• タグ別アーカイブ: 桔梗石膏
  • 医者が紹介状を書くと保険点数が加算されるので、遠慮する必要はありません

     お客様が『柴胡桂枝湯』を見ていたさいに声をかけ、体力の弱い人の風邪の初期に用いる『桂枝湯』と比較して、吐き気などの胃腸炎を伴う場合に適応することを説明したところ、信用していただけたのか、お薬手帳を見せていただけた。
     お客様は膠原病の治療を受けており、風邪に『小柴胡湯加桔梗石膏』が処方されていた。
     担当医は漢方薬に詳しくないとのことで心配されたため、他の病院を担当医から紹介してもらう方法もあることをお話しした。
     他の医者を紹介して欲しいと言うと失礼に当たるのではと思ってる人もいるかもしれないが、紹介もちゃんと保険点数に入るので心配は無用である。
     また、お客様が高価な薬を院外の調剤薬局で処方してもらえなかったというので、定期的に通うことを伝えるか、かかりつけとなる薬局を探すよう勧めた。

     お客様が『パブロンAゴールド』と『マードレトローチ』を持ってレジに来たけれど、患者はご主人で、喉の痛みと熱感があるものの咳は無いというため、後者を鎮痛剤と併用してはと提案したところ、本人に電話で連絡となった。
     すると、すでに『ロキソニン』を飲んでいると分かったので、他に薬は不要とお話ししたうえで『マードレトローチ』のみお買い上げいただくこととなった。
     夕食は鍋だそうなので、それは良いことと答えたけれど、食べ過ぎに気をつけるようにとも伝えた。

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  • 市販薬の効能は原則的に主な作用が文頭に書かれていることが多い

     『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたお客様に、喉の痛みには弱いことを伝えると迷われたため、同シリーズなら『パブロンエースAX』を、銘柄にこだわらなければ『ルルアタックEX』をと紹介した。
     途中、他のお客様の相手をしてから改めて主訴を確認すると、喉の痛みと軽い咳で発熱や鼻炎は無いそうだから『ペラックT』や『駆風解毒湯』といった主訴に絞った物を提案してみた。
     しばらく離れたが、それからも迷われた様子なので風邪寄りの物として『銀翹散』と『新エスタックゴールド』(葛根湯桔梗石膏)を紹介すると、ますます迷わせしまったようだ。
     ううむ、これは失敗。
     つい、選択肢が多いほうが良いと考えてしまう。
     お客様は『桔梗湯』にも興味を持たれたようなので、しばらくまた一人で選んでいただき『新エスタックゴールド』と決まった。
     そうそう、喉の奥が痛むというお話と咳の音が渇いていたため体内の乾燥の可能性をお話しして、『麦門冬湯』も紹介していたのだ。
     やはり今回は、あまりにも選択肢を増やし過ぎてしまった。
     反省(´・ω・`)

