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  • ≪通巻35号≫
    体験! ジェットコースタードラマ/選挙があると薬屋は儲かる?/子宮筋腫のCT画像

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                       ≪通巻35号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ◆お詫び
     諸般の事情により、メールマガジンの発行が大幅に遅れて申し訳ありません。
     10日(月)の日記で一部触れていますが、詳しくは次号の日記に書く予定です。
     健康相談と商品の注文には遅滞の無いようにいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月8日(土)……体験! ジェットコースタードラマ
    ※11月9日(日)……選挙があると薬屋は儲かる?
    ※11月10日(月)……子宮筋腫のCT画像
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆11月8日(土)/2003年◆
     今日は、毎月開催しているSNAKE-EYESのTRPGコンベンションである。
     私もスタッフとして関わってから5年ほど経つが、土曜日の開催というのは初めて。
     以前から参加者から土曜日開催の希望があった事、学校の週休2日制が定着した事、会場の予約が完全抽選になり土曜日の方が倍率が低い事など条件が揃い、実際にどの程度の参加者数があるのかを確かめてみたいという算段もあって今回の日程に決めた。
     会場に到着すると、入りは定員の半分程度。こりゃまた少ない。
     一方で、いつもは半分しかいないスタッフが、珍しく勢揃いした。一般参加者2人に対して、スタッフが1人という構成である。
     それならばと、今回はスタッフ全員が各ゲーム卓に入ってゲームに参加する事にした。通常は受付に事務スタッフを2名は残すのだが、まぁ今回は目が届くだろうという事で。
     TRPGについては、8月3日の日記を参照。
     今回私が入った卓のゲームのタイトルは、『もう誰も横浜の果てで涙と言う名の同窓会だけ見えないRPG』。
     ピンと来た人は、90年代にトレンディドラマならぬジェットコースタードラマを観ていた人だろう。
     念のために書いておくと、ジェットコースタードラマとは、10分でも見逃したらストーリーが分からなくなる程の急展開があり、なんの脈絡も無く殺人事件が起きたり、伏線も無くドンデン返しがあったり、重要だと思っていた登場人物がいつの間にか出なくなったりという、そういう事が“許された”時代の仇花のようなドラマの事である。
     いや、最近もそんなドラマがあるらしいけど、とんと見ていないので知らない。
     
     で、まずプレイヤーはゲームの中で使う登場人物=キャラクターの設定を決める。自分で考えても良いのだが、キャラクターを作るための表があるので、それを使う事にした。6面体ダイス(サイコロ)を振って、その出目に対応した事柄をキャラクターの設定として使うのだ。
     例えば私のキャラクターは、表の顔として“普通”の“飲食店経営”で“お金に困っていない”となった。もちろん、これだけでは面白くないので、裏の顔もダイスを振って、表を当てはめる。すると裏の顔は、“悪徳”の“医師”で、“誰かの財産を狙っている”し、“逮捕歴がある”し、“隠し子がいる”となった。
     何故みんな、(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)ウンウンと頷くんだ。特に、“隠し子がいる”というところで(笑)
     このままだと整合性がまったく無くなってしまうので、細かい設定の調整は自分でやる。今回は、どういう偶然か他のプレイヤーさんたちのキャラクターが高校生や高校の教師などに偏り、舞台設定を高校にしようという事になったので、私は高校の近くの喫茶店のマスターという事にした。ただし、裏の顔が悪徳医師という事なので、ヤクザなどの裏家業の人たちを相手に治療したり、時には暗殺を請け負う闇医者という事にした。
     ちなみに、他のプレイヤーさんたちのキャラクターは以下の通り。
     最初の、手塚真というキャラクターが私のキャラである。
    『手塚 真』……喫茶店『マンハッタン』経営。裏の顔は闇医者。隠し子がいる。
    『手塚恭平』……真の養子で男子高校生。裏の顔は番長で、実は真の実子。
    『山中裕季』……ミュージシャンで恭平の先輩。『マンハッタン』に居候しており、実は恭平とは異母姉弟。
    『安斉和也』……高校の養護教諭。裏の顔は、研究者でバイセクシャル。
    『石川 均』……高校の事務員。裏の顔は、プレイボーイで恭平を狙っている。
    『針谷響子』……高校教師で和也にぞっこん。裏の顔は風俗嬢のバイトをしている。
     そして、さらに関係が複雑な事に、真と響子と均の3人は某金持ちが愛人に産ませた異母兄弟で、真と均だけがその事を知っている。
     だって、ダイスを振ったらそうなっちゃったんだもの(^_^;
     しかも、どう見ても生徒も教師もまともじゃないため、ゲームのタイトルに合わせて学校名を『横浜第二高校』とした。なんとなく、頭悪そうな学校だよねって事で。ホントにあったらゴメンなさい(苦笑)。
     さて、物語の進行だが、これは“運命濁流表”というもので決まる。キャラクターを作った時と同じようにダイスを振ることによって、その出目と対応した表があり、それによって状況が決定付けられるのだ。
     そして、その状況にキャラクターがどういう行動を起こすかをプレイヤーはアドリブで演じていく。
     例えば、響子は上司に呼び出されることになった。高校の上司であるから、校長か教頭という事になる。響子の裏の顔は風俗嬢であるから、もしかするとその事かもしれない。さて、どうするか?
     今回はプレイヤーが素直に従う事を選択した。すると、呼び出された理由は担当しているクラスの宿題の提出率が悪いという事で注意を受けたのだ。下手に何か別な行動を起さなくて正解だった訳だ。
     そんな調子で、ドラマの第1話にあたる最初の30分は、登場人物の紹介という感じになった。
     これがまぁ、ロクな登場人物がいない(笑)
     養護教諭の和也がいる保健室には、常時生徒が寝に来ていて、ベッドの予約まで入っている始末。
     私のキャラクター、真が経営している喫茶『マンハッタン』には昼間っから生徒がダベッているは、居候の裕季は後輩に学校をサボらせてバンド活動をしているは、その高校の事務員は教師も生徒も関係無くたらしこんでるは、ひどいもんである。校内暴力で荒れてる高校の方がマシじゃあないのか(笑)?
     30分で、だいたいドラマの1話という事で区切りをつけて第2話目に入る前に、再び“運命濁流表”に基づいてダイスを振った。
     ここで決まった事が、いわば第2話の予告となる。
     すると、私のキャラクターである真が“子供を殺す”という事になった。早くも第2話でそんな展開かい(^_^;
     同じように、他のキャラクターたちも“見せ場”となる展開が決まった。第2話目では、どんな形でもいいからアドリブでそのシーンを演じなければならないのだ。
     そして、第2話目を開始。コーヒーの出前の注文を受けた真は、車で配達に向かう途中で子供を跳ねてしまう。すぐに飛び出して子供の状態を確認し、病院へ連れて行ったが死亡。これにより、とりあえず“予告”の内容はこなした事になる。
     しかし、それではドラマは面白くならない。闇医者である真は知り合いの武井代議士に事件の揉み消しを依頼した。唐突に悪徳代議士が出てきて事件を揉み消すのは、この手の安っぽいドラマの常套手段だろう(笑)。
     そうやって物語が転がり始めたら、他のプレイヤーも乗らなければ物語の蚊帳(かや)の外に置かれてしまう。
     そこで、実は死んだ子供はプレイボーイの事務員である均の1人息子という事にして、武井代議士から遣わされた秘書から多額の見舞金を受け取り、均はその金を自らの借金の返済に充ててしまう。だが妻はそんな事では納得できずに警察の捜査に不審な点があるとして真相究明のための市民活動を始める。
     そうしてまた一区切りついたところでダイスを振り“運命濁流表”で次の話の“予告”を決めていった。
     このまま全編を書くと本当にドラマが1本できてしまうので(しかも支離滅裂な)割愛するが、一応この後の荒筋はこんな感じである。
     
