疲れ目の目薬を求めて来店したお客様に例によって、価格と効き目に必ずしも関係性が無いことを説明し、これまた例によってスマホの見過ぎというお話があったため、まずは『ロートデジアイ』と『サンテPC』を案内した。
それと、体の内側からも症状を緩和することを提案し、『Q&P iPLUS』を紹介したところ、『ロートデジアイ』と一緒に購入してもらえた。
お客様は赤ん坊連れで、実行するのは難しいかなと思ったけど、養生としてお風呂に長く入浴して下半身を温めるよう勧めた。
やはり、それは難しいようだったため、熱いお湯に浸したタオルを閉じた目に当てて眼の周囲の血行を助ける方法を提案し、『めぐりズム蒸気でホットアイマスク』シリーズを紹介しておいた。
私としては商売関係無く案内したつもりだけど、こういうのも「売り込み」と思われちゃうかな?
成人の息子さんが風邪をひいたとのことで、お客様が来店した。
発症したのは今日で、直近に計った体温が38.5度だったということの他には、目立った症状は無いというお話。
明後日から出張の予定と聞いたので、出ていない症状に対応する余計な成分での疲労を避けるために、発熱に特化した『ルルアタックFX』を勧めた。
ところが、当初は発熱以外に症状は無いというお話だったのが、すでに食欲が落ちていると分かった。
ありゃん(;´・ω・)
答えを急ぎすぎたか。
ヒアリング不足でした。
そういう事でしたら、出張も控えていることですし、変則ですが風邪の後期に用いる『柴胡桂枝湯』を併用してみましょうと提案し、両方をお買い上げ頂いた。
そうそう、『柴胡桂枝湯』は名前が効能を表していて、柴胡が肝臓を助け、桂枝が胃を助けます。
風邪でダメージを受けるのは、ウイルスが直接進入する胃と、体の代謝機能を司る肝臓なので、ここを下支えすることで風邪と戦う戦闘力を上げます。
というお話を、本人にも伝えてください。
風邪を治すのには、思い込みも必要なので(・∀・)
『のどスプレー』を求めて来店したお客様に、患部の炎症を抑える物としてアズレン系を勧めつつ、詳しく症状を尋ねると発症したのは昨日からで、喉の奥が痛むという。
喉の奥が痛むのって、実のところ判断が難しいんだよねぇ。
患者さんやその家族の中には風邪と決めつけてしまう人が少なくないけど、ウイルスの侵入による炎症もあれば、花粉症などのように異物に対するアレルギー反応もあるし、体内の乾燥を痛みと感じることもあり、自覚の無い胃炎や逆流性食道炎が喉の痛みに繋がっている事もある。
それらは店頭で診断できるものではないし、また登録販売者や薬剤師にも法的に診断することは認められていない。
だから、症状や環境などをヒアリングし、起きていることの可能性を患者さんに提示して、適応する薬の候補を挙げながら、最終的には患者さんか家族といった購入者に決定してもらわなければならない。
つまりそのためには、自分の思い込みだけで決めつけてしまうお客様では困るし、こちらの勧める物にハイハイと従うだけのお客様でも困る。
酷なようではあるけれど、自分の体を治すのは自分だということを自覚して、自分で自分に責任を持ってもらえないと、規制緩和で手軽に薬を買えるようになったことに意味が無くなってしまう。
病気を治すのは、いわば患者さんと医療関係者の共同作業なわけで、それをほとんど初顔合わせでやらなければならないのだから、手軽さに反して難しいということをもっと多くの人に知ってもらいたい。
例えば、何か料理を作るために材料を買う時に、予め調理方法を知っているのでなければ、レシピを全く調べないということは無いだろう。
スーパーの店頭で店員に調理の仕方を尋ねるというのはあまりしないと思うけど、それは自分でネットや本で調べたり、詳しい人に聞くからのはず。
ところが薬を買う人の多くはパッケージを眺めはしても、その成分がそれぞれどういう目的で配合されているのかとかは調べない。
これはおそらくパッケージ化されているから、レトルト食品を買う感覚に近いのだろうと思う。
もうそれで完成品だから、自分で手を加えるとか使い方を考える必要が無い。
確かに、「薬は用法用量を守る」のが重要ではあるのだけれど、実のところ使用の際には「食後30分以内に」とか「1日3回」を守っているとは言い難いのではないか。
でもそれは、要するに「どうして食後30分以内になっているのか」とか「なんで1日3回なのか」については調べないし、考えないからというのと同じ。
レトルト食品を温める際に、「500Wで××分」とか「熱湯で○○分」と指定されている根拠を考えないのと似ているかもしれない。
でも、「ちょっと冷めててもいいや」とか「加熱しすぎて少しくらい不味くなっても構わない」と同レベルに、自分の体のことを考えてるのだとしたら、やっぱり変だ。
だって、苦しいのは自分、あるいは家族、もしくは友人知人なのだから。
市販の薬は、パッケージ化されたレトルト食品と同じように見えるかもしれない。
でも、薬は食べ物じゃない。
薬はどちらかと言うと、道具に近い物なんである。
何かの道具を使いこなすには、知識が必要で、反復練習も欠かせない。
だけど、病気になることは趣味には成り得ないし、当然ながら実益も無い。
積極的に調べるには「怖い」以外の動機は考えにくく、好きでもないことを調べるのはやはり苦痛だろうし、練習なんかしようがない。
となれば、詳しい人に補助してもらうのが、どんな分野でも当たり前だと思うのだけど、どうか?
……と、長々と引っ張ってきたのは、今回のお客様に『駆風解毒湯』と『ペラックT』を案内したところ、実は血痰が出て、血の色が鮮やかじゃないという話をされたことに衝撃を受けたから。
いや、私の考え過ぎなのかもしれないんですが。
吐血する場合や、血便が出る場合、血の色が鮮やかなら比較的出入口に近い部分の傷からの出血なので心配が少ないものの、色が赤黒かったりすると奥の方で出血しているケースが疑われ、外科的な治療が必要となる可能性さえある。
もっとも、血痰自体は気管支炎や花粉症でも起きるため大袈裟に考える必要は無いとは云えるけど、重大な病気に気づく手掛かりにもなるから油断はできない。
近年では患者数が減り、死の病ではなくなったとはいえ発症すれば隔離が必要な、結核という事だってありえる。
少なくとも、『のどスプレー』で対処しようと考えるほど軽い症状ではないため、病院の受診を勧めた。
まぁ、さすがにここまで患者さんを脅すような言い方はせずに、どこか傷ついているかもしれず、悪化すると治るのに時間が掛かるから、むしろ早めに回復するためにとお話して、お客様も納得した様子で帰られた。
でも、言いたいことが溜まってしまったので吐き出した次第σ(^◇^;)。