「心配病」というのも心配です

 お客様から、『せっけんハミガキ』の問い合わせを受けた。
 不勉強なもので、そういう物があるのを知らなかったσ(^◇^;)。
 
 調べてみると、うちのお店では入荷ルートが無い。
 そう説明したうえで理由を尋ねてみると、7歳の子供のアレルギーを心配してとのこと。
 ただ、アレルゲンの検査をしたことは無いという。
 小児喘息にアレルギー鼻炎とアトピー性皮膚炎を患った身としては、それは心配してるんだかしてないんだか、と思わなくはない。
 まぁ、私が猫アレルギーと判明してからも猫を飼っていた、うちの親もどうかと思いますがω(=^・ω・^=)ω
 『せっけんハミガキ』の成分を調べてみたら、炭酸カルシウムとシリカに、湿潤剤としてソルビトールが添加されている模様。
 要するに、「界面活性剤じゃない」洗浄剤で「防腐剤が入っていない」のが売りらしい。
 でも、アレルギーという点で考えたら、これも気をつけないければならない事には変わり無さそう。
 それに、商品説明に「無添加」って書いてあるけど、原材料は単独でそれぞれ「添加物」として使われる物ばかり。
 メーカーの言う「無添加」と、ネットで散見される無添加至上主義者の言う「無添加」は別物なんだろうか?
 お客様には、重曹での歯磨きを提案してみた。
 すると、重曹は掃除に使うイメージから心配された。
 いえいえ、重曹は料理に使うベーキングパウダーの主成分ですよ。
 ただ、重曹の研磨作用は掃除に使うくらい強力でもあるから、毎日はやめた方が良く、週に一回程度で充分とされている。
 

Screenshot of kireinasekai.com
 
 じゃあ虫歯を防ぐための毎日の歯磨きはどうするかというと、食事の前の歯磨きがお勧め。
 これは歯科衛生士さんに教えてもらった方法で、歯ブラシを塩水で濡らして、食事の前に歯を磨く。
 そもそも虫歯になるのは、原因菌が食べ物のカスを栄養とし、酸で歯を溶かしてしまうからなので、食事をする前に原因菌を洗い流してしまえば、食後に食べカスが残っていても、虫歯になりにくいという訳。
 食前の歯磨きで虫歯菌を洗い流しておいて、食後に食べカスだけ取り除く歯磨きという二段構えなら、歯磨き粉を使う必要は無いと考えられるそうだ。
 そんなお話をして、肝心のアレルギーの症状についてのお話も訊いてみたところ、首筋や両手に発疹ができるとのことだった。
 ただ、何に反応しているのか、どういう条件付けで発症するのかは、やはり分からないという。
 内服薬として『十味敗毒湯』を案内し、近くの漢方薬に詳しい病院を紹介してみた。
 

 やや高齢のお客様から、栄養補給のために『肝油ドロップ』はどうかと質問された。
 肝油ドロップについては日記で何度か書いてるけど、子供には不要だというのが私の考え。
 

Screenshot of www.kitazono.jp

 でも加齢で食欲が細くなってきて、野菜不足や魚介類を食べることが少ない場合には有益と考えられることをお話した。
 ボケ防止に『DHA』はどうかとも質問され、これも同様に答えた。
 ちょっと芸が無かったかもしれない。
 いや、芸は必要無いんだけど。
 ところがそこで、病院に通院していて、カルシウム・ビタミンB12・ビタミンEを処方されており、そことは別な病院で『当帰湯』が不眠に処方されていると分かった。
 『当帰湯』は本来、胸痛や胸背痛とか肋間神経痛などに使われるはずなんだけど、血行不良の改善を狙ってるのかな?
 そんな疑問を持ったんだけど、それ以上に問題なのが、それぞれの担当医には処方されている物について知らせていないという。
 うへぇ、そんな状況でドラッグストアーに肝油ドロップやサプリメントを買いに来られても困ります(^_^;)
 しかも、漢方薬の方の担当医は石原結實先生だそうな。
 それが本当なら、石原先生を頼らないのはモッタイナイ話じゃないですか……。
 どうしても何か買っていきたいらしく、『DHA・EPA』のサプリメントを売ってしまったけど、それぞれの担当医には、ちゃんと報告して下さいね(;´Д`)ノ~
Screenshot of www.ishihara-yumi.com

 ご主人に湿疹の薬を頼まれたというお客様が来店され、症状を尋ねると、頬に赤味と痒みがあり、『ラナケインS』を使っていたとのこと。
 ステロイド剤じゃないから顔に塗るのは問題無いし、局所麻酔成分が入っているから痒みを抑えるのにも適しているのは確か。
 発症も、しょっちゅうという訳では無いそうなので、同じく『ラナケインS』でも構わないとも考えられる。
 でも、皮膚疾患は薬を変えて経過観察をすることで、より適する物を探すということも考えられる。
 もちろん、それで劇的に改善するケースもあれば、悪化させてしまうケースもあるから、気軽に勧められる話ではないんだけど。
 なにより、発症する時のキッカケは分からないというし。
 でも、同じ場所に繰り返し現れるというのも気になる。
 お客様にはリスクの話もしたうえで、別な角度から検証するために副腎皮質ホルモンの『ロコイダンクリーム』を使ってみることを提案して、試していただく事になった。
 そして、発症した時や、症状か軽くなる時に、気温や体調、食べた物などをメモして、病院を受診するよう勧めた。
 本人が来店していない時に、こういう実験的な手法は避けたいところなんだけど。
 ドラッグストアーに薬を買いに来る人の多くは頼まれ物で、頼んだ方は毎回同じ物を使うことに疑問も思っていなかったりするから、そうなると別な薬を試してみることも、病院を受診してみることも、家族の人から伝えてもらうしか方法が無い。
 仕事のスケジュールとか、いろいろと事情はあるだろうけど、できるだけ本人の来店をお待ちしていますm(_ _)m
 

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