• タグ別アーカイブ: 葛根湯加川きゅう辛夷
  • 時には安楽椅子探偵のように

     『ベンザブロックSプラス』と『葛根湯』を手にして迷われてる様子のお客様に声を掛けてみると、熱は測っていなくて不明なものの熱感は無く、鼻水と鼻づまりを繰り返しているという。
     そうであれば『葛根湯』をと思うものの、体が少しだるく、3日ほど前には喉が痛かったそうなので、もう少し検討したほうが良さそう。
     そこで詳しく訊いてみると、だるいとは云っても食欲が落ちている訳ではない模様。
     喉の痛みについては、喉の奥だったか手前だったかや、ヒリヒリしていたかズキズキしていたか、喉が狭く感じたかなどをヒアリングしてみたけど、治ってしまって覚えていないそうな。
     ううん、まぁ、普通は覚えていないでしょうね。
     まさに、「喉元すぎれば熱さ忘れる」ですが(^_^;)
     スマホや携帯電話という文明の利器があるので、酷くなったら病院へ行こうとか、その前に薬を買おうかと思う時には、日記でもメモでも良いので、体調不良のことを書き残しておくと、後々のために良いです。
     万が一、感染症やら食中毒やらが原因という場合においては、なおさら感染ルートの洗い出しに役に立ちますし。
     それはともかく、お客様が嫌がらず面倒臭からずにヒアリングに応じて頂けたため、鼻水には色が付いているという情報を引き出せた。
     色が付いているとなると、これは風邪が疑われるから、発熱にも備えておいたほうが良さそうだ。
     鼻炎薬でありながら風邪にもそのまま転用できる『葛根湯加川きゅう辛夷』を提案し、試してもらう事になった。
     この手のヒアリングにおいては、本来は質問は多くても三つ程度までとされているから、だいぶ逸脱してしまった。
     これは、今回の反省点である。
     でも、患者さんが根気良く応えてくださると、こちらも本気で向き合いたくなる。
     感情に左右されちゃプロ失格ですが、感情を持った人間でもあるので。
     それにやはり、推理で答えを導くには、証拠集めが必要なんです。
     そうそう、お客様はここのところ入浴せずにシャワーのみで過ごしているとも分かったため、環境的に入れないということが無ければ、ゆったり温まるよう勧めた。

     『セイロガン糖衣錠A』を購入されるお客様に、『正露丸』と違って患部の炎症を抑えて痛みを緩和する甘草と陳皮が入っていないことを伝えると、驚きつつも、そういえば以前に使った時には腹痛が治まらなかったと言われた。
     痛みが治まらなかった原因が別にある可能性はあるけど、やはり『セイロガン糖衣A』は『正露丸』より抗炎症作用は弱いと思う。
     でも、多くの人が『セイロガン糖衣錠A』は、ただ『正露丸』をコーティングして、独特の匂いが無く甘い味付けなだけだと誤解してるんだろうなぁ。
     そもそも『正露丸』は「飲む消毒薬」みたいな物で、戦争で汚染地域に行くことを想定して開発された薬だから、キャンプなどに行くのではなく、国内の都市部への旅行なら他の胃腸薬を検討しても良いだろう。
     今回のお客様は、いつも旅行に常備しいるとのことで、『セイロガン糖衣錠A』をそのまま購入されたけど、他の選択についても質問された。
     対抗は、『安中散』『芍薬甘草湯』を組み合わせた『大正漢方胃腸薬』かな。
     あと、急性の食中りに使える『胃苓湯』が候補になるし、乗り物酔いやら熱中症やらと応用範囲の広い『五苓散』も外し難い。
     お話していて、お客様は漢方薬は長く飲まないと効かないイメージを持ってることが分かった。
     それを言ったら、『正露丸』も生薬の組み合わせで漢方薬みたいなものですし、「風邪には葛根湯」という宣伝文句もあるように、急性症状には早く効きますと説明した。

     

