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★彡☆-=★彡 それさえもおそらくは平凡な薬局 ★彡☆-=★彡
≪通巻32号≫
提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
※10月28日(火)……バイアグラは精力剤ではありません
※10月29日(水)……閉店の噂が独り歩き
※10月30日(木)……暴走族は産業廃棄物
※10月31日(金)……大多数の“中途半端”
************************* 先週の平凡な日記 ***************************
◆10月28日(火)/2003年◆
滅菌ガーゼを買いに来たお客さん、「同じ物を下さい」とパッケージを切り抜いた物を取り出した。
「子供のお遣いみたいで恥ずかしいけど」と言っていたが、実物を持ってきてもらえるのがコチラとしても助かる。一目で扱っている商品かどうか分かるし、間違えることも無い。
英国南部の中学校で今月中旬、13歳の生徒6人が校内で性的不能治療薬『バイアグラ』を服用し、“元気”になりすぎたのが教師にバレて、病院送りとなるという事件が起こったとのニュース。
6人は効き目が消えるまで、病院に“お泊まり”させられたという。
英大衆紙サンなどによると、生徒の1人が16日、父親のものと思われるバイアグラを自宅から持ち出し、昼休みに同級生5人に見せびらかせ、度胸試しのつもりで1人1錠を服用して午後の授業に出たところ、同級生の告げ口で教師にバレたとのこと。
バイアグラは通常、勃起力が低下した成人男性なら、服用から30分~1時間で効果が出始める。6人は教師に病院に連れて行かれ、効果が無くなるまで病室で安静にさせられた。副作用は起こらず、無事に退院したらしい。
しかし、日本でも多くの人が誤解しているようだが、あれは勃起させるだけで精力を高める訳ではない。
陰茎を弛緩させて、血流を多くするだけの話である。ぶっちゃけて言えば、正座をしていて急に立ち上がると一気に足先に血液が流れて足が痺れた状態と同じで、聞いた話によると“感度”は良くないそうだ。
男なら分かるだろうが、やはり椅子に深く座っていて立ち上がると陰部が痺れて、まるで“アソコが無い”感覚になるが、アレと同じ状態である。そんな状態でセックスしても、あまり楽しくはないのではないかと思う。
そして、心臓発作などの血液循環に関する副作用が起きる事があるのも、この薬理作用によるものであって、決して興奮してという訳ではない。身体的かつ他に方法の無い不能でもない限り、わざわざ個人輸入に頼ったりして危ない橋を渡っても、あまりにもリスクの方が大きすぎるだろう。
そう言えば、女性用の性欲を高めたり陰部を潤おしたりする薬や健康食品を“女性用バイアグラ”なんて称して販売しているようだが、薬理作用から考えると「そんなバカな」と言わざるをえない。
誤解を拡げてどうするのか。
今日は雨なので、病院からの処方箋は別にして、一般の店売りのお客さんは来ない。
実は今、ホームページのリニューアルを計画していて、その準備を少しずつしているのだが、せっかく来店者が少ないので(嫌な理由だ)、薬剤師会の中央薬局と保健所で済まさなければならない用事を片付けることにした。
薬剤師会の方には、今年の6月に『基準薬局』としての看板を申請していたのに、なかなかその看板が来なくてすでに申請した事も忘れていたら、つい先日「取りに来て下さい」という連絡があったのだ。なんだかなぁ。
で、その看板を雨の中スクーターで抱えながら(危険運転だぞオイ)持ち帰る途中、保健所に新しく雇った薬剤師さんの登録を届けるために立ち寄った。
ところが、登録申請にはその薬剤師さんの免許証の原本が必要だとの事。
うう、事前に申請方法を問い合わせた時には、そんなこと言われなかったぞ。
保健所の方は後日出直す事にしてお店に戻った。その間も、ほとんどお客さんは来なかったようである。
