとか。
先日の日記でも書いたが、命の大切さを訴えるだけでは凶悪犯罪は減らないと私は思う。犯罪を“起さない”ことで得られるごく個人的な利得と、“起す”事で負うリスクの事をもっと認識させるべきだろう。
瀬戸内寂聴氏も、北九州市で行った講演会の中で、「長生きしたせいで悲しい事件を知ってしまった。こんな事件は昔はなかった。今の時代、目に見えるものしか信じなくなっており、目に見えないものへの畏敬の心を取り戻さなければならない」などと語ったらしいが、それもどうか。
子供による凶悪犯罪は昔からあったのは図書館などで昔の新聞記事を見てみれば分かる。情報の流通が良くなったから広く知れ渡るようになっただけだと私は思うのだが。
それと、昔は目に見えないものへの畏怖は確かにあったとは思うが、命が大切にされていたかと言えばそんな事は無い。人権という概念が希薄だった昔の方が、酷かっただろう。
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◆7月12日(土)/2003年◆
今日は仕事の方はお休みをもらって、『子ども劇場おやこ劇場埼玉センター』の事務所に出向いた。
http://www.kognet.com
パソコンが故障したとかで、その修理を頼まれたのだ。
一応、メーカーにも問い合わせたのだが問題は解消されなかったとか。
仮にも専門のサポートセンターでも手に負えなかった事を素人の私にどうしろと(^-^;?
ところがやってみるもので、適当にいじっていたら(本当に)直ってしまった。
適当にやった事は黙っておこう(苦笑)
直す作業をしながら(本当は適当)、事務局員のKさんと埼玉県の知事選の話などをした。
溺愛していたと伝えられている娘の桃子氏が政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いで逮捕され、土屋知事がその資金管理団体の代表者でもあったため、引責辞任したのだ。(辞表には個人的な理由で辞職する旨が書いてあったらしい。)
となると、知事選挙が来月には行われるはずである。
解散総選挙が秋にもあると噂されているから、この知事選が各政党の前哨戦となる可能性がある。
K氏は、なんとか市民派の人を送り出したいと言っていたが、それがいわゆる市民運動家であるのなら私は反対だ。
政治家が職業であるのなら、やはりプロである事が望ましい。いくら市民のためにと言っても政治的手法が不得手な人では、何もできずに議会に職を追われてしまう。
大統領ともいえる知事とは政治的立場が違うが、市民運動家あがりの政治家でダメな例としては菅直人氏だろう。
厚生大臣の時に薬害エイズ事件の解決に尽力した事は評価するが、その後の体たらくぶりを見ると、やはりプロの政治家にはなれないのだなぁと思う。
小泉首相などが守旧派からも急進派からも叩かれているのは、理想を掲げつつ旧来の政治手法も使っていて、双方からやっかまれてるからに他ならない。
小泉首相がどこまで行けるかは分からないが、菅氏は揚げ足取りするよりもまず小泉首相から学ぶべきではないのか。
政治的手法だけを使って市民の事を考えられないような輩は政治家というより政治家崩れだが、崩れる前に政治家として立てないのだから情けない。
さて、埼玉知事選には誰が出るのか。そして誰を選ぼうか。
またぞろ無党派などという実態の無いものがクローズアップされたりすると、選挙が歪んでしまうのではないかと心配になる。
家に帰って報道番組を観ていたら、合角(がっかく)ダムの建設によってできた人造湖に『桃湖』という名前が付けられていて、これは桃子氏が埼玉県の公共事業にも影響力を持っていた証拠だと取り上げていた。
おいおいおいおい。あのダムの名前は住民投票で選ばれたんだぞ。
確か次点が『片栗湖』(近くに片栗の群生地がある)だったはず。
『桃湖』という命名の由来は、「桃源郷のようないい場所になりますように」という願いが込められているそうだ。
まだインターネットが普及していなかった頃ならともかく、今はちょっと調べればこの程度の事は視聴者でも分かってしまう。
番組のスタッフが調べなかったとすればプロとして無能だし、知っていながら都合のいいように放送したのなら不誠実だ。
どっちなんです、TBSさん?
