• タグ別アーカイブ: 潤腸湯
  • ちゃんとしてる患者さんに出逢うと、かえって不安になるくらいです

     お客様が『キューピーコーワi』を見ていたところに声をかけてみると、主訴は眼精疲労で『アリナミンA』は合わなかったという。
     シアノコバラミン(ビタミンB12)の匂いが嫌とか胃が痛くなったというケースがあるが、どう合わなかったかはお話してもらえず、『キューピーゴールドαプラス』との比較をして説明した。
     同じシリーズ名で、どちらも血流改善と体内でのエネルギー生産を手伝う物ではあるけれど、処方構成が大きく異る。
     店頭では成分の一つ一つを説明する時間も取れないので、ザックリと『キューピーコーワi』は上半身の疲れに、『キューピーゴールドαプラス』は座ると立つのが億劫になるような全身の疲れに向いていますと説明している。
     するとお客様は、腰部脊柱管狭窄症で病院から血流を良くする薬が処方されていると分かり、お薬手帳を見せていただくとプロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)だった。
     血行を良くすることにより、手足の痛みや痺れ感を改善する薬で、『キューピーコーワi』との併用も問題は無いはずだけれど、成分表示をお薬手帳に貼って担当に報告するようお願いしたうえで、お買い上げいただいた。
     もちろん薬によっては、血液をサラサラにする降圧剤が処方されていたら、溶血作用のある薬は併用してはいけないとかはあるので、そもそも病院で処方されている薬があって市販薬を買おうというときには、最初に処方されている薬を教えてもらいたいところ。
     また、ビタミン剤やサプリメント程度と油断されると困るのは、なにも薬同士の影響ばかりとは限らない。
     たとえば、検査で数値だけ正常値にしてしまい、実際には病状が進行していることに気づかないという事もありえるので、医師には漏らさず使っている市販薬やサプリメントなどを伝えるのを忘れずに。 
     一方、今回のようにお薬手帳を持ってきている人に出逢うのは年に数件というリベルなので、お客様がお薬手帳を持ち歩いてることに、やや大袈裟に感動してみせた。
     今だけ私は、役者か芸人かというくらいに。
     すると、お客様が複数の病院の薬をそれぞれ別で薬局で受け取っているというので、一番通いやすい薬局で処方されている薬の在庫の有無を問い合わせて一本化するよう勧めた。
     やはり1軒の薬局で薬歴管理をしてもらった方が、相互作用の監視や減薬の相談をしてもらいやすいので。

     お客様から便秘薬の棚を尋ねられて案内すると『オイルデル』を手にされたので、病院で処方される漢方薬の『麻子仁丸』に近いことを伝えると、症状を相談していただけた。
     便秘と残便感があり、『酸化マグネシウム』は効かず、『新ウィズワン』では出すぎたというため、それぞれの作用の仕方を説明したうえで『オイル出る』をお買い上げいただいた。
     『酸化マグネシウム』は病院でも処方されることが多く、浸透圧によって腸内の水分を集め、便を柔らかくする作用がある。
     『新ウィズワン』も水分を吸収する点では同じだけれど、食物繊維の塊みたいなもので大きく膨らみ便の量を増やすから、それが「出すぎ」という事になったのだろう。
     高齢者であるとか、食が細くて便の量が少ない人に向いている。
     一方、『オイルデル』はその商品名からイメージされるように腸内の滑りを良くするため、これも体内が乾燥しやすい高齢者に適している。
     病院では『麻子仁丸』の他に、『潤腸湯』という漢方薬が処方される。
     お客様が、知人からは「薬は良くない」と言われて不安だというので、そういうことを軽々に言う人は知識が乏しいことをお話しすると、確かに上から目線だったとのことだった。
     上から目線って言われると、なんだか自分も言われてるみたいである(;^ω^)
     編集さんから、原稿の指示に「上から目線にならないように注意して下さい」って言われるんだよねぇ。
     お客様は、使った市販薬は病院を受診する時に現物を持って行ってるというので、「それは素晴らしく良いこと」と伝えたうえで、成分表示をお薬手帳に貼り一元管理して持ち歩く方法もあることを教えた。
     現物を持ち歩くよりは楽なはずだし、調剤する薬剤師に知っておいてもらうのも大事。

