ご夫婦で来店し、奥さんの咳が止まらず、いつもは『アネトン』を使っているというお話だった。
夜中に特に咳き込むというから、肺に熱が篭るタイプの咳向けに患部を冷やす『五虎湯』を紹介してみたけど、詳しく訊いてみると普段から咳が出やすく、風邪をひくと咳だけが残るというため『麦門冬湯』を勧めると、お買い上げ頂いた。
風邪をひいて必ず咳になるというのは胃をやられやすい可能性があることを説明し、風邪をひいたと思ったら早い段階で消化に良い食事にして量を控えるよう伝えた。
成人の娘さんがヤケドしたとのとこで、お客様から『メモA』と『アロエ軟膏』のどちらが良いかを尋ねられたけど、よくよく訊いたら、すでに3日以上過ぎていて水疱も潰れた後だそう。
それでしたら、局所麻酔成分が入っていて痛みを緩和する『メモA』は出番を逃しているので、『アロエ軟膏』でケアするだけで良いでしょうとお話した。
匂いとベタつきと衣服への色移りが嫌でなければ、『紫雲膏』を勧めたいところですが。
色移りは、ガーゼを当てれば防げるし。
他の対処法としては、水疱が破れているから感染を防ぐために抗生物質の『クロマイP軟膏』を使うとか、塗り薬を使わずに湿潤療法で『キズパワーパッド』を使うという方法もある。
一応は一通り提案し、本日のところは『アロエ軟膏』を購入された。
勢い良く飛び込んできたお客様は、非常にハキハキとした物言いの人だった。
主訴は咳だというので、咳の状態や激しくなる時の状況などを尋ねると、「~です」とキッパリと断言される一方、細かなニュアンスを説明するのが苦手なのか面倒なのか、ヒアリングが難しかった。
高校時代の友人にいた、「今日は暑いねぇ」と言うと、「夏だからな」と一言で返されて会話が続かない感じ。
寝る前に咳が集中するなら『五虎湯』か『麻杏甘石湯』が候補だけど、静かにしていても出るというから『麦門冬湯』を案内したものの反応が鈍く、現代薬を望んでいるように思われたため、痰の有無を確認したうえで、痰が絡む場合に用いる『ブロン錠エース』を勧めて、お買い上げ頂いた。