  • 効能書きだけで選ぶのは無理ですから

     漢方薬の棚を眺めているお客様が電話で話していて、「坐骨神経痛」と聴こえたので、聞き耳を立ててしまった。
     どうやら『疎経活血湯』と『桂枝加苓朮附湯』のどちらを購入するか迷っているらしく、電話を切ったところで声を掛けてみた。
     すると、父親に頼まれたそうなんだけど、その頼み方というのが、排尿痛に『竜胆瀉肝湯』を服用しており、同じメーカーで「効能書きに坐骨神経痛とある物を」なんだそうな。
     そして、お客様はお客様で、『疎経活血湯』の効能書きを見てみたら、効能書きに書いてある症状が「全て当てはまらないと駄目」だと思っていた模様。
     それだと『疎経活血湯』はまだ「関節痛、神経痛、座骨神経痛、腰痛、筋肉痛」と関連してそうな効能だけど、『牛車腎気丸』なんか「下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ」でカオスなことに(^_^;)
     でも歳を取ると腎の働きが衰え、腎臓病が失明になる事があるように目のかすみと関係し、水分代謝が悪くなると冷えの影響を受けやすく下半身の関節痛を引き起こすため、『牛車腎気丸』の効能書きの症状は、ちゃんと関係している。
     漢方薬に限った話ではないけれど、効能書きはあくまでメーカーが申請して効能書きに記すことを許可された内容だけだから、成分ごとの作用を考えないと意味が無い。
     しかも、主成分の副作用を防ぐために加えられている成分もあるため、相互作用も考えなければならない。
     鎮痛薬に胃を守る成分が入っていたり、というのが分かりやすい例だろう。
     病院でもらう薬の種類が多いとネットで大騒ぎする人がいるけど、総合風邪薬の成分表示を見れば9種類以上入っているなんてのはザラで、それぞれがバラバラに処方されたら多くなろうというものである。(長期的に漫然と同じ薬が処方されているとかとは、別問題である)
     そのうえ漢方薬では、体質や症状での判別も必要になるため、初見の人がパッケージで選ぶのは無理というもの。
     しかもそれが頼まれ物では、なおさらである。
     父親についてのヒアリングを試みてみたものの、外見上の体格などは分かっても、冷えると症状が悪化するかや、痛み方に痺れ感があるかなどは分からなかった。
     今さっき電話をしていたのだから、電話をし直して本人に確認してくれると良いんだけどなぁ……。
     駄目なのかなぁ……。
     こっちからは言い出しにくいしなぁ……(;´・ω・)
     仕方がないので、未開封であれば一定の期間以内は返品を承りますとお話して、お買い上げ頂いた。

     お客様から「鼻風邪の薬を」と注文されたのだけれど、症状を確認すると、主訴は鼻炎とクシャミと喉の痛み。
     ひとまず『ベンザブロックSプラス』を案内したものの、発熱は無いそうなので、解熱剤の入っていない物の方が疲労を防げることをお話して『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介すると、試して頂くことになった。
     すでに夕食を食べたということだったが、この後は内臓の疲労を防ぐために量を控えるよう勧めた。
     栄養面を心配されたけれど、普段の食事が偏っていなければ大丈夫ですとお話した。
     体としてはすでに戦闘状態な訳で、戦う前に武器や燃料の補給は有効でも、戦闘中に補給をするのは人手をそちらにも割かなければならず、戦闘力が低下してしまうのだ。

     

  • 冷えの咳、乾燥の咳、ストレスの咳

     ご主人が鼻水と咳に悩まされていて、病院で処方されていた『小青龍湯』を使い切ってしまったとのことで、お客様が来店。
     ただ、現在は鼻水は垂れてくるほどではなくなり、痰が喉に張りつくような感じがするというお話だった。
     患者さん本人ではないので、どこまで実際の症状なのかは分からないけど、痰が喉に張りつくのは起動の水分が不足している、つまりは乾燥していると考えられる。
     『小青龍湯』は、上半身を温めることで鼻水を抑えて、寒冷的な刺激による咳を鎮めるのが主作用であり、それはつまり時として体内を乾燥させてしまう。
     まだ鼻水が垂れてくるほどならばともかく、主訴が痰の絡んだ咳に移行しているようならば、『小青龍湯』を継続するより『麦門冬湯』に乗り換えることを提案した。
     もとより、胃から鼻へは繋がっているので、胃薬としても働く『麦門冬湯』で上半身の水分代謝が改善されれば、鼻水の原料となる水分も調整されて、ついでに鼻水が改善することが期待できる。
     そう説明して、『麦門冬湯』をお買い上げ頂いた。
     あと、ご主人は風呂に入らずシャワー派だそうなので、下半身を温めるために湯船に入ることと、温かい飲み物を飲んで、内臓を温めるよう勧めた。
     体内を温めるという点では『小青龍湯』と変わらないように思われるかもしれないけど、直火で温めるのと湯煎で温めるのとでは、料理の具が焦げるほど熱せられるのと、穏やかに温めるのと同じように違いがある。

