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★彡☆-=★彡 それさえもおそらくは平凡な薬局 ★彡☆-=★彡
≪通巻34号≫
提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
編集 : 北村俊純
窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
※11月4日(火)……浮浪者も大事
※11月5日(水)……国政選挙で地元から推す意味
※11月6日(木)……子宮筋腫発見!
※11月7日(金)……風邪の患者さんが次々と
************************* 先週の平凡な日記 ***************************
◆11月4日(火)/2003年◆
病院からの処方箋を持ってきた患者さんの薬で在庫に無い物があったので備蓄センターまで取りに行く事に。
注文してお店を出ようとしたら、お母んに「たまには運動しなさい」と言われて、自転車で行くことにした。確かに。
天気も良くて、土手沿いに行くと風が気持ち良く、土手の斜面に咲いている花も綺麗で心が和む。
………って、これってマズイんじゃ(^_^;
花粉症になるぞ俺(苦笑)
原沢製薬の営業マンが来店。
たまたま近くに来たので立ち寄ったとの事。
『アスタロン』を立て続けに発注しているので、どうしたんですかと尋ねられる。
どうしてなのかは、コチラも謎(笑)
あ、いやいや、固定客がついてくれたお陰で入荷をすると右から左へと売れていくのだ。
医薬品ではなくあくまで健康食品なのだが、飛蚊症(ひぶんしょう)が軽減したり、目の疲れが改善したりと結果を実感できるらしく、試した人がほとんど継続してくれるうえ、どうやら人にも勧めてくれているようなのだ。
一方で、なかなか売れないのが『ネオレバルミン』。
国内の薬局で販売できる肝臓疾患の薬としては効果も相当に期待できるものの、いかんせん肝臓疾患はちょっとやそっと改善しても自覚できない。なにしろ、自覚するくらい症状が悪化していたら入院しなきゃならないくらいだし、血圧のように日常的に肝臓の働きを測定できる訳ではないから、客観的な判断ができないのが、今ひとつ購買につながらない要因だろう。
“肝臓病を治す奇跡の薬!!”とか宣伝したら売れるのだろうか(^^ゞ
お店に近所の人から電話が入った。
商店街のシャッターの下りたお店の前に浮浪者がいるという。浮浪者がいるのが不安なのだろうとは思うが、なんでわざわざウチに電話してくるのか。
しばらくすると、やはり近所のお店の主人がウチに来て、浮浪者がいて不安だと漏らす。さらに、警察を呼ぼうかとまで言い出した。
何をそんなに騒いでいるのかと思って、その浮浪者を見に行ってみたら、なんの事はない。以前から、この辺りで寝泊りしている人だ。
近所の人たちも知っているはずである。商店街の方に来るのは珍しいが、夕方から雨になったから、雨をしのぐために軒先に屋根があるお店の前に来たのだろう。
誰かが本当に警察に連絡したらしく、パトカーが来て、浮浪者はどこかへ行ってしまった。
呼んだ当人かどうかは分からないが、警官に「来るのが遅い」と文句を言っていた。
しかし、浮浪者がいて何が悪いのかね。
そりゃあ確かに気味悪いとか不潔そうだとかは思うが、別に実害がある訳でもなし。
それどころか、実は浮浪者は大事な存在なのだ。
例えば空き巣や泥棒が入るのは、“人目(ひとめ)”が届かない所だろう。閑静な住宅街が狙われるのは周知の通り。
浮浪者がいるという事は、人目がある訳だから空き巣や泥棒はまず避ける。
また、警察官の友人に聞いた話だと、事件や事故の目撃者捜しの時に、浮浪者は重要な情報源になるのだとか。
実際、深夜など人通りが少ない時間帯の場合には、屋外で寝泊りしている浮浪者ならば見ている場合があるし、毎日同じ時間帯に通りがかる人の顔を覚えていたりするため、見知らぬ人がいたり、いつも見かける人が違う時間帯に通ったりすると良く覚えているのだとか。
いわば、浮浪者が監視カメラと同じ役割を果たす事があるのだ。
だいたい、日々の事件のニュースを見れば、浮浪者が被害にあったり、浮浪者同士の喧嘩などはあっても、浮浪者による凶悪犯罪というのはあまり無いはず。それなのに、どうしてそんなに警戒するのか。
私はまだ浮浪者になった事はないけれど、浮浪者の側からしてみれば居場所を転々とするよりは、落ち着ける場所は大事にしたいと思うのではないだろうか。初めて見る顔ならば警戒する必要もあるだろうが、いつも見かけるのならば気にする必要は無いようにも思う。