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     お客様が『ユリナールb』(清心蓮子飲)を購入されるさいにヒアリングしてみると、処方された薬が効かなかったからだと言われるので「うん?」と思ったけれど、担当医には知らせていて、処方薬も変更になる予定とのこと。
     なんなの今日は?
     ちゃんとしてる患者さんばかり続くなんて、なんか天変地異が起こるんじゃ、と不安になるぞ( ̄ー ̄;)
     ただ以前に『ユリナールb』を服用して胃が気持ち悪くなったそうで、飲む量を減らしたら良い感じだったという。
     どの薬でもという訳ではないが、量を減らした判断は素晴らしいと伝えたけれど、お薬手帳は家に置いてあるというため、持ち歩いた方が良いことをお話した。
     出先で事故に遭って気を失ってる場合には救命措置をするのにも参考になるし、大規模災害で避難所生活になった時に特例として医師の診察を受けずとも薬を受け取ることが出来るので。
     さっきの、お薬手帳は持ち歩いているけれど薬局を複数に分けてるとか、市販薬を医師に報告しているけれど成分表示はお薬手帳に貼っていないとか、「あと一歩」というのがなんだかホッとしてしまう(笑)

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     お客様が『アネトンせき止め錠』を購入されるさいにヒアリングしたところ喘息とのことで、気管支の拡張成分の他にアレルギー性の咳を抑える成分と、気道の粘膜の分泌を促進する成分も入っているから適応するから、そのままお買い上げいただいた。
     たた、外が寒くなって体は熱を出したくて内臓を炎症させてしまうので、炎症を抑えるために温かい物を積極的に飲んだり下半身に厚着したりするよう勧めた。
     体温の調節は、第二の脳とも呼ばれている腸が脳を介さずに自律的に活動して行なっていることをお話しすると驚かれた。
     脳のある頭の怪我に気をつけるように、腸もまたできるだけ守ってあげるのが体のためなんである。

    「おくすり手帳と個人情報の使い方」
     

  • 便通は週に2回あれば便秘じゃない? 様式トイレでの姿勢は前かがみで

     お客様が『コルゲンコーワトローチ』をレジに持ってきたけれど、消毒系なので抗炎症には別な物があるとお話して『パブロントローチAZ』を案内したところ変更になった。

     実は、上記のお客様の前に『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたお客様に、喉を潤す成分が入っているけれど痛みには弱いことをお話したところ、主訴は喉の痛みだけということだったが、「いつも効いているから」と、そのまま購入されていた。
     しかし上記のお客様とのお話に興味を持ったのか、お帰りにならず改めて相談を受けたので、咳止めの成分が体には負担にもなることを説明すると、以前に服用すると白髪になったと言われ、『パブロンSゴールドW』を返品し、『ペラックT』に変更となった。
     風邪薬と白髪に関係があるかは分からないが、漢方的には白髪は腎が影響すると考えられ、全く関係が無いということもないのかもしれない。

     やや高齢のお客様から、第3類医薬品の『ザ・ガードコーワ整腸錠α3+』と指定医薬部外品の『ラクトファルミンS』などの違いについて質問を受けた。
     乳酸菌などは胃酸に弱いので腸に辿り着くまでに多くが死滅してしまうことから、乳酸菌を育てる納豆菌を混ぜることにより、腸で乳酸菌を育て直そうというのが『ザ・ガードコーワ整腸錠α3+』であることを説明した。
     すると便通は3日に1回程度で、以前に『コーラック』を使ったら腹痛を起こしたというため、うちのお店には置いていないけれど『潤腸湯』を紹介したうえで受診勧奨したが、『ザ・ガードコーワ整腸錠α3+』と同じく納豆菌の入っている『アペテート錠』を購入された。
     ただ、苦満感が無いのなら便通は一週間に2回あれば心配いらないことと、排便時には前かがみになるか足を台に乗せて少し高くする方法をお話した。
     洋式便器に姿勢良く座ってしまうと、直腸に蓋がされるような形になってしまい排便しにくくなるので。
     まぁ、だからこそ人間は立ちションはできても立ち糞はできない訳なんですが。
     そのため便秘がちな場合は、和式便器にまたがるのと同じ姿勢になるのが良い。
     ちなみに急な便意がもよおした場合には、お腹を抱えて前かがみになると漏らしてしまうので、とにかく背筋をまっすぐ伸ばして能や狂言にように平行移動で歩くことが重要。
     そしてトイレで下半身を出す時にも油断せずに、背筋を伸ばしたままでないと便器に辿り着く前に悲劇となるのでご注意あれ。