     常連のお客様が、ご主人の風邪の相談で来店。
     以前に、鼻水のある風邪と疲労感ということで、『葛根湯加川きゅう辛夷』『柴胡桂枝湯』を案内してお買い上げ頂いたのだが、その後に病院に行ったところ『小柴胡湯』を処方されたという。
     なるほど、疲労感のある風邪には当然のように候補になりますね。
     うちのお店には無いので、『柴胡桂枝湯』を案内した次第で。
     ところが、喉に痰がつかえている感じがするのに出ないらしいということと、季節の変わり目に同じようになるというお話が。
     それは、『半夏厚朴湯』が適応するかもしれません。
     ストレスになって発症する咳で、「梅の種が喉に詰まったような感じがする」ことから漢方用語で「梅核気」と呼ばれる症状である。
     現代では、梅の種なんて口にする機会が無いから通じない表現だけど、「痰は出ないのに喉に張り付くような感じがする」と言われることがある。
     それだけだと、先の『小青龍湯』から『麦門冬湯』に乗り換えて頂いたお客様と同じようであるけど、見分け方としては「んんっ、んんっ」と咳払いはしても、実際の咳はそれほど出なかったりするのが「梅核気」であり、その場合は乾燥ではなくストレスによる神経の緊張を取り除き、気道の閉塞を改善するのが有効策だ。
     季節の変わり目に現れるとなると、気温の変化や天候の変化がストレスになっているのだろう。
     もしかすると『小柴胡湯』が処方されたのは、そのためかもしれない。
     柴胡剤は、肝臓に働きかけて神経の緊張を解くので。
     『半夏厚朴湯』の方は、肝臓ではなく肺や胃といった上半身の緊張を解くように作用するので、同じ緊張を解くのには『小柴胡湯』とは違うアプローチとなる。
     そして実は、『小柴胡湯』『半夏厚朴湯』を合方した『柴朴湯』という、両方からストレス性の咳を改善する処方がある。
     『小柴胡湯』が処方されているのであれば、『半夏厚朴湯』を一緒に服用してしまえば、同じ処方になるという訳。
     う~ん、店頭で『半夏厚朴湯』を買って頂いて使う方法もありますが、担当医に相談してみてはいかがでしょう。
     『小柴胡湯』を処方してくれる医師でしたら、『柴朴湯』も出してくれると思います。
     そう提案したため、今日のところはお買い上げは無し。

     

  • 薬は季節や環境での使い分けということもあります

     常連のお客様から受けた相談は、ご主人が初期は鼻水とクシャミで『小青龍湯』を用いて治まったものの、出張してからぶり返し、今は鼻づまりになっているとのことだった。
     暖かくなってきたから、上半身を温める『小青龍湯』が合わなくなってきていると考えられるため、『葛根湯加川きゅう辛夷』への乗り換えを案内したところ、家に以前に病院で処方されてた物が残っているそうなので、使うよう勧めた。
     また、出張以来、疲れが抜けないみたいというお話があり、『柴胡桂枝湯』を案内すると、お買い上げ頂けた。
     漢方薬に限った話じゃないけど、薬は体質や症状だけじゃなくて、季節や環境での使い分けということもある。
     特に「風邪には葛根湯」と思い込んでいると、夏場の風邪には対応できないケースが有る。
     『葛根湯』は上半身を温めるから、夏場に使うと胃が温まって気持ち悪くなったりしてしまうのだ。
     そして夏場の風邪というのは、夏バテと同じように胃腸の調子が悪くなって、抵抗力が落ちたところでということが多いため、通常は風邪の後期や胃腸炎に用いる『柴胡桂枝湯』を最初から使ったり、胃腸の風邪に特化した『かっ香正気散』の出番となる。
     もっとも、夏場でもエアコン冷えや雨に濡れてといったような場合の風邪には、『葛根湯』が適応する。
     そんな訳で、夏場の風邪の対処は案外と難しいので、「前に効いたから」と思い込まずに、店頭で相談して下さいな。