奥さんが珍しくお寿司を食べたいと言うので、JR東浦和駅の近くの『赤坂』に行く事にした。
場所は、JR東浦和駅を出て左に曲がってまっすぐ行くと、ゆるい下り坂の左側にある。
一応ここは回転寿司なのだが、いわゆるチェーン店の回転寿司とは違い、日本料理屋の隣、と言うより一部のようなお店で、ネタの味がかなり良い。
行った時間が21時を回っていて遅いためかコンベアーには何も乗っておらず、食べたい物を順次注文していく。
まぁ、この方が握りたてを食べられるので不都合も無い。
笑ったのが、イクラやウニなどの高めのものを注文すると職人さんが「少々お待ち下さい」と言って姿を消し、隣の日本料理屋から運んで来た事。
ネタを日本料理屋と一緒に仕入れているのだろう。ウニは、たまたま一切れ分が余るという事で、通常は2個のところを3個にオマケしてくれた。
そして、甘エビを尾頭付きで出されて、身の部分を寿司として食べた後に、頭を食べたそうにしているのを見て取ったのか(どんな顔をしていたのかは謎だが)、「頭を焼きましょうか」と言ってくれたので、お言葉に甘えて焼いてもらった。
家でも甘エビの刺身を焼いてお酒のオツマミにしたりしているが、さすがにネタの鮮度が違うのと、プロの職人さんが焼いてくれただけあって抜群に美味しい。
奥さんは「いらな~い」と言っていたけれど、こんな美味しい物お前にはもったいなくてあげられんわ(笑)。
美味い美味いと、ずいぶんと食べたつもりだったが、2人合わせて5千円に収まったのは安かったからなのか、私たち夫婦が小食だったからなのか。
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◆11月5日(水)/2003年◆
目薬を欲しいというお客さんが来店。
製品名を指名されたもののウチには置いていないので問屋さんに注文が必要。
指名された目薬が抗菌目薬なため症状を尋ねたところ、人に頼まれて買いに来た模様。
抗菌目薬ならば、特に使用感が変わるわけでもなく同じような成分の別製品がある。すぐに必要ならば、その方が良い。
そうお話をすると、携帯電話で依頼主に電話してみたようだが、無ければいらないとの事。
何故に製品を限定しなければならないのかコチラとしては謎だが、好みだかなんだか拘る事柄があるのだろう。
とりあえず買いに来たお客さんには、症状に合わせて選ばないと、目薬のように数社から何種類も同じような商品が出ているのを指名で捜すのは難しいと伝えておいた。
風邪が治らないという患者さんが来店。
何か薬を飲んでいるのかを尋ねたら、葛根湯(かっこんとう)を飲んでいるとの事。
しかし、風邪の方はもう一週間ほど経っていて、咳も続いているらしい。
それならば、もう葛根湯の適応ではない。激しい咳や咽喉の痛みは引いて、最後の後押しが必要な感じだったので、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)の方を勧めてみた。
今日はお店を早くあがって出かけなければならない。
行きたくはないのだが、選挙の応援である。
川口市には医師会・歯科医師会・薬剤師会からなる『川口三師連盟』というのがあり、今回の選挙では自民党の新藤義孝氏を推すと言う事で、その集会があるのだ。ヤレヤレ=3
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集会の便宜上のタイトルは『より良い医療を求めて! 川口市民の医政を語る会』となっていた。
「なっていた」というのは、全然そんな話など無かったから(笑)
開会の挨拶を歯科医師会会長が、主催者挨拶を医師会会長が、〆の挨拶を薬剤師会会長が行ったのだが、それぞれ挨拶と共に“自分の主張”を唱えていた。肝心の新藤氏は、それらに「必ずやります」と言っていたが、どれを実行するんだよ(笑)
しかも、新藤氏は堂々と小泉首相の改革に反対する姿勢を示している。
以前から私は、「反対するなら力の無い野党より政権政党の中でやるべき」と思っているので、それ自体は良い。
しかし、自分たちの既得権益しか考えていないように思える集会を票集めのために利用するという姿勢はどうか。
今日の集会にしても集まり具合は7割以下で、とても組織票は望めない。小泉改革の是非は別にして、小泉首相が言ったように特定の組織に頼らずに選挙運動をするべきではないのか。
そして、そのような特定の組織における集会だからなのかもしれないが、やたら川口市のためという利益誘導の発言も、私は国政選挙という事を考えれば納得できない。
企業誘致や、今回の集会で言えば川口市の医療行政に関して何かをやるのは地方選挙で選ばれた議員たちがやる事で、国会議員がやる事ではない。