     また『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたお客様に、喉の痛みには弱いことをお話しすると、喉の痛みは落ち着いてきて鼻水は透明であり、主訴としては咳と痰だとのこと。
     内臓の冷えが原因となる透明な鼻水は体を温めるだけで改善する可能性が高いため、痰が出にくくて咳になるということに合わせ、解熱剤の入っていない『ブロン錠エース』と体内を潤す『麦門冬湯』を紹介した。
     痰が出にくい理由として気道の繊毛が抜けてしまっているか、体内が乾燥して痰が気道に張りついている可能性をお話しして、気道の滑りを良くする『ブロン錠エース』を試していただくことになった。
     普段はシャワーだということだったので入浴を勧めたうえで、シャワーで済ませる場合には「皮膚が薄くて太い血管が通っている」首の後ろや脇の下、太ももの内側などを重点的に浴びるよう勧めた。
     さて、今回は提示する薬の種類は絞ってみたけど、やはり中には選択肢が多いほうが良いという人もいるかもしれない。
     もちろん、お客様が選んだ物なのだからそのまま売っても構わないかもしれないし、お客様にしてもそのまま売ってくれれば良いという人もいるだろう。
     問題は、お客様がその薬を選んだ根拠が分からない点。
     例えば、『パブロンSゴールドW』はパッケージの表側に「のどの痛み・せき・鼻水に」と目立つように書いてあるけれど、処方構成からすれば明確に「のどの痛み」に対応した成分は入っていない。
     登録販売者のSNSでも、「どの成分が、のどの痛みに効くんだろうね?」「あえて云えば、粘膜を修復するL-カルボシステインか?」「アセトアミノフェンの解熱作用なんじゃ?」「でも、アセトアミノフェンは炎症(腫れ)を取る作用は弱いですよ?」と議論になったくらいだ。
     一応、パッケージの成分表記ではアセトアミノフェンの部分に「発熱、頭痛、のどの痛み等、熱と痛みをしずめます」と書いてあるものの、表側では「のどの痛み」が文頭にあるのに対して、裏側に書いてあるこちらでは文の後ろになっている点を無視できない。
     パッケージの表側はあくまで宣伝文句であり、重要なのは裏側や横に書いてある効能の方である。
     というのも、薬の効能は原則的に文頭に主な作用が書かれていることが多いからだ。
     ちなみに、大正製薬の「中の人」に尋ねたところ、アセトアミノフェンで充分と判断しているらしいのだけれど、それもあくまで「常備薬として」という前提だとのこと。
     やはり、喉の痛みが強いようなら同シリーズでは『パブロンエースAX』の方が効果的なようだ。
     蛇足ながら、『パブロンSゴールドW』に鼻炎のために入っているクロルフェニラミンマレイン酸はクシャミにこそ効果があり、鼻づまりには効き目が弱いとされている。
     なので、やはり成分表記では「くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの症状をおさえます」という順序だ。
     そして、クロルフェニラミンマレイン酸を鼻水に対応させようと考えた場合、一緒に入っているL-カルボシステインには鼻汁を出しやすくする作用もあるため、鼻水に対しては効果を減じてしまう可能性がある。
     つまるところ、『パブロンSゴールドW』の得意分野は「痰のからむ咳」のある風邪だろう。
     効能表示においても、一番上に「せき・たん」と書いてある。
     というように、お客様がそれらをパッケージから総合的に判断しているとは考えにくい。
     初対面でお客様の好みや病気への対処の方針を推察するというのは、なかなかに難しいから「当たるも八卦当たらぬも八卦」という博打打ちでもなければ、ぜひ最初に店員に声をかけて相談してもらいたいところ。
     ちなみに、『パブロンSゴールドW』のメーカーによる解説ページはコチラ。

    Screenshot of www.taisho.co.jp

     パーケージへの表現には法的な規制があるし、スペース的に書ききれないコトもあるうえ、当然ながらネットでの解説にも法的に規制がある。
     しかし、薬剤師や登録販売者には内部資料として臨床試験のデータなどが配布されていたりして、ネットで検索するだけでは出てこない情報も持っている。
    「立ってる者は親でも使え」の格言(?)にもあるように、ドラッグストアーに来て店員に尋ねないのはモッタイナイですよん(*´∀`*)

     

  • 家にある薬を確かめておきましょう

     口内炎の薬を買いにいらしたお客様、すでに1週間以上経っていて、まだ痛みが強いというお話だったため、患部の修復よりも炎症を抑えることを優先するようお話しして、ステロイド剤の『ケナログ』を勧めお買い上げいただいた。
     よく口内炎になるということから、胃の状態が口に現れることを説明し、口内炎に気づいたら消化に良い食事をするよう勧めた。

     湿疹の薬を買いにいらしたお客様、患部は肘の内側で赤く血が滲んでおり、今まで『リビメックス』を使っていて効果が弱いようなので、ステロイド剤の『フルコート f』を勧めてお買い上げいただいた。
     家には、『ユースキンA』と『ユースキンI』があるそうなので、症状が軽くなったら乗り換え先として使えることを伝えた。
     お客様が帰られてから、内服薬に『消風散』を紹介し忘れていることに気づいた(;´д`)トホホ…