     お客様から、日光皮膚炎の相談を受けた。
     顔だけが赤味を帯びて痒くなり、昨年も同様だったという。
     今回訪れたのは、病院で処方されていた塗り薬を使い切ったからというのだけれど、肝心の処方されていた薬の内容が不明。
    「白くて、チューブに入っていたんだけど」と言われても、たいていの塗り薬は白くてチューブに入っていると思います(^_^;)
     一方、そもそもの原因としてはピーリングの化粧品を使っていたのが思い当たるそう。
     そして、その化粧品の内容も不明。
     ……名探偵でも、手掛かりが無いと解決できないと思う。
     顔に塗れる皮膚炎の薬として『コートf ATクリーム』と、内服に上半身の炎症を抑える『黄連解毒湯』『消風散』を紹介したけど、受診勧奨した。
     使ってる薬が分からない段階で、店頭ではお手上げなので┐(´~`;)┌

     高齢の母親の肘の痛みについて、お客様から相談を受けた。
     病院を受診していないそうで、お客様は「年だから、軟骨でしょ」と言われる。
     ひとまずお話を聞いてもらうために、要望に沿って『コンドロイチン』や『キューピーコーワコンドロイザー』や『アクテージ』などを紹介。
     そのうえで、軟骨ばかりでなく血行不良などでも痛みがあることを説明した。
     例えば、栄養は血液で運ばれるけど、血行不良で局所的に栄養不足に陥ると、その部分から「栄養が来てないよー」ということを痛みとして脳に信号を送って、救援要請をしてくるのだ。
     そして詳しくお話を訊いてみたら、本人は動かなくてもジンジン痛むと訴えているとうお話。
     それは、やっぱり血流不足が起きてるんじゃないですかねとお話してみたけど、関節のイラストの入っているパッケージの物の話以外については聞いてもらえず、『キューピーコーワコンドロイザー』を買っていかれた。
     う~む、お金を出して買うのはお客様だけど、患者さんのことを考えると、これで良いのかどうか……(´ヘ`;)
     『疎経活血湯』も、紹介したかったんだけどなぁ。

     

  • 疑問に思わないと質問も出ないということ

     以前にも、中学生の息子んさにと『ブリーズライト』を買いにいらしたお客様。
     その時とは別にラージサイズを購入して使ってみたら、大きすぎて取れやすかったそうで、サイズごとに粘着力が違うのかと尋ねられた。
     え~と……、私は使ったことが無いので断言できませんが、粘着力は変わらないと思います(^_^;)
     キッズタイプだと今度は小さすぎるかもしれないため、やはりレギュラーサイズが良いのではと勧めた。

     喉の痛みと声嗄れの相談をお客様から受け経過を尋ねたところ、花粉症で病院からは『クラリチン』が処方されており、微熱があったため自己判断で『ストナジェルサイズS』を併用したという。
     う~む、断定はできないけど、その併用が声嗄れに影響したんじゃないかと。
     『クラリチン』の方は第ニ世代の抗ヒスタミン薬だから、口が乾いたりといった副作用は少ないはずなのに、そこに第一世代の抗ヒスタミン薬であるジフェニルピラリンが入っている『ストナジェルサイズS』を併用しては、元も子もない。
     微熱に対処するなら、アセトアミノフェンだけが入っている解熱剤か、漢方薬で花粉症と風邪の両方に対応する『葛根湯加川きゅう辛夷』を選択してもらいたかった。
     漢方薬は選択肢に入っていないかもしれないので、喉の炎症を抑えるために『パブロントローチAZ』を案内してみたら、トローチ全般を飴のような物と思っていて薬とは考えていなかったと言われた。
     なるほど~、こういう一般の人の感覚というのは忘れがち。
     どんな分野でも、素人からすれば「何が分からないのかが分らない」から、そもそも質問したりしない事があるということを肝に銘じておかないと。
     とはいえ、やっぱり薬を使うのに自己判断は避けてもらいたいですが。
     そして、喉の痛みに『駆風解毒湯』を紹介してみると、漢方薬を避けている訳でもないと分かり、声嗄れの方を早く治したいと要望されたため、『響声破笛丸』をお勧めして、お買い上げ頂いた。

