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  • 大事なことだから何度でも「漢方薬だから安全とはなりません」

     消毒用エタノールを求めてお客様が来店したが、梅干しを漬ける瓶の消毒に使いたいという。
     ネットか本に載っていたようだが、梅干しを漬ける瓶を洗うのには昔から焼酎が使われていたはず。
     なので、風味の点でもアルコール度数の高い焼酎を使ってみるよう勧めてみた。

     喉の痛みで来店したお客様から、『駆風解毒湯』『響声破笛丸』『銀翹散』の比較を尋ねられた。
     授乳中のため漢方薬を選んだそうで、喉の痛み以外に主訴は無く、しかし痛みは弱くないということから、『駆風解毒湯』をお勧めした。
     また、授乳中は体内が乾燥しがちであることを説明し、『麦門冬湯』を紹介した。
    「漢方薬だから安心」と言われたけれど、処方によってはそうとは限らないことを伝えた。
     例えば、やはり喉の痛みに使う漢方薬の『桔梗湯』は、赤ん坊に移ると体を冷やして下痢になるという報告がある。
     また、授乳中の風邪には『葛根湯』が病院でも処方されるが、やはり先に飲んでから授乳させると麻黄の影響か赤ん坊が興奮して寝つかないことがある。
     その点では、『駆風解毒湯』も同じなため、服用量は規定を守り、できれば授乳した後に服用するほうが望ましい。
     ただ、神経に直接働きかけるような現代薬と違い、脳へ影響するようなことは無いというだけ。
     それでも内臓への影響はある訳で、漢方薬だから安全とはいかないんである。

     やや高齢の常連のお客様から、血圧を下げる薬を相談されたのだが、今はうちの店に置いていないことを説明したうえで『七物降下湯』を紹介した。
     ただ、お客様は病院から他の薬を処方されているため、保険の適用薬であることを説明し、担当医に相談してみるよう勧めた。

     

  • 虫に刺される前の虫除けに力を入れましょう

     お客様から、『アットノンジェル』と『アットノンクリーム』では、どちらが良いか尋ねられた。
     虫刺され痕に使うつもりだそうで、クリームの方が浸透力があると考えられるが、その場合は皮膚の流れに沿うように塗るようお話した。
     しかし、患部を見せてもらうと虫に喰われたと思われる蒼黒い痕がいくつかあり、すでに半年近く経っているという。
     しかも、今もなお痒みがあり掻きむしってしまうというので受診勧奨をし、本日はお買い上げは無しに。
     一般に「虫刺され」と言われているが、刺すのは蚊ぐらいなもので、他のアブやブヨといった虫は強力な顎で皮膚を噛みちぎるため細菌等の汚染も受けやすく、その後のケアは重要なのだ。
     虫刺されくらいと軽く考えないことと、なにより虫除け対策が大事。
     スプレータイプの虫除けだと、つい薬剤を吸わないようにと体から離して数回「洋服」に吹き付けて済ませてしまう人もいるようだが、吸うのが怖ければ、いっそ手のひらに出して首の周りや手首足首といった服から出る部分は、薬剤を塗ってしまった方が良い。
     私は今年も、『ハッカ油』を水と無水エタノールで薄めた物で対処してます(*´∀`*)

     『マードレトローチ』をレジに持ってきたお客様から、『のどスプレー』があるか訊かれたため、消毒系と抗炎症系のがあることを説明した。
     症状を確認すると、もちろん主訴は喉の痛みなのだが、喉の奥の方で唾を飲むのも辛いというお話だったことから、胃炎を起こしてる可能性をお話して、『ペラックT』と『駆風解毒湯』を紹介した。
     すると、お客様は痛風の治療を受けており、その薬のほかにも薬を処方されているという。
     薬の内容が不明なため、本日は、抗炎症剤の『パープルショットW』をお買い上げいただいた。
     ただ、薬の飲み合わせを心配するのであれば、内服薬同士だけではなく目薬や塗り薬も気をつけなければならず、『のどスプレー』だから安心とはならないことを伝えた。
     ぜひ、お薬手帳を持ち歩いてくださいな。

