鉄剤を求めて来店したお客様に、ひとまず『ファイチ』を案内。
目眩(めまい)や貧血の相談でいらっしゃるお客様は、例外無く「鉄不足」と考えているので。
しかし実際には、内耳機能の異常や水分代謝の異常など多くの原因があり、それぞれに対処は変わる。
それでも、お話を聞いてもらえるようにするには、最初にお客様のリクエストに応えておかなければならない。
本質的には、人間嫌いで引き篭もり体質の私には、このプロセスだけで重労働なんですが……。
言い訳は駄目ですか、そうですか(;´・ω・)
今回のお客様の主訴は目眩で、病院での診断の有無を尋ねたところ、ヘモグロビンの不足は指摘されたものの、特に治療の必要性や養生についての話などは無かったという。
担当医に尋ねても答えてもらえなかったのか、その辺の事情は不明。
初対面のお客様の場合は、どこまで踏み込んで良いのかの見極めが難しい。
目眩は大きく分けて、起立時に目の前が暗転して落ちるような立ち眩みの目眩と、天井が回っているような回転性の目眩と、雲の上を歩いているような浮遊性の目眩の三種類。
このうち危険なのが、浮遊性の目眩とされていて、脳梗塞や脳内出血が疑われる。
今回の場合は、回転性の目眩だそうで、水分代謝の異常やメニエール病の可能性があり、『苓桂朮甘湯』も候補になることを伝えたうえで、『ファイチ』をお買い上げ頂いた。
ヘモグロビンの不足があるのなら、まったく外れているという事もあるまい。
ただ、やはり水分代謝の異常も気がかり。
梅雨に差し掛かる時期は、特に湿気と関わりがあるので。
やや高齢のお客様から、目眩の相談を受けた。
やはり季節と関係あるためか、1人の患者さんが来ると同様の症状の患者さんが続いたりする。
今回のお客様は、若い頃に回転性の目眩を患ったことがあるそうで、最初に『苓桂朮甘湯』を案内してみた。
しかし、現在の症状を確認してみると、回転性の目眩ではあるものの、梅雨雨時と秋口になるというお話から余分な湿が体内に溜まっていると思われ、同じ水分代謝の異常の改善でも、体内を昇ってくる水分を抑える『苓桂朮甘湯』よりも、偏った水分を廻す『五苓散』の方を勧めて、試して頂くことにした。
水分代謝の異常を改善する漢方薬でも、降ろす物や、廻す物、排出する物とで使い分けがあるため、結構難しい。
後でまた復習しておかないと、梅雨時と暑気あたり対策に困るかも。
やや高齢のお客様が、『柴胡加竜骨牡蛎湯』と『桂枝加竜骨牡蛎湯』を見比べて、違いを質問してきた。
どちらも神経性の不眠に用いるが、柴胡は肝臓に働きかけることでイライラしたりして寝付くまで時間が掛かる場合に神経を沈静化させて、桂枝は胃に働きかけることで色々と起きてもいないことを思い悩んだりして眠りが浅い人に適応することを説明した。
お客様の体格はガッシリタイプで、教科書通りなら『柴胡加竜骨牡蛎湯』というところなれど、声は体格に反して弱々しく、睡眠時もウツラウツラしているという話から、『桂枝加竜骨牡蛎湯』をファーストチョイスに選んで購入して頂いた。