     肩こりの相談で訪れたお客様、今までにそんなになったことは無く、温まると楽になるというお話から、『独活葛根湯』を案内してお買い上げ頂いた。
     上半身を温める『葛根湯』に鎮痛効果のある独活が入っているこの処方は、『サロンパス』や『トクホン』を常用している人に試してもらいたい内服薬。
     あと、ストレスが思い当たる場合の肩こりに使う『コリッシュ』(治肩背拘急方)も、紹介だけしておいた。
     ストレスは胃に来るので、胃の具合が悪くなると前かがみになり、首だけで重い頭を支えるため、これが肩こりに繋がる。
     これもまた、湿布薬だけで対応していては改善しないので、ぜひ内服薬も候補に加えておいてもらいたい。

     

  • 「毒親」になっていませんか?

     『ナロンエース』の容量の多い方が安くなっている理由を、お客様から尋ねられた。
     まぁ、単純にうちのお店で、特価品になっているだけなんですが。
     そう説明すると、いつも使っていて、成人の息子さんや高校生の娘さんも一緒に使っているという。
     でも、『ナロンエース』を使っているのは特に理由がある訳では無く、『イブA』や『バファリンA』などを試したことも無いそうな。
     鎮痛剤は体が慣れてしまうと、将来的に鎮痛剤が効きにくくなってしまうことが考えられるため、家族でも使う薬を分けるように提案した。
     特に娘さんは生理痛にも用いていて、以前にはそれほど生理痛を訴えていなかったというお話から、「痛いのが当たり前」と思うようになると、成人してから重大な病気を見逃してしまう心配があることを伝えた。
     また、その娘さんは手足がかなり冷えていて、気圧の影響を受けているようなので、『当帰芍薬散』を案内してみた。
     ただ、本人が婦人科の病院を受診するのを嫌がっているらしかったため、内科ではあるけれど、漢方薬に詳しい医院を紹介した。
     そして、お客様自身の偏頭痛について尋ねてみると、ピルを服用してからが思い当たる模様。
     ううむ、単純に副作用か?
     痛みが強くなるタイミングや軽くなるタイミングを質問してみたけれど、意識したことが無いので分からないとの返事。
     ああ、まぁ、そうでしょうねぇ……(^_^;)
     胃が丈夫でないということで、「胃の不調から来る頭痛」と考えられることを説明して『五苓散』を案内したものの、漢方薬を使ったことが無いため、使用に踏み切れない様子。
     ここは、あまり強く勧めるのも良くないかなと引き。偏頭痛の頻度は多くないというお話から、『イブA』を案内して、お買い上げ頂いた。

     鼻炎薬の棚で迷っていたお客様から、どれが効くかと尋ねられ、「成分との相性次第です」と答えた。
     我ながら、不親切だと思いますが(;´∀`)
     一応は、『パブロン鼻炎カプセルS』や『ストナリニS』の他に、眠くなりにくい物としてメキタジンの『ロートアルガード鼻炎内服薬Z2』と、鼻水と目の痒みに使う『小青龍湯』と鼻づまりと鼻水を往来する時に使う『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内した。
     最終的には、価格の安い物を希望されたため、『鼻炎Aクニヒロ』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     予算のことを忘れがちなのが、私の悪いクセ。

     『のどスプレー』を求めて来店したお客様に、現に喉が痛む時には殺菌消毒のポピドンヨード系より、炎症を抑えるアズレン系が良いですよと勧めた。
     しかし、患者さんは一緒に来ている7歳児で、首の横を触ると腫れているのが分かるくらいというので、内服薬の方が効果的ですとお話して『駆風解毒湯』を案内した。
     でも、「薬を嫌がる」と言われれたため、同じくアズレン系の『パブロントローチAZ』を紹介すると、購入された。
     ただなぁ、本人が一緒にいるのに、いっさい本人に質問させてもらえなかったのが心残り。
     ほら、ドラマなんかであるでしょ。
     教師だとか医師だとか警察官なんかが子供に質問しても、親か答えてしまうパターン。
     本当に「薬を嫌がる」のか、確認するべきだったんじゃないかと自問自答。
     本人にしか分からない症状や感覚があるから、できれば本人とお話をさせてもらいたかった……。

