お客様から、「めまいに鉄剤は効きますか?」という質問を受けた。
患者さんは成人の娘さんで、病院を受診したことは無いという。
目眩に鉄剤が有効なのは、あくまで血液に問題がある場合で、三半規管の異常はもちろん、水分代謝の異常、脳機能障害と原因は多岐に渡ることを説明した。
そのうえで、鉄不足が原因と考えられる場合の市販薬として『ファイチ』を紹介し、水分代謝の異常の時に用いる『苓桂朮甘湯』を案内した。
高血圧なら『七物降下湯』や『釣藤散』なども考えられるものの、話題には出てきていないし年齢的に確率は低いため今回は除外した。
水分代謝の異常は、現代人ならたいていは暑い日はもちろん寒い日にも冷たい飲み物を飲んでいたりするので、可能性がある。
そして今回の患者さん本人は就活中で、病院に行く時間を惜しんでいるそうな。
いやいや、病院に行けるのは就職活動しているうちですよん。
それこそ内定が決まって、勤め始めたら本来は権利があっても、初年度は休みにくいもの。
私なんか、このお店に勤め始めてから約2年間、2日連続で休めたことなんか、希望したんじゃなくて、働き過ぎたからと強制的に休まされた時だけ。
面接前に健康診断を受けておかなければならず、それが出来たのは例の東日本大震災以後に失業して暇ができたから。
本人には、病院に行くのは今のうちと伝えるようお話した。
そして、めまいは大きく分けて三種類あることを説明した。
鉄不足や低血圧が考えられる、いわゆる立ち眩みが一つ。
もう一つは、天井がグルグル回るような回転性の目眩で、これが三半規管の異常や水分代謝の異常によるもので、メニエール病も含まれる。
一番怖いのがもう一つで、フワフワと雲の上を歩いているような目眩。
これは、脳の血管が詰まっている脳塞栓か、反対に破れている脳内出血の可能性が疑われる。
まずは、本人に目眩の状態を確認してみて下さい。
そうお話すると、食事した直後に目眩がして転んだようだという。
そのパターンだと、低血糖が考えられるし、もっと単純に胃の機能が低下していて、血液が急に胃に集まることで貧血になったのかもしれない。
お話を聞く限り鉄剤が必要とは思われなかったのだけれど、何か娘さんに買って行ってやりたいというので、無難なところでサプリメントの鉄と葉酸の混合タイプを案内して、お買い上げ頂いた。
安易に薬を勧められない時に、それでも何かを買って行きたいというのが一番困る(;´・ω・)
『ルルアタックEX』を購入されるお客様に症状を尋ねてみたら、患者は成人の息子さんで、主訴は咳だとのこと。
咳だけだと風邪ではない可能性もあることをお話すると、3日ほど前に発熱したという。
発熱が3日も前では、『ルルアタックEX』の適応時期はすでに過ぎている。
風邪としては、中期から後期に当たることを説明した。
発熱で体内が乾燥しているだろうから、上半身に水分を集めて咳を止める『麦門冬湯』が適応することを説明してみたものの、風邪薬が欲しいとのことで、そのまま『ルルアタックEX』を購入された。
ううん、買って行ってあげたいのか本人に頼まれたのか分らないから、それ以上は踏み込めなかった。
本人だったら、もっと詳しい症状を訊き出したりして、患部を冷やして咳を止める『五虎湯』を紹介したりもできるのだけれど。
ホント、代理で薬を買いに来るパターンは厄介だ。
本人は食欲はあるそうなので、せめてもと思い、食欲に任せて量を食べないように伝えて下さいとお話した。
脳は体力回復のために「お腹が空いた」という信号を出すけど、胃腸の方は発熱でダメージを受けて機能が低下しているはずなので。
咳にしても、風邪で胃炎を起こしていて、胃の上に位置する肺が胃熱で乾燥しているかもしれない。
その場合に現代薬の風邪薬を使うと、体の方は熱が下がっているのに今さら訪れる薬剤の処理に体力を費やして、疲労に繋がってしまう。