     高校教師の響子は恋人の和也に風俗嬢のバイトをしている事を知られ、寝ている和也の部屋に火を点けて心中を計ろうとしたものの気づかれて失敗してしまう。そして数日後に学校に行くと、風俗でバイトをしているという事で退職を迫られた。後任には、なんと和也の大学時代の“彼氏”が赴任する事が決まっていた。傷心の響子は高校を退職し、風俗嬢として生きる事を選択した。
     そんな響子に、武井代議士の息のかかったスナックのママをやらないかという話が持ち込まれる。いわば、政治家が表立っては取引のできない事をやるための場所だ。自ら堕ちていく事を選んだ響子は、その話を受ける。
     一方、私のキャラクターである真は、武井代議士の依頼により、広瀬という女性ジャーナリストの暗殺を依頼される。しかし、広瀬は真の旧来の友人の1人であった。なんとか広瀬を殺さずに、しかし武井代議士に任務を遂行したと思わせる方法は無いかと思案したが……。
     残念ながらゲームが時間切れで、この件に関しては未解決となってしまった。
    まぁ、ジェットコースタードラマには、そんなふうに張られた伏線が解決しないまま最終回を迎えて、「そういやアレはどうなったんだ?」という事が多かったから、これはこれで良し(笑)
     響子を裏切った和也は、かつての“彼氏”と再び恋仲にとなるはずが、その彼氏が麻薬の密売をしている事を知り愕然とする。麻薬で頭のおかしくなった彼氏に警察に自首するように勧めた和也は、結局は響子を失い、元恋人の彼氏も失ってしまった。いと哀れ。
     子供を交通事故で失った均は、お金を受け取っておいて真が起した交通事故の真相追究を妻がしようとするのを抑えられないのは裏切り行為だとして、武井代議士が雇った刺客に刺されてしまう。その時に、自分の子供を殺したのは異母兄弟である真だという事を知り、瀕死の状態になりながら真のいる喫茶店に向かった。
     喫茶店に入り、実の兄である真を殺そうとナイフを握り締めてカウンターに近づき、悟られないようにコーヒーを注文する均。真の方も均が自分に復讐をしようとしている事に気がつき包丁を手にしながらコーヒーを差し出す。
     お互いが相手を殺そうとしたその瞬間、均の方が先に椅子に座ったまま絶命した。真は、周りの客に気づかれないように「お客さん、具合でも悪いんですか」と声をかけて、均の遺体を運び出した。
     裏で番長をしている恭平は、バンド仲間の少年がやはり同級生の少女を妊娠させてしまいバンドも学校も辞めて働く姿に感動(?)して、自分も愛に生きてみたいと思うようになっていた。そんな恭平の前に、キャピキャピした(死語)女子生徒が転向してきて(苦しい時の転校生頼み)、一目ぼれされた恭平は追い回されることになった。今回のドラマ中、唯一救いのあるオチのような気がする(笑)。
     バンドをやっている、ミュージシャンで真の喫茶店に居候をしている裕季は、1人カウンターで新しい曲を完成させた喜びに浸っていた。
     ドラマの重要な位置にいながら、ちっとも本編に関わってこないヒロイン(笑)
     なんだか打ち切りドラマのようになってしまったが、久しぶりにバカなゲームをやってかなりリフレッシュした気がする。
     本当はそのまま撤収作業をして反省会までいたかったのだが、今日は別な用事があり、早めに辞去した。手伝いをせずに申し訳ない。
     別な用事とは、地元で某同窓会があるのだ。
     メンバーが一同に介するのは約10年ぶりくらいになる。
     ほぼ全員が出席するという連絡をもらっていたので、行かない訳にはいかない。
     会場には、1時間遅れで到着。
     まだ食べ物が残っていた。良かった(⌒▽⌒)
     SちゃんやMちゃんやKちゃんなどが、飲み物と食べ物を揃えてくれる。
     みんな、少女からイイ女になったねぇ。
     まずは一杯飲んでから、少し食べ物をお腹に入れて、他のメンバーに挨拶回り。
     誰だか思い出せないカッコイイ男がいて、さりとて本人には訊きにくいので、同じくメンバーの1人であるT姉に尋ねたら、なんとTくんだとの事。私の記憶の中では、チョロチョロと落ち着きの無い男の子だったのだが、女性陣と同じく、少年からイイ男になったようである。
     最後に会ったのが確か中学生くらいだったKくんが「ボクの事分かります?」
    と尋ねてきたが、こちらは成長しても昔と印象が変わらない。昔から落ち着きのある男の子だったからか。
     Kくんに名刺を渡すと、「自分、こういうのもらった事ないんですよ。どうしたらいいんですか?」と訊いてきた。
     なんでも就職の内定が決まったらしい。それはメデタイ。
     まぁ、ビジネス書にも書いてある事だが、受け取る時には両手で受け取る事、必ず名前と役職を声に出すなど確認をして相手の事を覚えようとしている姿勢を示して、目の前で名刺入れなどに仕舞う事で大切に扱うという態度を見せるように言った。
     そして、自分も名刺を渡す時には必ず相手が出した時よりも低い位置から差し出し、関係者間ならばお辞儀の角度は30度、お得意先ならば45度と伝えた。
     もっとも、最近ではそんな“シキタリ”を守る人の方が少ないかもしれないが。
     しかし驚いた事に、Kくんはすぐさま言われた通りにやってみせて、「どうですか?」と確認してきた。ううむ、立派なヤツ。もとより誠実な人柄だから、先輩や上司に可愛がってもらえるだろう。いや、できすぎてかえってイジメられるか(苦笑)?
     Fくんからは、「結婚したなんて知らなかったよー」と言われた。私が結婚した事が不思議で仕方ないらしい。私も同感(笑)。
     結婚前に付き合ってた女性たちはどう整理したのかと聞かれたので、「まったく整理しなかった」と答えたら、「ええー!?」とまた驚かれた。
     するとそこへT姉が割り込んできて、「Fくんは純粋なんだから汚れた大人の恋愛なんか教えちゃダメ」と言う。
     私よりも輪をかけて汚れてる人がナニを言う(笑)
     そう言えば、今日のメンバーの中の男性陣をつまみ食いしていたT姉も、このFくんにだけは手を出さなかったな。純朴すぎて少ない理性が働いたか。
     そのFくんは今は、大手パソコンメーカーに就職していると聞いて、今度はこっちがビックリ。私の弟と同じ会社である。大きいから顔を合わせる事は無いだろうが。
     1次会がお開きになって、2次会のカラオケ屋に向かう途中で帰るメンバーがいるという事で揃っているうちに記念撮影をしようという話になった。
     それはいいのだが、全員が写真に入るために、なんとゲームセンターの店員にシャッターを切るのを頼んでしまった。そのゲームセンターで遊ぶ訳でもないのに。これだから、酔っ払いは(苦笑)
     そしてカラオケ屋では、最初は普通にJ-POPなどを歌っていたのだが、誰が始めたのか(私もその1人なのだが)、途中からアニソン・特撮ソングが混じりだしてしまった。女性陣が引くんじゃないかと心配したけれど、まぁ女性陣は女性陣で会話が盛り上がっていた模様。
     私としては、心の師匠である山本正之御大の歌を一緒に歌えるメンバーだったのが良かった。なにしろマイナーな歌手なので滅多に歌う機会が無い。
     http://www.bellabeaux.co.jp/yamamoto/
     1次会ではもっぱら男性陣と話をしていたのだが、ここでは歌っていない時に女性陣ともお話をした。
     K子ちゃんから、結婚したと聞いてビックリ。
     いやぁ、中学時代のツライ恋愛を経て結婚しましたか。おめでとう。
     と思ったら、すっかりヤサグレていた(笑)
    「ねーねー、男を紹介してよ~」などと言う。あんなに一途な女の子だったのに(p_;)
     なんでも旦那さんはものすごい心配性で、今日の飲み会に参加するのも10年ぶりの友達と会うからという事で許してもらったらしい。
     で、旦那は旦那として愛しているけど、男遊びをしたいと。
    「浮気を許してる奥さんなんてできすぎー。バチ当るよ」と言われた。
     そうでした、コチラがK子ちゃんの過去の恋愛遍歴を知っているように、K子ちゃんも私の恋愛遍歴を知っているんでした(^_^;;;
    「小学生から女子大生まで揃えてるなんて贅沢よ」と言われたので、それには反論。「今はフラれ続けて1人しか残ってない」と。ん? 反論になってないか?
     逆に「それは、釣った魚に餌をあげないアンタが悪い」とお説教された。やっぱり強くなったなぁ(笑)
     カラオケの方は延長に次ぐ延長で、終電はとっくに過ぎて始発を待った方が早いくらいの時間になってしまった。
     私を含めて明日も仕事があって近場のメンバーは、始発待ちの3次会には出ずに帰る事にした。と言っても、私はちっとも近場じゃないのだけれど、始発まで待っているよりは歩いて帰った方が早く寝られる。
     そう判断して歩き始めたものの、さすがに4駅分は遠くて60分ばかりで着くと思ったのに90分もかかってしまった。やや、足が痛い。
     しかし、歩こうと思えば歩けるもんだなとも自分で感心。
     中学校時代に学校行事で『夜行軍』があったせいかもしれない。
     『夜行軍』というのは、22時から翌日の6時までの間に山を歩いて越えるという“遠足”みたいなもので、登山を趣味にしていた担任教師の発案で行われた。なにしろ、「登山するため」という理由で有給休暇で学校を休むような人だった(笑)。
     あまりにも過酷ということでPTAから反対の声が出て1回限りの行事のはずだったのだが、生徒の間からはまたやりたいという声が上がって翌年も、その次の年も行われた。
     しかし、私たちが卒業した後はやらなかったそうだから、後輩たちには不評だったのかね。不評だろうなぁ、夜通し歩き続けるんだから(笑)。
     とにもかくにも明け方近くに家に着いて、お風呂に入ってグー( -.-)zzzZZZ。
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    ◆11月9日(日)/2003年◆
     昨日の無理が祟って、体調は極めて不良。
     地竜(ぢりゅう)を飲んでみたがどうか。
     風邪をひいたまま長引いているという患者さんが来店。
     咳も出ているようなので、体力をこれ以上消耗させないために柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と、咳を抑えるために麦門冬湯(ばくもんどうとう)を勧めた。
     替わって、鼻風邪をひいたという患者さんが来店。
     鼻水が出るという事で、ひとまず小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を飲んで様子を見てもらう事に。夜になって寝る頃になると鼻が詰まるという人もいるので。その場合は、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を併用する事になる。
     
     咳が止まらないという患者さんが来店。
     痰のからむような「ゴホンゴホン」という咳なのか、それとも「コンコン」というような乾いた咳なのかを尋ねてみたが、こちらの説明が悪いのか良く分からないという。
     それでは咳が出るのは体が冷えた時か、それとも温まった時なのかも尋ねてみたが、やはり良く分からない模様。
     さてどうしたものかと思ったら、目の前で患者さんが激しく咳き込んだ。
     お店の中は外よりも暖かい。そして咳の方は咽喉に痞(つか)えるような咳だった。
     となると、肺の潤い不足が原因だろう。例によって、体内の水分が上手く体を巡っていないという事だ。こういう時には麦門冬湯(ばくもんどうとう)が適応するはず。
     こうやって目の前で咳をしてもらえると一番良く分かる。
     簡単なメモでも良いから、症状がひどくなる時の条件、気温の変化や時間帯などを記録しておくと、お店で相談する時の重要な情報となるので、ぜひやって欲しい。
     子供が風邪をひいたという事で葛根湯(かっこんとう)を求めにお客さんが来店。
     葛根湯は風邪の初期に用いると効果的だが、よほど虚弱な子供でなければ、早々に体温を上げて熱を出させてしまった方が早く治ってしまう。見分け方としては、食欲があるか、目に元気があるかなどが指標となる。
     その辺りを尋ねてみたところ、本人は元気に遊んでいるそうなので、麻黄湯(まおうとう)を勧めた。
     今日は日曜日の割りには、よくお客さんが来てくれた。珍しい事もあるもんだと思ってハッと思い出した。衆院選の投票日である。どうりで、人通りがあるはずだ。
     慌てて公民館に投票に出向いた。
     19時の時点で投票率は40%を越えたところだった。いいのかね、こんな事で。
     投票に行かなかった人は、次の選挙まで政治に愚痴をこぼす資格を失う事になると私は思うのだけれど。
     友人たちとは、昔から選挙には行こうと約束していたものである。
     前回の衆院選の時だったか、遊びに行く約束をしていて、選挙に行ってから集合という事にしていたのに(しかも、選挙に行くのならば遅刻可)1人が投票に行かずに来た事が判明。
     車で、彼の選挙区の投票所まで乗り付けて投票させた。
     悪口を言うためには義務を果たさんと(笑)
     
     テレビで選挙速報を見てみると、戦後2番目に低い投票率だったらしい。
     確かに今回は、党のマニフェストと候補者の公約が一致していないなど“ネジレ選挙”と言われているが、それならそれで白票を投じてくれば良いのに。
     妙に冷めて「どうせ誰がなっても同じ」と言い訳する前に、自分の意思を示しておくべきじゃないのかね。
     それこそ、投票率が90%を越えて白票(無効票)が半数を占めたりすれば、政治への関心が高いのに信頼できる政治家がいないという事を突きつける事になると思うのだが。
     選挙速報、自民党の圧勝とならず面白い感じではあったが、昨日の不摂生を引きずった体力では眠気に勝てず没落、もとい脱落して就寝。
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    ◆11月10日(月)/2003年◆
     小雨が降っている中、市の医療センターへバスで奥さんと向かった。
     子宮筋腫の件で、担当のT医師から夫婦で出頭するように言われたのだ。
     産婦人科の待合室で待っているのは女性ばかりで、さすがに居心地が悪い。
     しかも、予約時間を過ぎてもなかなか呼ばれない。モニターには受付番号が表示されていて、そこに自分の番号が出たら、さらに奥の待合室に移動する事になっているのだが、肝心の担当のT医師の名前がモニターから消えてしまった。
     受付の人に尋ねてみると、緊急手術が入ったそうな。
     ううむ、それは大変だなぁ、待つ方の患者も、診察をしながら緊急手術をしなければならない医者も。
     午後にズレ込むかとも思ったが、しばらく待っていると手術が終わったのかT医師が戻ってきた。
     そして、お昼になる前に順番が回ってきた。
     基本的に産婦人科の診察室には男性は立ち入らないように注意書きがあり、まず奥さんが入っていった。しばらく待っていると、奥さんが出てきて手招きしたので私も中へ。
     回りくどい尋ね方をしても時間の無駄なので、単刀直入に現在の状況を尋ねると、CTスキャンの画像を見せられた。
     明らかに筋腫が大きくて、胎児がスミの方に追いやられている。
     そしてT医師の話では、「ひっそりと生きています」との事。
     普通ならば、「元気に」とか「スクスク」というところだが、「ひっそり」とはまた文学的な表現をするものである。
     などと感心している場合ではない。
     思っていた以上に深刻だ。
     T医師がすぐにでも入院をと勧めるのに、ウチの奥さんの方は今まで入院した経験が無いせいか、入院期間や入院すれば大丈夫なのかなどとあれやこれやと質問をして入院を回避しようと抵抗。
     T医師の方は、「強制はできませんから」とあくまで患者の自己選択に委ねる。それはそうだろう、医師は神様ではない。治療の結果を断定する事などできない。特に医療ミスが大きな問題としてマスコミに取り上げられる昨今の状況では、なおさら慎重な発言となるのも無理は無い。
     こういう時、本当は医師がビシッと「入院するべきです」と言ってくれた方が、逆に逡巡している患者にとっては良い事もあるのだが、そういう事は残念ながらマスコミや、純粋真っ直ぐな正義を振り回す輩は省(かえり)みない。
     奥さんの質問の仕方では埒が明かないので、現状から考えられる今後の状況を尋ねると、良くて流産か早産。また、筋腫が動脈と接していれば、今回流産したら次の妊娠は無いという事だった。
     事態は深刻どころではない。最悪である。入院を迷う選択など無い。
     しかし、奥さんの方は余計に動揺してしまい、ますます判断力を喪失してしまったようだった。
     しょうがない、このまま病院に放り込んでやりたいが、とにかく本人が入院する意思を固めない限りはそうもいかない。
     もう一度良く考えてみますとT医師に答えて、来週の月曜日に予約を入れて胎児の状態を詳細に検査してから入院するか決める事にした。
     結局帰ってきてしまったため、お母んには怒られてしまった。
    「医者が入院を勧めてるならアンタが入れてこなきゃダメでしょう」
     まぁ、そりゃそうなんですが、落ち込んだまま入院させると余計に気が滅入ってしまうだろうから、ちょっと元気づけてからという事で。
     お昼になったので、奥さんが以前から一度行ってみたいと言っていたレストラン『サザンクロス』に連れて行った。
     場所はJR東浦和駅を出て右に曲がり、さらに右に曲がってゆるい坂道を下ってイタリアレストランの『サイゼリヤ』を通り過ぎた先にある。
     お店の売りは、南欧の家庭料理のようである。
     家庭料理としては、やや値段が高い印象。
     私は上海蟹のパスタを食べたのだが、味と比べると特にそう思った。美味しいけれど、値段とは比例していない感じ。
     しかし、奥さんの方は満足したようで、やや気持ちも持ち直した模様。入院する事に決めた。
     となると、来週に診察の予約を入れたけれど、先に入院する手続きを取らなければ。
     私はお店に戻り、午前中に来ていた健康相談に返信したり、注文を順次処理していった。
     手が離せないので、奥さんに病院に問い合わせるようにメールで連絡。
     