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     高齢のお客様から『マキロンS』を求められたけれど、擦り傷なので水道水で洗えば充分とお話して、お帰りになった。
     念のため、もっと傷が深い場合や、ズキズキと痛んでくる場合は抗生物質の『テラマイシン』などを使うことになるとは伝えておいた。

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  • 勝手な診断はご法度なれど考え方の一つとして

     『ハリックスほぐリラ』を購入されるお客様に、成分によっては内服の鎮痛剤との併用を避けた方が良い外用薬もあることを伝えたところ、知らないようだった。
     ご主人が肩こりに使うとのお話だったので、成分による鎮痛効果と浸透力の違いを説明したうえでお買い上げいただいた。
     飲み薬同士の飲み合わせは気をつける人もいるものの、体に塗る外用薬と内服薬の組み合わせは忘れられがち。
     シップ薬はみんな同じに見えるかもしれないけど、お気をつけあれ。

     やや高齢のお客様が来店し、以前に買った『ナチュラル便秘薬』では便の最初が硬くて痛いと苦情を言われた。
     怒りに任せてまくし立てられるので、おとなしくお話を聞いて興奮が治ってから、腸内の水分を吸って便を柔らかくする『サトラックス』と、油分で腸内の滑りを良くする『オイルデル』を案内し、後者をお使いいただくことになった。
     お客様は私に勧められたと言っていたが、会話をしたお客様は全てメモしているし、特徴的な案件はこうして日記にも残しているので、そんなはずはないのだけれど……。
     しかも、他の疾患で病院に通っているそうだから、前回にもその話が出ていれば、お薬手帳の有無の確認はしているはずである。
     とりあえず病院に通っているのであれば、『麻子仁丸』や『潤腸湯』を処方してもらえないか担当医に相談するよう勧めてみると、今度はやたらと感激された。
     うーむ、この感情の起伏の大きさと記憶力の曖昧さは本来の性格なのか、何か病気が関係しているのだろうか。
     患者さんの病気を勝手に診断することはできないが、怒鳴りつけられることは少なくないので、そういう時には病気が言わせているんだと自分を納得させることにしている。
     そうすれば腹も立たないし、お客様のお話を落ち着いて聞くことができるので。

     『ユースキンS』を購入されるお客様に、痒み止めとしては弱いことをお話ししたところ、以前に『ユースキンA』を使ってベタついたからとのこと。
     『ユースキンA』にはビタミンA油が入っているので、そのせいだと思われるが、この手の薬でベタつくというのは付け過ぎが考えられる。
     ワセリンもそうなのだけれど、手の甲の範囲に塗るのに人差し指で薬を取っていたらそれは量が多い。
     手の甲の範囲であれば、小指の爪先に引っ掛ける程度、米粒一粒分だけあれば充分なんである。
     また、今回のお客様の主訴は痒みとのことだったが、体だけではなく顔もだそうなので、患部によって薬を使い分ける方法もお話したうえで、そのままお買い上げいただいた。

     

  • 個人輸入代行の薬はコワイよ

     やや高齢のお客様が『パブロン鼻炎カプセルSα』を2箱購入されるので、まとめ買いは好ましくない事と長期連用は避けるようお話ししたところ、 以前は『アネトンせき止めZ錠』を繰り返し使っていて、その目的は元気になるためだという。
     ミ( ノ_ _)ノ=3ズコーッ!!
     要するに、副作用として現れる興奮や反対の倦怠感を目的にしているのだ。
     この手の目的外使用に対しては販売を拒むのが本筋ではあるが、ちょうど近くで上司が作業していて販売を拒むこともできず。
     しかも、お話を聞くと『アネトンせき止めZ錠』では便秘をしたから『パブロン鼻炎カプセルSα』に乗り換えようと考えたという。
     便秘もまた副作用と考えられるし、それは『パブロン鼻炎カプセルSα』でも同様になる可能性があるとお話ししたが、そのまま購入されてしまった。
     そのうえ何故か、『バイアグラ』を個人輸入の業者から買ったということを自慢された。
     個人輸入の6割以上が偽物の薬という話もあるから、『バイアグラ』は病院で処方してもらうよう勧めると、「大丈夫」「めんどくさい」と受け入れてもらえなかった。
     なんたる敗北感……orz