     

  • 時にはスルー能力が必要です

     お客様が『サトウ口内軟膏』をレジに持ってきたが、もう1週間ぐらい続いていて、その間に風邪もひいたという。
     口内炎の原因の多くは胃炎でもあるから、風邪で胃を悪くしたため治るのに時間が掛かってるのかもしれない。
     内服薬では、炎症が強い時には『黄連解毒湯』か『ペラックT』を、軽ければ『半夏瀉心湯』で胃炎を治すか、患部の修復に『チョコラBB』が適応する。
     痛みは強くないというので、患部の修復にアラントインの入った『口内炎軟膏大正A』の方を勧め、変更してお買い上げいただいた。
     皮膚の修復には、長めに入浴をして血行を良くすることが大事だと伝えた。
     あと、口内炎の時に食べて涼感が心地よいキュウリやトマトなどは傷の治りを遅くなるので、控えるようにとも付け加えた。

     夫婦のお客様が来店し、『パブロンSゴールドW』を選ばれ、一緒に飲める栄養ドリンクをと訊かれたので、併用はやめたほうが良いと言いかけると、「じゃあやめる」とご主人に即答された。
     患者はご主人で、主訴は喉の痛みと鼻水ということから、飲むとするならノンカフェインの物をとお話しして、『新ヒストミンゴールド』を紹介しつつ、風邪との鑑別をするため鼻水の色を尋ねたら、「ピンク」とのお返事。
     つ、疲れる……。
     実際には透明なようなので、内臓の冷えがあるかもしれないことと、喉の痛みは胃炎でも起きることを説明すると「焼肉食べたわ」と食べ過ぎアピール。
     いや、これはちゃんと答えてもらってるか。
     何かお話すると、必ず患者であるはずのご主人が茶化してきて、微妙にイラッ(;´∀`)
     喉の痛みに特化してはどうかと提案し、『ペラックT』と『駆風解毒湯』を案内したところ、当初の『パブロンSゴールドW』はやめて、『ペラックT』を購入された。
     胃炎の可能性に対して、『第一三共胃腸薬プラス』が家にあるというので、それは併用してみても良いですとお話しした。
     この時も何か言ってたけど、取り敢えず会計を終えてホッとしたから、耳に入らなかったσ(^◇^;)。
     どうも、何か茶化さないと気が済まないらしい。
     難儀やなぁ。
     身体的には、この陽気さは心臓が心配。

     

  • 高齢者に「ミネラル豊富」は危険です

     やや高齢のお客様から、『どくだみ茶』について質問された。
     名前のイメージ通り、毒を排出するデトックス効果が期待されることと、ミネラルが豊富なことを説明すると購入を決められた。
     しかしお会計をした後で、腎臓機能が衰えがちの高齢者には適さないこともあることを思い出して伝えた。
     ミネラルが豊富ということは鉱物が含まれるということで、それを処理する腎臓には負担がかかるのだ。
     こんな簡単なことを忘れているとは、反省の行ったり来たりである。
     世の中には、塩でもなんでも「化学合成は全部駄目で、ミネラル豊富なのが良い」と人にも勧める輩がいるが、人に勧める時にはリスクも理解して伝えるようにしておいて欲しい。
     って、忘れてた人が偉そうに言えることではないけれど。

     ご主人が鼻水と喉の痛み、そして咳を訴えているということでお客様から相談を受けた。
     発症したのは昨日からで、熱が出そうな予感がすると言っているらしい。
     しかし、いずれの症状も現段階では弱く、念のため薬を買いにいらしたというので、『葛根湯』を最初に使い、熱が出てから『パブロンエースAX』に乗り換えてはと提案したところ、両方お買い上げいただいた。
     『葛根湯』は咳が出る風邪には使えないが、鼻水が出るようなら上半身の冷えに対抗するための炎症が喉の痛みや咳となっている可能性があり、上半身が温まれば、鼻水が止まり咳も治るかもしれないので。
     なので援護のための養生に、入浴をして内臓を温め、食事の量を控えるよう伝えた。
     喉の痛みが無ければ『小青龍湯』、発熱の予兆が無ければ『駆風解毒湯』が候補になったところ。