     先日、咳止めに麦門冬湯を渡した患者さんが来店。
     麦門冬湯だけでは咳が止まらなかったようなので、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を足すことにした。
     服用しすぎると体を冷やしすぎてしまうが、夜になると、つまり体が温まると咳がひどくなる場合に有効である。
     病院からFAXで入った処方箋に、在庫の無い薬があった。
     問屋さんに頼めば、夜までには届けてもらえると思って値段を確認したら、1錠で360円もする薬だと判明。
     100錠単位で注文するとなると、ちょっと在庫を抱えるのは怖い。
     なので、必要な分だけ備蓄センターに貰いに行くことにした。その備蓄センターは医療センターの隣にある。
     もっと早くFAXが入っていれば、奥さんの診察の時についでに貰ってきたのに(苦笑)。
     家に帰って病院に電話したか奥さんに尋ねたら、明日にでもどうぞと言われたのに断ってしまったらしい。
     入院するための準備が必要だからと答えたのだとか。
     準備なんて、いらんわ(^_^;)
     どうもまだ、自分の状況が分かっていないようである。それとも、無意識に理解するのを拒否しているのか。マッタク=3 
     テレビでは、昨日の選挙結果について特集を組んで放送していた。
     ウチの方の地元では、自民党の新藤義孝氏が落選したようだ。比例名簿に載せていなかったらしい。絶対に受かると思っていたのか、名簿に載せてもらえなかったのか。
     だいたい新藤氏の場合、地元に後援会を持っておらず、複数の団体の組織票に頼っていた。それでいて地元には1回も挨拶に来なかったのだから、落ちて当然という気もする。
     マスコミはやたらと自民党の辛い勝利、民主党の躍進という捉え方をしているが、それを小泉首相の選挙に強いという神話が崩れたという方向に持っていこうとするのは、やや違和感を感じる。
     確かに小泉首相の盟友である山崎氏は落選したが、どちらかというと本人の責任で、地方の当落結果を見てみると郵政民営化を反対している人など反小泉といえる人たちがかなり落選している。
     これは、小泉首相があえて応援に行かなかったからだとも言えるが、代わりに安倍幹事長が駆けつけたりしているのだから、投票には直接は関係無いだろう。
     自民党は議席を減らしたが、小泉首相自身は改革をやりやすくなった訳で、下手に改革の足を引っぱるような事をしたら、次の参院選でさらに民主党の支持を得るというのは難しいのではないか。
     小泉首相の改革が上手くいけば自民党の株が上がり、邪魔をすれば改革が遅いのは民主党のせいという事になって、どっちに転んでも苦しい事になるように思える。
     一方、社民党と共産党は、自民党vs民主党の対決のあおりを食って大幅に議席を減らした模様。特に社民党は土井たか子氏が小選挙区で落選し、比例区でなんとか生き残るという散々たる結果だった。
     私はマニフェストなんて、現実路線で考えれば確約できるはずもないと思っていたから投票の参考にはしなかったが、社民党と共産党が共に議席を減らしたのは、戦後50年を過ぎて変わらず掲げている“護憲”と“平和”に関してマニフェストを示す事をしなかったからではないか。
     連立政権がイラク特措法に基づいて自衛隊を派遣するのはアメリカに恩を売っておくためだし、多額の援助金を出すのは日本の安全を金で買うためである。
    自衛隊の派遣時期については未だに決まっていないが、アメリカに擦り寄る事で安全を確保しようという姿勢はハッキリしている。
     だが、社民党も共産党も日本の平和を守るためにどんな手段を講じるのかは今まで一切語っていない。
     敵が攻めてきたら、両手を挙げて降伏しますと言うのであれば、それこそ国民の合意が必要だろう。
     それに憲法9条については、重大な見落としがある。
     http://www.9joren.net/
     条文によると、「国権の発動たる戦争」と明記してある。そして、「国の交戦権は、これを認めない」とある。
     つまり、あくまで第2次世界大戦当時の“国同士が戦う”という戦闘を想定しており、現在の“国ではない相手”、すなわちテロリストやゲリラとの戦闘をまったく考慮していないのだ。こと国家が相手ではない現状では、それこそ自衛隊は合憲ということになる。現在の9条の規定では、相手が国家でなければ武器を持って戦っても憲法に違反しないのだ。
     平和憲法の理念を尊守し、より恒久的かつ崇高な人類史上の理想となるものにするのであれば、“護憲”はむしろ共産党や社民党の掲げる“平和”の実現を阻むモノでしかない。
     ああ、難しい事を考えたら知恵熱が………(#-_-#)
     奥さんの入院までの顛末は、次号に続く。(←日記で「つづく」ってなんだよ。)
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  • ≪通巻32号≫
    バイアグラは精力剤ではありません/閉店の噂が独り歩き/暴走族は産業廃棄物/大多数の“中途半端”

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻32号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月28日(火)……バイアグラは精力剤ではありません
        