雨の中、スクーターで1時間ばかり走ったのが災いして、クシャミが止まらなくなる。そういや、先日から風邪気味でしたなと他人事のように思いながら、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)で体を温めることにした。
しかし、麻黄の入った漢方薬を続けて服用すると私のような虚弱体質だといずれは胃に負担がかかって、なおさら具合を悪くする。
そこで、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)も合わせて飲んだ。
こんな、いい加減な服用の仕方でいいのだろうか。(いくない←日本語は正しく。良くない。)
自分の体に責任を持ちましょうと言いつつ、自分の体だからといい加減に扱ってしまう心理の妙。
朝鮮中央通信によると28日、日本人女性1人が最近、第三国を通じて北朝鮮に亡命したらしい。
女性の詳しい身元や「第三国」の国名、入国経路などには触れていないが、 北朝鮮から連絡があったのと同じ名前の女性が今年4月に中国・瀋陽の日本総領事館を訪れ、「北朝鮮への亡命申請を希望している。手続きについて教えて欲しい」という問い合わせはあったそうで、総領事館では、亡命申請をやめるように促したという。
誰もが、「何を好き好んで」と思うだろうが、それだけになかなか興味深い。
亡命というのは、普通は命からがらというところだが、なにしろ日本は1人や2人殺したって簡単には死刑にならない“おおらか”な国である。普通は外国、それも国交の無い国に逃亡しようとはしないだろう。
このご時世だから、借金取りに追われてとかだったら少しは同情できるかもしれんが。
まさか、誰か選挙に合わせて手引きしたんじゃあるまいな(笑)
ネットでの通信販売の注文で、オーダーシステムの不具合を指摘された。
『防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)』をクリックしても、表示が『猪苓湯(ちょれいとう)』になってしまうというもの。
ギャッ!!Σ( ̄□ ̄;)
失礼いたしましたと恐縮。
原因を調べてみたら、システムのセキュリティーに関わるので詳しくは言えないが、プログラムの表記を一段間違えるという初歩的なミス。
なんで、こんなコトに気がつかなかったのかという感じ。
だからこそ初歩的なミスな訳で、事の大小に関わらず気をつけなければと自戒。
衆院選の公示が成された。
民主党は「二大政党を」と訴えているが、もはや二大政党というものも時代遅れだと思うのだがどうか。
例えば、道路行政の政策には賛成だが郵政事業に関する政策には反対というように、思想に基づいて政党を支持するよりも、本当は政策それぞれに賛成や反対をしたいという人の方が多いのではないだろうか。
いわゆる“無党派層”というのは、その名前の通り政党には興味が無いか、政党を頼ろうとは思っていないわけで、いくら党としてのマニフェストとやらを掲げられても、選びようが無いように思える。
それこそ民主党が、政策集団として党を越えて意見集約していく事を公約するのならば、それでいいのだけれど。『脱政党党』とか名前を変えて(笑)
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◆10月29日(水)/2003年◆
近所のニシワキという薬局が本当に閉店してしまった。
(10月16日の日記参照)
商店街がますます寂れるのも問題だが、一番の問題は噂が独り歩きする事。
どうやら、ウチが閉店したという話が近所に伝わっているらしい。
ウチはまだ営業しています(^-^;
勘違いの理由は2つある。
1つは、ウチとニシワキは同じ商店街の同じ通りの、同じ側に何件かのお店を挟むという立地条件になっている。
そして、商店街は『北園商店街』という名前なのだ。
つまり、「北園商店街のニシワキ薬局が潰れた」という話が人から人へと伝わるうちに、だんだんと簡略化されて伝言ゲームとなり、「北園商店街の薬局が潰れた」からさらに間が省略されて「北園薬局が潰れた」となっているようなのだ。
おかげで、来るお客さん来るお客さん、みんな「お宅、お店閉めちゃうんだって?」とか、「閉めたって聞いたけど」と言われる。