     

  • ニキビとオデキは似ているようで違う

     高校生の妹さんの花粉症の薬をとの相談を受けた。
     ……「の」が続いてて、文筆業の人に見られたら恥ずかしいな。
     どう書き直せば良いのだろう(;´・ω・)
     ああ、話が逸れた。
     妹さんの主訴は、目の痒みと鼻炎で、鼻炎は以前に使って効いた薬があるというのだけれど、内容は覚えていないそう。
     効かなかった薬もそうだけど、効いた薬も覚えておいてもらいたい。
     せっかく写真機能のある、スマホや携帯電話を持ってるんだろうから。
     とりあえず、『ストナリニS』『パブロンS鼻炎薬』『アルガード鼻炎カプセルZ2』の3種を紹介した。
     目薬は、効きめと価格には直接的な関係は無いことを説明して、目の修復成分は若いので不要でしょうとお話して、『ロートアルガード目薬』を案内した。
     本日のところは、『ロートアルガードクールEX目薬』のみを、お買い上げ頂いた。
     使用した薬は、成分表示の部分かパッケージを実物でも写真データでも構わないので、取っておくよう勧めた。

     訪ねてきたお客様から、病院で『アドエア250ディスカス60』吸入を処方されていて、花粉症に『葛根湯加川きゅう辛夷』を服用したいとの相談を受けた。
     問題はありませんが、お薬手帳に『葛根湯加川きゅう辛夷』を書き記して、担当医にも報告するようにとお話した。
     本来は、こういう相談が毎日でもあるのが当たり前であるはずなんだけどねぇ。
     日記に出てくる頻度は、月に1~2回じゃないかな。
     ネットのブロクやSNSで、医療業界と政府が策謀して医師が薬ばかり処方すると批判している人たちは、まず患者さんが薬の使い方の意識の向上をするよう提言してくれんかな。
     ……また「の」が続いて見苦しい文章に(;´∀`)
     陰謀論を唱える人たちは、いきなり医師の診察を受けることや薬の使用を止めようなどと極端なことを言い出すから、まったく役に立たなくて困る=3

    Screenshot of kakikata.dkrht.com

     高校生の息子さんのニキビの相談で訪れたお客様、患部は先端が白くて土台は赤いというお話で、押すと痛むということから『クレアラシル』を案内した。
     しかし、詳しく場所を確認してみると、まぶたの上で普段はニキビはできないという。
     それはもしかして、面疔(めんちょう)では?
     いわゆオデキである。
     ニキビとオデキは、似ているようで違う。
     ニキビは毛穴に皮脂が詰まり、皮膚の表面に常在している菌のうちアクネ菌が増殖することで起きる炎症。
     アクネ菌は酸素を嫌い皮脂を好むため、毛穴に入っていくのである。
     だから、ニキビの予防は毛穴の皮脂を取り除くことなのだけれど、これをアクネ菌を取り除くことだと勘違いして、過度に洗うと実は駄目だったりする。
     というのも、アクネ菌は他の病原菌の繁殖や侵入を防ぐ働きも持っているからである。
     だから、洗顔する時には石鹸や洗顔フォームをよく泡立てて、その泡に余分な皮脂や汚れを「吸い付ける」だけにするのが肝要で、指が直接的に皮膚に触れてゴシゴシと洗うようなやり方はしてはいけない。
     一方、オデキはアクネ菌と同じく皮膚の表面に常在している菌のうち黄色ブドウ球菌が、やはり毛穴に侵入して炎症を起こす。
     アクネ菌と違うのは、黄色ブドウ球菌は毒素を出すため体力が衰えている時に感染すると、重症化してしまう点。
     現代では可能性は低くなったものの、黄色ブドウ球菌は死に至る菌である。
     そういう意味では、実はニキビの原因となるアクネ菌(だけではないけど)は、黄色ブドウ球菌による感染を防いでいるとも云える。
     まったくもって、人体の不思議というか、病気は人間にコントロール出来やしない。
     添加物を嫌って天然物が良いと信奉している人たちは、むしろこういう自然界の仕組みのことを、どう考えてるんだろうか。
     自然というのは、人間の思うとおりにはならないんですよ?
     ……話が逸れちゃった。
     抗生物質を使いたいところだけど、まぶたの上だと軟膏やクリームを使うのは危ないため、抗菌目薬を塗るよう提案して、『ロート抗菌目薬』をお買い上げ頂いた。
     本人は、「潰したい」と言っているそうなので、それはやめるよう伝えて下さいと強くお話した。
     黄色ブドウ球菌は、怖いんである。
     毛穴の中で炎症しているだけでなく、他の皮膚の傷にでも侵入して、そこで増殖したら困るのだ。
     やっかいな敵は、閉じ込めて殲滅するのに限る(`・ω・´)
     あっ、『排膿散及湯』を紹介するのを忘れてしまった。
     うちの店には置いてないけど、ネット通販で帰るから手元に置いておくと、ニキビにもオデキにも使えて便利で安心。