    ※10月29日(水)……閉店の噂が独り歩き
    ※10月30日(木)……暴走族は産業廃棄物
    ※10月31日(金)……大多数の“中途半端”
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月28日(火)/2003年◆
     滅菌ガーゼを買いに来たお客さん、「同じ物を下さい」とパッケージを切り抜いた物を取り出した。
    「子供のお遣いみたいで恥ずかしいけど」と言っていたが、実物を持ってきてもらえるのがコチラとしても助かる。一目で扱っている商品かどうか分かるし、間違えることも無い。
     英国南部の中学校で今月中旬、13歳の生徒6人が校内で性的不能治療薬『バイアグラ』を服用し、“元気”になりすぎたのが教師にバレて、病院送りとなるという事件が起こったとのニュース。
     6人は効き目が消えるまで、病院に“お泊まり”させられたという。
     英大衆紙サンなどによると、生徒の1人が16日、父親のものと思われるバイアグラを自宅から持ち出し、昼休みに同級生5人に見せびらかせ、度胸試しのつもりで1人1錠を服用して午後の授業に出たところ、同級生の告げ口で教師にバレたとのこと。
     バイアグラは通常、勃起力が低下した成人男性なら、服用から30分~1時間で効果が出始める。6人は教師に病院に連れて行かれ、効果が無くなるまで病室で安静にさせられた。副作用は起こらず、無事に退院したらしい。
     しかし、日本でも多くの人が誤解しているようだが、あれは勃起させるだけで精力を高める訳ではない。
     陰茎を弛緩させて、血流を多くするだけの話である。ぶっちゃけて言えば、正座をしていて急に立ち上がると一気に足先に血液が流れて足が痺れた状態と同じで、聞いた話によると“感度”は良くないそうだ。
     男なら分かるだろうが、やはり椅子に深く座っていて立ち上がると陰部が痺れて、まるで“アソコが無い”感覚になるが、アレと同じ状態である。そんな状態でセックスしても、あまり楽しくはないのではないかと思う。
     そして、心臓発作などの血液循環に関する副作用が起きる事があるのも、この薬理作用によるものであって、決して興奮してという訳ではない。身体的かつ他に方法の無い不能でもない限り、わざわざ個人輸入に頼ったりして危ない橋を渡っても、あまりにもリスクの方が大きすぎるだろう。
     そう言えば、女性用の性欲を高めたり陰部を潤おしたりする薬や健康食品を“女性用バイアグラ”なんて称して販売しているようだが、薬理作用から考えると「そんなバカな」と言わざるをえない。
     誤解を拡げてどうするのか。
     今日は雨なので、病院からの処方箋は別にして、一般の店売りのお客さんは来ない。
     実は今、ホームページのリニューアルを計画していて、その準備を少しずつしているのだが、せっかく来店者が少ないので(嫌な理由だ)、薬剤師会の中央薬局と保健所で済まさなければならない用事を片付けることにした。
     薬剤師会の方には、今年の6月に『基準薬局』としての看板を申請していたのに、なかなかその看板が来なくてすでに申請した事も忘れていたら、つい先日「取りに来て下さい」という連絡があったのだ。なんだかなぁ。
     で、その看板を雨の中スクーターで抱えながら(危険運転だぞオイ)持ち帰る途中、保健所に新しく雇った薬剤師さんの登録を届けるために立ち寄った。
     ところが、登録申請にはその薬剤師さんの免許証の原本が必要だとの事。
     うう、事前に申請方法を問い合わせた時には、そんなこと言われなかったぞ。
     保健所の方は後日出直す事にしてお店に戻った。その間も、ほとんどお客さんは来なかったようである。
     雨の中、スクーターで1時間ばかり走ったのが災いして、クシャミが止まらなくなる。そういや、先日から風邪気味でしたなと他人事のように思いながら、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)で体を温めることにした。
     しかし、麻黄の入った漢方薬を続けて服用すると私のような虚弱体質だといずれは胃に負担がかかって、なおさら具合を悪くする。
     そこで、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)も合わせて飲んだ。
     こんな、いい加減な服用の仕方でいいのだろうか。(いくない←日本語は正しく。良くない。)
     自分の体に責任を持ちましょうと言いつつ、自分の体だからといい加減に扱ってしまう心理の妙。
     朝鮮中央通信によると28日、日本人女性1人が最近、第三国を通じて北朝鮮に亡命したらしい。
     女性の詳しい身元や「第三国」の国名、入国経路などには触れていないが、 北朝鮮から連絡があったのと同じ名前の女性が今年4月に中国・瀋陽の日本総領事館を訪れ、「北朝鮮への亡命申請を希望している。手続きについて教えて欲しい」という問い合わせはあったそうで、総領事館では、亡命申請をやめるように促したという。
     誰もが、「何を好き好んで」と思うだろうが、それだけになかなか興味深い。
     亡命というのは、普通は命からがらというところだが、なにしろ日本は1人や2人殺したって簡単には死刑にならない“おおらか”な国である。普通は外国、それも国交の無い国に逃亡しようとはしないだろう。
     このご時世だから、借金取りに追われてとかだったら少しは同情できるかもしれんが。
     まさか、誰か選挙に合わせて手引きしたんじゃあるまいな(笑)
     ネットでの通信販売の注文で、オーダーシステムの不具合を指摘された。
     『防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)』をクリックしても、表示が『猪苓湯(ちょれいとう)』になってしまうというもの。
     ギャッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     失礼いたしましたと恐縮。
     原因を調べてみたら、システムのセキュリティーに関わるので詳しくは言えないが、プログラムの表記を一段間違えるという初歩的なミス。
     なんで、こんなコトに気がつかなかったのかという感じ。
     だからこそ初歩的なミスな訳で、事の大小に関わらず気をつけなければと自戒。
     衆院選の公示が成された。
     民主党は「二大政党を」と訴えているが、もはや二大政党というものも時代遅れだと思うのだがどうか。
     例えば、道路行政の政策には賛成だが郵政事業に関する政策には反対というように、思想に基づいて政党を支持するよりも、本当は政策それぞれに賛成や反対をしたいという人の方が多いのではないだろうか。
     いわゆる“無党派層”というのは、その名前の通り政党には興味が無いか、政党を頼ろうとは思っていないわけで、いくら党としてのマニフェストとやらを掲げられても、選びようが無いように思える。
     それこそ民主党が、政策集団として党を越えて意見集約していく事を公約するのならば、それでいいのだけれど。『脱政党党』とか名前を変えて(笑)
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    ◆10月29日(水)/2003年◆
     近所のニシワキという薬局が本当に閉店してしまった。
     (10月16日の日記参照)
     商店街がますます寂れるのも問題だが、一番の問題は噂が独り歩きする事。
     どうやら、ウチが閉店したという話が近所に伝わっているらしい。
     ウチはまだ営業しています(^-^;
     勘違いの理由は2つある。
     1つは、ウチとニシワキは同じ商店街の同じ通りの、同じ側に何件かのお店を挟むという立地条件になっている。
     そして、商店街は『北園商店街』という名前なのだ。
     つまり、「北園商店街のニシワキ薬局が潰れた」という話が人から人へと伝わるうちに、だんだんと簡略化されて伝言ゲームとなり、「北園商店街の薬局が潰れた」からさらに間が省略されて「北園薬局が潰れた」となっているようなのだ。
     おかげで、来るお客さん来るお客さん、みんな「お宅、お店閉めちゃうんだって?」とか、「閉めたって聞いたけど」と言われる。
     さらに電話でも、「お宅やめちゃったらしいけど、まだ買えるかね?」などと尋ねられる始末。
     それでもまぁ、お店に来てくれたり電話で問い合わせてくれるお客さんはまだいいとして、近所にはドラッグストアーが犇(ひし)めき合っている。中には、閉店したという噂を信じて、他のお店に流れてしまった人もいるんじゃないかと心配。
     どうしよ~(@_@)
     分裂を始めた人間の受精卵(ヒト胚(はい))を使う研究について話し合ってきた総合科学技術会議の生命倫理専門調査会が28日、2年あまりの論議を中間的な報告書にまとめ、国民から幅広く意見を聴くことを決めたとのニュース。
     焦点は(1)研究のためにヒト胚を作っていいか、(2)ヒトクローン胚を作っていいか。いずれも現在は禁じられている。
     21人の委員の意見は鋭く対立しており、論議の行方に注目が集まっているそうだ。
     東京大人文社会系研究科教授の島薗進氏は「医学の有用性を追求するほど、人を手段として使うことになり、医学と幸福が遠くなる」と語り、国立がんセンター総長の垣添忠生氏は「助けを求めている人の幸福や尊厳もある。有用な研究なら、非常に厳しい審査のもとで進めればいい」と語っているとの事。
     ヒト胚からは、「万能細胞」とも呼ばれるES細胞を作ることができる。
     しかし、作る過程で胚を壊すため、「生命への尊厳を損なう」との意見があり、またヒトクローン胚は、拒絶反応のない組織や臓器を作る研究に期待が高いが、クローン人間につながる恐れもあるというのが主な争点。
     調査会は、ヒト胚を「ヒトの生命の萌芽(ほうが)」とし、最大限の尊敬を払うことでは一致しているものの、研究については、積極的な意見と、反対意見が対立したままなのだとか。
     先の島薗氏の発言などは、「研究者らしい意見」だと思うし、対する垣添氏の発言は「目の前に助けるべき人がいる人の意見」だというのは分かる。
     さらに、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長(長いな)の勝木元也氏は「研究の恩恵と生命の尊厳は比較できるのか」という単純な二元論にならない意見を語っており、着地点は見えてこない。
     2年にわたる論議の中では、宗教、倫理、生殖など60人以上の専門家から意見を聴いたそうだが、私はぜひSF作家などの意見も聞いてもらいたいと思う。というのも、ヒト胚の倫理的な解釈は別にして、クローン人間については多くの人が勘違いしているように感じるからだ。
     よくSF作品にはクローン人間が出てくる。
     そこに出てくるクローン人間は歴史上の人物だったり、作品中の登場人物だったりと様々だが、大抵は“成長した姿”で現れ、“記憶を共有”している。
     だが、クローンの技術と“急激な成長”を促す技術、また“記憶を再生”する技術は、それぞれまったくの別物である。
     成長に関して言えば、仮に成長を促進させる事が可能だとしても筋力を鍛えなければクローン人間は立つことも寝返りを打つことすら出来ないだろう。
     そして、記憶を植えつけるにしても言語などをどうやって学習させるのか、よしんば記憶を植えつけることが出来たとしても、元の人物の思い出的な記憶だけではなく膨大な知識なども刷り込まなければ、クローン人間を“誰かとすり替える”などというような使い方はできない。
     つまり、クローン人間を創る事がすでに可能だったとしても、SF作品で描かれているようなクローン人間は誕生しえないのだ。
     SFは空想科学と訳されるように空想の産物でしかない。その空想を前提にクローン人間を危険視するというのは、空想と現実の区別がついていないようなものである。
     もし、亡くなった肉親などをクローンとして再生しても、残念ながら赤ん坊として再生することしか出来ない。それでもいいと思う人もいるかもしれないが、それこそDNAが同じなだけの“赤の他人”を育てるだけという、より哀しい事にしかならないだろう。
     クローン人間に希望があるとすれば、それこそ赤ん坊が亡くなった時に再生するという方法かもしれないが、それであれば人工授精とあまり変わらない。
     むしろ私は、クローン人間の人権についての議論も進めておくべきだと思うのだが、どうか。
     JPS製薬の営業マンが来店。
     このあいだ来てもらった時に『サースモン煌樹』を120本注文しておいたのだが、後で調べてみたら今までの注文量と比べてもかなり多いので心配された。
     しかし、『サースモン煌樹』の売り上げは順調なのだ。
     ウチではメジャー商品を抑えてダントツの売り上げがある。(お店全体での売り上げは低迷ではあるが)
     飲んで“効いた気がする”だけという物ではなく、本当に元気が出るからであろう。
     なにより、単なる栄養剤と違って胃腸を助ける効果もあるので、元気が持続するのだ。
     そして、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)乙字湯(おつじとう)のドリンク剤について詳しい説明を受けた。
     10月14日の日記で書いていたドリンク剤の新商品とはコレの事である。
     葛根湯加川きゅう辛夷の方は鼻づまりや蓄膿症、慢性鼻炎などに用いる。
     本格的に必要になるのは、やはり花粉症の流行る春先だろうが、寒くなってきて体内に熱を溜め込んでしまうような人は鼻づまりを起しやすいので、その場合に用いると良いだろう。
     乙字湯の方は、痔や便秘の治療に用いる。
     特にタクシーの運転手などのように、一日中座り続けていながら、顆粒や錠剤などのように水が必要だと不便な場合はドリンクタイプの痔の薬は有用だと思う。
     ただし、今回の新商品の入荷に関しては、やや納得しかねる面もある。今年度のJPS製薬の全国支部長会において、「新製品については会員店全店取扱をお願いする」という事になったのだ。
     もちろん、それだけに提案される新商品は幹事会の承認を得た、いわばお勧め商品なのだが、強制になりかねない方法で好ましくない。
    「お願い」と言いつつ、言外に“必ず”という意味合いが含まれている感は否めない。
     これでは、頭を下げる営業マンも大変だろうと、いらぬ同情をしてしまう。
     とはいえ、先に書いた通り商品自体はきっと必要としている患者さんはいるはずなので、積極的に売り込んでいこうとは思っている。
     今週末にはJPS製薬の全国大会に出席するが、口にチャックして余計な事を言わないように気をつけねば(苦笑)
     ところで、鼻づまりに対して鼻水が出る場合に服用する小青龍湯(しょうせいりゅうとう)のドリンク剤は? と思われた人もいるかもしれない。
     他のメーカー製である事はあるのだが、ウチでは取り扱っていない。
     何故なら、ちょっと許せないほど不味いのだ。
     JPS製薬でも商品化に取り組んだことはあるそうなのだが、今のところ味を改善する事ができなくて、目処は立っていないそうである。
     ドイツの首都ベルリンの南東の町の町会議員選挙でドラキュラ伯爵の子孫を名乗る人物が当選したとのニュース。
     なんじゃらほいと思って調べてみると、その町会議員はオットマール=ロドルフ=ブラッド=ドラキュラ=プリンス=クレツレスコという長い、しかもどこまでホントか分からない名前の男性で、普通はオットマール=ベアビークの名で通しているとか。通してるって、それも偽名かなんかなんじゃ(苦笑)?
     726票を獲得して当選したというから、本当に小さな町らしい。
     なんでも彼はトランシルバニア(現在のルーマニア西部)の吸血鬼のモデルとされた15世紀のブラッド=ドラキュラ伯爵の血縁者ではなく、1987年にその直系子孫の養子になったとの事。
     ブラッド伯爵は昔、トルコ人捕虜たちを串刺しにしたことから、「串刺し屋のブラッド」と呼ばれ、アイルランドのブラム=ストーカーが19世紀末にこの逸話にヒントを得て小説『ドラキュラ』を書いたとされる。
     今回のベアビーク氏はベルリンで菓子職人およびアンティーク商をやっていた人物で、ドラキュラ家の養子になった事からドイツのシェンケンドルフに居城があるというからやはり今は金持ちなのかと思ったら、ドラキュラの城として毎年10万人が訪れているそうで、どうやら商売人のようだ(笑)。
     城は石造りの門や物見の塔の他、棺桶を調度品とする中世風レストランなどがあり、ドイツ赤十字のために献血パーティーもやっているというから、なにやら洒落好きの慈善家のようでもある。
     こーゆー、どうでもいいニュースって心が和んでいいなぁ。……変(苦笑)?
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    ◆10月30日(木)/2003年◆
     咳止めが欲しいという患者さんが来店。
     まずは症状の確認。痰が絡んでいるという事で、麦門冬湯(ばくもんどうとう)を勧めてみた。
     しかし、漢方薬はお気に召さないらしい。
     もちろん、そういう人はいるので無理に売りつけるつもりは無い。
     そこで、他の咳止めの薬を勧めた。
     咳なら咳というように、止めたい症状の主訴がハッキリしている場合は総合感冒薬などよりは、ちゃんと咳止めを謳っている薬の方が良い。
     ところが、その患者さん他の咳止めも嫌だという。
     ハテ(・_・?
     こちらの応対が悪いのかと恐縮しつつ、どのような薬を希望しているのか尋ねたら、一言こう返された。
    「咳止めは大正製薬でないと効かないのよ」
     ??????????????????
     ど、どういう根拠というか経験に基づくものなんでしょうか……(汗)。
     残念ながら、大正製薬の咳止めは置いていないので、他のドラッグストアーを案内した。
     うう~む、理由を深く考えても無駄だろうかσ(^◇^;)。
     茨城県三和町で6月、所属していた暴走族からリンチを受けた少年が死亡した事件で、水戸家裁下妻支部の裁判官が、傷害致死罪で起訴された少年2人を「君らは犬のウンコより悪い」と糾弾していた問題が波紋を広げているとのニュース。
     どこに問題があるというのだ?
     ニュースによるとネット上で議論が大爆発し、掲示板などへの大半の書き込みは「よくぞ言った」と擁護し、同家裁にまで賛否両論の電話が多数寄せられたとか。ところが、テレビの情報番組や新聞などでの識者の論調は批判的な感じである。
     問題発言とされる言葉を裁判官が発したのは、水戸地裁で27日に開かれた高校1年の少年(15歳)と運送会社作業員の少年(16歳)を被告とする刑事裁判の公判だったそうで、事件の概要は加害者である2人の少年が、暴走族仲間らと、グループを抜けようとした少年(当時15歳)を『締め会』と称して、殴る蹴るの集団リンチを加えて死亡させたというもの。
     水戸家裁下妻支部の少年審判は「刑事処分が相当」とし、2人は同地裁に検察官送検され、傷害致死罪で起訴された。
     その公判で、少年を担当する弁護士が、被告人尋問などを通じて、「(7月22日の)少年審判で、裁判官から(少年たちが)犬のウンコ以下と言われた」と明らかにしたのだそうだ。
     少年の父親は「裁判官から『暴走族は犬のウンコより悪い。犬のウンコは肥料になるが、お前らは産業廃棄物でどうにもならない』と言われた。更正するのに、落っことされた感じがした」などと証言し、母親の方は「息子が人間じゃないと言われている気がした」と言ったらしい。
     人間じゃないでょ。更生は人間がするもんだよ。
     情報番組でのコメンテーターもそうだが、今回の件で裁判官の発言をケシカランと言う人たちは、どうも暴走族というものに対して寛容というか、たいした事じゃないという認識があるようだが、被害者の事を考えていないんじゃなかろうか。
     同じように軽く認識されているモノに、万引きもある。
     以前に書店で中学生が万引きをして、110番通報で駆け付けた警察署員に連絡先などを言わなかったため任意同行しようとしたところ逃走し、遮断機の下をくぐって踏切に入り特急にはねられて死亡したという事件があった。
     その後、市民から「人殺し」とか「配慮が足りない」といった非難の電話などを受けた書店は、店頭に謝罪文を張り出し、とうとう廃業に追い込まれた。
     確かその時には、加害者の少年の父親は「あの店が閉店してくれてよかった。店の前を通るとつらい」と言っていた。(のちに本屋に謝罪した模様。)
     しかし、冗談ではない。
     仮に1個100円の物を万引きされたとしたら、その損失を取り返すためには利益率にもよるが最低でも5個以上は売らないと取り返せないだろう。しかも、それでも損失を取り返しただけで儲けにはならない。万引きされるという事は、店側からしたら弄(なぶ)り殺しにされるようなものだ。ウチが被害者なら、私の手で絞め殺したい。
     翻って暴走族の方に戻れば、ウチの近くは4車線の道路があり暴走族が良く通る。交番の前を通っていくのだから、警察もナメられたもんである。
     そして、その騒音で眠れないとか、神経が鎮まらないと相談に来る患者さんも多い。
     先に書いた事と矛盾するかもしれないが、万引きならば少なくとも被害者側に謝って損失を補填すれば許されない事もない。
     だが、今は真面目にやってますという元暴走族の輩がいるが、“オトシマエ”もつけずに、ただ「やめました」で済まそうというのであれば大甘だ。
     暴走族をするには、バイクを手にいれ、走るための“労力”をかけている。
    いわば、“つい出来心で”とは違い、完全に“意図的な”行為だ。
     そして、被害は広範囲に渡る。暴走族をやめるにさいして、自分が迷惑をかけた人たちに頭を下げて回ったというのなら“更生”というのに値するだろうが、それをしないでやめただけならば、悪臭を振り撒いて迷惑をかけた生ゴミのままである。
     ただのオチコボレならば本人のせいだけではないけれど、自分でバイクを手に入れて自分の意思で乗り回すという、自分の意思で人の道を外れてゴミになる事を望んだのだから、更生させる必要がどこにあるのか。
     更生させるのに税金を使うのも無駄だと思う。
     他人の手を煩わせないように、自分で自分を葬ってくれればいいものを、自分を人間だと錯覚してるのだとしたらホント迷惑な。
     暴走族ならば目の前で事故って瀕死の重傷でも、絶対に助けない自信があるぞ。法的には自分に可能な範囲で救助行為(救急医療への通報など)をしないと罪に問われる場合もあるのだが、その暴走族が生存する事で迷惑をこうむる被害者の事を思うと、被害者の方を助けたい。
     そして、今回の件では殺人までしているのだから、肥料としてならリサイクルできない事もない生ゴミではなく、使いようの無い、再利用の利かない産業廃棄物だと指摘した裁判官の見識は的を射ているだろう。
     今回の騒動について、司法ジャーナリストの鷲見一雄氏は「(弁護士が裁判官の発言を明かしたのは)非常識な裁判官だという世論を作り、地裁の裁判官に被告の言い分を認めさせようという法廷戦術」と分析していた。
    「弁護士の話は依頼者の立場に立ったもので、裁判官の話は社会正義や社会秩序を守るという視点でなされた。だから、必ずしも弁護側が正しいわけではなく、裁判官の言葉尻だけをとらえることにも問題がある」というコメントには、こと人権問題ではなにかというと弁護士の意見が絶対の正義のように持ち上げて、判断をするのは司法だというのを忘れているかのような人がいるので、そういう人にはしっかりと考えてもらいたい。
     ただ鷲見氏の、「裁判官は諭そうとしたのだろう」というフォローには私は同意できないが。
     それと良く分からないのは、他の裁判のニュースではたびたび裁判官の“市民化感覚との乖離(かいり)”を指摘する向きがあるのに、どうして今回のような極めて市民感覚に沿った発言が問題になるのか。
     市民感覚とユーモアを持った、実に人間らしい裁判官だと思うのに。
     ところで、『暴走族』という名前がカッコイイというイメージを作り上げてしまうから、『珍走団』とか『珍走族』と呼ぼうという提案をしている人たちもいるようだ。
     ならばついでに、『暴力団』も『お馬鹿の集団』とか呼んでみるのはどうか。
     法律や条令では暴走族や暴力団という名称が使われているが、マスコミの報道などでは法律用語を別な言葉に置き換える事はしばしばあるのだから問題無いだろう。
     ニュースなどで、「珍走行為を繰り返していた珍走団のメンバーが検挙されました」とか、「昨夜繁華街で発砲事件があり、拳銃を所持していたお馬鹿の集団の構成員が逮捕されました」とか、激しく情けなくて良いと思うのだけれど。
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    ◆10月31日(金)/2003年◆
     乙字湯(おつじとう)の液剤が入荷。
     黄色とオレンジの派手なパッケージに少し引いた(笑)
     これからの季節、痔の薬は主力商品になるので、商品の“顔見せ”を兼ねてお店の真ん中に山積みにしてみた。
     でも、黄色は色褪せしやすいのであまり長くは店頭に置いておくのは避けておいた方がいいだろう。
     
