かかりつけ医を探すのは結婚相手を探すが如し

 お客様が、自身には『ユンケル黄帝液』を、中学生の娘さんに『リポビタンJr.』を購入されたんだけど、後者は以前に私が勧めたらしい。
 ありゃん、覚えていないσ(^◇^;)。
 世間話で、最近では医者不信だそうで、理由は型通りの診察しかしてもらえないからとのこと。
 う~ん、気持ちは分かる一方で、実際にそこまでの人数の医師に逢っているかというと、まだまだなのではないでしょうか。
 医師に限った話ではないけど、どんな職業の人でも結局は「人と人との出逢い」だから、どんどん逢っていって「自分と相性の合う医師」を探すしか無いのではないかと。
 ヒアリングの上手い医師が知識が豊富とは限らず、知識が豊富でも治療技術が高いとは限らず、治療の上手い医師が性格が良いとは限らない。
 完璧超人な医師がいない以上、どんな医師を自分は求めるのかというイメージは必要で、理想の医師に出逢うのは難しい訳ですが、逢いに行かなければ出逢えない。
 なにやら、結婚相手を探すみたいですな(〃▽〃)
 あっ、それと、これも医師に限らず特定の職業においても、それぞれに得手不得手があるから、「かかりつけ医」として1人だけに頼るのではなく、複数の候補を持っておくのも大事。
 なにやら、愛人を探すみたいですな(o ̄∇ ̄)o
 いや真面目な話、医師によっては自分の出身大学や出身病院の別な医師を紹介してくれる事があるので、自分のほうから壁を作って医師とのコミュニケーションを柔軟にしないのは損になると思った方が良い。
 ネットが普及する以前から、医師との対立を煽るかのような本やテレビ番組なんかがあったけど、ブログやSNSなんかでも強く医師の治療を拒否するよう促してるのを見かけるにつけ、どうして「医師との付き合い方」を指南するモノが無いのか不思議に思う。
 そういえば、某テレビ番組じゃ『セカンドオピニオン』を、担当医を信頼できない時には医師を乗り換えるのが良いみたいなニュアンスで伝えていたなぁ。
 いや、それはそれで良いと思うんだけど、『セカンドオピニオン』ってのは診断されたデータを携えて、別な医師の見解を得ることで診断の精度を上げるのが目的で、担当医と敵対するためではない。
 だから、単純に患者が医師を乗り換えて複数の医師の診断を受けるのは、『セカンドオピニオン』とは言わない。
 韓国のMERS騒動で病院を転々としていたのが感染を拡大させたと問題になったけど、あれなどは次に訪れた病院に前に別な病院に行ったことを告げず、前の病院でどんな診断をされたかも知らせていなかったから。
 それでは、医療機関の連携もへったくれもない。
 癌で亡くなった今井 雅之さんとは一度しか仕事をしたこと無いけど、作家として演出家として俳優として実直で真面目であったのは間違い無いものの、それゆえに周囲との軋轢をものともしない人だった。
 また、ステーブ・ジョブズと同じく民間療法を信じていたらしく、あの強烈な個性からすると医師とのコミュニケーションを上手く取れないままに乗り換えてたんじゃないかと想像する。
 でもって政府が推進するセルフメディケーションは、医療機関に掛かるのを少なくすることで医療費を削減しようというものではあるが、そのためには患者一人一人が勉強しなければならない。
 でも、それは無理でしょというのが私の考え。
 政府の試算でも、医療費の負担が増えている大部分は、処方されていながら余った薬のことを担当医に報告しない残薬や、薬が不要でも診察のついでとばかりに処方を頼む薬の方だから、薬の削減を目指しつつ、やはり医療的なアドバイスは医師から受けたほうが良いだろう。
 つまり、病院には気軽に出向いて相談し、「薬を出しときますね」と医師から言われたら、本当に必要なのかをその場で質問して、薬を使わないで養生できるならそうするという選択をするのだ。
 そうすることで、医師任せではなく自分もまた治療に参加するという意識が出来るのではないかと。
 そのためには、とにかく多くの医師に逢っておかないとならない訳で、どうせなら近所の病院を全制覇してから医師不信になっても遅くはないのではないでしょうか(・o・)ノ
 一部を省きつつ(説教臭くなるからね)、そんな話をお客様としていたら、娘さんが受験のストレスのためか手の皮を剥ぐ癖があると相談されたため、『半夏厚朴湯』『柴胡加竜骨牡蛎湯』を紹介した。
 特にストレスの影響は、季節ごとに躯躰の違う部位に現れ、症状も違ったりするため、手の皮を剥ぐとか、寝付きが悪くなるとか特徴的なことが起きたらメモをするよう提案した。

 受験勉強中の高校生の息子さんの疲労にと、お客様が栄養ドリンクを求めて来店された。
 タウリン系より、生薬の入っている『リポビタンJr.』を勧めた。
 ああ、やっぱり勧めてるのは私なのか(笑)
 タウリン系の栄養剤は、「終われば休むだけ」というラストスパートに使うほうが向いていて、まだ先が長いとか、これから始めようという時には生薬系の栄養剤の方が向いている。
 というのも、生薬系は躯躰に取り込んでから分割して消費されるけど、タウリン系は起爆剤みたいなもので、その時に消費して終わってしまうから。
 もし毎日のように安いタウリン系を1日1本飲んでいるのなら、3日に一度でも高額な生薬系を飲んだほうが体への負担を考えても予算面でも良いだろう。
 そう毎日、小さな爆発を起こして元気づけていたら、どこかで倒れることになります(・_・)ノ
 そんなお話をして『リポビタンJr.』を購入していただいたものの、本人は眠くならないサプリを友人から教わったそうで探しているらしく、それについても尋ねられた。
 なんだろう?
 単純に、『強強打破』とかの類だろうか?
 勉強を始めると眠くなるというから、ストレスによって血管が収縮して脳が酸素不足になるせいのように思われる。
 そうであれば、『半夏厚朴湯』でリラックスするのが良いので紹介してみた。
 できれば、ご本人を寄越して下さいな。

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