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  • 症状を語ることは原因の種別の目安になります

     『ファイチ』を購入されるお客様に、病院で診察を受けたことがあるのかを尋ねたところ、以前に鉄不足とは診断されたそう。
     主訴はというと、貧血と目眩(めまい)だそうなので、症例として「気が遠くなるような」とか「天井が回るような」というのを挙げたら、「そこまで酷くない」という。
     ただ、貧血や目眩に限った話じゃないけど、症状は強弱ばかりでなく、原因の種別の目安でもあることを説明した。
     例えば「気が遠くなるような」というのは、鉄不足や鉄だけではなく栄養不足と考えられるため、『ファイチ』のような鉄剤や『人参養栄湯』などが適応する。
     しかし、「天井が回るような」場合には、三半規管の異常といったメニエール病も疑われ、漢方的には水分代謝の異常が考えられるため『苓桂朮甘湯』が適応し、鉄剤の出番ではない。
     他に、「雲の上を歩くような」フワフワした目眩もあり、これは血圧が関係するケースが多く『釣藤散』『七物降下湯』の出番となるが、脳内出血といった重大な病気が隠れている可能性があるので、まずは受診した方が良い。
     お客様に詳しくヒアリングしてみると、目の前がチカチカする感じがしたり、運動した後に乗り物酔いみたいになる他に、頭がボウッとするという話が次々と出てきた。
     先に挙げた三種類の目眩のうち、複合的に現れることがあるのが目眩の難しいところ。
     このお客様の場合、目元に力が無く声が弱々しいことからすると、鉄不足だけでなく栄養が循環していないように思える。
     『ファイチ』は適応するだろうけど、それなら改めて受診して病院で処方してもらったほうが良いのではと提案したうえで、お買い上げ頂いた。
     食事では、サラダが好きというお話だったので、レタスやキャベツなどは根に近い部分を積極的に摂るよう勧めた。

     やや高齢のお客様から、「鼻風邪の薬を」と注文を受けて鼻水の状態を尋ねると、透明で垂れてくるとのこと。
     このタイプの鼻水は風邪ではない可能性が高いが、昨日には風邪ということで病院に行き、喉の痛みと咳の薬を処方されたそう。
     お薬手帳は持っていなかったけど、薬の現物を持っていたので内容は確認できた。
     そうなると鼻水は風邪とは別に内臓が冷えているからだろうから、飲食を温かい物にして入浴や厚着で対応するだけで充分なように思える。
     しかし、仕事中に何度も鼻を噛むのが煩わしいので、どうしても薬が欲しいと食い下がられたため、処方薬との併用を考えると色々と成分の入っている風邪薬より、成分の種類の少ない鼻炎薬のほうが良いでしょうとお話した。
     そして、仕事中にということであれば眠くなる成分が入っていない漢方薬をと勧めると興味を持たれたので、『小青龍湯』をお買い上げ頂いた。
     そして、入浴するよう勧めたところ、37.5度ほどの発熱があり入らなかったという。
     風邪で疲労しているのでなければ、入浴はしたほうが良い。
     風邪の際に風呂に入ってはいけないというのは、日本家屋が風通しが良くて湯冷めが心配だった頃の話。
     まぁ、私が今住んでる借家は、部屋の扉を閉めてもどこからともなく風が入ってきますが(^_^;)
     なんにしても、湯冷めにさえ気をつければ入浴は大事なので、よろしくお願いします。

     