     消毒薬を買いにお客さんが来店。
     糖尿病(生活習慣病)の患者さんで自分で注射をする人などがよく消毒薬を買っていかれるので、普段は売る時にも特に気にすることはしないのだが、念のために何に使うのかを尋ねてみた。
     すると買いに来た本人ではなく、会社の同僚が手に怪我をしたとの事。
     それならば消毒薬よりも、傷薬の方がいいので会社に置いてあるのかを訊くと、無いとの返事。
     しかし、消毒薬が欲しいという。
     うう~ん、血が出ているのであれば消毒薬なんて気休めにもならない。水で傷口を洗い流したら、止血して傷薬を塗った方が確実なのだが。化膿止めの傷薬には殺菌作用もあるし。
     どうも怪我した本人が消毒薬をと言っているらしい。分かっててそう言っているのか、分からなくて消毒さえすればいいと思っているのか判断が付かない。
     とにかく頼まれて来ている人も勝手に決める訳にはいかないだろうし、やむなく消毒薬を売った。
     売ればどのみち儲けにはなるからいいのだけれど、心配だなぁ。できれば本人にも消毒だけじゃなくて傷薬を使うように言ってやって下さいと伝えたが。
      
     物静かなお婆さんが来店。
     龍角散が欲しいとの事で差し出したが、訊くとここ数日咳が止まらないのだとか。
     それならば、龍角散よりも漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)はどうかと勧めてみた。
     お年寄りの咳は体内の“潤い”が不足する事に起因することが多い。麦門冬湯は潤いを与えて咳を出にくくすることができる。
     胃が痛むという患者さんが来店。
     特に原因として思い当たることは無いと言っていたが、何か悩み事とかは無いかと尋ねてみると、ちょいと孫の事で心配事があるとのお話。
     もしかすると、神経性のものかもしれない。肩こりもあるというので、その肩こりも胃から来ている可能性もある。
     ひとまず、半夏写心湯(はんげしゃしんとう)を試してもらう事に。
     医者からもらった血圧関係の薬の事で相談に患者さんがみえた。
     医者からもらった薬の中で“飲まなくても良い物はどれか”と。
     そんなコト、薬局では言えません。医師の指示に基づいて飲んでもらわないと。
     しかも、ウチで処方箋を受け付けて出した薬ではないから、ウチから医師に問い合わせて服薬指導をする訳にもいかないし。
     どうしても飲みたくないのであれば、直接担当の医師に相談してみてはとお話したら、夜はどうしても薬を飲みたくないのだと力説する。
     その理由は、「夜は酒を飲むから」だとか。
    「医者に『どうしてもダメですか』と訊かれたから、『だったら薬は飲まない!』と言ってやったよ」と嬉しそうに語る。
     なんなんだ(^-^;;;
     可哀相な医者。
     案の定、その医師は「嫌な顔してたよ」との事。心中お察し致します( ̄人 ̄)
     まぁ、顔に出しちゃダメだけどねー。きっと腹立ったろうなぁと(笑)
     患者さんの趣味や嗜好を取り上げる訳にもいかない。しかし、病気を治してあげたいとも本気で思っている。
     完全な健康体の人間など存在しないし、同じく絶対に完璧に治療する事など神ならぬ人間にはできようはずもない。だから、病気の治療に最低限必要な事柄と、楽しい生活を送るためのバランスが大事なのだが、これがまた難しい。
     いつだかの人のように、「俺は楽しんで死ぬ」と豪語するところまで達観しいてる人なら、「好きにして下さい」とも言えるけど(ことの是非はともかく)、この人のように中途半端に治したくない訳じゃないけど楽しみは取っておきたいというのは、どうにも手を焼いて困る。気持ちは分かるだけどね(笑)
     おそらく、この“中途半端”が大多数だろうし。
     とにかく、今回のところは医師とお話して下さいとお願いするしかなかった。
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  • ≪通巻26号≫
    馬鹿は犯罪に向かない/テレビの威力/高級居酒屋/アミノ酸は必要だけど

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻26号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月7日(火)……馬鹿は犯罪に向かない
    ※10月8日(水)……テレビの威力
    ※10月9日(木)……高級居酒屋
    ※10月10日(金)……アミノ酸は必要だけど
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月7日(火)/2003年◆
     今日は、どんより曇った五月晴れ(意味不明)。
     ちょっとと言うより、かなり涼しい。
     スクーターでは、薄手のコートが欲しいくらいだ。
     