http://www.tbs.co.jp/
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◆7月13日(日)/2003年◆
寝つきが悪いという患者さんが来店。
寝るには寝るのだが、何度も目を覚ましてしまうという。
胃を悪くしているようなので、それで神経が昂ぶってしまっているのだろうと推測。
漢方薬の半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を勧めてみたが、粉薬は飲めないとの事。
代わってサトウ製薬の『サトウバレリアン』(健康食品・錠剤)を勧めた。西洋カノコ草エキスが入っていて、習慣性も無いので安心して服用できる。
しかし、値段が\2,950だという事を告げると、「高い!効くかどうかも分からないのに、そんなの払えるか!」と言われた。
確かにその通り。薬というのは、ぶっちゃけて言えば効くかどうかは分からない。
その通りではあるが、1瓶90粒で1日3粒の服用だから1日100円の計算である。タバコの匂いがしていたから、タバコの方をしばらくやめれば良い。
そもそも、胃が悪いのだってタバコで消化力が衰えているからだろう。
娯楽に金をかけて体を労(いた)わらないのであれば、それも1つの生き方だからとやかく言うつもりは無いが。
加えて、「そんな高いの飲むくらいだったら起きてるよ!」とまで言われた。
ご立派( ̄▽ ̄)
雨の中、患者さんが来店。
このあいだいらした時には、関節炎の漢方薬として麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)を出していて、そちらの方は回復して良好との事。
今回は、喘息についての相談。
渡してあった漢方薬の一覧表を示して、喘息に効く漢方薬を尋ねられた。
その一覧表を見ると、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)と麦門冬湯(ばくもんどうとう)に赤ペンで印を付けてある。
自分で症状と照らし合わせて選んだのだろうが、良い選択と言えるだろう。
そのうえ、決め打ちで買うのではなく、ちゃんと確認をしている点も感心。
こうゆう患者さんだと、こちらも自然に親身になれる。
しかも、喘息の原因となったのが趣味の漆工芸だそうで、やむなくやめたそうだ。世の中には、病気になってもタバコをやめない人もいるのに。
患者さんを差別するのは倫理的には問題があるが、薬局の店員は自動販売機ではない。やはり、病気を治そうと真剣に考え、そしてちゃんと学ぼうとする人の方に惚れ込む。
症状を確認したところ、今回は半夏厚朴湯が合いそうなので、それを勧めた。もし咳込みが酷くなるようだったら、麦門冬湯に切り替える事も申し添えた。
夜は商店街の会合に出席。
お母んは薬剤師会の集まりで、どこだかの高級ホテルで豪華なディナーである。うう、そっちの方がいいなぁ……(;_;)
商店街の会合に出席するのは初めて。
しかも性質(タチ)の悪い事に、私は相手を覚えてないのに、向こうは子供の頃から私を知っているのである。
た~す~け~て~。・゜゜⌒(TOT)⌒゜゜・。
すでにみなさん、すっかり出来あがっていて、勧められるままにビールを次から次へと注がれる。しかも、ドライビールを。
ドライビールの不味さに心身ともに疲れ果ててしまった。
唯一の救いは、豆腐屋さんの手作りの胡麻豆腐と素うどん。これは、美味しくてドライビールで不幸になった舌をホッと一息つかせてもらえた。
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◆7月14日(月)/2003年◆
昨日のお酒で喘息がぶり返してしまった。
やっと治まったのに~(>_<)
鼻風邪の漢方薬をという事で患者さんが来店。
以前にもウチで買って効いたので同じ物をと言われる。
大変ありがたい言葉なのだが、肝心の漢方薬の種類については覚えていない様子。
確かに漢方薬の名前は難しいので番号をふってあるのだが、番号も覚えていない。袋も捨ててしまい、分からないらしい。
そこで、症状を伺って合う物をと思ったのだが、前と同じ物が欲しいと言う。
気持ちは分かるが、そもそも薬は「以前も効いたから」というのはあまり当てにならない。症状が同じでも、原因や現在の体質が同じ状態だとは限らないからだ。
一応、患者さんの薬歴簿は作っているが、薬歴簿を作りましょうと勧めても、その時は急いでいるのかなんなのか断られる事がある。で、断る人に限って以前に服用した漢方薬を忘れてくれる(^-^;
逆に薬歴簿を作って欲しいという人は、自分でメモを取っていたり、服用した漢方薬の袋を取っておいて持参してきたりして、薬歴簿をつけておく必要が無い(笑)
