甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
………夜泣き、ひきつけ

適応症状 

 比較的体力が低下した人で、精神興奮がはなはだしい人の次の症状:
 夜泣き、ひきつけ

用方・容量(顆粒製品の場合) 

 1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
 ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

組成(顆粒製品の場合) 

 3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
     タイソウ(大棗)6.0g
    カンゾウ(甘草)5.0g
     ショウバク(小麦)20.0g
 以上の割合に混合した生薬より得たエキス3.25g含有します。

類似処方鑑別 

抑肝散 体力中等度の人で、神経過敏で興奮しやすいが、本方に比し症状があまり急迫的でない場合に用いる。

抑肝散加陳皮半夏 抑肝散の症状が慢性化して体力がやや低下し、腹部大動脈の拍動亢進が認められる場合に用いる。

桂枝加竜骨牡蠣湯 体質虚弱な人が冷え症で疲れやすく、臍傍で大動脈の拍動が触知される場合に用いる。

使用上の注意 

1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
 (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
 (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
 (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
 (4)アルドステロン症の患者。ミオパチーのある患者。低カリウム血症のある患者。


2.副作用
 (1)電解質代謝:長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れる事があるので、観察を充分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する事。
 (2)低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる事があるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣、麻痺等の異常が認められた場合は投与を中止すること。


3.保管及び取扱い上の注意
 (1)フロセミド、エタクリン酸またはチアジド系利尿剤との併用により血清カリウム値の低下があらわれやすくなるので、注意すること。


4.その他
 本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


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