娘さんから点鼻薬の『スットノーズ』を頼まれたというお客様、でもαなのかZなのかまでは聞いておらず、症状も鼻水なのか鼻づまりなのか分からないそうな。
子供のお菓子を買ってやるんじゃないから、その辺は確かめてきてくださいな。
その昔、『機動戦士ガンダム』のガンプラを頼まれたのに、『機動戦隊ガンガル』を買って帰り子供に泣かれるという悲劇もあったそうですしヽ( ´ー`)ノ
『スットノーズα』をお買い上げ頂くことになり、鼻水と鼻づまりどちらの症状にせよ、積極的に温かい物を飲んだりお風呂に入ったりするよう勧めたら、娘さんは冷え性とのこと。
そして、寝る時に靴下を履いてるようだというので、それも控えるようお話した。
人間の体というのは容易にサボりがちだから、寝るときにまで靴下を履いてしまうと、「自分で温めなくてもイイんだ」と学習してしまい、ますます冷え性になってしまう。
でも、確かに足を温めるほうが眠りの質が良くなるため、お勧めはアンカや湯たんぽを使う方法である。
アンカなら熱く感じれば蹴り出したり、湯たんぽなら目覚める頃には冷めていて、体のサボり癖を防げるので。
皮膚の痒みの相談で、お客様が来店。
病院からはアレルギー用の目薬が処方されていて、その目薬が喉に落ちてきたのを飲んでから発症した気がするというお話。
薬疹というのはありえるものの、そうであれば使った薬の情報が無ければ判断のしようも無い。
しかし、お薬手帳も現物も持ってきていないという。
ふむぅ、アレルギーの種類や傾向も知りたいところ。
使っている薬が分かれば、推理もできるんだけどなぁ。
皮膚の痒みの方はというと、患部を掻き過ぎて体液が滲んでいるというお話だから、ステロイド剤を提案すると、即座に嫌と強く拒否された。
以前にステロイド剤が処方されて使ったことはあるらしいのだけれど、それで何か問題が起きたのかというとそう事実は無く、ただステロイド剤は良くないという話を人から聞いた模様。
しかも、ステロイド剤は大きく分けると「最も強力(Strongest)」「かなり強力(Very strong)」「強力(Strong)」「中程度(Medium)」「弱い(Weak)」と5段階あるんだけど、その事は知らなかった。
そのうち市販薬では、どんなに強くても「強力(Strong)」までしか無い。
ステロイドの風評の弊害のほうが、問題なんじゃないかと思う。
強い痒みを我慢して我慢しきれず、患部を掻き崩するということは、細菌感染を招く危険性だってあるんだから。
確かに長期連用は避けなければならないが、痒みが強い一時的に用いて、弱まったら使用する薬も乗り換えるという運用をすれば良い。
この辺りは風邪薬なんかもそうだけど、一つの薬で最初から最後まで賄おうという考え方から改めないと、「薬は怖い」とか何が何でも「薬は駄目」という風説が独り歩きして、本当に必要な人や場面で使われず症状を悪化させてしまうことになりかねない。
それはともかく、段階があることを説明し、一番弱い部類の『ロコイダンクリーム』を案内すると、今度は「知らない薬は嫌」と拒否されてしまった。
ええん(^_^;)?
『ロコイダン』自体は市販品では決して無名ではないし、それでは使ったことの無い薬は、ほとんど「知らない薬」じゃないのかと。
同じ棚に並んでいた『クロマイP軟膏』に興味を持たれたのは、名前を知ってるからなのか。
でも、ステロイド剤として弱いのは良いとしても、患部が化膿している訳でなければ抗生物質は不要だと考えられることを説明した。
すると今度は、肌が弱いから「強いのは嫌」と言われた。
これも多くの人が勘違いしていることで、敏感肌とかアレルギー体質といっても、何が反応するかは最終的には相性で決まるため、薬の効果としての強弱はあまり関係無い。
アトピー性皮膚炎の私なんかは、化繊だろうが天然素材だろうが、初めて肌に触れると大抵は痒くなってしまう。
それこそ、衣替えの季節になって白衣を半袖から長袖に変えてから数日は、今まで袖が掛かっていなかった腕の部分が痒くなった(ノД`)
なので、衣替えの季節には『十味敗毒湯』が手放せない私。
お客様にも薬の強弱とは直接的に関係無いことをお話したうえで、弱い物を希望しているため『ムヒ・ベビー』を案内すると、虫刺されの『ムヒS』と同じ物と勘違いされたのか、「ムヒはしみるから嫌」と拒否された。
………もう、どうして良いのか分らない。
そこへ他のお客様がレジにお会計にみえると、「お薬手帳を持ってくる!」と言って帰っていかれた。
ああ、怒らせてしまったか。
あれは、来ないパターンだ。
後で振り返ると、抗生物質は不要だけど『クロマイP軟膏』を売っておけば良かったか。
「不要な成分は使わないほうが良い」という考えに囚われていたのは私の方だなぁ、と反省(´・ω・`)