小学生の子供の日焼けの相談で、お客様が来店。
学校のプールで日焼けしたのが昨日、そして今日になって背中が真っ赤になり、痛痒さを訴えているという。
昔は、プールの周囲には日除けの木が植えてあったりしたもんだけど、いつの頃からか不審者が身を隠しやすく防犯上好ましくないという声が出て無くなってしまったんだよなぁ。(蜂の巣ができるという話もあった)
児童公園なんかの木々も抜かれて、今頃になって日除けが公園に無いことが問題になったりしてる。
似たような件だと、地元の住宅街を縦横に流れている幅2メートルほどの用水路を、子供が転落すると危ないからという理由で上を覆い地下水路化しようなんて話が出たことも。
でも、大規模火災が起きた時に延焼を食い止めるのに必要という意見が出て、実施されずに済んだ。
目の前の危険性にしか考えが及ばず、長期的かつ多角的な視野を持たないくせに声が大きい人がいると迷惑ですな。
……話が逸れた。
お客様は、『シー・ブリーズ』のような日焼けローションを考えていたみたいだけど、日焼けはヤケドと同じことを説明し、痛痒さが治まるまでは「日焼けケア」ではなく、「ヤケドの治療」をしましょうと勧めた。
まず塗る物として『桃の葉ローション』と、内服薬として『黄連解毒湯』を紹介。
すると、化粧品の『カーマインローション』について質問された。
主成分の酸化亜鉛に鎮痛効果があるとはいえ、『桃の葉ローション』に含まれるグリチルリチン酸二カリウムの方が炎症を抑えるだろうし、アライトンの皮膚修復作用の方が治療効果を期待できるはずである。
そして、漢方薬は長く飲まないと効果が無いのではと心配されたけど、効能に「口内炎」とあるように、急性症状に効かなければ意味が無い。
頓服的に使うか、正気的な服用が必要になるかは、使用目標によって変わることを説明した。
それこそ日差しの強い日には、特別お腹が弱くなければ、持ち歩いて服用するという運用の仕方もある。
という訳で、『桃の葉ローション』と『黄連解毒湯』をお買い上げ頂いた。
常連のお客様が訪れ、病院で担当医に『八味地黄丸』が頻尿に効いた気がしないと相談したところ、過活動膀胱に用いる現代薬に切り替わったと知らされた。
私も、以前にお客様の話を聞いて過活動膀胱ではないかと考え、お客様に可能性をお話した時には、「それはないんじゃないかと思う」と言われたんだけどね。
まぁ、私たちには病気を診断する職権は無いから。
それでも、ただ「担当医に相談してみては?」と言うだけでは、お客様からしたら「何を伝えたら良いか」「何を質問したら良いか」が分からないという事もある訳で。
だから、時には「この病気の可能性を尋ねてみては?」とか「この薬を使えるか相談してみては?」と、具体的な提案をしてみる事がある。
それを受けて、担当医がどういうリアクションを取るかは読めないんだけど。
この辺は、現役の医師からの話も聞きたいところ。
医師と薬剤師と登録販売者に限らず、同じ医療業界とは思えないくらい繋がりが薄いと感じる。
とてもじゃないけど、医療業界が結託して陰謀を張り巡らせるなんて無理。
………また話が逸れちゃった。
このお客様は以前から手足の冷えを強く感じるとも訴えているので、一緒に処方されているという『当帰芍薬散』ではなく『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を担当医に相談してみるよう伝えており、実際に相談してみたところ「使ったことがないから」と断られたそうな。
ううむ、慎重な医師なのか?
お客様の話では、自身でも「漢方薬に詳しくない」と言ってるらしんだけど。
効能書きだけ見ると、やたらと体を温めるような内容で、お客様は痩せ型だからその点を心配してるんだろうか。
血流を改善することでストレスを軽減し、水分代謝を整えつつ体を温める『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』は、『当帰芍薬散』が合いそうでいながら、効果が今ひとつという時に使う「最後の一手」とでも云うべき物。
職分を越えて意見もできないし、困ったねどうも。
お客様が、もう一度相談してみたいというので、私が参考にしている漢方薬の書籍から解説部分を書き写したメモを渡した。
その医師が、自分で漢方薬に詳しい医師に問い合わせてくれると良いんだけどなぁ。
医師の間にも、そういうコミュニティーはあるだろうし。