さらに電話でも、「お宅やめちゃったらしいけど、まだ買えるかね?」などと尋ねられる始末。
それでもまぁ、お店に来てくれたり電話で問い合わせてくれるお客さんはまだいいとして、近所にはドラッグストアーが犇(ひし)めき合っている。中には、閉店したという噂を信じて、他のお店に流れてしまった人もいるんじゃないかと心配。
どうしよ~(@_@)
分裂を始めた人間の受精卵(ヒト胚(はい))を使う研究について話し合ってきた総合科学技術会議の生命倫理専門調査会が28日、2年あまりの論議を中間的な報告書にまとめ、国民から幅広く意見を聴くことを決めたとのニュース。
焦点は(1)研究のためにヒト胚を作っていいか、(2)ヒトクローン胚を作っていいか。いずれも現在は禁じられている。
21人の委員の意見は鋭く対立しており、論議の行方に注目が集まっているそうだ。
東京大人文社会系研究科教授の島薗進氏は「医学の有用性を追求するほど、人を手段として使うことになり、医学と幸福が遠くなる」と語り、国立がんセンター総長の垣添忠生氏は「助けを求めている人の幸福や尊厳もある。有用な研究なら、非常に厳しい審査のもとで進めればいい」と語っているとの事。
ヒト胚からは、「万能細胞」とも呼ばれるES細胞を作ることができる。
しかし、作る過程で胚を壊すため、「生命への尊厳を損なう」との意見があり、またヒトクローン胚は、拒絶反応のない組織や臓器を作る研究に期待が高いが、クローン人間につながる恐れもあるというのが主な争点。
調査会は、ヒト胚を「ヒトの生命の萌芽(ほうが)」とし、最大限の尊敬を払うことでは一致しているものの、研究については、積極的な意見と、反対意見が対立したままなのだとか。
先の島薗氏の発言などは、「研究者らしい意見」だと思うし、対する垣添氏の発言は「目の前に助けるべき人がいる人の意見」だというのは分かる。
さらに、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長(長いな)の勝木元也氏は「研究の恩恵と生命の尊厳は比較できるのか」という単純な二元論にならない意見を語っており、着地点は見えてこない。
2年にわたる論議の中では、宗教、倫理、生殖など60人以上の専門家から意見を聴いたそうだが、私はぜひSF作家などの意見も聞いてもらいたいと思う。というのも、ヒト胚の倫理的な解釈は別にして、クローン人間については多くの人が勘違いしているように感じるからだ。
よくSF作品にはクローン人間が出てくる。
そこに出てくるクローン人間は歴史上の人物だったり、作品中の登場人物だったりと様々だが、大抵は“成長した姿”で現れ、“記憶を共有”している。
だが、クローンの技術と“急激な成長”を促す技術、また“記憶を再生”する技術は、それぞれまったくの別物である。
成長に関して言えば、仮に成長を促進させる事が可能だとしても筋力を鍛えなければクローン人間は立つことも寝返りを打つことすら出来ないだろう。
そして、記憶を植えつけるにしても言語などをどうやって学習させるのか、よしんば記憶を植えつけることが出来たとしても、元の人物の思い出的な記憶だけではなく膨大な知識なども刷り込まなければ、クローン人間を“誰かとすり替える”などというような使い方はできない。
つまり、クローン人間を創る事がすでに可能だったとしても、SF作品で描かれているようなクローン人間は誕生しえないのだ。
SFは空想科学と訳されるように空想の産物でしかない。その空想を前提にクローン人間を危険視するというのは、空想と現実の区別がついていないようなものである。
もし、亡くなった肉親などをクローンとして再生しても、残念ながら赤ん坊として再生することしか出来ない。それでもいいと思う人もいるかもしれないが、それこそDNAが同じなだけの“赤の他人”を育てるだけという、より哀しい事にしかならないだろう。
クローン人間に希望があるとすれば、それこそ赤ん坊が亡くなった時に再生するという方法かもしれないが、それであれば人工授精とあまり変わらない。
むしろ私は、クローン人間の人権についての議論も進めておくべきだと思うのだが、どうか。
JPS製薬の営業マンが来店。