     

  • 関係無さそうでも胃に優しい食事を

     お客様から咳の相談を受け、発症したのは1週間以上前からで、特に夜中に咳き込むとのこと。
     『ブロン錠』と『ブロン錠エース』に興味を持たれたため、痰の状態を確認すると、咳と一緒に出るタイプの模様。
     となれば、『ブロン錠』の方が適応する。
     痰が引っ掛かって出にくいのなら、『ブロン錠エース』の方である。
     症状からすれば『五虎湯』も合いそうなため紹介したところ、漢方薬は嫌いではないものの粉が苦手で、以前に『麦門冬湯』で苦労したとの話。
     ちなみに、『麦門冬湯』は上半身に保水するので、痰の出にくい咳のときに向いている。
     今回は、『ブロン錠』の方を勧めお買い上げいただいた。
     夏野菜を避けるようお話しすると、好きらしく苦笑されてしまった。

     ご主人が声枯れとのどの痛みに鼻水を訴えているという相談を受けて、鼻水は色を確かめていないというものの、症状としては落ち着いてきているという。
     お客様は『ルルアタックNX』を手にされていたので、鼻炎をメインに喉の痛みにも対応していることから、良い選択ですとお話ししつつ、発熱はしていないということから、風邪薬より主訴に合わせてみてはと提案し、合わせて胃炎の可能性も指摘した。
     声枯れには『響声破笛丸』を、喉の痛みには『駆風解毒湯』を紹介したところ、ご主人と連絡を取り後者を購入された。
     そして喉の痛みというのは案外と原因の特定が難しく、扁桃炎なのか風邪なのか胃炎なのか、いずれの場合においても炎症を抑えるために胃に優しい食事をして、入浴をする事で内臓を温めるのが大事ですと伝えた。

     

  • 警告を無視するのは怖いこと

     やや高齢のお客様が、運動の後の腰痛とのことで湿布は冷感が良いか尋ねられた。
     初期は炎症を抑えるために冷やすのが良いものの、鎮痛効果や浸透力での薬剤の違いの方が重要なことを説明し、今まで『ハリックス55EX』を使ってるというお話から今回は『ハリックスIDプラス』を勧めて購入していただいた。
     運動をされるのであればと、事前に飲む薬として『疎経活血湯』を紹介した。
     するとお客様は、「痛いのは大事だよね」 とおっしゃっていた。
     全くその通りである。
     痛みというのは、問題を知らせる警告である。
     鎮痛剤で警告を無視させるというのは、問題の先送りとなり、大病を見逃すリスクがある。
     それを理解したうえで、鎮痛剤を使って欲しい。

     『新ルルAゴールドDX』を購入されるお客様に、喉の痛みのある風邪か確認したところ、まだひき始めとのことだったが、喉の痛み以外の症状は無いというお話から、喉の痛みに特化した薬を使ってみてはと提案した。
     『駆風解毒湯』と『ペラックT』に『パブロントローチAZ』を紹介すると、『新ルルAゴールドDX』と『パブロントローチAZ』を一緒に購入された。
     初めは『パブロントローチAZ』を服用して、もし風邪に進んでしまったら『新ルルAゴールドDX』に乗り換えるよう勧めた。
     それと、喉が痛む場合は胃にも炎症が広がる可能性があるので、この段階からもう消化の良い食事にすれば、風邪に進まない可能性も伝えた。

     

  • 症状に適応しても環境に合わせて薬を変えることも

     お客様が『ルルアタックNX』をレジに持ってきたけど、症状を尋ねると鼻水の他に症状は無く鼻水も透明だそうなので、内臓が冷えてるかアレルギーの可能性をお話して鼻炎薬を提案した。
     その前には、『ストナジェルサイズS』を使っていたそうだ。
     咳が無くても咳止めの入っている薬を選ぶというのは、起きてない症状の効能もあったほうが、お得だと思うのかしらん。
     お得感というよりも、安心感か。
     『パブロン鼻炎カプセルSα』と『小青竜湯』を案内し、前者をお買い上げいただいた。
     ただ、念のため花粉症から風邪に移行することもあるので、その時こそ『ルルアタックNX』への乗り換えを検討するよう伝えた。