     お客様から「強い風邪薬を」と注文され、発熱があるのかを尋ねると熱感はあるというのだが計ってはいないとのこと。
     主訴は鼻づまりと疲れ、そして熱感は微熱というところだろうか。
     風邪薬に強いも弱いも無いことを説明し、この後に休めるのなら現代薬を、休めないなら体力維持のため漢方薬をと提案した。
     というのも、風邪で起きる症状のうち発熱はウイルスの活動を鈍らせながら免疫機能を高め血行を良くすることで生命活動を活発にして、咳や鼻水などはウイルスを追い出すためだから、それらを薬で止めるというのは長期戦に入ることを意味する。
     確かに症状が抑えられると身体感覚としては楽になるが、ウイルスの活動を止められる訳ではないため、薬の効果が切れれば症状がぶり返すうえ、服用した薬の処理にも体力を使うことになり、疲労感は残る。
     漢方薬を使う場合は、一部に例外はあるものの『葛根湯』は上半身を温めて血行を良くすることで風邪と戦う体を支援し、『麻黄湯』は武器弾薬を補給して戦いを有利に運び、『柴胡桂枝湯』は損傷箇所(主に胃と肝臓)をメンテナンスして体力の低下を防ぐ。
     また、明日は用事があるというのであれば今夜は漢方薬で体には戦ってもらって、朝起きてから現代薬に乗り換えて表に出ている症状を軽減し、帰ってきてからまた漢方薬に乗り換えるという方法も考えられる。
     今回は、休めそうにないというので『葛根湯』で自身と一緒に戦うか、『柴胡桂枝湯』で体力を下支えするかという選択肢を挙げたところ、疲れてるというお話から『柴胡桂枝湯』を使っていただくことになった。
     微熱というのが曲者で、多くの人が微熱を「風邪の初期」と考え油断してしまいがちだが、疲労感があるようなときは、「熱を出す体力がすでに無い」という可能性がある。
     その場合、微熱が続くわりに症状が激しくならないため、さらに無理をして肺炎に進むケースもあるので気をつけてもらいたい。
     ええ、私なんですけどねソレやったの(;´Д`)

     高齢の父親が便秘ということでオリゴ糖を求めて、お客様が来店。
     しかし以前に、亡くなった母親に処方されていた漢方薬を使った時には良くなったというお話が出た。
     内容は覚えていなかったが、ツムラの青い帯のようなので『桂枝加芍薬湯』と予想されることと、他に『潤腸湯』というものがあることを紹介し、担当医に相談してみるよお勧めた。
     そこまで話したところで、父親は糖尿病を患っているという話が出た。
     オリゴ糖は消化されにくいため、だからこそ便秘への効果が期待されるわけで、だからこそ血糖値が上がりにくく糖尿病患者には最適。
     とはいえ、それを知っている様子ではなく知人から勧められたということから、まずは担当医に相談したうえでと伝えた。

     

