“胃腸(慢性疾患)”
~「疲れ」~
胃腸の弱い体質の人が疲れやすいのは当然ですが、梅雨から夏にかけては、誰もが「胃腸のトラブル」として「疲れ」を経験します。
寒暖の差によって疲れが生じ、次第に食欲が低下したり、水分の摂りすぎで胃腸を冷やし、ますますに疲れたり………。
このように、「胃腸機能の低下」と「疲れの症状」は密接な関係があります。
【原因・治療】
1.「慢性の胃腸症状」でお困りの方。………胃腸が弱っている(脾虚)
《このような方は、胃腸が弱っています》
#食が細い(食事がおいしく感じない、空腹感がない)
#食後、胃がもたれて苦しい(健胃・消化薬購入者)
#下痢しやすい(止瀉薬・整腸薬購入者)
◆普段から胃腸が弱い。(脾虚)
漢方薬:六君子湯(りっくんしとう)
※食欲が出る。食事中~食後の会話がはずむ。(人参→吸収促進作用)
※疲れがとれて元気になる。(人参→吸収促進作用)
◆普段からストレスを感じ、そのために胃腸が弱くなった。(肝脾不和)
漢方薬:小柴胡湯(しょうさいことう)
※気分がスッキリする。(柴胡→抗ストレス作用)
※食欲が出る。食事中~食後の会話がはずむ。(人参→吸収促進作用)
※疲れがとれて元気になる。(人参→吸収促進作用)
2.「疲れ」が取れなくてお困りの方。(夏バテ3種)
《胃腸が弱くなると、このような症状が見られやすくなります》
胃腸が弱くなると、栄養が体内に吸収されなくなるため、「疲れ」の症状が現れ、更に進行すると「体重減少」を伴うようになります。
◆「疲れ(気虚)」“夏負け”
漢方薬:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
※ドリンク剤・ビタミン剤(V.B群配合)服用者や、痩せ型で疲れが取れない方に。
◆「体重減少(血虚)」を伴う疲れ。“夏痩せ”
漢方薬:人参栄養湯(にんじんえいようとう)
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
※普段は体力があるのに、胃腸が弱り疲れが取れない方に。
◆「寒暖の差」による疲れ。“夏風邪”
漢方薬:かっ香正気散(かっこうしょうきさん)
※クーラー病による疲れ(冷気による自律神経失調)、水分のとりすぎによる食欲不振に。
★薬局での質問のポイント
1)病位の特定→「胃の症状」・「お腹の症状」・「全身症状(疲れ)」の確認。食欲や排便の状態を伝える。
◇「疲れ」の症状がない場合→『胃腸のトラブル(急性)』参照。
2)病因の特定→「心当たりがあるか?」
a)特定可能な「疲れ」
クーラー・水分摂取・ストレスなど
b)特定不可能な「疲れ」
虚弱体質・持病との関連など
※必ず薬局で“ご相談”のうえ、お求め下さい。