     お客様から、下痢と吐き気の相談を受け詳しく訊いてみると、仕事中に『ワカ末止瀉薬』を服用したものの吐き気が治らないとのこと。
     下痢はひとまず軽くなったようだから『半夏瀉心湯』を考えたが、実際に吐くまでにはなっておらず、こみ上げてくる感じでもないというお話から『柴胡桂枝湯』を勧めてお買い上げいただいた。
     閉店間際にまた訪れて、「治りました」と教えてもらった。
     もっとも本当に『柴胡桂枝湯』が効いたのか、自然治癒したのかは分からないのだけれどσ(^◇^;)。

     やや高齢のお客様が『銀翹散』をレジに持ってきた際に症状を尋ねると、喉の痛みだけとのこと。
     まぁ、鼻水は無いということだから使ってもらって良いかなとも思ったが、職場がエアコンで冷えるというお話だった。
     だとすると、やはり上半身を冷やす『銀翹散』はあまり好ましくないだろう。
     そこで『駆風解毒湯』を案内して使っていただくことになった。
     また、エアコンで冷える時の対応策として、上半身を温める『葛根湯』と喉を冷やす『桔梗湯』を併用する方法も紹介した。

     

  • 販売した後で考えることも

     子供を連れて『ムヒのこども鼻炎シロップ』を購入されるお客様に症状を確認すると、子供の鼻水が黄色いというので風邪の進行に気をつけるように伝えた。
     補足として、透明な鼻水は内臓の冷えやアレルギーなどによるもので風邪ではないことを付け加えた。
     ただ、連れていた子供はスカートだったので、 下半身を温めて内臓を保温するよう勧めた。

     お客様から、初期は鼻水で『葛根湯』を服用していたところ、透明な鼻水は止まったものの今度は喉が痛くなったと相談を受けた。
     透明な鼻水に体を温めたのは良い判断と伝えた上で、上半身を温める『葛根湯』は喉の痛みには向かず、さりとて体を冷やす『桔梗湯』『銀翹散』といったものも勧められないことを説明し、冷やしながらも熱を発散する『駆風解毒湯』を案内した。
     すると咳も気になっているらしく、『カンポアズマ』に興味を持たれた。
     しかし『カンポアズマ』は冷たい空気を吸ったりして出る咳に対応するもので、今回の咳は葛根湯による体内の乾燥と考えられるため『麦門冬湯』の方が適用するだろうとお話しした。
     ただ併用するかは迷うところで、お客様には苦しい症状から先に対応するよう勧め『駆風解毒湯』をお買い上げいただいた。
     一番苦しい症状が軽減すれば、付随する症状も一緒に解消するのは良くある。
     でも、お客様が帰ってからよくよく考えてみると、『カンポアズマ』は神経症による咳にも適応し、お客様にはやや神経質な面も見られたので、もしかすると使えたのではないかとも思った。
     薬という物は、なかなかビシッバシッと合う物を見つけるのは難しいのだ。

     

  • 勝率3割は高いか低いか

     やや高齢のお客様から、水虫の薬をとの注文を受け『ダマリンL』を案内したうえで菌の有無を確認したところ、水虫になったのは10年以上前のことで今は痒くもないとのこと。
     それならどうして薬をと思ったら、予防薬が欲しいというお話。
     予防薬は無いことと、予防法としては殺菌消毒の薬用石鹸を使うよう伝えたところ、公衆浴場の足拭きマットなどが気になっているようだった。
     そういうことだと、やはり家に帰ってから足だけを洗うくらいしか対策は無いかも(^_^;)
     ただ、洗いすぎて体を守る常在菌がいなくなってしまうのも好ましくないことを説明した。