このあいだ来てもらった時に『サースモン煌樹』を120本注文しておいたのだが、後で調べてみたら今までの注文量と比べてもかなり多いので心配された。
しかし、『サースモン煌樹』の売り上げは順調なのだ。
ウチではメジャー商品を抑えてダントツの売り上げがある。(お店全体での売り上げは低迷ではあるが)
飲んで“効いた気がする”だけという物ではなく、本当に元気が出るからであろう。
なにより、単なる栄養剤と違って胃腸を助ける効果もあるので、元気が持続するのだ。
そして、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)と乙字湯(おつじとう)のドリンク剤について詳しい説明を受けた。
10月14日の日記で書いていたドリンク剤の新商品とはコレの事である。
葛根湯加川きゅう辛夷の方は鼻づまりや蓄膿症、慢性鼻炎などに用いる。
本格的に必要になるのは、やはり花粉症の流行る春先だろうが、寒くなってきて体内に熱を溜め込んでしまうような人は鼻づまりを起しやすいので、その場合に用いると良いだろう。
乙字湯の方は、痔や便秘の治療に用いる。
特にタクシーの運転手などのように、一日中座り続けていながら、顆粒や錠剤などのように水が必要だと不便な場合はドリンクタイプの痔の薬は有用だと思う。
ただし、今回の新商品の入荷に関しては、やや納得しかねる面もある。今年度のJPS製薬の全国支部長会において、「新製品については会員店全店取扱をお願いする」という事になったのだ。
もちろん、それだけに提案される新商品は幹事会の承認を得た、いわばお勧め商品なのだが、強制になりかねない方法で好ましくない。
「お願い」と言いつつ、言外に“必ず”という意味合いが含まれている感は否めない。
これでは、頭を下げる営業マンも大変だろうと、いらぬ同情をしてしまう。
とはいえ、先に書いた通り商品自体はきっと必要としている患者さんはいるはずなので、積極的に売り込んでいこうとは思っている。
今週末にはJPS製薬の全国大会に出席するが、口にチャックして余計な事を言わないように気をつけねば(苦笑)
ところで、鼻づまりに対して鼻水が出る場合に服用する小青龍湯(しょうせいりゅうとう)のドリンク剤は? と思われた人もいるかもしれない。
他のメーカー製である事はあるのだが、ウチでは取り扱っていない。
何故なら、ちょっと許せないほど不味いのだ。
JPS製薬でも商品化に取り組んだことはあるそうなのだが、今のところ味を改善する事ができなくて、目処は立っていないそうである。
ドイツの首都ベルリンの南東の町の町会議員選挙でドラキュラ伯爵の子孫を名乗る人物が当選したとのニュース。
なんじゃらほいと思って調べてみると、その町会議員はオットマール=ロドルフ=ブラッド=ドラキュラ=プリンス=クレツレスコという長い、しかもどこまでホントか分からない名前の男性で、普通はオットマール=ベアビークの名で通しているとか。通してるって、それも偽名かなんかなんじゃ(苦笑)?
726票を獲得して当選したというから、本当に小さな町らしい。
なんでも彼はトランシルバニア(現在のルーマニア西部)の吸血鬼のモデルとされた15世紀のブラッド=ドラキュラ伯爵の血縁者ではなく、1987年にその直系子孫の養子になったとの事。
ブラッド伯爵は昔、トルコ人捕虜たちを串刺しにしたことから、「串刺し屋のブラッド」と呼ばれ、アイルランドのブラム=ストーカーが19世紀末にこの逸話にヒントを得て小説『ドラキュラ』を書いたとされる。
今回のベアビーク氏はベルリンで菓子職人およびアンティーク商をやっていた人物で、ドラキュラ家の養子になった事からドイツのシェンケンドルフに居城があるというからやはり今は金持ちなのかと思ったら、ドラキュラの城として毎年10万人が訪れているそうで、どうやら商売人のようだ(笑)。
城は石造りの門や物見の塔の他、棺桶を調度品とする中世風レストランなどがあり、ドイツ赤十字のために献血パーティーもやっているというから、なにやら洒落好きの慈善家のようでもある。
こーゆー、どうでもいいニュースって心が和んでいいなぁ。……変(苦笑)?