  • 開封した薬は返品も交換もできません

     やや高齢のお客様から、先日『イチジク浣腸』の30gの物を買うつもりが間違えて40gの物を買ってしまったとのことで、返品を求められた。
     未開封なら受けないこともないけど、すでに開封済み。
     薬に限らず、衛生面や異物が混入されてる可能性もあるから、開封してしまっては返品も交換もできない。
     しかしお客様は、買った他の物で押し潰されて開いたもので、自分が開けた訳じゃないと主張される。
     そりゃ、そういう事もあるかもしれませんが……(;´Д`)
     一応、上司に問い合わせ。
     もちろん駄目だけど。
     この手のトラブルでは、最初にキッパリ突っぱねるという選択もあるけど、目の前でワンアクション起こすことで満足するケースもあるから、その判断が難しいところ。
     私はワンアクション派で、なんならメーカーに電話で問い合わせることも。
     もちろん駄目だけど。
     それでも大抵は、目の前で「上司やメーカーと交渉してくれた」という行動で引き下がってもらえる。
     巻き込まれたメーカーの中の人、お手数掛けてゴメンナサイ(;´・ω・`)ゞ
     そして今回、上司にお伺いを立ててる間に症状を尋ねたところ、ご主人も一緒に使っており、自身は便意があるのに便が固くて出ないというお話を聞けた。
     そこで内服薬を提案すると、以前に『タケダ便秘薬』(大黄甘草湯)と『コーラック』を使ったことがあり、『コーラック』はお腹が痛くなってしまったそう。
     便意があるのに硬くてというのは、ストレス性や加齢による腸の機能の低下だろうから、『桂枝加芍薬湯』の方が適応しそうだと思い紹介した。
     また、便秘で病院に行ったことは無いというので、『桂枝加芍薬湯』が保険の適応薬であることを教え、病院なら他に『潤腸湯』という読んで字の如しの漢方薬もありますとお話すると、ようやく普通にお話を聞いてもらえるようになった。
     最初は、スゴイ剣幕だったのよ( ´Д`)=3
     そして、市販薬では『サトラックス』のように腸内で水分を吸収して便を柔らかくし量を増やす物や、腸内の便の滑りを良くする『オイルデル』(麻子仁)も、お腹が痛くなりにくい便秘薬ですと案内し、他にも炭酸による刺激で腸に優しい『レシカルボン』も紹介した。
     本日のところは、浣腸を全て注入しないで量を加減してみるということに落ち着き、お帰りになられた。
     ホッε-(´∀`*)

     酔い止めを求めて来店したお客様に、使ったことがある物を尋ねると、『トラベルミン』と『センパア』を使った記憶があるものの、同シリーズのどれかは分からないといお返事。
     まぁ、そうでしょうねぇ。
     でも、同じ銘柄のシリーズでも名前に記号や数字が付くと、成分は縁もゆかりも無い物だったりする。
     そして、薬と体には相性があるため、同じ物だと思って使うと効かないとか具合が悪くなるケースもあるので要注意。
     だから、外箱か添付書を取っておくよう勧めて、今回は『センパアプチベリー』をお買い上げ頂いた。
     状況を詳しく訊いてみたところ、出産後に酔いやすくなり、必ずと言ってよいほど吐いてしまうということから、水分代謝を整える『苓桂朮甘湯』で体質改善ができるかもしれませんと紹介したうえで、乗車前の飲食は温かい物にすると消化が終わり次第、腸に送られて胃が軽くなることを教えた。
     また、乗車してからは冷たい物をチビチビと飲むことで胃を麻痺させて、多少なりとも酔いにくくなることも付け加えた。
     あと、普段お薬手帳を持ち歩いていないというお話で、理由はかかりつけ医がいるからという事だったけど、災害や事故に遭った時のためには、持ち歩いたほうが良いことを説明した。

     

  • 人には時として増長も必要?

     高齢のお客様から、病院で『ビオフェルミン』を処方されているものの、便秘に効かないと相談を受けた。
     病院で処方されている薬の代わりなんて、ドラッグストアーでおいそれと提案できるもんじゃないけど『ビオフェルミン』は、まぁ乳酸菌だから、ちょっと考えてみよう。
     症状を詳しく訊いてみると、腸が動かない感じだそうなので、『桂枝加芍薬湯』を案内してみた。
     内臓が未発達な幼児の便秘には水飴の入った『小建中湯』を使うが、その『小建中湯』から水飴を抜いたのが『桂枝加芍薬湯』で、本来はストレス性による便秘や下痢を正常の状態に戻す漢方薬である。
     他に、食事の量が減っているというお話もあったため、腸内の水分を吸収して便の嵩を増やす『サトラックス』も紹介した。
     とはいえ、病院に通っているのであれば、加齢による体内の水分の不足で起きる便秘を改善する『潤腸湯』を処方してもらうという手もある。
     なので、担当医に『潤腸湯』『桂枝加芍薬湯』の処方について相談してみるよう勧めた。
     自信は必要だけど、天狗になっちゃ駄目なんである。