川口市民の国政への意見を国会に“持っていく”のが国会議員の仕事であって、別に国から地元に“持ってくる”必要は無い。
いくら良い事だとしても、国から何かを地元に持ってくるというのは、とかく悪く言われる建設業や道路行政と根っこが同じで、私は推す気になれない。
国会議員に地元への利益を期待する有権者の方も問題かもしれないが、だからこそ特定の組織の票に頼る事を新藤氏にはやめてもらいたい。
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◆11月6日(木)/2003年◆
朝早くに病院の検診に出かけた奥さんから電話。どうやら、子宮筋腫が見つかったらしい。それも、かなり大きいようである。
お店に来たので詳しく訊くと、妊娠できたのが不思議なくらいの状態らしい。
しかし、半分は自業自得である。実は以前から奥さんは生理の時の出血が多く周期も安定していないため、体質的に子宮筋腫になる確率は高いと思っていた。そこで予防のために当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を渡しておいた。
ところが、3日も飲まずにそのまま服用をやめてしまったのだ。
他にも、病気をした時にはすぐに薬をあげるのに、大抵は勝手に使うのをやめて、症状が重くなってから大騒ぎする“常習犯”なのだ。悪い患者の見本である。
言うこと聞かない患者さんの事なんて知りません(・_・)
そして医療関係者は、身内には冷たい(笑)
赤の他人である患者さんには親身になって治してあげなければと使命感に燃えるが、身内だとよほどの大病でもなければ「まぁ、大丈夫でしょ」となる。
なので、お母んも「大騒ぎするんじゃないの」と、奥さんを嗜(たしな)めた。
私は私で、「これはメールマガジンのネタになるかも」とヒドイ事を思う。
とはいえ診察した医師からは、出産するまでの入院を勧められたというから楽観はできないようだ。
もとより、通常は流産の確率というのは一般に思われているよりも高い。一説には、3割近いという。
それが現在、一般的に「妊娠したら生まれて当たり前」というように考えられるようになったのは、医療技術の発達と日本の生活水準が向上したからにほかならない。
国生さゆりが離婚した原因の1つとして、2度の流産の事が報道されているが、本来ならば2度の流産も珍しい事ではないのだ。
同じく子宮筋腫も珍しい病気ではない。子宮筋腫自体は多くの女性がなる病気であり、そのほとんどは小さくて検査でも分からないか、出産後の子宮の収縮と共に筋腫も小さくなって治癒してしまう。
だから、子宮筋腫ができている事を医師から告げられたとしても、そう驚くことはない。まずは落ち着いて、冷静に医師の話を聞く事が大事だ。
奥さんの方は、来週の月曜日にもう一度診察をするという事で、「旦那さんも連れてくるように」と言われたらい。
ガーン!!Σ( ̄□ ̄;)
いや、癌だったら来週なんて悠長な事は言わんか。
しかし、メンドクサイな。
病院でもらっている薬が無くなったから分けてくれという患者さんが来店。
しかし、処方箋の無い患者さんに薬を渡す訳にはいかない。
本人は薬をもらうだけで診察を受けるのは面倒だと言う。診察に行っても、特に調べられたりする訳でもなく、二言三言話すだけで意味が無いと思っている模様。
確かにそう思うのは仕方の無い事かもしれないが、お医者さんとは顔を合わせるだけでも大事なのだ。
診察に来た患者さんと挨拶するだけで、医師は患者さんの肌の状態や目の色などを観察していたりする。それで症状が安定していると判断できれば、とりあえず症状に変化は無いものとして患者さんを帰す。
中には、本当に“なんにも診ない”医師もいるようだが、それはまた患者さんの方で医師を観察して、信頼できないと思えば病院を変えれば良いだろう。
診察はメンドクサイと言わずに、まずは病院で医者と顔を合わせるように伝えた。
私も、奥さんからの又聞きでは良く分からないから、行かねばならんか。
大阪府河内長野市で起きた男子大学生と女子高生による家族殺傷事件に絡んで、またぞろマスコミでは“心の闇”という言葉を使い始めた。
この“心の闇”という言葉は、私には言外に「端(はな)から理解するつもりはない」というニュアンスを含んでいる気がして嫌いである。
女子高生が公開していたというホームページの日記を取り上げて、「親がうざい」と書く一方で親と旅行をして楽しかったと書いていた事に対して、“複雑な心境を覗かせている云々”と論じていたが、そんなに奇異な事だろうか。
時に親に殺意にも似た感情を抱き、同時に親愛の情を抱くというのは、それこそ多くの人が思春期に通る道ではないのか?