     お客様から、ご主人が悪寒と鼻炎と咳を訴えているというので『エスタックイブファインEX』を案内したが、容量の多いものを頼まれていて、これまで『新ルルA錠』を飲んでいたというお話から同シリーズを提案すると、名前が豪華(?)な『新ルルAゴールドDX』が良いかと尋ねられたので、主訴に合わせて『新ルルAゴールドS』を勧め、お買い上げいただいた。
     お客様から『葛根湯』はと尋ねられたが、咳があるときには駄目なことを伝えた。
     使うとすれば、『葛根湯桔梗石膏』の『新エスタックゴールド』か、『葛根湯』に『桔梗湯』を併用するという方法もあるにはあるが、鼻炎には効果が弱いと考えられる。
     そうそう、容量の多いものを頼まれたということだけれど、風邪薬は2日ほど飲んで効かなければ、乗り換えを検討することが必要なことも伝えた。

     

  • 患者さんの感じていることを押し返す訳にもいかず

     やや高齢の常連のお客様から、以前に病院で処方されたという『小柴胡湯加桔梗石膏』を求められた。
     風邪をひいて残っていたのを服用し、使い切ったため同じ物をと思ったらしい。
     ただ、市販はされていないはずだし、熱は下がっているそうなので、もう冷やす桔梗や石膏は不要である。
     この後は、疲労しているであろう胃腸と肝臓を助けるべく『柴胡桂枝湯』に切り替えるよう勧めた。
     特に、症状を確認したら鼻水と頭痛が残っているというから、冷やし過ぎると悪化するだけ。
     むしろ解熱後の頭痛は、風邪の初期の頭痛と違い、胃の機能低下が引き起こしていると考えられる。
     ところが、お客様からは胃が原因の頭痛という話に対して「違う」と否定された。
     ううん、根拠が分からない。
     どうして、違うと言われるのか。
     何か頭痛の感じが違うという事なのかとも思ったが、ここで患者さんの感じていることを押し返すのも適切ではないだろう。
     普通はやらない使い方だけど、『葛根湯』で上半身を温めることを提案すると、そちらはすんなり買っていかれた。
     ううん、でもやっぱり胃に負担のかかる『葛根湯』を使わせて良かったものかと悩む。
     そもそも、その担当医がどういう意図で『小柴胡湯加桔梗石膏』を処方したのか分からないし。
     効能だけを眺めて「高齢者の喉の痛む風邪の発熱時に」と単純に決めたのか、それとも患者さんの体力などを見極めた弁証論治(べんしょうろんち)から導き出したものなのかで、話が変わる。
     『小柴胡湯加桔梗石膏』から冷やす成分を抜いたら『小柴胡湯』で、これは小児や高齢者が体力不足の場合に活力を与えて熱を下げさせる処方。
     その『小柴胡湯』の変方が『柴胡桂枝湯』で、体質虚弱な人の風邪の初期に用いる『桂枝湯』と合わせることによって、解熱後の回復を図る。
     風邪の初期に用いる『桂枝湯』を、これまた風邪の中期の発熱時に用いる『小柴胡湯』と組み合わせると、風邪の後期に適した『柴胡桂枝湯』になるというのが面白い。
     今回のケースでは、まさに使うタイミングだったと思うんだけど……。

     目の下に肘が応ったという客様から、目の内出血に使う目薬をと注文された。
     見ると、確かに片目が真っ赤。
     痛みは無いらしく、充血とも違うから、『養潤水』でのケアを選択肢として案内しつつ、病院の受診を勧めた。
     外部的な衝撃でとなると、網膜剥離を起こす可能性も考えられるので。
     痛みが無いからと油断できないことを、脅かし過ぎないように、でも安易に考えないように言葉を選んで伝えたつもり。
    「う~ん、そっかぁ。そうだよねぇ」と言いつつ買わずに帰られたけど、あの様子なら行ってくれるかなぁ。