  • 市販薬はブランド名ではなく主訴に合わせて選びましょう

     『パブロンSα』をレジに持ってきたお客様に症状を確認すると、患者はご主人で、頭痛に「パブロンを」と頼まれてきたそう。
     でも、主訴は頭痛のみで他の症状は無く、普段から偏頭痛があるのだとか。
     だとすれば、咳と鼻炎に適している『パブロンSα』では、あまり意味が無いように思える。
     『パブロンSα』を選んだ理由は、常備薬にもしようと思ったことと、今回もご主人が服用して、いったんは良くなったからだそう。
     頭痛が主訴でもあるので鎮痛剤の使用を勧めたら、『バファリンA』が効かなかったため、ご主人は総合風邪薬をと思ったらしい。
     成分違いの物に乗り換えずに、色々と他の薬が入っている物の方が効きそうと考えたのだろうか。
     確かに、そういう選択も無いとは言えないけど、それならせめて鎮痛効果の高い『ルルアタックEX』とかの方が良いだろう。
     なにより、総合風邪薬のように起きていない症状に対する成分まで入っていると、その無駄になる成分の処理で体の方は疲労してしまう。
     しかし、これが買いに来た本人なら、もう少し詳しくヒアリングできるものの、頼まれて買いに来たケースでは本人の希望を優先するしか無い。
     ただ、本人は『パブロン』という銘柄を指定しているだけで、その銘柄の中での製品の区別はしていないみたいだから、同シリーズの『パブロンエースAX』の方を勧めて、お買い上げ頂くことになった。
     それにしも気になるのは、偏頭痛の方。
     温めて楽になる場合なら『葛根湯』が使えるし、肩こりなどと連動しているようなら血行不良を改善しと筋肉を弛緩させる『釣藤散』が候補になり、もっと明確に高血圧が関係していれば名前が効能でもある『七物降下湯』が効果的、そして意外と知られていないのが胃を悪くして頭痛になるケースで『柴胡桂枝湯』が適応する。
     いずれにしても、頭痛が単独で起こることは無く、何かしら他の病気と連動している可能性もある。
     ご主人は整体には通っていて、「いつものこと」と思っているようでもあるため、「いつものこと」で油断しないようにとお話した。
    「いつものこと」だという事であればこそ、症状が重くなるときと軽くときの記録と、使う薬の選別はしてもらいたいところ。
    「いつもと違う」という時に気づくためには、それまでの積み重ねが必要なので。

     咳止めを買いに来たお客様、1週間ほど続いており、直前に発熱などは無かったそうだけど、喉がイガイガする感じというお話からすると、やはり体内の乾燥が原因かと思い、『麦門冬湯』を案内した。
     でも、タバコの臭いがしたため、気管支の周囲の血流が悪くなって栄養不足になっている可能性をお話して、『ダスモック』(清肺湯)に変更、試して頂くことになった。

     中学生の子供が口内炎ということで相談を受け、強い炎症を抑えるステロイド剤と、軽度の場合の非ステロイド剤の両方を案内した。
     患部は上顎の前歯近くで、それほど痛みは無いものの膨らんでいて、すでに1週間くらい経っているそう。
     ううん、患部が気になって、つい舌で突いちゃたりしてるのかな。
     熱い物を飲んでヤケドしたとかキッカケになるようなことは思い当たらないようだけど、膨らんでいるようだとステロイド剤かなと『ケナログ』を勧めてお買い上げ頂いたけど、病院の受診も検討するよう伝えた。
     『ルゴール液』などで消毒した方が良いか尋ねられたが、それが過剰な刺激になるかもしれず、やめるようにお話した。

     

  • 何事も知らないほうが迷いが少ない?

     以前に、お薬手帳を持ち歩くよう勧めたお客様が手帳を持参して来店。
     主訴は背中から後頭部にかけての痛みで、鎮痛剤とは別に、うつ病に用いられる薬が処方されていて、調べてみると応用として痛みの神経を鎮める作用があるということが分かった。
     お客様は神経質そうな一面があるため、こういう処方構成になったんだろうか。
     正直、店頭では手に余る事例である。
     ただ、ストレス性を疑えば、効能に頭痛は無いが『半夏厚朴湯』という選択も考えられそう。
     すると、お客様自身も漢方薬に詳しい病院へは行ったとのことで、『葛根湯』『半夏厚朴湯』の組み合わせで処方されたらしい。
     『葛根湯』との組み合わせは、思いつかなかったなぁ。
     頭にメモしておこうφ(..)
     しかし、その医師からは現代薬を一切やめるように云われたそうな。
     そりゃまた極端な(;´Д`)
     基本を漢方薬にして、痛みが耐え難い時に現代薬を併用ということでも良いと思うんだけど。
     現代薬を処方してもらってる医師に、漢方薬を相談してみてはいかがでしょう。
     場合によっては、新しい病院を探さないといけないかもしれませんが。
     うつ病に用いられる薬を頭痛に応用するというのも、継続して良いものかどうかは、さすがに医師か薬剤師の判断を仰がないといけないから、私からはなんとも言えず。
     でも今回は、お客様が笛の鳴るような咳をしていたため、『半夏厚朴湯』を継続してもらうのが良いかなと思ったものの、主訴の頭痛の事も考慮して『釣藤散』を試して頂くこことにした。
     お薬手帳には市販薬のことも記録して、それぞれの担当医に報告するように伝えた。
     病院で処方されてる薬があるお客様に対応するのは、やっぱり難しいやね。