     

  • 食べる物を心配するより「自分は何を食べていないか」をリストアップ

     数年前まで花粉症が酷かったものの、ここのところは落ち着いていたのに急に出てきてしまっという、お客様が来店。
     あまり強い薬は望んでいないというお話で、主訴を確認したところ鼻水と鼻づまりを行ったり来たりしていることから、『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内して、お買い上げ頂いた。
     シャワー派とのことだったけど、お風呂に入れない環境ではないそうなので、内臓を温めると症状が緩和する可能性をお話して、30分以上の長湯を勧めた。

     ビタミン剤の棚で長考しているお客様に声を掛けてみたところ、『新キューピーコーワi』と『キューピーコーワゴールドαプラス』を交互に使っているとの事だった。
     悪い使い方ではないけれど、双方の効能の違いを把握したうえで、服用後の実感をメモしていないと、お金が勿体ない。
     『新キューピーコーワi』が上半身の疲労の軽減に、『キューピーコーワゴールドαプラス』が血流を改善して体の土台を支えることで疲労を緩和することを説明して、その時ごとに一番苦しいと思う症状に合わせて服用するよう勧めてみた。
     また、加齢による目のかすみを口にされていたので、腎の衰えが目と関係することをお話して『牛車腎気丸』を紹介したところ、試して頂くことになった。

     女性のお客様が、『葉酸』を求めて来店。
     目的を尋ねてみると、妊娠初期で悪阻が落ち着いたことから、食事による養生と一緒に使うことを検討しているとの事だった。
     特に担当医から指示された訳では無いものの、体重の増加に気をつけるように言われているそう。
     サプリメントの使う利点は、目的以外の栄養や脂質、塩分や糖分などを避けるのに適しているので、上手く活用すれば良い手段となる。
     そのためには、「自分は何を食べていないか」をリストアップしておくのが鍵。
     葉酸の場合、ほうれん草などの青い葉物を日常的に食べていれば摂れるから、他のサプリメントの摂取を検討するとか。
     海産物に含まれる水銀を危険視する人もいるけど、悪影響を受けるほど食べるのは結構大変。
     それでも避けたい、あるいは元から好きではないのなら、DHAのサプリメントを摂るとか。
    「バランスの良い食事を摂る」というのは言うは易し行うは難しだから、せめて食べた物の記録はスマホで写真に撮ったりして残しておき、後から補うサプリメントを検討するのが良いだろう。

     

  • 風邪薬で風邪が治らないのは陰謀じゃありませんよ念のため

     小学生の子供の目が充血しているとのことで、お客様から抗菌目薬が必要か尋ねられた。
     症状を尋ねてみた限りでは、痒みなどは無く、充血にしても瞳を動かした時に白目の端に少し赤く見える程度のよう。
     よほど普段から、自分のことを話さない子供でもなければ様子を見ていても大丈夫でしょうとお話した。
     そのうえで、『ロートこどもソフト』を紹介だけした。