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◆10月30日(木)/2003年◆
咳止めが欲しいという患者さんが来店。
まずは症状の確認。痰が絡んでいるという事で、麦門冬湯(ばくもんどうとう)を勧めてみた。
しかし、漢方薬はお気に召さないらしい。
もちろん、そういう人はいるので無理に売りつけるつもりは無い。
そこで、他の咳止めの薬を勧めた。
咳なら咳というように、止めたい症状の主訴がハッキリしている場合は総合感冒薬などよりは、ちゃんと咳止めを謳っている薬の方が良い。
ところが、その患者さん他の咳止めも嫌だという。
ハテ(・_・?
こちらの応対が悪いのかと恐縮しつつ、どのような薬を希望しているのか尋ねたら、一言こう返された。
「咳止めは大正製薬でないと効かないのよ」
??????????????????
ど、どういう根拠というか経験に基づくものなんでしょうか……(汗)。
残念ながら、大正製薬の咳止めは置いていないので、他のドラッグストアーを案内した。
うう~む、理由を深く考えても無駄だろうかσ(^◇^;)。
茨城県三和町で6月、所属していた暴走族からリンチを受けた少年が死亡した事件で、水戸家裁下妻支部の裁判官が、傷害致死罪で起訴された少年2人を「君らは犬のウンコより悪い」と糾弾していた問題が波紋を広げているとのニュース。
どこに問題があるというのだ?
ニュースによるとネット上で議論が大爆発し、掲示板などへの大半の書き込みは「よくぞ言った」と擁護し、同家裁にまで賛否両論の電話が多数寄せられたとか。ところが、テレビの情報番組や新聞などでの識者の論調は批判的な感じである。
問題発言とされる言葉を裁判官が発したのは、水戸地裁で27日に開かれた高校1年の少年(15歳)と運送会社作業員の少年(16歳)を被告とする刑事裁判の公判だったそうで、事件の概要は加害者である2人の少年が、暴走族仲間らと、グループを抜けようとした少年(当時15歳)を『締め会』と称して、殴る蹴るの集団リンチを加えて死亡させたというもの。
水戸家裁下妻支部の少年審判は「刑事処分が相当」とし、2人は同地裁に検察官送検され、傷害致死罪で起訴された。
その公判で、少年を担当する弁護士が、被告人尋問などを通じて、「(7月22日の)少年審判で、裁判官から(少年たちが)犬のウンコ以下と言われた」と明らかにしたのだそうだ。
少年の父親は「裁判官から『暴走族は犬のウンコより悪い。犬のウンコは肥料になるが、お前らは産業廃棄物でどうにもならない』と言われた。更正するのに、落っことされた感じがした」などと証言し、母親の方は「息子が人間じゃないと言われている気がした」と言ったらしい。
人間じゃないでょ。更生は人間がするもんだよ。
情報番組でのコメンテーターもそうだが、今回の件で裁判官の発言をケシカランと言う人たちは、どうも暴走族というものに対して寛容というか、たいした事じゃないという認識があるようだが、被害者の事を考えていないんじゃなかろうか。
同じように軽く認識されているモノに、万引きもある。
以前に書店で中学生が万引きをして、110番通報で駆け付けた警察署員に連絡先などを言わなかったため任意同行しようとしたところ逃走し、遮断機の下をくぐって踏切に入り特急にはねられて死亡したという事件があった。
その後、市民から「人殺し」とか「配慮が足りない」といった非難の電話などを受けた書店は、店頭に謝罪文を張り出し、とうとう廃業に追い込まれた。
確かその時には、加害者の少年の父親は「あの店が閉店してくれてよかった。店の前を通るとつらい」と言っていた。(のちに本屋に謝罪した模様。)
しかし、冗談ではない。
仮に1個100円の物を万引きされたとしたら、その損失を取り返すためには利益率にもよるが最低でも5個以上は売らないと取り返せないだろう。しかも、それでも損失を取り返しただけで儲けにはならない。万引きされるという事は、店側からしたら弄(なぶ)り殺しにされるようなものだ。ウチが被害者なら、私の手で絞め殺したい。