     お客様から手首が痒いということで相談を受けたんだけど、患部を見せてもらっても赤くなったりといった外見的な症状は無し。
     こういうのが、一番難しい(;´Д`)
     乾燥なのか血行不良なのか……、両方というのが無難なところか。
     現在使っている薬があるか尋ねると、『ヘパソフトプラス』を使っていたそう。
     ああ、それは良いですね。
     保湿剤と痒み止めと抗炎症剤が、滴道に処方されているかと。
     ただ、寝ている間に患部を強く掻いてしまうこともあるというので、一時的にステロイド剤に乗り換えるのも検討するようお話した。
     そして、入浴時にはどうかと尋ねると、痒かった覚えはないという。
     となると、温かくなるのは関係無いのか。
     血行不良のほうが主因だとすれば、痒み止めとしては弱くなるけど『メンタームメディカルクリームG』を使ってみるという手もありそう。
     そうお話すると自宅にあるというから、寝る時に『ヘパソフトプラス』を使って、昼間は『メンタームメディカルクリームG』を使うという方法を提案してみた。
     ひとまず今ある2つの薬を使ってみるということで、本日はお買い上げは無し。
     やはり、皮膚疾患は難しいわ。 

     

  • 「痛み」というのは表面に現れた症状の一つです

     お客様から、『リングルアイビー』と『ドキシン錠』の比較について質問され、逆に用途を尋ねると椎間板ヘルニアと診断されていて、でも鎮痛剤が処方されていないため市販薬を探しにきしたそう。
     そして、以前に『リングルアイビー』を使ったことがあり、少しは効いたとのこと。
     となると『ドキシン錠』は、鎮痛剤というよりは筋弛緩剤で、筋肉をほぐして血流を促すための物なので、椎間板ヘルニアに有効であるものの鎮痛剤と同じに考えていると期待外れになるかもと説明した。
     そもそも病院で鎮痛剤が処方されていないというのは、以前は病院でステロイド剤を注射をしてもらっていたのが、引越しで病院を変えたら、そこの担当医はステロイド剤の注射をしてくれず、鎮痛剤も処方してもらえなかったそう。
     ううむ、確かに日本では、ステロイド剤注射を良く思っていない医師は多いという話がある。
     実際、最低3ヶ月以上の間隔を空けるとか、年に2回までというように制限があり、ステロイド剤を使うと免疫力が落ちるため感染症のリスクもあるため、気軽に実施できる治療法ではないらしい。
     そのうえ、これは私の感じた印象だけど、お客様の話しぶりからすると、『バンテリン』なども独自て使っていたらしく、鎮痛剤を乱用しそうな危険性が拭い切れない。
     あくまで、印象の話ですが。
     お客様には保険の適用薬でもある『疎経活血湯』を紹介し、こういう物を鎮痛剤と一緒に処方してもらえないか担当医に相談してみてはと提案した。
     痛み止めだけに頼るのではないという姿勢を、見せてみるのはどうかと。
     本日のところは、『リングルアイビー』を購入された。
     売らない理由も無いので。