     

  • 咳は風邪に限らないから難しい

     やや高齢のお客様から、風邪で発熱した後に咳だけが残ったとのことで相談を受けた。
     体内の乾燥と考え『麦門冬湯』を候補に挙げたけど、症状を詳しく確認すると、夜中に布団に入ると咳き込むというお話があったため、『五虎湯』の方を勧めてお買い上げ頂いた。
     それと、体温が35度ちょっとで低い一方、手が温かいようなので、体温調整が上手くいかず、熱の偏りが起きているのが咳にも繋がっているのかもしれない。
     普段はシャワーで済ませているというお話だったから、体温の偏りを解消するために半身浴をするか、室内でも厚着をして、部屋ではなく身体を温めるよう勧めた。
     上半身に熱が篭って咳になっていると考えられる事からすると、下半身を温めるのが重要。

     『パイロンS』をレジに持ってきたので発熱の有無を確認したところ、ご主人に頼まれた物だそうで、咳以外の風邪の症状は無いらしい。
     咳だけなら咳止めの方が向いていると思うのだけれど、本人からは「風邪薬を」と頼まれたそうなので、そのままお売りした。
     まぁ、『パイロンS』自体は、咳止めと去痰作用をメインにした風邪薬だから、大丈夫かもしれんけど。
     でもなぁ、頼む方ももう少し考えて頼んで欲しい。
     風邪薬は、効果範囲が広いから安心である反面、症状に現れていない対応成分は、かえって体を疲れさせてしまう。
     例えるなら、敵が見当たらなくても武器が余ってるから使っちゃえみたいな乱暴な攻撃により、体に余計なダメージを受けてしまうのだ。
     特に解熱作用や鎮痛作用がある成分は、神経に作用して体温調節や水分代謝の機能を低下させてしまうため、風邪薬によって咳が治らないというパターンが多い。
     だから、主訴が咳だけという時に風邪薬を使うというのは一番心配(;´д`)

     『小柴胡湯加桔梗石膏』を求めて、お客様が来店。
     そんな珍しい漢方処方を、ドラッグストアーに探しに来られても困る(笑)
     以前に中学生の息子さんに病院から処方され、喉の痛みに良く効いたため、本人から頼まれてきたそう。
     でも『小柴胡湯加桔梗石膏』は私の知るかぎり普通は、小児喘息や肺炎といった時に用いる物。
     担当医がどういう意図で、その時に処方したのか分からない。
     漢方薬に詳しくて、肺炎に進行するのを防ぐ目的で処方したのか、逆によく分からなくて効能書きだけを見て処方したのか。
     『小柴胡湯』自体を小児用の漢方薬と認識している医師もいるみたいだから、あくまで子供向けとして処方したというのも考えられる。
     いずれにせよ、今回の主訴を確認してみると、喉の痛みと咳が少し出る程度で、喘息を患っている訳でもないらしい。
     そのため、桔梗と石膏が入っている物なら本人にも納得してもらえるのではないかと思い、『駆風解毒湯』を案内した。
     そして、本人に携帯電話で連絡が取れるようだったため電話して頂き、お買い上げとなった。

     

  • 決め手は「効果の鋭さ」!?