     『ルルアタックNX』を購入されるお客様に念のため症状を尋ねると、主訴は鼻水と咳であるものの、鼻水は透明なサラサラで咳もそれほどではないそう。
     ふむぅ、そういうことでしたら体内を温めるだけで改善しそうにも思えます。
     そうお話して『葛根湯』を勧めると、一緒にお買い上げになった。
     勿論、上半身を温める『葛根湯』は咳には適応しないんだけど、咳がそれほどでもないというのは、単純に寒暖差によるものか、花粉などの異物を吸って反応しているだけかもしれず、そういう場合には無視しても構わないので。
     一応の咳についての鑑別方法としては、冷たい水と温かいお湯のどちらを飲むと楽になるかで試すというのがあることを、お客様に伝えた。
      冷やして咳が楽になるようなら『五虎湯』か適しているし、温めて楽になるのなら『葛根湯』『小青龍湯』となる。
     今回の場合は、内臓が冷えていると出る透明でサラサラな鼻水ということだったので、その点は考えなかったけど。

     やや高齢のお客様がサプリメントの『ノコギリヤシ』をレジに持ってきて、「夜飲べば効くか」と質問されるので症状を尋ねると、夜間にトイレで起きてしまうからとのことだった。
     確かに『ノコギリヤシ』は、アメリカなどではそういう用途で処方される薬だけど、日本では医薬品としての効能は、まだ認められていない。
     効能が認められている漢方薬のほうが良いのではないと話すと興味を持たれたので、『八味地黄丸』を紹介すると購入を決められた。
     また、『八味地黄丸』で効果がイマイチと感じる場合には、高齢でもあるから『サモンエース』(知柏地黄丸)や『ジェントスルー』(八味地黄丸加五味子麦門冬)というような乗り換え先もあることを伝えた。

     『チクナイン』(辛夷清肺湯)を購入されるお客様に使用経験を確認したところ、初めてとのこと。
     ただ、蓄膿症と診断されたことはあり、鼻汁が喉に落ちるというから、適応から考えても最初の候補となるので、そのままお買い上げ頂いた。
     そして、鼻汁が喉に落ちてくるのは胃が弱っているためと考えられるので、胃に優しい食事に切り替えることと、蓄膿症は上半身に不要な熱が篭るのが原因だから、上に昇る熱が循環するように下半身を温めるよう勧めた。

     

  • お薬手帳をクラウド化

     お客様が足を引きずって来店し外用消炎剤の棚に向かわれたので声を掛けると、足を捻ったばかりだとのこと。
     急性なので浸透性に優れたフェルビナク製剤か、鎮痛効果の強いインドメタシン製剤をと案内したところ、前者を購入された。
     そして、今日のところは水枕に足を乗せて冷やし、明日からは、ぬるめのお風呂に入るなどして温めるよう勧めた。
     損傷箇所の修復のための材料は血で運ばれるので、血流が大事。

     やや高齢のお客様がいらして、手術を受けてから流動食が続き、便意があるのに出ないと相談を受けた。
     通院しているのであれば処方されている他の薬との兼ね合いもあるから、担当医に相談するのが一番ではあるのだけれど、行ったばかりで次に行くまで日があるので市販薬をと要望された。
     でも、お薬手帳を持ってきていないため、下手な物は選べない。
     ひとまず、流動食が続いていたとなると便の量が少ないのがけ原因とかんがえられるので、腸内の水分を吸って便の量を増やす『サトラックス』を案内し、試していただく事になった。
     そして会計の段になって、ガンの治療中だということが分かった。
     ありゃん(;・∀・)
     言い出しにくかったのかもしれないけど、やはり早めに欲しい情報でした。
     となると、投薬による便秘も考えられるため、ストレス性の便秘や下痢に使う『桂枝加芍薬湯』と、老人性の腸の乾燥による便秘に適応する『潤腸湯』を紹介し、担当医に相談するよう勧めた。
     それと、お薬手帳は家に置いておかず、持ち歩くようにとお話した。
     この間の水害でも出先で避難所に行くことになり、家に帰れなくなったという人がいるそうなので。
     避難所に派遣されてきた医師に使っている薬を知らせたり、救援物資で要請するにしても、お薬手帳が無ければ分からないから。
     あと、災害に遭うことを考えたら、お薬手帳に薬の情報を貼ったらスマホで写真を撮っておくのも良いように思う。
     スマホの設定によってはクラウドで情報が保管され、万一紙の手帳が汚損したりスマホが故障しても、クラウドに接続するIDとパスワードを覚えておけば、他の機器でアクセスして確認できるかと(・o・)

