お客様から「ユースキンを」と注文されて『ユースキンA』を案内すると、高齢の母親が肌の乾燥に使う物で、症状を確認したところ痒みはそれほど無いという。
痒みがそれほと無いのであれば、皮膚の中で保水する尿素が入っている『ケラチナミンクリーム』や、皮膚の表面を覆って保水する『アロエ軟膏』などへの乗り換えも検討してはどうかとお話した。
そしたら、夜に『ユースキンA』を、昼に『ユースキンS』を使っているという。
えっ?
どうして(^_^;)?
人間は副交感神経が優位になる夜のほうが痒みを強く感じ、皮膚を始めとした身体の再生も主に夜に行われるとされる。
だから、痒みを抑える抗炎症成分と局所麻酔を配合し、血行促進を促す『ユースキンA』の方が夜向け。
一方の『ユースキンS』は保湿がメインで、殺菌成分が加えられているから昼間のほうが適している。
疑問に思って理由を尋ねたら、『ユースキンS』の方がベトつかないから夜に使っているということだった。
ああ、なるほど~、感触かぁ。
自分が使っていないと、こういう視点を見逃しがち。
でも、同じブランド名でも名前の一部が違えば成分も効能も変わることを説明した。
すると驚かれて、娘さんも『ユースキンS』を使っているそうで、大丈夫か尋ねられた。
まぁ、大丈夫かと問われれば、問題はありません。
ただ、他の物を試したことがあるかを訊いてみると、他の物は使ったことが無いそう。
使っていて不具合を感じていなければ、あえて乗り換える必要は無いけれど、年とともに適応する物が変わるかもしれないので、使っているものについては成分などを記録しておくよう勧めた。
一番良くないのは、使い続けるにしても乗り換えるにしても、内容を把握しないことなので。
とりあえず本日は、『ユースキンA』と『ユースキンS』の両方をお買い上げ。
『リフレライフ』(安中散加茯苓湯)など、ストレス性の胃腸薬で迷っている様子のお客様に声を掛けてみた。
すると、病院で抗不安薬の『メイラックス』が処方されているという。
ありゃん、処方されている薬があるのでしたら、まず相談してくださいませんと駄目ですよう(;´・ω・)
そんな訳で詳しくお話を訊いてみたら、以前に『加味逍遙散』が処方されたことがあり、その時には倒れるような不快な眠気に襲われたという。
元々は更年期障害と診断されたらしく、抗不安薬が処方されているという話からすれば『加味逍遙散』は適応するようにも思えるけど、やはり当てはまらない事もあるんだなぁ。
お客様には申し訳ないけど、勉強になる。
さらに、その前には『桂枝茯苓丸』が処方されたらしく、そちらも合わなかった模様。
ふむぅ、それは難しい。
後から処方したのが抗不安薬ということからすると、担当医も漢方薬での対処に困ったという事か。
個人的には、お客様の体格と声の弱さからすれば『桂枝茯苓丸』が合うとは思えないから、『当帰芍薬散』との合方を試してみてはと思うけど。
さすがに提案では出過ぎなので、今回覚えていたように使った物については記録しておいて、地道に合うものを探していきましょうとお話した流れの中で、例として『婦人華』を挙げた。
そのうえで今回の主訴は胃の不調だということを確かめ、内的な不安感が関係することを考えれば『安中散加茯苓』は試しても良いだろうと、そのまま購入して頂いた。
お話の中では、高校生の息子さんのお弁当作りや、ご主人の送り出しも負担になっている様子。
たまに休んでみてはと言ってみたが、やらないと不安になるという。
こういう人は、一度決めたルールは自分で決めたものでも外れることができなくなっちゃうんだよねぇ。
私のチャランポランさを、少し分けてあげたい。
逆に云うと、ルール化してしまえば良い訳で、毎日やっていることをやらない曜日を設定してはどうかと提案した。
とはいえ、こういう話はそれこそ家族で来店してもらえると良いのだけれど。