     病院からの処方箋がFAXで頻々。
     患者さんには気の毒だが、ウチの営業上は月初めとしては順調な滑り出し。
     
     お客さんから、ドーナツの差し入れをいただいた。
     このお客さんからは、良く差し入れをいただくので、栄養ドリンクや雑貨などを棒引きしている。おそらくそれでも、差し入れしてもらっている物の方が高くついているであろう。
     そう言えば、この秋には他のお客さんからも梨を複数いただいた。普段から梨が好きだとアピールしていた甲斐があった(苦笑)。
     こうなると、なんだかほとんど物々交換である。
     ある手作りのヌイグルミを通信販売しているサイトでは、支払いにビール券でも可と書いたから本当にビール券での支払いがあったとか。
     ウチのサイトでも、採用するかね(笑)
     私なら、図書券なんかが助かるのだけど、経理がめんどくさそう(^^ゞ
     肌荒れを治したいという患者さんが来店。
     手荒れが特に酷いのだが、顔の肌もかなり乾燥している。
     しかし乾燥肌になるには、まだ少し早い。
     そして、ここ1週間で急に酷くなったという。
     ううむ、もしかすると花粉症かもしれない。
     花粉症というと目の痒みや鼻水鼻づまりがすぐに思い浮かぶのが一般的かもしれないが、免疫反応なので咳や肌荒れとして現れる事もある。
     そこで、当帰飲子(とうきいんし)を勧めてみた。
     本来は老人性の乾燥肌に使う事が多い漢方薬なのだが、冷え症でもあるとの事なので、湿疹に使う他の漢方薬よりも効果が期待できるだろう。
     千葉市若葉区千城台東で飲食店アルバイトの少女が殺された事件のニュースを観たのだが、籍を入れた場合は16歳でも成人女性として扱われるんじゃなかったっけ? などと、馬鹿な事を考えたり、未成年者は保護者の同意が必要なのにどうやって婚姻手続きができたのだろうと、どうでもいい事が気になったのは、石橋広宣容疑者のあまりの馬鹿ぶりに感化されてしまったからかもしれない。
     ハンマーを事前に用意していたというのだから計画的な犯行のはずなのに、ライター用のオイルを大量に同一店で買い込むマヌケさはどうした事か。事前に複数のお店で少しずつ、さらに言えば防犯カメラのあるような店で買うなよと、その無計画ぶりに腹が立つ。
     遺体を焼いたのも身元を隠すためだったらしいが、実際には指紋で身元が分かったという。身元を隠すためならば、まず指は切断しておかなければならない。それと歯も砕いておかないと、治療跡などから身元が分かってしまう。焼けば簡単だと思って手を抜いたんじゃあるまいか。
     そんな手抜きをしているかと思えば、わざわざ警察に自分から「彼女が事件に巻き込まれたのかもしれない」と連絡したりと小細工をしているのだからワケが分からない。通報者がまず疑われるのはフィクションでも現実でも基本的な事なのだから、小細工するならもちっと工夫しないと、ネタの割れた推理ドラマなんてワイドショーの視聴者は納得しないぞ。
     どうもこの広宣容疑者、楽をしよう楽をしようというのがミエミエで、それが自分と重なって嫌(苦笑)。
     車好きで、それが昂じて借金を重ねており今回の被害者とも苗字を変えて借り入れするための偽装だったというのだが、だったらちゃんと“努力しろよ”と思ってしまう。
     なにも、まっとうに働けというのではない。例えば、男が女に養ってもらう“ヒモ”は、主夫とは違う。女に働かせて自分は家事もしないでブラブラと遊び暮らす事だ。しかし、それには別な努力が必要となる。彼女に惚れさせて、そこにいるだけで安心感を抱かせる事で関係を維持しなければならない。
     テレビで見る限り、広宣容疑者も顔は悪くないのだから、自分が借金しないでも貢がせる事はできたはずだ。わざわざ偽装結婚するくらいなのだから、あと少し別な努力をすれば、なにも今回の被害者である少女を殺して人生を棒にふるなんて事にならずに済んだと思うのだが。
     好きな事をするための努力が中途半端な人間は、犯罪をする時にも中途半端な事をするのだなぁと妙に納得してしまった。
     馬鹿は犯罪をするのにも向かないのである。
     私も犯罪には向かないな。気をつけよう(・_・)
     病院で検査を受けてきた奥さんが、嬉々としてして「妊娠してるって~♪」と帰ってきた。
     うう…、できていましたか。
     同棲時代を含めて、もう3年も経ってるから、てっきりできないモンだと思っていたのに。
    「ちょっと~、普通は旦那さんはもっと喜ぶもんなのよ~」と文句を言われる。
     でもなぁ、自分の血がつながってると思ったら、私は嫌だよ。他所の子なら無条件で可愛がれるけど、自分の子じゃちゃんと育たなかったら困るじゃん。特に自分を見てるとそう思う。
     そう言うと奥さんの方も、「確かにねぇ、子供が増えるようなもんだもんねぇ」と返してきた。コノヤロ(笑)
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    ◆10月8日(水)/2003年◆
     風邪気味だという患者さんが来店。
     主な症状は鼻づまりで、他には咳などは無い模様。花粉症のようにも思える。
     一時的な鼻づまりであれば葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)で、大抵は治る。
     もし日常的に鼻が詰まるようであれば、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)の方が良いだろう。
     しかし漢方薬を勧めると、テレビで宣伝しているようなのがいいと言われる。
     うう~ん、それでいて「早く治るのを」と言われると困ってしまう。
     いわゆる現代薬でなら症状はすぐに治まるが、病気として治る訳ではない。
     もちろん患者さんとしては症状さえ治まれば良いのだろう。しかしそれでまたすぐにぶり返してしまっては意味が無くなってしまうとコチラは思ってしまうのだが……。
     結局、漢方薬は買わないで別な市販薬を買っていかれた。テレビの力恐るべし。
     お店の前でなにやら怒鳴り声がするので出てみると、石焼イモ屋の車から降りたオヤジが前後の車に怒鳴っていた。
     ウチのお店の前の道路は道幅がトラック一台分しか無いのにもかかわらず、相互通行が可能になっている。
     だから、車同士が出会うとどちらか一方が端に寄せ、道を譲らなければならない。
     ところが、この通りには郵便局があり、そこに用のある人の車が止まっていたり、ウチのお客さんや隣の煎餅屋のお客さんは当然お店の前に止める。
     それらが通行の妨げになるのは確かだが、こんな所を通るのは地元の人だから、普通は止める方も気を使うし通る方も少しは待ったりしてノンビリしたもの。
     なのにこのオヤジ、ウチのお客さんの車が邪魔だと文句をつけ、隣の煎餅屋のお客にも文句をつけて、対向車にも怒鳴りまくって道を空けさせる。
     そうゆう石焼きイモ屋の車は、この狭い通りをノロノロと走って迷惑をかけているのに、その事はまったく気にしない様子。
     知らない顔だから、よそから来たのだろうか。
     だいたい商売人のクセに自分の店(車)の前で怒鳴り散らすなんて、イメージダウンにしかならないと思うのだが、何考えてるんだこのオヤジ( ̄▽ ̄)
     この不況で、仕事を変えた人なんだろうか。
     なんにしても地元のお店の客を散らすなんて横暴な事をするようじゃ、流しの商売はできんよ。少なくとも今日来ていたお客さんは確実に買わないし、地元の噂の伝播の速さは怖いぞ(笑)
     Iちゃんからメールで「真にめでたいことに生理になった。」と入った。
     ひとまずホッ=3
     ところが、なんでも夢でウチの奥さんに子供ができた夢を見たそうな。まだ、教えていないのに。
     ううむ、教えたら落ち込むだろうな~。どうしよう……(^_^;
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    ◆10月9日(木)/2003年◆
     シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン。
     誰も来ない。
     人通りも無い。
     あまりに静かすぎて、『ドラえもん』の『独裁者スイッチ』を押してしまったのかと思えるくらい。
     夕方になって、やっとチラホラとお客さんが来るようになった。
     胃薬が欲しいというので症状を尋ねると、飲みすぎで胃の不快感が続いているらしい。
     お酒の飲みすぎですぐに楽になりたいのであれば、五苓黄解(ごれいおうげ)が合うのでドリンクタイプを勧めた。(医薬品・漢方薬・液剤)
     普段からお酒の量が多く、そのたびに胃の具合が悪くなるらしい。それならば飲む量を減らせとは思うのだが、たいてい「分かっちゃいるけど」と返されるので言うだけ無駄。
     それならせめてもと、お酒で熱くなった胃を冷やして胃の不快感を鎮める安中散(あんちゅうさん)も合わせて勧めた。
     今日は夜にT姉から飲みに誘われていたので早あがり。
     新宿駅で待ち合わせて合流した。
     (T姉については、7月26日の日記参照)
     今日の飲む目的は、合コンする飲み屋の下調べである。
     いや、正確にはお見合いみたいなものか。
     私とT姉共通の友人であるHくんが「彼女が欲しい~」と魂の叫びを発して、T姉が自分の後輩を紹介する事になったのだ。本当にT姉は面倒見がいい(笑)。
     実のところHくんは、彼女がいないのが不思議なくらいの美青年で、T姉も「アンタ顔だけはいいんだから」と本人に言い、周囲にも「アイツは顔だけは最高だよ」と言っていて、私には「顔だけなら、セックスしたいんだけどねぇ」と言うくらいである。フォローになってないと思うけど(苦笑)。
     今回T姉が選んだお店は、新宿駅東口前にある『KEN’S DINING』という所。
     http://r.gnavi.co.jp/g145303/
     何度も新宿に遊びに来た時に通りがかったはずなのだが、地下に下りていくせいか気づかず、今まで知らなかったのがもったいないくらいのお店。
     お店のスタッフも料理もかなりレヘルの高い、和洋折衷の雰囲気の良いお店だった。天井も高くて地下とは思えない快適な空間で、夜のデートには最適だろう。ただし、値段も高いσ(^◇^;)。
     値段は高いが、実際に料理を食べてサービスを受けてみると値段相応だと感じた。
     唯一不満だったのは、禁煙席を頼んだのに喫煙席に通された事くらい。とはいえ、混み合う時間だったから喫煙席でも良いか尋ねられたうえだし、空調もしっかりしていて特には不快では無かった。
     とにかく感心するのがスタッフの質の高さである。
     メニューが飲み物と食べ物で2冊に分かれており、何を注文しようか選ぼうと思うたびにスタッフに頼まなければならず、私などはかえってあまり頻繁に頼むと悪い気がするのだが、スタッフの応対がスマートなので気にならなかった。
     そして、あまりメジャーではないカクテルや、名前だけでは難解な料理の内容なども、質問すればスラスラと出てきて、お薦めの取り合わせも教えてくれた。「少々お待ち下さい」などと他のスタッフに聞きに行くなんて事はしない。
     さらに驚いたのは、トイレに立って戻って来たときにさて座ろうかと椅子に手をかけようとしたら、いつの間にかそばに来ていたスタッフが椅子を引いてくれた。
     ここまで来たらやり過ぎである。やり過ぎであるが、同時に客の様子を客に意識させること無く良く観ている証拠であり、そしてあくまでスマートに行っているので嫌な感じがしない。
     ここまでのサービスをファミレスや居酒屋でやられたら面食らって逆に戸惑ってしまうかもしれない。が、心意気としては持っていても良いだろう。私も見習いたいと思う。
     料理の方は創作料理のようで、試してみない事には好みもあるので良いか悪いか分からない。
     ただ、「ええ!?」と思うような組み合わせでありながら、「こんな料理の仕方があったのか」と新鮮な驚きを与えてくれて、少なくとも今回注文した物の中にはハズレはなかった。
     初めての時には、スタッフに好みを伝えてお任せでも良いかもしれない。
     お店には大満足したが、1人1万円程度になりそうなこんな高いお店をHくんに紹介して良いものかどうか。
     T姉も「こんな高いところ連れてきたら恨まれるかなぁ」と言う。しかし、T姉言うところの「顔だけは非の打ち所が無い」Hくんに足りないのは、“演出”であろうというのがT姉と私の共通した見解である。普通の居酒屋だと、ノリが軽すぎて軽薄に見えてしまうのだ。
     Hくんには、少しぐらい緊張する場の方が軽いノリを抑えてもらえて良いだろう。それに、こうゆうお店ならば例えばお店の内装や料理が共通の話題となって、自分の事をベラベラ喋るとか逆に話題が見つからないという事も避けられるはずだ。
     ただ、同じくT姉と心配したのは、ちゃんと料理を“取り分け”してあげられるかどうか。居酒屋なんかで一緒に食事をすると、自分の分だけ食べて「ハイそれまでよ」だからなぁσ(^◇^;)。
     でもまぁ、セッティッングだけしたらあとはHくん次第なので、お店を決めたところで話題を変えて、T姉と現在の不倫話など。
     現在の彼氏も独占したがるタイプなので、他の男性とデートするのも大変だとか。しかも、税理士なので月ごとの収支を報告しなければならないらしい。
     T姉の弱味として、離婚する時に元旦那への慰謝料を今の彼氏に借りたのだとか。そりゃ、しょうがねぇなぁ(苦笑)。一応完済はしたそうだが。
     ちなみに、元旦那との離婚原因は“表向き”「T姉に好きな人が別にできたから」という事で、そのために慰謝料を支払う事になった。
     普通は、奥さんの浮気が原因というのが“裏向き”で、表向きは「性格の不一致」だと思うのだが。詳細を訊いてみると、確かにそれは元旦那の名誉のためには、T姉の浮気が原因とするしかないだろうという感じ。
     しかし、「T姉の浮気が原因ならば仕方ない」と周りの人が納得してしまうというのもどうかと思うが(笑)。
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    ◆10月10日(金)/2003年◆
     昨日に引き続き、暇暇暇である。
     天候が安定して、体調を崩す人がいないのだろう。困った。(←コラ)
     やっと来たお客さん、栄養ドリンクだけを買ってお店を出ようとすると、血流計が気になる様子。すかさず、血圧だけでなく血の流れの状態も調べられるんですよと勧めた。
     結果としては健康体という測定値だったのだが、やや血流不足だったため、つい今さっき買った栄養ドリンクより効く物は無いかと尋ねられ、双参(そうじん)を案内してみた。
     15日分で4千8百円という値段に「ギャッ!」となっていたが、効能書きの「冷え症」というのを見て、買うことを決めた模様。
     こちらとしては、自信を持って勧めている商品なので、実際に服用して喜んでもらえるといいのだが。
     奥さんが、健康診断はどうすればいいのかとか、血液検査もしておいた方がいいのかとお母んに尋ねにお店に来たが、いくらお客さんが来ていなくても細々とした仕事はあるから邪魔もいいとこ。
     お母んから「いちいち人に相談する事じゃない。自分で調べて自分で決めなさい」と叱られていた。
     ウチの奥さんは、なにかというと“困る前に心配”するタチなので、いい加減お母んは諦め気味。
     お店を閉める準備をしていると、慌てた様子の車がお店の前に停まった。
     父親と、中学生か高校生らしい女の子が降りてくる。
     そして、「アミノ酸下さい」と女の子に言われた。
     ア、アミノ酸(^-^;?
     健康食品に、アミノ酸を含んだ物はあるけれど、アミノ酸そのものは売ってないぞい。
     アミノ酸入りの健康食品で良いのかと尋ねたら、それではダメだという。
     うう~ん、アミノ酸の事を良く分かってないような……。
     そもそもアミノ酸とはタンパク質を構成する最小単位で、人間の身体を作るタンパク質はいくつものアミノ酸が集まって出来ている。
     そして、アミノ酸の塊であるタンパク質を摂取するのは通常食事から。消化する過程で、1つ1つのアミノ酸へ分解されて、体内へと吸収されていく。
     ところがアミノ酸というのは一種類ではなく、現在のところ20種類確認されており、アミノ酸の種類によって働きが違うのである。
     例の「燃焼系 燃焼系 アミノ式~♪」というテレビCMで話題になった製品は、まるで運動しなくても脂肪を燃焼させるようなイメージを抱かせるが、「燃焼系アミノ酸配合」とは説明されているものの、実のところどんなアミノ酸が入っているのかは定かではない。
     http://www.suntory.co.jp/softdrink/aminoshiki/
     で、まぁ今回の女の子が求めているアミノ酸も、運動する人向けという予想はできるが、種類が分からないと何を勧めて良いか判断に困るし、そもそも無理に補給をする必要があるとも思えない。
     そこでもう少し詳しい事情を尋ねてみると、明日大会があって事前に学校の部活でもらった物を学校に置き忘れてきてしまったため同じ物を用意しなくてはならないのだとか。
     アホらし~! なんだ、その学校は( ̄▽ ̄|||
     わざわざ生徒にそんなもん配ってるのか。プロのスポーツ選手でもないのに、効果があるのか無いのか分からんモノを。
     それで、生徒を困らせてるんじゃ教師かどうかは知らないが、担当者はロクなもんじゃないな。
     残念ながら、メーカー名と商品名が分からなければ、アミノ酸含有の同じ物を探すのはウチはもちろん、他のお店でも難しい。
     一応、近辺のドラッグストアーの場所を教えたが、果たして見つかるかどうか。
     ホント、いらないと思うんだけどねぇ。
     『ジョリーパスタ』の経営会社『サンデーサン』からメール。
     先日の紅茶の件で、マニュアルではどのような紅茶の入れ方になっているのかを問い合わせたところ、その返事が送られてきたのだ。
     (10月5日の日記参照)
     マニュアルによると、ティーバックをポットに入れたら、そのまま沈めたり揺すったりせずに静かに2分間待つように定めているそうだ。
     業者とも相談し、実験した結果を元に決めたらしい。
     なるほど、確かにそれなら渋みが出ないようにできるので納得である。
     そしてメールによると、店員がテーブルに運んだ時にその旨を説明するはずなのだが、その説明を怠ったのだとしたら、それは指導が至らなかったと謝罪していた。
     申し分の無い対応に感心。
     今度行った時には、ぜひ教えてもらった方法で飲んでみよう。
     http://www.sundays-sun.co.jp/top.html
     群馬県大胡町で昨年7月、女子高生(当時16歳)が連れ去られ殺害された事件で、前橋地裁は9日、殺人、略取、身代金取得などの罪で同県粕川村込皆戸、無職、坂本正人被告に無期懲役(求刑・死刑)を言い渡したとのニュース。
     この判決を言い渡した裁判長、判決主文読み上げの最中に、犯行のむごさを記述した部分で一分間絶句してしまい、さらに死刑でなく無期となったことに対して両親に「納得はいかないと思いますが、国家が死刑という判断をすることは難しいこと」と語りかけたとか。
    「なんじゃそりゃ」と呆れてしまう。
     司法に携わる人間が情に流されて判決主文を読み上げる時に涙ぐんでどうする。
    医者が完治の難しい病気の患者さんを目の前にして、「現在の医学ではどうしようもありません」と告げるにしても、同情して涙ぐんだりしたら、言われた方はどう思うか。
     相手に同情する心を持つことは人間味があって悪い事ではないが、それを表に出してしまってはプロとして失格だろう。
     しかも今回の無期懲役の判決理由は、計画性が無かった事と、反省をしているからだそうである。ならば、遺族が後年、計画性を持たずに怒りと憎悪に任せて今回の犯人を殺害したとしても、後で反省すれば減刑すると言うんだなと問い詰めたくなる。
     死刑制度に反対する人は、「国家が人を殺していいのか」と言い、「死刑にしても犯罪が減る保証は無い」と言う。「冤罪があれば取り返しが付かない」と言うのに至っては、それは捜査手法の問題であって死刑制度とは関係無い。
     国家が人を殺すというのには重要な役割がある。それは、被害者の遺族から復讐する権利を取り上げ、被害者が犯罪者となる可能性を回避し、憎悪の連鎖を食い止めることにある。
     死刑にしたからといって類似の事件は減らないかもしれないが、最低限被害者が復讐に手を染める事は確実に防ぐ事ができる。
     今回の判決はいわば、「国家が死刑を判断するのは難しいから、復讐はご自分でおやりなさい」と言っているのに等しいという事に、この裁判長は思い至らなかったのだろうか。
     そんな、西部劇のような世界は私は住みにくくて怖いと思うのだが。
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  • ≪通巻24号≫
    『風邪』という病気は無い/秋の花粉症が始まっています/押し売りとの攻防/プレゼントで誘い出されました