     

  • 何事も、トレーニングや反復練習は必要

     お客様から、高齢の母親のために「お腹の痛くならない便秘薬を」と注文された。
     まったく出ない訳ではなく、コロコロ便の後には普通に排便できるというから、腸管が乾いて潤いを失っている標準的な老人性の便秘だろう。
     これが子供や若い人だと、コロコロ便はストレスによる腸の弛緩で『小建中湯』『桂枝加芍薬湯』を用いるところ。
     今回のように老人性の場合は、『潤腸湯』が適応するのだけれど市販薬には無く、病院で処方してもらわないと。
     すると、血圧に関する薬を処方されていると分かり、お薬手帳を持参していないため、迂闊な物は案内できない。
     ここは考え方を変えて、『潤腸湯』が腸を潤すのと反対に、腸内の水分を吸って便の方を潤し嵩を増やす『サトラックス』の方が安全か。
     ただなぁ、ますます腸管を乾燥させてしまう可能性もあるんだよなぁ。
     なので、担当医には『潤腸湯』『桂枝加芍薬湯』を処方してもらえないか相談するよう勧めて、今回は『サトラックス』を試して頂くことになった。

     水虫の薬を買いにいらしたお客様に、菌の検査をしたことがあるかを尋ねると、患者は成人の息子さんで、おそらく病院に行ったことは無いだろうとのお話。
     毎年この時期に、足の親指の付け根が白っぽくなるようだというお話なれど、時期的に湿気が多く、汗疹などとも判別しにくいことを説明した。
     息子さんは一人暮らしをしていて、帰ってきたところなため渡したいとのことで、あまり殺菌作用が強くない(つまり水虫じゃない場合のダメージが少ない)『ダマリンL』を案内してお買い上げ頂いた。
     でも、一人暮らしであれば、なおさら病院に行くことに慣れさせた方が良いのではと提案した。
     以前に、119番に通報したのに救急車出動を断られた大学生が死亡した事件かあったが、通報した時点で大学生の会話が明瞭ではなく、すでに意識が混乱していた様子が窺える。
     https://youtu.be/m_mMczrpHNE
     このケースでは、近くの病院で風邪と診断された後に重症化したらしい。
     私自身も風邪と診断されて帰された後で肺炎になって、救急車で逆戻りとなったけど、救急車を呼ぶ段階で声が出せなくなっていた。
     振り返れば、風邪と診断された時に医師への症状の伝え方が適切だったか、帰ってからの体調の変化に対する判断が甘くはなかったかと、「患者視点」で反省した。
     肺炎になる予兆を見逃した医師に対して腹立たしい気持ちは当然あるものの、自身の危機意識が低かったのも事実。
     『化物語』の忍野メメのセリフに「助けないよ、力を貸すだけ。君が一人で勝手に助かるだけだよ」とあるように、医師を頼るときに受け身では駄目なのだ。
     そして何事も、トレーニングや反復練習は必要。
     必要なんだけど、病気の練習なんてやりようが無い。
     あるとすれば闘病記を読んだり見たりくらいだけど、商業誌だと必ず家族との絆だの夢への挑戦の途中だの無用の感動話が洩れなくついてくるし、同人誌やネットでの書き込みでも、わざわざ書き残すくらいの大病が多いから、今度は参考にするには特殊な事例すぎて参考にならない。
     となると実用的なのは、とりもなおさず医師などの医療関係者との対話ではないかと私は思う。
     何を伝え、どんな質問をして、示された情報をどう処理するか。
     それを、機会を見つけては(具合が悪くなって時がチャンス)練習を積み重ねておけば、「患者の達人」となる事であろう。
     なにしろ、何も調べず、分からなければ店員に尋ねることもしないで薬を買う人が多いことからすると、病気になった時の「練習不足」は切実な問題なんである。

     