     『葛根湯』をレジに持ってきたお客様から、「風邪の初期」に効くのかと質問されたので、「初期とはいつか」というお話をした。
     一般的に「風邪の初期」というと「熱の出始め」や「喉が痛くなったら」と考えられているけど、『葛根湯』の適応する「風邪の初期」は「熱が出る前」であり、「寒気がする……かな?」とか「頭が重い……気がする」というタイミング。
     そのうえ、「喉の痛み」に関しては、風邪の兆候とは限らず、現在の日本人には多い「胃炎」や「逆流性食道炎」による炎症を「喉の痛み」と勘違いしているケースもあり、上半身を温める『葛根湯』では適応しないことがある。
     そういうお話をすると、頭痛にはどうかと訊かれた。
     もちろん『葛根湯』の効能にも頭痛があり、効果はあるのだが、頭痛にも種類があり、上半身を温める『葛根湯』は、高血圧を伴うようなズキンズキンと血管が拍動するタイプの頭痛や、胃が不調になり下に引っ張られるような頭痛にも『葛根湯』は胃に負担を掛けるため向かない。
     簡易な鑑別法としては、冷たい水を飲んで楽になるか、温かいお湯を飲んで楽になるかという見分け方があり、温めて楽になるのなら『葛根湯』が適応すると考えられる。
     ちなみに、朝方の頭重感や高血圧を伴う頭痛には『釣藤散』が適応し、天井が回るような目眩(めまい)をともなう頭痛には『苓桂朮甘湯』が向いており、冷たい水を飲んで楽になるなら『五苓散』を、そこに疲労感も重なっているなら『柴胡桂枝湯』となる。
     頭痛に限った話ではなく「痛み」というのは表面に現れた症状の一つで、本質的には難しいところ。
     迷ったら、営業時間であれば電話でもご相談くださいと伝えた。
     本日は、そのまま『葛根湯』をお買い上げ頂いたので、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で「予感がした」時に服用するよう勧めた。
     さっきの話に矛盾するようだけど、『葛根湯』は早さが勝負で、進行すると『葛根湯』が適応しなくなるケースでも、例えば初期の炎症症状であれば熱を発散したりすることで解消する可能性が高いので。

     

  • 薬は強ければ良いというものではないので

     ヒビ割れの薬を求めて来店したお客様に患部を見せてもらうと、指の関節部が切れているようで、水仕事が原因らしい。
     昼の仕事では手袋を付けられず、家での家事では手袋をしているそう。
     ふむぅ、できれば傷口を絆創膏で塞ぎたいところなんだけど。
     ひとまず『ヒビケア』と『ヒビエイド』を案内し、傷口が治ってきたら『ユースキンA』に乗り換えて夜間にケアするよう勧めた。
     それと、皮膚の再生を促進するために夏野菜を一時的に排除するくらいの勢いで、思いっきり根菜に偏らせるようお話した。
     特定の目的のためには、バランスの良い食事ではなく、期限を切って食生活を偏らせるという手法も必要になるので。

     『バジルシード』を求めてお客様が来店したけど、うちのお店では取り扱っていない。
     どうやらテレビ番組で取り上げたらしく、『チアシード』より栄養があってダイエットに向いていると紹介されたそう。
     お客様からは「置けば買いに来る人いっぱいいるわよ」と言われたけど、どうせ一ヶ月も経たずに売れなくなるに決まってる。
     本部から送り込まれた『ココナッツオイル』なんて、売場で山積みのまま賞味期限切れを待つばかりである(;´д`)
     番組では、一人の人の体重の変化を追跡してたらしいけど、お客様には健康情報を見たり人から勧められた時には、相手と自分とにどれだけ共通点があるかを参考にして、安易に飛びつかないようにお話した。
     まぁ、それでも『チアシード』は買っていかれましたが。

     カップルが『ロキソニン』を求めて来店し、置いていないため、化学構造式の似ているイブプロフェンで代用できるのではと『イブA』を提案したところ、使う女性が持っているとのこと。
     じゃあどうして『ロキソニン』を買いに来たのかというと、「ロキソニンの方が効くと思って」と男性のお答え。
     ところが、用途を確認すると朝方に頭痛がするそうで、痛み方はズキズキするという。
     その頭痛は、血圧の変化か胃の不調が原因じゃないかなぁ。
     頭痛は朝方だけで昼前には治まるというから、血流改善の『ズッキノン』(釣藤散)か胃腸の関連する頭痛の面倒を見てくれる『柴胡桂枝湯』が適応しそうですが、と紹介してみた。
     少なくとも、胃の不調が原因だとすれば、胃に負担のかかる『ロキソニン』は避けたほうが良いし、『イブA』で効くのなら継続してみてはとお話しした。
     そして、室内では暖房を入れていても下半身に二重に何か履くようにして、下半身を積極的に温めるよう勧めた。

     

  • 粉薬の飲み方どうしてます?