翻って暴走族の方に戻れば、ウチの近くは4車線の道路があり暴走族が良く通る。交番の前を通っていくのだから、警察もナメられたもんである。
そして、その騒音で眠れないとか、神経が鎮まらないと相談に来る患者さんも多い。
先に書いた事と矛盾するかもしれないが、万引きならば少なくとも被害者側に謝って損失を補填すれば許されない事もない。
だが、今は真面目にやってますという元暴走族の輩がいるが、“オトシマエ”もつけずに、ただ「やめました」で済まそうというのであれば大甘だ。
暴走族をするには、バイクを手にいれ、走るための“労力”をかけている。
いわば、“つい出来心で”とは違い、完全に“意図的な”行為だ。
そして、被害は広範囲に渡る。暴走族をやめるにさいして、自分が迷惑をかけた人たちに頭を下げて回ったというのなら“更生”というのに値するだろうが、それをしないでやめただけならば、悪臭を振り撒いて迷惑をかけた生ゴミのままである。
ただのオチコボレならば本人のせいだけではないけれど、自分でバイクを手に入れて自分の意思で乗り回すという、自分の意思で人の道を外れてゴミになる事を望んだのだから、更生させる必要がどこにあるのか。
更生させるのに税金を使うのも無駄だと思う。
他人の手を煩わせないように、自分で自分を葬ってくれればいいものを、自分を人間だと錯覚してるのだとしたらホント迷惑な。
暴走族ならば目の前で事故って瀕死の重傷でも、絶対に助けない自信があるぞ。法的には自分に可能な範囲で救助行為(救急医療への通報など)をしないと罪に問われる場合もあるのだが、その暴走族が生存する事で迷惑をこうむる被害者の事を思うと、被害者の方を助けたい。
そして、今回の件では殺人までしているのだから、肥料としてならリサイクルできない事もない生ゴミではなく、使いようの無い、再利用の利かない産業廃棄物だと指摘した裁判官の見識は的を射ているだろう。
今回の騒動について、司法ジャーナリストの鷲見一雄氏は「(弁護士が裁判官の発言を明かしたのは)非常識な裁判官だという世論を作り、地裁の裁判官に被告の言い分を認めさせようという法廷戦術」と分析していた。
「弁護士の話は依頼者の立場に立ったもので、裁判官の話は社会正義や社会秩序を守るという視点でなされた。だから、必ずしも弁護側が正しいわけではなく、裁判官の言葉尻だけをとらえることにも問題がある」というコメントには、こと人権問題ではなにかというと弁護士の意見が絶対の正義のように持ち上げて、判断をするのは司法だというのを忘れているかのような人がいるので、そういう人にはしっかりと考えてもらいたい。
ただ鷲見氏の、「裁判官は諭そうとしたのだろう」というフォローには私は同意できないが。
それと良く分からないのは、他の裁判のニュースではたびたび裁判官の“市民化感覚との乖離(かいり)”を指摘する向きがあるのに、どうして今回のような極めて市民感覚に沿った発言が問題になるのか。
市民感覚とユーモアを持った、実に人間らしい裁判官だと思うのに。
ところで、『暴走族』という名前がカッコイイというイメージを作り上げてしまうから、『珍走団』とか『珍走族』と呼ぼうという提案をしている人たちもいるようだ。
ならばついでに、『暴力団』も『お馬鹿の集団』とか呼んでみるのはどうか。
法律や条令では暴走族や暴力団という名称が使われているが、マスコミの報道などでは法律用語を別な言葉に置き換える事はしばしばあるのだから問題無いだろう。
ニュースなどで、「珍走行為を繰り返していた珍走団のメンバーが検挙されました」とか、「昨夜繁華街で発砲事件があり、拳銃を所持していたお馬鹿の集団の構成員が逮捕されました」とか、激しく情けなくて良いと思うのだけれど。
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◆10月31日(金)/2003年◆
乙字湯(おつじとう)の液剤が入荷。
黄色とオレンジの派手なパッケージに少し引いた(笑)