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻24号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ★お知らせ───発行周期変更
     読者アンケートに、「長すぎる」という感想が寄せられましたので、試験的に週二回の発行に変更いたします。月・木を基本にする予定ですが、さらに変更となる場合があります。
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※9月30日(火)……『風邪』という病気は無い
    ※10月1日(水)……秋の花粉症が始まっています
    ※10月2日(木)……押し売りとの攻防
    ※10月3日(金)……プレゼントで誘い出されました
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆9月30日(火)/2003年◆
     今日はものすごく風が強い。雨戸にドンッと風が当り、その音で目が覚めた。
     お店に向かう時も、スクーターが横風に倒されそうになった( ̄▽ ̄|||
     風邪薬を求めて患者さんが来店。
     症状を尋ねてみるが、「とにかく早く効くヤツをくれ」と言われる。
     早く治したいと思うのは当然。
     しかし、風邪というのはある単一の原因による一つの独立した病気ではない。
     より正確には、複合した原因によって発症する“呼吸器の急性炎症性疾患の総称”であり、『風邪症候群』と呼ぶ。
     その症状は多岐にわたり、クシャミ・鼻水・鼻づまり・喉の痛み・咳・痰といった呼吸器の症状の他に、発熱・倦怠感・食欲不振・頭痛・腰痛などが加わり、さらに腹痛・便秘・下痢などが起こる。
     症状を見ても分かるとおり、正反対の症状を呈することがあり、ゆえに効果的な薬の内容もまた症状に合わせなければならない。
     総合感冒薬と称する物もあるにはあるが、それはつまり「どんな風邪にも効くように調合された」薬であるのと同時に、「どんな風邪にも効果はほどほど」という事でもある。
    「早く治す」ためには、症状に対してピンポイントで治療する事が必要なのだ。 しかし残念な事に、「とにかく早く効くヤツを」と要望される患者さんほど、上記の説明を聞くことすら面倒臭がって聞いてくれず、かつ「とにかく効けばいいんだから」と症状を詳しく話してくれない。
     そして、そういう患者さんに限って後で「このあいだのアレ効きが悪かったよ」と文句を言われる事になる。誤解と厄介の上の苦界である。(byさだまさし『もうひとつの恋愛症候群』より)
     結局症状について話してくれず、パッケージのデザインを見て気に入ったらしい風邪薬を指名された。
     気分としては、もう「ハイハイ=3」といったところだが、可能な限り“抵抗”しないと、自動販売機と同じと思い直し、葛根湯(かっこんとう)の液剤を勧めてみた。ただし、手には指名された薬を持ち、患者さんの希望も汲んでいるというようにした。
     葛根湯の液剤は、本当は1本を1日3回に分けて服用するのだが、見たところ体は丈夫そうなので、1本を1回で飲み切る方法を案内した。少々乱暴ではあるが、適宜増減して服用するのも漢方薬の服用方法だ。
     手軽な服用方法を教えたのが気に入ったのか、「じゃあ今飲むわ」と会計を済ませる前に開封して一気に飲んだのには苦笑したが、まぁこれで効果があれば良しという事で(^^ゞ
     インターネットでポルノCDを販売したなどとして愛知県警生活安全特別捜査隊と県警足助署が29日、長野市の中学3年の少年を児童買春・児童ポルノ禁止法違反とわいせつ物販売・同販売目的所持の疑いで名古屋地検岡崎支部に書類送検したとのニュース。
     調べでは少年は今年7月31日に愛知県日進市の男子大学生に代金引き換え郵便で児童ポルノのCD11種11枚を2900円で売ったほか、自宅に同様の25種78枚を販売目的で所持していた疑いだそうだ。
     少年は以前、このCDをインターネットで購入したものの、その後処分に困り、自宅のパソコンでホームページを開設して売ることを計画し、コピーして今年5月から約2カ月間に全国から申し込みのあった88人に計25万円で売ったと話しているらしい。
     純益は郵送費などを差し引いた約12万円で「高校生になったら使うつもりだった」と全額貯金していたとか。なんと堅実な(笑)
     一方、名古屋市南部で集団で路上強盗を繰り返していたとして、愛知県警南署などは30日までに、名古屋市緑区、同県東浦町、大府市の無職、風俗店店員、建設作業員、高校生、専門学校生の15~20歳の少年10人を強盗傷害などの容疑で逮捕したほか、名古屋市緑区の無職少年を同容疑で書類送検したというニュース。
     少年らは名古屋市緑区を拠点に活動するカラーギャングのメンバーで、今年2月~5月に夜間一人で通行する男性を狙った路上強盗を約50件繰り返していたとみられ、同署などが余罪を追及している模様。
     調べでは、少年らは3月26日夜、名古屋市南区塩屋町の路上で、自転車で帰宅途中の男性会社員に原付バイクで接触して男性を転倒させ、暴行を加えて肋骨挫傷の重傷を負わせたうえ、ナイフで「金を出せ」と脅し、現金約5千五百円入りの財布を奪うなどした疑いとの事。
     こちらの少年らは「遊ぶ金が欲しかった」と話しているらしい。馬鹿でぇ(笑)
     どちらも犯罪だから、どちらが良いという事はないが、それにしても一方は遊ぶために使うのだとしても貯金をして、一方は目先の金のために悪い事をするというのは、なかなかに興味深い。
     しかも、前者の少年はホームページを開設し、しかも詐欺ではなくちゃんと商品を届け、なおかつ代金引換というリスクを最小限に抑える努力と工夫をしている。ある意味、将来有望である。
     後者の少年たちの方は馬鹿の極み。時間単位の“労働時間”は短いが、襲うという事は反撃されるリスクもあり、よしんば弱い相手ばかりを狙ったとしても警察の捜査で足がつきやすく、かつ後で損害賠償を請求されるという、もっとも効率の悪い方法を選択している。たとえ更正させたとしても、将来ダメダメじゃんという気がする。
     長崎幼児殺害事件の犯人である中学1年の少年に対する保護処分が決まり、少年の付添人弁護士は「難しい仕事だった」と語って、少年の心の闇に迫る事の難しさを吐露したそうだが、“闇”なんてモノは存在しないのかもしれない。
     善悪の判断などというものは、特定の文化を前提にした法律によって選別されるものであって、ただそれに従わせるとするのならば否応も無く服従させれば良い。
     しかしあくまで自己の責任と思考によって善悪を判断させようというのならば、むしろ損得勘定を教えた方が有効かもしれない。
     自分がしたい事と、そのために成さなければならない努力と、その方法によって得られる結果とリスクを関連付けて思考する力を養う事が、事件を防ぐ方法と事件が起きた場合の解決方法を“分かりやすく”するのではないかと思う。
     心の闇などという“あいまい”で“仮想的”な原因を設定する事の方が、少年犯罪を“理解できないモノ”として、“私たちには分からなくても当然”という“エクスキューズ(言い訳)”を用意しているのだと思うのだがどうか。
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    ◆10月1日(水)/2003年◆
     秋の花粉症が始まっているようである。
     私も目が痒くなってきているのだが、今のところクシャミなどは出ていない。
     患者さんの方はというと、“鼻かぜ”を訴えて来る人のほとんどが、風邪ではなく花粉症のようだ。本人は花粉症の自覚はなく、春にはなんともなかったと言っている。
    「花粉といえばスギ花粉」というイメージが定着して、花粉ごとに、もっと言えば、原因物質は人それぞれで、いつ発症するかも人それぞれという事が、まだまだ認知されていない模様。
     花粉症も原因や症状で適応する漢方薬が違うので相談してもらうのが一番確実。一応、代表的な物としては、鼻水が出てクシャミが止まらない場合は小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を、鼻づまりが酷い場合は葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を用いるのが基本となる。
     情報番組で、お米がアメリカでブームになっているというのをやっていた。
     しかし、私にはどうにもリポーターと司会者が共にトンチンカンな事で驚いているようにしか思えない。
    「なんと、お米が化粧品に使われているんです」
     ………お米の酵素を使った基礎化粧品なんか珍しくないぞ(^-^;
     アシスタントに女性もいたが、さすがにツッコミは入れられないのか。
     さらに、お米を使ったプリンやアイスクリームを紹介して、「私たち日本人からすると、甘いご飯というのは抵抗がありますが……」とリポーターが言ったら司会者の方も「そうですね」と答えていた。
     おいおい、おはぎを食べた事ないんかい!
     お前らなんか日本人じゃねぇー(笑)
     文化と文化の違いによる驚きをカルチャーショックという訳だが、確かにそれは楽しい。
     しかし、異文化同士の違いを楽しむには、最低限自分たちの文化は知っておくべきではないのか。でないと、本質的な事からはずれたままで、ちっとも文化の溝を埋める事もできなければ楽しむ事もできないと思う。
     特に、この手の情報番組は『トリビアの泉』なんかと違って、役に立つ情報も織り込んでいかないといけないんじゃないのかね。
     そういえば他の情報番組では以前に“マヨラー”というのを取り上げていた。なんにでもマヨネーズをかけて食べる人のことを指すそうだ。
     しかしその取り上げ方は、“理解できない”というあらかじめ用意した結論を前提にしていて、なんともマヌケだった。
     マヨネーズの原材料は、卵と油と酢である。
     ちょっと考えれば分かるが、“卵が合わない料理”を考える方がよほど難しいはずだ。そのうえ、現代の日本人に“油を使わない料理”がスラスラと思い浮かぶとも思えない。
     お酢は独特の風味があるものの、隠し味に使うのはよくある事で、よほど嫌いという人でなければ気にならないだろう。
     つまり、卵も油もお酢も、まったく和洋の差など無いのだ。それを、まるでマヨネーズが日本人にとって馴染みが無いかのように扱って、マヨネーズを多く使う人たちを笑おうとする。なんとも、手抜きな仕事をしていると呆れた。
     これまた少し調べれば、カツオ漁の漁師の間で、カツオにマヨネーズをかけて食べるのが流行ったというのも分かったはずなのだが。
     それらの情報を提供すれば、昼間のテレビの主な視聴者層である主婦などは、家での料理の参考になったりして情報番組として役に立つと思うのだが、実はそこまでの利用価値は情報番組には求められていないのかもしれない。
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    ◆10月2日(木)/2003年◆
     風邪気味だという患者さんが来店。
     まずは、症状の確認。
     ノドが痛くて咳が少し。鼻水も出る模様。
     葛根湯を飲もうと思ったそうだが、すでに葛根湯(かっこんとう)が効く“風邪の初期”を過ぎていると思って、代わる物をと求めに来たとか。
     以前に知らせた事をちゃんと覚えていらっしゃる。
     そう、「風邪の初期には葛根湯」と言われているが、この“初期”というのは「風邪かな?」と思い始めた時期の事で、症状を自覚する頃には、すでに風邪の中期に差しかかっている。
     その場合、もう葛根湯では効かない。
     ウチでは、風邪の中期には麻黄湯(まおうとう)を勧めている。
     今回の患者さんは、以前に麻黄湯を使った事があるそうなので、その麻黄湯地竜(ぢりゅう)を合わせて買っていった。
     おそらく本人の中ではすでに麻黄湯を買おうと決めて来ていたようだが、ちゃんと確認していったところが偉い。
     この場合の偉いというのは、ちゃんと自分の健康に自分で責任を持とうとしているところだ。
     治療に際して本人の意識が効果的な治療に影響する病気の場合、いわばそれは生きる知恵であり、そういう人こそ治してあげたいという患者さんである。そして、そういう人は得をする。得をするようにしてあげたいと思う。
     お店に押し売りらしい人が来た。
     いまや『押し売り』など物語にすら出てこない過去の遺物となったが、どっこい生きているという感じで、個人的には嫌いではない。
     しかも、売りつけようとするのがコンパクトな計算機で、百円ショップがあるこのご時世に、そんな物を売り歩いているのかと感動すら覚える。
     その手口もまた姑息で、面白い。
     昔はいかにも強面(こわもて)な押し売りもいたようだが、最近は人当たりの良い営業マン風で、スーツもビシッと着こなしている。しかし、アヤシゲなところは変わらない(笑)。
     今回はまず折り畳んだ状態のなんだか分からない四角い小さなケースを取り出してみせた。そして、「ちょっとボタンを押してみて下さい」と言う。
     ここが押し売りの危険なところだ。下手に言われた通りにスイッチを押したりなんかして商品に触ると途端に態度が豹変して、手に取ったんだからとか汚れたとか難癖つけて買わせようとする場合がある。
     商品の値段が高額ではないため、難癖つけられて食い下がられるよりは、さっさと買って帰ってもらおうと思ってしまっては押し売りの思うツボだ。
     私が、「どうぞご自分で押して下さい」と答えたら、一瞬表情に地が出たのが可笑しかった。しぶしぶと自分でスイッチを押すと、箱が自動で形を変えて卓上計算機になった。
     とにかく触らせようと「どうぞ手にとってみて下さい」と言うが、あくまで私の方が「どうぞやってみせて下さい」と一切手を出さないでいると、やっとあきらめたのか「こんなにいい物なのにもったいない」と漏らして帰っていった。
     まっ、実際のところ本当に押し売りだったのかどうかは確証は無いが、ウチの今月の景品が卓上計算機だとお店の前にポスターを張り出しているのに、マヌケな営業マンだなと(苦笑)。
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    ◆10月3日(金)/2003年◆
     防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を指名で買いに来た患者さん。
     お話を聞くと、医者からダイエットのためにと勧められたらしい。太りすぎで肝臓に負担がかかっているという事で、そのお医者さん漢方に詳しいのだろうか。
     防風通聖散は主に脂肪太りの人向けのダイエットに使える他に、高血圧の随伴症状にも効果があり、的確な選択である。
     『ロイヤルグレイス』という宝石や貴金属などの輸入や販売をしている会社のプレゼントキャンペーンに申し込んだら、当ったのでショールームまで受け取りに来て下さいという連絡を受けていたので、早めにお店をあがって出かけた。
     http://www.royalgrace.co.jp/
     私が出向いたのは青山店なのだが、国連大学の裏側でやや分かりにくかった。
     道に迷っていたら、担当者を名乗るI氏から携帯に電話が入り、誘導されてなんとか訪れる事ができた。
     わざわざ景品を直に受け取りに来て下さいというので、なんだか怪しいなと思ってネット上で情報収集をしておいたのだが、ショールームは広くて明るく、雰囲気としては悪くない。
     疑り深い私は、その方がかえってアヤシイと思ってしまった(苦笑)
     景品のスワロフスキー・ラインストーンネックレスに刻印を勧められ、どうしようかと考えたが、料金は千円以下で妥当。お願いする事にした。
     I氏のお話からすると、どうやらプレゼントキャンペーンに応募してきた人ごとに担当者を当てて、宝石などの購入の際にコーディネートしてくれるようである。
     ただプレゼントをするのではなく、顧客を定着させるという点では正しい選択だろう。私のような、物を買わない人間をつかまえてどうかとは思うが(苦笑)
     警戒心は解けないが、絶えず笑顔を保ちながら一度も購入を勧めないのは戦略としても上手だと思う。
     周りの様子を見ると、女性客には男性スタッフが、男性客には女性スタッフが付き、会話の内容に耳を傾けると、さすがにどのスタッフも話術が巧みである。……って、何を観察してるんだか。>自分
     個人的には宝石の話や、商売上の話のような“知らないこと”を聞けたのが楽しかった。
     刻印をしてもらった物を受け取りにまた来なければならないのは面倒だが、I氏はなかなかに可愛い雰囲気を作っている女性なので、ホイホイと来てしまいそうな自分に呆れる。
     さてさて、この先どんな“お付き合い”になるのか。
     あっ、I氏とではなくて、『ロイヤルグレイス』とね。念のため。
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    ☆締切:2003年10月6日から4日間