     夫婦の客様から、湿布剤の種類と効果を尋ねられたので、鎮痛剤の強弱と浸透力の違いを説明した。
     いわゆる『トクホン』や『サロンパス』はサリチル酸製剤で、鎮痛効果は一番弱いものの、肩こりなどで常用するのであれば、弱い物から段階を踏んだほうが良い。
     鎮痛効果の強い物に慣れてしまうと、その先が無いので。
     そして、市販薬で鎮痛効果が真ん中ほどである一方、浸透力があるのがフェルビナク製剤。
     もっと鎮痛効果があって有名なインドメタシン製剤との治験データによると、効き始めの早さと継続時間の長さからすると、インドメタシンよりも有用なケースが多いそう。
     ただし、浸透力があるということは血液中に薬剤が混入する割合が高いとも考えられ、安全上過度な心配は無いものの、妊娠中や授乳中の女性は避けたほうが良いという見解もある。
     その点からすると、浸透力で劣るインドメタシンは、そういうケースでこそ有用ということになる。
     そして鎮痛効果が強く浸透力も高いのがジクロフェナクナトリウムで、打撲やギックリ腰といった急性症状には短期決戦で臨むのが良い。
     冷感や温感は、現在では初期症状にはあまり関係無く、薬剤の種類のほうが大事。
     ただ、お風呂に入ったりすると症状が軽減するのであれば、温感を選ぶ意味がある。
     あと、「肌が弱いから」という理由で、鎮痛効果の弱い物を選ぼうとするお客様は多いが、実のところ肌の敏感さと薬剤の強さは必ずしも関係しない。
     アレルギーがそうであるように、相性のほうが重要なため、主成分ではなく添加物に反応している事もあるので、成分表示は残しておいてもらいたいところ。
     また、現在のところ湿布を貼ることによる皮膚炎は、成分によるアレルギー性皮膚炎よりも、「貼る前に皮膚についていた物質」を「湿布剤で患部に封入」したことによって起こる刺激性接触皮膚炎の方が多いとされている。
     要するに、一度湿布を貼った後に入浴などをして貼り替えるのは多くの人がやるとしても、最初に貼るときに先に患部を洗うのを怠ると、かぶれやすいということ。
     今回の患者は奥さんで変形性関節炎と診断され、以前に病院で『モーラステープ』を処方されたそうだが、効いた感じがせず、その後は病院に行っていないという。
     ううん、『モーラステープ』はケトプロフェン製剤で、ロキソプロフェン製剤の『ロキソニン』と同じくらい強いから、それが効かなかったとなると、先に挙げた製剤ではどれも効き目が弱いかも……。
     ただ、これまた薬が効くかどうかは相性なので、実は鎮痛効果の強さと浸透力だけでは確定できないのだ。
     今までの話は、なんだったのかと自分を小一時間問い詰めたいσ(^◇^;)。
     ご本人が、これまで使ってきた中では『トクホン』の方が効く気がすると選ばれて購入を決めた。
     でも、処方された薬が効かなかった場合には、担当医に伝えるのも大事なことをお話しした。
     病気を治すには医師とのコミュニケーションは大事だし、同じ病院で使用した薬の効果を伝えれば、それは記録に残る。
     記録というのは積み重ねていかないと意味が無いので、報告はしたほうが自分のためにもなるのだ。
     一発でバシッと治してもらいたいという気持ちは分かるけれど、実のところ薬が効く確率は30~60%とされている。
     つまり最低値では3人に1人にしか効かないし、最高値でも3人に2人が効けば良い方。
     ということは、薬を使うというのある意味、博打のようなもの。
     じゃあ、初めから薬なんか使わないという選択もある訳だけれど、例えば薬の場合の副作用が起きる確率は、添付文書に「まれに」と書いてあれば0.1%以下、「ときに」と書いてあれば……0.1~5%未満だから1,000人に1人以下で、そこからすれば勝率が30%に賭けるのは悪くない選択のはずである。
     そして、成分を確かめて乗り換えるのは、その勝率を上げることであり、記録を取っておけばさらに勝率は上がる。
     もし担当医の態度や性格的な相性に不満があるのであれば、医師なんて腐るほどいるんである。(大失言)
     1回で諦めずに、他の病院を頼ってみて勝率を上げてもらいたいと思う。

