今のボクには理解できない(『アンインストール』より)

 漢方薬を選んでいるようだったので声を掛けてみたけど、案内は断られた。
 漢方薬は効能書きだけ見てても、つながりが良く分からない適応症が並んで書いてあったりするから、なおさら案内が必要だと思うんだけど。
 まぁ、そういうのが余計なお世話ということもあるからね。
 ただ、それでお会計の段になってから確認したら適応しないことが分かり、それから選定し直すとなった場合に、お客様によっては時間が無いなんてケースもあるもんで。
 今回は、『PAIR漢方エキス』(桂枝茯苓丸)をレジに持ってきてから、「他に効果的な物があるか」を質問された。
 主訴とニキビだそうなので、『ヨクイニン』との併用を勧めた。
 そして、『桂枝茯苓丸料加よく苡仁』という物があることをお知らせ。
 ただ、お話を聞いたら以前に皮膚科を受診したことがあるというため、集中的に服用して治療するのであれば、保険の適用薬だから医師に処方してもらえないか相談するよう提案した。
 という訳で、本日はお買い上げは無しに。
 しまった、医師に処方を相談するという話は、お会計を済ませてからすれば良かった( ̄▽ ̄)

 やや高齢のお客様から、『ユースキンアイローション』と『ラナケインS』を比較しての質問を受け、前者は痒み止め成分の他に血行促進のビタミンEが入っていて、後者は痒み止めの他に殺菌成分が入っていることを説明した。
 主訴は乾燥肌で、『ラナケインS』には局所麻酔成分が入っていて、痒みに良く効くとは理解されているようだった。
 さらに話を訊いてみると、病院で乾燥肌と診断され、塗り薬が処方されたらしいんだけど、内容は不明。
 担当医から連用しないように注意を受けたというから、おそらくステロイド剤なのだろう。
 そして、それを心配して別な薬を買いに来たようだ。
 ……って、病院で処方されてる薬があるのに、あまり市販薬を自己判断で使うのは良くないですよ(^_^;)
 それに症状も患部を掻きむしるくらいだという事からすると、今はそのステロイド剤を使って痒みを抑えるのが先決です。
 痒みが軽減してから、非ステロイド剤に乗り換えるようにお話すると、『ユースキンアイローション』と『ラナケインS』の両方を購入された。
 ステロイド剤があるなら、『ラナケインS』の方は不要だと思うんだけど。
 主訴が乾燥肌ということからすると、局所麻酔も殺菌も用を成さないので。
 でも買いたいというので、お客様の要望を汲んで販売した。
 しかし、心配は残るためお薬手帳に市販薬の成分表示を貼って処方薬と一元管理するように勧めたら、衝撃の事実が発覚。
 (; ・`д・´) な、なんだってー!?
 院内処方で、薬の説明書のような物を貰っていないそうな。
 院内処方だと、そういうこともあるの?
 いや、驚いたのはそこではなくて、実は自分の薬ではなく、患者はお孫さんだと、この時点で教えられたのだ。
 しかも、薬の説明書を貰ってないのを、「子供用の薬だから」と理解していた模様。
 お薬手帳についても、「子供に要るの?」と言われた。
 子供こそ必要ですよう(^_^;)
 子供の頃から記録を取っていれば、それこそ薬歴簿として将来に渡って活用できる。
 お客様は、「じゃっ!」と颯爽と帰って行かれたけど、ま、ま、ま、待って~!!
 お孫さん、何歳なのぉーーーー(*」>д<)」!?
 呼び止めようとしたら、医薬品レジに次のお客様が来てしまい追えなかった。
 可愛い孫のためにと、わざわざ薬を買いに出るのに、可愛い孫のための安全に気をつないというのは、いったいどういう事なのか。
 理解できないよ……orz

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