桂枝加芍薬大黄甘草湯(けいしかしゃくやくだいおうかんぞうとう)
………急性胃腸炎、大腸カタル、常習便秘、しぶり腹

適応症状 

 比較的体力の無い人で、腹部膨満し、腸内の停滞感あるいは腹痛などを伴うものの次の症状:
 急性胃腸炎、大腸カタル、常習便秘、しぶり腹

用方・容量(顆粒製品の場合) 

 1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
 ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

組成(顆粒製品の場合) 

 3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
  シャクヤク(芍薬)6.0g
  ケイヒ(桂皮)4.0g
  タイソウ(大棗)4.0g      
  カンゾウ(甘草)2.0g
  ダイオウ(大黄)2.0g
  ショウキョウ(生姜)1.0g
 以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.0g含有します。

類似処方鑑別 

桂枝加芍薬湯
 本方と同様の症状を呈するが、裏急後重あるいは便秘の程度が強くない場合に用いる。

小建中湯
 本方より体力の低下した人で、腹痛が持続的でさらに強い場合に用いる。

大建中湯
 
体力の低下した人が腹痛を訴えるが、腹壁の緊張が弱く、鼓動の程度が強く、ときに腸管の蠕動亢進認められる場合に用いる。

潤腸湯
 主として老人や体力の低下した人で、弛緩性または痙攣性の便秘であるが、腸直筋の緊張の無い場合に用いる。

使用上の注意 

1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
 (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
 (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
 (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


2.副作用
 (1)電解質:長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れる事があるので、観察を充分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する事。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる事がある。
 (2)自律神経系:不眠、発汗過多、頻脈、動悸等の症状が現れる事がある。
 (3)過敏症:発疹、掻痒等の過敏症が現れる事がある。


3.妊婦への投与
 (1)妊娠および、妊娠している可能性のある婦人には慎重に投与すること。


4.保管及び取扱い上の注意
 (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
 (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
 (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


5.その他
 本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

 

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