ご夫婦で来店されたお客様、奥さんが腰痛とのこと。
昔になった事はあるものの最近は無く、今回のキッカケは分からないという。
お風呂に入ると楽になるそうなので、温感タイプで短期決戦のフェルビナク製剤かインドメタシン製剤を使うことを提案した。
そうそう、フェルビナク製剤は以前に授乳中の患者さんに売ってしまいそうになった失敗があったので、血中に成分が入りやすいことを説明した。
でも、やっぱり妊娠の有無とかを確認するタイミングは難しい……。
内服薬だと、患者さんの方も気をつけていて自分から申し出てもらえるんだけど、貼り薬や塗り薬の薬効成分が体の中に入っていくというイメージが弱いためか、なかなか自己申告してもらえない。
それでいて、今は不妊治療を受けている人が珍しくなく、その一方でプライバシーの意識は高まっているから、薬の販売上重要な情報ではあるのだけれど、妊娠の有無を尋ねるのに勇気がいる。
セブンイレブンのアルコール販売時の年齢確認ボタンって、そういう意味では便利だよなぁ。
ドラッグストアーのレジにも、妊娠有無の確認ボタンを標準で装備してもらいたいくらい。
もちろん、外見上の判断がつかない事もあるから男女関係無く、薬を買う方全員に一律で押していただきますヽ( ´ー`)ノ
………社会問題になりそうだ。
今回のお客様には、フェルビナク製剤の『ほぐリラ温感』を試して頂くことになった。
お客様から「タムシの薬を」と注文され、『ダマリンL』を案内したものの、病院を受診したことが無いというので『デリケアM’s』の方を勧めた。
水虫やタムシに湿疹な感の痒み止めを塗るのは大丈夫だけど、逆は大変なことになるから。
それで『デリケアM’s』を購入して頂いたんだけど、お客様が帰った後になって、タムシと湿疹の見分け方を教えるのを忘れたことに気がついた。
なんたるマヌケ……。
ごめんなさい(´・ω・`)
一概には言えないけど、患部と健康な肌の境目がグラデーション状に一塊になっているのが湿疹で、患部と健康な肌の境目がキッチリ分かれてるのがタムシです。
『ユンケル黄帝液DCF』を購入されるお客様から、寝る前に飲んだ方が良いか尋ねられた。
一般的に、ノンカフェインだから夜に飲んでも大丈夫だと思われてるし、メーカーもそう宣伝してるけど、実際には肝臓が代謝処理をするため、寝る直前だと眠りが浅くなる可能性がある。
この辺は、アルコールなんかと同じように考えたほうが無難。
なので、普通の食事がそうであるように、寝る1~2時間前までに飲むのが理想で、そうでなければ朝起きてから飲むようにとお話した。
そしてお客様は、お風呂に入らずにシャワーで済ませてしまうと話されていたため、足を温めることが重要だから、せめて脹脛(ふくらはぎ)に重点的に浴びるよう勧めた。
まぁ、やっぱり理想はお風呂に入って、下半身を内蔵から足まで温めるのが理想ですが。
やや高齢のお客様から、『正露丸』の大幸薬品とイヅミの違いを尋ねられた。
そもそもの『正露丸』は、いわば消毒薬で汚染物による吐き下しに効果を発揮する。
だから、戦争で重宝されたし、虫歯の時に歯に詰めると一時的に進行を遅らせる。
ただ、メーカーによって微妙に処方が違い、イヅミのには止瀉作用(下痢止め)の一つアセンヤクが入っていない。
とはいえ、ロートエキスが同じ効果があるから、不要と考えることもできる。
お客様にそう説明すると、大幸薬品の方を購入された。
ちなみに、同じ大幸薬品の『正露丸』は、通常のと糖衣錠とでも処方が違う。
単純に匂いが嫌だからと糖衣錠を選んでる人は、ご注意あれ。
何が違うかというと、通常の方には患部の炎症を抑えるカンゾウとチンピが入っていて、糖衣錠の方には代わりに腸の運動を助けるゲンノショウコと健胃作用のあるオウバクが加えられている。
つまり、通常の方は腸内の殺菌をして炎症を抑えるので急性症状に効果を発揮し、糖衣錠の方は予防的に働くのではないかと考えられるという訳。
そういう意味では、通常版と糖衣錠は両方備えておくという運用方法もあるのかも。