  • 確認を怠って失態

     以前に漢方薬の相談に応じたお客様が、再訪。
     遠方に住んでいる高齢の母親から、浣腸の購入を頼まれたとのこと。
     便秘で通院しており、別々の科から、便を柔らかくする薬と、腸の働きを助ける薬が処方されているものの、便の最初が固くて出にくいからという。
     老人性の腸の機能低下が考えられるため、『小建中湯』『桂枝加芍薬湯』を紹介したのだけれど、担当医は漢方薬を出してくれない、というか漢方薬に懐疑的であるらしく、処方してくれ無さそうだとか。
     なんだそりゃ?
     懐疑的なのは悪く無いとしても、れっきとした保険適用薬。
     重篤な副作用が懸念されるならともかく、効能に適応する物くらいは処方してくれても良さそうなのに。
     まぁ、中には更に、薬剤師や登録販売者に口を出されるのが嫌だという御仁もいるらしいが。
    「それなら、今すぐ全ての患者を完治させてみせろ( ̄^ ̄)」(シャア・アズナブル風に)
     どうしても駄目なら、大きい病院の場合は担当医を変えてもらえるよう事務に申し出てみるか、他の病院を頼ってみてはと提案した。
     私の旧友は、最初の医師が漢方薬が全く分からないってんで、担当医を変更してもらったそうだし。
     と、偉そうに書いておいてなんですが、今になって『潤腸湯』の存在を思い出した。
     しまったーーーーーーーーーーーー(;´Д`)
     老人性の便秘を疑った時点で、最初に思いつくべき処方を忘れるとは、なんたる失態。
     店頭に置いてない処方だから、スポーンと頭の中から抜けていた。
     ちゃんと、漢方薬一覧に目を通してから、案内するべきだった………。

     『コッコアポEX』を購入されるお客様に、使用経験があるか尋ねてみたところ、以前に『コッコアポG』を使って効果が無かったという話だった。
     『コッコアポEX』は『防風通聖散』で、『コッコアポG』は『大柴胡湯』である。
     ちなみに、『コッコアポL』は『防已黄耆湯』です、念のため。
     ポッチャリした水太りタイプで、色白で汗をかきやすく、腕を触るとプルプルした脂肪の人に適応します。
     そして、『ナイシトール』も使った事があるというので、同じく『防風通聖散』ですと教えたら、ビックリされた。
     一応、パッケージにも小さく書いてあるんだけどねー。
     『大柴胡湯』は、のぼせや常習便秘があり、イライラしやすくて寝付きが悪い人向けなので、該当するか尋ねたら一つも思い当たらないらしく、それでは適応しないのも当然。
     ただ、『ナイシトール』を使った時には、少し効いたことがあるとのことで、同じ処方でもメーカー違いで効果も違うケースが有るため、このまま試してみるのも良いでしょうと伝えた。


     

  • 桂枝加芍薬大黄甘草湯(けいしかしゃくやくだいおうかんぞうとう)
    ………急性胃腸炎、大腸カタル、常習便秘、しぶり腹

    適応症状 

     比較的体力の無い人で、腹部膨満し、腸内の停滞感あるいは腹痛などを伴うものの次の症状:
     急性胃腸炎、大腸カタル、常習便秘、しぶり腹

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      シャクヤク(芍薬)6.0g
      ケイヒ(桂皮)4.0g
      タイソウ(大棗)4.0g      
      カンゾウ(甘草)2.0g
      ダイオウ(大黄)2.0g
      ショウキョウ(生姜)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    桂枝加芍薬湯
     本方と同様の症状を呈するが、裏急後重あるいは便秘の程度が強くない場合に用いる。

    小建中湯
     本方より体力の低下した人で、腹痛が持続的でさらに強い場合に用いる。

    大建中湯
     
    体力の低下した人が腹痛を訴えるが、腹壁の緊張が弱く、鼓動の程度が強く、ときに腸管の蠕動亢進認められる場合に用いる。

    潤腸湯
     主として老人や体力の低下した人で、弛緩性または痙攣性の便秘であるが、腸直筋の緊張の無い場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.副作用
     (1)電解質:長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れる事があるので、観察を充分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する事。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる事がある。
     (2)自律神経系:不眠、発汗過多、頻脈、動悸等の症状が現れる事がある。
     (3)過敏症:発疹、掻痒等の過敏症が現れる事がある。


    3.妊婦への投与
     (1)妊娠および、妊娠している可能性のある婦人には慎重に投与すること。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。