     お客様から、『パブロンSゴールドW』と『パブロンSα』の違いを尋ねられたので、前者は痰の絡む咳に向いていて、後者はコンコンと繰り返す咳に適応することを説明した。
     すると、主訴は鼻水と喉の痛みということで、『パブロン』シリーズよりも『ルルアタックNX』を紹介したが、家族で同じ薬を使いたいらしく『パブロンSゴールドW』を購入された。
     う~ん、お客様本人は自分の選択だからそれで良いとしても、家族には各自で薬を選んでもらいたいところ(^_^;)
     家の薬を、家族の誰かに任せっきりにしている人は多そうだ……。

     お客様が『葛根湯』を購入されるさいに、喉の痛む風邪や咳、発熱をしてしまってからでは適応しないことを伝えると、喉の痛みにいつも使っているというので『桔梗湯』を紹介した。
     まぁ、『葛根湯』も熱を散じるので喉の痛みに効かなくはないけど、先の話で言えば、上半身を温める『葛根湯』よりも、『桔梗湯』で冷やした方がバシッと決まる確率が上がる。
     あと、喉の痛みは花粉症や胃炎などでも起きることを伝えると興味を示されたので、『葛根湯』は風邪の予感がする時に早め早めに服用して予防的に仕えることを説明すると、『葛根湯』『桔梗湯』をお買い上げいただけた。
     なお、喉の痛む風邪の初期には『銀翹散』が適応するけど、鼻水が出ているような体が冷えている時には使えないから、体を温めつつ喉を冷やしたい場合には、『葛根湯』『桔梗湯』の併用がお勧め(*´∀`*)

     

  • 薬の効果とリスクが、分からなければ確認を

     お客様から、花粉症に病院で処方されてる薬が効かないと相談を受けたので調べてみると、『アレグラ』の後発品で症状が出てから使用しているということが分かった。
     それでは効かないはずである。
     なにしろ予防薬なんだから。
     そして、知人からもらった『コルゲン鼻炎フィルム』が効いたというので、処方された薬とは作用機序が仕方が違うことを説明し、併用しないようにとお話しした上で『アレグラ』をお買い上げいただいた。
     たった今、予防薬として使わないと効果が発揮されないことを説明したばかりなのに、なんで(;・∀・)?

     やや高齢のお客様から、父親の腰痛に処方されている『ロキソニン』が効かないと本人が言っているとのことで、代わりの痛み止めをと相談された。
     しかし、他に漢方薬も処方されているというのだけれど内容は不明。
     いずれにしろ、市販薬では処方薬の代わりにはなれないことと、処方されている薬が分からないと、安易に薬を案内できないことを説明した。
     本人は頭がしっかりしていて、担当医とは本人が対面して話を聞いたりしているそう。
     医師が腰痛にどんな診断を下しているのか分からないけど、もしかすると「過去の痛みの記憶から痛みを強く感じている」可能性を伝えた。
     そして、担当医に違う痛み止めを相談してみるよう勧めた。
     担当医に丸投げみたいになっちゃうけど、患者さん本人にもご家族にも、処方されてる薬があるのに市販薬を手軽に買おうとするリスクについては考えてもらいたいので。

     成人の息子さんが喉の痛みと鼻水を訴えていて、『葛根湯』を希望しているということで買いに来たのだが、喉の痛みには適用しないことをお話しした上で、鼻水はそれほどでもないということから『駆風解毒湯』『桔梗湯』を案内してみた。
     お客様には納得してもらえたけれど、本人はなんにでも『葛根湯』という人だそうなので、『桔梗湯』との併用を提案すると一緒に購入していただけた。
    「なんにでも葛根湯」と言うと、やはり落語の『葛根湯医』がやはり定番。
     演者によって話が少し変わったりするが、大工が屋根から落ちたというのを聞いて「よし葛根湯だ!」というサゲを聞いたのが私の知っているバージョンである。
     誰が演じてたんだろうなぁ。
     当時は落語に興味が無くて、落語家の名前を覚えていないのが残念。
     お客様からは、「話を聞いてみるものね」と言われた。
     恐れいりますm(_ _)m
     こういう時、どう返事をして良いのか分からにゃい……。