     やや高齢のお客様が『銀翹散』を買いにいらして、鼻水の有無を確認したところ、頼まれ物だとのこと。
     『銀翹散』『葛根湯』とは反対に、上半身を冷やすことで風邪を治すことを説明すると興味を持たれたので、頼んだ人の症状を詳しく訊くと、1週間ほど前から喉が痛むらしい。
     他の症状は無いそうだから、『駆風解毒湯』『桔梗湯』を紹介しながら、胃炎の可能性もあることをお話したところ、その時期には食欲が落ちていた模様。
     そしてその時には咳もあったというから、そういう時に適応する物として『麦門冬湯』も紹介した。
     本日は、そのまま『銀翹散』をお買い上げ。
     使い分けについてのメモを希望されたため、汚い字で書いてお渡し。
     恥ずかしい(u_u;)

     『ロキソニン』を求めて来店したお客様に、うちのお店には置いていないため『イブA』を提案したところ、以前にイブプロフェンが処方されて効かなかったそう。
     ただ、主訴は肩の痛みで、処方されている『ロキソニン』にしても効いていないらしく、別に座薬の鎮痛剤が処方されており、それは夜には効いているものの朝には痛むという。
     でも、その座薬の内容は不明。
     病院では、自律神経失調による疼痛と診断されているというのだけれど、これまた詳細が不明。
     せめてお薬手帳があれば、他に処方されている薬とか、これまでの履歴で、関連する病状や担当医の治療方針を類推することもできるんだけどなぁ。
     お話を聞く限りでは、頓服に『芍薬甘草湯』を用いて、『釣藤散』を併用するのが良いように思える。
     『釣藤散』はパッケージに「高血圧」と書いてあるのもあって、血流を改善するのが主な効能だけど、案外と神経性の症状を緩和する生薬が入っているので。
     一応はお話をしてみると、帯状疱疹に『十味敗毒湯』を処方されたことがあり、そのさいに血圧が高くなったため服用を中止したという。
     なんだろう、甘草のせいなのかな。
     『十味敗毒湯』の含有量じゃ、ちょっと考えにくいけど。
     甘草が原因だとすると、『芍薬甘草湯』も使えなくなってしまうのだが、その『芍薬甘草湯』を試してみたいと買われてしまった。
     ありゃん(^_^;)
     お客様には、お薬手帳を持ち歩くことと、購入した市販薬も一元管理するよう勧めた。

     やや高齢のお客様が『八味地黄丸』を眺めていたので興味が有るのかなと思い声を掛けたら、病院で処方されていて、効能を確認していたとのこと。
     『八味地黄丸』に限らず、漢方薬には一読しただけでは繋がりが分からない効能が書いてあって混乱するとこがあるんだけど、お客様もそう思われたらしい。
     そのため、血流が滞ると体の材料が行き渡らなくなり痒みを感じたり、腎臓の機能が低下すると目の機能も低下することなどを説明し、体の各部は相互に関係していることをお話した。
     そして、病院で処方されているのが顆粒で、喉に引っかかり声嗄れしてしまうというお話があったため、水を少し口に含んでから薬を口に入れ、追加で水を飲んでみるよう提案した。
     そういうや、粉薬が苦手という人に話を聞くと、たいてい粉だけを先に口に入れて水を後から飲んでたりするんだよね。
     そりゃ、確かに苦しいわと思ったけど、どうしてそういう飲み方をするのか分らない。
     他には、先に水を口に含んでからだと粉薬が飲めないという人もいたけど、先にめいいっぱい水を口に含むから開けられなくなる訳で、水を2回に分けるというのは思いつかないらしい。
     そういう私も子供の頃は粉薬は、袋状のオブラートに包んで飲んでたんだよねぇ。
     だけど、ほぼ毎日飲み続けるのに面倒になって、粉薬を直に飲むようになった。
     その時にやったのが、先に少し水を口に含んで薬を口に放り込み、追加の水で飲み下すという方法。
     誰に教わった記憶も無いから、たぶん自然にやってたんだろう。
     しかしまぁ、人が薬を飲むところをマジマジと観察する事は無いから、意識しないと自分の飲み方が唯一の方法と思ってしまうかも?