     『ユンケル黄帝顆粒』を求めて来店したお客様に、栄養剤を服用しても疲れが取れない場合には漢方薬の相談を承りますと伝えたところ、興味を示されたので、最初に『補中益気湯』を紹介した。
     これは、名前が効能を示していて提示しやすいから話のキッカケに。
     『補中益気湯』は、体の土台を支える裏方みたいな漢方薬で、実のところ「効いた━(゚∀゚)━!!」と効き目を感じるような物ではないため、よほど信頼関係を築いてからでないと店頭では勧めにくい。
     であるから、もう少し詳しく症状を尋ねると、下半身に疲れは感じないものの、眩暈がしたりして、以前に『命の母A』を服用した時には、特に感じられなかったという。
     水分代謝の異常を念頭に、『苓桂朮甘湯』の出番かなと案内してみると、昼間に眠くなる事は無いものの、不眠気味で中途覚醒してしまい、寝ている間もウツラウツラしているとの情報を得た。
     疲労による神経過敏の方を、先に解消しなきゃ駄目かもと目標を変更し、『加味帰脾湯』を勧めたところ、『ユンケル黄帝顆粒』と一緒にお買い上げ頂いた。
     ただ、病院を受診した事があるか確認すると、引越してきたばかりで周辺の病院を知らないと言われたので、漢方薬に詳しい近所の病院を紹介した。
     というか、病院の受診の件を早い段階で効くべきだったかも。
     引越後の生活が、疲労の原因と結びついている可能性があるものねぇ。
     まだまだ質問の組み立てが、甘いナリよ(;´・ω・)

     やや高齢のお客様が『桔梗湯』を求めて来店し、散剤は置いていないかと尋ねられた。
     あいにくと入荷ルートのある物は、液剤だけ。
     喉の痛み止めという効能の点で共通する『駆風解毒湯』を紹介すると、パッケージの生薬構成を見て、『桔梗湯』の液剤を購入された。
     選んだ決め手は、「効果の鋭さ」だそうである。
     家には『桔梗石膏』があるというのに使わないのは、「(症状的に)まだ使う段階じゃない」と言っていたから、漢方薬に詳しいのかもしれない。
     たまに、同業者や薬剤師さんが買いに来ることもあるし。
     時間のある時に、また訪ねてきてくれないかしら。

     

  • 桔梗石膏(ききょうせっこう)
    扁桃炎、扁桃周囲炎、去痰、排膿

    【第2類医薬品】JPS桔梗石膏エキス錠N 200錠 4987438060867
    適応症状 

     扁桃炎、扁桃周囲炎、去痰、排膿

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3錠中(6.0g)に、次の成分を含みます。
       ききょう(桔梗) 2.0g
       せっこう(石膏) 5.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス1.54g含有します。

    類似処方鑑別 

    駆風解毒湯  本方よりも長期化したり、風邪が治った後に咽喉の痛みだけが取れない場合に用いる。

    葛根湯  比較的体力のある人で、咽・喉頭部の炎症はあるが、疼痛は比較的軽度で、頭痛、項背部のこわばりなどを訴える場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)アルドステロン症の患者。  (5)ミオパチーのある患者。
     (6)低カリウム血症のある患者。  (7)フロセミド、エタクリン酸またはチアジド系利尿剤との併用により血清カリウム値の低下があらわれやすくなるので、注意すること。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
    ………扁桃炎、扁桃周囲炎


    適応症状

     咽喉が腫れて痛む次の症状:
     扁桃炎、扁桃周囲炎

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       セッコウ(石膏) 10.0g   サイコ(柴胡) 7.0g
       ハンゲ(半夏) 5.0g     オウゴン(黄ごん) 3.0g
       キキョウ(桔梗) 3.0g    タイソウ(大棗) 3.0g
       ニンジン(人参) 3.0g    カンゾウ(甘草) 2.0g
       ショウキョウ(生姜) 1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.0g含有します。

    類似処方鑑別

    小柴胡湯 本方の適応と似ているが、咽喉、鼻、耳の症状があまり顕著で無い場合に用いる。

    桔梗湯 咽頭炎、扁桃炎で疼痛が激しく、胸脇苦満の認められない場合に用いる。

    荊芥連翹湯 体力中等度の人で、皮膚の色が浅黒い事が多く、副鼻腔、外耳、中耳、扁桃などの比較的慢性の炎症性諸疾患で、胸脇苦満の無い場合に用いる。

    柴胡清肝湯 比較的虚弱な小児で、神経質でイライラして怒りやすく、リンパ節、扁桃などが腫れやすく、胸脇苦満が軽微に認められる場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.副作用
     (1)電解質代謝:長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れる事があるので、観察を充分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する事。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる事がある。