これからの季節、痔の薬は主力商品になるので、商品の“顔見せ”を兼ねてお店の真ん中に山積みにしてみた。
でも、黄色は色褪せしやすいのであまり長くは店頭に置いておくのは避けておいた方がいいだろう。
消毒薬を買いにお客さんが来店。
糖尿病(生活習慣病)の患者さんで自分で注射をする人などがよく消毒薬を買っていかれるので、普段は売る時にも特に気にすることはしないのだが、念のために何に使うのかを尋ねてみた。
すると買いに来た本人ではなく、会社の同僚が手に怪我をしたとの事。
それならば消毒薬よりも、傷薬の方がいいので会社に置いてあるのかを訊くと、無いとの返事。
しかし、消毒薬が欲しいという。
うう~ん、血が出ているのであれば消毒薬なんて気休めにもならない。水で傷口を洗い流したら、止血して傷薬を塗った方が確実なのだが。化膿止めの傷薬には殺菌作用もあるし。
どうも怪我した本人が消毒薬をと言っているらしい。分かっててそう言っているのか、分からなくて消毒さえすればいいと思っているのか判断が付かない。
とにかく頼まれて来ている人も勝手に決める訳にはいかないだろうし、やむなく消毒薬を売った。
売ればどのみち儲けにはなるからいいのだけれど、心配だなぁ。できれば本人にも消毒だけじゃなくて傷薬を使うように言ってやって下さいと伝えたが。
物静かなお婆さんが来店。
龍角散が欲しいとの事で差し出したが、訊くとここ数日咳が止まらないのだとか。
それならば、龍角散よりも漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)はどうかと勧めてみた。
お年寄りの咳は体内の“潤い”が不足する事に起因することが多い。麦門冬湯は潤いを与えて咳を出にくくすることができる。
胃が痛むという患者さんが来店。
特に原因として思い当たることは無いと言っていたが、何か悩み事とかは無いかと尋ねてみると、ちょいと孫の事で心配事があるとのお話。
もしかすると、神経性のものかもしれない。肩こりもあるというので、その肩こりも胃から来ている可能性もある。
ひとまず、半夏写心湯(はんげしゃしんとう)を試してもらう事に。
医者からもらった血圧関係の薬の事で相談に患者さんがみえた。
医者からもらった薬の中で“飲まなくても良い物はどれか”と。
そんなコト、薬局では言えません。医師の指示に基づいて飲んでもらわないと。
しかも、ウチで処方箋を受け付けて出した薬ではないから、ウチから医師に問い合わせて服薬指導をする訳にもいかないし。
どうしても飲みたくないのであれば、直接担当の医師に相談してみてはとお話したら、夜はどうしても薬を飲みたくないのだと力説する。
その理由は、「夜は酒を飲むから」だとか。
「医者に『どうしてもダメですか』と訊かれたから、『だったら薬は飲まない!』と言ってやったよ」と嬉しそうに語る。
なんなんだ(^-^;;;
可哀相な医者。
案の定、その医師は「嫌な顔してたよ」との事。心中お察し致します( ̄人 ̄)
まぁ、顔に出しちゃダメだけどねー。きっと腹立ったろうなぁと(笑)
患者さんの趣味や嗜好を取り上げる訳にもいかない。しかし、病気を治してあげたいとも本気で思っている。
完全な健康体の人間など存在しないし、同じく絶対に完璧に治療する事など神ならぬ人間にはできようはずもない。だから、病気の治療に最低限必要な事柄と、楽しい生活を送るためのバランスが大事なのだが、これがまた難しい。
いつだかの人のように、「俺は楽しんで死ぬ」と豪語するところまで達観しいてる人なら、「好きにして下さい」とも言えるけど(ことの是非はともかく)、この人のように中途半端に治したくない訳じゃないけど楽しみは取っておきたいというのは、どうにも手を焼いて困る。気持ちは分かるだけどね(笑)
おそらく、この“中途半端”が大多数だろうし。
とにかく、今回のところは医師とお話して下さいとお願いするしかなかった。
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