     

  • 『葛根湯』が適応する「風邪の初期」の復習

     お客様から、『釣藤散』などでの「根治治療が必要なのを理解したうえで」と前置きされて、肩こりに使う鎮痛剤の相談を受けた。
     その尋ね方に、私が以前に何かお話したお客様かなとも思ったけど、こうして日記に書いたり後で案内した内容を検証したりするためにメモを残しているので、以前に相談を受けた人であれば記憶に残ってる………はず。
     もしかして、他お店でそういう話をされたのかな?
     お客様が『バファリンプレミアム』を手にしていたので、同じ銘柄でも『バファリンA』とは内容が大きく違うことを説明したうえで、効能範囲が広い点がお勧めですと伝えた。
     しかし、症状を詳しく訊くと、肩こりというよりは首の後の片側だけが張っている感じがするというため、外用消炎剤の『フェイタスZクリーム』を使うことを提案し、お買い上げ頂いた。
     自宅に『葛根湯』があれば、上半身を温めて血行を良くするので、試してみるように付け加えた。

     『葛根湯』を購入されるお客様から、「風邪の初期にいいんですよね?」と尋ねられた。
     この「初期」というのが曲者で、一般的には「熱の出始め」や「喉の痛み」とか「鼻炎のなり始め」を初期と考えてる人が多いのだけれど、こと『葛根湯』に関して言えば「発熱前」の悪寒や頭重感、もっと言えば風邪の前兆となる諸症状が現れた「気がする」という段階が「風邪の初期」となる。
     そういう意味において『葛根湯』は応用範囲が広く便利であるものの、使用するタイミングは極めて難しく、早さが勝負。
     一般的な「風邪の初期」であるところの、すでに「喉が痛くなった」とか「熱が出始めた」では遅かったりする。
     なので、『葛根湯』は家に置いておくよりも持ち歩いて出先で異変の兆候を感じたら服用するよう勧めた。
     そうすることで、風邪に進行するのを回避したり、もし空振りだとしても栄養剤として役に立つことを説明した。
     そして、発熱したら『麻黄湯』に乗り換えることと、発熱によって汗をかき始めたら『柴胡桂枝湯』に変更して体力の低下を防ぐ運用の方法を教えた。
     補足として、「風邪の初期」の段階で喉が痛み、鼻水が出ていないようであれば、上半身を温める『葛根湯』ではなく上半身を冷やす『銀翹散』を使うよう案内した。
     喉が痛む時に『葛根湯』で上半身を温めてしまうと、余計に痛くなってしまうので。
     咳が出るときも、もちろん駄目である。
     ただし、冷たい物を飲んだり冷たい風を吸い込んで咳が出るという時には温めるべきだし、喉が痛くて鼻水が出るようなら『葛根湯』で温めつつ『桔梗湯』を併用するのが良い。
     というように、『葛根湯』を使うのは案外と難しかったりするんだけど、全部を全部説明しきれないから、今回は『銀翹散』の説明をしたところで打ち止めにした。

     寝違えたということで飛び込んできたお客様に、鎮痛効果の高い物としてインドメタシン製剤と、浸透力のあるフェルビナク製剤を案内した。
     急性症状だから、初めから強めのもので行くのが良いでしょうとお話して。
     『バンテリン液EX』を使って頂くことになり、お買い上げ。