    ~~~~~~~~~~~~~~ ≪読者より一言≫ ~~~~~~~~~~~~~
    ☆面白かった
     花火の陣取り軍団や、歯医者嫌いの患者さんなど、様子が目に浮かぶようでした~! (2003/08/07(木) 22:27/MIKA)
    ★読者コーナーの掲載スタイルを考えているうちに、すっかり遅くなってしまいました。すいません(^-^;
     (8月2日の日記参照)
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    ☆役に立つ事もあった
     症状別の漢方薬の選び方がよくわかるから(2003/09/20(土) 17:44)
    ★役に立つメルマガが他にいっぱいあるので、役に立つような立たないようなメルマガを目指していたのですが(笑)
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    ☆役立つけど長すぎる
     古いノートパソコンのメモリが、パンクしそうです~! もっと軽くしてもらえると嬉しい・・・・。(2003/10/02(木) 01:07/MIKA)
    ★私の家でも、Win95のノートパソコンが現役で稼動しているので、状態が分かりますσ(^◇^;)。
     今号から、週2回に分けて発行してみました。状況によっては、また発行スタイルが変わるかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
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    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
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  • 不安にさせてどーする

     頭痛を訴える患者さんが来店。
     風邪などではなく、特に頭痛持ちというような持病も無いとの事。
     肩こりがあるかを尋ねると、肩こりも無い様子。
     そこで、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を勧めてみた。
     主に症状の激しい鼻炎に用いるが、風邪などではないガーンとくるような急激な頭痛にも効果がある。
     軽い頭痛や肩こりを伴う場合は、葛根湯(かっこんとう)を試してみると良いだろう。
     風邪気味という患者さんが来店。
     しかし、頭が少しボウッとして疲れやすいという他に、明確に風邪だと言えるような症状は無い。
     もう少しお話をしてみると、ウチに置いてあるのと同じ血流計を別なお店で計ってもらったところ、不整型という結果が出たという。
     うう~ん? ウチのお店でも不整型なんて滅多に出ない。たまに出た時には、例の脳内出血騒動のような事もある。
     (6月18日の日記参照)
     しかも、そのお店では血流計をお店の前に設置していたという。血流計は血管の中を流れる血液の音を測定している。そのため、測定中は本人のみならず周囲も音を立てないように静かにしなければならない。
     どうも、測定していた環境が悪かったのではと思えてならない。そこで、ウチでもう一度測定する事を勧めてみた。
     結果は、乏血型。健康状態ではないが、やはり不整型などという悪い状態ではなかった。
     それに、乏血型という事であれば、患者さんの今の症状の説明がつく。血虚(けっきょ)による疲労である。
     胃腸も弱っているようだったので、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を勧めた。これは、消化機能が衰え、四肢の倦怠感が著しい場合に用いる。
     単純に肉体的な疲労が重なっている場合は、漢方薬ではないが双参(そうじん)の方が良い。ウチの爺ちゃんは、お店で働いていて疲れると、よくコレを飲んでいるのだが、やはり飲むと調子が良いらしい。
     特に体調不良も無いのだけれど、血流計を試してみたいというお客さん。
     さっそく試してみると、どこも悪いところナシ。
     血圧正常、血流正常、動脈硬化の心配も無ければ、心臓も極めて健康。
     少しくらい悪いところが無いと薬を売りつけることもできない(笑)
     しかし、お客さんの話によれば近くの公民館で健康講座があった時に、講師の薬剤師さんに足を調べられて、「こんな冷たい足は診たことない」と言われたんだとか。しかも、「まるで死人の足だ」とも。
     なんだ、そのデリカシーの無い講師はσ(^◇^;)。
     実際私も、そのお客さんの足を見せてもらったが、肌の色は悪くない。冷え症だとしても、それほど悪い状態とは思えない。その講師は、なんでそんな事を言ったのか。