それが本当に殺人に結びつく事は稀だろうが、自分を振り返ってみれば、絶妙のバランスで自分はやらずに済んだというだけだと安堵するのは私だけではないと思うのだが。
それとも、“複雑”とか“心の闇”としてこの事件を捉えようという人たちは、純粋真っ直ぐになんの迷いも無く生きてきたとでもいうのか。
ただ興味深いのは、同世代の人たちも「理解できない」と取材に答えているらしい事。
確かに実際に殺すところまでいくというのは理解できないかもしれないが、家族への殺意も理解できないというのは私には不可解。自分の価値観の型にはめようとする親が最近は少なくなったのかな。
もしかして、“親に反発しながら子供は育つ”という私の考え方が、すでに古いのかもしれない。私まだ30代なのに(苦笑)。
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◆11月7日(金)/2003年◆
サトウ製薬の営業マンが来店。
来週の木曜日に新商品の説明会が、さいたま市のワシントンホテルであるので出席してもらいたいとの事。
う~ん、タダメシをいただくのになんだが、ワシントンホテルの料理って美味しくないんだよなぁ(苦笑)
先日、雨が降った時にお客さんに傘を差し上げたら、お礼にお菓子をいただいてしまった。
一応、傘を渡す時に、以前にプレゼントキャンペーンをやった時の余り物ですと申し添えたのだけれど。
プレゼント用の傘でお礼をもらってしまった。かえって申し訳ない。
風邪の患者さんが立て続けに来店。これで全員に総合感冒薬をポンと渡せば簡単ではあるが、それでは自動販売機と同じ。
風邪が長引いて食欲が落ちているという患者さんには、風邪の後期に用いる柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と、食欲が落ちていて栄養不足になるのを防ぐために地竜(ぢりゅう)を渡した。
風邪は治って食欲なども回復したものの、咳だけが残った患者さんには、咳止めとして麦門冬湯(ばくもんどうとう)と、風邪をぶり返さないために地竜を合わせて勧めた。
風邪をひきそうだという患者さんにはまず葛根湯(かっこんとう)を案内した。しかし、すでに吐き気がなんとなくするそうなので、小柴胡湯(しょうさいことう)のドリンク剤を合わせて使う事を勧めてみた。
総合感冒薬は、症状が多岐にわたって判断がつかない時や、旅行などに手軽に持って行くのに便利ではあるが、できれば症状に対してピンポイントで使う漢方薬を選ぶ方が治癒も早くお金もトータルで安くつく。
国連平和維持活動(PKO)のため10月に東ティモールに派遣された陸上自衛隊員約400人が、9日の衆院選挙での投票が不可能だというニュース。
海上自衛隊員は公職選挙法で“船員”扱いとなるため、護衛艦や補給艦内で不在者投票が可能なのに対して、陸自隊員は帰国して住民票がある自治体に戻らなければ投票できないのだとか。
「3カ月以上の現地滞在」などを条件に、海外の日本人有権者に衆・参比例代表への投票を認める在外投票制度もあるものの、今回は10月からの派遣で「3カ月以上」の条件を満たしていないため、投票権が発生しないという。
10月には衆院選の予定が立っていたんだから、先に手を打っておいてやれよ、小泉さん(^_^;←なぜ親しげ。>俺
遅まきながら、防衛庁は選挙権が行使できるよう総務省に相談しているそうだが、さすがに今回は間に合わない模様。
自衛隊を容認している政権政党が気づかないのもマヌケだけれど、二大政党制を叫んでいる民主党もこういうところから突っ込めば選挙を大事にしているというイメージ作りができるのに、このネタを使わないんだからもったいない。
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