    3.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    4.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 流行性感冒(インフルエンザ)

     インフルエンザは、ウィルスによって起こるとされており、呼吸器の粘膜から侵入し、3~4日の潜伏期の後に発症します。
     主な症状は、寒気と震えと共に高熱が出て、激しい頭痛や、手足の関節および背中や腰にかけて痛みをともないます。
     また、ウィルスが消化器官を侵すと、食欲が落ち、悪心(吐き気)、嘔吐、腹痛、下痢などを併発します。
     インフルエンザは急性的に推移しますので、下記の漢方薬の中から、ご自分が経験のある症状に合わせた漢方薬を備えておくのが良いでしょう。
    [:○:]寒気がする……ような気がする、頭が痛い……ような気がする、背中が痛む……ように気がする、というような初期
     葛根湯
    [:○:]鼻づまり、寒気、発熱、頭痛、身体の節々が痛む場合
     麻黄湯
    [:○:]筋肉質の人で、頭重、身体が重だるい、鼻水が出る
     小青龍湯
    [:○:]腹痛、しぶり腹で下痢をしている
     大柴胡湯
    [:○:]うわ言を言い、便秘をしていて、舌の色が黒味を帯びた赤の場合
     桃核承気湯
    [:○:]発病2~3日後に、舌に白い苔が増え、嘔吐や口渇等を訴える場合
     小柴胡湯
    [:○:]咽喉の痛み、空咳が出て胸に響いて痛む場合
     小柴胡湯加桔梗石膏
    [:○:]腹鳴下痢、悪心(おしん)、嘔吐
     半夏瀉心湯
    [:○:]咳が続き、痰が切れにくい場合
     麦門冬湯
    [:○:]咳や痰が多く安眠できない場合
     竹じょ温胆湯
    [:○:]虚弱体質や老人
     真武湯
    [:○:]四肢が冷えて、下痢をともなう場合
     四逆散
    [:にかっ:]いずれの場合も、熱さましと、体力低下を防ぐために、地竜の併用をお勧めします。

     

  • 人参 (ニンジン)

    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照

    (1) ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根、又はこれを軽く湯通ししたもの。調製法により、白参、生干人参、御種人参、紅参などがある。いわゆる「朝鮮人参」とは別物。
    (2) 主成分:サポニン精油、脂溶性成分、ペプチドグリカンアミノ酸ペプタイド塩基性物質、ビタミンB群ATPなど
    (3) 性味:甘・微苦、微温
    (4) 薬能:大補元気・安神益智・健脾益気・生津止渇、中枢興奮作用・中枢抑制作用・疲労回復促進作用・抗ストレス作用・強壮作用・男性ホルモン増強作用・蛋白質生合成促進作用・DNA生合成促進作用・脂質生合成作用・放射線障害回復促進作用・血圧降下作用・心循環改善作用・血糖降下作用・脂質代謝改善作用・血液凝固抑制作用・コルチコステロン分泌促進作用・抗胃潰瘍作用
    (5) 帰経:肺・脾
    (6) 配合処方:温経湯、黄連湯、加味帰脾湯帰脾湯、桂枝人参湯、啓脾湯、呉茱萸湯、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯柴朴湯柴苓湯、四君子湯、炙甘草湯十全大補湯小柴胡湯小柴胡湯加桔梗石膏参蘇飲清暑益気湯、清心蓮子飲、大建中湯大防風湯竹じょ温胆湯釣藤散、当帰湯、女神散人参湯人参養栄湯麦門冬湯半夏瀉心湯半夏白朮天麻湯白虎加人参湯茯苓飲茯苓飲合半夏厚朴湯補中益気湯木防已湯六君子湯



    漢方生薬煎じ薬 刻500gの価格参照