     鼻洗浄の『ハナノア』と『イソジン』を一緒に購入されるお客様に話し掛けてみたら、いつも風邪が喉から来ると言われた。
     実のところ、風邪の原因となるウイルスは200種以上あって、現れる症状は種類によるから、「いつも喉から」というのは記憶の印象による勘違いか、家など特定の場所に特定の種類のウイルスがいる可能性がある。
     そして、喉の痛みだけで頭重感や肩の張りといったような風邪の兆候が無い場合には、胃炎による気管支の乾燥が喉の痛みになっている可能性がある。
     そんなお話をすると興味を持って頂けたので、風邪との見分けがつかなくても喉が痛くなったら、その段階で消化の良い食事に切り替えると治りやすく、風邪の場合も進行を回避できる可能性が高くなることを説明した。

     

  • 強い薬が効くと体感できるとも限らない

     お客様から、肩こりに「ピンポイントで効く物を」というリクエストを受け、『ロイヒつぼ膏』を案内した。
     主成分は『トクホン』や『サロンパスA』なんかと変わらないけど、局所麻酔成分が入ってるので、まさに「ピンポイントで効く」と云える。
     しかし、マッサージに行っても良くなるのは直後だけというお話があったため、家に『葛根湯』があるようであれば試してみるよう勧めた。
     『葛根湯』で良い感じがしつつも今一歩という時には、痛み止めが入った『独活葛根湯』が乗り換え候補になります。
     そして、上半身の血流の改善が大切なことを説明すると、その血流改善の成分が入っている『ほぐリラ』に興味を持ち、温感タイプを買っていかれた。

     旦那さんに頼まれたと、肩こりに使う湿布薬の相談を受けた。
     当初は「匂わない物を」というお話でもあったので、サリチル酸グリコール以外の物であれば、いわゆる湿布臭さのイメージほどには匂わないことを説明してフェルビナク製剤を案内すると、病院で処方されていた湿布が切れてしまったから「強い物を」と要望が変わった。
     でも、その処方されたという湿布の内容は不明。
     それでは比較が無くて、何を候補にして良いのか分らない。
     鎮痛効果は弱くても、局所麻酔成分の入った『ロイヒつぼ膏』の方が体感としては「効く」と感じるかもしれないので、そうお話したうえで紹介はしてみた。
     そして、鎮痛効果の強さと浸透力の高さでは定評のあるジクロフェナクナトリウム製剤の『フェイタスZ』も初回すると、そちらの購入を決められた。
     あと、高血圧の話があったため内服薬として『釣藤散』も紹介したけど、治療を受けて高血圧については落ち着いてきているという。
     そう、それなんですよ。
     受けた治療や使った薬の情報は、たとえ湿布薬でも必要。
     市販薬を買う時には、やはりお薬手帳を持参するようにお願いしますm(_ _)m

     

  • 患者さんと付添人とのバランスに悩む

     やや高齢のお客様が娘さんと思われる人と来店し、売場にいらした時から咳の音が、体内の乾燥によるもので『麦門冬湯』が適応しそうな感じだった。
     でも早めに声を掛けても、たいていは案内を断られるため、ひとまずお客様自身が薬を選ぶのを見守ることにした。
     しばらくすると相談を受け、やはり主訴は咳で風邪を思わせる他の症状は無く、咳はほぼ一年中出ており痰が絡むというから、『麦門冬湯』で良さそう。
     歳を取ると体の保水力が落ち、実際に飲む水の量も減るから、なおさら保水を助ける必要がある。
     お客様本人に説明しつつ、娘さんにもお話して『麦門冬湯』を購入して頂いた。
     高齢者でも子供でも、やはり基本は本人に話しかけて、本人からヒアリングをして本人に説明をしなきゃならないんだけど、付き添いの人を無視する訳にもいかず、さりとて付き添いの人に話を振ると、そのまま本人に取って代わって対応しようとされるため、なかなかにバランスが難しい。
     今回は付き添いの人の方もバランス感覚に優れてるというか、要所要所で本人のフォローをされる程度で、お話しやすかった。
     これが、あまりに本人を措いて代わりに対応されるようだと、物理的に体を双方の間に入れて分断し、本人に話をしてから同じ話を付き添いの人にもするという手間が必要になる。
     とはいえ、本人が忘れている事や、客観的な事実の確認には、付き添う人との話も重要。
     だからこそ、なおさら対応が難しい。