今回の患者さんは根気良くお話をして、なんとか合いそうな漢方薬で納得してもらえた。……と思うのだが、さて。
商店街のサービス券を買っていただいた料金に応じて配布しているのたが、「いらない」と言う人が多い。
寂れてしまった商店街ではあるけど、金券である。
250円につき5円分のサービス券だから、1000円で20円とかなりお得だと思うのに、受け取らないなんてもったいない。
それとも、この不況下でも、みんなお金に不自由していないのだろうか。
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タイトルが2つあるのは、私自身は「薬剤師」ではないからです(^_^;)
もちろん、お店に薬剤師はいますし、私も漢方薬の勉強をしていますから、ご安心を。
で、漢方薬の相談が増えてくると、患者さんが通っている医者が薦める漢方薬と、当店でお薦めする漢方薬の種類が違うことがあり、度々患者さんを戸惑わせてしまうことがあります。
漢方薬には類似処方が数多くあるので当然といえば当然なのですが、あきらかに効能が違うと、やはり不安になってしまうのでしょう。
その理由としては、大きく分けて二つあります。
一つは「治療方針が違う」場合です。
例えば、胃潰瘍や腰痛あるいは気管支炎など複数の症状がある場合、「まず現在一番苦しんでいる症状から改善して、その後に本命(大元)を治療する」という治療方針を立てた場合と、「最初に本命を改善すれば他の症状も治まっていくはずだから、その後で残った症状を改善していく」という治療方針を立てた場合では、おのずと薦める漢方薬は違う種類になります。
これは、患者さんの症状や体質、治療する側の経験と研究あるいは勉強によって決定します。
ですから、それほど心配する必要はありません。どちらの意見に従っても問題はありませんから、いつでも相談できるかとか、長年診てもらっているから体質なども知ってもらってるなどを検討して、最終的には患者さん自身が、どちらの治療方針に従うか決めて良いと思います。
問題なのは、もう一つの「漢方薬に関して不勉強」な場合です。
漢方薬をちゃんと勉強している人たちは、最初から患者さんを漢方的な観点から診ますが、不勉強な医者の中には、まるで漢方薬を「万能薬」か「苦しい時の神だのみ」のように使用する人がいます。
以前に小柴胡湯が新薬との併用により肝不全を起こす事故が報告されて、あたかも小柴胡湯が副作用の原因であるかのように報道されましたが、あれなどはあきらかに漢方薬を「万能薬」のように扱い、漢方薬の勉強不足だった証拠です。
落語にも「葛根湯医」という作品があって、「風邪ひいちまったんだけど…・・」「よし、葛根湯を飲んでおけ!」、「お腹が痛くって…・」「よし、葛根湯を飲んでおけ!」、「うちの旦那が屋根から落ちて足を折った!」「よし、葛根湯を飲ませておけ!」(笑)
というような内容なのですが、現実にこうゆう医者がいるのです(^ ^;)
治療の下手な医者のことを俗に『ヤブ医者』と呼びますが、漢字で書くと『巫女医者』と書くのだそうです。なんとなく意味が分かりますね。
魔夜峰央さんの『パタリロ』というマンガ作品では、さらに下のランク付けとして、
『すずめ医者』=「だんだん薮(やぶ)に近づく」
『土手医者』=「薮にもなれない」
『ヒモ医者』=「相手がヒモだけに、これにかかったら確実に死ぬ」としてありましたが( ^0^;)
しかし「本当の『ヤブ医者』とは、自分の能力を測れない医者だ」という言葉もあります。
私の知り合いのお医者さんで、自分の手に負えない患者さんだと思うと自ら車を運転して他の病院に連れていってしまうというAさんがいますσ(^◇^;)。
一見すると情けなくって笑い話のようですが、そこには「自分の能力と患者さんの状態を見誤らない的確な判断力」と、決して「自分のプライドにこだわらず患者さんのことを最優先に考える誠実さ」があります!!!
私も見習わなければなりません。
これは私見ですが、医者は病気などを発見して治療するプロではあっても、こと薬に関しては素人同然なのではないでしょうか。
もちろん薬局は薬を選別して使用するプロですが、病気などの診療や治療はできません。
だからこそ、患者さんが薬漬けにならないようにとか、保険料の支出を押さえるためだけではなく、病院と薬局を分けて通う「医薬分業」が必要なのだと思います。
ですから、医者と薬局の賢い通い方としては少し面倒かもしれませんが、「医者に治療方針を立てて」もらい、「漢方薬局で使用する漢方薬をみたてて」もらって、「もう一度病院に出向いて処方箋を発行して」もらい、「それから漢方薬を購入」するのが最良の方法だと思います。
今回は、ちょっと書き過ぎ言い過ぎたかも……(・。・;