「駄目」とは言えないけど

 『エスカップ』の10本入りを購入されたお客様から、他のタウリン系ドリンクとの違いを質問され、内容としては大きく違わないので、単純に価格で選んでも構わないことを伝えた。
 ただ、タウリン自体は体内でも少なからず生成され、海産物を極端に避けていることが無ければ食事で摂取できる。
 しかも、疲労回復に効くかのように誤解されているが、実のところ証明はされていない。
 効果として、肝臓の代謝機能を補助するため、疲労するとダメージを受けやすい肝臓の働きを助けるなら疲労にも効果があるのではと考えられているに過ぎない。
 むしろタウリンの効果で考えるのなら、「細胞を正常状態に保つ作用(ホメオスタシス)」があるとされているので、細胞膜を安定させるという意味では、疲労を抑えると云えるだろう。(回復ではなく)
 そしてタウリンは、極めて副作用が少ないとされている。
 良いことのように思えるけど、それはつまり効かないというのと同義でもある。
 そのうえ、水溶性のため過剰に摂取しても排泄されてしまう。(だから安心でもある)
 なにより、タウリン系を元気が出る気がするのは、無水カフェインによる覚醒作用と、添加されているアルコールによる血管拡張に体がビックリして、糖類で脳が満足感を得られるからではないかと推測される。
 以上のことを勘案すると、疲労困憊になった時というのは血圧が乱高下しやすく、それがまた体に負担を掛けてしまうため、最後のラストスパート、コレさえ乗り切れば後はバタンキューでオッケーという状況で摂取するのが適しているだろう。
 だから、もしタウリン系を安いからと毎日飲むのであれば、3日に1回とか週に1回とかで体の土台作りに関わる生薬系を摂取するほうが、費用対効果の面で良いのではないかと思われます。
 というようなお話をしてみたら、欲しがってるのは旦那さんだとのこと。
 お酒を呑む人なら、オツマミにカキフライやアサリの佃煮なんかで良いんじゃないですかね。
 お酒が進んじゃうから、駄目か(笑)

 『ネオレバルミン』を眺めてるお客様がいらしたので声を掛けてみたら、以前に疲労の相談を受けて、近所の漢方薬に詳しい病院を紹介したお客様だった。
 まだ行っていないそうで、近々行く予定と言ってはいるけれど、果たしてどうか。
 まぁ、それはともかく、『ヘパリーゼ』を飲むと胃の調子が良くなると感じるそうで、反対に『ガスター』を飲むと余計に胃が苦しくなるという。
 それは、興味深いですな。
 確かに、『ガスター』を連用している人が、服用するのをやめたら胃痛が解消したという話を聞いたことがある。
 胃酸の過剰な分泌を抑えるから、それが行き過ぎて胃の働きを悪くしていたと思われる。
 なんにしても、薬は強さより相性という事があるので、効能だけでは適応を判断できないことを伝えた。
 また、腰の後ろが痛むことを薬剤師さんに相談したら、肝臓か悪いのではないかと言われたそうな。
 肝臓自体に痛みを感じる神経は無いものの、周囲の神経が肝臓の調子の悪さを痛みとして教えているというのは考えられる。
 腰痛だと思っていたら癌だったというのは、肝臓がんの患者さんにありがちな手遅れのケースだ。
 こんなこと言ったら、患者さんかを怖がらせちゃうから店頭では不用意に言えませんが。
 ああっ、それで『ネオレバルミン』を見ていたんですね。
 ただ、睡眠の話も出て、寝付きが悪くて、眠っている間もウトウトしているそう。
 寝付きが悪いのは肝臓で、悪夢を見がちだったり中途覚醒をするのは腎臓で、眠りが浅いのは胃が関係するから、肝臓と胃の両方を助ける『柴胡桂枝湯』を使ってみると良いかもしれません。
 でも、例の漢方薬に詳しい病院に行くのであれば、処方してもらえるかもとお話して、本日のところはお買い上げは無し。
 と思ったら、それじゃ悪いからと『柿の葉茶』を購入された。
 えっ、あー、どうだろう……。
 皮膚や軟骨の原料になるコラーゲンの合成に深く関与しているしているビタミンCが豊富で、しかも熱で壊れにくいのが特徴の『柿の葉茶』だけど、胃酸の出を抑えちゃうからなぁ。
 そのうえ鉄分の吸収を阻害するため、人によっては貧血のような症状を起こすこともある。
 不思議な事に、柿の実はお腹を弛くして便通の効果があるのに、『柿の葉茶』は下痢止めとして働くんだよねぇ。
 そのうえ抗菌効果があるから、虫歯や風の予防になる。
 ちょっとこのタイミングで、良い点悪い点をお話する雰囲気でもないので、一日に1~2杯にして飲み過ぎないように気をつけてくださいとしか言えなかった。
 それだって、余計なことだったかもε-(´・_・`)ハァ……

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