     喉の痛みに頭重感と悪寒という、風邪の初期症状らしき相談をお客様から受けた。
     そもそも『風邪』というものが、複合的な症状の総称だから、こうして『風邪』と言い切れそうな患者さんというのは、案外と少ない。
     でも、風邪薬を買っていかれる人は多い。
     今回の症状は昨夜からで、鼻炎は無い模様。
     『葛根湯』と『ルルアタックEX』を案内し、後者をお買い上げ頂いた。
     錠数が少ないことを心配されたけど、2日服用して効かなければ、成分違いの物に乗り換えることを検討するようお話した。
    「良く効くのを」とか「強いのを」と要望されることもある訳ですが、実のところ使ってみなければ分からないギャンブルみたいなもんで、効かない物を漫然と飲み続けても意味が無い。
     もっと言えば、風邪薬は風邪を治す薬ではない。
     あくまで風邪の症状を緩和して、体感的に楽にするだけである。
     治験データでも、有意に「早く治った」という結果を得られていないのが現状。
     だから、「風邪と水虫を完治する薬を開発したら、ノーベル賞が取れる」なんて冗談もあるくらい。
     風邪を早く治すには、体への負担を軽減することが最善。
     そういう意味では、風邪薬も体内で代謝して処理しなければならず、表面的な症状は軽減しても、風邪の治り自体は遅くしてしまう。
     そこまで詳しくは話さなかったけど、風邪を治すエネルギーを浪費するのを避けるために、食欲が落ちていなくても消化の良い食事をするよう伝えた。

     『アレグラ』を求めて来店したお客様に、花粉症の症状が出ている状態では、効くまで数日かかることを説明した。
     うちの店にある『パブロン鼻炎薬』や『ストナリニS』では前者を使ったことがあり、眠くなった覚えは無いそうなので、まずは効いたことがある物を使って、症状が落ち着いてから『アレグラ』に乗り換えるよう提案した。
     そして、お話の中で主訴が鼻水と鼻づまりを行ったり来たりしていると分かったため『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介したところ、眠くなりにくい(そもそも眠くなる成分が入っていない)点に惹かれたらしく、購入して頂けた。 

     

  • あまり経営のことは考えられません

     花粉症の薬を求めて、お客様が来店。
     いつもは病院で処方されている薬を使っていて、市販薬を利用したことは無いとのこと。
     鼻水と鼻づまりを行ったり来たりだそうなので、『葛根湯加川きゅう辛夷』を案内してみたけど、今日のところは相談のみ。
     まぁ、『葛根湯加川きゅう辛夷』自体が病院で処方してもらえることを教えちゃったからね。
     お風呂は苦手でシャワー派というお話だったから、下半身を温めることが重要ですと伝えたうえで、どうしてもシャワーで済ませたいのであれば、皮膚が薄くて太い血管が通っている首筋や首の後ろ、脇の下などを重点的に浴びるよう勧めた。
     ホテルのコンシェルジュは「旅先の良き友人」たることが使命だそうだけど、私も患者さんの良き友人でありたい。
     売上や経営を考えるのは、上の人に丸投げ(o ̄∇ ̄)o

     男性のお客様が来店して、手荒れの相談を受けた。
     症状からすると、いわゆる主婦湿疹で、友人からハンドクリームを使うように勧められたという。
     その友人が、どんなハンドクリームを想定していたか分からないけど、とりあえず『ムヒソフトGX』と『メンタームEXソフト』を候補として案内してみたら、お客様自身は『メディクイッククリーム』が目についたらしく購入を決められた。
     まぁ、大きく効能を外していなければ変更を促す理由も無い。
     ただ、痒みが治まってきたら、『メンターム薬用クリームG』などに乗り換えてケアするよう勧めた。
     他に、瞼の痒みに普段から『ベトネベートN』を使っているということで求められ、ビックリしてしまった。
     瞼に使うなんて、そんな乱暴な(^_^;)
     ステロイド剤を顔に塗るのは避けた方が良いことをお話して、代わりに目薬の『アルガードS』を塗る方法を提案して、お買い上げ頂いた。
     瞼が痒い時に、痒み止めの塗り薬じゃなくて痒み止めの目薬を使う方法は、某薬剤師さんから教わった。

     『ビオフェルミンS』をレジに持ってきたお客様に、会計しながら使用感を尋ねてみると、あまり効いた感じがしないというお話だった。
     あくまで仮説ではあるけれど、腸に乳酸菌が届くまでに大半が死滅してしまう説があることをお話して、乳酸菌を育てる納豆菌が一緒に入っている『ザ・ガード』を紹介したところ、変更して購入して頂いた。