     外用消炎剤の棚にいらしたお客様から呼ばれて駆けつけると、筋肉ついに使うから「強いのを」と注文された。
     そもそも筋肉痛にそんな強い薬は必要無いと思うのだけれど、お話を訊いてみると『ボルタレン』を常用しており、他店で少し弱いのにしたら効かなかったから、やはり強いのにしたいという。
     だけど、その効かなかったという薬がなんだったのかは覚えていないそう。
     効いたにしても効かなかったにしても、使った薬は覚えておきましょう(^_^;)
     せめてパッケージを捨てずに取っておくか、携帯電話やスマホで写真に撮っておくのが吉です。
     そんなお話をしてみたら、筋肉痛に使うというお話はどこへやら、若い頃から肩こりや背中の張り、腰痛と長く付き合っているという。
     背中の張りは寝る時の姿勢や寝返りの少なさが影響していたりするため、枕をオーダーメードしてもらうことや、内服薬を使うことなどにまで話を広げると、以前に交通事故に遭い軽いヘルニアと診断されているということが分かった。
     筋肉痛の話から、思えば遠くへ来たもんだ。
     そして内服薬に興味を示されたので、上半身に使う『独活葛根湯』と、ヘルニアや坐骨神経痛に使う『疎経活血湯』を紹介すると、奥さんと一緒に使うかなと言われたので、同じ薬が適応するかは分からないことを説明した。
     性別が違えば体質も違うだろうし、外での仕事の内容や食事だって違えば、表に出ている症状が似ていても原因が同じとは限らないので。
     すると奥さんの方は、肩が上がらないらしい。
     であれば『独活葛根湯』の適応か考えられるものの、頭重感もあるらしいというお話から『釣藤散』を案内すると、『疎経活血湯』は自分が試したいとのとこで、両方を購入された。
     そしていったんお会計を済ませた帰る段になって、11歳の子供が学校から帰ってきてから首が痛いと言っていたというお話が出て、そちらは急性のようだったため『インドメタシンローション』を案内して、お買い上げ頂いた。

     

  • 成長期のニキビと大人ニキビ

     高校生の子供が病院で処方されたニキビの塗り薬を使い切ったとのことで、同じ物をと求められた。
     なのに、お薬手帳も現物も持ってこないってどういう事(^_^;)?
     とりあえず、免疫機能が過剰に働いてしまう成長期のニキビと、血行不良や栄養不足で起きる大人ニキビでは、対処法が変わることを説明し、抗炎症作用のみの『ビフナイト』と、血流促進も足されている『クレアラシル』を案内した。
     高校生で赤いニキビという事だから、『ビフナイト』に内服薬の『清上防風湯』の組み合わせを提案すると、両方の購入を決められた。
     これが大人ニキビなら、『ペアクリーム』と『桂枝茯苓丸料加よく苡仁』の組み合わせがお勧め。
     お会計の時に、他に偏頭痛があるという話が出て、痛む箇所が両側の米噛みという事と、受験生という事を合わせて考えると、肩こりと関係しそうに思い、『釣藤散』を紹介した。
     でも、まだ若いから『葛根湯』だけでもいけるかと思い、自宅にあるそうなので、試してみるように勧めた。
     ただ、やはりストレス寄りなら『釣藤散』の方が適応するだろう。
     そこまでは思いついたのに、お客様が帰ってから『半夏厚朴湯』を紹介し忘れたことに気がついた。
     受験生の緊張緩和には、『半夏厚朴湯』がお勧めだから、ある意味季節推奨品なのにな(´・ω・`)

     酔い止めを買いに、お客様が来店。
     必ず酔うものの薬を使うのは初めてだそうなので、成分の多い『アネロンニスキャップ』よりも、シンプルな処方の薬のほうが、あとあと薬との相性が分かるかもしれないから、『トラベロップQQ』を勧めてお買い上げ頂いた。